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不登校の再登校以降の追跡研究? −中学校、高校 期を中心として−

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不登校の再登校以降の追跡研究?  −中学校、高校 期を中心として−

著者 小野 昌彦

雑誌名 教育実践総合センター研究紀要

巻 12

ページ 81‑85

発行年 2003‑03‑31

その他のタイトル −Follow up Studies ? for Non−attendance at School after School Attendance−

URL http://hdl.handle.net/10105/80

(2)

1.目的

不登校の再登校援助の重要な目的は、再登校以降の 登校の維持、長期的には社会的自立であることは言う までもない。特に行動療法の立場の実践においては、

追跡研究が終了した時点で治療が真の終結を向かえた ことになるとしている(小林、1984)

不登校研究において、事例の再登校後の追跡研究を 実施しているものが数多くある(例えば高井、1974;

福永、1985;小野・小林、1993;高下・杉山、1993) 筆者は、小林、小野によって考案された不登校児へ の系統的再登校支援プログラム(小林ら、1989;小 野・小林、1993)の有効性を評価し、さらに再登校以 降、長期的に良好な学校適応及び社会的適応を維持す るためのプログラムを開発するためにはどのような要 因を考慮すべきかを明らかにするために再登校以降の 追跡調査を実施してきた。

小野・小林(1993)においては、1989〜92年度内に 再登校支持をした20事例が対象とされた。20事例中再 登校17名、進学先での高校での復帰3名であった。ま た、再発例は5名であったがそれぞれ再介入によって 再登校した。

この再発事例と予後良好事例を比較して以下のよう な特徴が報告されている。

a再発事例は、援助期間中に形成された再登校への強 化随伴性が学校、家庭において変化したことによって

生じた。

s再発事例においては、治療関係設定自体に困難があ り、また長期の治療期間を要したこと。そして、ほと んどの事例において治療開始以前から家庭外に子ども の養育に影響を及ぼしてきたと行動分析された友人等 の存在があった。

以上のことから不登校の行動アセスメントにおいて は、「不登校状態を形成し、それを維持している条件 を明らかにし、再登校行動のシェーピングに必要とさ れる情報を収集すること」(小林、1988)と同時に

「再登校後も登校を強化事態として維持できる条件、

すなわち、長期的な適応を考えれば、職業につながる 行動群の形成のための情報が必要である」(小野・小 林、1993)とした。

したがって、「対象児の治療開始前のヒストリー及 び家庭→学校という水平的側面と学齢期以降という時 間軸における垂直的方向、さらには、家庭とそれを取 り巻く環境をアセスメント領域とすべきである」(小 野・小林、1993)とし、行動アセスメント領域の拡大 を提案した。

すなわち、行動アセスメントの着眼点としてa不登 校発現前の発達状況、学習状況も含む行動特性、s 現から慢性化にいたるまでの経過、d生活状況、日中 変動も含む全般的症状の変化、f学校・学習をめぐる 状況、g家庭をめぐる状況、hその他(不登校により 生じた対人関係を含む生活全般的な乱れ―体力・学力

−中学校、高校期を中心として−

小 野 昌 彦

(奈良教育大学 教育実践総合センター)

−Follow up Studies Ⅰ for  Non−attendance at School after School Attendance−

Masahiko ONO

(Center for Educational Research and Development, Nara University of Education)

要旨:本追跡研究の目的は、不登校児への再登校支援のための小野ら(1999)、小野(2001)、小野・小林(2002)

のプログラムの有効性を評価すること、長期的な学校及び社会適応に有効であるプログラムの検討である。対象児 は、小野・小林(2002)のプログラムを適用して再登校した10事例であった。調査方法は、本人又は保護者、担任 への面接、電話による聞き取りであった。その結果、全ての事例において予後状況が良好であった。評価方法の問 題及びアセスメントの着眼点として「内省」を提案した。

キーワード:不登校 non-attendance at school、追跡研究 follow up study、行動療法 behavior therapy

(3)

の低下などを含む)といった項目を挙げた。

本研究は、以上の知見により行動アセスメント領域 を拡大した再登校支援プログラム(小野ら、1999;小 野、2001;小野・小林、2002)を適用し再登校した対 象児10名の追跡調査を実施し、その現状からプログラ ムの有効性及び長期的適応に必要な要因を検討するこ とを目的とする。

2.方法

2.1.対象児

対象は奈良教育大学教育実践総合センター教育臨床 部門基礎研究分野相談室に来談し、再登校の目的で援 助依頼をし行動契約が成立し再登校援助を受けて再登 校した子どもたち10名であった。

再登校を支援した保護者の再登校以降の対応のため の勉強会である奈良教育大学公開勉強会(2002年6月 8日実施)において参加の保護者に研究調査協力依頼 の説明を実施した。調査協力の意思表明のあった保護 者が本人の意志を確認し、了解を得たものを対象とし た。

2.2.追跡研究の方法

対象者に聞き取り調査の方法を本人面接、母親面接、

電話(Faxも含む)調査の中から選択してもらった。

面接調査は、奈良教育大学教育実践総合センター教育 臨床部門教育相談室において実施した。調査期間は 2002年7月〜8月末であった。

聞き取り調査項目は以下の内容であった。①再登校 後の対象児の出席状況、欠席の回数、欠席理由とその 際の親の対応、②再登校以降の対象児の様子(学校、

家庭)の変化、良くなった点、変わらない点、③親の 対応の変化、④対象児の援助時の留意点に関する情報。

3.調査結果

3.1.各対象児の概要

表1に高校期の対象児の概要、表2に中学校期の対 象児の概要を示す(プライベート情報のため一部修正 を施してある。保護者、本人からの了解を得て掲載)

高校所属は、事例1〜4の4名、中学校所属は、事 例5〜10の6名であった。

主に面接方法、出席状況、学習、社会性、身体状況 などの適応状態、各対象児の再登校援助時に課題とな っていた点について記述する。

3.2.高等学校での状況

a事例1の状況(再登校援助の経過は、小野、2001a の口頭発表にて報告)

母親面接で聞き取りを行った。出席状況は、中学3

年時に「本当の風邪」で4日間程度欠席した以外は全 出席とのこと。高校進学後は親に学校での出来事をよ く話すようになったという。勉強も頑張っており友人 も5〜6人できたようであるとのこと。本人から「中 学校は欠席しても何とかなったが、高校は進級できな いので頑張る」旨の発言があったとのこと。

再登校援助の際に目標となったいわゆる「いい人」

過ぎることに関しては、最近はある程度改善してきた と母親はみていた。

s事例2の状況

本人、母親との面接で聞き取りをおこなった。出席 の状況は、高校1年時は、1日欠席したが2〜3年生

(調査時)は欠席はなかった。

学業面では、管理栄養士を目指しての大学受験のた めに塾にも通学し、充実した日を送っているとのこと。

不登校期間を「もったいなかった」とふりかえり何事 にも目標を立てて計画的に実行することを心がけてい るとのこと。また、生徒会活動にも積極的に参加し発 言するようになったとのこと。

母親からは、「がんばり屋さん」になったこと、風 邪をひかないように食べ物や生活の仕方を自分で管理 するようになったことが報告された。また、母親に対 しても自分の意見を明確に主張できるようになったと のこと。

d事例3の状況

本人、母親の面接で聞き取りを実施した。出席状況 は、再登校以降、高校進学後8日間欠席で他は全出席 であった。4月に部活動をはじめたが朝早くからの登 校が苦痛で現在は退部したとのこと。

学業面は、本人の言葉では「何とかついていってい る」とのことであった。

社会性の面では、母親に主張することが対象児の課 題であったが、面接中も母親が自分の会話を遮断しよ うとすると「お母さん私のことは自分で言うから」と いうように主張が可能となったことが確認された。

現時点では、本人の将来像が明確には決定していな かった。

f事例4の状況

父親によるアンケート調査項目への回答(Fax)か ら情報を収集した。出席状況は、再登校以降中学校に おいて7日間欠席、高校1年時において4日間欠席で あった。欠席時の対応は、親が本人に薬を与えて休ま せ、その日のうちに熱が下がった場合、翌日は学校へ 行くと約束する手続きであった。援助時に親指導した 欠席時の対応、すなわち医者の診断を仰ぐことを実行 していなかった。

高校での状況は「学校へ行けば元気に何事もなく帰 ってくる」とのことであった。

家庭においては本人は以前より明るくなり、親の言 うことを聞くようになったとのことであった。

(4)

表1 対象児の概要(高校期)

3.3.中学校での状況 a事例5の状況

母親面接によって聞き取り調査を実施した。出席状 況は再登校以降小学6年時に5日間風邪で欠席した。

中学校1年時(調査時点)においては、全出席であっ た。本人の再登校援助において課題であった水泳スキ ルに関しては、中学校において補講(水泳)に参加し て息継ぎをマスターし、全ての水泳授業に参加した。

姉が同じ中学校の所属でいろいろな面で本人は頼りに しているようであった。土、日曜日はバトミントンク ラブの活動に参加し、体力がついたせいか喘息がほと んどみられなくなったとのこと。以前は、かなり几帳 面な性格であったが、最近は「いい加減」に物事を考 えられるようになったと母親は考えるようになってい た。親の対応としては、本人のできたことをほめるこ とを心がけているとのことであった。

s事例6の状況

母親の面接による聞き取り調査によって情報を収集 した。出席状況は再登校以降小学校6年時においては 1日のみ欠席したとのこと。この時は、医者の診断を 仰いで家で薬を飲んで静養していたとのこと。中学校 進学後(調査時点)は、欠席無かった。小学校で同じ 友人が3人いるクラスに所属し楽しく遊んでいるとの こと。学習に関しては家庭教師の指導により、苦手で あった国語、及び英語の補習を行っているとのこと。

社会性面では、吹奏楽部に入り、先輩たちともうま くつきあって、いきいきと活動しているとのこと。

家庭においては不登校であった兄も再登校し、家族 全体が明るくなったと報告された。

d事例7の状況(再登校援助の経過は、小野ら、2002 の研究論文にて報告)

本人、母親の面接によって聞き取り調査を実施した。

出席状況は、再登校以降、中学校2〜3年(現在)で 風邪による1日のみであった。その際も、病院に行き 適切に対処されていた。

学業面では成績の向上が著しく、学年でも上位に入 っているとのこと。好きな読書を続けており、将来は 小説家になりたいという希望があるとのこと。

友人は少ないものの学校では2〜3人と話をしてい

表2 対象児の概要(中学校期)

るとのことであった。

援助時の課題であった生活習慣の問題は、改善され ており、食べ物の好き嫌いはなくなり、運動も実行し ているとのことであった。

母親からは、家庭内での会話、特に本人と父親の会 話が増えたことが報告された。姉も受験でがんばって いることからお互い刺激になって良い雰囲気であると のこと。

f事例8の状況

母親及び学級担任から電話(Fax)による聞き取り 調査によって情報を収集した。出席状況は、再登校以 降中学校2年時においては欠席は無かった。中学3年 6月時に体調を崩し3日間欠席した。その後は全出席 であったが、遅刻が3回程度あったとのこと。学校生 活において、服装などで指導を受けることが多かった。

学業面では授業中に注意力が持続せず、居眠り等す ることがあり、学習成績も中程度とのことであった。

友人関係は、仲の良い友達がクラスに数人おり、休み 時間、放課後に一緒に遊んでいるとのこと。

母親からは、家庭内では以前よりもいろいろなもの を食べるようになったこと、体が以前より丈夫になっ たことが報告された。

g事例9の状況

母親面接及び学級担任からの電話(Fax)による聞 き取り調査から情報を収集した。出席状況は再登校以 降中学2年時においては、欠席はなかった。中学3年 時においては、7月に欠席2回のみで他は全出席であ った。進級時のクラス替えで新しい友人ができて以来、

登校が順調であるとのこと。特に対立関係にあった生 徒とクラスが変わったため表情がいきいきしてきたと 担任から報告された。

学業面は、遅れはあるものの頑張って取り組んでい るとのこと。

生徒指導上の問題(茶髪、喫煙、化粧)はなくなっ たが、他に友人関係の問題が生じたとのことであった。

家庭においては父母と本人の関係は以前と同様に対

No. 不登校期間 不登校の契機 解決した問題と方法 予後 不登校

2ヶ月

継続不登校 3年(中学 時)別室登 校3ヶ月

(高校時)

不登校2年

(行事は登 校)

継続不登校 4ヶ月

教員との トラブル

15 体調不良 中学2年の10月

〜12月(約2ヶ月)

高校1年の8月 から12月末(約 3ヶ月)

中学3年の10月

〜11月(約1ヶ月)

中学2年の10月

〜12月(約2ヶ月)

友人関係

祖父の病気 18

16

16

年齢(調

査時) セッションの

時期と期間

体調管理(自己記録 法)学習補充(学習 指導)断り方(電話 助言)訴えへの対応 法(母親指導)

良好。再登校後1年8ヶ 月で中学3年時、4日、

高校1年時、4日風邪で 欠席の他は登校。

良好。再登校後2年間で 欠席なし。

良好。再登校後9ヶ月で 8日欠席。

良好。再登校後1年10ヶ 月で11日欠席(風邪)。

生活リズムの調整

(自己記録法)

自信回復(テニスを 活用した課題達成)

主張すること(ロー ルプレイ)訴えへの 対応法(母親指導)

生活リズムの調整

(自己記録法)段階 的登校、減量、学習 の補充 約束を守ること、対人 スキル(行動契約法)

No. 不登校期間 不登校の契機 解決した問題と方法 予後 継続不登校

2年1ヶ月

継続不登校 5ヶ月

断続的不登 校3ヶ月

断続的不登 校3ヶ月 不登校 2ヶ月 不登校6ヶ月

(断続1ヶ 月)

10 13

13

15

15

15

13

水泳授業回避 友人関係

友人関係

友人関係 体調不良

給食時の トラブル

学級内の対 人トラブル いじめ 書字困難

小学校6年の5月

〜6月(1週間)

小学校5年の2月

〜3月(約2ヶ月)

中学校1年の7月

〜9月(約1ヶ月)

中学校2年の6月

〜8月(約3ヶ月)

中学校2年の6月

〜9月(約3ヶ月)

小6の4月〜7月

(約2ヶ月)

年齢(調

査時) セッションの

時期と期間

水泳スキル訓練、訴 えに対する対応法

(家庭指導)

学習理解困難感の除 去(学習指導)苦手 科目の克服、学校・

家庭連携システムの 改善(情報共有と具 体策の設定)休ませ 方(家庭指導)

生活リズムの調整

(自己記録法)

偏食の改善(母親に よる調理法の工夫)

不安低減(自律訓練)

段階的登校(自己記 録法)家庭での栄養 指導 対人スキル訓練 段階的登校(自己記 録法)保健室の利用 段階的な書字練習 体力指導(テニス)

会話練習

良好。再登校後1年2ヶ 月で欠席なし。

良好。再登校後1年6ヶ 月で欠席1日。遅刻早退 2回。

良好。再登校後2年間で 欠席1日。

良好。再登校後1年間で 風邪による欠席3回。

良好。再登校後、1年で 欠席2日のみ。

良好。再登校後1年間で 欠席無し。

(5)

立関係にあるが、徐々に本人が母親への対応を覚えて きたと母親から報告があった。

h事例10の状況(再登校援助の経過は、小野、2002の 口頭発表にて報告)

母親面接による聞き取り調査から情報を収集した。

再登校以降欠席はなかった。

私立中学校に受験で合格し進学した。部活動で習字 クラブに入り、週2回参加しているとのこと。「苦手 な書字」に挑戦していく姿勢が感じられると母親から 報告された。

友人関係においては、流動的に友達とかかわりを持 っているようであるが、適度な距離をおいて、つきあ えるようになってきたとのこと。

母親の対応に関しては、学校に行ってくれているの で余裕を持って褒めることが可能となったとのことで ある。

4.考察

4.1.対象児の高校期をめぐって

対象4名において、いずれも良好な出席状況を示し ていた。学習面では、高校1年生2名の内、中学3年 時の11月から再登校した事例3は、まだ学習の遅れは 目立つものの家庭教師等の方法で少しずつではあるが 学力を向上させていた。

社会性の面では、各対象児の課題であったスキルが 実際に獲得し機能していることが伺われた。特に、母 親への主張は顕著に認められた。

また、身体状況の面では、特に各対象児に問題は見 られなかった。

特に事例2が、受験期を明確な将来像に向けて充実 した自主的な生活を送っていた。行動論の立場から、

プログラム全体を自己記録、自己管理へと進めていっ た効果が表れているといえよう。

事例2に比較すると事例3、4においては、欠席が 多い(年間4日間)という問題があった。事例4にお いては、家庭での休ませ方の問題も関連しているとい えるが、本人の自己管理、学習理解、社会的スキルの それぞれの達成度をさらに向上させる必要性が示唆さ れた。特に事例3の部活動の問題は、高校での複雑な 対人関係へのスキルの問題が原因と考えられる。

したがって、事例2以外の3名は明確な将来像のイ メージ化を基に自ら日常生活の中で課題解決をどこま で実行できるかが重要な点であるといえよう。

4.2.対象児の中学校期をめぐって

対象6名において、いずれも良好な出席状況を示し ていた。学習面では、ほとんどの事例で問題がないか 現時点で家庭教師等の学習補充を実施していた。しか しながら、事例8において、特に学習態度及び成績不

良が担任から問題にされていた。

社会性の面では、ほとんどの事例で問題がなく現時 点での集団に適応の努力を行っていた。事例9におい ても、生徒指導上の問題がみられていたが徐々に本人 も反省し改善しつつあった。しかしながら、中学3年 生の場合、受験期という比較的対人相互作用が少ない 時期であること、学校場面での苦手な生徒をクラス替 えで回避させるという配慮が行われており、対人困難 場面に今後直面した際にどのように対応するかが問題 であるといえよう。

身体面では、事例5において喘息が消失したなどほ とんどの対象児に問題は見られなかった。事例8にお いては、一時体調面での不調があったがその後は回復 していた。

各対象児毎の援助時における個別課題においては、

事例5における水泳スキル等、自分から努力して順調 に獲得されているものがほとんどであったが、事例8、

9のように不充分と考えられるものもあった。

以上、中学校期においては、出席状況は良好である が若干の問題の見られる事例もあることが示唆され た。

適用プログラムに関しては、高校期で指摘した評価 方法の問題が同様に指摘されよう。また、問題の残る 事例、例えば事例8、9ともに援助関係設定自体が困 難な事例であった。これらの事例は、本相談室に来談 前に複数の他機関での援助を受けていたり、親が弁護 士に学校を訴える方法で解決しようとしたこともあっ た。

予後良好事例と比較すると本人(保護者も含む)の 課題としては、「内省」という行動療法を受けるため の基礎的条件の行動(小林、2000)が未学習であった ということがいえる。したがって、学級担任が指導と いう形態で学校場面において対応せざるをえなかった といえよう。

5.まとめ

小野ら(1999)、小野(2001)、小野・小林(2002)

のプログラムを適用し再登校した子どもたちの中学校 期、高校期における状況を調査した結果、全事例に良 好な登校状況が確認され、その有効性が実証された。

しかしながら、事例によっては若干の問題の残るも のもあり、小林ら(1989)での指摘と同様にそれぞれ の領域の課題の達成を評価する方法の必要性が示唆さ れた。

また、事例の比較検討からアセスメントの着眼点と して、対象児の内省する行動の有無をチェックするこ との必要性が示唆された。

謝辞

(6)

本研究に事例概要としての発表をご承諾くださいま した保護者の皆様へ感謝申し上げます。また、本追跡 研究の実施にあたって多くの学校関係者の方々にご協 力を得ました。厚く御礼申し上げます。

参考文献

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