伊豆‑高塚山、船原山火山の地質と岩石
著者 湯佐 泰久, 黒田 直
雑誌名 静岡大学地学研究報告 : 地学しずはた
巻 2
号 1
ページ 43‑54
発行年 1970‑05‑31
出版者 静岡大学理学部地学教室
URL http://doi.org/10.14945/00005780
静 岡 大 学 地 学 研 究 報 告 第 2巻 第 i 号 1 9 7 0年 5丹
賀 山 火
久 ネ 国 歩手本
1
.は じ め に‑高塚山火山および括原山火山は
リア丘である
O著者らは,従来あまり知られていない両火山を 火山層序,火山体の構造および溶岩と火山弾の鉱物・化学組成に
にあるかんらん右玄武宕箕スコ に研究した結果,
して興味あるいくつかの点を 出したのでここに報告する
Oは,大塚
(1933)によって城層の一部とみなされたが,最近、スコリア丘であること
(1966)によって確かめられた。 船 原 山 は 沢 村
(1955b)によって簡単に記載されているにす ぎない。 高 塚 山 市 方 の 大 室 山 火 山 群
(Kuno,
1954)および天城火山若手(会 j 凡
1959)のかんらん は岩石学的には伊烹箱根地方のソレイアイトよりも Al
20
3とアルカ
IJに富むことが知られ,
久 野
(1960,
1968)はこれらの第四紀かんらん石玄武岩を高アルミナ玄武岩類とみなした。
この研究を行なうにあたり,終始御指導を仰いだ鮫島輝彦教授,不透明鉱物の同定を御教示され た名古崖大学渡辺武男教授,化学分析について御教示された波多江一八郎教授および名古屋大学白 木敬一氏に感謝する
Oまた,現地の に際して, を与えられた浅野信雄氏に る
OI I . 高 塚 山 火 山
A.基 盤
1
. 新 第 三 系 : と礎岩の互層を挟む凝灰質砂岩が, ら 山にかけての地域 と田京の束に
され,
安 山
は江ノ
をおび¥微粒の黄鉄鉱
(沢村,
1955a)と命名 することもある
Oしているの田京の束の い 一 般 に 変 質 さ れ て
を貫いており, されて紋色をおびている。 田京の
沢)1
1に沿っては,白色凝灰岩と
る
Oこれらの地層はそれぞれ,内浦火山
出している。また,高塚山南東の深 す る よ く 成 層 し た 火 山 喋 説 灰 岩 の 露 出 が 見 ら れ 沢村,
1955 a),城層
(Otsuka,
1933)と命名され (深沢)1
1北岸)には,北東にゆるく傾斜する火山角
ている
O2
. 多 賀 火 山 噴 出 物 : か ん ら ん 若 ・ 紫 蘇 輝 石 ・ 普 通 輝 石 安 山 岩 溶 岩 、 普 通 輝 石 ・ か ん ら ん 在 玄 武 および凝灰角機岩が下からこの順序に重なる。安山岩溶岩は,深沢)1
1中流の浮椅安野で見ら れ,城層を不整合に被う。玄武岩溶岩は各地に露出し,深沢)1
1下 流 北 岸 の 採 石 場 と 蔵 春 院 付 近 の 谷 では巨大な柱状節理を示している
O凝灰角喫岩は火山灰を挟み,風化されて軟弱化し,赤褐色を
し,田京から高塚山,田中山へ通じる道路筋に露出する
O深沢)1
1北岸の採石場東方の道路筋では,
泥流が認められる
O* 名
**‑43‑
思
e火 山 体
山火山スコリア丘(海抜 369 m) は多賀火山の南西斜面に噴出し, に成層したスコリア 中に紡錘状,球状,牛糞状火山弾および溶岩餅を
流が火山体の南西と北西に開く谷に している。
に含む。また,かんらん には流理構造と板状節理
小 溶 岩 している
Oの l 入湯佐は, このスコリア丘と多賀火山噴出物の境界付近を詳しく して, の ト で
400
m
X
bFX
A 1111111111111 ~ y ¥111'
鶴鶴襲警 かんら
J答
火 物 山
8(
r;ちJよ、H2J、、量A、士四~.;.、、、、‘',,,,,嶋t,句ed、‘,,、J, 可 .
e, ,
倫d. スコ
1)ア
Om
酸
箱 恨 火 性 火
図 内 浦 火 回 (~ì 灰角
回 回
四 江 ノ 浦 凝 灰 岩 日 安山 出 物
第,
1羽高 塚 山 火 山 地 質 図 お よ び 断 面 図
ある を 出した
Oなわち, 田中山分校付近では, ローム が安山
と炭化木片を さ約
1Tnの した白 およ を被って
いる。 火山 物は,明らかにこの口一ム に挟まれている
Oロ ム グ 〉 には,
数枚の さ約20
0 mの が挟まれている
Oこの軽 A i 腐は数鰍大の署浦輝石と繋議長輝石の 色柱状結晶を多 ることを特徴とする
Oロ i
ヘの下位にある成層
t, t:~語版去. ローム およびローム層の上部に挟まれている軽石震はそれぞれ,層序と岩質から,北方で記載されている 箱根火山酸性火山礎凝灰岩,古富士火山灰および箱根火山中央火口丘軽五堆積物(久野,
195 2 ; Machida, 1967)と
高塚山火山 さ40
Tnの崖;をなして 奈 ↓ 10 0 Nである O 大を越す。
のものとみるのが妥当と忠われる
G中腹に開かれた て や なる したスコ
1)ア!留か、
しているの される(図版 1)。下位スコ
1)ア層は走向 N48
0W .傾
; ま
は , より下部のスコリアに限って多数包有され, しばしば人頭 によって異なり,ロームが下位に,玄武岩ないし安出岩が中位に,
白色凝灰岩と が上位に されている。この は,当地域の とまったく j 重である。
類似の現象がベスピアス火山でも知られている
(Rittmann,
1936)。上位スコリア層は,下位スコ
1)ア層を不整合に被い東北東にゆるく傾斜する
O上位スコリア層は,不整合面付近で数回の繰り返し を伴う逆分級堆積およびある点から下方に扇状に広がる堆積を示す。下位スコ
1)ア層の傾斜は 合面付近でゆるくなっているので,下位スコ
1)ア}習が不整合面に沿って下方へ引きずられたように 見える
O不整合面の修、斜角は約
500(見かけ上
300)であるの異質岩片は上位スコワア層にはまった
く見られず,その岩相は下位スコリア層の上部に酷似する
Oまた,上位スコリア層は高塚山火山 上 付 近 で 西 落 ち の 正 断 層 に よ っ て 切 ら れ て い る 模 様 で あ る 。 数 条 の 正 断 層 が 採 石 場 の ス コ リ ア 層 中 に認められ, は通常 10
0m,
2 Tnまであり,下位スコリア層のみを切る もある
Oには多数のスコリア丘が存在する(鮫島,
1966)が,高塚山のように内部構造が知ら れたものはまだない
Oハワイでは,マウナケアのスコリア丘の内部構造が人工地震波の反射によっ て研究された
(Furumoto&
Adams,
1968)。その結果,異なる地震波速度を示す上下
3棟のスコ
1
)
ア層が識別され,最大の地震波速度をもっ最下部のスコリア層は,高塚山の採石場で見られるよ うな,基盤の溶岩片を多く含むスコリア層に相当するのかもしれない。
C.
火山体の形成と崩壊
高塚山火山は 山灰層と箱根火山噴出物との関係から,更新世最末期に活動したと考えら れる。火口の位置はスコ
1)ア層の傾斜方向,放出物の大きさおよび異質岩片のおびただしい から,採石場のやや北東部に定められる
O噴火の状況とマク、、マ溜りの位置は,下位スコ
1)ア層の 相 の 相 異 ( 下 部 は 異 質 岩 片 を 包 有
L,上部は包有していない)から次のように考えられる。すなわ
ち,最初火口は燥発的に開き,火口付近の岩石が吹き飛ばされ,引き続いて火道部分の岩石の上位 のものが,さらに下位のものが頗次噴出した。やがて火道が貫通し安定すると,本質噴出物のみが 火口付近に堆積した。マク、、マ溜りは少なくとも江ノ浦凝灰岩層よりも下位にあると推定される。こ のようにして形成された当時の高塚山火山はおそらく現在よりももっと大きなスコリア丘であった
と推定される
O戸O
A A
火 山 活 動 終 了 後 の 状 況 は 採 石 場 に お け る 下 位 ス コ リ ア 層 上 部 と 上 位 ス コ リ ア 躍 の の酷似,
位スコ
1)ア 層 の 逆 分 級 と 扇 状 堆 積 な ど か ら 次 の よ う に 考 え ら れ る
Oす な わ ち , 採 石 場 の 不 整 合 面 は 火口壁の一部である。スコリア丘は形成後崩壊し,火口はスコリアで埋まった。その時,スコリアは 火口壁の斜面を転勤(木村,
1956)したために,逆分級ど扇状堆積が上位スコワア層に生じた。
と こ ろ で , 上 位 ス コ リ ア 層 は 噴 火 に よ っ て 形 成 さ れ た と 考 え ら れ る か も し れ な い 。 も し も , 上 位 と下位のスコ
1)ア 層 が 同 一 火 口 か ら 放 出 さ れ た ス コ リ ア に よ っ て 形 成 さ れ た と す れ ば , 火 口 墜 と み な さ れ る 不 整 合 面 は 噴 火 に よ っ て か な り 乱 さ れ て い て よ い は ず で あ る
Oま た , 他 の 火 口 が 近 く に 開 い た と す れ ば , 上 位 ス コ リ ア 層 の 下 部 に は 多 量 の 異 質 岩 片 が 包 有 さ れ て い て よ い は ず で あ る 。 し か し , 不 整 合 面 は 滑 ら か で , 上 位 ス コ リ ア 属 は 異 質 岩 片 を 包 有 せ ず , 他 の 火 口 も 認 め ら れ な い
O従っ て,上位スコ
1)ア 層 は 噴 火 そ の も の に よ っ ぞ 形 成 さ れ た の で は な く , 崩 壊 に よ る 二 次 的 堆 積 物 で あ る 。 高 塚 山 火 山 は , 上 位 ス コ リ ア 層 の 形 成 後 も , 山 体 の 北 西 側 を 断 層 活 動 に よ っ て 失 っ た と 考 え ら れる
OI I I . 離 原 山 火 山
A.基 盤
仁 新 第 五 系 : 変 質 火 山 岩 類 お よ び 凝 灰 角 際 岩 が , 船 原 ) 1
1中 流 の 船 原 温 泉 か ら 新 田 に か け てよく露出する
O変 質 火 山 岩 類 は プ 口 ピ ラ イ ト と 珪 化 さ れ た 石 英 安 山 岩 で あ る
Oこの石英安山岩は,
数 旬 開 大 の 石 英 斑 品 を 多 数 含 有 し , 微 粒 の 黄 鉄 鉱 を 散 在 さ せ る 。 凝 灰 角 球 岩 は 暗 級 色 を 笠 し , 凝 灰 質 砂 岩 を 挟 む こ と も あ る
Oこれらの は , か ら い わ ゆ る 湯 ガ (沢村,
1955b)に属
するものと考えられる。
船 原 山 火 山 の 東 部 と 北 部 お よ び 新 田 西 方 に , 安 山 岩 類 が 露 出 し , 変 質 火 山 岩 類 を 被 う
Oこの安山 は狩野安山岩類(沢村,
1955 b)と命名されている
Oその岩質は普通輝石・紫蘇輝石安山岩で,
か ん ら ん 石 ま た は 普 通 角 閃 石 が 含 ま れ る こ と も あ る 。 新 田 西 方 の 石 切 場 で 見 ら れ る も の は , 厚 さ 約
100 rnに 達 す る 角 閃 石 安 山 岩 溶 岩 で 多 数 の 包 有 岩 石 を 含 み , 柱 状 節 理 の 発 達 が 著 し い 。 船 原 山 火 山 東 の 沢 の 安 山 岩 類 は 凝 灰 岩 お よ び 凝 灰 角 球 岩 を 伴 う
OL
繍場火山噴出物:この噴出物は,船原山火山の西方で、見られ,凝灰角磯岩と火山灰または火 山 喋 凝 灰 岩 の 五 層 か ら な り , 紫 蘇 輝 石 ・ 普 通 輝 石 安 山
器 @ 火 山 体
を伴う。
船 原 山 火 山 ス コ リ ア 丘 ( 海 抜 約
330rn)は,船原]1
1北 岸 の 新 第 三 系 丘 陵 の 南 斜 面 ( 船 原 温 泉 付 近 ) に噴出した。船原)1
1沿 い の 南 麓 に は , か ん ら ん 石 玄 武 岩 の 小 溶 岩 流 が 露 出 し て い る
O溶岩流には,
流理構造と板状節理が発達している。この火山の基底は船原)1
1に か か る 落 合 橋 , 平 和 公 園 に 通 じ る 道路筋, ジャパカ沢で見られる
O落 合 橋 で は , 玄 武 岩 と 安 山 岩 の 巨 礎 を 含 む 段 丘 礎 層 が 変 質 さ れ た 石 英 安 山 岩 を 不 整 合 に 被 い , 段
丘 磯 層 は 厚 さ 約
1rnのローム}曹とこの上にのるやや明るい掲色の火山灰に被われている。この火山
灰 は , 厚 さ 約
500rnの 細 粒 ス コ リ ア 麗 に 被 わ れ , か ん ら ん 石 玄 武 岩 溶 岩 が こ の ス コ リ ア 層 を 被 う ( 図
版 2 )。溶岩はローム層に被われる。平和公園に通じる道路筋の崖では,厚さ数協の粗粒スコリア
かんらん
h̲J~山司 I 、 }船原山火山噴出物
スコリア
u..吋~ぷ‘ユ!.I
~
槻場火山噴出物
E
ヨ
四 E
第
2図 訟 原 山 火 山 地 質 図
が ロ ー ム 屈 を 不 整 合 に 被 い , さ ら に ロ ー ム と
3枚の いスコリア f 替の耳層がこの粗粒スコリア を被っている。粉粒スコ
1)ア層には
400 m大 の 紡 錘 状 火 山 弾 が 多 数 含 ま れ て い る
Oジヤパカ沢では スコ
1)ア層は凝灰角 を直接被う。
船 原 山 火 山 噴 出 物 は 一 般 に 口 一 ム 騒 に 挟 ま れ て い る
Oロ ー ム 層 は 通 常 約
2怖 の 厚 き で , 高 塚 山 に おいて見られるものと な相異.はないので,
山灰かもしれない。グミノ木沢中流では,
不 整 合 に 葉 な り 合 っ た ス コ リ ア 層 が 見 ら れ , 基 盤 由 来 の わ ず か の 石 英 安 山 岩 岩 片 を 包 有 し て い る 。 グミノ木沢の西(数沢)1
1北 岸 ) に 露 出 す る ス コ リ ア 層 は , 石 英 安 山 岩 , 安 山 岩 , 凝 灰 角 礎 岩 の 時 に
500 m大 に 達 す る 基 盤 岩 片 を 多 数 包 有 し て い る
o船 原 山 火 山 噴 出 物 を 被 う ロ ー ム 層 の 上 部 に は , 黒 躍 岩 岩 片 を 含 有 す る 薄 い 軽 石 患 が 挟 ま れ て い る 円 こ の 軽 石 層 は , 層 序 と 岩 質 か ら , 船 京
Jllの 南 の 地 域 に 広 く 見 ら れ る カ ワ ゴ 平 火 山 の 噴 出 物 (2, 830 土
120年
B. P. )(遠藤,
1965)である
Oc.
火 山 体 の 形 成
船 原 山 火 山 は 段 丘 堆 積 物 古 富 士 火 山 灰 と 思 わ れ る ロ ー ム 層 お よ び カ ワ ゴ 平 火 出 軽 石 噴 出 物 と の 関 係 か ら , 最 初 期 完 新 世 に 活 動 し た と 考 え ら れ る
O火 口 は 現 在 の 地 形 と 放 出 物 の 大 き さ か ら , 平 和 公 園 付 近 の 白 地 に 開 い た も の と 考 え ら れ る
Oグミノ木沢の西の異質岩斤を多数包有するスコワア層は,
‑47
初期の噴火が高塚山火山と同じく爆発的であったことを示している。スコリアの放出はローム層と の互層およびグミノ木沢の不整合から考えて,数回繰り返されたであろう
O船 原 山 火 山 ス コ リ ア 丘 は,高塚山火山スコリア丘と比較して,はるかによく原形を保っている。
N.
かんらん石玄武岩
j 容岩は暗灰色を呈し,完品質,鍛密で,かんらん石の斑品が無数に見られる
O溶岩の石基は,間 粒組織と流状組織をかねそなえるが,褐色ないし無色ガラスも少量含む。船原山漆岩の石基鉱物は,
高塚山溶岩のものよりも粗粒である。火山弾は多孔質,細粒で,褐色ガラスに富む。かんらん石の 斑品は火山弾にも見られる。
弾の方が多い
Oかんらん石は溶岩にも火山弾にも含まれているが,その量は火山
かんらん右斑品は
1側大で, しばしば複雑な結品形を示す。高塚山溶岩では, 自形結晶は個数比 で19% ,骸品は
70%,九味をおびた結晶は
11%である
O高塚山火山弾では,それぞれ
8% ,
51%,
41%である
Oかんらん石斑品は外縁で、弱い正規累帯をなし,ト)
2 Vの変化は,溶岩では内核から外縁へ
870~820
,火山弾では
920~860 である。かんらん石斑品のけ 2V は,一般に溶岩よりも火山弾
の方が大で¥船原山火山弾には(サ
2 Vを示すかんらん石斑晶が時に見られる
O在基かんらん石の(ー)
2 Vは,高塚山 と火山弾では
810,売合!京山のそれらでは
840である。わずかのピコタイト微品が,
かんらん石斑品に多数の磁鉄鉱と共に包有きれている。斑品および石基のかんらん在は,部分的に 赤褐色のイディングス石に変質している
Oと火山弾のかんらん石斑品の組成は
X線粉末法により d130を求めて
(Yoder&
Sahama,
1957)えられた(第
1表
)0 ( Si が内部標準として用いられ,銅のターゲットが使用された円)えら れた結果は,火山弾のかんらん石斑品が溶岩のものより
Fo成 分 に 富 む こ と を 示 し ( ‑ ) 2 Vの値とよく一致している。
第 i表 かんらん石玄武岩中のかんらん芯斑品の X 線粉末回折による化学組成
d
130( A)
M ole % Fo Wt % Fo( 1 )
2.7 8 4 5 7 2 .2 6 6 .4 (2) 2.7 8 1 2 7 7 .2 7 1 .6 (3) 2.7 8 8 7 6 6 .0 5 9 .0 (4) 2.7 749 8 6 .6 8 1 .7( 1 ) , ( 3 ) 溶岩, および船原山. ( 2 ) , ( 4 ) 火山弾, および自合罪、山.
普通輝石の微斑品ないし斑品は,いずれのかんらん石玄武岩にも少量含まれるが,紫蘇緒石の斑 品ないし微斑品は船原山漆岩にのみ少量みられる
O紫蘇輝石斑品は
1慨以下の大きさで,普通輝石 粒に包囲されており, しばしば斜長石の微品を包有する。普通輝石微斑品は弱い正規累帯を示し,
その什)
2 Vは,溶岩では520‑530
,火山弾では
430‑490
である。紫蘇輝石斑品の(寸
2Vは6
40である
O高塚山かんらん石玄武岩の石基輝石は普通蜂石のみで, しばしば正規累帯を示す。この
の 判
2V'ま内核から外縁へ,溶岩では
500‑280,火山弾では
530‑410と変化する。従って,外縁部 はピジオン輝石皆普通輝石である
O船 原 山 か ん ら ん 石 玄 武 岩 の 石 基 輝 石 は , 紫 蘇 結 石 お よ び 正 規 累 を示す普通輝石からなる
Oこの石基紫蘇輝石の ( ‑ )
2 Vは
60:石基普通輝石の(サ
2 Vは
580‑460で
ある。 およ は砂時計捧造を示し,分散が強いのでややチタンに富んでいると
えられる。
に含まれる鉄鉱と火山弾に含まれる鉄鉱は組織上,著しい桔異を示す
Oす な わ ち , 高 塚 山 溶 の粗粒チタン磁鉄鉱および船原山溶岩の微斑品と石基の磁鉄鉱は,チタン鉄鉱の離溶ラ メラと連品しているが,高塚山火山弾の磁鉄鉱はチタン鉄鉱の離溶ラメラと連品していない。また,
磁 鉄 鉱 お よ び チ タ ン 磁 鉄 鉱 の 思 囲 と 壁 開 に 沿 っ た 部 分 は わ ず か に 赤 鉄 鉱 に 変 わ っ て い る 。 高 城 山 火 山弾の石基には赤鉄鉱と黄鉄鉱もわずかに見られる
O斜長石斑品は
1伽大で,半白形ないし自形をなす。累帯は結品の外縁で、見られ,一般には正規累 帯であるが, まれに逆やパッチ状の累帯を示すこともある
Oまた,ちり状物質を包有する斜長石や 蜂巣状構造を有ーする斜長石がまれに見られる
o高 塚 山 溶 岩 に は 斜 長 石 と か ん ら ん 石 の 集 斑 状 組 織 が ごくまれに見られる
O斜 長 石 斑 品 は 船 原 山 溶 岩 に は 見 ら れ な い 。 石 基 斜 長 石 は 正 規 累 帯 を 示 す 。 船 原、山 j 容岩の石基斜長石のへりにはアノーソクレスが生じている。斜,長石斑品の組成は,高塚山
ではAn93~82
( γ 1 .
584,
α1 .
568) ,高塚山火山弾で、は An93~85( γ 口1.
584,
α =1 .
567)である
o若基斜長石の組成品,高塚山溶岩では
An83‑54(y 1 . 579 ,
αこ こ 1 .
556), 船 原 山 溶 岩 で は
An83‑74 (
γ 二 二 1 .
579,
α1 .
565),高塚山火山弾では
An86‑56 (γ 1 .
580,
α1 .
557)である
O斑 品 お よび石基の斜長石はかなり石灰質である。
これらのかんらん石玄武岩は時おり
3慨大にもおよぶ石英斑品を 局間を普通煙石粒や褐色ガラスにとりかこまれている。このような
との石英と斜長石がかんらん石玄武岩質マグマに取り込まれ反応、して 来結品であろう。蜂巣状組織を示す斜長石も外来結品であろう。
。石英斑品は丸味をおび¥
および逆累帯斜長石は,も じたと考えられるので,外
V.
岩 石 化 学 お よ び 考 察
‑ 3個 の か ん ら ん 石 玄 武 岩 す な わ ち , 高 塚 山 溶 岩 , 同 火 山 弾 お よ び 船 原 山溶岩の総化学組成とノルムが第
2表に示きれている
O主要化学成分は通常の重量法,
Ti
O2Mn
0 . P2 05は比色法, N
a20.K
2 0は炎光法, H
20什)はペンフィールド法によって求められ た。特に,アルカ
1)の 値 は 分 析 誤 差 を 考 慮 し て , 同 一 試 料 か ら 作 っ た 濃 度 の 異 な る 数 種 の 試 料 溶 液 を数回測定して求めた平均値である
o高 塚 山 お よ び 船 原 山 の か ん ら ん 石 玄 武 岩 は 石 英 外 来 結 晶 を 含 む が 珪 酸 に 不 飽 和 で , 高 塚 山 溶 岩 で は
7.8%,高塚山火山弾では1.
9%,船原山溶岩では1.
4 %のノルムかんらん石を含む。高塚山と 船原山の溶岩のノルムかんらん石の重量組成はそれぞ、れ, F
064.1 F
0 57.1 で,高塚山火山弾のそれ は
Fo63.2である。火山弾のノルムかんらん石が溶岩のものよりも
Fo成分に乏しいのは, 両者の 石 基 か ん ら ん 石 の 組 成 に 相 異 は な い の で , 火 山 弾 の 石 基 か ん ら ん 石 の 量 が 溶 岩 よ り も 多 い た め と 考
えられる
O溶岩の
M宮
Oの 含 有 量 が 火 山 弾 よ り も 高 い の は , か ん ら ん 石 斑 品 が 溶 岩 中 に よ り 多 く 含 まれるからであろう。いっぽう
x線的に求められたかんらん石斑品の重量組成は,高塚山と船原山
‑49‑
山 の 溶 岩 で は そ れ ぞ れ
Fo66.4,
Fo59.0で , 火 山 弾 で は そ れ ぞ れ
Fo71 .
6,Fo81.7 で あ る (
1表 ) 。
2表 かんらん石玄武岩の総化学組成とノルム
(1) (2) (3) (1) (2) (3) SiUz 48.86 49.02 49.74 q
TiOz 0.82 0.64 0.92 2.2 2.2 2.2 AlzO 3 18.91 18.56 18.37 f ) ab 22.0 2
1 .
5 22.6 FeZ0
3 2.84 3.22 3.03 an 38.7 38.1 37.0 FeO 7.25 7.07 7.78 ap 0.00 0.00 0.1 MnO 0.36 0.23 0.361 .
51 .
21 .
8 M只O 8.13 6.84 7.14 mt 4.2 4.6 4.4 CaO 9.41 9.97 9.32 13.2 15. 4
16.6 NazO 2.61 2.56 2.67 pyr 1 f s 6.7 8.7 10.0 KzO 0.38 0.42 0.41 wo 3.3 4.8 3.5 PZ0
5 0.04 0.07 0.10 。l 5.01 .
2 0.8 Hz0 (十)
0.601 .
68 0.24 fa 2.8 0、
7 0.6日
O 0.15 0.08 tr.Total 100.36 100.36 100.08 Cr ppm 106 113 150
(1)漆岩,高塚山北側の谷
(2)火山弾,高塚山 中腹の採在場.
(3)溶岩,船原、山南麓の落合橋 付近. (分析者:湯佐泰久
Crの分析者:白木敬一氏)
高 城 山 お よ び 船 原 山 か ん ら ん 石 玄 武 岩 は , 伊 豆 箱 根 地 方 の ソ レ イ ア イ ト
(Kuno,
1950)より
SiOz.CaO
に乏しく
Al203・アルカ
1)に富み, 住 本 付 近 の ア ル カ リ か ん ら ん 右 玄 武 岩
(Tomita,
1935)よりアルカリに乏しく A1
30
3に 富 む 。 両 火 山 の か ん ら ん 石 玄 武 岩 は , 高 塚 山 南 方 の 大 室 山 火 山 群 お よ ぴ 天 城 火 山 群 の か ん ら ん 石 玄 武 岩
(Kuno,
1954,
1960;倉沢,
1959)と 鉱 物 組 成 , 化 学 組 成 上 類 似 し て い る の で , こ れ ら と 一 連 の も の と 考 え ら れ る 。
高 塚 山 か ん ら ん 鉱 物 組 成 と 化 学 組 成 は , 高 塚 山 東 方 6仇に する 山火山群の 雲山のかんらん石玄武岩
(Kuno,
1954)にとりわけ似ているので, 高塚山かんら も伊豆箱根
地方の未分化高アルミナ玄武岩マクV に近いもの
(Kuno,
1968)と考えられる。高塚山かんらん石玄武岩 にアノーソクレスが見られないのは, この玄武岩が巣雲山の玄武岩よりも細粒石基をもつほど急冷され,
ア ノ ー ソ ク レ ス が 品 出 す る に 主 ら な か っ た た め と 考 え ら れ る 。 船 原 山 か ん ら ん 石 玄 武 岩 は 石 基 紫 蘇 輝石を が , そ の 化 学 組 成 は 高 塚 山 か ん ら に 酷 似 す る の で , 同 ー の 高 ア ル ミ ナ 玄 武 岩 マク、、?に由来するカルク・アルカリ玄武岩であろう
oこ れ ら の か ん ら ん 石 玄 武 岩 は 石 英 や 斜 長 お の 外来結品を包有しているが,よく似た化学組成をもっているので,混成作用によるマク、、マの組成変 イ七はほとんどなかったであろう
O高 塚 山 溶 岩 と そ の 火 山 弾 の
Crは ,
MgO含 有 量 の ん ど 等 し い 。 こ れ は 両 者 の 分 化 の 程 度 が 同 じ で あ る こ と を 相 異 は か ん ら ん 石 含 有 量 の 差 に よ る
Oい っ ぽ う , 船 原 山
に も か か わ ら ず , 約
110ppmでほとしている
O両 者 に お け る
M記
O含 存 量 の
Crは
150ppmで高塚山のも
のよりも多い。これは,カノレク・アルカ
1)玄武岩のCr 含有量がその他の玄武岩より高い傾向を示すこと
(Shiraki
, 1966) と 一 致 し て い る 。 巣 雲 山 か ん ら ん 石 玄 武 岩 の
Cr20として
O. (C r 274ppm)という高
Cr含 宥 量 (Kuno,
1968),えこの玄武岩が高塚山のものと比較して,
マク、、マのより早期の分化物
(Wager & Mitchell,
1951)であることを示すのであろう
O山 , 高 塚 山 お よ び 括 原 山 の か ん ら ん 石 玄 武 岩 の ア ル カ リ 含 有 量 に 明 瞭 な 相 異 は 認 め ら れ な い 。 ただ, そのアルカ J I 含 有 量 は 巣 雲 山 か ら 高 塚 山 を へ て 船 原 山 へ と 伊 豆 半 島 を 西 へ た ど る に つ れ て わ ず か に 増 加 の 傾 向 を 示 す よ う で あ る
Oグ 〉
に,高塚山および船罪、山部火山は火山弾ないしスコリアを放出し,
の 相 異 は ど の よ う に し て 生 じ た の で あ ろ う か ? 火山弾は号の溶岩よりも
H O(十)に富む。両者の
をも流出したが, こ
f f /
︐q o
ハvつω O
比 は そ れ ぞ れ0.46 ,
0.39
で 火 山 弾 が 溶 岩 よ り も 酸 化 さ れ て い る
O火山弾と タ イ ト に 変 質 し て い る 。 火 山 弾 に は , 丸 味 を お び た れている
Oま た , 火 山 弾 の か ん ら ん 石 斑 品 の 組 成 は
は されて,マル
か ん ら ん 石 斑 品 が 溶 岩 の 約 4倍も多く含ま のものよりも
Fo成分に富んでいるが,
かんらん石には じである。
は見られなし玉 。 か ん ら ん 石 に 見 ら れ る こ れ ら の は ほ ぼ 完 品 質 で , そ の チ タ ン 磁 鉄 鉱 は チ タ ン
は,船原山についても ラメラを伴う
Oその 火 山 弾 は ガ ラ ス 質 で チ タ ン 鉄 鉱 の 離 溶 ラ メ ラ を 含 ま ず , 孔 隙 付 近 の 石 基 鉱 物 や 磁 鉄 鉱 中 の 包 有 物 と して少量の磁硫鉄鉱と黄鉄鉱を伴う
O火 山 弾 , 溶 岩 お よ び そ れ ら の 鉱 物 に 見 ら れ る 組 識 お よ び 化 学 組 成 上 の 相 異 か ら , 次 の よ う な こ と が 推 論 で き る
O火 山 噴 火 の ま え に マ グ マ 溜 り 中 の マ グ マ に , 水 を 主 と す る 揮 発 成 分 の 濃 集 に よ る 水 蒸 気 圧 の や や 高 い 部 分 と 水 蒸 気 圧 の 低 い 部 分 が 生 じ た 。 前 者 で は,水の分解による酸素分注の増加のために,マグ、マは酸化されその温度が一時的に上昇し,すで に 品 出 し て ゆ た か ん ら ん 石 斑 品 は 融 蝕 さ れ 逆 に
Fo成 分 に 富 む に 至 っ た の で あ ろ う 。 火 山 弾ないしスコ
1)アは このようなマグマが爆発的に空中放出され急、冷して生じたと考えら札る
O水 蒸
の 低 い 後 者 は , 溶 岩 と な っ て 流 出 し , 酸 素 分 庄 も 低 か っ た と 思 わ れ る の で , か ん ら ん 石 斑 品 は 融蝕されなかったのであろう。
Osborn (1962)も 酸 素 分 圧 の 桔 異 に よ る 玄 武 岩 マ グ マ の 性 質 の ち が い に つ い て 述 べ て い る
O溶 岩 と 火 山 弾 に 見 ら 札 る 上 述 の 成 国 上 興 味 あ る 点 の 詳 し い 結 ぴ つ き に つ
い て は , な お 今 後 の 研 究 に 侠 ち た い
O引 用 文 献
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C刀 心コ
図 版 I (湯佐・黒田)
山 P~jl剖中腹の採石場におけるスコリア丘。
の成}脅したスコリア層はもとのスコリア止で¥
J
次 的 の ス コ リ ア 層 が そ の 上 に 不 整 合 に 堆 積 し て い る
O中央の
← ・ 音 s r と考えられる
Oは も と の ス コ リ ア 丘 火 口
国 版
2(湯佐・黒田)
落 合 碕 付 近 に お け る 船 原 山 火 山 の 上 右 ートニコル
X29高塚山 か ん ら ん 石 斑 品 に は 骸 品 状 を な す も の も多い
O下左 十 ニ コ ル
X29高塚山火山弾。方、ラス おぴた結品がかなり多い。
右 十 ニ コ ル
X 29船 原 山 溶 岩 。 か ん ら ん 石 と
とかんらん
の斑品が,
。 本 火 山 弾 の か ん ら ん 石 斑 品 に は や や 丸 昧 を
質粗粒の 中に散在している
OA告
Fh u