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4. 地上局
本衛星のノミナル寿命は30日と短く,さらに打 ち上げ初期の段階では衛星姿勢を制御するのに時 間を費やすため,ミッションが行える時間は限られ てしまうと考えていた.TRICOM-1Rの軌道は傾斜 角が31°という西から南側を通って東に通過する軌 道である.さらに高度が160 km ~ 2000 kmと変化 する.このため,打ち上げてからの条件の良い運用 回数がミッション成功につながっている.
そこで,本ミッションではJAXA/ISASとも検討 し,JAXA内之浦宇宙観測所に新たにアンテナを設
置した.アンテナの外観図を図3に示す.送信局は 図3 内之浦新設設置アンテナ 内之浦以外に東京電機大学鳩山キャンパスにも設置
し,メイン局を内之浦,サブ局を東京電機大学とした.東京電機大学鳩山キャンパスに設置したアン テナは,打ち上げ直後に数十秒だけ可視範囲になる可能性があったため,打ち上げ時には衛星分離が 行われ,正常であれば電波がでると想定される方向にアンテナを固定し,信号の確認を行った.
5. 運用結果
TRICOM-1Rは分離後に電波送信を開始する仕組
みとなっており,打ち上げ直後の14時11分16秒
(JST)に,東京電機大学鳩山キャンパスに設置した地
上局で初期信号の受信に成功した.受信したデータ から,衛星の健全性および分離の成功を確認するこ とが出来た.さらに,最初の日本上空通過時(15 時 56 分 JST)にて,内之浦地上局で信号受信に成功,
TLEが公開されてからはコマンドアップリンクにも (a)チベット周辺 成功した.2月4日までにはテレメトリ・コマンド
運用を確立し,バス機器のチェックアウトを終了 し,クリティカルフェーズを完了するとともにメイ ンミッションであるS&F実験を実施した.その後,
各ミッション機器の機能実証に移り,メインカメラ による撮影ミッション,小型カメラによる撮影ミッ ション,即時観測ミッションの実験,ロケット第三
段データの転送を実施した.2月12日には各ミッシ (b)中国周辺
ョンが成功し,衛星のフルサクセスまでの到達を確 図4 小型カメラによる撮影画像 認した.S&F実験では,特定小電力であるLoRa変
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7. 謝辞
本実験を実施するに当たり,ご協力いただきました観測ロケットSS-520-4号機,SS-520-5号機プロ ジェクトメンバーの皆様,中澤賢人様,アンテック鎌田幸男様に深く御礼申し上げます.
TRICOM-1Rは,経済産業省「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(民生品を活用した宇宙機
器の軌道上実証)」によって助成されたものである.
8. 参考文献
1)松本健,青柳賢英,中須賀真一: 超小型衛星におけるStore and Forwardミッションの成果, 電気 学会東京支部埼玉支所研究発表会, 2017/3/7
2)青柳賢英,松本健,中須賀真一:3U-CubeSat「TRICOM-1」衛星バスの開発,第61回宇宙科学技 術連合講演会,2017年10月
3)松本健,青柳賢英,中須賀真一:超小型衛星TRICOM-1におけるStore and Forwardミッション,第 61回宇宙科学技術連合講演会,2017年10月
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