◉ コラム
№111 リーマン・ブラザーズ破綻その後
2008年3月16日 米証券大手ベア・スターンズをJPモルガン・チェースが買収 米大手銀行JPモルガン・チェースは16日、米証券大手ベア・スターンズ(米第5位)の買収を発表。JPモ ルガンによる事実上の救済合併。買収に伴い、ベア・スターンズに対してFRB(米連邦準備理事会)は 最大300億ドル(約2兆9000億円)の資金支援を実施することを決めた。ベア・スターンズの破綻を回避 し、金融市場の混乱を防ぐことが目的。 2008年9月7日 政府系住宅金融機関のファニーメイ、フレディマックを政府管理下に ポールソン財務長官は7日、経営難に陥っている連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵 当公社(フレディマック)を政府の管理下に置くと発表した。2社合計で2千億ドルの優先購入枠を設定、 経営状況に応じ段階的に公的資金を注入する。これを受け両者の経営人を刷新。株主にも一定の責 任を求める。金融システム危機を防ぎ、米経済の悪化に歯止めをかける狙い。 2008年9月15日リーマン・ブラザーズ経営破綻
米証券大手(米第4位)のリーマン・ブラザーズ15日、連邦破産法11条の適用を申請すると発表し、実 質的に破綻。大手金融機関や米金融当局がリーマン買収の可能性などを協議してきたが、交渉が決 裂。法的処理を余儀なくされた。 2008年9月15日 米銀最大手バンク・オブ・アメリカは米証券大手メリルリンチを買収 米銀行のバンク・オブ・アメリカは14日、リーマン・ブラザーズではなく米証券大手メリルリンチ(米第3位) を買収すると発表した。サブプライムローンの焦げ付きやその後の金融市場の動揺で収益が悪化したメ リルリンチをバンガメが事実上、救済合併する。米国金融不安は世界最大級の金融再編に発展した。 2008 年 9 月 17 日 米保険会社最大手 AIG が政府管理下へ 米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に対し、米連邦準備制度理事会(FRB) は 16 日、最大で約 850 億ドル(約 9 兆円)の融資を承認した。FRBは融資と引き替えに、同社の株式 取得権を取得し、権利行使すればAIGの発行済み株式の 80%を獲得する。事実上、AIGはFRBの管 理下で再建を図ることになる。 AIG へのつなぎ融資は 2 年間で、AIG の全資産を担保する。金利はロ ンドン銀行間取引金利(LIBOR)の 3 ヶ月物に 8.5%上乗せした水準。AIG はつなぎ融資で資金繰りをつ け、時間をかけて資産売却し融資を返済する。 政府・FRB は今年 3 月、大手証券会社ベア・スターンズを公的支援で救済。9 月に入り、住宅金融 2 公 社(ファニーメイ、フレディマック)も政府管理下に置く一方、モラルハザード(論理の欠如)への懸念か らリーマン・ブラザーズの支援を見送った。AIG に関しては、金融取引の規模が大きく内外の保険契約 者にも影響が出ることを懸念し、公的支援に動いたと見られる。 9 月 17 日付日経新聞Monthly MOPERFA 2008/10/01(13:26)
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している米連邦準備理事会(FRB)を支援するため、米国債を臨時発行する制度を創設した。市場の動 揺がなお続く中、マーケットに沈静を促し、金融機関の資金繰りに万全を期すのが目的。 2008 年 9 月 18 日 日米欧 6 中央銀行、ドルを協調供給 19 兆円 日米欧の主要 6 中央銀行は 18 日、米金融危機のあおりで欧米民間銀行を中心にドル資金調達が難 しくなってきているため、各国中銀が協調して総額 1800 億ドル(約 19 兆円)のドル資金を自国市場に 供給する緊急対策を発表した。日銀は米連邦準備理事会(FRB)と総額 600 億ドル(約 6 兆 3000 億 円)の通貨スワップ協定を結び、外国銀行含む金融機関に直接ドルを貸し出す。 通貨協定スワップ 国や地域がお互いに外貨資金を融通しあう取引のこと。特定国・地域で為替介 入や国内への資金供給のために外貨資金が必要になった場合に、他の国が相手国の通貨と引き換 えに外貨を一時的に貸し出すことを取り決める。 参考:日経新聞 2008 年 9 月 18 日 英銀行大手ロイズ 住宅融資最大手 HBOS を救済合併 英銀行大手のロイズ TSB は、住宅融資の最大手の大手英銀行 HBOS を 122 億ポンド(約 2 兆 300 億 円)で救済合併することで合意したと発表した。HBOS は英国の住宅ブームを追い風に住宅事業を急 拡大したが、資金調達の市場依存度が高いため、信用不安に伴う信用危機に発展する恐れが高まっ たため、ブラウン首相自ら仲介に乗り出し、両行の合意を 1 日でまとめた。 2008 年 9 月 20 日 米国政府公的資金、最大 75 兆円 不良資産買い取り公的機関設立案 米政府の総合的な金融安定化対策の原案が 20 日、明らかになった。サブプライムローン問題で損失 を抱える金融機関から不良債権を買い取り、公的資金を投入して一括処理するための公的機関を設 立する。1980~90 年代の貯蓄貸付組合(S&L)危機の時に創設した整理信託公社(RTC)は、S&L の不良債権処理で大いに実績を上げた。今回は、現代版のRTC設立構想。焦点の公的資金による 不良資産の買取りは最大 7000 億ドル(約 75 兆円)。今後 2 年間の時限処置とし、米国内に本店を置 く金融機関だけを対象とする。[中略] 政府が買い取りの対象とするのは住宅ローン、商業用ローン のほか住宅ローンに関連するあらゆる証券化商品。今年の 9 月 17 日より前に組成されたローンや商 品に限定する。ヘッジファンドの保有する商品は対象から除外する方向。外国の金融機関も対象外。 2008 年 9 月 21 日 米証券大手ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー 銀行持ち株会社に 米連邦準備理事会(FRB)は 21 日、米証券 1 位はゴールドマン・サックスと同 2 位モルガン・スタンレー の銀行持ち株会社化を承認したと発表した。銀行持ち株会社になることで FRB による資金供給を容易 にするとともに、預金業務参入で資金繰りを支援する。 米国の証券大手 5 社のうち 3 社は破綻(うち 2 社は救済合併)、残る 2 社は銀行持ち株会社となる。証券 会社専業の大手は消滅する。米国金融業界の大きな転換点となる。 FRB によると銀行持ち株会社とな る 2 社の証券子会社に対し、預金を扱う銀行と同じ担保条件化で傘下のニューヨーク連邦準備理事会を 通じて直接融資できるようになる。証券大手メリルリンチについても同様の拡大を承認した。証券大手リ ーマン・ブラザーズの破綻以来、証券会社の資金繰りが厳しくなっていたのに対応した。 9 月 22 日付日経新聞(夕刊)Monthly MOPERFA 2008/10/01(13:26)
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2008 年 9 月 22 日 三菱 UFJ 銀行、モルガン・スタンレーに出資 9000 億円 世界的な金融再編劇に日本の金融機関も相次いで加わる。三菱 UFJ フィナンシャル・グループは 22 日、米証券大手モルガン・スタンレーの第 3 者割当増資に応じ、最大 20%出資して筆頭株主になると 発表した。出資額は 9000 億円規模と、海外記入機関を対象にした M&A(合併・買収)では過去最大と なる見通し。 2008 年 9 月 22 日 野村、リーマン・ブラザーズのアジア部門を買収 野村ホールディングスは 22 日、米リーマン・ブラザーズとの間で、日本を含むリーマンのアジア太平 洋部門の買収で基本合意したと発表した。買収金額は 200 億円強。高度なノウハウや豊富な人材を 中心にリーマンのアジア事業を引き継ぎ、海外の攻勢をかける。 2008 年 9 月 23 日 ゴールドマン・サックス増資 1 兆円 ウォーレン・バフェット氏半額引き受け 米証券最大手ゴールドマン・サックスが銀行持ち株会社への移行に続いて、総額 100 億㌦(約 1 兆円 超)以上の大型増資に踏み切る。うち半分を引き受けるのは著名投資家ウォーレン・バフェット氏率い るバークシャー・ハザウェイ。ゴールドマンは自己資本の拡充という「実」に加えて、米金融機関に影響 力のあるバフェット氏を大株主にすることで、信用不安を払拭する狙い。 ウォーレン・バフェット 米ネブラスカ州生まれ。78 歳。元は繊維会社だったバークシャー・ハザウェイ を 1960 年代に買収し米屈指の投資会社にした。「安定した収益力」「買収価格が割安」「理解しやすい ビジネスモデル」などの投資基準を持つ。短期の利ざやを狙うのではなく、長期保有が中心。同氏はバ ークシャー社の経営を通じ、40 年にあたり年率 20%以上の運用成績を上げてきたため投資先企業に は一定の買い安心感が生まれることが多い。 参考:日経新聞 2008 年 9 月 25 日 米銀行ワシントン・ミューチュアル破綻、JP モルガンが銀行業務部門買収 預金量が全米 6 位で米貯蓄金融機関(S&L)最大手のワシントン・ミューチュアルが 25 日、経営破綻し、 米大手銀行 JP モルガン・チェースが 19 億ドル(約 2000 億円)で銀行業務と店舗網を即日買収、全預 金を引き継いだ。 2008 年 9 月 26 日 JP モルガン・チェース増資、1 兆円に増額 JP モルガン・チェースは 26 日、予定していた公募増資の額を 100 億㌦(約 1 兆 600 億円)に増資する と発表した。 JP モルガンは 25 日、ワシントン・ミューチュアルの銀行業務などを 19 億㌦で買収。それ に備えて自己資本を積み増すため 80 億㌦を増資すると発表していた。 2008 年 9 月 28 日 金融安定化法案 10 月 1 日に成立する見通し 米下院は 28 日、政府・議会で大筋合意に達した金融安定化法案を公表した。最大 7000 億ドル(約 75 兆円)の公的資金で不良資産を買い取る一方、金融機関の株式引受権(ワラント)取得など国民負担 軽減策も盛りこんだ。共和党も賛成を明言。10 月 1 日までに上下両院で採決し、大統領が署名したうえ で成立する見通し。Monthly MOPERFA 2008/10/01(13:26)
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№112 米金融機関の再編
◎ 米銀行の預金量ランキング
① バンク・オブ・アメリカ →メリルリンチ(証券 3 位)を買収 (8065 億ドル) ② JP モルガン・チェース →ベア・スターンズ(証券 5 位)、ワシントン・ミューチュアル(銀行 6 位)買収 (7976 億ドル) ③ シティバンク (7729 億ドル) ④ ワコビア (4509 億ドル) ⑤ ウェルズ・ファーゴ (3432 億ドル) ⑥ ワシントン・ミューチュアル 破綻 (JP モルガン・チェースが買収) (1882 億ドル) ⑦ US バンク (1432 億ドル) ⑧ サントラスト (1208 億ドル) ⑨ HSBC バンク USA (1194 億ドル) ⑩ ナショナル・シティー (1045 億ドル) 数値は 6 月末現在 [日経新聞 9 月 27 日付日経新聞]◎大手米証券会社(投資銀行)
ゴールドマン・サックス → 銀行持ち株会社に モルガン・スタンレー → 銀行持ち株会社に メリルリンチ → バンク・オブ・アメリカが買収 リーマン・ブラザーズ → 破綻 ベア・スターンズ → 公的資金注入後、JP モルガン・チェースが買収Monthly MOPERFA 2008/10/01(13:26)
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№113 リーマン破綻後の株価と為替
◎ 株価の動き
9 月 15 日にリーマン・ブラザーズの破綻が発表され NY 市場の株価は不安定な動き
をみせています。非常に大きな株価の動きを見せる日が多く、リーマン破綻が発表さ
れた 15 日にはマイナス 500 ドルを超えてダウ平均がマイナスになりました。しかし、政
府や FRB の金融対策の発表によって大きく戻す場面も見られ,株価に関して言えば一
進一退が続いている状況です。
9 月 15 日(月)リーマン・ブラザーズの破綻が発表される。
9 月 12 日(金)終了時までの NY 市場のダウ平均株価は 11421.99 ドル
15 日(月)マイナス 500 ドル 16 日(火)プラス 120 ドル
17 日(水)マイナス 400 ドル 18 日(木)プラス 400 ドル
19 日(金)プラス 370 ドル 22 日(月)マイナス 370 ドル
23 日(火)マイナス 160 ドル 24 日(水)マイナス 29 ドル
25 日(木)プラス 200 ドル 26 日(金)プラス 120 ドル
9 月 26 日(金)終了時のダウ平均株価は 11143.13 ドル
この 2 週間のダウ平均株価の下落率はマイナス 2.44%になっています。
一方、日経平均株価のこの 2 週間の推移です。
9 月 12 日(金)終了時の日経平均株価は 12,214.76 円
15 日(月)祝日 16 日(火)マイナス 400 円
17 日(水)プラス 140 円 18 日(木)マイナス 260 円
19 日(金)プラス 430 円 22 日(月)プラス 170 円
23 日(火)祝日 24 日(水)プラス 25 円
25 日(木)マイナス 108 円 26 日(金)マイナス 113 円
26 日(金)終了時の日経平均株価は 11893.16 円
この 2 週間の日経平均株価の下落率はマイナス 2.63%になっています。
Monthly MOPERFA 2008/10/01(13:26)
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◎為替(ドル)の動き
米金融機関の経営破綻などの影響からドルの下落が心配されています。
実際にこのところの為替相場の動きは非常に大きなものになっていますが、米ドルは
多少の下落は見せているものの、大きく下げている状況には現在のところですがあり
ません。
直近 3 ヶ月(2008 年 7 月から 9 月)のドルの動き
上方がドル高 下方がドル安
USDJPY=米ドル・円
USDEUR=米ドル・ユーロ
USDCH=米ドル・スイスフラン
USDCAD=ドル・カナダドル
USDGBP=米ドル・英ポンド
USDAUD=米ドル・オーストラリアドル
Monthly MOPERFA 2008/10/01(13:26)