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雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学

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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

実験的面接における応答の認知的発達水準に及ぼす モデリソグの効果

著者 玉瀬 耕治, 島本 淳子

雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学

巻 44

号 1

ページ 249‑263

発行年 1995‑11‑24

その他のタイトル Effect of Modeling on Cognitive Developmental Levels of Verbal Responses in an Experimental Interview

URL http://hdl.handle.net/10105/1639

(2)

実験的面接における応答の認知的発達水準 に及ぼすモデリソグの効果

玉 瀬 耕 治 ・ 島 本 淳 子'

(奈良教育大学心理学教室) (平成7年4月28日受理)

カウソセリソグは人の発達上の諸問題に対して心理学的な援助を行うことを目的とするもので あるのにもかかわらず、カウンセリングの理論家は、従来必ずしも発達心理学の知見を十分には 取り入れてこなかった(Gelso & Fassinger, 1992)。 Ivey (1986,1991)はこの点を問題にして、

発達心理学領域におけるもっとも代表的な理論であるPiaget (1966)の認知発達理論を取り入れ た発達カウソセリング・療法(Developmental Counseling & Therapy, DCT)を提唱した。

この理論では、成人の認知的発達水準を表すのに比喰的にPiaget学派の4つの発達段階を援用し ている。すなわち、感覚運動的水準、具体操作的水準、形式操作的水準、及び弁証的/組織的

(後形式的)水準である。発達カウソセリング・療法では、クライエントの現在の認知的発達水 準を正しく査定し、その水準に合わせた適切なカウソセリソグ環境を提供することが、個人の心 理的な成長と変化の促進に役立つと考えている(Ivey & Ivey, 1990a; Ivey & Goncalves, 1988; Van Hesteren & Ivey, 1990)cクライェソトの認知的発達水準を確認することができれ ば、その水準に合わせてカウソセリソグの理論と技法を選択することができる。例えば、弛緩訓 練、ゲシュタルト療法などは感覚運動的水準により適しているのに対し、主張訓練、現実療法な どは具体操作的水準に、論理療法や来談者中心療法などは形式操作的水準に適合していると考え られている(Ivey,1986)。

Tamase (1989)はIveyの考え方にならって、初心カウソセラ‑の為の訓練プログラムを考案 した(Ivey, 1993)c このプログラムは、 Erikson (1963)の発達理論に従って幼児期から成人 にいたる発達段階を4つに区分し、内観法(吉本, 1965)の回想法にならって過去の出来事を系 統的に想起させるもので、内省的発達カウソセリング(Introspective‑Developmental Counseling, IDC)と名付けられたIDCは、カウソセラー養成の技法的な訓練プログラムとし てだけでなく、時期を区切って過去を探求することによって自分の生育史について新しい視点を 拓くのにも役立てることができる。

本研究では、 Ivey (1991)の認知的発達水準の査定法を取り入れて、内省的面接におけるモデ リソグの効果を検討する。従来の研究では、面接における主題として、自分にとって大切な過去 の出来事(玉瀬, 1991) 、性格(玉瀬, 1992a)、母子関係(玉瀬, 1992b)、友人関係(玉瀬・

光武, 1993)が扱われている。本実験では主題として、玉瀬・光武(1993)と同様に"友人関係"

をとりあげる。その第1の理由は、玉瀬・光武(1993)の研究である程度の傾向が予測できるた めである。第2の理由は、大学生が、この実験を通して自分と友人との様々な人間関係について 客観的に捉えるのに役立つと考えたためである。モデリソグでは処遇質問を受けるモデルの面接

'現在 奈良教育大学大学院教育学研究科修士課程

249

(3)

250

「:細 川  ,ti ト;v‑ ]蝣

場面を録音したオーディオテープを聞くことを求め、処遇質問では友人関係に関する5つの質問 に答えることを求める。

モデリソグ(Bandura, 1977)は、モデリソグ療法として活用され、現在では行動療法の1技 法として確固とした地位をしめている(坂野, 1986) モデリソグの過程は4つのド位過程、す なわち注意過程、保持過程、運動再生過程、および動機づけ過程として説明することができる

(玉瀬、 1985) 本実験では、そのうちの注意過程におけるモデリソグ刺激の効果について検討 する。モデルの応答を聞くことで、自分の友人関係を客観的に捉えることや、面接者の期待して いる応答に気付くことが予想される。なお、本実験のモデリングでは、参加者の言語的表現その ものではなく、友人関係に関する視点の変換に焦点をあてている。内観(痩)法では、初心者の 内観を深める工夫として、実際に内観が深まった人の告白のテープを聞かせることが多い(‑‑.末, 1976) これは、今まで自分では気づかなかったものの見方や考え方に気づかせるのに効果的で あり、視点の変換を促すものとして注tはきれる。本実験ではこの特徴を重視して、モデリングを 取り上げている。

本実験で使用される処遇質問は、過去の友人との具体的な思い出について尋ねる質問を2回行 い、それら2つの思い出を通して、参加者の友人との接し方の共通点について話すように求める ものであり、玉瀬・光武(1993)の混合質問群に相当する。合計5つの質問を行うが、初めに具 体的な出来事にのみ焦点をあててまず出来事を想起させ、次にそのときの参加者白身の気持ちに ついて尋ねる。これを2回繰り返す。参加者が出来事と心情を分けて尋ねられることによって、

頭の中でそれらを整理し、詳しく説明できることを想定している。ここで求められている水準は、

具体操作的水準である。最後に、友人との接し方の共通点、すなわちパターソについて尋ねる。

この質問は、参加者によって様々な捉え方が予想される。場面比較のみで終わるもの、比較から 自己の思考や行動のパターソを見つけるもの、自分の友人関係について他者の視点から捉えるも の、さらにそこから自分のなすべきことについて考えるものなどである。これらは、形式操作的 水準または後形式的水準に相当する。

Ivey & Ivey (1990a)は、発達カウソセリング・療法では発達水準を変えることに焦点を当 てた垂[‑a:的な発達と、特定水準内での発達を促す水平的な発達が、共に重要であることを指摘し ている。垂直的な発達とは、よりL位または下位の水準へと発達水準を移行させることであり、

水平的な発達とは、クライエソトの現在おかれている発達水準を機能的に拡充することである。

参加者の事前の発達水準と同等の質問を行う場合は水平的発達を促すものと期待される。参加者 の事前の発達水準よりも高いまたは低い水準の質問を行う場合は垂直的発達を促すものと期待さ れる。本研究の参加者は大学生であるので、 Piagetの発達理論に従えば形式操作的水準にあり、

どの参加者もこの水準に到達することは可能であると考えられる。しかし、七瀬(1991) 、 R瀬・

光武(1993)では、約8割の参加者の事前の発達水準が具体操作的水準までで占められており、

Piagetの考えには合致していない。本研究の参加者の発達水準もこれらの結果に近いものと予想 される。したがって、処遇質問では、まず事前の水準に相当する具体操作的水準から始め、より 高い水準へと移行させることによって、垂直的発達を促すことができるものと考えた。

本研究で用いる友人関係に関する発達査定基準は、 Ivey (1991)および七瀬・光武(1993)を 参考にする。査定方法は、発達水準評定項目を作成し、 5人の評定者の評定によるものとする。

得点化については従来の研究(七瀬, 1991; 1992a; 1992b;光武・圭三瀬, 1993)のように、到 達した一一番高い水準だけに注目するのではなく、下位水準にも注目してこれらについても査定で

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きるように配点方法を 工夫した。 1一一・椴のクライエントは、ある問題については最高水準で答える ことができるが、別の問題については最低水準で答えることもありうる。発達とは、課題ごとに 特定の活動であり、どんなクライエントでも幾つかの発達水準が混ざって存在し、純粋に形式操 作的水準の、あるいは具体操作的水準のクライエソトなどは存在しない(Ivey,1986)と思われる ためである。

方  法 実験計画

3×2の要因計画が用いられた。第1の要関は処遇(モデリング、質問、統制)で参加者(被 験者)聞要因であった.第2の要因は発達杏定(事前、事後)で参加省内要目であった。

参加者

大学生57名(男子19名、女子38名)が実験に参加した。これらの参加者は、 3つの群に19名ず つ(モデリソグ群:男子6名、女子13名、質問群:男f‑6名、女T13名、統制群:男子7名、女

子12名)割り当てられた。

材  料

(1)質問項目の作成 質問項目はIvey (1991)の標準認知発達的面接の質問項目と玉瀬・光武 (1993)の質問項目に準じて作成された。実験的処遇の効果を査定するための事前質問と事後質 問は同じ内容であり、参加者の"友人関係"について報告させるものであった。

実験的処遇段階における処遇モデリングおよび処遇質問は、友人関係に関する参加者の発達水 準を変化させるように試みられたものであった。処遇質問は、中学校時代の友人との具体的な思 い出と、そのときの友人に対する参加者の気持ちについて尋ねる質問を2回行い(具体操作的水 準質問) 、それら2つの思い出を通して、参加者の友人との接し方の共通点について話すように 求める(形式操作的水準質問)ものであった。モデリソグ群では、ヒ記の処遇質問に対するモデ ルの応答を聞かせた。質問群では、処遇質問を参加者に対して直接行った。統制群では、他の2 群との時間を調整するため5分間雑誌を読んで待つよう教示した。その間実験者は面接室から退 出していた。

目頭による全質問終了の後に、自分が応答した時どのような点に気をつけていたかについて、

質問紙による内省報告を求めた。表1は本実験で使用した質問項目のリストを示したものである。

(2)モデルテープ 質問群と同じ処遇質問を用い、モデルによる面接を行ってオーディオテ‑プ に録音した。聞き手は実験者(第2若者) 、話し手(モデル)は心理学専攻の学部学生で、全面 接時間は5分49秒であった。表2はモデルの全面接内容について示したものである。

(3)発達水準査定基準Ivey (1991) 、玉瀬・光武(1993)の発達水準査定基準に準じて4つの 発達水準を設け、各水準2項目ずつ合計8項目の評定項目を作成した。次に玉瀬・光武(1993) に基づく各発達水準の定義と応答例を示す。

I 感覚運動的水準

・感覚的、主観的に述べられている。

・感情的要素が強い。

(応答例)

その、それまでとても仲よくしてた友達と大喧嘩したときに、とてもつらくって、素直にあや

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玉 瀬 耕 治・島 本 淳 子

表1 本実験で使用された質問項H

<事前質問>

これからあなたの友人関係についてお聞きします。あなたの過去における、ある特定の友人について思 い出してドさい。 (5秒)いいですか。それでは、その友人との何かn体的な出来事を1つ話してFさい。

そして、それを通して、あなたの友人関係について話して下さい。

く実験的処遇段階>

1 あなたの中学校時代の友人のltIで、特に親しくしていた人を1人思い浮かべて卜さいO どんなことで も結構ですので、その人との、ある時ある場面での具体的な思い出を1つ話してFさい。

2 その時の相手に対する、あなたの気持ちはどんな感じでしたか。

3 今度はその人とは別の、中学校時代親しくしていた人を1人思い浮かべてFさい。どんなことでも結 構ですので、その人との、ある時ある場面での具体的な思い出を1つ話して卜さい。

4 その時の相手に対する、あなたの気持ちはどんな感じでしたか。

5 今話して下さった2つの思い出を過して、あなたの友人との接し方の共通点について考えてみてドさ い。お答えがまとまりましたらお願いします。

<事後質問>

あなたの過去における、ある特定の友人について思い出して卜さい。巌初の質問の時と同じ人でも違う 人でもかまいません。その友人との何か具体的な出来事を1つ話してfrさい。そして、それを通して、あ なたの友人関係について話して卜さい。

往:実験的処遇段階で、モデリソグ群ではモデルの応答を聞き、統制群では5分間雑誌を読むよう教示 された。

まれない自分が情けなかったんです。廊ドですれちがっても、こう、なんて「子うんですか、その 一瞬に流れる垂たい空気みたいなものが2人の間にはあって・ 気まずい思いをしたことが ありました。

II 具体操作的水準

・特定の友人との関係について具体的説明がなされている。

・友人との関係において、内面的な感情や思考が述べられている。

(応答例)

自分から相手の方に合わせて行くって言うか、あまり自分の意見は前に出さないようにしてい ます。例えば、友達と話をしてて、友達と自分の意見が違うときには、 Hi来るだけ意見の衝突が 起こらないように、相手の言うことを否定しないようにしています。

III 形式操作的水準

・友人関係について、幾つかの場面を比較して説明されている。

・友人関係にかかわる自己の思考や行動のパターソが述べられている0 (応答例)

親しい友人に対しては、その友達が困っていることがあったら、自分がロJ能な限りの手助けは してやりたいという気持ちが常にあるんです。でも、そうでない友人に対しては、対人関係を損 なわないように、会ったら、話したりとかはするんですけど、自分のことおいてそいつの為に何 かしてやろうという気はなくって・ ・'。

Ⅳ 後形式的水準

・友人との接し方について他者の視点から述べられている。

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表2 モデルの応答の内容

(あなたの中学校時代の友人の中で、特に親しくしていた人を1人思い浮かべて下さい。どんなことでも 結構ですので、その人との、ある時ある場面での具体的な思い出を1つ話して下さい。 )

(1)はい、えーつと、ん、彼女とは中学校2年生の時に一一緒に生徒会活動をしていて、わたしが総務をやっ ていて、で、 一緒、発表会が何かあったんですけども、そのときにわたしが演壇に立ってしゃべること があったんです。でその時に書記をしていた彼女が、あのそばで、サポートしてくれたことがありまし た。つていうのはわたしがその時に演増に ¥T.つ時の必柴なしゃべるメモをつい忘れてしまってて、朗が もう良っ白になってしまって演壇に立ち尽くしてしまっていたんですけど、その時に彼女がUをばくば くしながらわたしのほうに何かこう合図をおくってくれるような動作をしてくれてて、すごいそれがあ のそういうことで助けられたっていうのが、経験があります。

(その時の相手に対する、あなたの気持ちはどんな感じでしたか。 )

(2)はい、えーっとその彼女がわたしを ヰ懸命助けてあげようってしてくれるそういうI‑一生懸命な姿に、

とても感動したっていうか、もう友達っていうもののありがたみを感じました。とてもうれしかったで す。

(今度はその人とは別の、 l巨学校時代親しくしていた人を1人思い浮かべて下さい。どんなことでも結 構ですので、その人との、ある時ある場面での具体的な思いHiを1つ話してFさい。 )

(3)はい、わたしが中1の頃に彼女に会ったんですけども、彼女はとっても音楽セソスのある人で、あの ピアノがとても上手でした。で、彼女の家にある日遊びに行ったんですね。でわたしが何かの拍子に口 ずさんだ歌をあの、すぐうしろのピアノでもう即座にその曲を引き出してくれて、でそれだけじゃなくっ て彼女の妹がそのとなりにもうひとつピアノがあったんですけど、それでこう∴重奏になるようにひい て、くれたんです。でわたしもとっても楽しくなって、 3人で弾き歌いをしながら、人合唱をした覚え があります、はい。

(その時の相手に対する、あなたの気持ちはどんな感じでしたか。 )

(4)はい、えーつと、まずそんなふうに即興でやれるっていうところに、すごいなっていう気持ちがあっ たんですけども、それ以上にわたしにはそんなことが出来ないので、もうそういう彼女の魅ノ」的な部分 にもうひかれてしまって、この人とほんとに仲良くなれたらいいなあと思いました。

(今、話して卜きった2つの思い出を通して、あなたの友人との接し方の共通点について考えてみて下 さい。お答えがまとまりましたらお願いします。 )

(5)え‑つと、ん、考えられるのはわたしはいつも自分にない、部分、例えば最初の彼女、生徒会活動の 彼女だったらあのわたしはかなりずぼらな方なんですけど、彼女はとても慎重派なんですね。でやっぱ

りそういうとても逆の性格なんだけど、そういう自分にない部分をもってる彼女に、あのそういうとこ にまずひかれてわたしもそういうふうなところが欲しいなあとか、そういうふうになった方がいいかな あとか、思わしてくれる人にはやっぱり自分から、あの近づいていくんだと思います。んで、もう1人 のその才能が音楽セソスがある人は、もう最初からその子にはあの追いつけないっていうか、そういう 部分はあるんですけども、でもあのやっぱり、ん、何かそのそういう人が最初からあるとその才能の差 はあるんだけども、でもあの全く別のところでわたしが何か働きかけをして、彼女になにか刺激を与え あえることで喜びを感じてたっていうか、だからまあ2人ともわたしとのそのなんらかの形でギブアン ドテイクのかたち、が成立出来ていたからこそ、あのずっとずっと友達でいれたんじゃないかなあと思 います。常にそういう刺激を求めあって、いける友人関係がわたしは、あの、理想なのかなあと自分で

も思います。

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・他者の視点から自己が見直されそのうえで自分はどうしていくかについて述べられている。

(応答例)

僕の友達に対して、今まで僕は̀̀それは間違ってるんちゃうが'と思った時に、 "間違ってる"

と強く言えなかったんです。そんなことを言ったら友達が離れていくと思ってたんです。でも、

それって結局事なかれ主義って感じですよね。 (中略)他の人は卑怯だと感じると思うんです。

だから、急には無理だと思うから、徐々に友人に対して言わなければいけないことっていうのを 言っていこうと思います。

手続き

実験は参加者1人ずつ個別的に行われた。参加者は面接室‑案内され、実験者と90度の角度で 向き合って椅子に座るように求められた。次に以下の教示が与えられた。 "これから私はあなた に幾つかの質問をします。その質問の答えに良い答えとか悪い答えとかはありませんので、あな たはその質問に対して思った通りに答えて卜さい。なお、結果の処理のために会話は録音させて いただきたいと思います。よろしいですか。結果は統計的な処理のためだけに用いますので、個 人資料については公開されることはありません。あなたのプライバシーは守られますので、安心 してお話し下さい。 "実験に入る前に、参加者の緊張を和らげるため、また集中して取り組ませ るために、参加者に"まず、臼を閉じてリラックスして下さい。 "という教示が与えられ、 10‑

15秒の沈黙がおかれたO この後、実験者によってテ‑プレコーダーのスイッチが入れられ、実験 が開始された。実験者は、会話を自然なものにするために、参加者の応答に対してうなずきやあ いづちなどの、最小限の励まし(Ivey, 1988)を行った。

事前質問では、 "これからあなたの友人関係についてお聞きします。あなたの過去における、

ある特定の友人について思いllHノて下さい。 (5秒)いいですか。それでは、その友人との何か 具体的な出来事を1つ話して下さい。そして、それを通して、あなたの友人関係について話して 下さい。 ''という質問が行われた。参加者が応答を終えたと思われた数秒後に̀̀いいですか。 "

という確認を行ったあとに、実験者は処遇段階に移行した。

処遇段階においては、モデリソグ群では"これから友人関係についての面接を録音したテ‑フ をお聞かせします。話し手の話の内容に注意しながらよく聞いておいて下さい。 "という教示の 後、モデルテープが再生された。質問群ではすぐに処遇質問が行われた。統制群では̀̀これから 5分程度、席を外させていただきます。戻ってくるまで、気持ちを楽にしてこちらにある雑誌を 読んでいてドさい。 "という教示が与えられ、数冊の雑誌を提供された。それぞれの処遇が終f した後、事後質問に移行した。

事後質問では、事前質問と同様の質問が行われた。事後質問に対する参加者の応答が終了した 時点で、録音が止められ、口頭による実験が終了した。なお、事前質問から処遇質問、事後質問 に至るまでの質問については、それぞれカードに書いたものを教示と同時に参加者に示した。 LI 貞則こよる実験終了後、参加者には彼らの応答に関する質問7項目と自由記述からなる内省報告の 用紙を渡し、記入を求めた。

記録と分析

録音された全ての事前・事後質問に対する応答内容について鎌首テープが再生され、逐語記録 が作成された。この逐語記録をもとに、各応答における発達水準の査定が行われた。各応答の発 達水準査定では、全群に通し番号をつけた逐語記録、前述の発達水準査定基準、評定項目、およ び評定練習問題を含む発達水準評定用紙を評定者に配布した。表3は発達水準評定項目を示した

(8)

表3 発達水準評定項目 1 ¥草江i'l!軌Ii'j水準

① 応答文の中に見る、聞く、感じるなどの感覚的要素が含まれている。

(診 応答文の中に感情的表現が多い。

2 具体操作的水準

(彰 友人関係について具体的な例が述べられているO

④ 友人関係における自己の内面的な感情や思考が述べられている。

3 形式操作的水準

⑤ 友人関係について、幾つかの場面を比較して説明されている。

⑥ 友人関係にかかわる自己の思考や行動パターンが発見されている。

4 後形式的水準

⑦ 友人との接し方について他者の視点から述べられている。

⑧ 他者の視点から自己が見直されそのうえで自分はどうしていくかについて述べられている。

ものである。評定は1項目につき、 ̀̀あり" "なし"のどちらかで答える2件法で、 ̀̀ぁり"に 評定した場合、以下のように得点が与えられた。評定得点については評定の特徴を詳しく見るた め3通りの配点方法で貸出した。

配点方法1では項目①、 ②が各1点、項目③、 ④が各2点、項目⑤、 ⑥が各3点、項目⑦、 ㊨ が各4点とした(最高20点) 。この配点法はより日立の発達水準に高得点を与えるように傾斜配 点したものである。より多くの水準で、しかもより高い水準で応答している場合に高得点となる。

配点方法2では全項R各1点とした(最高8点) 。この配点法は各水準を同等に扱い、得点が 高いほどより多くの水準で応答していることを示す。応答の幅の広さ、あるいは応答の柔軟性を 示すものといえる。

配点方法3では(彰には1点、 ②には2点、 ・ ・ ・、 ⑧には8点というふうに得点を与え、 ̀̀ぁ り"と評定された項目の中で一一番大きい項目番号の得点をもってその人の得点とした。この配点 法はもっとも高い水準での応答を捉えるものであり、 Ivey (1991)の査定法に合致するものであ る。

評定は逐語記録の114個の応答文を2つに分け、それぞれ5人ずつ合計10人の評定者によって 行われた。評定者は心理学専攻の学部学生8名、大学院生2名であった。評定者は実験者による 発達水準、評定方法についての説明を受けた後、評定練習問題による練習を2回繰り返し、解答 についての解説を十分受けた後、それぞれ独立に評定を行った。逐語記録中の各群や事前、事後 の並び方については評定者には 切知らされず、順番も分からないよう配列された。その後、そ れぞれの5人の評定結果を集計し、配点方法1では評定得点の標準偏差が2.5以上の応答文につ いては、 5人の評定得点の平均値との差が大きい評定者に再度評定を行わせた0

結  果 発達水準の変化

表4は、各群の参加者の応答に対して、それぞれ配点方法1で評定した結果を示したものであ る。実験的処遇を行ったことにより、事前と事後の応答における発達水準にどのような変化が生

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256

玉 瀬 耕 治・島 本 淳 子

じたのかを調べるために、表4の平均値について3 × 2の分散分析を行った。その結果、群の主 効果と交互作用は有意ではなく、事前・事後の主効果がF(l,54)‑16.87となり、 1%水準で有 意であった。これは事前よりも事後の応答水準が全体として高くなったことを示している。

表5は配点方法2で評定した結果を示したものである。配点方法1と同様の分析を行った結果、

事前・事後の主効果だけがF(l,54)‑4.35となり、 5%水準で有意であった。配点方法1と2の 相関を求めたところ、全群を込みにした事前と事後で、ともにγ‑.94という高い相関値が得られ

た。

配点方法3では、 5人の評定者の評定の中央値を用いた。表6は各群における配点方法3によ る参加者の発達水準を示したものである。各群の事前と事後の変化についてWilcoxonのT検定 を行った結果、各群とも10%水準で有意な変化の傾向が認められた。

発達水準の事例とコメント

応答における発達水準(配点方法1)の変化が認められた事例を各群から1例ずつ取り出し、

若干のコメソトを加える。

モデリソグ群(No.16)

事前: (省略)すごいやっぱり人より考え方も何かしっかりしてて、いじめられたってことに、

ことをもうそれを自分の力にして生きてるからすごいいい影響を受けた子、のことを思い出しま す。 (省略)友人関係、高校とかはずっと進学校だったから、そんな深い関係っていうのはなく ていつも勉強のこととか試験とかそういうことぽっかりだったからあんまり高校時代ではそんな

いい友人っていうのはいなかったけど、小中でやっぱり、そういう子とかいて、いい友人関係だっ たと・ ・ ‑。 (評定:3.8)

事後: (省略)なんかすごい華がある子で、自分、一緒にいるとなんか自分が劣って見えて、

すごい一・一緒にいるのがいや、いやになった時も、なんかこの前ぐらいまであったけど、最近はな んかそんな人をうらやましがるとかそういうのじゃなくて、その子のことを素直にかわいいとか 素直にもうその子はその子って自分の中で受け入れることができるようになったっていうことが 今、思い出しました。だから友達ってやっぱり自分は、自分よりすごいいい入っていうか、自分 より勝ってる人をやっぱり自分は友人にしてるかなと思います。そうした方が自分も成長するし、

友人ってそういうふうに無意識のうちだけど選んでいるような気がします。 (評定:6.6) コメント:事前段階では、異なる友人関係場面が比較されているが、内面的な感情は述べられ ていない。事後段階では、自分の内面的な感情から友人の選択の仕方を分析し、思考や行動のパ

タ‑ソに結び付けている。

質問群(No.16)

事前: (省略)一番印象にある時は高校2年の時に、研修旅行で、えっと白馬っていう山に登っ て、で標高が結構高うて、それみんなで登ったことが結構印象に残ってます。しんどかったりし て、で山の上で山小屋でみんなで夜寝んとしゃべったりして、語り合ったっていうんですか、そ

ういうのが残ってます、印象に。 (評定:2.8)

事後:友人関係は僕の場合は結構はっきりしとって、自分の好かん人とは、ん、何にもしゃべっ たりもせえへんし、こいつは信用できるなあと思った人には何でも相談するし逆になんでも相談

してもらうし、仲のいい相手とは心を許しあえるっていうんですか、そのかわりもう全然自分の、

こいつあかんと思ったやつには‑・切かかわらないです。 (省略) (評定:5.4)

コメソト:事前段階では、友人関係における具体的な思い出を述べているが、内面的な感情ま

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表4 配点方法1による各群の発達水準得点

統制群

事 前  事

モデ1)ソグ群       質問群 車 前  草 後    事 前  車

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表5 配点方法2による各群の発達水準得点

モデリソグ群       質問群        統制群

事前 M 1.98 SD OS

事後 M      2.47 SD       0.97

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玉 瀬 耕 治・島 本 淳 子

表6 配点方法3による各群の発達水準(8水準評定)

モデリソグ群       質 問 群       統 制 群 事前 事後 変化    事前 事後 変化    事前 事後 変化

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註:得点は5人の評定者の評定の中央値である。 +K‑io

では述べていない。事後段階では、友人との接し方について内面的な思考のパターソを述べてい る。

統制群(No.13)

事前:受験の時に手紙のやり取りをした子がいます。で、それを通しての友人関係ですか。塾 で一緒になった子なんだけれども、すごくおんなじ大学を目指してて、ん、なんかすごく仲良く なって、ん、今でも連絡取ったりしてます。 (評定:1.6)

事後:クラブの試合で、ん、すごい絶対勝てないっていう相手に、そのわたしの友達が勝って、

すごい泣いて2人で喜びました。で、その子とはクラスはいつも一緒じゃなかったん、高校の時、

ん、クラスは1回も一緒じゃなかったんだけど、クラブで3年間ずっと一緒で、ん、なんかクラ スの友達よりも仲良かったと思います。 (評定:2.2)

コメソト:事前段階では、友人関係の事実を簡略に述べるにとどまっている。内面的な感情、

(12)

思考は述べられていない。事後段階では、友人との具体的な出来事を簡潔に述べ、その時の感情 も述べているが、パターソ発見には至っていない。

請 請

本研究では、質問のテーマを友人関係とし、モデリソグと処遇質問の効果を比較した。処遇段 階では、処遇質問に対して適切な水準の応答を行うモデルの面接を聞き、質問の捉え方や応答の 仕方を望示されるモデリソグ群、直按的に処遇質問をされて友人との接し方についての応答を促 される質問群、および発達的処遇を一切与えられない統制群が設けられた。事前と事後に認知的 発達水準の査定を行い、処遇の違いによる応答の変化を比較した。その結果、全体としては、事 前応答よりも事後応答の方が発達水準は有意に高くなったが、当初に期待されたような処遇によ る群差は認められなかった。

本研究では、モデリソグ群および質問群では、事後応答で発達水準の上昇が認められ、統制群 では認められないものと期待された。しかし、結果としては統制群を含めたどの群においても類 似した傾向が示され、全群を込みにした事後応答での有意なし昇のみが認められた。モデリソグ 群では、玉瀬(1988)の結果などから考えてもっとも変化が大きいものと予想されたが、事後応 答での発達水準の上昇はわずかであった。本研究でのモデリソグは、具体的な出来事にのみ焦点 をあてた質問でまず1つの出来事を想起させ、次にそのときの参加者の気持ちについて尋ねた。

これを2回繰り返した。ここで求められている水準は具体操作的水準である。最後に、友人との 接し方の共通点、いわゆるパターソについて尋ねたo ここで求められている水準は形式操作的水 準である。モデルの応答は、質問によって要求されている発達水準を満たしており、その点では モデルの応答そのものに問題はなかったといえる。

従来の研究から、参加者の事前水準の多くが具体操作的水準にあると予想されたので、処遇質 問では、まず参加者のおかれている水準と同等の質問を行い(水平的発達) 、その後により上位 の発達水準へと移行させるよう計画された(垂直的発達) 。しかし、 5間中4問の応答が具体操 作的水準であったため、具体操作的水準‑の移行は促されたものの、形式操作的水準‑の移行が 促されなかった。形式操作的水準への移行を促すには、今回のような具体(操作的水準) ‑具体

‑具体‑具体‑形式という質問内容よりも、たとえば具体‑形式‑具体‑形式‑形式という質問 内容や、さらに形式操作的水準の質問を多くした内容のものにすべきかもしれない。また、本研 究でのモデリングは、モデルの言語的表現そのものではなく、視点の変換をねらったものであり、

モデルがその行動に至った思考過程を理解することに焦点をあてている。そのことによって、モ デリソグによる参加者の認知活動の変化を期待したが、このような目的を達成するのにはモデリ ングだけでは不十分なのかもしれない。視点の変換を促す方法としては、たとえば参加モデリソ グを採り入れることも考えられる。参加モデリソグとは、参加者自身による遂行をモデリソグの 中に積極的に取り入れるように工夫された方法のことである。 ①モデル観察‑②指導者による援 助を得た参加者の遂行‑③援助なしの遂行という手続きをとることによって、モデリソグの効果 をより大きくしようとするものである。今後、このようにモデリソグの内容を再検討するととも にモデリソグ手続きについてもさらに検討する必要があろう。

次に、質問群の処遇の効果について考えてみる。前述の5つの処遇質問に適切な水準で応答で きていれば、その後に続く事後質問でも、形式操作的水準で応答できると期待された。しかし、

(13)

260

f三 瀬 耕 治・島 本 淳 子

結果としては表6からも分かるように、かなりの者が具体操作的水準(得点3と4)に留まって いる。このような結果には、前述の処遇質問の内容の影響が出ているものと思われる。また、内 省報告の自由記述部分から、それぞれの質問の意図が伝わりにくかったことが指摘されている。

参加者によっては、質問を̀̀同じ質問"のように感じたり、 "答えにくい質問"と感じたりして いる。質問の仕方については、さらに上夫する必要があるといえよう0

次に、統制群について検討する。玉瀬(1991)では統制群は設けられていなかった。 LI瀬・光 武(1993)では、友人関係の代わりに時事問題について尋ねる統制質問群を設けている。本研究 の統制群は、事前質問と事後質問の間の5分間、実験者の退出した面接室で雑誌を読むという処 遇を受けた。その結果、他の2群と同様に、事後の水準がわずかながら変化し、 2度l司じ質問を するだけでも、応答の発達水準が変化することが/lミ唆されたO これには、いろいろな要因が影響 していると思われるが、ほとんど面識のない実験者と参加者との間のラポール形成もその1つと 思われる。実験的処遇の効果を問題にするためには、これらの複雑な要因に対する十分な配慮を 行い、慎重な条件設定を行う必要があるといえる。

玉瀬・光武(1993)では、統制群を除く3群を込みにして、事前の発達水準に基づいて新たに 3群に分類し、事前と事後の変化を調べている。その結果、形式操作的水準にあった群が有意に 下降し、感覚運動的水準にあった群は有意に上昇し、 3群とも具体操作的水準に移行した。彼ら は発達を必ずしも上位水準への移行のみと考えるのではなく、むしろ全ての水準が必要に応じて、

より柔軟に、より即応的に機能することが発達の促進である(Ivey, 1991)と考え、このような 結果も発達の促進と考えることができると報告している。本研究でも、試みにモデリソグ群と質 問群を込みにし、事前における発達水準ごとに、事前と事後の変化を検討した。その結果、発達 水準の高群、低群ともに事後の水準が高くなっていることが分かった。これは七瀬・光武

(1993)と矛盾した結果にみえるが、本研究では2群に分けた両群とも具体操作的水準内での移 行に留まっており、事後の水準が具体操作的水準であるという点では、玉瀬・光武(1993)と同 様である。

次に、査定方法について考えてみる。本研究では従来の研究のように、到達した一一番高い水準 だけに往目するのではなく、 F位水準も有効に利用して総合的に発達水準を査定しようとした。

5名の評定者の評定結果をそれぞれ3種類の配点方法で表した。配点方法1では、到達した水準 が高くなるほど、また広範囲になるほど得点が高くなる。玉瀬(1991)は、高い水準の応答でも それ以下の水準をふまえているかどうかを問題にする必要があることを示唆している。配点方法 1では、同じ形式操作的水準の応答でも、その下位水準である具体操作的水準や感覚運動的水準 をふまえているかどうかで得点が変わり、聞き手への伝わりやすさを表すことができる。配点方 法2では、どれだけの水準をふまえているかを水準数によって表現した。この配点方法で事前よ り事後の得点が高ければ、事後でより多くの水準を利用し、幅広い視点で応答していることにな る。配点方法3では、従来の研究にならい、到達した一番高い水準を知ることに重点をおいた。

配点方法1と配点方法2の間には高い相関が認められている。これら2種類の得点は、間隔尺度 として扱われており、連続的な変量とみなされている。しかし、発達水準の考え方を連続的な変 量で示すべきかどうかについては賛否両論があり(Ivey対Rigazio‑DiGilio,私信) 、なお議 論の余地が残されている。いずれの配点方法でも、ある程度共通した発達的変化を捉えることが できるが、目的に応じて異なる配点方法を採用することが必要となるであろう。本研究で用いた 方法については、その理論的根拠とともに、さらに検討を加える必要があるといえる。

(14)

要  約

本研究では、面接における質問のテーマを友人関係とし、モデリングおよび処遇質問の効果を 比較した。大学生57名を参加者として用い、個別に実験を行った。参加者は同数ずつ、統制群を

合む3群のいずれかに割り当てた。事前に過去の友人関係について質問した後、処遇段階に移行 した。処遇段階で、モデリソグ群では友人関係における2つの具体的な出来事とそのときの心情、

および友人との接し方の共通点についての質問を受けるモデルの応答を聞いた。質問群では、直 接的に質問された。統制群では、実験者の退出した面接室で雑誌を読むよう指示された。処遇後 の・妊後質問では、事前と同じ質問が行われた。全参加者の事前と事後の応答の逐語記録を作成し、

5名の評定者に認知的発達水準の評定を行わせた。評定結果は3種類の配点方法によって得点化 された。 T̲な結果は次の通りであった。いずれの配点方法を用いた場合でも、発達水準における 群差は認められず、仝群を込みにした場合に事後の水準の上昇が認められるに留まった。これら の結果について、モデリソグおよび処遇質問の効果と配点方法の問題に焦点をあてて論議された。

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(16)

Effect of Modeling on Cognitive Ikvelopmental Levels of Verbal Responses in an Experimental Interview

Koji Tamase and Junko Sr丑MAMOTO

(De妙ment of Psychology, Nara University of Education, Nara 630, Japan)

(Received April 28, 1995)

Using Tamase and Mitsutake s (1993) interviewing paradigm, effects of modeling and direct questioning on the cognitive developmental level of participants verbal responses were examined. Fifty seven undergraduates served as the participants,who were assigned to one of the three groups: modeling, direct questioning and waiting control groups. Immediately after the pretest the participants in the modeling group were asked to listen to audio‑model responses which represented concrete and formal level responses about friendship at junior high‑school ages. The participants in the direct questioning group were asked to recall concrete examples of their friendship at junior high‑school age, and then examine the patterns in their friendship. The participants in the control group, while waiting, were asked to read periodicals during the corresponding treatment period. Transcripts of audiorecorded responses of participants in the pretest and the posttest to an open question which asked about their friendship were rated independently by five raters for cognitive developmental level. The results indicated that there was no difference among the three groups as to the extent of the change in developmental level from the pretest to the posttest. The possibility that the modeling procedure and the questioning strategy may have produced the unexpected results was discusssed.

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