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プリオン病の二次感染予防に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)

総合研究報告書番号05

— 265 —

厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業

プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班 総合研究報告書

プリオン病の二次感染予防に関する研究

研究分担者:齊藤延人 東京大学医学部附属病院 研究協力者:高柳俊作 東京大学医学部附属病院

研究要旨 脳神経外科手術機器を介したプリオン病の発症に関して調査を行う。該当する施設の 現地調査を行い、リスクに関連する手術機器や課題を検討する。また、リスク保有者の経過観察 の支援を行い、発症のリスクを検討する。

A.研究目的

本研究は「診断基準・重症度分類策定・改訂 のための疫学調査」に該当する。

脳神経外科手術機器を介したプリオン病の発 症に関して、リスク保有者のフォローアップデー タを用いて調査を行う。該当する分野の日本国 内における唯一の研究である。脳神経外科手術 機器を介したプリオン病の二次感染に関して、

その実態が明らかとなり、脳神経外科医の間で の啓蒙がなされ、感染拡大の予防効果が期待さ れる。

B.研究方法

プリオン病のサーベイランス調査研究に参加 し、その内容を分析・検討することにより、プリ オン病の二次感染予防リスクのある事例を抽 出・検討する。該当する施設の現地調査を行い、

リスクに関連する手術機器を検討する。また、

リスク保有者の経過観察の支援を行い、発症の リスクを検討する。

(倫理面への配慮)

国立精神・神経医療研究センターの倫理委員 会で承認を得ている。

C.研究結果

1

)新規インシデント事例

平成

29

年度~令和元年度は新規インシデン ト可能性事案が

8

件あったが、その内、

7

件は、

調査して、委員会協議を行い、インシデント症 例ではないと判断した。新規のインシデント事 案が

1

件あり、現地調査を行った。

【新規インシデント事例概要】

CJD

症例に対して、発症後に、慢性硬膜下血 腫の手術を行った事例が報告された。当該病院 に関して、手術器具の滅菌条件の確認が行われ たが、感染予防ガイドラインに準拠していない 箇所を認めた。従って、本事例は、インシデント 事例と判断し、当該病院の訪問調査を行った。

継続して、フォローアップ支援の対応中である。

D.考察

1)孤発性CJD

症例に対して、発症後に、慢性硬

膜下血腫の手術を行った事例が報告された。当 該病院に関して、手術器具の滅菌条件の確認が 行われた。ウォッシャーディスインファクター として、サクラ精機の

WUS-3100

が使用されて いたが、サクラ精機に問い合わせて、熱水処理 が

93

10

分行われており、感染予防ガイドラ インに準拠している事が確認された。

2)CJD

症例のルンバールに関しての問い合わせ があった。ルンバールで使用した圧棒がガラス 棒であり、当該症例後も、別の症例で使用して いたとの事であった。同様のケースに関しては、

過去にもインシデント委員会で協議された事が あり、髄液が逆流する事は考えにくいため、こ のようなケースは、インシデントには該当しな いという結論であった。従って、本症例も、イン シデント事例ではない事が確認された。

3)CJD

疑い患者に対して、発症

11

か月前に、

正常圧水頭症疑いで

VP

シャント術が行われた

事案に関して、協議された。当該手術の手術機

器の滅菌条件を確認すると、ほとんどすべて感

染予防ガイドラインに準拠されていることが確

(2)

総合研究報告書番号05

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認された。一つだけ、バーホールエコーのみ、ガ イドラインに準拠しない条件で滅菌されていた が、当該手術で使用していないことが、確認さ れた。以上より、本事案は、インシデント事案で はないと判断された。

4w)1980

年台に、髄膜腫手術に対して、

Lyodura

が使用された症例で、最近、髄膜腫が再発した ために、手術を行う予定で、問い合わせがあっ た事案が協議された。当初、オートクレーブ滅 菌出来ない、CUSA を使用して、腫瘍吸引する 予定であった。しかし、本症例は、他の病院に移 り、

CUSA

を使用せず、腫瘍摘出術を行った。出 血量が多く、輸血を行ったが、神経所見は改善 して独歩退院をする事ができた。本会議で、過

去に

Lyodura

が使用されたとわかっている症例

に対して、インシデント委員会としての対応が 協議された。過去に、

Lyodura

が使用されたのが、

10

万人おり、その中から、dCJD が

100

人以 上発生している。従って、当委員会としては、過

去に

Lyodura

が使用されたとわかっている症例

にたいしては、可能な限り、プリオン病患者と 同様の滅菌対応を行うことをすすめていく方針 となった。

E.結論

これまでのところ、

18

事例をフォローアップ しているが、プリオン病の二次感染事例はない。

引き続き、プリオン病の二次感染予防リスク のある事例について、現地調査を含めてフォロー を行い、日本脳神経外科学会などで啓発活動を 行う。

F.健康危険情報 特になし

G.研究発表 1.論文発表

なし

2.学会発表 なし

H.知的財産権の出願・登録状況(予定を含む。) 1.特許取得

なし

2.実用新案登録 なし

3.その他

なし

参照

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