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(1)

川崎 栄久*,塩 幸武,熊 浩二十料

Iechanisin of heaving

Teruhisa KAWASAKI,Yukitake SHIol and Kou]l KuMAGAI

Abstract

At excavation in very soft ground,there occurs phenomena of heaving  This mechanism has exphcated M/ith a slip line lmethod by rigid plastic body  No slip surface appears inside of soft ground at the ultilnate situation  From a series of rnodel tests proved that rnechanisHl of heaving is plastic aow and groundwater level concerns occurrence of heaving  This paper reports results of rnodel tests on mechanism of heaving

Key wordsi plastic no、 、,groundwater level,ultilnate condition,plastic body,rnodel test

1.は じ め に

非 常 に軟 らか い飽和 粘性 上 の地盤 上 で仮締 切 り壁 を用 いて開削工事 を行 う場合,背面側地盤 か ら掘 削側底面 へ地盤 が回 りこむ ヒー ビング現 象 の危 険性 が ある。 これ は掘 削 によって除去 さ れた掘 削側 の上塊 と山留 め壁背面側 の上塊重量 との間 にア ンバ ラ ンスが生 じた結果,地盤 が 円 弧 滑 りを起 こ し て 発 生 す る もの と さ れ て い 10。円弧滑 り法 で は地盤 材料 は便 宜 的 に剛塑 性体 として扱 われ,ヒー ビ ング発生 のメカニズ ム は段 階掘 削 に よ り背面側 の地 盤 重 量 が順 次,

増力日す る結果 とな って地盤 内応 力 が)1逗性 域 へ進 行 し,最終 的 に芝1旦性 平衡 状 態 が崩 れ て破壊状 態 とな る(図‑1)。 仮締 め切 り工 の崩壊現 象 は滑 り 線 法 に よる表 現 で あ り,地盤 の安 定性 の評価 に は非排水 強度 か ら得 られ る剪 断抵抗 が用 い られ て い る。 しか し,粘性 上 の力 学 的性 質 を考 え る ,粘性 上 の変形 に は掘 削 に よる偏 載荷 重 の持

平成13年11月 20日 受理

Ⅲ大学院工学研究科土 木工 学専攻博 士後期 課 程 。2年

中準構造工学研究所 。教授 *環境建設工学科・ 教授

続時間 も大 き く関わ り,その特J性はクリープ的 な変位が生 じるもの となる。粘JL土は弾塑性や 粘弾性 として,その力学的挙動が表現で きるこ とが報告 されている缶4)。 地盤 は水・空気・ 土粒 子の3相で構成 されているので,その土 と水の 連成が地盤 の長期安定性 を大 き く左右す るもの である。本研究では非常 に軟 らかい飽和粘性土 地盤 の力学的挙動 を粘弾性体 として捉 えて,実

験 によって塑性流動 と地下水位 によるヒー ビン グ現象への影響 を調べた。

2.ヒー ビングに関する既存の検討 と研究 ヒー ビングに対 す る地盤 の安定性 を評価 す る 方法 には次 の よ うな ものが あ る。まず は,Peck

に よる安定数 (スタ ビ リテ ィーナ ンバ ー)の 念 で あ る。

(1)

こ こで,

:Peckの安 定 数

γ:地盤の湿潤密度 (kN/m3)

:背面側地盤の地表面か ら掘削底面 までの深 (m)

̲/ι 。 S7

(2)

114「1′ 111

̀・

I

4 h

根切り

H

段 切 り梁

C(Zl=az+b

4

 .,i…  ´,士

│卜!′,11ザF

地盤 の回 り込 み に よって発生 す る ヒー ビ ング 現 象1)

H

f

2 Terzaghi&Peckの 方法

Sz:非,Fフk5虫(kPa)

これ は地盤 の非排水強度 と背面側 の上塊重量 の比 で掘 削底 面 の安 定 性 を評 価 す る もの で あ る。

次 に紹介 す るの はTerzaghi&Peckに よる ヒー ビングの検討方法 で,ヒー ビングの検討 モ デル を図‑2に示 す。 これ には,(2)式を用 い る。

α W

Su ‑4 建築学会修正式

:背面側地盤表面 か ら掘 削底面 までの上塊 の 重塑曇 (kPa)

:掘削底面以下 の地盤 の強度 (kPa) :地盤 の粘着力 (kPa)

:地表 面 か ら掘 削底 面 まで の深 さ (m) β:掘削幅 (m)

これ は背面側 の上塊重量 と掘 削底面以下 の支 持力 との比 で安定性 を表現 す る もので あ る。

さて,国内で多用 され てい るの は 日本道路協 会 の方法 と日本建築学会修正式 による方法 で あ る。 日本道路協会 の方法 を図 3に ,日本建 築学 会修正式 を図 4に示 す。

/

′ ア

Z

日本道路協会の方法

B

JI↓

2

F=考 =淘 (2)

こ こで,

F:安全率

X

A

cl   dl

(3)

=持

=洗 【伊外 のπ+ガ 2続も切

日本道路協会 の方法 は (3)式 を用 い る。

(3)

,ヒで表現 してい る点 で は同 じ考 え方で ある。 日 本建 築 学会 修正 式 で は最下段切 り梁 を中心 とし て円弧滑 りが想定 されて い る こと,日本道路協 会 式 で は地 盤 の深 さに応 じた粘着力 を考慮 で き

る こ とが特徴 で ある。

その他,土圧 に よる矢板 の変形 か ら地盤 内応 力 を検 討 す る方法 には,矢板 を単純 梁 に見立 て た野尻 の仮想支点法0や山肩 ら,中村 らに よ る 弾塑性 法 のが あ る。弾 塑陛法 のモ デル 図 を図 5

に示す。

これ らは土圧 と静水圧 を仮締 め切 り壁 に作用 させ た場合 の応力 と矢板 の変形 の計算方法 で あ る。す なわ ち,土圧 に よる地盤 の平衡 問題 と言 い換 える ことがで きる。

一 方,ヒー ビング現象 に透水・ 排水性 が関わ る検討事例 として は,杉本 に よって地盤 内部 で こ こで,

α:深さ係 数

:深さ係 数 :深 (m)

γ:地盤の湿潤密度 (kN/m3) α:上載荷重 (kPa)

:地表面か らの深 さ (m)

日本建築学会修正式 は (4)式を用いる。

F r″

d

S2(χ プθ)

(4) 十 り蛯井

こ こで,

:安全率

″だ 作用力 に よる回転 モー メ ン ト (kNom)

″〆 抵抗 モー メ ン ト (kN・m)

/:最下段 切 り梁 を中心 とした回転 半径 (m)

Sz:滑り面 に沿 った地盤 の剪 断強度 (kPa) σ:地表 面 の上 載荷重 (kN)

:掘削底 面 よ り上 の背面側 土 塊 の重 量 (kN/

m)

α:最下段切 り梁 を中心 とした掘削面 までの回 転角 (rad)

両者 は背面側土塊重量 による滑 リモーメン ト と掘削底面下 における地盤の抵抗モーメン トの

χ

立〕:!■│′1)

411轟背と塩…

rイ1声

'共

│イ

ritt t税li

弾塑性法9

塑性平衡理論 に基づ くヒー ビングの検討 と研究例

日本建築学会修正式 日本道路協会 の方法

単純梁モデル仮想支点法 (野)

Peckの安定数

Terzaghi&Peckの方法 弾塑性法 (山肩 ら,中村 ら)

杉本 による現場計測 塑性平衡理論 に基づ く過去の ヒー ビングの検討 と研究例

地盤 の安定 を示す指標

滑 り線法 に基づ く方法

土圧 の平衡 に基づ く方法 4 透水

排水性 か ら体積 ひず みを測

(4)

流線網 によって体積 ひずみが観測 された もの0 がある。塑性平衡理論 に基づ く過去の ヒー ビン グ現象の検討 と研究例 を表 1にまとめる。

実現象のヒー ビング現象 は掘削によって地盤 全体が塑性流動 を起 こす ものであるが,地下水 位 も塑性流動 に関わる。 これ らを明 らかにす る ために大型土槽 と小型土槽 による模型実験 を行 うとともに,室内要素試験か ら浸透水圧 と時間 の関係 も測定 した。

3,実 験 概 要

ケ ース1:大型土槽実験 にお ける塑性流動実

ヒー ビング現象が塑性体 として滑 り破壊 を示 す現象 で はな く,粘弾性体 として の塑性 流動 で あ る こ とを明 らか にす るた め に,土槽 実 験 を 行 った。

実 験 で 使 用 し た 土 槽 は 縦 240 cm× 横 120 cm×高 さ120 cmであ る。軟 弱地盤 のモデル と

して砂混 じ リベ ン トナイ トを上槽 内 に敷 き詰 め た。上槽 の模式 図 を図 6に,砂混 じ リベ ン トナ イ トの物 性 値 を表 2に示 す。地 盤 の強度 を15

kPa以下 として練 混 ぜ を行 った。所定 の強度 に な った こ とを確 認 して か ら剛体 壁 として直 径 30 cmの塩 ビパ イ プ をモ デ ル地 盤 に挿 入 した。

塩 ビパ イ プ の管 長 が40 cmで根 入 れ が な い条

件 と管長が45 cmで根入れ長が5cmの条件 の 2種類 として,パイ プ ご とに実験 を合 計2回 行 った。

土槽 に設置 したパイプ内のベ ン トナイ トを掘 削 して直 ぐに掘削底面 にカウンターウェイ トを 置いて掘削直後 にヒー ビング現象が起 きないよ うにした。 また,上載荷重 として湿潤密度が約 1.8g/cm3の川砂 を地盤 の地表面 に30 cmの さで載せた。塑性流動 によるヒー ビング現象 は カウンターウェイ トを取 り除いた直後か ら,掘

削側地盤 の時間 と隆起量 の関係で計測 された。

地盤内の塑性流動 を測定す るために,ヒー ビ ング発生前 に予 めビニールホースをパイプ周 り の地盤内に差 し込んだ。実験開始 と共 に発生す

4ビ ド

300

ベ ン

(砂)

:280

モデル地盤 の物性値 (大型土槽)

塑性流動実験 の上槽

単位:(―l

砂混 じり ベ ン トナイ ト

1̲99 (kPa)̀7ク

3.549 5 286

σ

(%) 2 766

ρs

(g/cm3)

0 995 (kPa)̀テ

78̲02 84̲09 (%) 0̲608 0.440 ρど (g/cm3)

17 4 (%) 4 549 6 286

/

(%) 1 700 1.230 ρと (gたm3)

227 (%) 139 82 93 874

S″

(%) 1 388 1 281

/'sat

(g/cm3)

209 6 (%) 0 388 0 281

/Dsub

(g/cm3) 179̲4

,7

(%)

(5)

500

L・1本 ス´ 0

塩ヒ・ドイア I8

250   250

塩 ビパ イプ周 りの ビニール ホースの配置

る地盤 内の流動,すなわ ち ヒー ビング現象 に ビ ニ ール ホー ス を追従 させ る もので あ る。実験終 了後 に変形 した ビニール ホース に石膏 を流 し込 んで,石膏 が 固化 してか らベ ン トナ イ ト層 か ら 掘 り出 して水 平 方 向の変形 を測定 した。 ビニー ル ホースの配置 図 を図 7に示 す。

以 降,この実験 をケース1と呼 ぶ こ ととす る。

ケ ース2:大型土槽 にお け る地 下水位 に よる 塑性流動 の実験

土 槽 はケース1で使 用 した もの と同 じで あ る ,根入 れ の違 い に よる ヒー ビング現象 の差 を 観 察 す るた め に,塩ビパ イプ(径300 mm)の

長 が40 cmで根 入 れ が な い 条 件 と管 長 が 45

cmで根 入 れ長5cmの条 件 の2種類 を並 列 で 地盤 内 に差 し込 んだ(図 8)。 地盤 材料 もケース

1で使 用 した もの と同 じで あ る (表‑2)。

実験 装置 は,図 9に示 す もので,ベン トナイ ト層 の底面 で地下水位 を調節 した。地下水位 は 30 cm,50 cm,100 cm,187 cmの 4段階 として,

地下水位 ご とに4回の実験 を行 った。

2本の塩 ビパ イプ内のベ ン トナイ トを掘 削 し た直 後 か ら ヒー ビ ング現 象 が発 生 しな い よ う にぅ掘 削底面 にはカウ ンター ウェイ トを置 いた。

地下水位 と塑性 流動 による ヒー ビング現象 の 観 測 はカ ウ ンター ウ ェイ トを取 り除 いた直後 か

ら掘 削側 の隆起量 と時間の関係 を計測 した。

以 降この実験 をケース2と呼 ぶ。

4七・ドイ,・

ベ ン

単位:(mm) ケース2・ 実験槽

H体

ダイヤルゲージ

支持層(砂

2400

単位 :(mm) ケース2・ 実験槽

ケース3:小型土槽 における地下水位 による 塑性流動の実験

大型 土槽 で得 られた知見 か ら,地下水位 と塑 性 流動 の関係 を2次元 で捉 え るた め に小型 土槽 に よる塑性 流動 実験 を行 った。 ここで使 用 した 上 槽 を図‑10に示 す。縦 30 cm× 横 60 cm× 高 36 cmの水 槽 で あ る。モデル地盤 には青森 県 八 戸 市 蟹 沢 よ り採 取 した天 狗 岱 ローム を用 い た。材料 を均― にす るた めに試料 を乾 燥 させ て

2mmふ る い で ぶ る い 分 け を行 い,含水 比 を

85%に調整 した。

性値 は表‑3の通 りで あ る。 まず,モデル地 盤 を12 cmの高 さ まで敷 き詰 め,仮締 め切 り壁 を取 り付 けた。仮締 め切 り壁 は厚 さ0.5cmの ク リル板 で,上圧 に よる変形 を許容 しない剛体

⁚ ・50

ζ

(6)

天狗岱 ローム

0 125

?ク

(kPa) 1 773 2 103 (%) 2 612

ρs

(g/cma)

63 9 67̲8 (%) 0 942 0 873 ρど (g/cm3)

0̲0625 (kPa)

42 9 (%) 2 773 3 103

/ (%) 1̲552 1̲498 ρι (g/cm3)

59 1 (%) 95 62 89 1

S/

(%) 1 580 1 518

ハ at

(g/cm3)

15 9 (%) 0 582 0 520 ρsub (g/cm3)

64̲8 71.6

TT

(%)

獅呻

阻蜘

モデル地盤 の物性値 (小型土槽)

1鬱9切ごね

Zl

5

1釣

12(l

1 30

0

2009

単位:(―l 10 ガヽ型土槽模式図

壁 とした。 アク リル板 を設置 した後,掘削側 ヘ はカ ウ ンター ウェイ トを置 き,地盤 の換算高 さ を合 計24 cmと な る まで 背 面 側 に ローム を充 填 してさ らに コ ンク リー トブ ロ ックを載荷 し た。 また,地盤 内変形 を観測 す るた めに,竹 ご とスポ ンジで作 った標 点棒 も設置 した。標 点 棒 の配 置 を図 11に示 す。塑性 流 動 と地下水位 の関係 を調 べ るた めに,粘性 土底 面 へ被 圧水頭 22 cmの高 さで 作 用 させ た。 そ して カ ウ ン ター ウ ェイ トを取 り除 き,ヒー ビング現象 を発

生 させ た。測定項 目は背面側 の沈下量 と掘 削側 の隆起量 の経時変化 で あ る。

以 降,小型 土槽実験 をケース3と呼 ぶ。

単位:(れ 11 河ヽ型土槽 内への標点棒 の配置図

ケ ース4:室内要 素試 験 に よる浸透 水圧 と時 間の関係 の測定

この試験 で は浸透水圧 と時間 の関係 を調 べ る た め に図 12に示 す よ うに三軸 試験機 を応 用 し た機具 を用 いた。 この試験 で は浸透水 に よる有 効 応力 の変化 を調 べ るた め に,供試体 底面 へ圧 力水頭 を作 用 させ た実験 で あ る。供 試体 は小 型 土槽実験 で用 い られた試料 と同 じローム(表 3) ,供試体 の寸 法 は直径5cm,高さは10 cmで あ る。試験体 のquは 0.125 kPaで,自立 す る こ

とが 困難 で あ る。試験 中の漏水 を防 ぐ必 要性 が あった ので供試体 の作成方法 を以下 の通 りとし た。

まず,ゴム ス リーブ を三軸試験機 の下部ペ デ ス タル に被せ て,その外側 に砂用モール ドを被 せ て真 空 圧 をか け る。 そ して,表 3の試 料 を

(7)

初期水頭差 変位計

上部キャリフ

(越流部付き)

´´ 砂用モールト

下部へ■スタル ステーン

単位:mn

12 三軸 試験 機 を応 用 した室 内要素試験 装 置

モ ール ドの中へ投入 して,空隙 をな くす るた め にガ ラス棒 で突 き固 めた。 その上 で仕上 が った 供 試体 の上部 に透水 す る こ とが 出来 るキ ャ ップ を載 せた。 ここまで は砂 の供試体 の作成 方法 と 同 じで あ るが,供試体 の 自立 を助 け るた め に砂 用 モール ドは取 り外 さず,水平 方 向の変位 は許

さない もの とした。

供 試体 上部 に は変位計 を取 り付 けて鉛直 方 向 の変位 も計測 した。

浸透水 圧 と時 間 の関係 を測定 す るた め に供試 体 の底 面 とビュー レ ッ トを接続 し,その経路 を 脱 気水 で満 た した。供試体 の上部 キ ャ ップの越 流部 か らビュー レ ッ トの水面 までの初期水頭 は

46 cmであ る。越流部 か らビュー レ ッ トまでの 水位 の経時変化 を測定 し,計算 に よ り浸透水 圧

を求 めた。

以 降,この実験 をケース4と呼 ぶ。

4.試験 結 果 ケ ース1,ケース 2:

ケー ス1にお ける図 13,14の図 中 に記 した4 つ の水平 方向の矢 印 は塩 ビパ イプの周 りに対称

:胆滑 り面

単 位:(mm)

13 根入れがない条件での塑性流動

円弧 滑り面

単位:(mm)

水平方 向

14 根入れがある条件での塑性流動

に配置 され た ビニール ホース の変形 図 で あ る。

13,14では それ ぞ れ塩 ビパ イ プ か ら10 cm 離 れた位 置 に ビニ ール ホースが2本,20 cm離

れ た位置 にホースが2本差 し込 まれ てい る。 こ れ らか ら根入 れ のあ る 。な しに関わ らず,背 側 地盤 にお いて掘 削底面 よ り高 い位置 で も水平 方 向の変位 が見 られた。 また,円弧滑 り面 よ り

も下 方 で最 も大 きい水 平 変 位 の集 中 が見 られ た。

‑15はケー ス2にお ける地下水位 と隆起 量 の関係 を示 す。 ヒー ビング発生直後 で は直線 関 係 に あ った 隆 起 量 は,時間 が 経 つ に連 れ て ク リー プ状 に変化 してい る。地下水位 が高 くな る に従 い,隆起 量 は大 き くな った。 また,ヒー ビ

ング発生直後 にお ける直線 の傾 きも大 き くな る 傾 向 を示 した。 時 間の経過 で隆起量 はク リー プ

越流水

・6

︲ 9

・ 2

朝く

1 4

(8)

状 にな るが,ク リー プ状 曲線 の変化点 も地下水 位 が高 くなるにつれて明瞭 となった。

ケ ース 3:

標 点棒 の移 動 で示 され る塑性 流 動 を図 18に 示 す。 ヒー ビング発生直後 か らア ク リル板 剛体 壁 の先端付近 で大 きな隆起 を示 した。 図 16は 地 下 水 位 が あ る場 合 とな い場 合 の変 位 量 で あ

る。変位量 のプラス側 は隆起量 で,マイナス側 は沈下量 を示 してい る。隆起量 に対 す る地下水 位 の影響 は当初 に は顕著 で あったが,沈下量 で は ヒー ビング発生直後 には地下水位 が ない場合 とほぼ同 じ線形 を示 した。 しか し,地下水 位 の あ る方で は2時間後 破線 で 囲 った部 分 か ら背面 側 の沈下量 が漸増 してい る。

‐―△‐―H=30L

H=30S

‐一准 ―HもOL

――‑0トーーH=50S

― ‐+‐ ‐H=100L

H=100S

一 ‐― ‐‐H=187L

H=187S

20 25

ケ ース 4:

17よ り試酸 開始直後 で は直線 的 に浸透水 圧 の減 少 が見 られ た。 時 間が経 つ につれて浸透 水 圧 の減 少 は急激 に低 下 し,約9N(水圧 ×面 )の有効 力 が残 った。 なお,試験終 了後 に供 試体 を観 察 した ところ,上部 キ ャ ップ付近 に土 粒 子 の凝 集 が み られ,泥水膜 の役割 を果 た して い る こ とが確認 された。 なお,上部 キ ャ ップの 変位 は0.0〜001 mmと 極 僅 かで あ った。

5.考  

15と 16よ リヒー ビ ング発 生 直 後 にお ける変位 と時間 の関係 は直線 的で ある。背面側 と掘 削側 の地 盤 重 量 の差 が一 定 した値 にな る ,直線 的 な変位 はク リー プ的 な変位 へ と移 り

︵自︶咽

1234

時間(h)

15 ケー ス2にお ける地 下水位 と隆起 量 の関係 (3次)

5      10      15 時間 (h)

16 ケ ー ス3にお け る地 下水 位 と変位 量 の関係 (2次)

30 20 10 0

10

‑20

‑30

40

‑50

‑60

o H=0

‑H=22

(9)

Z

<

130 120 110 100 90 80

:,      10       15 手間 (h)

17 ケ ース4にお け る浸透 水圧 と時 間 の関係

◇供試体No l 口供試体No 2

△供試体No 3

0 20 25

変 わ る。 これ らか らヒー ビ ング現 象 の一連 の動 きは3要素 団体 モ デルで近似 で きる。3要素 個 体 モデル の槙 式 図 を図 19に示 すの。3要素 固体 モ デルの構成式 を以下 に示す。掘 削 によって生 じる地盤 の変 形 /を (5)式,地盤 内応 力 は

(6),(7)式で表 され る。

γ=/二十 ヵ十 ね      (5) S=G1/1       (6) S=a″十η

  

ここで,

γ:地盤の変形率 (%)

:地盤 の弾性成分が受 け持つ変形率 (%) :地盤 の粘性 と弾性 成分 が受 け持 つ変形 率 (%)

S:地盤内応力 (kPa) Gl:地盤の弾性係数 (kPa)

a:地盤の弾性係数 (kPa) η2:地盤 の粘性係数 (kPa) :載荷時間 (sec)

これ らの連立 方程 式 を解 くと ナ=0(sec)に

お いて変形 γの合計 は (8)式 で表 す こ とが 出来 る。

ズつ=S{翌年十ゼ孝(19号)} (9)

こ こで,

1:遅延時間/C(sec)

地下水位 を増加 させ た場合 の隆起量 と時間 の 関係 は水位 に関係 な く同様 な傾 向 を示 した(図

15)。 また,図 16の =0と =22を比較 す る ,打 =0では ヒー ビング現 象 が発生 してか ら 沈 下量 の変化 は次第 に減少 してい るが,汀=22

で は沈下 が継続 してい る。 す なわち,地下水位 の増 加 は地 盤 を不 安 定 にす る一 因 となって い る。 これ らの結果 は地下水位 に対 して何 らかの 対 策 を取 る ことが ヒー ビング対策 として有効 で あ る こ とを示 す。例 えば,ウエル ポイ ン トエ法 や デ ィープウェルエ法 な どによる地下水位 の低 下 な どで あ る。

18の標 点棒 の移 動 か ら塑 性 流動 を観測 す る こ とが で きた。 図 18にお ける背面側 の地盤 で は,土槽壁面 とア ク リル板 の表面 で は地盤 が 付 着 して動 か ないが,土槽壁面 とア ク リル板 か ら離 れた位置 で沈下 が生 じてい る。 この地盤 の 動 きは剛塑性 モデルで近似 された滑 り破壊 で は な く,粘性 体 としての動 きで あ った。 それ は無 限平板 上 の粘性流 れで表 す ことがで きる。無 限 平板 上 の粘性 流 れ を模 式化 す る と図 20のよ う にな る。ここで,y(2,υ,の は速度 を表 してい る。 図 において チ=0から流体 が χ方 向 に流 れ

ズの三÷

    

=∞ (sec)に お いて は (9)式とな る。

(10)

0(sec)

18(sec)

36 (sec)

5(min)

(a)地下水位 が ない場合 (打=Ocm)

18

0偽ec)

18(sec)

36(se0

5(min)

(b)地下水 位 が あ る場 合 (汀=22 cm) 小型 水 槽 内 の塑 性 流動

(11)

G2

y

こ こ で,

Gl

19 3要素団体 モデル

γ l

γ2

η:粘性係数 (Pa・S)

/:粘性流体 による力 (kN)

これ よ り=0で=0,η=∞ /=1と ,ヒー ビング現象 にお ける境界条件 を表 す こ とが で きる。

地 下水位 が作 用 した場合 の沈下量 の増 大 は,

粘性 層 に更 に圧 力 が作 用 した こ とに よる もので あ る。

17よ ,浸透 水 圧 の即 時的 な減 少 はパ ス カル の原理 が粘性 上 の中で も有効 に働 いていた た め と考 え られ る。時間の経過 と共 に浸透水圧 に よる力 の減少 は非線形 的 な動 き とな るが,こ

れ は泥水膜 の形成 で不透水膜 に よる有効応力が 生 じた こ とに よる と考 え られ る。

以上 よ り掘 削工事 にお ける被圧地下水 の存在 も地下水位 と捉 える ことがで きる。地下水位 の 存在 は盤 ぶ くれ の検 討 と,塑性 流動 に対 す る検 討 の必 要性 を示唆す る もので あ る。

6。     

ヒー ビング現象 はウf旦性 流動 で あ る。また,仮 締 め切 り工 にお け る ヒー ビ ング現 象 の境 界 条 件 は無 限 平 板 上 の粘 性 流 れ で 表 現 で き る。

2.一連 の ヒー ビ ング現 象 は3要素個体 モ デル で表現 す る こ とが可能 で ある。

3.粘性 土 に存在 す る地 下水 位 は塑 性 流 動 に大 き く関与 す る。そのた め,地下水位 に対 す る 評 価方法 の考案が急がれ る。

4.掘削工事 にお け る被 圧 地 下水 の存 在 は地 下 水位 と捉 えるべ きで あ る。

ヒー ビ ング現象 を抑 止 す るた め には塑性 流 動 を抑 え る こ と と,地下水 位 を低 下 させ る

こ とが有効 で あ る。

参 考 文 献

1)日本建築学会:山留 め設計施 工指針,pp 37‑

43,第 2版4刷,199285

2)社団法人 日本道路協会:道路 土工 仮 設構造 物工指針,pp 83 84,改訂版,1999310

ひ速度仰た?c)

:粘性層の厚さ仰)

Iデ J

X

ι宮〔)      ri―o

20 無限平板上 の粘性流れの

た とき,すなわ ち ヒー ビング現象が発生 した場 合 の Navier―Stoke'sの運 動 方程 式 は次 式 で表 され る8)。

∂紡    2劣

両戸

こ こ で,

ν:動粘性係数 (m2/s)

(10)

(10)式の境界条件 は ノ=0で %=0,ノ=∞ =yと与 え られ る。 ここで,時間 と速 度 の関 係 を力 と粘性 の関係 に変換 す るた め に変 数変換 を行 う。変数変換 を (11)式 (12)を用 いて

(10)式を解 くと (13)式 とな る。

η=ノ/2vし 2=ιγ(η )

+2η 場手=0

(11) (12) (13)

(12)

3)社団法人 地盤工学会:地盤工学ハ ン ドブ ック 初版第1刷 ,1999,320

4)川崎栄久,塩井幸武 :ヒ ー ビングのメカニズム に関す るレオ ロジー的 な一考察,平12年 東北 支部 技術 研 究発 表会講 演概 要,pp 286 287,2001

5)野尻明美:山止 め応力・変形 の発生機構 に関す る研究 一仮想支点法の提案 ―,日本建築学会論 文報告集第234号,19758

6)杉本隆男 :羽 田沖合展開部 における深い掘削 時の ヒービング計測例 と地盤改良評価 による 山止め掘削時の変形挙動 と地盤評価 に関す る 講習会 (原稿),1992526

7)村上謙吉 :レ オロジー基礎論,産業図書株式会 ,初版第 5刷 ,pp 90 92,1999.1220

8)谷田好道 :流体の力学,pp 79‑85,株 式会社朝 倉書店,初版第 8刷,p79,19999.10

(2001年 11月 20日受付)

参照

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