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簡 君宇( Jian, Jiun-Yu )論文内容の要旨

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簡 君宇( Jian, Jiun-Yu )論文内容の要旨

主 論 文

CD49d marks Th1 and Tfh-like antigen-specific CD4+ T cells during Plasmodium chabaudi infection

CD49dは、Plasmodium chabaudi感染におけるTh1とTfh様抗原特異的CD4+ T細胞の マーカーである。

簡 君宇、井上信一、Ganchimeg Bayarsaikhan、都田真奈、木村大輔、木村一美、

野崎江里子、櫻井拓也、Daniel Fernandez-Ruiz、William R. Heath、由井克之 International Immunology, Apr 29. Online ahead of print.2021

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科新興感染症病態制御学系専攻

(主任指導教員:井上 信一准教授)

緒 言

マラリア赤内型感染では、抗体とCD4+ T細胞が防御免疫の主体である。マラリア原 虫抗原特異的CD4+ T細胞は、Th1細胞に分化し、またTfh細胞に分化して感染を制 御する。しかし、マラリア感染初期における原虫特異的 CD4+ T細胞の性状は十分に 理解されていない。

T細胞受容体トランスジェニックマウスは、T細胞応答を解析する有力な手段である。

最近、マラリア原虫抗原特異的なT細胞受容体トランスジェニックマウス、PbT-IIマ ウスが開発された。今回、PbT-IIモデルを用いてCD4+T細胞の活性化/機能分化につ いて解析した。活性化PbT-II 細胞がインテグリン分子CD49dの高発現群と低発現群 に分かれたため、両サブセットの性状を詳細に解析した。

対象と方法

1、マラリア原虫は、Plasmodium chabaudi chabaudi AS株を用いた。PbT-IIマウスは、

マラリア原虫抗原特異的MHCクラスII拘束性T細胞受容体トランスジェニックマ ウスである。PbT-IIマウスのCD4+T細胞を C57BL/6マウスに受身移入し、翌日マ ラリア原虫に感染させた。PbT-II細胞(CD45.1+)と宿主細胞(CD45.2+)は、CD45 マーカーにより識別した。

2、細胞表面分子を抗体で染色し、フローサイトメトリー解析を行った。転写因子や 細胞内サイトカイン染色では、細胞を固定及び透過性処理後、染色した。培養上清 中のサイトカインはELISA法で測定した。

3、PbT-II細胞の分画をソーティングにより精製し、マイクロアレイ法により遺伝子

発現を網羅的に解析した。

4、脾臓組織内の細胞分布は、生体内抗体投与後のフローサイトメトリー解析、及び

(2)

抗体で染色した標本の共焦点顕微鏡観察により解析した。

結 果

1、 PbT-II細胞を移入したC57BL/6マウスの脾臓では、マラリア原虫感染後、CD49d

高発現と低発現のPbT-II細胞が混在していた。両細胞の増殖は同程度であった。

2、 抗体移入実験及び組織染色により、CD49dhi PbT-II 細胞は主に赤脾髄、CD49dlo

PbT-II細胞は主に白皮髄に分布することが明らかになった。

3、 マイクロアレイによるトランスクリプトーム解析から、CD49d+ PbT-II細胞はTh1 型の遺伝子発現優位、CD49dlo PbT-II細胞は Tfh型遺伝子発現優位であることが明 らかになった。さらに細胞表面分子、転写因子及び細胞内サイトカインのフローサ イトメトリー解析により、その結果が裏付けられた。また、宿主 CD4+細胞も同様 であった。

4、 CD49dhiとCD49dlo のPbT-II細胞をC57BL/6マウスに受け身移入する実験から、

両細胞とも Th1 に分化する能力を有していること、またマラリア原虫感染では、

おおよそTh1とTfh様の表現系を保つことが明らかになった。

考 察

マラリア原虫感染モデルの活性化CD4+T細胞は、Th1細胞はインテグリン分子CD49d を高発現、Tfh様細胞は低発現であり、CD49dが機能サブセットのマーカーとなるこ とを明らかにした。CD49dの機能がT細胞機能分化に直接関与するか否かは、今後の 解析が必要である。また、CD49dlo PbT-II 細胞は Tfh 様細胞を含む雑多な細胞集団で あるが、細胞移入実験からこの中にTh1に分化する可塑性を有する細胞の存在が明ら かになった。一方、マラリア原虫感染マウスにおいては、CD4+T 細胞は Th1 と Tfh 機能をある程度維持していると考えられた。ヒトのマラリアや、マラリア以外の感染 症において、CD49dが CD4+T細胞のTh1 マーカーとして有用であるのか、免疫学的 解析やワクチン マーカーとしての有用性を含め、今後の研究が待たれる。

参照

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