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論文の内容の要旨 氏名:長

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Academic year: 2021

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論文の内容の要旨

氏名:長

博士の専攻分野の名称:博士(歯学)

論文題名:Effects of LPS and high concentrations of glucose on zoledronate-induced RANKL/OPG

expression and PGE

2

production in osteoblasts

(骨芽細胞におけるゾレドロネート誘導性の

RANKL/OPG

発現と

PGE

2産生に及ぼす

LPS

と高

濃度グルコースの影響)

ビスフォスフォネートは破骨細胞性骨吸収を強く抑制し,

Paget

病や骨粗鬆症,悪性新生物の骨転移 などの治療で高い有効性を示す一方で,副作用としてビスフォスフォネート系薬剤関連顎骨壊死

(bisphosphonate-related osteonecrosis of the jaw; BRONJ)

が問題となっている。

BRONJ

のリスク因子とし ては,長期のビスフォスフォネート製剤の投与,全身的基礎疾患である糖尿病,喫煙習慣,観血的処 置,および歯周病などがあげられる。特に,窒素含有ビスフォスフォネート製剤であるゾレドロネー トは安定した骨吸収抑制作用を示すが,その長期投与は

BRONJ

のリスク因子の

1

つである。

歯周病では,歯周病原菌の内毒素 (LPS) が歯周組織におけるマクロファージ,線維芽細胞,骨芽細 胞,破骨細胞による炎症性サイトカインやプロスタグランジン

E

2

(PGE

2

)の産生のトリガーとなる。ま

た,歯周病は糖尿病の合併症の一つであり,慢性的な高血糖による易感染状態と創傷治癒の遅延によ って歯周病の症状が悪化することが知られている。骨芽細胞は,

receptor activator of NF-kappa B (RANK) ligand (RANKL)

osteoprotegerin (OPG)

を産生し,破骨細胞の分化を調節している。すなわ ち,RANKLが破骨細胞前駆細胞に結合すると,破骨細胞への分化が促進する一方で,OPGはおとり 受容体として

RANKL

RANK

の結合を阻害する。また,炎症性サイトカインや

LPS

は,骨芽細胞の

cyclooxygenases (COX)-2

の発現増加を介して

PGE

2の産生を誘導することが,また,

PGE

受容体

(EP)

を介した

PGE

2

autocrine

作用が

RANKL

OPG

の産生に影響することが知られている。

ビスフォスフォネートは,破骨細胞のみならず骨芽細胞にも作用し,

BRONJ

の発症に関与すると考 えられる。しかし,

BRONJ

のリスクとなる糖尿病と歯周病を併発する症例へのビスフォスフォネート の使用が,骨芽細胞に及ぼす影響の詳細は不明である。そこで本研究では,歯周病と糖尿病を想定し

LPS

と高濃度グルコースの存在下でのビスフォスフォネート刺激が,骨芽細胞の

COX-2,EP,

RANKL

および

OPG

の発現,ならびに

PGE

2産生に及ぼす影響を調べた。さらに,

PGE

2

autocrine

作用が

RANKL/OPG

比に及ぼす影響を,

COX-2

選択阻害剤である

NS398

を用いて検討した。

本研究では,骨芽細胞様細胞としてヒト骨肉腫由来

MG-63

細胞を,ビスフォスフォネート製剤とし てゾレドロネートを用いた。

MG-63

細胞を

6-well

培養プレートに播種後コンフルエントになった時点 で,

Porphyromonas gingivalis

由来

LPS (1 µg/mL),高濃度 (25 mM)

グルコースまたは ゾレドロネート

(1×10

-8

, 1×10

-7

, 1×10

-6

, 5×10

-6

, 1×10

-5

M)

を含む培地で

24

時間培養し,細胞を刺激した。

COX-2, EP2, EP4,

RANKL

および

OPG

の遺伝子発現を

real-time PCR

法で調べた。また,

NS398 (10 µg/mL)

の存在下ま たは非存在下で細胞を

LPS

,高濃度グルコースまたは ゾレドロネートで刺激した培養上清中の

RANKL

OPG

タンパク,ならびに

PGE

2の濃度を

ELISA

法で調べた。

COX-2

の遺伝子発現は,培養

1,3,5

日目において未刺激 (コントロール) に比べて

5×10

-6

M

また

1×10

5

M

のゾレドロネートで増加した。また,このゾレドロネート刺激による

COX-2

の遺伝子発現 の増加は,培養

3

日目の

5×10

-6

M

のゾレドロネートで最も顕著であった。そこで,細胞を刺激するゾ レドロネートの濃度は

5×10

-6

M

に,刺激の期間は

3

日目として,

LPS

と高濃度グルコースの存在下で のゾレドロネートの刺激が

COX-2

の遺伝子発現と

PGE

2産生に及ぼす影響を調べた。その結果,ゾレ ドロネート の単独刺激に比べて,

LPS

と高濃度グルコースの存在下でのゾレドロネート刺激で

COX-2

の遺伝子発現と

PGE

2産生が増加した。さらに,NS398は,LPS と高濃度グルコースの存在下のゾレ ドロネート刺激による

PGE

2産生増加を阻害した。

次に,

EP2, EP4

RANKL

および

OPG

の遺伝子発現を調べた結果,

RANKL

OPG

の遺伝子発現は,

LPS

と高濃度グルコースの存在下でのゾレドロネート刺激で増加し,

LPS

と高濃度グルコースの有無

(2)

2

にかかわらず,EP2

EP4

の発現にゾレドロネート刺激の影響は認められなかった。RANKL

OPG

のタンパク発現は,

LPS

と高濃度グルコースの存在下でのゾレドロネート刺激で増加し,

NS398

はゾ レドロネート刺激によるこれらのタンパク発現増加を阻害した。タンパク発現量から

RANKL/OPG

を算出したところ,コントロールとゾレドロネートの単独刺激に比べて

LPS

と高濃度グルコースの存 在下でのゾレドロネート刺激で

RANKL/OPG

比が増加した。

これらの結果から,LPSと高濃度グルコースは,PGE2

autocrine

を介してゾレドロネート刺激に

よる

RANKL

OPG

の産生を誘導することがわかった。また,この産生増加は

OPG

に比べて

RANKL

で優位であることが明らかとなった。すなわち,糖尿病と歯周病を併発する症例へのビスフォスフォ ネートの投与は,

RANKL/OPG

比を高め,破骨細胞分化を促進する可能性が示唆された。

参照

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