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細則様式第1-2号

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Academic year: 2021

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(1)

細則様式第1-2号

学位請求論文の内容の要旨

領 域 健康支援科学 分 野 健康増進科学

氏 名 出頭 佳子

(論文題目)

Inadequate Awareness among Chronic Kidney Disease Patients Regarding Food and Drinks Containing Artificially Added Phosphate

(慢性腎疾患患者における添加物としてリン酸が 含まれた食品の不適切な知識について)

主 査 丹藤 雄介

副 査 野戸 結花

副 査 冨澤 登志子

副 査 山辺 英彰

背景

リンは細胞を構成する成分であり、人体にとって必須の栄養素の一つである。その 反面、過剰に摂取することは人体に悪影響を及ぼす可能性がある。過剰摂取になり得 るのは、慢性腎疾患

(CKD)

患者などの本来過剰なリンを排出する臓器である腎臓に障 害があるケースであることが多い。

リン酸は腸管におけるカルシウム吸収を阻害する。このことから血中のカルシウ ム濃度が低下し、その結果、骨からカルシウムを補おうとするために骨が脆弱にな ることが指摘されている。また、血中のカルシウムの低下が高度になることで、慢 性心不全などをひきおこす。さらに血中のカルシウム低下が持続することにより異 所性石灰化が起こり、動脈硬化や血圧の上昇を引き起こすとされている。

リンは肉や魚、 芋やその他でんぷん質を多く含む食品に自然に含まれているものの 他に、 近年では肉の加工食品や炭酸飲料などに食品添加物としてリン酸塩の形で多く 用いられており、本来必要とされる以上のリンを摂取しやすい現状がある。しかも現 在では、自然に食品に含まれるリンよりも、食品添加物のリンは吸収率が良いことが 明らかとなっている。

CKD

患者はリンを抑えた食事を摂取するよう指導され、多くの場合はリン酸低下 治療薬を処方される。しかし、加工食品や炭酸飲料に添加物として含まれているリン 酸は、通常成分表で表示されていないため、

CKD

患者は適切に食品を選択できない。

CKD

患者にリンについて指導しなければならない医療従事者においても、添加物と

してのリン酸について把握しきれていないため、適切な指導を行うことができない。

(2)

【細則様式第1-2号続き】

目的

本研究ではまず血液透析を受けている

CKD

患者に対し、リン酸が添加された食品及び 飲料についての知識調査を実施することにより

CKD

患者のリン酸についての認識を明 らかにすること。つぎに健常成人を対象として食品添加物としてリン酸が含まれる炭 酸飲料を摂取してもらい、飲料前と飲料後の尿のリン及びカルシウムを測定すること によりリン酸の生体に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。

研究方法

① 炭酸飲料に含まれるリン酸についての知識調査

弘前市内の協力の得られる医療機関に通院し、血液透析を受けている

CKD

患者

153

(age56±11, Male:77 Female:76)

対象者に、質問紙について口頭で説明し、協力への同意を得た。同意を得られた患者 に無記名の自記式質問紙を配布し、回答してもらい、回収した。

② コーラ飲用試験

学生ボランティア

35

(age21.2±2.35, Male:13 Female:22)

350ml

のコカコーラを飲用 してもらい、飲む前と飲んでから

2

時間後の尿をそれぞれ採取し、尿中リン酸量及び尿 中カルシウム、尿中クレアチニンを測定した。対照として学生ボランティア

20

(age2 0.0±1.61, Male:7 Female:13)

350ml

のミネラルウォーターを飲用してもらい、同様に 調査した。

なお本研究は弘前大学医学部倫理委員会の許可を受けて実施した。

研究結果

① 炭酸飲料に砂糖が多く含まれていることを知っている

CKD

患者は

93%

であった。対し て炭酸飲料にリン酸が多く含まれていることを知っている

CKD

患者は

25%

であった。

また、リン酸の過剰摂取が有害であることを知っている

CKD

患者は

78%

であったが、

43%

は炭酸飲料を少なくとも週に

1

5

缶、

17%

はファストフードを少なくとも週に

1

度は摂取すると回答した。

② 尿中のリン酸及びカルシウムを尿中クレアチニンで補正して比較した。コーラ飲用群 において尿中リン酸は飲用前

0.33±0.032

、飲用後

0.36±0.034

で有意差は見られなかっ た。尿中カルシウムは飲用前

0.099±0.01

、飲用後

0.15±0.017

で有意に増加していた。

ミネラルウォーター飲用群において尿中リン酸は飲用前

0.38±0.037

、飲用後

0.40±0.036

で有意差は見られなかった。尿中カルシウムは飲用前

0.12±0.015

、飲用後

0.15±0.017

で有意差は見られなかった。

(3)

結論

CKD

患者では炭酸飲料に含まれるリン酸について知っている人は少なかった。

健常成人においてコーラを飲んだ場合と水を飲んだ場合では、コーラを飲んだ場 合のみ飲む前と比較して

2

時間後の尿中カルシウムが増加していた。

本研究の調査結果は、血液透析を受けている

CKD

患者において食事中のリン酸 について十分な認識がないことを示唆しており、

CKD

患者に対しリン酸への認識を 高めるための教育の取り組みをより強化していく必要性があると考えられた。また、

正常人においても炭酸飲料の飲用により尿中カルシウムの排泄が増加し生体のカル シウム、リン代謝に影響を及ぼしていることが示唆された。

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