宮地・粛藤:米粉がクッキーの性状及び噌好に及ぼす影響
米粉がクッキーの性状及び曙好に及ぼす影響
E f f e c t s of r i c e f 1 0ur on t h e p h y s i c a l p r o p e r t i e s and sensory a t t r i b u t e s of cookies
宮 地 洋 子 ・ 粛 藤 寛 子
Yoko Miyachi and Hiroko Saitou
a b s t r a c t
I n t h i s sωdy , c o o k i e s w e r e by s u b s t i t u t i n g f i n e r i c e f l o w e r h a v i n g d i f f e r e n t g r a i n s i z e s f o r w h e a t f l o u r f o l l o w e d by m e a s u r i n g t h e f i n i s h e d c o o k i
巴s , m e a s u r i n g t h e i r p h y s i c a l p r o p e r t i e s a n d c o n d u c t i n g a s e n s o r y e v a l u a t i o n . The f o l l o w i n g f i n d i n g s w e r e o b t a i n e d a s a r e s u l t t h e r e o f . I n c o m p a r i s o n w i t h c o o k i e s made f r o m w h e a t f l o u r , c o o k i e s made
企omr i c e f l o u r h a d a s m a l l d i a m e t e r , d e m o n s t r a t e d a somewhat d e c r e a s e d s p r e a d f a c t o r a n d s p r e a d o u t l e s s d u r i n g b a k i n g . I n a d d i t i o n , i n a c o m p a r i s o n o f d i f f e r e n t r i c e f l o u r s , t h e c o o k i e s s i m i l a r l y became s m a l l e r a s mesh i n c r e a s e d . V a l u e s f o r b r e a k i n g s t r e s s a n d b r e a k i n g e n e r g y o f t h e r i c e f l o u r c o o k i e s d e c r e a s e d a s mesh i n c r e a s e d , a n d t h e i r c o l o r a f t e r b a k i n g was s i g n i f i c a n t l y l i g h t e r . I n t h e s e n s o r y
巴v a l u a t i o n , t h e r i c e f l o u r c o o k i e s w e r e e v a l u a t e d t o b e s o f t e r t h a n w h e a t f l o u r c o o k i e s , b e more b r i t t l e , e x h i b i t a l i g h t e r c o l o r a f t e r b a k i n g a n d d i s s o l v e l e s s e a s i l y i n t h e m o u t h . I n t e r m s o f t h e i r o v
巴r a l le v a l u a t i o n , a g r a i n s i z e o f 250 mesh was t h e h i g h e s t a n d t h e c o o k i e s w e r e e v a l u a t e d t o a p p r o x i m a t
巴t h e q u a l i t i e s o f w h e a t f l o u r c o o k i e s .
K e y w o r d s : c o o k i e s , r i c e
同f l o u r , g r a i n s i z e , b r e a k i n g s t r e s s , s e n s o r y e v a l u a t i o n
1 . 緒 言
米粉の消費拡大を目的として、米粉を利用した調理、加工品の開発が活発に行われ、その 結果、さまざまな用途への提案がなされ、米粉を用いた料理書仰や研究が報告されているトヘ また、米粉は小麦粉と異なりもっちりした食感や粘性のほか、口どけの良さ、焼成後のカリ ッとした食感や、米の白色などの特有の性質がある。
米粉を洋菓子に利用した場合、米粉の粒子の形状や吸水量、またグルテンの有無などが調 製品の仕上がりに影響を与える。また、気流式粉砕や、高速粉砕などの製粉法が開発され、
従来の米粉よりでんぷん損傷が少なく、粒子サイズが30""""40μm程度の微細米粉の利用が
可能になった。そこで、本研究では、気流式微細米粉を用いて焼き菓子であるク
ッキーを調 製し、焼成品の計測、物性の測定ならびに宮能評価を行い、代替による影響やクッキーへの 適用性について検討した。2 . 実験方法
( 1 ) 試 料
米粉は山形産乙しひかり(平成
2 1
年度産)を微細製粉したものを用いた。米粉の粒度は唱i仁U
山形県立米沢女子短期大学紀要 第
47
号100
メッシュ(以下M
と略す)、200M
、250M
、400M
とした。米粉の平均粒径は100M
が150μm(
上新粉レベル)、200M
が75μm(
小麦粉レベル)、250M
が65μm
、400M
が35 μ m
である。米粉の製粉は業者に委託し、従来の製粉より熱損傷が少ない気流式微粉法で行 った。小麦粉は薄力粉(日清フーズ(樹)とし、小麦粉で調製したクッキーをコントロールと した。砂糖は上白糖(三井製糖(閥)、卵はL純正卵(イセ食品)、バターは無塩バター(雪印 乳業(槻)製を用いた。(2)クッキーの調製
クッキーの材料と配合割合 を表
1
に示した。小麦粉を全 量用いたクッキーをコントロ ールとし、米粉クッキーは小 麦粉をメッシュの異なる米粉 で100%
代替した。調製方法は、小麦粉、米粉及び砂糖は舗を
2
回通し、他材料と共に電気表
1.
材料
( g )
米粉 小麦粉バター 砂 糖
卵
クッキーの材料配合
米粉クッキ一 小麦粉クッキー
1 0 0
5 0 40 2 5
1 0 0 5 0 40 2 5
保温庫
( 2 5
0C)
に30
分間放置した。バターを電動ミキサーの低速で30
秒撹持し、次に砂糖 を2
度に分けて加え、それぞれ30
秒ずつ撹枠し、さらに卵を少量ずつ加えながら低速で1
分 間撹枠し、最後に小麦粉または米粉を入れて低速で1
分間撹持しまとめた。生地をラップで はさみ、厚さ0.5cm
にのばし、冷蔵庫に30
分間放霞後、直径4cm
の丸型を用いて型抜きし た。ガスオープンで170
0C
、12
分間焼成した。400M
のクッキーは生地がまとまらなかった ため、表1
の材料に20ml
の水を加え調製した。焼成品は輩温に2
時間放置後、シリカゲル を入れたホ1 )
エチレン袋に入れ密封保存した。(3)測定項目および方法 1)生地の比重
一定の容積を満たす生地の重量を水の満たす重量で除して求めた。
2)水分含量
焼成後のクッキーを砕き
19
を(掬IA.&D
社赤外線水分計(1A.D‑4712
型)を用い、200
"C で加熱し測定した。3)直径、厚さ、膨化率、重量減少率、スプレッドファクター
クッキーの直径、厚さはノギスで測定した。膨化率は菜種法的で求めたクッキーの体 積を生地の重量で除して算出した。重量減少率は焼成前の生地と焼成後のクッキーの重 量を測定し、焼成前と焼成後の重量の差を焼成前の重量で除して求めた。スプレッドフ
ァクターは産径を厚さで除して算出した九 4)吸水率
吸水率はクッキーを口に入れて鴨下するまでの時聞を考癒して、赤羽ら8)の方法に従 い求めた。すなわちクッキーを水に
5
秒間浸してから、ろ紙に15
秒聞置いて余分な水分 を除き、吸水後のクッキ一重量を測定し吸水前の重量で除して算出した。5)測色
クッキーの表面を、
MINOLUT
IA.分光測色計(CM‑3500d
ミノルタカメラ(附)で、L
ペポ,b*
の値を測定し、さらに.LIE
を求めた。6)外観
‑52
ー宮地・爾藤:米粉がクッキーの性状及び噌好に及ぼす影響
クッキーの上面と側面を、同じ位置から写真撮影した。
7 )
物性の測定測定は(槻山電レオナー
(RE‑3305)
を用い、破断応力、破断エネルギーを求めた。測定条件は圧縮率99%、圧縮速度は10mm/sec、フランジャーはくさび型
(No . 4 9 )
を 用いた。8 )
官能評価試料は小麦粉クッキーをコントロールとし、米粉
100M , 200M , 250M
,400M
クッキー の5
種類を試料とした。検査項目は焼き色、硬さ、口どけ、もろさ、甘さについては5
段階評点法で、総合評価は順位法で行い、ケンドールの一致性による解析とNewell& Mac F a r l a n e
の検定的を行った。パネラーは本学健康栄養学科学生10名とした。3 .
結果および考察( 1
)クッキ一生地の重量及び比重 米粉は小麦粉と比べ、吸水能力は高 いが吸水速度は遅い。また、米粉はグ ルテン形成能を持たないため、米粉生 地は水分が少ないとまとまりが悪く、伸ばすときにひびわれができやすい。
本研究では、粒度の異なる米粉を用い たが、粒度が最も小さい400Mでは材 料からの水分だけでは生地がまとまら
表
2 .
生地の重量及び比重 重量( g )
比重 小麦粉8 . 3 8
土0 . 1 1 1 . 1 8
100M 8 . 1 1 : : 1 : : 0 . 1 4 1 . 0 9 200M 8 . 5 5 : : 1 : : 0 . 3 2 1 . 1 7 250M 7 . 9 8 : : 1 : : 0 . 1 8
串 * 1.12 4OOM 8 . 2 4
土0 . 1 5
1.15
* *
:小麦粉との陪に有意差あり( p < O . O l)
ないため、
20ml
の水を加え調製した。クッキ一生地
1
枚の重量と比重の結果を表2
に示した。米粉のクッキ一生地の重量は小麦 粉生地に比べて小さく、250M
が有意に低値を示した。米粉聞の比較では粒度の影響ははっきり示されなかった。比重については米粉全てが小麦粉よりやや低値であるが、大きな差は 認められなかった。
( 2 )
クッキーの直径・厚さ・膨化率・重量減少率・スプレッドファクタークッキーの直径・厚さ・膨化率・重量減少率・スフ。レッドファクターの結果を表
3
に示し た。米粉クッキーの直径は小麦粉と比べて、米粉のすべての粒度で有意に小さくなった。400M
では3.74: : l : : 0.02cm
と生地の直径より小さくなり、焼き縮みが生じた。また、米粉聞 の比較でも米粉の粒度が細かくなるにつれ、クッキーの直径は有意に小さくなることが示さ れた。厚さは100Mで有意に低値であったが、他の粒度ではあまり差はなかった。膨化率は 小麦粉に比べ、米粉は減少傾向にあり膨化が悪くなることが示された。重量減少率は、小麦 粉に比べて低値傾向を示し、100M
では有意に減少したが、千田は上米粉を用いたクッキー の重量減少率は16.68%
で、小麦粉よりも高いと報告しているへ本研究では低値が得られた。この違いは粒度の大きい上新粉を使用していること、米粉の混合は手で30回こねる、さらに、
焼成温度や時間の違いなど調製条件が異なることなど、これらが複雑に影響しているものと 推察される。
400M
では17.00%
と有意に高値であったが、これは調製時に20ml力日水したこ とが影響していると考えられる。また、横広がりの度合いを示すスプレッドファクターは、米粉の粒度が小さくなるにつれて低値傾向になり、
400M
の微細粉では有意に低値であった。クッキーは焼成時に生地に含まれる水の蒸気圧により上方へ膨張すると同時に横へも広がる
︒
δ5
山形県立米沢女子短期大学紀要第
4 7
号が、米粉は伸展性を有するグルテンを含まないため、横広がりが押さえられたと考える。
表
3 .
クッキーの直径・厚さ・膨化率・重量減少率・スプレッド・ファクター直径 厚さ 膨化率 重量減少率 スプレッド
(cm) (cm)
( % ) ( % )
ファクター 小麦粉4 . 2 8 : t 0 . 0 2 0 . 7 9 : t 0 . 0 2
100M 4 . 1 8
土0 . 0 1 * * 0 . 7 3
士0 . 0 2 * *
200M 4 . 1 2 : t 0 . 0 2 * * 0 . 7 7 : t 0 . 0 4 250M 4 . 1 5
士0 . 0 2 * * 0 . 7 6 : t 0 . 0 2 400M 3 . 7 4 : t 0 . 0 2 * * 0 . 7 5 : t 0 . 0 2
*:小麦粉との聞に有意差あり
( p < 0 . 0 5 )
料:小麦粉との障に有意差あり( p < O . O l )
(3)クッキーの水分含量と吸水率クッキーの水分含量と吸水率を表
4
に 示した。小麦粉クッキーの水分含量は5 . 1
: t 1 . 0%
であり、これに対し米粉は{尽く 3.5~4.0%で、市販品のサブレやソフトビス ケット11)と同程度であった。400M
では9 . 0
土
0.6%
と有意に高値を示し、調製時に加 水した影響がみられた。膨化の状態や、口どけと関係の深い因子とされる吸水率は、
小麦粉に比べ米粉は高値傾向を示したが、
400M
では有意に低値を示した。( 4 )
クッキーの色度1 2 6 . 9 1 1 3 . 7 2 1 2 0 . 5 7 1 0
.47 1 0 9 . 7 8 1 2 . 7 8 1 3 5 . 2 2 1 2 . 1 9 1 1 9
.47 1 7 . 0 0
5
.45
* * 5 . 7 1 *
5 . 3 4 5
.49
* 4 . 9 6 * *
表
4 .
クッキーの水分含有量および、吸水率 水分含有量 吸水率(%) (%)
小麦粉5 . 1 : t 1 . 0 1 1 3 . 3 : t 4 . 3 100M 4 . 0
土0 . 6 1 1 6 . 8 : t 6
.4200M 3 . 5 : t 0 . 8 * * 1 1 3 . 1 : t 1 . 6
250M 3 . 8 : t 0
.41 1 8 . 5
土4 . 3 400M 9 . 0
土0 . 6 * * 1 0 6 . 6 : t 0 . 5
本*小麦粉との聞に有意差あり
( p < 0 . 0 5 )
料:小麦粉との聞に有意差あり( p < O . O l)
クッキーの表面の色度の結果を表
5
に示めした。L*
値では、米粉の100M
は小麦粉と間程 度の値であったが、米粉の粒度が小さくなるにつれ有意に増大した。赤み度を示すa *
値は、100M
と200M
では小麦粉より有意に増大し、250M
では同程度に、400M
では顕著に減少し た。b *
値の黄み度は小麦粉より有意に低く、米粉の粒度が細かくなるにつれ減少した。LlE
は色差を表し、小麦粉クッキーをコントロールとして比較した結果、
200M
以上から色差は 顕著に増大し、感覚的には100M
の『感知できるほどに』から、250M
以上では『大いに』と大きく変化し、米粉の粒径が小さいほど焼き色がつきにくいことが示され、色調に対して 米粉の粒度の影響がみられた。また、焼成によるクッキーの焼き色に小麦たんぱく質の寄与 が大きいものと考えられた。
表
5 .
クッキーの色度 し*a *
小麦粉
77
.4土1 . 2 3 . 4 : t 0 . 6 100M 7 7 . 8
土0
.4* 5 . 7土0 . 6
200M 8 0 . 4 : t 0 . 8 * * 4 . 9
土0 . 7
250M 8 3 . 3 : t 0 . 8 * * 3 . 4
土0 . 7
400M 8 3 . 2
土0 . 6 * * 1 . 4 : t 0 . 6
*:小麦粉との聞に有意差あり
( p < 0 . 0 5 )
料:小麦粉との聞に有意差あり( p
く0 . 0 1 )
* *
*
* *
‑ 5 4 ‑
b *
LlE3 1 . 3
士1 . 1
2 9 . 7
土0 . 5 * 3 . 3 : t 0 . 8
2 8 . 7 : t 0 . 5 * * 6 . 3
土2 . 7 * *
2 6 . 0 : t 0 . 9 * * 1 0 . 1 : t 4 . 2 *
23
.4土1 . 2 * * 1 0 . 1 : t 1 . 7 * *
山形県立米沢女子短期大学紀要第
47
号(7)官能評価
米粉クッキーのl者好性をみるため、
コントロールの小麦粉クッキーと 粒度の異なる 4種類の米粉クッキ ーについて、官能評価を行いその 結果を図
5
に示した。焼き色では200M
が小麦粉と同程度に、その 他の粒度の米粉は薄いと評価された。硬さでは全ての米粉クッキーが小 麦粉より軟らかい方に、
100M
は 最もやわらかいと評価された。口どけでは小麦粉が最も良く、
焼き色
ー 唖
‑ ' 1 0 0 M
一
A‑‑200M
目→〈・・
250M
ロどけ ‑!K‑400M 250M
以外の米粉クッキーは口どけが悪い方に評価された。もろさ では小麦粉と
400M
がややもろさ にかける、その他のものはもろい と評価された。甘さでは評点にあ図
5 .
評点法による官能評価結果まり差がなく、普通前後の評価であった。総合評価は順位法で行い、評価の順位合計は小麦 粉が
20
点、100M
が25点、200M
が37点、250M
が24点、400M
が49点であり、米粉の中で は250Mが最も好まれ、400M
は有意に好まれなかった。焼き告はクッキーの堵好に影響する。たんぱく質含量の少ない米粉クッキーの焼き色は白っぽく、焼き色が薄いという評価であっ た。焼き色は、米粉クッキーを焼成する時聞を長くしたり、生地の表面に卵液を塗るなどの 操作を加えることで着色を濃くでき、その結果i者好性を高めることができると考えられた。
クッキーの品質としてもろく、砕けやすく、軟らかいクッキーでも、口中でぼそぼそした感 じが残るような舌ざわりは好ましくないされるへまた千田は上新粉を用いたクッキーを調 製し、焼きあがりの口あたりがざらつくことを報告しているが10)、これらのぼそぼそ感や口 あたりのざらつきなどの食感ははおいしさのマイナス要因となる。クッキーは生地を長時間 ねかせて吸水させ、生地の水和が均質になることでざらつきが消失し改善したと報告してい る。本研究では米粉の200Mまでざらつきが感じられたが、
250M
以上の微細粉ではざらつ きは感じられなかった。このことより米粉の微粉化が米粉クッキーのl者好性の向上に有効で あると考えられた。4 .
要 約( 1 )
米粉で置換した米粉クッキ一生地の重量は小麦粉生地より小さく、粒度の違いでは、粒 度が細かくなるにつれ減少傾向を示したが、比重はほとんど差が見られなかった。(2) 米粉クッキーでは直径が有意に小さくなり、膨化率、重量減少率は小麦粉クッキーより やや低く、粒度の違いでは粒度が細かくなるにつれて減少傾向を示した。加水した400Mは 重量減少率が最も大きくなった。スプレッドファクターは粒度が細かくなるにつれて低値 傾向を示した。
( 3 )
米粉クッキーは小麦粉より、有意に明度が高く、計値、b*
値はともに粒度が細かくな るにつれて減少し、小麦粉に比べて着色が薄くなることが示された。また、感覚的な差は「感知できる 大いにjであり、米粉の粒度が細かくなるにつれて色調の変化が増大した。
‑56
宮地・粛藤:米粉がクッキーの性状及びl脅好に及ぼす影響
( 4 ) 米粉クッキーの形状は表面に凹凸の少なく全体的に上方に膨化した形で、縁は直角型を呈 した。
( 5 ) 破断応力、破断エネルギーはともに減少し、米粉クッキーは小麦粉クッキーより軟らかく、
もろいクッキーであることが示された。また、米粉の粒度が細かくなるにつれて、軟らかさ やもろさの度合いが顕著に増大した。加水した 400M は破断応力や破断エネルギーを増し、
硬く、砕けにくいものになった。
( 6 ) 官能評価において、米粉クッキーは小麦粉クッキーに比べて、焼き色が薄い、軟らかい、
口どけが悪い、もろいと評価された。総合評価では小麦粉、 250M , 100M , 200M , 4 00M の順 に評価が高く、 400M は有意に評価が低く好まれなかった。
終わりに本研究にご協力いただきました久間田愛さん、斎藤未奈美さん、早坂綾さんに感謝 いたします。
5 . 引用文献
1 )坂本佳奈・坂本慶子: W もっとひろがる国産米粉クッキング』、農文協、東京 ( 2 0 0 8 ) 2 ) 陣回靖子: W 上新粉・玄米粉でできる米粉 100% のもっちりパン&しっとりスイーツ』、
河出書房新社、東京 ( 2 0 0 8 )
3) 山本一史、清水英樹、岩下敦子、太田智樹:道産米を用いた微細米粉の製造と加工利用、
北海道立食品加工研究センタ一報告、 7( 2 0 0 7 )
4 ) 宮地洋子、斉藤寛子:ベーグルの性状に及ぼす米粉の影響、山形県立米沢女子短期大学
附属生活文化研究所報告、 37 , 81~90( 2 0 1 1 )
5)新井映子:静岡県における米粉利用の取組みと米粉の加工特性、日本調理科学会誌、
42 ,428~431 ( 2 0 0 9 )
6 ) 大羽和子、川端晶子: W 調理科学実験』、学建書院、東京 ( 2 0 0 3 )
7 ) 平尾和子、金毛利加代子、米山陽子、高橋節子:サゴ澱粉を用いたビスケットの物性と 食味特性、日本家政学会誌、 5 5 ,
715~723( 2 0 0 4 )
8)赤羽ひろ、和田淑子:クッキーの性状におよぼす小麦粉中のグルテン含量の影響、日本
食品工業学会誌、 34,474~480( 1 9 8 7 )
9 ) フードスペシャリスト協会編: W 新版食品の官能評価・鑑別演習第 3 版』、建自社、東京
10) 千田真規子:米粉クッキーの噌好と調製について、 50集, 17~20( 2 0 1 0 )
1 1 ) 香川芳子監修: W 五訂増補食品成分表』、女子栄養大学、東京 ( 2 0 1 0 )
1 2 ) 和田淑子、倉賀野妙子、長谷川美幸:クッキーのショートネスと硬さにおよぼす材料配
合比の影響、家政学雑誌、 33 , 313~320( 1 9 8 2 )
ワtにU