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伝統的密集市街地の道における道路空間の特性 

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Academic year: 2022

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(1)

キーワード:密集市街地・スプロール・路地

連絡先:〒400-8511 甲府市武田

4-3-11 山梨大学土木環境工学科

1:道路空間の景観的特徴を評価する指標

塀の有無 玄関の有無

建築様式

前面壁面 隣地建物間距離

セットバック

幅員 線形 視距離 交差点間距離

曲線

路面舗装

側面壁面

D/L

建蔽率 容積率

D/H 敷地面積

道 空 間 の 景 観 的 特 徴 を 評 価 す る 指 標

ベランダ 素材

素材

沿

ディ テー ル

(砂利・石畳・アスファルトなど)

(石垣・生垣・フェンス・コンクリートブロック)

庭の植栽 表出

基 盤 形 態

ベランダ 直線 折れ線

④隣地建物間距離

隣地建物間の距離は景観に影響を与 える。(f)は壁面を共有する。(g)は庭 ではない隙間を持つ。(h)は庭がある。

基 盤 形 態

二人が並んで歩ける(約一間−約1.8m)

一人が歩ける(約半間−約0.9m)

②玄関の向き

玄関の向きは道空間に影響を与える。

(a)は玄関が道に接している。(b)は道 に接していない。

③セットバック

建物の壁面が道路と敷地の境界線に 接しているかいないか、また道路側に 庭があるかは道の景観に影響を与え る。

意味

ヒューマンスケールで捉え、人が何人並ん で歩けるかという精度で道の幅員を捉え 三人が並んで歩ける(約一間半−約2.7m) た。

指標 分類

①幅員

(a) 正面

(b)側面

   背面 道

敷地もしくは建物 玄

(c)なし (d)あり (e)庭あり 建

物 道

(f)なし (g)あり (h)庭あり 建

物 庭

伝統的密集市街地の道における道路空間の特性 

山梨大学土木環境工学科 学生会員 ○片岡健一  山梨大学土木環境工学科  正会員  大山勲   

1.背景・問題意識 

密集市街地の道は「防災上危険」、「住環境が悪い」などの悪 い面と「安全な歩行空間」、「懐かしさ」、「親しみ」1)、などの良い 面の両面の評価がある。また京都や佃・月島などの良い面での 定評のある密集市街地の評価も、「表出」や「ファサード」2)など の部分的要素や、農地の密集プロセス3)は明らかにされている が、全体的な道路空間特性、あるいは密集プロセスと景観の関 係については十分に示されているとは言い難い。 

2.目的: 

本研究では密集市街地の道路空間の特徴を明らかにする。 

3.方法 

(1)対象地 

地方小都市の密集市街地である山梨県西八代郡市川大門町 の道炉空間を主対象とし、さらに比較対象として代表的な密 集市街地を 5 地域選択する。都として「京都」。町人町であり、

計画的な漁村として「佃・月島」。自然発生的な漁村として「愛 知県半田市亀崎町」。農地からスプロール的に発展した地域 として、大都市周辺で震災後と戦災後に密集した「京島」。地 方都市周辺でモータリゼーション以後に密集した「山梨県甲 府市国母」。以上の計 6 地域を対象とする。対象とする道路は 幅員 4m未満とする。 

(2)特徴を捉える方法 

 道路空間の景観的特徴を評価する指標を整理した。(図1)

対象地の現状把握・時代背景・密集プロセスを調査し、現地調査を行った結果、密集市街地の道路空間の特徴を 捉える指標として、こ こでは表 1 に示す指 標に着目した。表 1 に 示されていない図 1 の 指標は、表 1 の指標 の要因と考えられるも の 、 あ る い は 密 集 市 街地の道では影響力 が弱いと考えた。 

   

表 1:密集市街地の道空間特徴を把握するための指標 

(2)

4.対象地の特徴 

評価指標を用いて対象地の道路空間の特徴を示す。 

(1)市川大門町   1) typeA   

   

2) typeB   

       

(2)京都   

       

(3)佃・月島   

         

(4)亀崎   

     

(5)京島   

   

(6)国母   

       

5.これらの特徴を作りだした密集プロセスと要因 

(1)市川大門町 

1)type A:江戸時代に基盤が形成された地域で、裏 敷地の分割によってできた住宅へのアクセス路であ る。 

2)type B:戦後からモータリゼーションにかけて、type  A の周辺に形成された地域で、農地のスプロール によって作られ、道は土台の田畑の影響を受けて いる。 

(2)京都:都として計画的な密集地であるが、人口増加 により裏敷地が密集し、裏敷地へのアクセス路とし て町家の隙間が道となっている。 

(3)佃・月島:工場の工員の住宅として裏長屋が作られ、

それが一戸建てとなり現在の道空間を作った。道 は通りと通りをつなぐ道である。 

(4)亀崎:海に面した傾斜地に立地し、家も道も海へと向 かう典型的な漁村の景観となっている。玄関の位 置や道路幅員などの基盤も地形と生業の影響に よる。 

(5)京島:震災と戦災によって、長屋が農地を土台に立 地し、現在では一戸建てであるが、形成時期はモ ータリゼーション以前であるため、道が車に対応し た幅員となっていない。 

(6)国母:農地の無秩序な宅地化であるが、京島とは時 期を異にしており、モータリゼーション化以後のス プロール的な開発によって作られたため、車が通 れる幅員である。 

6.考察とまとめ 

以上のような指標によって密集市街地の基盤的特徴 を明らかにする事ができた。またそれが、過去の土地 利用と密集プロセスに影響を受けている可能性を示 唆できた。 

 

1 土木学会誌「特集 21 世紀の都市問題・密集市街地にどう取り組むか」 

2001 年 8 月号 島村昇・鈴鹿幸雄他著  

「京の町家」鹿島出版会 昭和 46 年 p79〜90    3天野克也・矢口汎邦 「敷地細分化に関わる物的条件についてー大都 市規制住宅・市街地における建築・空間の変容に関する基礎的研究 そ の 3−」 昭和 62 年度別冊学術研究論文集 第 22 号 p415〜420  幅員は約半間でセットバッ

クがなく住宅の側面が接し ている。

幅員は約一間で玄関は前庭 があり住宅の正面が道路に 向き、隣地建物間距離はあ る。表出はなく庭の緑が道 路まで出てきている。

幅員は約半間でセットバッ クはなく住宅の側面が接し ている。表出よりも庭の植 栽と言える緑がある。隣地 建物間距離はない。

幅員は約一間でセットバッ クがなく住宅の正面が面し ている。隣地建物間距離は なく、表出やベランダが特 徴的である。

幅員は約半間でセットバッ クがない。住宅の門が面し ているが、玄関は面してい ない。隣地建物間距離もな い。

幅員は約一間でセットバッ クはあるが庭はない。住宅 の正面が面し、隣地建物間 距離もある。

幅員は約一間半でセットバ ック、隣地建物間距離とも にある。住宅の正面が面し 庭 が 隣 地 建 物 と の 間 に あ る。

参照

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