献辞
著者 川口 章
雑誌名 同志社政策科学研究
巻 19
号 2
ページ n
発行年 2018‑03‑01
権利 同志社大学政策学会
URL http://doi.org/10.14988/pa.2018.0000000247
献 辞
同志社大学政策学部長・総合政策科学研究科長 川 口 章
阿部茂行先生は、2017年1月9日にめでたく古希を迎えられ、本年3月31日をもって同志社 大学をご勇退されることとなりました。先生の教育および学術における大きな功績に敬意を表 し、『同志社政策科学研究』第19巻第2号を「阿部茂行教授退職記念号」として呈上します。
阿部先生は、大阪大学経済学部を卒業後、アメリカ・ハワイ大学大学院経済学博士課程を卒業 され、Ph.D.を取得されました。その後、京都産業大学教授、神戸大学教授、京都大学教授など を歴任され、2004年4月1日、同志社大学政策学部設立と同時に本学部の教授に就任されました。
学部新設時に就任した教員の一人として、私は当時阿部先生と苦楽をともにしたことを懐かし く思い出します。政策学部の教育の特長は、いわゆるPBL(Problem/Project-Based Learning)によっ て、問題発見・解決能力を養成することです。今でこそ、PBLは多くの大学で実施されていますが、
当時は私も含めほとんどの教員にとって、そのような教育は受けたこともなければ、実践したこ ともなく、何をしていいのかよくわからない状態でした。まさに手探りの状態で新学期の授業が 始まりました。幸い学生は優秀で、新設学部にかける教員の思いも強かったため、次々と起こる 難題を乗り越え、現在の学部の礎を築くことができました。その時、阿部先生は、いつもリーダー 的存在として私たちを励ましてくださいました。
阿部先生はアジア経済研究の第一人者として、世界的に著名な研究者です。East Asian Economic Association副会長、East Asian Development Networkシニア・アドバイザー、りそなア ジアオセアニア財団理事、国際東アジア研究所理事など、数多くの要職に就かれた経歴をお持ち です。さらに、2005年から10年間、同志社大学現代アジア研究センター・センター長として本 学のアジア研究の発展に尽くされました。
また、阿部先生は教育に対し人一倍熱い気持ちをお持ちです。「国際協力政策」「開発政策」「ア ジア経済論」「開発政策論研究」などの学部・大学院科目を担当されたほか、演習科目ではタイ やマレーシアでのフィールドワークにゼミ生を引率され、現地の大学や国際機関との交流を続け られました。学術活動でお忙しいなか、貴重な時間をゼミ生の教育に割いておられるにもかかわ らず、「学生に遊んでもらっています」と謙遜される言葉が印象に残っております。そのような 阿部先生の人柄を慕い、今も多くの学生が先生の研究室を訪れ、近況を報告したり助言を仰いだ りする姿を目にします。
以上、阿部茂行先生の古希とご勇退を心よりお祝いしつつ、これまでに賜ったご指導への感謝 の念をこめ、私からの献辞とさせていただきます。阿部先生、これからもお体を大切にし、ます ますご活躍ください。