岡山大学大学院教育学研究科研究集録 第142号 (2009)115‑119
平成 20 年度学部 ・附属学校 園相互乗 り入 れ授業報告
岡山大学教育学部 ・附属学校連携専 門委員会
本報 は,昨年度に引 き続 き学部 ・附属学校連携専 門委員会が取 り組 んで きた平成20年度 の活動 と 「学部 ・附属学校 圃相互乗 り入れ授業」 につ いて報告す る。その結果,平成20年 度は,数的には,昨年度 とほぼ同 じ授業実績が得 られたが,今後 の有効 な継続のためには, 新たに検討 しなければな らない課題が見出された。
Keywords:学部 ・附属学校連携,教員養成
昨年度報告 したように,本学部 ・附属学校園では,
「学部 と附属学校 園が, どの ように連携 を図ってい くべ きなのか」 とい う教育養成系大学 ・学部 ・附属 学校 園の存在意義 を問 う大 きな課 題 に,従 来か ら 様 々な協議会や委員会 を組織す ることで取 り組 んで
きた。
平成19年度か らは,学部 ・附属学校連携専 門委 員会が設置 され,相互乗 り入れ授業 と共 同研究のあ り方 を検討 している。以下,平成 20年度の本委員 会の活動 と 「学部 ・附属学校 園相 互乗 り入れ授業」
について報告 したい。
l.平成 20年度附属学部連携専門委員会活動 1.委員会組織
平成 20年度の学部 と附属学校 園の本委員会 の担 当者は以下の通 りである。
・副学部長 森 熊男
・学部 佐藤 園 (委員長) 平井 安久
・附属幼稚園 栗 田久美子
・附属小学校
上岡 弘明
・附属中学校 大塚 仁
・附属特別支援学校 佐藤 悦子 2.委員会活動概要
委員会では,上記の担 当者が決定 した段 階で,昨 年度 を継承す る方向で,以下に示す本年度の活動の 方針 を確認 し,取 り組み を進めた。
(1)相互乗 り入れ授業の本年度の推進の し方 につ いて
1)理念 目的
・昨年度確認 された2つの理念 目的で,本年度 も授業 を進める。
(2)相互乗 り入 れ授業の形態 1)平成19年 度の実施形態
①学部か ら附属学校 園
A
学部教員の附属学校 園での提案授業B
附属学校 園の カリキュラム計画の要請 を受け,学部教員が授業の一部を担 当 C 附属教員の教育実践発表会への学部教育
の協力 ・支援 (附属教員の個人ベースの 研究へ の協力)
②附属学校 園か ら学部
D
附属教員が学部 ・専攻科の授業の一部 を 担 当2)平成20年度の実施形態
・本年度 も,昨年度 を踏襲 し
,A‑D
の4
つの 形態で実施す る。(3)具体 的な実施方法
(丑要請が生 じた段 階で随時学部委員に連絡,対 処す る。
②連携授業が実施 された段 階で,実施 された先 生 に,その報告 を各校園の委員,学部の委員
に して もらうように連絡する。
③各教員間でなされている連携 に関 しては,逮 携 を行 った報告 を各校 園の委員,学部の委員
に して もらうように連絡する。
(4)相互乗 り入れ授業の まとめ
年度末 に,学部委員が実施 された授業 をまと め,昨年度同様,学部紀要で実施報告 を行 う。
岡山大学大学院教育学研究科 700‑8530 岡山市北区津島中3‑1‑1
岡山大学教育学部 ・附属学校連携専門委員会
Il.学 部 ・附属 学校 園相 互 乗 り入 れ授 業 貞 会 で把 握 す る こ とが で きた 「学 部 ・附属 学校 固相 以 上 の 方 針 に よっ て 平 成20年 度 に実 施 され , 委 互乗 り入 れ授 業 」 は, 表
1
に示 す 通 りで あ る。表
1
平 成 20年 度 に実施 され た 「学 部 ・附属 学校 園相 互 乗 り入 れ授 業 」【学 部 か ら附属 幼稚 園へ 】
日 付 担 当者 行事 .講座名 備 考
平成20年4月16日 梶谷信之 幼児の運動 あそびについての講習 幼稚 園教員‑ の講習
平成20年5月2日 梶谷信之 同 上 同 上
平成20年5月18日 梶谷信 之 親子の運動あそび 参観 日での講義‑の2クラスで各3(100:分)00‑,ll:00
平成20年6月25日 梶谷信之 平成20年度第1回幼児教育実践発表会 加者 を対象 に講習 (岡山県下 の幼稚 園,保育 園か らの参約50分) 平成20年11月11日 梶 谷信 之 運動公 園にて50メー トル走の参観 .助言
【学 部 か ら附属 小 学 校 へ 】
日 付 担 当者 行事 .講座名 備 考
平成20年4月5日 桑原 敏典 民族紛争 につ いて探求 させ る社会科 単元 第5回社 会科系教科授 業研究 岡山 と
開発 して開催
平成20年6月6日 田中 智生 平成20年度第1回教育実践発表会 研究協議会での助言者
同 上 菅原 稔 同 上 同 上
同 上 岡崎 正和 同 上 同 上
同 上 平井 安久 同 上 同 上
同 上 桑原 敏典 同 上 同 上
同 上 桑原 敏典 イギ リスの歴 史教育の特 質‑ カリキユラ 第6回社 会科系教科授業研 究 岡山 と ム と実践 の側面か ら‑ して開催
平成20年8月2日 桑原 敏 典 法教育実践交流会 第して開催7回社会科系教科授 業研 究 岡山 と 平成20年8月22日 安藤美章代 学校不適応児への支援方法 教員研修会 (講演)
平成20年10月7日 岡 民子 平成20年度第2回教育実践発表会 研究協議会での助言者 平成20年10月9日 早川 倫子 小学校 の音楽科授業参観 院生学部生 による授業参観
平成20年11月1日 桑原 敏典 新教育課程 における法教育のあ り方(1) 第して開催8回社会科系教科授業研 究 岡山 と 平成20年11月11日 稲 田 佳彦 平成20年度第3回教育実践発表会 研究協議会での助言者
平成20年12月6日 桑原 敏典 新教育課程 における法教育のあ り方(21 第して開催9回社 会科系教科授 業研 究 岡山 と 平成21年2月10日 田中 智生 平成20年度第4回教育研究発表会 研究協議会での助言者
同 上 岡崎 正和 同 上 同 上
同 上 菅原 稔 同 上 授業者及び助言者
同
上
桑原 敏典 同 上 研究協議会での助言者平成21年2月27日 小倉 久和 院生実践授業 (教育研究特論Ⅴ) 院生 による授業 な ど 平成20年度 通年 安藤美華代 心 の問題 に関す るコンサルテー シ ョン 教員対象
‑ 116 ‑
平成20年度学部 ・附属学校園相互乗 り入れ授業報告
【学 部 か ら附属 中学校 へ 】
日 付 担 当者 行事 .講座名 備 考
平成20年度 通年 安藤美華代 心 の問題 に関す るコンサルテー シ ョン 教員対 象
同 上 教育臨床心 附属 中へ の スクールパ ー トナー派遣 と指 教 育 臨床 の院生 の派遣 (過 4日) と
理学講座 導 院生指導
平成20年10月1日 林 創 心理学 つて何 だろ う 総 合 的 な学 習 の時 間〜校外 の先生方を迎 えての特別集中講義〜
同 上 佐藤 博志 私が オース トラリア教育の研 究者 になるまで〜 El標 を もって特技 を伸 ばそ う〜 同 上 同 上 山本 宏子 多文化理解 に向けて‑ トル コの音楽 同 上
同 上 高山 芳治 なぜ社会科 を学習す るのか 同 上
同 上 黒 田 英雄 外 国で働 く 同 上
同 上 桑原 敏典 あなた も裁判官 ! 同 上
同 上 加藤 内蔵進 多彩 な季節感 を育 む東 アジアの気候 システム とその変調 同 上 同 上 平井 安久 くるつ !ぴたつ !(2枚 の正方形) 同 上
平成20年11月18日 桑原 敏典 平成20年度 教育実践発表会 研 究協議会での助言者理科教育講座 と附中理科教 室 との連携授業 平成20年12月10日 桑原 晴子 保護者 に対す る心理教育相談
【学 部 か ら附属 小 ・中学校 へ 】
日 付 担 当者 行事 .講座名 備 考
平成20年度9月 教育 臨床心 「教育 臨床心理学専攻」 に よる附属学 園 月1回の主 に保 護者 .教 員 向けの心
【学 部 か ら特 別 支援 学 校 ‑ 】
目 付 担 当者 行事 .講座名 備 考
平成20年5月15日 大竹 喜久 平成20年度第1回校 内研究全体会 研 究協議会での指導助言者
同 上 吉利 宗久 同 上 同 上
同 上 仲失 明孝 同 上 同 上
平成20年6月19日 大竹 喜久 平成20年度第3回校 内研 究全体会 同 上
同 上 吉利 宗久 同 上 同 上
同 上 仲失 明孝 同 上 同 上
平成20年7月17日 大竹 喜久 平成20年度第4回校 内研究全体会 同 上
同 上 伸夫 明孝 同 上 同 上
平成20年8月27日 仲失 明孝 校 内研修会 「と授業検討」特別支援学校 の授業づ くり 研修会おける講話
平成20年11月13日 柳 原 正文 平成20年度第6回校 内研究全体会 研 究協議会での指導助言者
同 上 大竹 喜久 同 上 同 上
同 上 仲失 明孝 同 上 同 上
平成20年12月18日 大竹 喜久 平成20年度第8回校 内研究全体会 同 上
岡山大学教育学部 ・附属学校連携専 門委員会
【附 属 小 学 校 か ら学 部 へ 】
日 付 担 当者 行事 .講座 名 備 考
平成20年6月6日 永 井伸 一郎 生 活科 授 業研 究 の実地 指 導 生 活科 授 業 の学 部生 に よる参 観 同 上 岩藤 一成 道 徳教 育 論(丑 小 学校 にお け る道徳教 育 の実 際
平成20年7月1日 岩藤 一成 道徳教 育論② 生 活科 授 業 の学 部生 に よる参 観生 活科 のね らいや 内容 につ いて同 上 平成20年7月5日 鈴 木 隆幸 算 数科 授 業研 究Aの実 地指 導
平 成20年7月8日 辰巳 尚之 生活科 授 業研 究 の実地指導
平成20年7月12日 鈴 木 .森金 .片 山 算 数科 授 業研 究Aの実地指 導 平成20年8月7日 辰 巳 尚之 小 学校 生 活科B
平 成20年8月12日 江 原 .渡連 .河田 院生 同席 の実践発 表会授 業案検 討 会 附小 で実施
平 成20年10月28日 岩藤 一成 道 徳 教 育 論(彰 小 学校 にお け る道 徳教 育 の実 際
平成20年12月20日 江 原 .波 速鈴木隆幸 ほか イ ン ドネ シア平 山河田元士. マ ラ ン市 内の学 校 にお け 科研 に係 わ る授 業 実践研 究
〜30日 る授 業 実践研 究 (喜多 雅 一先生)
平成21年1月21日 院生 同席 の実践 発 表会授 業案検 討会 附小 で実施 平成20年
1 1 月
教 員研 修 留 学生 (ミャ ンマ ー の小 学校 数【附 属 中 学 校 か ら学 部 へ 】
日 付 担 当者 行事 .講座 名 備 考
平 成20年6月7日 山田 清 哉 中等 国語 科 実地研 究 平成20年6月9日 神頭 亮 太 同 上 平成20年6月16日 平櫛 和男 同 上 平成20年6月21日 徳 山 智夫 同 上 平成20年7月5E】 徳 山 智 美 同 上
平成〜平 成20年2112年月3月 宮 田 昌二 大 学 院科 目 「関 して 院生 の授 業作 りと授 業 実 施 の た めの支援 教 育研 究特 論Ⅴ(数学)」 に 平 成20年11月11日 橋 本 誠 治 中学校 数学科 教 育法Bの実地指 導 平成20年11月18日 川上 泰平 同 上
平成20年12月2日 坂 本 弥生 同 上 平 成20年12月16日 宮 田 昌二 同 上
【特 別 支 援 学 校 か ら学 部 へ 】
日 付 担 当者 行事 .講座 名 備 考
平成20年10月8日 藤 井真 理子 特 別支援 実践学特 講 中学 部 の教 育 につ いて
平 成20年10月15日 川 口 洋二 同 上 知 的 障 害 児 教 育 及 び 附属 特 別 支 援 学校 の教 育 の概 要 平成20年10月29日 高橋 章二 同 上 小 学 部 の教 育 につ いて
平 成20年11月5日 石 原 和 子 同 上 高等 部 の教 育 につ いて
‑ 118 ‑
平成20年度学部 ・附属学校 園相互乗 り入 れ授業報告
日.今後の課題
連携授業に関 しては,本年度で
4年 目ということ もあ り,多 くの授業を実施することがで きた。
本年度は,連携授業をして頂いた学部教員に,実 施後の感想や意見 をお願い した所,平成
20年
10月 1日に附属中学校で特別集中講義 を担当された
3名 の先生か ら次のような感想 ・意見が寄せ られた。
A先生
附属中学校の音楽の教員 を事前 にメールで打 ち合わせ を し,必要 な機器 について,確認 を取 るのが一番の重要事項 で した。授業 は大変楽 しませていただ きました。中学生の 好奇心 はす ごい ものがあると思い ます。後 日,感想文が送 られて きましたが,大学生 と比較 して も遜色のない もので, 驚 きました。 もっと,高度な話 をして も,十分理解 して も
らえたのではないか と思いました。
B先生
ふだん講義す る機会のない中学生 を対象 にお話がで き, たいへ ん刺激 をいただ くことがで きました。講義内容 を中 学生 に理解 しやすいようにするため.わか りやす く編集 し てい く過程は必然的に工夫が必要で, これは大学の 自分 自 身の授業の改善にもつ ながる良い機会だ と思います。学部 と附属の交流 とい う点で も良い機会 と思い ますので,来年 度以降 もこの特別集中講義が続 くと良いのではないか と存
じます。
C先生
参加す る生徒 たちも意欲的で,熱心 に取 り組んで くれま した。今後 も是非継続 していってほ しい と思い ます。その ためには,中学校の教育課程 における本講義の位置づ けな どを今後明確 にされる必要があろうか と思い ます。昨年度 とは実施の学年が異なってお りました。実施す る学年 によ って狙いや内容が異なって くると思い ます。そのあた りを, 附属中学校でご検討いただ き,授業 を出す教員の方は,そ
の狙 いに応 じて提供す る講義内容 を検討 してい くようなプ ロセスが必要ではないで しょうか。