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Academic year: 2021

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博士学位論文審査の要旨

【学位論文審査の要旨】

現行の CT 装置は,連続 X 線を用い被検者内の線減弱係数( μ )の差を CT 値として 画像化する手法である。しかし,被検者の厚みが増大するほどビームハードニング効果 の影響により,想定されていた透過強度より強い透過強度の X 線が検出器に到達する ため正確な μ が得られない。一方,単色X線は物質内でビームハードニング効果の影響 が無いことから正確な μ を反映した画像が得られ, Dual Energy CT ( DECT )は仮想的 な単色 X 線画像( virtual monochromatic X-ray image : VMI )を作成することが可能であ る。この VMI により正確な μ を導き出すことができれば,再構成画像の各 pixel の吸収 線量を推定することが可能と考えたものである。

本論文は, DECT により得られる VMI と画像再構成技術を融合した臓器線量評価に 関する一連の研究をまとめたものである。さらに,この研究は「医療被ばくに対する行 為の正当化と防護の最適化」を探求する上でもっとも重要となる被検者の臓器線量評価 法解析プログラムの確立を目指したものである。

このとき,必要な基礎データとして以下の 4 項目が必要である。① μ 変換式の作成,

②ビームデータの作成,③入力値 I

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の作成,④ Filtered back projection ( FBP )法による 吸収線量評価用画像の画像再構成法,である。開発した解析プログラムの精度を検証し たところ,人体等価の頭部ファントムによる評価では, 40 keV の VMI を利用すること により,実測値と計算値では最大 10% の相対誤差で評価できることを明らかにした。さ らに水晶体に関しては相対誤差 0.21% と非常に小さい結果であった。

また解析プログラムから計算された値は実測値に対し,常に過大評価の結果を示した。

すなわち,放射線防護上の観点から考えると,安全に使用できる解析プログラムといえ る。以上のことより,解析プログラムの有用性を証明することができた.

現在の CT 検査では被検者の受けた被ばく線量を評価するシステムは普及していない。

そのような現状に対し,この解析プログラムのように短時間で計算でき,臨床画像をマ ウスポインタでワンクリックするだけで臓器線量が評価できれば,臨床での有用性は高 いと考える。特にこの解析プログラムに用いられている,ボウタイフィルタや FBP な どの技術は現在の CT 装置に既に組み込まれている技術である。よって特別な装置や技 術を新たに開発する必要がなく,本研究から導き出された解析プログラムを装置に組み 込むだけで,臨床画像から臓器線量を短時間に評価することができると考える。

最終試験では臨床適用時に際して, X 線 CT 装置システムの必要条件・解析時間・実 測値と計算値との差異・解析プログラムの拡張などに対して,詳細かつ的確に回答を述 べた。さらに今後の課題や発展性も具現性を持つ内容であった。

以上より,論文審査および最終試験を合格とする。

参照

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