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を用いた 青森 平野の地形発達史一 卯 威 克 美

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(1)

‑ Tephrochronology

を用いた 青森 平野の地形発達史一

卯 威 克 美

地形発達史 の研究にと って,地形 面の対比編年は大釘な基礎である。地形面の編年 をす る際 には,編年 の基拝 となる年代決定 がなされ なければならない。火山灰 による編年法は

TePh‑

rochronology

とよばれ てい る。

日本 は世界でも,火山活動 の活発 な国の一つであるか ら,火山活動史 を反映する火山灰層の 層位学的区分 にもとづ く地形 の発達史的研究 がすすめ られてきた。

著者 は青森平野を例 として,

TephrochrOnOIogy

を用いて地形発 達史 を考察 してみた。

今回は地 形面 もさることながら,地形面の編年に必要 な火山灰 の層序 を梓に調査 した。火 山灰 を調べる際には,火山灰 の色調,軽石 ・スコ l Jア の含有状嵐 粘土化 の進行状態 を二 名寮 した。

I

:地質地形の概蔵

(1)

地質

青森県 の地質 を概観す ると,そ のほ とんどが薪第三系 の地層によ って構成 されてい る。青森 平野周辺 は,西部か ら北部にか けては,下位 よ り入内層,都谷森 山層,王余魚沢層,大滝沢層 土筆森山層,天田内川層および鶴 ヶ坂層′ 庄 一 区静 され る。青森市西部地域 は,八甲田系火 山の・

砕屑物によ ってひろくおおわれているためi こ新第三系 の地質靖造 は不明な点が多い。東部 の新 第三系は,下位 より坪川層,奥の沢層,和 田川層 (上 ノ沢層 ),道地層 (小坪 川 層 ),それに 市 ′渡層に区分 され る。

( 2 ) 地形

青森平野 は東 は東牝背梁山脈の延長部,南は八甲田火山, また酉は津専半島の中山山脈 にか ぎられて北 にひらかれた三角形の平野である。

酉 〜西南にかけて帝造線 (断層線 )が走 ってお り,西部には及丘地形 が発達 してい る。 また 南部 には火山性緩斜 面地形,東部には新期斜 面地形がそれぞれ発達 してい る。

A:青森平野の火 山灰 の区分 と対比

青森平野 を便宜上三地域 に分 W=。それ哲び) 地域の火山灰 の特徴, 層序関係 は次のとおりである。

1)西部地域 (油川〜三内 )

〔 上部火山灰層〕は黄褐色 で白色 の浮石粒 が敦在 している

.上部はこの火山灰 の風化層の黒 色表土 が, また下部は灰暗赤色 の砧土化 した風化層で ある。層厚は20‑60

c

mで地域によ っ て ことなる。

〔 中部火山灰層 〕は茶箱畠で,上部,下部両火 山灰層 と不整合関係 にある。火 山天 とい うよ

(2)

りは火山灰土壌 (ロ ーム )とい った方 が妥当 な性状 である。 この地域 に特徴的 な火山灰 である。

層厚 は波 に薄 く,50cmぐらいが最厚 で・ある。

下部火山灰層 〕は灰赤色 で,鵜土化 が進 んでお り,膚全体 がかな りしま っている露頭 表 面には鹿の クラ ック (ひびわれ )が入 っている。下層は鮮新続 の鶴 ヶ 層 であるが, この層

までみられ る蕗頭は少 ない層厚 は2m以上 で, ところによ って5mに も達する。

2)南部地域 (入内川か ら野内川 まで の八甲田山麓部 )

上部火 山灰 層〕は黄 褐色で,軽石 だけでなくスコ リア も含んでいる。また同層 は同 じ色詞 でも軽石 の敦在 している部分 と集 中 してい る部分にわけ られ る層厚 は南下す るほど厚 く,70 cmに も達す るところがあ るが,平均は30‑50C7nである。

仲 部火山灰層 〕は茶褐色 で,特徴 となる摩石 ・スコ リアを含んでいないQ層厚は40

叩以

上 である。

下部火 山灰層 〕は暗赤色 である。西方 では粘土質 でか な りしま っているが,東方では火 山 角帯 のマ トリ ックスとな っていて粘土化 はあま り進 んでいない。層厚 は3m以上 で,10m に

も達するところがある。

3)東部地域 (野内川以京 )

この他掛 こ広 く分布す るのは黄褐色 で牽石 を含む火山灰 で ある。この火 山灰層 は低地 で保存 がいい。下層 は砂 層であるが,層厚 は不明である。

西部 。南都両地域 の上 ・中 ・下部火山灰層 のそれぞれ の間にはチ ョコレー ト色 の風化層が は さまれてい る。また上 ・中 ・下部火 山灰眉 は,特徴 ・色調 を考慮すれば,地威 間相互 に対比 さ れ るよ うに患われ る。

皿:青森平野各地 の地形面 と火山灰

航空写真 の実捧視 と火山灰 の層序 とを用 いて地形区分 を行 った 備 1図)。主 な地形面 の海抜 高度は次のとお りである。

海岸段丘 第一面 (80‑120m ) 高位相当面 癌岸没丘第二面 (20‑ 60m )

海岸没丘第三面 (10‑ 20

m )

l 中位相当面 海岸段丘東四面 (10m

土)

低泣相当面 河岸設丘 30‑ 40m

以下で五つ の地戒の地形 面 と火 山灰眉 との蘭係 を説明 してゆ く。

1)北部地戒 (大阪 山 .由川 )

火山灰 が全 く分布 してい ない地頭 で,藩軽半島の基部 を占める痩軽山地 の丘凌地 の稀 を性急 崖 を東 にして,克郎 こ面のせまい海岸凄丘 が存在 する。海抜高度 から弟三面 と東四面に相当す る。

(3)

1

図 〔 青森平野 の地形 区分 とその形態 〕

G

主 状 図〕

弟3 直l [ ズム虎月 と地形

面 ヒ4醐

鎌】

上 申東 城音

呈土長

海 草 触第 ‑ 免

歯 間 山 門 H国 門 了

HHR

固 劉 iZle

加増ttと一万号V番0

i

四 占三和 1井一面 匡∃ 右三和 和 範 囲 耕 馳 茅一面

辞 新 原A:矛二面

E

ZZa暴孝松 井碩 旺]]用韓如 才JP面 固 濁水叱

E

こ帰 米地也胤池 [王司 ,1jf駈 匹ヨ 白茶:東町 匡 J東風.

匡ヨ 鼻骨毘地

2

)西部地域 (大堤 〜 三内 「細題 ) 段丘地形 が発達 していて, しかも火 山灰 の保存 がいい 地域 である。第二面,第三 敢 第四面,河岸段丘 が発 達 してい る。火 山灰層 と地 形面 との関係 は次の とお り である (第

3

図 )。

3)南西部地域 (高田

・金浜 ・入内 ) 古三角州 と青森平野 の中 で碓‑ の海岸段丘第‑ 面が 凍 っているのが帝徴で ある。

火 山灰 は古三角州第二面

(高 田付近 )に上部火 山灰

(4)

がの ってい る。入 内川上流 の河谷 で は保存 がいい。

4)南部地域 (大別 内 ペ責内 〜野内川以西 )

八甲田系溶結塵灰岩 を基盤 と した媛斜 面地形 が発達 してい る。緩斜 面は北東 〜南西方 向に走 る構造性 の忌崖 によ って きられ て いる。古三角州桑一面 と古三角東二 面は火 山灰層 の層序関 係 よ り区分 した。

5)東部 地威 (野 内川以東 )

陸虎 の地形 面 (扇状鞄,河岸段丘 )が発達 していて,上部火山灰 が北部 の低地 によ く保存 さ れて いる。扇状地 には2火山灰届 がの っている。

Ⅳ:青森平野 の盲地理 の変遷

以上述べた青森 平野 の地形 の性状 や火 山灰層序 をもとに してつ く ったのがj勧香道遠 霜年表酵

1 青森平野 の地形発達編年表 〕 1表 )

地質時代 山 灰 海水面 地盛運勧

後背 湿地, 自然堤防 +5‑7

±0

lill7

浜堤

西部扇状地近地

上 部火山灰 ‑90

東部扇状地性低地

古 三角州第二面,河岸段丘 (東部 )

海岸段丘 第四面 +10

中部火 山灰

古 三角州第‑面,河岸投丘 (西部 ) +20

海岸段丘第三面 I

I

扇状地 下部火山灰 (海退 )

海岸段丘第二百

+

40

‑ (

退 )

i

である。

これ を もとに して, 海面 の 相対的 変化, 地盤運 勤 を種 定 して 括 いた のが古 池:重囲

(第4

図 )で あるo以下 で古地理 をもとに して時代 の古 い順 に説明 してゆ く。

海岸没丘東一面形成期

〕(A)

は海水準が

60m

ぐらいあが った時期 で,弟一面が海 面下 で形成 され ていた。

第‑面が形成 され たあとの海退期後,再 び海進 があ った。 それが

b毎岸虎 丘 東二面形成期

〕(B)

で,海永準が

40m

ぐらいあが った。西部地 蔵に爵二面が 形成 された。 この後,海退期 にはい り, このとき東部地域 の扇状地 が形成 され た。扇状地形成

とほぼ同 じか少 しお くれて く 下部火山灰 >が偉下 した と患われ る。そ の次 に,

(5)

4

図 〔 舌地理図〕

A ー T )

7Z)

C

. . J '

(静 F切

【 海岸段丘第三面形成期〕

(

C )の海進 があ り, 西部 の第三面 と同 じく河岸段丘 が形成 された。 また南部の ' 第三面相 当面,それに古三 角州第一面 もこの時期 に形 成 された。海水準が

20m

ぐらいで旧子 丁 線 は南部から 東部にかけて高 くな ってい る。やがて海退 がは じま っ た。 この時期 にく中部火山 灰>が降下 した。海退 の過 蓮 で,海水準低 下の緩慢 な 時期 があ った。この時期が,

〔 海岸没丘弟四面形成期 〕

(D)で,現海水準で10

‑20mのところに汀線が

ひかれ る。地形面は北部か ら西部にかけての海岸段丘 第四乱 南部 の古三角州第二面,東部 の河岸設丘 扇状性低地等 々が形成 された。これ らの地 形面には上部火山灰層 だけがの っている。緩慢なる海退 のあと,海水準 は大 きく低下 し,

‑90 m

ぐらいまでにな った。 この蒔期 に黄 神色のく上蔀火山灰 >が降下 した。

【 西部扇状適性遮地形成期

〕 (E )

いわゆる縄文海進期で額海水準

5‑10m

の ところまで 上昇 した。南部ほど海岸線が深 く入 りこんでいた と思われ る。

海水準が現在の ところまで下 った とき,西部扇状地性低地 があ らわれた (

F

)。そ のあと, 平野中央部に自然堤防,後背湿地 ができ,海岸部に浜堤 が形成 された。

Ⅴ:

青森平野 の地形発達 の総括

青森平野の地形形成 の大 きな要因は2 つあげられ る。その一つ は,真鶴 南部 の斜面地形即 ち古三角J j l h ' ,扇状地を形成せ しめた増廟 斜の地盤運動である。 も う一つは,西部 か ら北部にか けての段丘地形 を形成せ しめた海水準 の昇降である。

盆地構造 の中で,現勢 l l 河 口を中心 に して,東部,南部地域で

傾斜が大 き く,西部地域で

は比較的小 さい地盤運動がお こ った ものと思 われ る。西部地戒 の安田か ら細越 にかけての海岸

(6)

段丘第三面は,入内帯造線 に沿 って南下するほど海抜高度 が高 くな っているのは,段丘面 の形 成時期 が同 じでも,南部ほど後 の増了 輿科運動 が大 きか ったため差 が出てい ると思われる。西部 地域 は南部や東部 に比べて地盛 運功が小 さか ったため,海水準の変化が地形 面に作用 して面 と 崖 とをも った汝丘地形 が残 っているのであろ う。東部地蔵は,海退 の時期 が早 く, しかも相対 的 に地盤 の隆起が大 きか ったため,海水準 の変化 を直接 うけなか ったであろ う。それ故,扇状 地や河歳費丘 とい った陸成 (河成 )圭 砂珍しか残 され ていない。

く 参 考 文 献 >

1

)貝 塚 爽 平

(1958),

・関東平野 の地形発達史 地理評

Vo

l

.31,IIQ,2 2)関東 ローム研究 グル ープ(1965)

;関東 ロ ーム

築地書館

3

)栓 野 正

(1961);

十和田 ・八甲田火 山噴出物 青森県農業試験場研究 報告

軌 6

4

)青 森 県

(1963);

青森県地質説明書

5)鈴

木 改 則

(1970);

青森平野 の地形発達について 弘前大学教育学部卒

業論文

6

)山 田 忍

(1963);

新 しい火山灰 による

Tephrochronology

第四

紀研究Vol.3 No.1・2

参照

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