• 検索結果がありません。

香川県低山麓におけるスミスネズミの個体数と繁殖活動の季節変化-香川大学学術情報リポジトリ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "香川県低山麓におけるスミスネズミの個体数と繁殖活動の季節変化-香川大学学術情報リポジトリ"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

香川県低山麓におけるスミスネズミの個体数と繁殖活動の季節変化

金 子 之 史

〒760 高松市宰町1・−1香川大学教育学部生物学教室

SeasonalChanges of the Number Collected and Reproduction

in EotheTWTTWS STnithiiat the Foot of a Lower Mountain,

Minoura,Kagawa Prefecture,Japan

YukibumiKANEKO,Biol噌icalLaboTatOTy,Fbculfy qfBuucation,

入りヾ川′・りJJ′f=∵J/\・、71′人・′′′…/バ′Jr・恥・J・伊りJ′

AbstractThe seaLSOnalchanges of smal1rodents andinsectivores collectedand reproduc−

tion of EothenomlγS Smrithiiwere studied at the pine forests of Minour・a(34Oo2ノ30〃N・

133O37030クE,alt…65−140m),1977−80。E.smithiiand ApodemusalgmteuS Were dominant

in numbers collected from winter・tO Sprlng,Whereas A.鱒eCiosus wa$CaPtur・ed thr・Oughout

a year,thoughthe number fluctuated around five to ten”The pr・OPOrtionof E.

collected correlated significantly with that of A.印eCioszIS COllected at eight habitats:

E.smithiiwas relatively dominantin the habitats of highest ferns and wet condition

On the grOund sur・face.,Reproductive seasons were judged as October to Aprilin E.

smithiiin the study area。The number・Of E.sTnithiicollected suggeStSthatadistfibution

study should be carried outin Febr・uary and March for E.smithit,Whichlivesin the

foot of mountainsin Shikoku

しようとする場合にほこのことが考慮されなけ ればならない。したがって,スミスネズミの上 述の分布調査にあたっても,個体数の季節的変 化に関するデ1一夕が基礎的に必要となる。 四国におけるスミスネズミの個体数の季節的 変化に関するいままでの調査は,600mと1000 mの標高の四国山地でおこなわれただけである (五十・嵐1980)。その中で,五十嵐(1980) は個体数の変化と繁殖活動の変化との関連性を 指摘している。スミスネズミの繁殖期ほ垂直的 にも異なっていることが報じられているので(金 子・森井1976;五十嵐1980),上述した低 山麓のスミスネズミの個体数・繁殖期にも季節 的変化の様相ほ五十嵐(1980)とは異なってく ることが推測される。 そこで,本研究の目的は,スミスネズミの分 布調査に供する基礎資料として,低山欝におけ は じ め に 四国のスミスネズミ風)とゐの07乃ツ5Smiとゐiiの 分布に.関するいままでの報告は,垂直分布が中

心であり(Tanaka1951,1962;宮尾ほか

1966;田中1967;Abe etal.1970;金子

・森井1976;友成1988),水平分布につ

いては,山麓部の報告(Kaneko1979;金子

1982,1983)と文献のレビュ・−(金子1985) があるだけである。水平分布のうち前者の報告 は,それまで関心が払われていなかった四国の 低山麓(標高20∼350m)の耕地・放棄耕地・ 造林地などでのスミスネズミの棲息を述べたも のである。しかし,その分布状況はまだ十分把 擦されてはいない。 このような動物の分布状況を把握する際にほ, その動物の個体数の多い時期に調査をしなけれ ばならない。とくに.,分布しないことを明確に

(2)

かれ,そのはとんどほ小さな沢筋となっている (Fig.1)。他の地域はほとんど胸部までの高 さのあるシダ類でおおわれ,また斜面の勾配が 急で,登ることほ困難である。ワナせ設置した 場所を景観のちがいからA∼Hの8棲息場所に 分析し(Fig.1),それぞれの棲息場所につい て,斜面の傾斜度,腐植土の状況,林のうつ閉 度の項目ほ相対的に3段階,シダ額の高さ,谷 筋の湿潤腰匿ついてはそれぞれ4段階と2段階 に分けて記述した(Tablel)。 るスミスネズミの個体数と繁殖活動の季節変化 の概略をつかむことである。本研究は,他の小 哺乳類の採集結果と調査地域内の棲息場所のち がいにもとづく描獲割合の変化についても,あ わせて記述する。 調査地および調査方法 調査地ほ,香川県三豊郡豊浜町箕浦の,調査 当時国鉄箕浦駅の南にある,大谷山(標高509 m)の北側の山麓部(34002′30ケN,133037′30ク E)である。ここほ讃岐山脈の西端で,愛媛県 境に近いところに位置する。調査地の標高ほ65 ∼140mである。そこほアカマツ.托仇ばd錯遍一 月orα・クロマツP.乃比花わ即官ii混合林でおおわ れており,その林綾部から西側にミカン畑が広 がる。 ̄下巻としては,ワラビPとerfd£ぴm叩㍑孟一 拍㍑m,ウラジロGヱe£cゐe花王αg払ひCαを主要と したシダ額が大部分で,一部に・アラかンQ払erC比ざ g払眠α,ヤマツツジj訊odo血doro花助em眉/bri, エバノミツバツツジ月.re亡ic乙血と昆m,オオバスノ キ侮cci花i弘mSmαヱgii,サルトリイバラSm£g此 Cゐ£花α,セソダソ〟e∼iαAze(ねrαCゐⅥ机ノ叩0一 花Zcα,ツリガネニンジンAde乃qpんor・α亡r・わ布γgZα, ススキ朋ぬ∽扉如は由血狐姑などが認められた。 ワナを設督した場所ほ,調査地内に線上に層

Fig.1い Map showingthelocation of eight

habitats(A−H)in the study area of

Minoura.A solid broadlineindicates

anagriculturalroad.

Tablel.Some conditions of habitats(A−H)in the study area.

Appr

GrCng

Habitat

slopes Humus

s c

flat, a little open

slightly inter mediate open Sloplng

sloplng rich slightlly close flat intermediate slightly close

sloplng intermediate slightly close

flat a little slightly close flat a little close

flat a little open

A under 50cm

dry

B 50−130cm dry 100−130cm 50−130cm lOO−130cm 50−100cm 50−100cm under 50cm

Wet W2t Wetdry Wetdry

C D E F G H

(3)

調査期間は1977年7月26∼29日,9月14∼ 17日,10月28∼31日,11月18∼21日;1978年 1月20∼23日,3月10∼13日,5月31日∼6月 3日,12月8∼11日;1979年8月16∼19日; 1980年2月12∼15日,4月10∼13日,5月14∼ 17日で,いずれも第1日目にワナを設置し,3 日間そのままの場所におき第2日目∼第4日冒 にそれぞれ標本を回収した。延べワナ数は毎月 3日間で495個で,金属製ギロチ∴/トラップを 使用した。エサほカボチャ仇c王Jrむよ£αmOざCゐα亡α 種子を用いた。 捕獲された小哺乳炉ほ,A∼Hの棲息場所を 記録後,実験室に持ち帰り体重・外部形態の計 測,乳頭の状況を観察記録し,スミスネズミに ついては内部生殖券官の剖検をおこなった。な お,体患ほ上ざら直示天秤(最小目盛01g・) (長計量器製作所)を用いた。生殖器官でほ, 精巣長径をディバイダ−・にて竹製ものさし(最 小目盛05mm)で01mmを最小目盛として計測 し,副精巣尾部の管状構造の有無を肉眼にて調 べた(Jameson1950)。また,雌でほ子宮の 状態,胎児の有無,恥骨結合開閉の有無(金子 1968)を肉眼にて検査した。 なお,上記植物の学名ほ,牧野(1961)にし たがった。 結 果 1.描狂された小暗乳類の個体数の季節変化 描狂総合計数311頭からみると,箕浦では年 間を通じて,スミスネズミ100頭(32%),アカ ネズミ ApodemぴS叩αわs弘8105頭(34%)がほ ぼ近似して描獲され,ついでヒメネズミA. α曙飢feぴS63頭(23%),ヒミズモグラ伊ofrわゐαg 亡αヱpo道es 40頭(139乙)の順となり,ジネズミ CrOCi血mdzよ花ααm去ほわずか3頭(1%)で ある。 しかし,スミスネズミとアカネズミの描猿結 果には季節的な差があり(Fig.2),実数でみる とスミスネズミの個体数は冬季から増大し,2 ∼3月に最大となり,以降次第に減少し8∼9 月にほ描獲されなぐなる。それに対してアカネ ズミは5∼10頭前後の変動ほあっても年間を通 占○亡ムe′l01けyゴ S瓜i亡ゐゴま 5 5 0 l 1 P2ヱdロU S一D⊃P‡Puこ0﹂む﹄W⊃uむ吉 6 /\・三 3 13 13 0−・・・・−・○

油川汗′

Apode爪US SpeCioざU 11 11 ′ 川gエ。eUr\ 。p。。e爪U 0 。 3、 声、−0 0 ′ム1 ・ J A・・・・・・・・・−ム‘■+ − 2 2 ムl ム1 〝∫0亡r土c/】uぶ C81po上des ・・・=−− −○・■−・・・・・・・・・・−○

」 F M Å 〟し」」A S O N D

iotal 37 42 34 36 32 td 13 12 10 16 33 ZZ

Fig. 2 Seasonal changes of the number of small rodents and insectivores collected at Minoura,1977−80 して採集される。−L方,ヒメネズミほスミスネ ズミほど顕著ではないが,冬季から春季に採集 され,8∼9月には採集されない。 相対的な割合からみても,スミスネズミとヒ メネズミは冬季から春季にかけて主要な小哺乳 類であり,それに対してアカネズミの割合ほ夏 季から秋季にかけて増大することになる。 2.棲息場所別捕獲割合の種間の関係 各棲息場所別描獲割合を種別に,あわせて捕 獲数もFig・3に示した。ワナ設置数は各棲息場 所で異なってはいるが,各棲息場所別の種別の 描狂割合は,8棲息場所問で比較ができる。こ の描猿割合を,2種類づつペアーでとり,その 相関係数をしらべた(Table2),この結果から,

(4)

スミスネズミとアカネズミのとれ方ほ8棲息場 所からみると逆相関になる(Table2とFig.3)。 同様のことがスミスネズミとヒメネズミ,アカ ネズミとヒミズモグラとの間で認められたが, 逆相関の係数はスミスネズミとアカネズミの間 で−・番高い値を示した。 ここで,一・番相関係数の高かったスミスネズ ミとアカネズミにおいて,アカネズミの描獲割 合の減少の順序(Fig.3)に,Tablelに示し た棲息場所の相対評価を対応させてみる。その 結果は,上記の順序でシダの高さほ増加し,谷 筋の湿潤度が増加する傾向が認められる。 3.スミスネズミの繁殖活動の季節変化 採集されたスミスネズミの体重別ヒストグラ ム(Fig.4)をみ・ると,雄でほ2月の1例のみ 21g台の体重が性的成熟に達しているが,他は すべて24g台以上の体重で性的成熟に達してい る。したがって,雄でほ2月のみ21g以上,他 の月でほ24g以上の体重をもった個体を成体と して扱う。−・方,雌では妊娠個体・恥骨結合が 開き乳頭が顕著な個体(両者ほ性的成熟個体), 恥骨結合は開いているが子宮ほ大きくなく乳頭 も顕著でない個体(経産個体で非繁殖活動中) は,体重24g以上に認められる。したがって, 雌でほ24g・以上の体重をもった個体を成体とす る。 この基準に従って,繁殖率(%)(性的成熟個 体数×100/成体数),妊娠率(%)(妊娠個体 0 0 3 1 ト≦.岩く〓 〓U<山トく 凸山↑U山﹂﹂OU SZ山∑−U山dS 0 0 0 5 3 ■−・ 0 0 5 3

H A F B G D E C

TotalちZ8436S30436835

Fig」3”The proportion(%)ofsmallrodents

andinsectivores collected at eight habi−

tatsinthe studyar・eaOf Minoura.One specimen of C>ociduradsinezuTniisco11e−

cted at C,D,and G,reSpeCtively,Which

are not shownin this figure.

Table2The corTelation coefficients of the abundance(%)

between two species collected at eight habitatsin

Minoura,1977−80 Species Name ES AS AA UT β0£ゐe花Omツβ3mi亡ゐi£(属S) 4po(おm弘5叩eCわsαβ(A5) −0841** 4po(ねm弘5α樗eれ£eαβ(AA) −0・781* Uroと「孟cゐαぶ ねZpo£deβ(Ur) 0531 O 513 −0.777* −0573 *002<p<005,**0001<p<001.

(5)

車重…ヰ:車

mnn l エトロZ山﹂ S︻トS山ト ︵ひ︶ト〓望山き 5

削妄_‡∃∃

J F M A M JJ O N D

Fig..5lSeasonalchanges of testislength

in EotheTもOmyS Smithii.Opencircles are

males without tubular epididymis,and

solid circles are males with tubular

epididymis.

繁殖期(10∼4月)を中心にスミスネズミが 捕獲されているが,その個体数の多少(Fig.2) と繁殖率や妊娠率の多少(Table3)との関係を みた。雄の個体数と雄の繁殖率(r=0148), 雌の個体数と雌の繁殖率(r・=0400)はいずれ も統計的に有意でほなく(p:>01,d/=10), 雌の個体数と妊娠率(r=0小583)にほ有意性が 認められた(0・02<’p<005,〃七10)。 考 察 本調査他における 小哺乳輝の絵描猿数では, スミスネズミとアカネズミがそれぞれ約3分の 1を占め主要なネズミであった。五十嵐(1980) に.よると四国山地の標高600mでほ,年間スミ スネズミが565%,アカネズミが18%,ヒメネ ズミが239%であり,標高1000mでほスミスネ ズミ 826%,アカネズミ2.3%,ヒメネズミ 144%となる。いままでの四国におけるネズミ

相の垂直的変化(Tanaka1962;田中1967)

ほ年間の個体数変化を含んだものではなかった。 上述の結果から,Tanaka(1962)・田中(1967) の図よりも,低標高でスミスネズミとヒメネズ ミの割合がやや増大した形となるであろう。 五十嵐(1980)ほ,四国山地の異なった2標

高(600mと1000m)でスミスネズミの個体数

と繁殖活動の季節変化を調べ,両者の関連性が

標高1000mでは認められたが,標高600mでは

認められなかったと述べた。この理由を,1000 ロー・a【オーb 回−・C 回・−d

Fig.4”Body weight histograms of Eothe−

nomys smithiicollected.Males are

represented attheleftside and females

are shown at the right sidein respec−

tive months.One squareindicates one

specimen collected.a:reproductively

inactive condition, b:reproductively

active conditionin a male with tubular

epididymis orin a female with the

Open pubic symphysis,C:a female

with prominent nipples,d:a pregnant

female with visible embryos..

数×100/成体数)を計算した(Table3)。繁 殖率は雌雄とも10∼4月まで認められる。体重 18g・以下の個体ほ幼体とみなせるので,妊娠雌 の出現とあわせると,1∼4月は雌では繁殖活 動を確実におこなっていよう。10∼12月の2頭 とも恥骨結合ほ開いており,そのうち1頭は乳 頭が顕著であった。したがってこの2頭とも春 季に妊娠し10月に繁殖活動を再開始したとみな せよう。1月に.18∼24gの個体が捕獲されてい るので11∼12月も繁殖活動ほ続行していると推 測される。一・方,雄の精巣長径と副精巣尾部が 管状の状態から(Fig.5),雄の繁殖活動ほ10∼ 4月と推測される。以上,雌雄をあわせると, 箕浦における繁殖期ほ10∼4月となる。

胎児数ほ2が1・2・4月にそれぞれ1頭づ

つ,3が2月に1頭であり,平均値±標準偏差 ほ2.3±050となった。

(6)

Table3Seasonalchanges of reproductive conditionin EothenoTTWS

smithiiat Minoura,Kag・aWa Prefecture,1977−80

Jan Feb NIar Apr May Jun Jul Oct Nov Dec

Males

Reproductive rate*

Testislength(mm) (mean±SD)with

tubular epididymis

Females Reproductive rate** Pregnancy rate*** Rate ofinactive

femalesin prlmiq

parous or multi−

parous**** 100%100% 50% 29% 0% 0% 0%100%100%100% 7‖12± 6.97±6い28± ・− − − 6.6 6‖8 7.13 0小65 0.38 0。69 一 − − 057 1009乙100% 75%100% 0% 0% 0% 50% 20%1009乙 33% 50% 0% 25% 0% 0% 0% 50% 50% 0%

0% 0% 0% 0%100% 09乙 0% 50% 50% 0%

* The number of males with tubular epididymis/the number of males more than

24g−in body weight.

** The number of pregnant females and females with prominant nipples/the number

of females more than 24g−in body weight.

*** The number of pregnant females/the number of females more than 24gin

body weight.

**** The number of females with open pubic symphysis and without embryos and

prominent nipples/the number of females more than 24gin body weight・

および高知県土佐町の標高1000m(9∼6月)

と標高600m(10∼5月)(五十嵐1980)が

ある。なお,五十嵐(1980)は繁殖期を標高

1000mでほ10∼6月,600mでは11∼4月とし

ているが,妊娠雌が描獲されている月を入れる と上記のようになる。 スミスネズミの繁殖活動がその地域の温度環 境に規制されるという考えを,従来の報告をま とめて宮尾(1967)が述べ,さらに五十嵐(1980) ほ繁殖活動の休止が標高が低いと長いという結 果から,高温が繁殖活動の休止に影響している のでほないかと指摘した。ここで,気象庁(1982) にもとづき気温逓減率(−061℃/100m)(関 口1949)で換算して,上記の繁殖期の調査地 および今回の調査地の月平均気温を求めた(Table mの調査地の方が600mよりも好適な生息場所 が大面積にわたって存在することに求めた。今 回の調査においてスミスネズミの雌の個体数と 妊娠率にのみ相関が認められた。また,五十嵐 (1980)は1000mでは個体数の年次変動は大き いが,600mでほ高密度がなく年次変動ほ少な いということを指摘しているので,今回の調査 地でも年次変動は少ないと考えられよう。した がって,四国の低山麓におけるスミスネズミの 分布調査は個体数の最も多い2∼3月におこな うことが必要であると結論づけられよう。 スミスネズミの繁殖期についての報告は,長

野県八ヶ岳(5∼10月)(宮尾はか1964)広

島県比和町(9∼4月)(湯川1966,1971,

1976),福岡県清水山(10∼4月)(吉田1973)

(7)

Table4”Mean monthly temperature at sixlocalities where reproductive

seasons have been studiedin Eothenomys sTnithii.The temperature

was adjusted by thelasp rate(−061℃/100m above sealevel)

(SekiguChi1949)from the data(shownin a parenthesis)of the

Japan MeteorogicalAgenCy(1982).

Locality

Alや評eJan FebMarApr MayJunJulAugSep Oct NovDec

Mt.Yatsugatake 2150 −105−9h5−5A l5 6h3103145153109 43 −1・・6−67 (Suwa) 560 −06 03 3.6 9.9144182 229 23719112.6 7.2 2い0 Hiwa (Hiwa)

Mt.Kiyomizu

120 40 4・・9 718130174 21l2 259 263 22316411”3 611

(Futtukaichi)

Tosa−Cbo

lOOO −14−0小2 3.0 8912.9166 208 21.617911.8 6.0 09 (Motoyama)

600 1123 5511・4154191233 24・120・4143 85 34

Minoura

lO2 50 53 7813.217.4 21.3 26.1274 23317.312..4 7.8 (Toyohama) 殖期の場合にほ上述した月平均気温での説明が ′できなかった。また,剣山の1500mのような場 所も上述した繁殖開始期と終了期の月平均気温 との対応関係でほ説明がつかなかった。したが って,このような課題の解明にほ,月平均気温 との関係で野外の調査地を意図的に選んでおこ なうことと,気温変化の繁殖活動への生理的な 影響という,両面の研究が今後必要であろう。 今回の胎児数の平均値は四国山地(標高600 mと1000m)(五十嵐1980)と比較して,有意 差ほ認められなかった。 スミスネズミの棲息場所は,湿度が高く下草 が豊富であることは湯川(1971)が指摘したが, 今回の結果もこのことが確認された。 摘 要 1977年7月∼1980年5月にわたって,香川県 三豊郡豊浜町箕浦のアカマツ・クロマツ混交林 (標高65∼140m)において,月あたりのべワナ 数495個で採集をおこない,小暗乳類の個体数 とスミスネズミの繁殖活動の季節変化を調べた。 4)。この結果,八ヶ岳を除いて,すべて高塩 から低湿への移行期が繁殖開始期に担当し,逆 に低湿から高温への移行期が繁殖終了期となる。 前者ほ月平均気温約20℃附近で,後者ほ多少の ずれはあるが約16℃に位置している。したがっ て開始期の方が終了期よりもやや高い。 −・方,八ヶ岳の場合ほ開始期が終了期よりも 気温が高い傾向ほ.同じであるが,いずれも他の 調査地より低く,開始期で約14℃終了期で約12℃ の開きがある。金子・森井(1976)によると, 四国剣山の標高1955mでは8月に繁殖活動をお こなっているが,1500mでは8月に繁殖休止期 であった。上述の気象庁(1982)の資料から, 剣山の8月の月平均気温を同様な方法で算出す

ると,1955mで155℃,1500mで183℃となる。

したがって前者の標高では夏に繁殖活動が続行 できる気温として上述した温度範囲の中におさ まっている。ところが,後者の標高でほ8月の この気温は繁殖終了期の気温以上になっている が同時に繁殖開始期の気温以下にもなっている。 ところで,八ヶ岳の夏を中心とした1山型の繁

(8)

気象庁.1982.全国気温・降水量月別平年値表. 観測所観測(195トー1978).気象庁観測技術 資料(46):1−205 牧野富太郎.1961い牧野新日本植物図鑑.図鑑 の北隆館,東京. 宮尾嶽雄.1967.日本列島における小哺乳輝の 地理的変異に.関する研究.Ⅰ.スミスネズミ の地理的変異.第2報 後足長,尾長,仙尾 椎骨数および繁殖活動の地理的変異.成長 6:7−18 +・ 赤羽啓栄・毛利孝之・山本功.1966 対馬・壱岐・北九州および四国における小哺乳 類の採集結果.晴乳動物学雑誌 3:30−39 +・ 両角徹郎・両角源美・花村聾・赤羽 啓栄・酒井秋男.1964.本州八ヶ岳のネズミ および食虫塀.第3報 亜高山森林帯のスミ スネズミ.動物学雑誌 73:189−195 関口 武.1949日本各地の気温減率.科学 19:517

Tanaka,R.1951Estimation of vole and

mouse populations on Mt.Ishizuchiand

on the uplands ofsouthern Shikokn.J. 〟αmm.32:450−458

.1962”A populationecology Ofr・0−

dent hosts of the Scrub−Typhus vector

of ShikoknDistrict withsfX)Cialreference

totheirtrue rangeinJapan.Japan J. Zoo∼岬13:395−406 田中 亮.1967,ネズミの生態.古今書院 東京. 友成孟宏.1988.剣山とその周辺におけるネズ ミ相.〃αとαrαgiぶ£s l:93−101 吉田博一・.1973 福岡県清水山の小暗乳類.5 スミスネズミの繁殖.哺乳動物学雑誌 5: 206−・212 を川 仁.1966スミスネズミの繁殖習性.比 和科学博物館研究報告(9):2−4 .1971広■島県におけるスミスネズミ の繁殖活動.比和科学博物館研究報告(14): 1−5 スミスネズミとヒメネズミほ冬季から春季にかけ て多く捕獲され,アカネズミほ年間を通じて捕 獲された。8棲息場所別描猿割合はスミスネズ ミとアカネズミとの間で逆相関となり,スミス ネズミほシダ類の高さの高い,より湿潤なとこ ろで多く描獲された。本調査地のスミスネズミ の繁殖期は4∼10月と推定された。本調査から スミスネズミの低山麓の分布調査には2∼3月に おこなうことが必要であると結論づけられた。 文 献 Abe H.,T.Kobayashi,K..Maeda & T. Miyao.1970lFaunalsurvey of the Mt・・ Ishizuchiarea,JIBP mainarea−・T[.Results

of the smallmammalsurvey on the Mt.

Ishizuchiarea.AJ∽∴月甲.よ債P/Cr−S(90) :7−14. 五十嵐 豊.1980.四国のスギ,ヒノキ幼齢造 林地におけるスミスネズミ個体群変動に関す る研究.林業試験場研究報告(311):45−64 Jameson,E..W..,Jrい1950 Determinlng fecundityinmale smallmammals..J・・ 肋mJれ.31:433−436. 金子之史.1968.日本産ネズミ類の骨盤・後肢 の形態比較.第1報 日本産ハタネズミの成 長に伴なう骨盤・後肢の形態変化.動物学雑 誌 77:367−373.. Kaneko,Y.1979The occurrenceofEothe−

noTTWS STnithiincultivated fieldsat the

footof the SanukiRange,Shikoku,Japan. J.肋mm.Soc.Japan 7:268−273‖ 金子之史.1982.ネズミによる生物分布研究へ の1つのアブロ・−チ.哺乳摂科学(43・44): 145−160り .1983愛媛県東予地域および島根県 温泉津の山麓部農耕地におけるスミスネズミ の採集.香川生物(11):1−5 ∵ ∴1985,四国に棲息する食虫額・小型 函歯類の水平分布.香川生物(13):9−15 ・∵ ・森井隆三.1976.四国・剣山の野鼠 の垂直分布.香川大学教育学部研究報告甘 26:43−・52い 1976.広島県におけるスミスネズミ の繁殖活動(Ⅶ).比和科学博物館研究報告 (19):9−15

参照

関連したドキュメント

今回の調壺では、香川、岡山、広島において、東京ではあまり許容されない名詞に接続する低接

そこで生物季節観測のうち,植物季節について,冬から春への移行に関係するウメ開花,ソメ

里親委託…里親とは、さまざまな事情で家庭で育てられない子どもを、自分の家庭に

[r]

続いて川崎医療福祉大学の田並尚恵准教授が2000 年の

春季、夏季ともに種類数、個体数が多く、夏季には水産有用種であるアサリやホンビノスガイが 優占し、アサリの稚貝が 318 個体/ 0.15 m 2 、ホンビノスガイの稚貝が 329 個体/