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アオムシコマユバチの寄生活動に関する研究 VIII 産卵能力について-香川大学学術情報リポジトリ

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欝7巻努3号(1956)

アオムシコマエバチの寄生活動に関する研究

Ⅷ 産卵能力について鴇

松沢 寛。宮本裕 三・岡 本 秀俊

249

hlVeStigalO王1$On the p釘aちitj.c activities of .い.・パ・∴ヾ主イー.・ノ√さ=イJ′♪.

Ⅴ‡‡‡Or−tわe f■ecuTldまt■y ofadulヒfema1e.

HiroshiMATSUZAWA,Yuzo MIYAMOTO,and HidetoshiOKAMOTO

(L∂boエーatO工−y Of Applied Entomology)

(Received Noveml)er7,1955.)

モン1/ロチョウ薫物■よ・S′■(ゆαβC㌢鋸査ぴ07■αの幼虫寄生二蜂として著名なアオムレコマユバチ4錘焼払g加脚αね等の 生態に.ついては尚不職場点が可成多いが,本寄生蜂の産卵能力等についても従来殆んどみるべき研究も行われ ず,吾々は本寄生蜂の有ノ計牲を論ずる上にも何等の論拠も召していない訳である」従って吾々ほ.本番4蜂の寄生活 動の実態を究明する仕事の1部として,又∵・カにおいて本種の有用性を的確に判断評価する1一食料とするために本研 究を行っね蕊に.その大要を述べて大方の参考に供したい」 本文に先史って始終懇篤なる御指導をたまわる恩師岡山大学教授春川忠告博士,京都大学教授内田俊郎博士並び に本研究を施行するに.当り始終御蔵旗下された本学々長黒上泰治博士に厚く感謝の.芯を表する 実 敵 方 法 本実験ほ1955年フ月11日灯司−の寄主から脱出羽化した香川県産アカ’ムレコマエバチ雌13頭の中10頑を選んで行 ったもので,実験に.先立って予め用意したモンレロチョウ2∼3令幼虫を寄主として,ガラス管内でそれぞれの寄生 蜂に.相通せしめた.羽化翌日のフ月ユ2日からそれぞれの寄生蜂に連自好むだけ産卵(原則的に1寄主紅対して咽の産 卵)せしめ,当日の実験終了後にほ新たに取扱えた砂糖液(20%)を油紙にて与え,寄生をうけしめたモン1/ロチ ョウ幼虫にほ個体別に新たなキャベツの葉を与え,毎日240Cの‖ヨ防空壕利用恒温室濫収めた・尤も時期的にほ激化 病,その他で寄主の死亡する率きわめて高い時期であったので,寄主ほすべて塩類の飽不=溶液を用いて湿度をの% に規正したデ汐ケ一夕−・内に個体別にガラス管に収めて容れ,又寄掛ますぺて乾熟毀庖∴たものと毎」ヨ取替え,キ ャベツの柴も毎日昇氷水(1,000倍液)にて二殺鼠した新昭栄と収容える等慎重を期した それに.も拘わらず寄主の死亡率は相当に高かったので,死亡したものについてほそ・の都度解剖顔微銃下で解剖 し,その寄生数を調べて記録した寄生蜂死亡後は又‖之を解剖し,体内の残存卵数を検したけ 実 験 結 果 実験に当って選んだ10頭の寄生蜂はそれぞれ生存期間を異にしたが,各寄生蜂の軌ヨの産卵状況並びに崖存期間 中の総産卵数は第1及び第2衣の如ぐであった・伸し表中×印の部分は寄主隈病して死亡し,腐敗のため解剖顕微鏡 下でも調査出来なかったものである ★香川農科大学応用昆虫学研究室業損Noけ1フ

OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

(2)

香川県立農科大学学術報告 TABIEl。 Number ofindividuals oIpa工aSitesin each host on which aparasite

laid eggs every day

250

means a ceてtain number wllich we could not count.

r芸…冨: means the numbero丈eggS that weIe nOtlaid out…

Numbe工Ofindividualsin egg orlarvalstage of parasites jn each host

Individual No小 Of pa工■aSite and the

days of egg laying

iRemarks

14卜5榊1瑚2。l21陣車神6

1址山竺_址也址蛙

3 1⊥ 0 1 24 20 16 10 1 2 2 9 5 4 × ﹁⊥ 罰2017 2∈i l.9 ︻h︶6へ∠ 2︵J l⊥ 12345 678910

m1127U2 ×∽3×6 0×6 u 柑

× 11じ×M 8フ×136 uフフ・

44′33× 23ユ 5

1⊥つん3ノ﹁︹〇 1﹂l⊥1﹂1⊥ 60っ乙0︵∠ つん ﹁⊥

TotalnlコnlbeIOf parasites counted from allhosts Per adult wasp(♀)

TABLE 2

Total number of parasites COunted frrom allhosts 1ndividualNol

Of parasite wasp RemaIks

407つ山5

49690

1 ニー一l一ニニ H〃”﹁ 〃” m L== 4 〝ニ10 〝ご,9 〝ニュフ 〝ニ11 〝=1フ 〝ご 8 〝ニ16 〃∵ニ8 〝ニ16 380U 、′・ ﹁⊥ ⊃・・ ニーニニニ 〃” 〃” m 62〇一卜Ⅹ 94フ十Ⅹ フ34+Ⅹ 542十Ⅹ 10〇フ+Ⅹ 1110十Ⅹ 944+Ⅹ e92+Ⅹ フ93+Ⅹ 1301」−Ⅹ ⊥2345 4061︼3 2727▲3 1 1 ﹁⊥ ニニーiニニ 〃 ‖〝 山〝”∵” 214フ2 6QJ ︵∠﹁⊥ ニニー一門一L脚 ”り ” 6フ8910 Ⅹ,R.E:See TABlEl

L means thelongevity of adult wasp(♀) N.Hmeans the numbe工 Of hosts attacked

第1及び第2表に.みられる如く,寄主への攻撃ほ概して初日(本実験でほ羽化後第2日目)に多く,それより日数 を経る仙こ漸次少くなる傾向があるが,産卵数もそれに伴って減少し,後に・至ると産卵数も数個宛又ほ産卵数0と いう場合が次第に多く見られた今1つ頚の寄生蜂それぞれに.ついで生存矧馴ニーの産卵数の頻題分布をとってみると 凶の如くと.なり,寿命のある限り産卵せしめた場合の各恒iの産卵状況がよく覗い知られる 只この際注恵すべきは珠江lの各回の魔卵数を艦序壕亮レて検してみると,次節に増えては叉次第に腺ずるといっ たような−・種の披の如きがみられることであるそれほほじめの間程著しいように見受けられるが,とに角本寄生 蜂の産卵が毎矧司じ調子にほ行かないものであること,叉それを寄生蜂白身がうまく調節していることが之の事実 からよく推測できる 生存期間中の治産卵数は正確でほないが,罪1及び算2衣にみられる如く,5∞余から1,∞0以上に.も及ぶことが分・

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第フ巻 第3号(1956) る・・生存期間中の総攻聾回数 と共に吾々の予想以上であ る 寄生蜂死亡後の体内残存卵 数ほ亦個体により寒が見られ たが,何れの場合も産山卵数 年廣すれほ僅少にしか過ぎ ず,保有卵の大部分がよく寄 軍紅潮して産出されるもので あることが察知される尚参 考迄にこれ等の供試寄生蜂 と同時に脱出羽化した他の既 成虫の戚卵数を示せば, No.11=562,No‖12=ニ・6〇9, No・13=61フ で罪2表中の No.1及びNo、4等の個体と大 略近い卵数を示した 考 寅 今回の実験結果は前掲の第 1,欝2衷及び図の如くである が,これ等の結果に基づいて 次に箸干の考察を試みる 先づ罪1に本寄生蜂の寄主 に二対する攻撃であるが,第1 表及び第2衣に示した如く, ほLレめほ大部分の蜂が20回以 上の産卵を行ったのであるか 0 0 1 いU2〓〓Pひ河出こ 0 0 釦 4 3 ーの∼NO ご∼G か∼−○ −i∽ ○ 【J トーl ∼ N Ul 会∼岩 舟−∼ふひ ∽の∼ふ○ ︺−∼∽∽ 帖の∼∽○ C L A S S

Showing the curves of frequency distribution oi paxasites ubVaePeIhostl (…:;ミミeこ:?芸」ニ;?慧㌶ ) ら,本種の寄主に対する攻撃 ほ野外把.おいても相当に旺んなものであろうと考えられる1.只日数が可成経つと回数も次卿こ減ずるところをみる と,その時の体内の捉有卵数がやほり問題であるように思われる“実際に.このこと.ほ.各寄主に対する産卵数をみて も、よくうiるこ卑である・それぞれの蜂が末期に・は1匝粧数個の産卵しか行えなくなり,時にほ実際に産卵したよう に見えても,全く卵を座込んでいない場合も出て来たのであるが,この産卵数0というのも一応注目すべきことで あろう 滞2年それぞれの寄主に慮込まれた卵放であるが,通常元気旺盛な蜂ほ1回の産卵で1′・、ノー′つ軋 平均24個内外の産 卵を行う.しかも10個以下の場合というのは,40以上というような場合と同じようにそむ.用度は一・般に.低く,野外 においても大略同様なものと推測出来るのであるが,本実験の場合,前掲の第1回の如く,0叉ほ10以下という場合 の頻度が相当に高かったことから,やはり吾々のこうした実験は,実際の彼等の野外における活動とほ相当軋喰違 うところがあるようにも考えられるしかし一匹の寄生蜂が,連日連続的に産卵を行うものと仮定するならば, 第1,筋2表の如き結果ほ当然期待できるものと考えられるが,実際の場合に・本寄生蜂が,どの程度の時間々隔と回 数を以って産卵を行うかということは到底吾々の予測し得るところではない只前にもー寸ふれたように産卵状況 をよく注意してみると,だんだんに増えてほ又次第に減るといったような一・種の波が見られ,明らかに彼等の産卵 数が寄生蜂自体の一種の調節によって決められるものと予想されるが,それが又体内の保有卵数とも密接な関係が 存することは当然考えられる‖ ついでであるが,寄主の大きさと産卵数との間にも何等かの関係がありそうに.考え られるしかしこの点についてほ従来の度重なる実験結果から聾者等は否定的な意見しか持合していない

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香川県立鹿科大学学術報磐 252 罪3にどの位の卵を保有し,どの位の卵を実際に寄主に産込むかという問題である‖ 欝1及び第2表の結果から考 えると,実際に盛込まれた数でも概ね500∼1,000叉ほそれ以上に上るのやあるから,雌体内の保有卵数ほ更に々れ 、1\ 以上存することほ.確実である従って苦し本種が,それ程同一一番主監対して重複的な産卵をしないものとすれば, 相当多数の寄主をたおし得ることになる 第2表の結果からみると,死亡後の残存卵数は実際に産込まれた卵数に 比するとそれ程大でほない1従って実際の場合にも保有卵の大部分がよく寄主に対して産込まれているものと考え られる (2) か/つて.長嶋氏(1933)ほ本種の生態について研究し,本題の如き問題について若干の実験を行つている・同氏に よると,本寄生蜂の威卵数は20〇′・一400,平均して250内外で,実際の産卵歩合は平均276%イ立との寧である・吾々 の実験結果に比すると甚だ大きな懸隔があるが,実際に用いた寄生蜂の生存期間,攻撃寄主数,産卵数等も随分吾 々の成紙とほ隔りがあるしかしその原因につい<ほ十分なことほ分らない 摘 アオ■ムレコマユノミチの産卵能力並びにそれに関連した2,3の問題を明らかに・するために,1955年7月本実験を行 い,次の如き成績を得た り 連日好むだけ寄主を与え.て産卵せしめた場合の寄主への産卵数や実瞭に攻撃した寄主の数は第1日目が概して 最も多く,それより1ヨ数を経る毎に漸次減少した 2)毎回の産卵数には一一一・星.増え/ては又次第に減るといった一・種の波が見られ,ほじめの中程それが政著であった巾 3)寄主に対する実際の産卵数は終期に近づいてからは数個宛のこと.が多く,0の場合も可成多かった 4)生存期間中の総産卵戯は50〇以上ユ,0つ○叉ほそれ以上匿及んだしかし各回の産卵及は全休的軋みて1.0」2「下とい った少数の場合が非常に多かった 5)寄生蜂死亡後の体内残存卵数ほ産出卵数に比すると非常に櫻少ご3∼81個であった 参 驚 文 献 1)松沢寛:香川農大学術報告,フ(1j,60・・・一−66,(1955)・ 2)長島赴隆:応用動物学雑言.さ云,5(1),1フ・−25(1933). R畠s u m畠

In oIderto know the fecundity of Aba7deles glom8raius and to clari董ysome problems connected withit, present experiment was carIied outinJuly,1955with theiollowing王eSults:

l)The number of eggslaidin the host bodies and that of hosts attacked on the負王St day was the largest ofall,andit reduced gradually as the days went on・(In this experiment,the hosts weregiven to parasites p王enty enough as they attack andlet themlay theiIeggS eVery dayr・)

2)A sort of且uctuation ofinc‡eaSing and dec工eaSing was seenin the number of eggsin由ch egg laylng andit was remar’kable at the beginning of this expeIiment

3)In thelast few days,the number of eggslaidin the host bodies decreased and reckoned only a

fewin gene夏al,andin some cases not any eggs were seen

4)Totaln11mber of eggslaidinthe host bodies per parasite waslarger than500andit reached1000

Or mO工e.But the number of eggslaid each time was smal1in geneIaland the casesless than10eggs were seen very often

5)The number of eggs which were notlaid out was very small(3・8leggS)in comparison to the

numbe£Of theselaid out

参照

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