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教育研究員会への答申 国立大学法人 北海道教育大学 大学教育開発センター |ホーム

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「教養教育見直し」についての答申(案)

平成22年10月7日

教養教育見直しワーキンググループ

「教養教育見直しワーキンググループ」は、現行の本学教養教育を見直し、第2期中期計画の「2

教養教育を改善し、入学前教育、補習教育、初年次教育とともに体系的に実施する」ための素案を 作成することをめざして、平成22年5月31日開催の教育研究委員会において、同委員会のもと に設置された。

同日の同委員会においてWG内の検討組織として設けられた「倫理・人権教育部門」、およびW

G内で設置された「外国語教育」「初年次教育」「情報教育」の各部門の総計16回にわたる検討(部

門会議)をふまえ、本WGは6回の会議を重ねて集中的な審議を行ってきた。以下は、教育研究委 員会に対する、教養教育の見直しと改善に関する本WGの答申である。

(1)教養科目の現行教育課程の問題点・課題

教養科目・教育課程の現行7区分5科目群構成は、履修単位の縮減等の制約のもとにありながら

も、現代の教養教育の意義に着目し、また北海道教育大学における教養教育の課題を見据えて構想

されたすぐれたものであり、その成果も着実に蓄積されつつある。しかし、平成18年度の新カリ

キュラム導入後4年間を経過した現在の時点ですでに、少なからず見直し・改善すべき点も明らか

になってきている。

教養科目の現行教育課程における問題点・課題はおおよそ以下のようである。

・教員養成課程の場合、教育職員免許法上の法定科目や必修外国語だけで教養科目の最低履修要件 24単位の過半を占めている(12∼14単位)。

・加えて、初年次教育や進路指導(キャリア開発)、地域人材に求められる地域理解に関する科目な

どが選択必修という形で教養科目の中に少なからず配置されている。

・また、教員養成大学としての性格上、初年次からの学習を指導すべきであるという観点からか、 教育専門科目や教職教育科目の一部も教養科目の中に選択必修科目として置かれるに至っている。

・結果として、これらの縛りによって、(「科目群」の中への個別科目の位置づけにもよるが、とく

に教員養成課程の場合)「人間としての教養」の獲得と「現代人としての教養」の修得という本来

の教養教育は、ごく僅か(多めに見てもせいぜい数単位)しか行われていないことになり、教養

教育の重視・充実という時代の要請からみてもきわめて問題含みのものとなっている。

・さらに、初年次教育の充実(自校教育の要素も含む「倫理・人権」の導入、大学入門科目の整備)、

「情報機器の操作」ならびに外国語教育等の充実・改善が必要である。

以上によって、教養・教育課程の現行区分は再編成を余儀なくされているほか、その他の改善が 必要である。

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(2)教養科目の現行教育課程を下記のように「共通基礎科目」「基礎教養科目」「現代的教養 科目」の3区分に改編する

この改編は、前項に示したような基幹的な「教養」科目をできるかぎり充実させ、学生によるそ れらの履修を確保するとともに、現行のいくつかの科目に関する「見直し」にもとづく改善の方策 を含むものであり、また授業負担の増加などにも対処しようとするものである。

○註

ⅰ)成績評価が記載されるのは「科目名」(たとえば「人文科学入門Ⅰ」)であり「授業名」(たとえ

ば「△△△△(人間の探求)」は記載されない。毎年開講される「同一科目」(「科目名」)を、複

数 の教員が交替して担当する(「授業名」)仕組みのメリットを考慮している。

ⅱ)5校共通の教養科目・教育課程の枠を超えて教養科目相当の科目群を設置する場合、「発展的教

養科目」(仮称)等の区分を設けることも可能であり(函館校)、またこの区分に「資格」取得に

必要な科目群(の一部)を配置することも考えられる(岩見沢校の学芸員資格等)。

○検討課題

ⅰ)専門科目「教育の基礎と理念」(教員免許取得上の必修2単位)を1年次(前期)に開講する。

ⅱ)現行の下記諸科目については、いわゆる「専門基礎」科目への移行が適切と判断されるが、当

面、「基礎教養科目」ないし「現代的教養科目」の中に配置することも考えられる。

「特別支援教育」「児童文化論」「子どもと青年の文化」「子育てと暮らしの教育」「子どもと情

報メディア」「性教育学」「子どもの人権」「自立」「学校と地域の教育史」「生涯学習概論」「教

育統計」「社会教育計画」「子ども・地域と防災(防犯)教育」「マルチメディア教育」等。

これら諸科目の内容が、全体的であれ部分的であれ広義の「教養」にあたることは疑いないと しても、教養教育をめぐっての当面の中心的課題は、学生たちを可能なかぎり人文・社会科学や 自然科学そのものの世界へ導くこと、あるいは現代社会を構造的に認識する課題へと導くことに あると考えられる。教養科目としては、本来的に教育科学的見地から構成されているこれらの諸 科目に先立って、基幹的な科目の整備と履修の実質的保障が必要であると判断される。

ⅲ)現行「北海道の文化財と地域教育」は、「地域文化論」の選択科目とするか、「専門基礎」科目

へ移す(ないし前項の扱いに準じる)。

(3)教養科目の最低履修要件を、現行の24単位から30単位に増加する。

単位数のこの増加は、いわゆる「大綱化」以降の趨勢のもとで縮減されてきた教養科目の教育課 程において、一方では教員養成課程としての法定科目の縛りがあり、他方では大学入学者の変化に 伴う「導入科目」としての初年次教育や、地域理解に関する科目が必須のものとなってきたこと、 さらには大学特性にもとづく教育基礎論的な科目が教養の教育課程にも位置づけられたことなどに よって、本来の「教養教育」(liberal arts and science ないしgeneral education)が極度に圧縮さ れる結果になっている現状を改善するために、最低限必要な見直しである。

なお、教養科目のこの単位数の増加に対しては、本学の卒業要件単位数(現行124単位)を増加

する、などによって対応することが考えられる。

ちなみに、教員養成大学11大学の現行で、教養科目の最低履修要件を6校が28単位以上として

おり、また卒業要件は11大学平均130.3単位である。

(4)「共通基礎科目」として、「憲法」(2単位)「体育」(2単位)「情報機器の操作」(2単位) 「外国語コミュニケーション」(2単位)「外国語・外国語コミュニケーション」(4単位)「倫 理・人権」(2単位)「アカデミックスキル」(2単位)「地域文化論」(2単位)をおく。

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(*教員養成課程では18単位が必修、他の諸課程の場合は少なくとも14単位が必修。)

①「憲法」を5校共通の必修科目とする。

「憲法」(2単位)は、教員養成課程においては教育職員免許法上の法定必置科目であるが、日本

社会および教育の基本理念を示すものとして、5校共通の必修科目とする。

②函館校および岩見沢校において「体育」と「情報機器の操作」を必修科目とするかどうかは、 両校の判断に委ねられる。

教員養成課程の法定必修科目「体育」(2単位)と「情報機器の操作」(2単位)について、他の

諸課程(2校)が必修とするかどうかは、各校または各課程の判断に委ねられる。

③「情報機器の操作」の授業を改善する。

「情報機器の操作」の問題点として、教育内容の基本部分が必ずしも明確でなく担当者によって のバラつきが少なくないこと、情報機器操作に関する学生間の習熟度が少なからず異なっているに もかかわらず均一的授業が行われていること、指導にあたる教員間にも知識・技能の開きがあるこ となどが指摘されており、これらが授業に関する学生の満足度を低めていると判断される。

したがって、「情報機器の操作」について、以下のように改善することとする。

・「情報機器の操作」の授業を「基礎」的な部分と「展開(応用)」的部分から構成する。

・「基礎部分」の主内容を、いわゆるオフィス系3 領域(ワープロ、表計算=エクセル、パワーポ

イント=プレゼンテーション)とし、学習目標を具体的に設定する。

・「展開(応用)部分」として、専門「前」レベルの必要知識と技能の修得を目標とする。

・学生間の技能・知識の違い(加えて、時には教員間でのそれらの違い)が授業に対する学生の不 満足を招いているところから、それぞれの学生に適した教育活動が行われるように、いわゆる習 熟度別のクラス編成を追求するとともに、ティーチング・アシスタントやスチューデント・アシ スタントを活用することはもとより、学生間の集団的な相互援助的学習を教育方法として積極的 に取り入れたり、複数の教員による指導体制をとるなどの授業改善につとめる。

④−1;「外国語コミュニケーションⅠ」(1単位)、「外国語コミュニケーションⅡ」(1単位) を5校共通の必修科目とする。

教員養成課程の法定必修科目「外国語コミュニケーション」(2 単位)」を、国際コミュニケー

ション能力の向上がより重要な課題になっている現状にてらして、5校共通の必修科目とする。

音声言語に焦点をあて、日常生活で用いる会話表現を理解し、基本的な会話を進んで行うことが できるようにすることが目標である。

なお、国際コミュニケーションの現状にてらしての学生の修学上の利益の考慮にもとづいて、

「外国語コミュニケーション(英語)Ⅰ」「外国語コミュニケーション(英語)Ⅱ」を 5 校共通

の必修科目とすることが望ましいが、異論もあり、引き続き検討する。

④−2;「外国語」および「外国語コミュニケーション」科目4単位を5校共通の必修科目と する。

④−3;外国語・外国語コミュニケーションの授業を改善する。

外国語ないし外国語コミュニケーション(含「外国語コミュニケーションⅠ」および「同Ⅱ」)に

ついては、本学における外国語教育の基本的理念・目的およびカリキュラム・ポリシーが必ずしも 明確でなかったこととも関連してか、学生間における習熟度の開きに十分に対応できず、また外国 語ないし外国語コミュニケーションに対する学生の要求や関心が必ずしも反映されてこなかったと

も思われ、授業に対する評価が他の諸科目と比べて相対的に低いままに経過してきたと判断される。

したがって、当面、以下の改善策を試みることとする。

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ーを確立し、これらを外国語担当者の共通認識とする必要がある。

・4技能(reading, writing, listening, speaking)全般にわたるバランスのとれた外国語能力の修 得を保障する必要がある。

・英語に関しては、「外国語(英語)Ⅰ」を、高校までの英語の力を定着・発展させるために必要な

基礎の獲得をめざす「大学英語基礎科目」として位置づけ、内容と教育方法の具体的な改善をは かる。

高校までの英語の力の定着と発展の基礎を固めるものとして、「外国語(英語)Ⅰ」を5 校共

通の必修科目とすることが望ましいが、異論もあり、引き続き検討する。

・「外国語(英語)Ⅱ」から「同Ⅳ」については、「大学英語発展科目」として、多様な内容の授業

を設定し、学生の目的や習熟度にあわせて選択することを可能にする。授業科目の種別化として、

たとえば「TOEICや英検等の各種検定試験対策クラス」「英字新聞・雑誌・WEB記事の多読ク

ラス」「中級リーディングクラス」「中級リスニングクラス」「上級リーディングクラス」「上級リ

スニングクラス」「専門英語の基礎クラス」などが考えられる。

・「TOEIC」や「TOEFL」、「英検」など外部試験の導入も有益であり、適切な活用の仕方が検討さ れるべきである。

⑤−1;教養科目「アカデミックスキル」(半期1単位通年計2単位)を5校共通の必修科目 とする。

現行「大学入門科目群」のうちいわゆるアカデミックスキル(の基本部分)に関する授業は、必

修科目としては3校で開設されている(他2校でも対応する科目は置かれている)が、入学者の変

化に伴い大学への導入教育の中心部分として今日とくに重要になってきているところから、5校共

通の教養必修科目とする。また、授業の目的と内容を明確にするために、「アカデミックスキル」と

いう科目名に統一する。

⑤−2;「アカデミックスキル」の授業目的を明確にし、内容を充実する。

現行教育課程における「大学入門ゼミナール」「研究基礎セミナー」「アカデミックスキル」等は、

もともと初年次教育の主要2領域のうちの「大学での勉強の仕方」の教育・指導のために導入され

たものである。しかし、授業担当者によってはもう一つの主領域である「大学での学び(とは)」に

関するものが大部分を占めていたり、あるいは2領域が混然としているなど、相当程度に多様・不

統一であり、当該授業が本学に導入された経緯からは疑問の残るものも少なくない。

したがって、「アカデミックスキル」の目的と内容を以下のように具体化し、現行当該科目を改善

することとする。

・「アカデミックスキル」の目的(「授業内容」)を「大学での勉強の仕方」の修得、すなわち大学で

学ぶ上で最低限必要とされる技能・力量を獲得することにおく。

・「大学での勉強の仕方」とは、「読む」「書く」「調べる」「課題を見つける」「まとめる(考える)」

「発表する」「聴く」等であり、本授業では文章の読み方・書き方、文献・資料収集の仕方、図書

館の使い方、課題の立て方、レポートやレジュメの書き方、発表の仕方・聴き方などに関する基 本的な力の形成をめざす。

・内容が相当に膨大かつ多岐にわたり、一定期間にわたる反復的な学習・指導が必要とされ、また

個別指導の領域が(密度は必ずしも高くないとしても)少なからず含まれてくるところから、「ア

カデミックスキル」は1年次前期(1単位)・1年次後期(1単位)と通年開講の必修科目とする。

・少人数のクラス編成が期待され、また文章の添削その他の実務に関してはティーチング・アシス タントやスチューデント・アシスタントの積極的活用が望ましい。

(5)「基礎教養科目」から6単位を選択必修とする。

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Ⅱ」「自然科学入門Ⅰ」「自然科学入門Ⅱ」(各2単位)をおき、人文科学入門および社会科学入門

の4科目から4単位選択必修、自然科学入門の2科目から2単位選択必修とする。

「基礎教養科目」は、幅広く深い知識と視野を獲得し、豊かな人間性を形成するという理念にも とづき、人類が長期にわたって創造してきた学芸を広く学ぶとともに、異なる分野の多様で多面的 な「知」を総合化し、そこに自ら問題を発見し解決する主体的姿勢を確立することをめざすもので ある。

*「科目名(授業名)」について、同一の科目(「科目名」)を複数開設するが、複数の授業担当者が

それぞれの授業「(授業名)」を開講する。「科目名」は毎年同一のものが複数開設されるが、「(授

業名)」(≒担当者)がそのつど変わることを妨げない。なお個々の授業担当者は担当する「科目

名」の「Ⅰ」と「Ⅱ」を変更することはできない。

*授業担当者は、授業内容を構成するにあたって、科目名を意識しつつ、授業名にふさわしいもの となるよう工夫する必要がある。

(6)「現代的教養」から6単位を選択必修とする。

「現代的教養科目」は、現代社会の総合的理解にもとづき、21世紀の諸課題にこたえる能動的市

民を形成するという理念にてらして編成される。解決を迫られる諸問題の複雑化・深刻化のもとで 転換期にある現在の混迷をのりこえていくために、確かな社会的知見と感受性を養うとともに、問 題解決にあたって必須不可欠な他者との協同・共存のあり方を、他者との積極的な交わりを追求す るなかで学ぶことを目的とするものである。

社会・世界にどのような問題があるかを知る力の養成、感度を高めて世界を見渡す広い視野の獲 得をめざし、現実に生起しているさまざまな問題を提示して問題意識の喚起につとめるとともに、 問題解決の発想力を育成するための科目群で構成する。

(7)必要に応じて新たな教養科目の開設を追求するとともに、現行の開設科目については、 内容を精査・再吟味した上で、教養科目の3区分に配置するものとする。

(8)原則として全教員が「共通基礎科目」「基礎教養科目」「現代的教養科目」(上記(2) の検討課題・第2項に掲げた、教養「境界」的科目を含む)のいずれか、またはそれらの一部 などを分担・交替・協力して担当する。とくに「基礎教養科目」と「現代的教養科目」に関し ては、開設の主旨にてらして精選するものとする。

*各校ごとに標準的なクラスサイズや、選択必修科目における妥当な科目選択肢の配置などを考慮 しながらの適切な開講が期待される。

*教養科目に関して、多くの教員の場合には「アカデミックスキル」において一定の、「倫理・人権」

において部分的な負担増が、「情報機器の操作」においては一部の教員の負担増が予想される。教

養科目全体についての全教員の分担・交替・協力による担当と、開設科目の精査、「基礎教養科目」

における「科目名(授業名)」という開設形態などは、それ自体の意義に加えて、想定される負担

増を過重なものにしないための方策という性格を併せ持つものである。

(9)教養教育の運営組織を確立する。

教養教育の実施と運営、充実と改善に連携して責任をもつ全学的組織および対応する各校組織を

確立する必要がある。

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