般 講 演 要
ヒ日三,•
第 一 会 場 午 前 の 部
1. 畑作地帯における酪農の実態(十勝管内音更町 における考察より)
第6報 飼 養 管 理 指 導 の 実 態 1. 飼養管理体系について
o井芹靖彦(斜網中部地区農業改良普及所) 安藤道雄(宗谷北部地区農業改良普及所) 松永光弘(十勝北部地区農業改良普及所) 目的 乳牛に対する飼養管理の基本に日本飼養標準 があるが北海道では永年に渡り乳牛経済検定の手引 等による指導が行なわれていた内
しかし, 840年代に入り事実上陳腐化してしましV その後統ーした指導書がないままに経過している。
十勝北部地区では850年に飼料分析装置導入に伴 ない分析結果を活用する必要性が生じた。特に飼養 管理指導を行うためにはどうしても飼養管理の体係 化が必要になる。
当初の指導としては(1)飼料分析用サンプル採取と管 理実態の把握, (2)日本飼養標準に基づく管理成績の 把握, (:3)分娩前後の管理特に分娩直前の濃厚飼料の 馴し飼L、の実践, (4)泌乳量の実態など情況把握に努 めた。
その後,最近の飼養管理技術に関する知識を基に . 飼 養 管 理 体 綱 を52年 秋 に 設 定 し 昨 か ら は こ れ を
基に指導を開始している。
この案はその後の体験や知識により年々補強し今 日に至っている。
結果十勝北部における飼養管理体系闘の概要とそ の考え方
1) 分娩直前の管理(分娩予定2週 間 よ り ) 粗飼料:分娩後に給与する飼料に馴致する。
濃厚飼料:単味飼料(大麦.とうもろこし)を分 娩直前までに2"'4kgを徐々に喰込ませ馴致。
o実践結果を確認し指導に移した口 2) 分娩後より泌乳期の管理
組飼料:良質な飼料により体重比2‑‑‑2.2 %程度 の乾物摂取率を確保する(全期間)。
‑11 ‑
濃厚飼料
(1 ) 分娩後より10日自主で:乳牛の状態、を観察しな がら,日量0.5'" 1.0 kg割合で増給するO
(2) 最高泌乳期(分娩後45"'60日頃まで)
栄養給与水準を日本飼養標準に対しDC P 125%, T D N 100"'105 %になるよう給与する。
(3) 泌乳持続期"'200日頃まで
栄養給与水準DC P 1 20 %, T D N 100 %。 (4) 泌乳後期 D C P 110"'115 %, T D N 100 %
o初期乳量の実態。飼養法の違いが泌手
l
孟に及ぼす 影響。放牧開始前後の栄養量と泌乳量等による実態や傾向の把握。
3) 乾乳期の管理
粗飼料主に乾草主体の飼料給与とする0
4) その他の留意点
(1) 初産牛に対する分娩前の濃厚飼料は乳房の浮 腫のでない程度とする(経産牛も含む)。
(2) ミネラル :Ca. Pの不足の場合は補給する。
(3) ビタミン類:ViA.D.E剤により補給する。
(4) 盗食防止のため飼槽分割装置の設置
この体系については追跡調査も行なっており今 後とも実用的な体系になるよう努めたし、。
2 .
草地型酪農地帯における泌乳実態 第1
報 飼 養 環 境 と 泌 乳 量安達 稔・ o内 山 誠 一 ・ 三 浦 俊 一 ・ 岡 一 義 (南根室地区農業改良普及所)
目的 チャレンジフィーディングをはじめ高泌乳牛 飼養技術が紹介されている。演者らはこれらを参考 に地域に即した飼養法の改善を図るために調査を実 施し,飼養環境の問題点について検討した。
方 法 北海道乳牛検定協会の成績より,別海町にお いて, 1979年4月から81年7月までに2回分娩し,
乳期日数240日以上の乳牛2,144頭について調査し た。項目は検定日における乳量,乳成分率,濃飼給 与量,体重と分娩間隔,搾乳日数などであるo
結果 1),乳量(検定期乳量)(y)と濃飼量(Xl) , 産 次 (X2) ,検定期日数CX3)を関係をy= bo・
Xp1・xE2・X~3のモデルにより求めると, y = 5.1731・X
10.3109. X2 0.1243. X30.8748ー① CR2
= 0.4249, b 1........ b 3は1 %水準で有意)が得られた。
2),濃飼と乳量 調査牛の泌乳曲線と濃飼給与量の 推移から,泌乳に十分対応した濃飼給与であること はうかがわれなかった。①式より, y=fCx1 1
X2' X3)とし,乳価と濃飼の価格比から,乳代‑
濃飼費
=z
を最大にする限界投入量(Xl)を求める と3,883kgが得られた(価格比を1にすると X l =2,411 kg)。以上により,濃飼と粗飼料の給与比,
飼料基盤から実際の限界投入量は計測値以下になる と考えられる。組飼料品質に対応して栄養を十分満 す濃飼給与が最大のZをもたらすといえる。
3), 産 次 と 乳 量 乳 量 は4産次まで、増加し,以降は 顕著な低下傾向はみられなかった。産次別の頭数分 布から, 3産次以降30%前後の割合で頭数が減少し,
成熟過程の低産次牛が多く牛群の構成割合は不均衡 であった。
4),分娩間隔と乳量 分娩間隔が長くなるにしたが い乳量は増大したが,乾乳日数を考慮、した推定年間 乳量は明らかに低下した。それぞれの関係を一次回 帰式に求めると,交点は 376.6日であった。また,
分娩間隔が 360日以上になると乾乳日数が60日を越 えていた口
①式より,検定期日数の弾性値が高く乳量に与え、
る影響が大きいことが知れ,分娩間隔 360日以上で あっても搾乳日数が299日以下となる乳牛が18.4%
も存在した。
5),季節的な違いと乳量乳量は分散分析の結果,
分娩月間に有意C5 %)な差が認められた。
分娩月別に分娩後2か月目の乳量を比較すると,
5...8月に高く, 10... 11月が最も少なく,季節的 な飼養環境の違いによる乳量の変動が大きかった。
3 .
草地型酪農地帯における泌乳実態 第2
報乳成分率の変動と結果の活用椛沢三次・高村一敏・ o佐 藤 悟 ・ 原 田 要 ・ (南根室地区農業改良普及所)
目的及び方法 根室地方は季節により乳成分率の変 動が大きく, F A T 3. 4 %, S N F 8. 4 %以下にな る例が多い。演者らは第 1報で用いた資料により産 次別,分娩月別に乳成分率の推移を求め,暦月に対 置させて検定した。また,乳牛検定成績を用い乳牛 個体能力を早期に判断し飼養管理の改善を行ない牛
群能力の向上を図るための酬を作出し検討した
0 ̲
結果 1 ) 乳成分率の変動
産次の経過とともに乳成分率が低下し,特にその 傾向は
SNF
において著しかった。泌乳の経過によ る乳成分率の変化は,分娩後3...4か月目に最低と なり以降上昇した。検定期間における平均乳成分率は分娩月間に明ら かな違いはみられなかった口しかし泌乳月を暦月 に対置させると,
F AT
は5...8月の放牧期,SNF
は3...5月の舎飼末期に低下していた。同期内では 泌乳後期に生理的に乳成分率が上昇する作用が飼養 環境の季節的変化により打ち消されていた。
また,分娩後3...4か月目の生理的に乳成分率が 低下する時期と,これらの季節が一致すると低成分
( F A T‑
3.4 %未満,S NF‑
8.4 ~ら未満)にな っていた口2) 結果の活用方法について
a
同産次間で乳成分率を考慮、した能力判定を行なうー ため産次別に
SCM
値を集計し,正規分布表で5段 階に区分した。最高日乳量と検定期乳量の関係を 1次回帰式によ り求めると, 1産次はY= 793.5
+
1 95.2 X, 2 ... 6産次ではY= 11 23. 3+
1 67.4 Xが得られた(T 検定0.1%水準で有意)。SCM
による階層分類,最高日乳量による乳量推 定結果に年令,分娩月による補正を加えることにより乳牛の淘汰更新が早い段階で確実に行なえると考 えられる。
また,分娩月ごとに得られた泌乳曲線より,検定 日の乳量から 1か月後の乳量を推定し,翌月検定日
︒ ︐
唱i
の実乳量と対比することにより飼養管理の適否を判 断することができるo更に,ダイナミックプログラ ミングを援用することにより,濃飼量が制限下にあ る場合の最適配分を決定することが可能になる。乳 牛の生産向上を図るためにこれらの結果を活用した いと考えている。
•
4 .
乳牛!こ対するキャンドル種ナタネ粕の高水準配¥ 合飼料給与試験
。 太 田 三 郎 ・ 池 滝 孝 ・ 鈴 木 省 三 ・ 熊 瀬 登 (帯畜大)・遊佐啓一(全酪連)
目的:低クソレコシノレートナタネ粕の高水準配合飼 料給与が乳牛の飼料摂取量および乳生産・乳質に及 ぼす影響を知るため,従来種ナタネ粕を用いた配合 飼料と比較検討する。
方法 供試牛は,帯広畜産大学附属農場繋養のホル スタイン種泌乳牛8頭を産次,分娩月日,産乳日量 等を考慮してA・B 2群各4頭ずつにした。
試験期間は, 1980年11月22日 ‑1981年2月13 日までの12週間で,処理は1期28日間(予備14日, 本試験14日)3期2重反転法とし, A群は1.皿期 に現行種ナタネ粕配合飼料を(以下R8と略)II期 にキャドル種ナタネ粕配合飼料を(以下R24と略) 給与,
B
群はその逆とした。供試飼料のR24は,ナタネ粕が24ifo配合のもので,
C P 17% , D C P 14 % , T D N 68 % , 8 mrnベレット . で あ るo R 8は,ナタネ粕8%,大豆粕9 %とし,
マイロ・とうもろこし・ふすまなどの配合割合いを 調節して,栄養価をR24とほぼ同等にし,各期直前 7日間の平均乳量の1/3量を1日2回搾乳時に分与 Ltこわ
粗飼料はとうもろこしサイレージとオーチヤード グラス主体の混合乾草で,サイレージは体重の3~ら,
乾草は1.5 %朝・タ分与した。
結果:1) 飼料摂取量は,乾物で1頭1日当り平均 で,配合 6.9kg,とうもろこしサイレージ3.9kg, 乾草 6.5kg,計17.3kg,またR 8のそれは,配合
7.0 kg,とうもろこしサイレージ3.8kg,乾草6.7 kg,計17.1kgで、あった。配合は両群とも給与した全 量を採食し,とうもろこしサイレージも少量の残食
であり,乾草はほぼ自由採食に近い給与量であり22
%前後の残食はあったが処理聞に有意差は認められ なかった。
2) 産乳量, R24給与期の平均乳量は, 22.9 kg, R8 給与期のそれは22.6kgで, R24給与期の方が1頭平 均0.3kg/日多いが有意差は認められなかった。
3) 乳成分, R24給与期で乳脂率3回%,乳蛋白率 3.13%,無脂固形分率8.75%に対し, R 8給与期に はそれぞれ3.57%,3.06~ら, 8.63%で, R24給与期 の方が幾分高く,そのうち乳蛋白率にのみ有意差
( P
<
0.05 )が認められた。4) 体重変化と健康状態,各期間中の平均増体量は R24給 与 期 に ‑3. 2 kgで、やや体重を減じ, R 8給与 期 に は +6.1 kgで、あったが処理聞に有意差は認めら れず,健康状態も異常は観察されなかった。
これらのことから乳牛用配合飼料にキャンドル種 ナタネ粕を24%の高率で配合給与しても,乳牛の食 欲,生産性,乳成分に著明な影響を与えることなく 安全に使用で、きるものと推察された。
5 .
脱水ばれいしょてん粉粕サイルージの化学的品 質,栄養価並びに産乳価値o坂 東 健 ・ 原 悟 志 ・ 森 清 一 ・ 工 藤 卓 二 (道立新得畜試)
目的 近年,ばれいしょでん粉粕は著しく高水分で あるために運搬が困難であること,一方乾燥するた めには多額の経費がかかること,また石灰添加のた め家畜の噌好性が劣ることなどから,飼料としてあ まり利用されていなかった。
ところが,最近,脱水方式が開発され,水分含量 が低く石灰無添加のでん粉粕が生産されるようにな った。そこで,本試験では畑地型酪農における飼料 資源の開発・有効利用の見地から,脱水でん粉粕を 原料としてサイレージを調製し,その化学的品質,
栄養価及び産乳価値について検討した。
方法化学的品質と栄養価:無添加及びステッフエ ン濃縮液4,8, 12%添加,いずれも越冬前開封,
並びに無添加で越冬後に開封する計5処理のサイレ ージについて検討した。
産乳価値;ホルスタイン泌乳牛6頭を供試し, 1
QU
噌目ム
期21日間の3
x
3ラテン方格法により,黄熟期に調 製したとうもろこしサイレージを対照として代替し,比較検討した。無添加で、ん粉粕サイレージの給与量 は乾物で 0
,
3,
6kg/日・頭の3処理とし,とう もろこしサイレージの給与量は乾物で,それぞれ9,6, 3 kg/日・頭とした。乾草は飽食量を給与し,
濃厚飼料(大豆粕+配合飼料)の給与量は4%FCM 日量が 15kg以上の乳牛ではこれを超えた乳量の1/2,
ただし給与下限は2kgとした。
結果 無添加サイレージの水分含量は77%程度であ り,越冬前及び越冬後の品質は極めて良好であった。
また, D C PとT D Nの乾物中含量は,同様にそれ ぞれ0,73.2 9ら及び0,76.5 %であり,サイレージ の品質と栄養価においてステ、yフエン濃縮液の添加 効果は認められなかった。乳牛によるでん粉粕サイ レージ,粗飼料及び全飼料の乾物摂取日量は
o
kg区 で0,12.9, 16.7 kg, 3 kg区で2.9,13.5, 17.1kg,6 kg区で、6.5,14.6, 18.2 kgで、あり,粗飼料及び全 飼料の乾物とT D Nの摂取量において, 6 kg区は0 kg区より有意に多かった。 49らF C M日量は,それ ぞれ21.6,22.1, 21.9 kgで、あり,処理聞に有意差は 認められなかった。牛乳のSNF含量において, 6 kg区は
o
kg区より有意に高かったが,その他の成分 の含量や乳成分生産量,体重において処理聞に有意 差は認められなかった。以上,脱水でん粉粕サイレージの化学的品質は良 好であり, T D N含量は高いがD C Pやミネラルの 含量は低く,黄熟期とうもろこしサイレージと同程 の産乳価値を有することが認められた。給与上限は 血液性状などから安全性を考慮、して乾物で3kg程度
と判断した。
6 .
乳牛用配合飼料の原料としての古米の飼料価値 についてo池浦靖夫・上山英一・朝日田康司(北大農) 日浅文男(全農札幌支所)
三浦祐輔(ホクレン畜産生産部)
目的:乳牛用飼料としての古米の飼料価値について は,すでに,いくつかの試験例が報告されている。
しかし,これらは,供試配合飼料中に, 10%程度の
少量の古米を配合し,短期の給与期間で実施されて いるにすぎなし、。そこで,本試験は,古米の配合割 合を,より高めた配合飼料を供試し,乳牛の飼育実 態に則した飼養剣牛下で,長期間給与した際の,古米 の飼料価値を査定する目的で実施した。
方法:27頭のホ種乳牛を用い,分娩時期,産次等を 勘案して3群に分け,それぞれ異なる供試配合飼料 を給与した。供試配合飼料は,市販配合飼料 (CP 16 %, T D N72% ) ,試験飼料1号(前記市販配合 飼料中のマイロを古米と代替したもの,古米含量2ゐ
%) ,試験飼料2号(同飼料中の穀類(マイロ+コ ーン他)を古米と代替したもの,古米含量41%)で ある。各供試牛には,分娩後45日 目 ま で , 同 ー の 市 . 販配合飼料'(
C P
18 %,T D N
69%
)を給与し,この 期間を基準期として,その後,各供試配合飼料の給 与に移行した口、配合飼料は,乳量に対し,乳期別に 一定の比率で給与した。他の飼料は,北大附属農場 の慣行飼養法により給与した。試験は, 1乳期1処 理として行ない,各供試配合飼料聞の比較は,乳量,乳成分組成,体重等については,基準期における成 績に対する変化率を,各供試牛について求め,これ を用いて検討した。試験期間は,昭和55年 1 月 ~56 年8月であるD
結果:全供試牛が乳期を全うした分娩後270日固ま での,飼料採食量,養分摂取量,乳量,乳成分組成,
および体重についての結果は,以下の通りであるO
1 ) 配合飼料の採食量は,乳量に対する乾物量が,
市販配合飼料給与群(対照群)30.8 %,試験飼料1
号給与群(試1群 )30.2 9ら,試験飼料2号 給 与 群
a
(試2群 )30.0 %, 2) 飼料採食量と飼料分析の結 ' 果より推算した養分摂取量を,乳量と体重測定の結 果より,飼養標準に基ずき算定した養分所要量と対 比した充足率は,対照群, D C P 157.0 %, T D N
114.1 %,試1群, 150.4 %, 109.9 %,試2群, 148.1 %, 109.7 %, 3) 産乳日量,対照群, 19.5 kg,試1群, 21.5 kg,試2群, 21.9 kg, 4) 乳成分 組成,対照群,脂肪, 3.54%, S N F, 8.66%,試 1群, 3.71 %, 8.740/0,試2群,3.770/0, 8.75%, 5) 体重,対照群, 642.0 kg,試1群, 668.2 kg, 試2群, 636.3 kg。これらの結果,ならびに,基準 期に対する変化率の結果は,群聞に有意な差がなか った。しかし,基準期から供試配合飼料給与への移
‑14‑
充足率は試験区が5週目で100%に達したが,対照 区はそれ以下で推移した。
4) 摂取飼料中の組飼料割合は,試験区59.0%,対 照区71.0
9
らであった。5) 実乳量は全期間を通じて試験区が高く推移し,
特に,分娩直後からの乳量の増加は顕著であった。
1日当り平均乳量は試験区29.8kg,対照区20.4kgで あった。
6) 乳組成において,乳脂肪率および無脂固形分率 は対照区の方が高かった。
以上から,チャレンジフィーデングは,二産自に おいても飼料摂取および乳量に対し,有意な飼養法
e 7
チャレンジフィーデングが乳牛におよぽす影響 であることが示唆された。行時に,古米を配合した飼料を給与した両群の供試 牛の多くに,飼料の切り替え当初より数日間にわた って,配合飼料の食い残しが認められ,とくに,試 2群の2頭については,試験終了時まで,対照飼料 と混合して給与する必要があった。これは,古米を 大量に配合する場合,飼料の曙好性に対し配慮、を要 することを示すものであるo
このほか,繁殖成績,乳質を含め,供試牛の健康,
生理状態に,飼養処理に起因する特記すべき異常は 観察されなかった。
3. 二産自における飼料摂取量,乳量および乳組 成について
o野 英 二 ・ 安 宅 一 夫 ・ 楢 崎 昇 ・ 井 上 錦 次 小林富士子(酪農大)
藤本秀明・田中正夫。熊谷 宏(雪印種苗) 目的 初産牛を用し、,チャレンジフィーデングが飼 料摂取量,乳量および乳組成におよぼす影響につい て検討した結果を報告した(昭和56年度本支部会)。
今回は,二産自における成績を報告するD
方法 概要は前報と同様であるO つまり,ルーメン フィステルを装着したこ産自の乳牛4頭を用い,慣 行法(対照区),チャレンジフィーデング(試験区) にそれぞれ2頭を配し,分娩後10週まで試験を実施 . したo
分娩後の飼料給与量は,配合飼料が対照区で CP 16%,
T
DN70%のものを分娩後20日まで3kg/日とし,以後は乳量の1/4相当量を給与した。試験区は C P 23 %, T D N 71 %のものを最高11kg/日まで0.5 kg./日づっ増給した。また両区ともトウモロコシサ イレージを20kg/日,ビートパルプ2kg/日を給与し,
乾草を飽食させた。
結果 1 ) 乾物摂取量および体重に対するその割合 は,試験区が高く推移した。
2) CP摂取量は試験区が高く推移した。またその充 足率(日本飼養標準に対して)が100%に達したの は,試験区3週目,対照区5週目であった。
3) TDN摂取量は CPと同様の傾向を示した。また,
8. チャレンジフィーデングが乳牛におよぼす影響
4 .
二産自における第一胃内性状について o安 宅 一 夫 ・ 楢 崎 昇 ・ 斉 藤 二 男 ・ 野 英 二(酪農大)
藤本秀明・田中正夫・熊谷 宏(雪印種苗) 目 的 演 者 ら は 昭 和56年度本支部会において,チャ レンジフィーデングが乳牛の第一胃内PH,NH3‑
N及びVFA産出に及ぼす影響を,フィステルを装着 した初産牛を用いて検討した結果を報告した。今回 は,二産自における成績を報告するo
方法供試牛,供試飼料,試験期間及び区の設定は 前報と同様である。
第一胃内容物は,分娩予定2週間前,分娩日,分 娩後5日目及び10日目から70日目まで10日間隔で,
それぞれ飼料給与直前及び給与後 1時間間隔で連続 11回,フィステルを通じて採取した。
結果 1)
P
国土,試験区では分娩後急速に低下し,20日目 で 6.1 と最低となり,その後高くなり 40 日目以後6.3~6.4と ほぼ一定になった。対照区では,分娩後徐々に低下し,30日目以後ほぼ一定となり,試験区と差がなくなった。
2) NH3‑ N濃度は,終始試験区が高く経過したが,
最高値は試験区と対照区においで,それぞれ 16:5 m例 t( 30日目), 8.5m9/dt( 40日目)であった。
3) VFA濃度は,分娩後30日目まで試験区が対照区 より高く経過したが,その後は70日目を除いて両区
にυ
噌E ム
に差がみられなかった0
4) VFAのモル比で、は,酢酸は30日目を除いて対照 区が高く,プロピオン酸はほぼその逆の傾向で経過 した。酪酸及びバレリアン酸はいずれも試験区が高 く経過し,とくに分枝鎖のもので著しかった。
以上のことから,分娩直後から濃厚飼料を増給す る,いわゆるチャレンジフィーデングは,第一胃内 発酵に異常をもたらすことはなく,むしろ,泌乳初 期におけるV F A産出の増大をもたらすことに大き な意義を有するものと思われた。
9 .
栄養摂取量の差違が乳量及び乳組成に及ぼす影盟
o和泉康史・五ノ井幸男・黒沢弘道・高橋雅信 原田竹雄(根釧農試)
目的 本道東部の草地酪農地域において,特に,冬 季舎飼期に乳中の無脂固形分率の低いことが指摘さ れているが,これには,乳牛に対する栄養給与量が かなり関与しているのではないかと考えられている。
しかし,栄養摂取量と乳成分との関係については不 明確の点も多いので,本試験は,この点についてさ
らに知見を得るため実施したものである。
方法 ホルスタイン種泌乳牛12頭を供試し,低栄養 区,標準区及び高栄養区の3処理区について, 1期 21日間(本期最後の1週間)の4
x
4ラテ、ノ方格、法 により試験を行った。各区における栄養給与量は,TDN
量でそれぞれ日本飼養標準の80,100, 120%を目標とし,牧草サイレージ,とうもろこしサイ レージ及び濃厚飼料により給与を行った。各飼料の 給与量は,各区とも
TDN
量で同一になるようにし た口各飼料のDCP
,TDN
はいずれも3頭の去勢羊 により消化試験(予備期7日間,本期7日間の全糞 採取法)を実施して求めた。結果 1) 供試した牧草サイレージ,とうもろこし サイレージ及び濃厚飼料の乾物中
DCP
含量は,そ れぞれ11.2,5.2, 11.4 %であり,TDN
含量は,そ れぞれ72.0, 70.0 • 83.1 %であった。2) 低栄養及び標準区では給与飼料のほぼ全量が摂 取され,その日本飼養標準に対する
TDN
の摂取割 合は,それぞれ80,102 %であり,ほぼ計画量を摂取した。一方,高栄養区ではサイレージに残飼が見 られ,その TDN 摂取割合は 113~らであった。また
DCP
の摂取割合は,低栄養,標準,高栄養区それ ぞれ85, 107, 118 %であり,各区ともTDN
の場 合より約50/0程高かった。3) 各区の実乳量は,低栄養区19.9kg,標準区21.2 kg,高栄養区22.6kgで、あり,栄養摂取量の増加によ
り上昇する傾向を示し,高栄養区は低栄養区に比し 有 意 (
P <
0.01 )な増加であった。この傾向はFCM
量においても同様に認められた。
4) 低栄養,標準及び高栄養区における乳中の脂肪 率は,それぞれ3.78,3.81, 3.72 ~ら,無脂固形分率 は,それぞれ8礼 8.48, 8附 , 蛋 白 質 率 は , そ . れぞれ2.80,2.90, 2.90 0/0であり,いずれの成分に おいても各区間に有意な違いは認められなかったが,
特に無脂固形分率では低栄養区が他の 2区に比して 低い傾向を示した。乳糖及びカゼイン率でも各区間 に有意差は見られなかった。
5) 体重は,有意な相違ではなかったが,栄養摂取 量の増加により高まる傾向を示した。
1 0 .
生乳の低温細菌汚染の実態についてo原田竹雄・五ノ井幸男・和泉康史(根釧農試) 目的:乳質改善対策の資を得るため,低温細菌汚染 の実態を調査し,また搾乳時におけるその汚染様式 について検討した。
方法:中標津町の酪農家の出荷時個乳(71試料)に
a
つ い て , 生 菌 数 お よ び 低 温 細 菌 数 を 測 定 し た 。 ま た ' 実際の搾乳段階での調査は当場の搾乳施設を使用し,
各搾乳器具表面の細菌数測定については拭き取り法 によった。生菌数は標準寒天培地を用いて300C2日 間培養し,低温細菌数は同培地で70C10日間培養し て求めた。
結果:(1)出荷時個乳の細菌学的乳質は,過去の報告 に比べると改善が認められ,生菌数および低温細菌 数の相乗平均は,それぞれ65,000/mt,6,100/mtで、 あった内
(2) 低温細菌数が103....̲.104/mtの範囲に含まれる 試料は全試料の390/0
,
103/mt以下をしめすものが 28~らであったが , 106/mt以上の試料も4%
得られ‑16‑
化は産次の増加とともに増加した。いずれの産次に ついても泌乳ステージの進行に従い高くなる傾向を 示し,分娩後 20日前後に最高になり,その後徐々 に減少する傾向が観察された。
分房間差値の泌乳ステージにおける変化は乳期や 個体聞の乳汁の成分率や電気伝導度の差異が除外さ れた値となり,各分房の潜在性乳房炎に起因する変 化傾向を示すものと考えられる。泌乳ステージの進 行に伴ない,高くなる傾向にあった。また,高産次 牛ほど分房間差値は高い値で推移した口これらのこ とは泌乳ステージの進行,産次の経過により潜在性 乳房炎の高い発生率を示唆するものであるo最低電 気伝導度値の季節における変化では,いずれの産次 においても, 6月と11月に低下する傾向を示した。
分房間差値は3月, 4月に高い値となる傾向が存在 した。
乳量と左右後分房間差値の相関係数はそれぞれ‑
0.23と‑0.28で,左前乳房間差値とのそれは0.26で
1 1 .
牛乳中の電気伝導度値に対する変動因について あった。最小自乗分析では乳量について産次,判定,種雄 o光本孝次・泉 祐司・奥田耕之助(帯広畜大) 牛の主効果に有意性が認められた。出現頻度につい ては判定と種雄牛効果に,搾乳速度については産次 目的 乳房炎,特に潜在性乳房炎による乳量乳質の と種雄牛効果に有意性が認められた。
低下が大きいことから,欧米諸国では牛群検定の検 異常の頻度は37%であり,分娩後60日から180日 定項目の一つに乳房炎検査がある。牛群検定のよう 内で1.8 kg/日の乳量差が推定された。
7こo
3) 生菌数に対する低温細菌数の占める割合は, 10
%以下をしめした試料は全試料の約半数で、あったが,
75%以上をしめしたものも13%得られ,この割合は 試料により極端に異なった。またこの割合の大きい 試料は細菌汚染度が高かった0
4) 搾乳工程の段階ごとに細菌数は増加し,低温細 菌はそのほとんどがノ4イプラインおよびティートカ ップユニット等の搾乳処理機器より由来していた。
5) 搾乳の経過時間を通して,生乳中の生菌数と低 温細菌数はほぼ平行の変動が認められたが,その減 少率はわずかであった。
e
6) 種々の搾乳処理機器(ライナー, ミルククロー,パケット,ノミイプラインジャー,バルククーラー) の表面に存在する低温細菌数と付着蛋白質量との間 には高い相関(r = 0.83 )があった口
なシステム下で、は体細胞数の検査が考えられるが,
各個体の異常を適確に診断するためには,電気伝導 度の測定なども一つの方法となる。その際,いくつ .かの要因についての情報が明らかである必野生す守 るo そこで,分房乳を用い電気伝導度値に対する産 次,季節,泌乳ステージ,搾乳速度及び種雄牛効果 を推定した。
方法及び材料 乳牛は本学附属農場の搾乳牛で,昭 和55年4月から昭和55年9月までの110頭である。
測定は毎週一回,午前の搾乳時に牛乳を分房毎に採 取した。電気伝導度は市販の測定器で測定したn 分 房間差値,乳量,産次,分娩月,泌乳ステージを記 録した。搾乳速度は前報(1977)の通りであるo延
3,949頭で,父牛数は16頭であった。
最小自乗分析には産次,判定,種雄牛,産次と判 定の交互作用を含めた。
結果最低電気伝導度値の泌乳ステージにおける変
1 2 .
チーズ中の硝酸塩・亜硝酸塩の消長について (第5
報 )o有賀秀子・服部聡・祐川金次郎(帯広畜大)
目的:食卓用および原料用チーズ中の硝酸塩・亜硝 酸塩含量は既に報告したが,その中で,製造時に硝 酸塩の添加がなされたと推定されるものが数点見出 されたoそれで今回は前報にひき続き,硝酸塩添加 チーズを試作し,製造時における添加硝酸塩の保留 程度を調べた。また同時に前報までにおいて,カマ ンベールで、は亜硝酸塩が相対的に高く検出される傾 向が観察されていたので,ゴーター,ブルー,カマ ンベールの各チーズを試作し.熟成中の硝酸塩,亜 硝酸塩の消長および微生物叢とその硝酸塩還元能に ついて検討した。
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方法:チーズは本学農場生産の牛乳を用い, 100 kg に対し硝酸ナトリウム20[1を添加して作成した。ス
ターターおよびレンネットは,ハンセン社のものを 用いた。白かびは, P.candidumの粉末を培養し て用い.青かびは市販ブルーチーズから分離培養し,
粉末にして用いた。各チーズの製造は,いずれも常 法によったn カードおよびグリーンチーズ中に回収 された硝酸塩は,既報と同様の方法により測定した 硝酸塩含量とカード収率とから算出した。熟成過程 中の硝酸塩,亜硝酸含量の消長については,一定期 間毎に採取した試料につき,固形分,硝酸態窒素,
亜硝酸態窒素量を測定し,固形分中濃度によりその 消長を検討した。微生物については,主として好気 性菌はトリプトソイ寒天培地,・嫌気性菌は, G A M 寒天培地,真菌類はポテトデキストロース寒天培地 によりそれぞれ分離し,硝酸還元能を検索した。
結果:製造時に保留された硝酸塩量は製法により異 なり,法定最大許容量添加の場合,ゴーダでは 7~
8 %,カマンベールで、は 14~15% で、あり,グリーン
チーズ中(原物中)の硝酸態窒素濃度は,カマンベ
ール,ブルーで、約23~25μ 9/[1, ゴー夕、、で、 16μ 9/ [1 程
度であった。
熟成過程中,カマンベールで、は硝酸態窒素の急激な 減少が認められ,一方,亜硝酸態窒素の生成は2週 間後に最大値に達し,その後ともに減少し,約2か 月後にはまったく検出されなくなった。ブルーでは 50日目前後に亜硝酸の最大生成がみられ,その後徐 々に減少した。ゴーダでは他に比べ亜硝酸生成速度,
最大生成量ともにいちじるしく小で, 190日目で,
硝酸態窒素の 60~70% が残存していた。市販の硝酸 塩無添加カマンベールの2種について同様に分析し た結果, 2試料とも熟成過程中に亜硝酸態窒素の増 加が認められ,その消長は本試作チーズと類似した 傾向を示した。
カマンベールから分離された細菌のうち4種とか びの1種およびブルーのかびの1種につき硝酸塩還 元活性が認められた。
第 一 会 場 午 後 の 部
1 3 .
放牧時における予乾した草サイレージの給与が 泌乳牛の血液成分に及ぼす影響。高橋雅信・石田 亨・尾上貞雄・和泉康史 (根釧農試)・小倉紀美(天北農試) 目的夏期間の放牧草利用に変えて,予乾した草サ イレージを給与した場合の産乳効果について検討し,
既に,放牧にくらベサイレージ給与の方が安定的に 養分を摂取でき,実乳量の減少割合が小さく乳組成 においても乳蛋白質を除く他の組成には差のないこ と を 認 め て い る 。 今 回 は , そ の と き 附 け る 血 液 成 . 分について検討した0 /
方法 飼養試験は,ホルスタイン種泌乳牛10頭を供 試し,サイレージ飽食区(サイレージ区), 5時間 放牧区(放牧区)の2群各5頭づつに分け, 7月末 から10月初めまでの10週間並列試験を行った。補助 飼料は濃厚飼料を実乳量の1/6給与し,乾草は無給 与とした。
血液は,試験開始時および試験開始後1,2, 4, 6, 8, 10週目の朝8時から9時の間に採取した円 結果 1 ) 日本飼養標準に対する養分摂取割合は,
放牧区においてDCP156 9,も TDN959ら,サイレー 区においてDCP109 %, TDN108 ~らであった。
2) 血清尿素窒素の値は,試験期間平均で放牧区,
サイレージ区それぞれ31.2,13.6 mg / dtであり,試 験期聞を通じて放牧区が有意(P
<
0.01 )に高く推 移した。3) 血 清 蛋 白 質 の 値 は , サ イ レ ー ジ 区 が 放 牧 区 に . くらべ低い傾向で推移した。
4) 血糖の値は,サイレージ区において試験開始 後1,2週目に低い値となったが,以後は放牧区と
同様な値で推移した。
5) 血清総云レステロールの値は,試験期間平均 で放牧区,サイレージ区それぞれ193.5, 1605mg/匂d であり,試験期聞を通じてサイレージ区が低い値で 推移した。
6) 血清中のカルシウム,無機リン,カリウム,
ナトリウム, クロールは,両区ともに同様な値で推 移したD
7) 血清GOT,GPT, ALPは,両区において同
‑18‑
•
様な傾向で推移した。
以上,放牧区とサイレージ区を比較して一部の血 液成分に異なる傾向がみられたが,いずれも正常値 の範囲内であり,放牧に変えて予乾した草サイレー ジを給与したことによる血液成分への悪影響は認め られなかった。
1 4 .
重炭酸ナトリウム添加が乳牛の採食・飲水に及 ぼす影響o浅野昭三・佐藤 博・小松芳郎・大森昭一朗 (北海道農試)
目的重曹の給与が牛の採食,産乳,増体に及ぼす 効果については種々の報告があるが,これらの効果 は飼料構成等によってかなり変動することが予想さ れる。本報告では,粗飼料の多い飼料条件で,重曹 添加が乳牛の採食,飲水に及ぼす影響を調べた。
方法 試験 Iでは,食塩添加,無添加の2種の配合 飼料に重曹をO. 2.5,5 %ずつ添加し,定量の配合 飼料を採食するに要する時間を測定した。同時に重 曹と等モルの炭酸ナトリウム添加(0, 1.7, 3.3 %) についても同様の比較を行なった。各試験は育成雌 牛(体重約400kg )を1区2頭, 1期5日間, 3 X
3のラテンとした。試験
H
では,乾草少給,とうも ろこしサイレージ(風乾物26.0% )の自由採食条件 下で,重曹を0,2.5, 5, 7 %添加した食塩無添加 の配合飼料を1日2.5kg/頭ずつ給与して,サイレー . ジ 採 倍 以 水 量 を 測 定 し た 。 ま た , 各 飼 料 給 与 最 終日の採食前及び採食2時間後に採血し,血液PH,PCO~ , Hb, 惨透圧を測定したn試験は育成雌牛 (体重約4QOkg )を1区1頭, 1期10日間, 4 X 4 のラテンとした。
結果 1) 試験Iにおける2.5%添加区, 50/0添加 区の重曹摂取量はそれぞれ659,1269/日/頭であ ったが,試験飼料の摂取速度はいずれも120~ 138
9/
分の範囲で,重曹無添加区と明らかな差はなか った。炭酸ナトリウム摂取量は1.7%添加区, 3.39ら 添加区でそれぞれ509,889/日/頭であったが,3.3 %添加区の採食速度は無添加区の約58%と明ら かに低下した。
(2) 試験
E
における各区の重曹摂取量はそれぞれ0, 62, 125,1759/日/顕であった。とうもろこしサイ レージの採食量は無添加区で現物27.2kg/島領,風 乾物体重比1.68%であり,重曹の添加は,サイレー ジ採食量を僅かに増加させる傾向にあったが,その 増加は有意で、はなかった。飲水量は無添加区で18.0
O/日/頭,体重比0.49%であったが,重曹添加はい ずれの水準でも飲水量を有意に増加させた。採食前 後,飲水無給与の条件で測定した血液成分では,採 食後のHC03‑値(計算値)が重曹添加により僅か に増加したが,有意ではなく,その他の成分にも明
らかな影響はみられなかった。
(3) 重曹添加による飲水増加について,別に重曹 と食塩の飲水量に及ぼす効果を比較したが,重曹は 等モルの食塩とほぼ等しい飲水増加をもたらすもの
と推定された。
1 5 .
グラスサイレージ不断給飼時における泌乳牛の 水分摂取量o関根純二郎・大久保正彦・朝日田康司(北大 農 )
目的:先に,日畜学会第70回大会(昭54.8月)に おいて,青刈り牧草給与時の水分摂取量を報告した が,今回は, グラスサイレージ給与時について検討 を行なった。
方法:ホルスタイン種泌乳牛3頭およびガーンジー
×ホルスタイン雑種 1頭を供試した。出穂期から開 花前期にかけて収穫・調製したグラスサイレージ
( 10 ‑60k.ι/日)および乳量の25%相当の濃厚飼料 ( 2.0 ‑5.0kg/日)を給与し, 6月10日から10月19日 までの水分摂取量を調査した。飲水量(DWI )は 水量計を装備したウォーターカップを個体毎に設け て,毎日測定した。グラスサイレージの給与量およ び残食量を毎日,個体毎に測定し,各々の水分含量 から水分量を算出し,濃厚飼料中の水分量を加えて,
飼料中水分量とした。これらの水分量の合計を総水 分摂取量(TWI )としたn 乳量(MY)は毎日記 録した。 2時間毎の舎内温度の平均値を日平均温度
(Tm)とした。体重は.10日間隔で測定した。
結果:乾物摂取量(
DM
1 )は,平均14.1士2.8k多/日 (範囲6.4‑21. 7kg/日), M Yは, 11.4士4.0kg/日‑19‑
(3.2‑19.7), TWIは, 92.8士25.9k疹/日(36.7‑
170.9), D W 1は, 70.7土25.8kg/日(20.3‑152.3),
平均体重は, 583土32kg( 442 ‑636 )であった。Tm の平均は
,
21.21士3.6oC ( 14.1 ‑28.9 )であった。グラスサイレージの乾物含量は,平均36.1土8.8% で あった。 TWIとD M1, MY および~Tm との聞には 有 意 な (p
< .
01 )正の相関(各々, r =. 609, r = .548, r =. 182)が認められた。重回帰分析により,
T羽T1 = 4.17 D M 1十1.95 M Y
+
O. 71 Tm ‑3.0, ( p< .
01, R=. 671 )なる回帰式を得た。 標準偏 回帰係数は, D M 1 = 0.442, MY= 0.298, Tm =0.097となり, D M 1は, MY および~Tm より大きく TWIに寄与していることが認められた。 TWIと D M 1, M YまたはTmの毎日の変動について,ノ
ンパラメトリック法を用いて解析した結果, TWI の日変動は, D M 1の日変動に大きく左右されるこ とが認められた。 21日間の移動平均により各変量の 変動傾向を求め,これから毎日の実測値がどれほど 偏っているかを知るため,毎日の実測値をその日の 移動平均値で除し,これを日変動指数とした。この 指数を用いて,相関を求めたところ, TWIとD M
Iとの聞に, 1頭を除いて,有意な(p
< .
01 ) 正 の相関関係が認められた。また,それらの回帰係数 は, 0.47 ‑0.54の範囲にあり, DMIの日変動指数 あたり, TWIの日変動指数が約O.5単位増すこと が明らかとなった。1 6 .
とうもろこしサイレージの切断長が乳牛とめん 羊の反すう行動に及ぼす影響o岡本全弘・出岡謙太郎・坂東 健(新得畜試) 目的:とうもろこしサイレージの切断長はサイレー ジ発酵, 変敗,収穫機械の作業能率等と共に牛の 生理を指標として設定されなければならないが,研 究は少なく,不明な点が多く残されているo特に,
大量に給与されること,易発酵成分含有率が高いこ とから,第一胃内環境を正常に保つ配慮、が必要とな ろう。そこで,唾液分泌や第一胃運動等と関係深い とされる反すう行動に及ぼすとうもろこしサイレージ の切断長の影響を 2つの実験で、検討したので報告するD
方法:実験1,同一日に同一ほ場より,設定切断長
5, 10, 30皿の3種の黄熟期とうもろこし(ワセホ マレ)を収穫・調製した。これらを同一時期にホル スタイン乾澗牛(平均体重 757kg )とサフォーク去 勢羊(平均体重73kg)各3頭に給与した。試験はい ずれも1期14日間の3x 3ラテン方格法で、実施した。
給与量は代謝体重当り,乾物で509を目途とした。
反すう行動は乳牛は岐筋筋電図信号のラジオテレメ トリにより,めん羊は顎部の動きをマイクロスイッ チを用いて検出,記録した。実験2,黄熟期のとう もろこしを設定切断長5mm及び10凹に切断し,サイ レージを調製した。これを細切あるいは無細切の乾 草とともに,分娩後 2~6 週の泌乳牛 8 頭に給与し たo と う ね こ し と 乾 草 の 組 合 せ は , そ れ ぞ れ 切 断 . 長が2種あり,合計4処理となり,各2頭を割り付 けた。
結果:実験1,乳牛では,反すう時間及び反すう食 塊数は5mmが他のいずれかに比べ有意に小さく, 10 凹と30mmの聞には有意な差は認められなかった。ま た,反すう期数や1反すう期当りの反すう時間には 差は認められなかった。めん羊では,これらのいず れにも有意差は認められなかったが,反すう時間及 び1反すう期当りの反すう時聞は5mmが他の2つに 比べて小さい傾向があった。
実験2,とうもろこしサイレージと乾草の採食量 は処理問の平均値に差は認められなかったものの,
個体聞にかなりの差が生じた。とうもろこしサイレ ージの採食量のレンジは乾物で, 5 皿が 7.5~ 12.2 kg, 10凹が8.4~ 10.5 kgで、あった。乾草は乾物で,
細切が2.7~ 3.0 kg
,
無細切が1.8~ 2.9 kgで、あった o~・濃厚飼料の採食量は全牛 6.7kgで、あった。反すう時' 聞は5凹サイレージと細切乾草を給与した牛の1頭 の475分から30mmサイレージと無細切乾草を給与し た牛1頭の623分の範囲にあったが,特別な傾向は 認められなかったー反すう食塊数は464から610の 範囲にあった。なお,無細切乾草を給与した牛の反 すう食塊当りの再そしゃく時間は細切乾草に比べて 長くなる傾向が認められた。
‑20‑
1 7 .
テールペインティング法による乳牛の発情発見 についてo池滝孝・園原悦子・太田三郎(帯畜大) 目的:健康な非妊娠牛の発情はほぼ周期的に再帰し,
その際,乗駕・被乗駕とし、う特徴的な行動がともな うことは古くから知られ,人工授精を行なう際の重 要な指標となっているD しかし,発情行動は昼夜を 問わず発現し,個体によっては持続時間が短いため,
朝夕の観察のみでは発情を見逃すことも少くなし、。
そのような欠点を補い,発情発見率の向上を目的と してヒートマウン卜ディテクター,チンポールある .いはマーキング、クレヨンなどが使用されているo 本調 査は以上のような補助的手段のうちクレヨンを用い るテールベインティング法(TP法)に関して発情 発見の効果を数値的に把握しようとするものである。
方法:本学附属農場ルース・ハウジング施設に飼養 するホルスタイン種乳牛のうち"80年9月かぢ81年 8月に分娩した泌乳牛78頭をTP法による発情調査 対照牛とし,分娩後7日目より朝・タ2回搾乳前に 観察を行なった円 TP法とは,非妊娠牛の十宇部後 方より尾根部にかけておおよそ幅5cm,長さ25cmに 塗布された燈色クレヨ、ノが,乗駕牛の胸部で擦過さ れ消失することにより.被乗駕牛すなわち発情牛を 識別しようとするものであるo供試牛の分娩時年齢 は平均49か月齢,産次は1~ 8産であり,飼料は年 聞を通じて乾草・へイレージを自由採食(春 秋季 は時間制限放牧,冬季はとうもろこしサイレージを .併飼),濃厚飼料は産乳量に応じて給与されているo
結果;試験期間中に観察されたクレヨン消失回数は 延384回であり, 1個体につき3回以上発情を示し たものについて平均発情周期を算出すると21.2土3.3 日と,ほぼ周期的に消失することが確認された。一 方,発情が 18~24 日以内に再帰するものと仮定した 場合,推定周期以外に消失することもあったが,そ の割合は3.4%と極めて低い値となった。また, 受 胎授精日から逆算し,推定周期内でクレヨンが消失 しなかった場合を見逃しとして発情発見率を求める と85.4%となる。しかし,見逃しとされた中には,
直揚からの卵巣触診や授精後の周期的な腫・子宮頚 管の所見から発情ではないと判断される例も含まれ ており,それらを考慮、した時の発見率は90.10/0とな
る。受胎授精時前後におけるクレヨン消失状況をみ ると,授精前日夕方までに消失した割合は33.3,授 精当日朝55.6,授精当日夕方3.2,翌朝3.1%とな り,消失が確認できなかった割合は4.8%であった。
なお,受胎後のクレヨン、消失を妊娠発1'育によるもの とすると,その割合は6.3%となり,従来の報告と ほぼ一致する数値を示した。
1 8 .
搾乳性の改善に関する試験第
3
報異なる搾乳機作動条件が搾乳速度,残乳 量に及ぼす影響o塚本 達(根釧農試)・曽根章夫・峰崎康裕・
西村和行(新得畜試)
目的 搾乳速度測定値標準化の基礎資料を得る目的 で,種々の搾乳機作動条件下での搾乳速度を比較し TこB
方 法 搾 乳 速 度 の 比 較 は5処理の搾乳機作動条件で 行った。各処理の真空圧,脈動比,脈動数はそれぞ れ以下のとおりである。
処理1=38 cmH9・3: 1・61回/分,処理II=38 cmH9 ・2.5: 1・61回/分,処理皿=38 cmH9・1 : 1・61回/分,処理N =33cmH9・1 1 ・37 回/分,処理
v
= 35 cmH9・前乳区1: 1 後乳区1. 5 : 1・47@J/分。
パルセーターは作動方式の異なる3機種を用いたが,
処理 I~ 皿は同ーのもので,パルススライドを交換 して脈動比を変化させた。
真空発生装置および調圧器は同ーのものを用い,
3段階の真空圧は調圧器への加重を増減して発生さ せた。すなわち, 33cmH9は加重
o
fJ, 35cmH9は54.5 fJ, 38 cmH 9は109.5fJそれぞれ加重した。
搾乳機はミルクスケールに吊し, 30秒間隔で牛乳 流出量を読み取り搾乳速度を計測した。 30秒当りの 牛乳流出量が200fJ以下になった時点でマシンスト リッピングを行った。搾乳は6頭複列ミルキングパ ーラー内で,各処理とも同一牛17頭についてそれぞ' れ 4~5 反復タ搾乳時に実施した。
結 果
1 )
搾乳速度,搾乳時間にかかわる各形質の 測定値は処理問で程度の差はあるが,真空圧,脈動‑21‑
比,脈動数が高まるにつれて搾乳速度は速まり,搾 乳時間は減少する傾向が示された。
すなわち,最高搾乳速度,平均搾乳速度, 2分間 乳量は処理条件差の小さい処理Iと
n
,および処理固とVの聞には差はないが,その他の各処理問でそ れぞれ有意な差が認められた。機械搾乳時間の処理 間差も概ね同様だが,処理皿 ~v の間で多少異なり,
処理
W
とV
との聞が有意な差となった。2) マシンストリッピング量は処理1.
n
が他の 全ての処理に比べ有意に高い値を示した。しかし,処理
m.w.v
の3処理問では差がなかった。一方,マシンストリッピング時間は搾乳速度も関与するた め処理間差は減少し,処理Wと処理1.
n
との聞にのみ有意な差が認められた。
3) 各形質における処理問の相関係数は搾乳速度,
搾乳時間ではそれぞれ0.80~0.98 といずれも高い値 が得られ,測定値の処理問補正の可能性が示唆され た。一方,マシンストリッピング量・時聞は 0.36~
0.87と比較的低い相関であった。
1 9 .
乳房の形状および牛体の汚染と乳房炎感染との 関係。新出陽三・武笠昭男・柏村文郎・鈴木省三 (帯広畜大)
目的:乳房の形状および牛体の汚染とが,乳房炎の 感染と関係があることが知られているn しかし,こ れらの関係は十分に明らかになっているとはいえな い。したがって今回は,乳房の床面からの高さと乳 房炎感染との関係,さらに牛体,とくに乳房の汚れ
と乳房炎感染との関係について調査を行った。
方法:帯広畜産大学附属農場の牛群を用¥",延573 頭, 2,249乳区について調査した。調査牛はフリー ストール方式で、飼育し, 1日2回ロータリーミルキ ングパーラーで右側より搾乳した。全ての調査は 1980年12月から1981年9月の10カ月間で,月に 1回朝の搾乳時に行った。牛体の汚染度の調査は,
ミルキングパーラーの待機場に入る直前にパーンヤ ードで行った。調査部位は,各乳頭,乳房の左右,
腹部の左半面と右半面,左右後肢の外側である。汚 染度は1から3までの3つの段階とし, 1は汚れが
全くないもの, 2は少し汚れているもの, 3が汚れ のひどいものである。乳房の形状はミルキングパー ラー内で調査した。測尺部位は,前乳頭,後乳頭,
前後乳区区分点および飛節で,それぞれの床面から の高さを測定した。乳房炎感染の検査にはCMT法 を用いた。検査乳は各牛の乳区別乳と混合乳で、あった。
結果:1) CMT陽性であった牛は,調査牛延573 頭のうちの 5.06~らであった。延 2249 乳区では,左 前乳区:4.01 ~ら,左後乳区: 4.62 % , 右 前 乳 区 :
6.83 %,右後乳区8.08%となり,右乳区のCMT陽 性率が高かった (P<0.05)o 2) 床面から乳頭ま での高さが, 50cm以上ある乳区のCMT陽性率は,
前乳区:3.74 %,後乳区:4.32 % で あ つ む こ れ に . 対し, 49cm以内の乳区のそれは,前乳区:8.58 %, 後乳区:9.52 %と乳頭の床面からの高さが49cm以内
の乳区の方が, CMT陽性率が高かった(P < 0.05 。) 3) 乳頭の汚染度は, CMT陽性の乳区で1.82,陰 性では1.63であった。また,乳房の汚染度でもCM
T陽性の乳区では1.62なのに対し,陰性の乳区では 1.45と乳頭および乳房の汚れとCMT陽性率との聞に は関連世が認められた。しかし腹部および後肢の汚れと
CMT陽性率との聞には明確な関係が得られなかった。
20.冬期寒冷がホルスタイン種の牛乳生産におよぼ す影響
。四十万谷吉郎・古郡浩・宮田保彦(北農試) 目 的 寒 冷 が 乳 牛 の 生 産 性 理 機 能 に お よ ぼ す 影 響 . を調べた試験は少なくないが,寒冷時の環境温度の 許容範囲など不明な点が多い。本試験は冬期間の飼 養法改善の基礎資料を得る目的で,自然環境下での 寒冷が牛乳生産におよぼす影響を検討した。
方法 ホルスタイン種泌乳牛6頭(日乳量:18~24
kg,体重:593 ~ 698 kg,産次:4‑‑‑8産)を3頭 ずつ2群に分け,舎内区と寒冷区を設定した。 1期 3週間の反転法により試験を実施した。舎内区はコ ンクリート製,チェーンタイ方式の成牛牛舎で,寒 冷区は木造の簡易解放式牛舎の一部を改造し,窓を 開放して飼養した。飼料は配合飼料,コーンサイレ ジ,チモシー主体1番乾草をTDN比で40: 35 : 25 の割合で給与した。 TDN給与量は日本標準飼料成
ワ ムワ白
分表を基に,各期末1週間の平均日F'CM量と体重を 用い,日本飼養標準の要求量の 105%とした。飲水 は自由飲水とした。試験期間は 1982年1月8日から 3月11日までであった。測定項目は舎内温度,飼料 摂取量,体重,乳量,乳成分,心拍数,直腸温,呼 吸数ならびに若干の血液成分であった。
結果 1) 試験期間中の平均最高温度,平均最低温 度は寒冷区がO.9 oc ( ‑4. 2 oc ~ 4. 5 oc ), ‑3. 3 oc ( ‑8. 9 oc ~ O. 7 oc ) ,舎内区が11.3 oC ( 7. 6 oC
~ 15. 0 oC ), 7. 5 oC ( 4. 1 oC ~ 11. 7 oc )であり, 2 期が最も寒かった。
2) 乾物摂取量の体重に対する割合は両区とも 2.6
̲ % で あ っ た 口 TDN充足率, D C P充足率は寒冷区 ( T D N : 105 %, D C P : 126
%
)が舎内区(110%
, 134%
)より有意に低かった(P<
0.05)。 3) 体重は寒冷区で減少し,舎内区で維持または増 加しTこ(p<
0.05 )口4) 平均日乳量は寒冷区が19.7kg,舎内区が19.2kg であり,両区間に有意な差は認められなかったが,
寒冷区に移行すると,一時的に乳量は増加し,舎内 区に移行すると低下する傾向が認められた。寒冷区 の日F C M,S C M量は舎内区より有意に多かった ( P
<
0.01 )。乳脂率,乳蛋白質率は寒冷区が舎内 区より有意に高かったo SNF率は両区間に有意な 差が認められなかったn5) 寒冷区の牛乳生産粗効率は舎内区より高かった。
6) 心拍数,直腸温,呼吸数は両区間に有意な差が 認められなかった。
7) 血液中の遊離脂肪酸,ク、、ルコース値は寒冷区の 方が舎内区より高かった。
8) 以上の成績から,本試験条件下での寒冷はホル スタイン泌乳牛の牛乳生産効率を高めることが示唆 された。この生産効率の増加は寒冷環境が蓄積脂肪 の動員を促がし,必要エネルギーの一部を補給する
•
ことによるものと考えられるO
2 1 .
寒冷条件下における子牛の発育におよぼす初期 保温・晴育法の影響o杉原敏弘・木下善之・大森昭一朗(北農試)
目的 寒冷条件下で出生後数日間保温条件を与えた
子牛と,無保温の子牛に対する晴育法の違いが,発 育におよぼす影響について検討した。
方法 1982 年 1 月 ~2 月に生まれた Õ 3頭♀ 5頭 の新生子牛を用い,各4頭づっ28日齢離乳群と42日齢 離乳群を設け,カーフハ、yチで70日齢まで飼育した、
それぞれの群は更に 2頭づっ生後 5日間保温処理し た区(初期保温区)と,生後直ちに戸外のハッチに
収容した無保温区とに分けた。初期保温区は舎内に ハッチを置き,電熱保温板を入れ,その上に敷料を 敷いて保温したのち6日目から戸外ハ、yチに収容し,
以後は無保温区と同様に飼育した口各群とも出生後 2時間以内に初乳を給与し,以後5日間は1日5kg 母乳を給与した。 6日目から28日齢離乳群は1日1 回4kg, 42日齢離乳群は1日2回5kgの全乳を給与
し,いずれも人工乳は生後3日目から,乾草・水は 生後3週頃から自由摂取させた。子牛の採食量は毎 日1回,体重および体尺測定は毎週1回行った。採 血は出生直後, 6, 12, 24, 48時間目, 5, 6, 7,
14, 28, 49, 70日目の計12回行い血液性状を検査し TこO
結 果 ① 試験期間中(1 月 17 日 ~4 月 30 日)の戸 外ハッチ内気温は,最高‑4. 5 oC~21 oC,最低‑15.8 oC~ 5. 1 oCで,外気温より約20C高く,子牛出生後
5日間の初期保温区と無保温区のハッチ内日平均温 度は6.3 oC, ‑3. 4 oCで,初期保温区が約100C高か った。② 28日齢離乳群は初期保温・無保温区とも 42日に比べて発育が不良で,特に初期保温区は2頭
とも離乳後の人工乳摂取量が少なく,体重は減少し て離乳後1週目より低体温状態となり,離乳後2週 目6週齢時に2頭とも起立不能となった。無保温区 の2頭も発育がおくれ, 70日齢で体重74.5kg, 70日 間の DG343
9
であった。③ 42日齢離乳群では70 日齢体重と70日間の DGは,初期保温区88.8kg, 5409
,無保温区90.3kg, 5619
で両区とも順調な発育 を示し,人工乳の摂取量は無保温区の方が多かった。④ これらの点から,寒冷期におけるカーフハッチ 飼育では,離乳の時期は28日齢では早過ぎ,ルーメ
ン機能がほぼ整うであろう時期, 42日齢位が適当で あり,また液状飼料の給与量も初期体重の10%以上 給与するのが妥当であると思われる。⑤ カーフハ ッチ飼育の場合,子牛に対する寒冷暴露は出生後早 い時期に行う方が望ましいが,出生後数日間保温条
円ο
円 ︐u
件を与えても,その後栄養供給量が十分であれば寒 冷環境下の飼育に十分耐えるものと思われる。
2 2 . 6
週齢離乳子牛の2 5
週齢までの発育に伴う熱発 生量の推移および熱発生量の季節変動o諸岡敏生・関根純二郎・大久保正彦・朝日田 康司(北大農)
目的 離乳子牛の発育に伴う熱発生量の推移および 熱発生量の季節変動を明らかにする目的で試験を実 施した。
方 法 1980年4月から 1981年3月生れのホルス タイン種雄子牛12頭を6週齢で離乳し, 25週齢まで 育成した。給与飼料は,市販濃厚飼料とオーチヤー ドグラス主体の細切乾草であった。 12頭の供試牛の うち, 8頭には1番刈乾草を, 4頭には2番刈乾草 を給与したが,両乾草のエネルギー含量は,それぞ れ18.0,17.7 KJ/9であまり差はなかった。濃厚飼 料と乾草を, 2 ~13週齢には風乾重量比で 6 4,
15週齢以降は4:6の割合混合し 1日2回(9: 00お よび17: 00 )に分けて制限給与した。給与量は,
NRCの日増体0.8kgに必要なTDN量から算出した。
7, 9, 11, 13, 17, 21および25週齢に物質および エネルギー出納試験を行ない,あわせて,フード法 により呼吸試験を24時間連続で実施し,熱発生量
(KJ/kg"
予
day)を求めた。温湿度等の環境条件は 特に調節しなかった。結果 1) 7 ~25週齢を通して,給与乾草の種類に よる熱発生量の違いはほとんど見られなかった。熱 発生量は,全体として 7 週齢の 583KJパザ7~day から11週齢の702KJ,Aザ75 /dayまで急増し, 13週 齢以降700 750KJA971/dayの範囲内で、ほぼ一定
となった。
2) 気温の下降期に生れた子牛の熱発生量は,気温 の上昇期に生れた子牛に比べて27および9週齢で高 く,発育に伴う熱発生量の推移は全体の傾向とやや 異なった。
3) 熱発生量と平均気温(1. 9~23.6
o c
)は負の相関を示した。相関係数は, 7および9週齢ではそれぞ れr= ‑0.795, r =ー0.740と高かったが.13~25週 齢ではr= ‑0.360と低かった。また,回帰係数は7,
9 および 13~25週齢において,それぞれ b= 一 10.894 ,
b= ‑6.669, b= ‑1.950で,気温の変化に対する熱 発生量の変化は,週齢の進行に伴し、小さくなった。
4) 熱発生量は,いずれの週齢においても夏低く冬 高い季節変動を示した。熱発生量の年間変動幅は,
週齢の進行に伴し、小さくなった。
5) 熱発生量の季節変動を明確にとらえるため,最 適近似余弦式による数式化を試みた。その結果,熱 発生量の季節変動の量的表示への最適近似余弦式の
有用性が示唆された。
‑24‑
•
•
第 二 会 場 午 前 の 部
2 3 .
へレフォード種の生時から2 4
力月齢の発育に関 する遺伝的パラメータの推定。富樫研治・横内園生(北農試) 釘田博文(十勝種牧)
目的 わが国で、のへレフォード種の育種のあり方を 論ずるためには,種々の育種システムについてその 有効性が検討されなければならない。そこでその第 1段階として,発育諸形質の遺伝率,反復率ならび . に 形 質 相 互 間 の 関 連 防 分 析 し たo
方法材料は,農林水産省十勝種畜牧場で昭和39年 から54年にかけて生産・飼育されたへレフォード種 491頭の体重,体高,十宇部高,体長,胸深,胸幅,
尻長,腰角幅, ij寛幅,坐骨幅,胸囲および管囲の生 時から24カ月齢までの発育記録であるo用いた数学 モデルは,出生年次,性,出生季節,母牛産次を母 数効果,父牛,母牛を変量効果とした混合モデルで、
あり,遺伝率および遺伝相関は,同父牛半兄弟相関 法により,反復率は同母牛半兄弟相関法により推定
した。
結果 各形質の遺伝的パラメータの推定値は次のよ うであった。
1 ) 生時, 12カ月齢の体重の遺伝率は, 0.36と比 較的大きな値を示した。
2) 体高,十宇部高,尻長,管囲の遺伝率は,ほ ぼ月齢とともに増加し,生時から24カ月齢までの全 .月齢の値を平均した値は,それぞれ0.67,0.61,.0.39
0.51と大きかった。
3) 体長,胸深,胸幅,腰角幅,臆幅,坐骨幅,
胸囲の 10~12 月齢の遺伝率は比較的大きな値を示し
Tこo
4) 0~6 , 6~12 , 12~18 カ月齢の 1 日当り増 体重の遺伝率は,それそれ0.27, 0.41, 0.34となり,
離乳後の増体重の遺伝率は離乳前の値より大きかっ Tこo
5) 6 カ月齢体重と 0~6 カ月齢の 1 日当り増体 重, 12カ月齢体重と
o
~ 6, 6 ~12 カ月齢の 1 日当 り増体重, 18カ月齢体重と 6~12 , 6 ~18 カ月齢の 1日当り増体重, 24 カ月齢体重と 6~18, 12~18 カ月 齢の1日当り増体重とで、は, 0.45~ 1. 41 と大きな遺伝相関が認められた。
6) 6カ月齢体重と生時の尻長,腰角幅の遺伝相 関は,それぞれ0.37,0.34, 1カ月齢の体重,体長,
尻長,腰角幅,胸囲で, 0.58~ 1. 38 , 3カ月齢の体 重,体高,体長,胸深,尻長,腰角幅,胸囲で0.48
~1. 43 の値を示した。
7) 12カ月齢体重と生時から10カ月齢までのほと んどの体格部位聞には,正の遺伝相関が認められた。
8) 24カ月齢体重と生時から18カ月齢までの体高,
6 ~18 カ月齢までの体長とは比較的大きな正の遺伝 相関が認められた。
9) 3カ月齢の体重,十字部高,尻長,腰角幅,
I
寛幅,坐骨幅,胸囲の反復率は, 0.3を上回り, 6 カ月齢の胸深,腰角幅, ji寛幅,胸囲も O.3を上回っ fこ一口2 4 .
非線型成長モデルによる無角へレフォード雌牛 の体測定値への当てはめo細野信夫(新得畜試)・光本孝次(帯畜大) 目的 無角ヘレフォード雌牛の発育様相を簡明な パラメータとして把握するための基礎的情報を得る 目的で,新得畜試において育成した生後60カ月令ま での体重と体測定値について Be r talanffy (BT),
Brody(B), Gomperts (G), Logistic (L), R ichards ( R)の5種の非線型成長モデ、ルを当ては め,各成長モデ ル間で、適合の度合いを比較して,各 成長モデ、ルの特性を検討した。また,体重と各体格 部位について最適成長モデ、ルの成熟値,成熟凍度の 関連を成長曲線に基づいて比較検討した。
方法供試牛は, 1961年から 1963年に輸入した 繁殖牛(雄3頭,雌30頭)から生産した雌子牛108 頭 (
s
型)と 1968年, 1969年及び1972年に輸 入した繁殖牛(雄2頭,雌30頭)から生産した雌子 牛81頭 ( M型)の生時から60カ月令までの体重と体 格11部位測定記録を用いた。非線型成長モデ、ルは各形質において測定月令別平 均値に当てはめた。パラメータの推定には非線型最 小2乗法において,残差平方の2次微分であるヘシ セ行列を近似式で代用するGuasi ‑N ewton法 の ひ とつで、あるBiggs法を用いた。計算に当っては反復
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