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S1-03 パーキンソン病治療に対するCell-based therapy

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Academic year: 2021

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略 歴

1986 年 2 月 京都大学医学部卒業

1986 年 4 月 京都大学医学部脳神経外科研修医

1993 年 3 月 京都大学大学院医学研究科博士課程修了。博士(医学)。

1993 年 12 月 京都大学医学部脳神経外科助手

1995 年 1 月 米国ソーク研究所 (Dr. Fred Gage) ポスドク研究員 2003 年 8 月 京都大学医学研究科脳神経外科講師

2007 年 4 月 京都大学再生医科学研究所 生体修復応用分野 准教授 2012 年 7 月 京都大学 iPS 細胞研究所 臨床応用研究分野 教授

現在に至る。

シンポジウム iPS 細胞の臨床応用の実際

10 月 21 日(金) 9:00 ~ 12:00 第 1 会場(栃木県総合文化センター 1F メインホール)

座長:福田 恵一(慶應義塾大学医学部循環器内科 教授)

S1-03 パーキンソン 病 治 療 に対 する Cell- based therapy

京都大学 iPS 細胞研究所 臨床応用研究部門 教授

たかはし

橋  淳

じゅん

神経疾患に対する細胞移植治療では、移植された細胞が神経細胞として機能し、神経回路を再構築する ことが重要である。さらに、パーキンソン病に対する細胞移植では、移植細胞からのドパミン分泌が期待で きるだけでなく、L-ドパからのドパミン合成を促すことによりドパミン製剤の効きをよくすることも期待できる。

逆に細胞の生着や成熟を促すような薬剤を同時に使うことによって細胞移植の効率を高めることができる。こ のように、単に細胞を移植するだけではなく、細胞を中心に、薬物治療やさらにはリハビリテーションを組み 合わせた「Cell-based Therapy」を展開することが重要となる。

我々は iPS 細胞を用いて、齧歯類以外に霊長類パーキンソン病モデルも用いて移植細胞の機能解析を行っ ている。これまでの研究では、ヒト ES 細胞から誘導した神経前駆細胞をパーキンソン病モデルカニクイザ ルの両側線条体に移植したところ、12 か月の経過観察で腫瘍形成はみられず、行動改善が明らかとなった。

PET 検査では移植部位での 18F-DOPA 取り込み上昇が観察され、12 か月後の脳切片の組織学的解析では 多数のドパミン神経細胞が生着していた。つまり、移植された細胞がカニクイザル脳内でドパミン神経細胞と して機能していることが確認された。

臨床応用に向けて、まずラミニンフラグメント(LM-E8)を用いて培養皿のコーティングをすることにより、

マウスフィーダー細胞を使わずに大量の神経誘導を行う技術を開発した。さらに、コリンという floor plate の 特異的表面マーカーを用いて、ドパミン神経前駆細胞のみを選別するセルソーティング技術の開発を行った。

これにより、ドパミン神経細胞の純度が高まり不必要な増殖性細胞(未分化 iPS 細胞や初期神経幹細胞など)

を取り除くことができ、有効かつ安全なドパミン神経前駆細胞を安定して作製することが可能になった。

神経細胞移植においてはホスト脳の環境も重要である。我々は移植されたドパミン神経前駆細胞の生着や シナプス形成を向上させるためのホスト脳環境改善にも取り組んでいる。ドパミン神経細胞の生着が違う脳環 境の遺伝子発現プロファイルを比較検討することにより、Neurexophilin 3(NXPH 3)がドパミン神経細胞の 生着を向上させることを明らかにした。さらに女性ホルモンであるエストロゲンを投与することによって移植さ れたドパミン神経細胞とホスト脳の線条体神経細胞とのシナプス形成が促進されることも明らかにした。これ らの結果は細胞移植効率の向上に繋がるものと期待される。

本講演ではこれらの iPS 細胞を用いたパーキンソン病治療開発研究の現状を紹介し、臨床応用に向けた

課題や展望について述べる。

参照

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