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宮城県における難治性脳・神経疾患患者の

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Academic year: 2021

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宮城大学看護学部紀要 第2巻 第1号 1999

宮城県における難治性脳・神経疾患患者の    ケア・システムについて(第2報)

一 難病医療情報整備における大学教育のあり方一

長 澤 治 夫 宮城大学看護学部

キーワード

 在宅医療、在宅医療ネットワークシステム、運動ニューロン疾患、神経難病

 home−care−services, home−nursing, motor neuron disease, incurable illness,

 network system, welfare service

medical and nursing

要  旨

 昨年の第1報に引き続き研究課題である「難治性 脳・神経疾患患者のケア・システムについて」厚生省、宮 城県、宮城大学看護学部におけるこの1年の主な動きについて概要した。

Medical Care System for lncurable Patients with Neurological Diseases inMiyagi Prefecture  −Educational lssues of Medical and Nursing Network Systems in Miyagi University一

    Haruo Nagasawa

Myagi University School of Nursing

Abstract

 Ireported the annual activities about the continuative research project, medical care system for incurable patients with neurological disease in the Japanese Government, the Miyagi Local Government and Miyagi University.

 Especially, I reported the educational issues of medical and nursing network systems in Miyagi

University.

145一

(2)

宮城県における難治性脳・神経疾患患者のケア・システムについて(第2報)

一難病医療情報整備における大学教育のあり方一

はじめに

 昨年に引き続き、研究課題である「難治性脳・神経 疾患患者のケア・システムについて」の活動報告であ る。難治性脳・神経疾患患者のケア・システムについ ては、厚生省、宮城県では着々と基盤整備のための情 報整備や調査、研究実績の報告をうけて具体的な政策 が実行されようとしている。本稿ではこの1年の主な 動きについてその概要を述べる。

神経難病のケア・システムに関する厚生省の取り組み について

 厚生省では、特定疾患調査研究事業として平成10年 度「神経難病医療情報整備研究班」 (班長:国立療養 所山形病院 院長 木村格先生)を組織し、平成11年

1月15日に東京で班会議を開催した。宮城大学看護学 部も別記のごとく活動報告を行った。この研究班とし ては以下のような提言をまとめ厚生省に提出した。

①神経難病患者の長期入院病床の確保

②都道府県単位に神経難病相談室の開設と運用

③在宅療養患者の生活支援体制の整備  ④ 長期入院施設の療養環境の整備

⑤神経難病専門病院間のネットワーク構築と臨床   研究・治療薬剤開発等の共同研究の促進

⑥ 特定疾患調査研究事業「神経難病療養環境整備   の促進に関する研究班」の立ち上げ

である。今後の厚生省の具体的な政策の実行が期待さ

れる。

神経難病のケア・システムに関する宮城県の取り組み について

 宮城県においては、既に東北大学神経内科および関 連病院が中心になって、宮城県神経難病ネットワーク 協議会が筋萎縮性側策硬化症(ALS)の患者をはじめ 神経難病患者の療養環境整備のためのネットワーク作 りを行ってきた。一方、宮城県では平成9年度から10 年度にかけて、 「宮城県ALS等神経難病総合対策検討 委員会」が設置された。これは、在宅医療体制の整備 と介護人の派遣制度など在宅療養支援体制の整備を目 的に設置された。平成10年1月下旬に検討委員会が開 催され、宮城県独自のALS等神経難病に対する総合対 策が以下のように検討されている。

①宮城県神経難病医療ネットワーク整備事業

②神経難病患者個人ネットワーク形成事業  ③ 在宅ALS患者介助人派遣事業

 これらの事業が具体化され一日も早く実現されるこ とが望まれる。

宮城大学看護学部の活動状況について

 平成11年1月15日に東京で開催された、平成10年度

「神経難病医療情報整備研究班」 (班長:国立療養所 山形病院 院長 木村格先生)で宮城大学看護学部と

して「難病医療情報整備における大学教育のあり方一 宮城大学看護学部の試み一」という演題で発表を行っ

た。

 難病医療を将来的に担う人材をいかに育成していく かは、難病医療情報整備と合わせて重要な問題である。

大学教育のなかで難病医療の教育を取り入れている大 学は少ないと思われる。宮城大学看護学部では、実際 の難病医療に携わっている医者や患者家族の体験談を もとに問題点を明らかにするような教育を試みたので その概要を報告した。

 宮城大学看護学部2年生90名を対象にして、神経難 病でも最も高度な障害をきたす筋萎縮性側策硬化症を とりあげ、在宅医療を行う医療従事者および在宅療養 を行っている患者と家族にそれぞれの立場で講演して 頂いた。その講演の一部をビデオで紹介した。

 在宅医療を行っている仙台往診クリニックの川島先 生からは、在宅医療で患者や家族と付き合っていくう えでは、患者、家族、医療従事者の協調性が大切であ ることを強調された。

 また、39歳で発病し、ALSと診断後急速に球麻痺が 進行し、人工呼吸器装着後平成6年から約4年間在宅 療養を行っている患者と家族は、①発病から現在まで に至る経過、②治療法のない難病に罹患した辛さや医 療に対する不信感、③神経難病に関する情報が少ない 現状(誰に相談してよいか分からない)、④人工呼吸 器装着の問題、⑤在宅療養では介護人の支援不足など を将来の地域医療を担う看護学部の学生に講演した。

 約1時間の講演後の質疑応答では、学生から「どの ようにしてコミュニケーションをとっているか」など 日常生活の不便さをどのようにしているかなど実用的 な内容が多かった。また、後に提出されたレポートで は、疾患の重篤さとそれを支援する療養環境整備の遅 れを的確に捉えたものが多く、教科書からは決して学 ぶ事のできない神経難病の重篤さと在宅医療の抱える さまざまな問題を提起され、非常に有意義であった。

 宮城大学は、県立大学として約8割は宮城県をはじ め東北地方出身者で占められているが、将来の難病医

146一

(3)

宮城大学看護学部紀要 第2巻 第1号 1999

療に躊躇なく取り組めるような大学教育の必要性を痛

感した。

おわりに

 宮城大学看護学部で講演して頂いた筋萎縮性側策硬 化症の患者の家族は、医療従事者の不親切な対応から 医療不信に陥った経緯を取り上げて、看護学部の学生 に対して「神経難病のように原因や治療法が分からな い病気の患者ほど皆さんの一言一言が与える影響が大 きいことを分かってもらいたい。その一言で励まされ、

希望をもって生きようとするのだから」と語った言葉 が印象的であった。

参考文献

(1)宇尾野公義 編著 最新神経難病 金原出版株式会  社 1991年

(2)月刊誌 「難病と在宅ケア」 ㈱日本プランニングセ

 ンター

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参照

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