• 検索結果がありません。

低 出生体重児の父親の精神健康度 とその関連要因

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "低 出生体重児の父親の精神健康度 とその関連要因"

Copied!
9
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

低 出生体重児の父親の精神健康度 とその関連要因

― 正期産児の父親 と比較 して一

樋 貝 繁 香 D,渡 邊 タ ミ子の

〔 論文要旨〕

低 出生体重児の父親の精神健康度 (CES D)と その関連要因を明 らかにすることを目的 として,出 生後 1週 間 (I期 )と 生後 1か 月 (Ⅱ期)の 2時 点で調査 した。低出生体重児の父親 (A群 )I期 23名,

Ⅱ期19名と,正期産児の父親 (B群 )I期 44名,Ⅱ期24名を分析対象 とした。  I期 。Ⅱ期 ともA群 では 「 気 分障害群」が10%前 後であった。父親の精神健康度に関連する要因は, I期 では,不 安因子の 「 誕生児 の健康 。発達」,「育児」や 「 家庭生活」でA群 にのみ有意差 を認め,B群 には何 も認めなかった。 Ⅱ期 では,両 群に共通 して 「父親の性質」 と 「 対児感情」が有意な関連性 を認めた。一方相違点は,A群 が 育児の 「 授乳」, B群 が家庭生活の 「 経済」に有意な関連性 を認めた。父親のメンタルヘルスに関わる 健康支援 は,児 の誕生後に変化する背景要因の特性 をふ まえてアプローチする必要性が示唆 された。

Key words:父親,低 出生体重児,正 期産児,精 神健康度

の一 環 と しての ポ ジ シ ョニ ングや親 子相 互作 用 I . 緒   言

を支援 す るた め の カ ンガル ーケ ア な どの ケ ア を 今 日の新 生児 医療 で は, 救 命 だ け を 目的 とす      行 って, 低 出生体 重児 の発 達 を促 す よ うに親 子 るのでは な く,障 害 な き生存 が重要 な課題 とさ 関係 の確 立 を主体 として アプローチが な されて れている。特 に,近 年 クローズア ップされてい   い る現状 にあ る。父親 に とって,母 親 の妊娠 か

究 研

それ に加 えて Neonatal intensive care unit(以    米 国 において,出 産後母親 に しば しばみ られる る精神発達面の問題 は,児 の先天的 な素 因,出

産時 の問題 な どの 身体 的 な原 因ばか りで な く,

下,NICUと する)の 独特の環境,痛 みを伴 う 治療の連続,希 薄な母子相互作用なども関係 し ていることが指摘 されるようになった1)。 つ ま り低出生体重児の両親は,正 期産児の両親 より

ら出産後 しば ら くの間は喜 び,興 奮 ,不 安 や孤 独 な ど, さまざまな感情が交錯す る時期 である。

マタニテイー・ブルーと同様の抑 うつ的感情が, 強さや長 さは異なるが,正 期産児の父親の62%

くらいが経験するという研究報告がある°。

低出生体重児の父親は, 子 どもの突然の出産 も生 命危 機 や発 達,育 児 の問題 な どを抱 えや   や 入 院 に よ りさまざまな不安 を抱 えてい る。出 すい状況下にあるのの。これらのことをふまえ, 生後 1週 間は,子 どもや母親の状態が安定 しな 近年の新生児看護では,NICUの 環境 を子宮内   い ため,不 安が高いと推測 されるが,子 どもや 環境に近づけるよう,音 や光の刺激 を低減 させ   母 親の状態が安定 して くる出生後 1 か 月頃には た り,児 が′ 亡 ヽ 身共 に安定す る ような環境づ くり 不 安 は低 くな って い る"の。 そ して,正 期 産児

Parental NIental Health and the Related Factor of a Low― birth―weight lnfant

――Compare with the Ⅳ Iental Health of the Father of a Terrn lnfant― ― Shigeka HIGAI, Tanliko WATANABE

l)東 京 医療保健大学 (看護師/研究職)2)新 潟大学保健学科 (看護師/研究職)

別刷 請求先 :樋 貝繁香  東 京 医療保健 大学看護学科  〒 141‑8648東京都 品川 区東五反 田4‑1‑17 Tel:03‑5421‑7655  Fax:03‑5421‑1074

〔 1870〕

受付 06.11.28

採用 07. 1.24

(2)

282

の父親 よりも産褥期の抑 うつ傾向は高い と推測 されるが,わ が国において父親のメンタルヘル スに関する研究はほとんどない。そこで,本 研 究の 目的は,低 出生体重児の父親の精神健康度 を,出生後 1週 間 (I期 )と 生後 1か 月 (Ⅱ期) の 2時 点に焦点化 して把握 し,さ らにその精神 健康度に関連する要因を明 らかにすることであ る。それをふまえて,今 後の育児支援の在 り方 を検討するための基礎的研究である。

Ⅱ.用 語の定義 1 . 低 出生体重児

出生 体 重 2,500g未 満 で 出生 した児 (国際 疾 患 分 類 ;ICD 10)。

2.正 期産児

在 胎 週 数37週 以 降 で 出生 し (国際 疾 患 分 類 : ICD 10),出 生 体 重 が2,500g以 上 の 正 常 出 生 体 重 児 (国際疾 患 分 類 ;ICD‑10)。

3.精 神健康度

心 の健康 は陽性 感情 と陰性 感情 で保 たれ てい る。 陰性 感情 が 強 い場 合 に は,心 の健 康 度 が低 く,不 安 定 な状 態 に な る。心 の健康 度 を知 るた め に うつJ大態 を指標 と した。

Ⅲ.方    法 1.調 査対象

Y県 内タトの医療機 関 (7ケ 所)で 出生 した低 出生体重児 を もつ父親 (A群 );I期 59名 ,Ⅱ 期59名 。その対照群 と して正期 産児 の父親 (B 群):I期 123名 ,Ⅱ 期67名 。

2.調 査時期

平成16年 7月 〜平成16年10月

3.調 査方法

自記式質問紙法で実施 した。 I期 では,協 力 の得 られた施設のス タッフまたは研究者か ら調 査主 旨を説明 し協力の同意 を得 て調査票 を配布 した。調査票への回答 は,自 宅 または病棟 で回 答後 に,郵 送法か病棟 に設置 した回収箱 に投函 を依頼 した。 Ⅱ期 の調査で も I期 とほぼ同様 に 行 った。

小 児 保 健 研 究 4 . 調 査内容

( 1 ) 基 本 属 性 ; 年 齢 , 職 業 , 勤 務 形 態 , 結 婚 年 数 , 家 族 構 成 な ど, ( 2 ) 子 ど もの 因 子 : 出 生 体 重, 性 別, 生 年 月 日, 単 胎 ・多胎 の有 無 な ど, ( 3 ) 精 神健康 度 の測定 には T h e   C e n t e r for Epidenliologic Studies Depression Scale

(CES―D);20項 目 (1;な い, 2;1〜 2日 , 3;3〜 4日 ,4;5日 以上 の 4件 法)を 用い た。 また,関 連要 因 と して (4)精 ネ申的 に不安 定 さ を示 す 川 井 られこよる性 質 ;16項 目 (1;

はい,2;い い えの 2件 法),(5)花 沢 に よる 対児感情尺度 :28項 目 (1;非 常 にその とお り

〜 4;そ んなことはないの 4件 法),(6)ソーシャ ル ・サポー ト ;堤 らによる地域住民用 ソーシャ ル ・サ ポー ト尺 度";5項 目 (1;非 常 にそ う 思 う〜 4;全 くそ う思 わないの 4件 法),ま た, 自作 の (7)父 親役 割 ;6項 目 (1:非 常 にそ う思 う〜 4;全 くそ う思わないの 4件 法),(8) 誕 生児 の健康 。発 達 な どの不安 ;生 命,発 達, 病気 ,子 どもとの分離,処 置 ・ 治療,体 重増加 ; 6項 目 (1:か な り札ヽ 酉己〜 4:心 酉己していない の 4件 法)。 (9)誕 生児 の育児 に関す る不 安 : 授乳 ,お 風 呂,オ ムッかぶれ,お 暦 の様子 :4 項 目 (1:か な り心配〜 41心 配 していないの

4件 法)。 (10)家 庭生活 に関す る不安 1妻 の体 調 ,上 の子 どもの育児,経 済,仕 事,夫 婦関係 : 5項 目 (1;か な り心配〜 4;心 配 していない の 4件 法)。 (各尺 度 の信頼係 数 (α);一 部 を 除いて0.7以上 を確保 した)

5.分 析方法

各尺 度 の 回答 は点 数化 して解析 した。 なお, CES―Dを 点数化 し,全 項 目の合計得 点が16点 以上 を cut Of値 と し,「気分 障害群」 と した。

精 神 健 康 度 の 2群 間 の比較 には t検 定,精 神 健 康 度 と関連 要 因の分析 に は,単 回帰分析 と Krusk」― wallis検定 を行 った。

6.倫 理的配慮

山梨大学医学部倫理委員会の審査後,調 査 を

実施 した。調査へ の参加 は 自由意思で4国人が特

定 され ない よ うに プ ライバ シー の保 護 に努 め

た。調査対象の施設 に,調査協力 の承諾 を受 け,

調査 内容 に用 いた測定尺度 は,開 発者 の使用許

(3)

可 を得 て行 った。

Ⅳ.結    果

I期 の調査では,調査協力 に同意 した父親 は, 182名 (A群 59名 , B群 123名)で あった。回収 数お よび回収率 は,全 体 で75名 (41.2%)で あ り,A群 は27名 (45.8%),B群 は48名 (39.0%) であった。有効 回答率 は,全体 で67名 (36.8%) であ り,A群 23名 (39.0%),B群 44名 (35.8%) であつた。

Ⅱ期 の調査 では,配 布数 は126名 (A群 59名 ,

B群 67名)で あ った。 回収 数 お よび 回‖ 又率 は全 体 で ,44名 (34.9%)で あ り,A群 20名 (33.9%), B群 24名 (35.8%)で あ つ た。 有 効 回答 率 は, 全 体 で43名 (34.1%),A群 19名 (32.2%),B 群24名 (35.8%)で あ った。

1.対 象者の特性

対象の特性 は表 1 に示 した とお りであった。

I   t t   A 群 では, 父親の平均年齢は, 3 2 . 9 ( ±5 . 6 ) 歳, 平 均結婚年数は4 . 3 ( ±4 . 1 ) 年 であった。

誕生児 を除いた「 上の子 どもの数」は0 . 5 ( ±0 . 8 )

表 1 対 象者の基本属性

I 期 A 群 ( n = 2 3 )

人数 ( % )

B 群 ( n = 4 4 ) 人数 ( % )

A 群 ( n = 1 9 ) 人数 ( % )

B 群 ( n = 2 4 ) 人数 ( % ) 年齢

職業

結 婚年数 家族形態

単 身赴任

就業状況

週 休

夜 勤

転 職

配属換 え

残 業

両親教育

立会 い分 娩

初 ・経 産       初 産

経 産

分娩形態       経 腟分 娩

帝王切 開

里帰 り分 娩      し た

しない 上 の子 ど もの数    平 均 士 SD

O人 1人 2人 以上 平均 ± SD 会社 員 公務 員 自営  農 業 医療従事 者 その他 無職 平均 ± SD 核 家族 拡大家族 有

3 2 9 1 ±5 6 1 6 ( 6 9 6 ) 4 ( 1 7 4 ) 1 ( 4 3 ) 2 ( 8 7 ) 0 0 4 3 ± 4 1 1 9 ( 8 2 6 )

4 ( 1 7 4 ) 0 2 3   ( 1 0 0 )

15 (65 2) 7 (304) 1 ( 4 3 ) 3 (13 0) 20 (87 0)

0 2 3   ( 1 0 0 )

0 2 3   ( 1 0 0 ) 12 (52 2) ll (478)

6 (26 1) 17 (73 9) 5 ( 2 1 7 ) 18 (78 3) 14 (609)

9 (39 1) 10 (435) 13 (56 5)

3 ( 1 3 0 ) 19 (82 6) 0 5 ± 0 8 1 4 ( 6 0 9 )

7 (30 4) 2 ( 8 7 )

3 3 0 ±5 3 1 ( 7 0 5 )

4 ( 9 1 ) 4 ( 9 1 ) 0 2 ( 4 5 ) 0 4 3 ± 3 4 3 8 ( 8 6 4 )

6 ( 1 3 6 ) 2 ( 4 5 ) 41 (93 2)

29 (659) 8 ( 1 8 2 ) 2 ( 4 1 ) 3 ( 6 8 ) 40 (909) 2 ( 4 1 ) 41 (93 2)

2 ( 4 1 ) 41 (93 2) 12 (27 3) 31 (70 5) 23 (52 3) 20 (45 5) 26 (59 1) 17 (386) 25 (47 2) 17 (40 5) 47 (88 7) 6 ( 1 1 3 ) 19 (358) 32 (604) 0 6 ± 0 7 2 1 ( 4 7 7 ) 18 (409)

5 ( 1 1 4 )

3 4 2 ±4 7 1 5 ( 7 8 9 )

1 ( 5 2 ) 2 ( 1 0 5 ) 1 ( 5 2 ) 0 0 3 4 ± 2 4 1 5 ( 7 8 9 )

4 ( 2 1 1 ) 0 19  (100)

10 (52 6) 8 (42 1) 1 ( 5 2 ) 2 ( 1 0 5 ) 17 (895)

0 1 9 ( 1 0 0 )

0 1 9   ( 1 0 0 ) 12 (63 2)

7 (368)

3 1 9 ±4 5 1 9 ( 7 9 2 )

1 ( 4 2 ) 2 ( 8 3 ) 0 1 ( 4 2 ) 0 4 3 ± 2 9 2 1 ( 8 3 3 )

3 ( 1 2 5 ) 2 ( 8 3 ) 21 (83 3)

14 (583) 8 (33 3) 0 1 ( 4 2 ) 23 (95 8)

1 ( 4 2 ) 23 (958) 2 ( 8 3 ) 22 (91 7)

6 (250) 18 (750) 四川湖有缶ヽ有益¨有征い有無有無有缶

9(375) 5 ( 2 6 3 )

14 (737) 2 ( 1 0 5 ) 17 (895) 11 (458) 7 (292) 7 (29 2) 11 (458)

3 ( 1 6 7 ) 15 (83 3) 0 4 ± 0 5 1 1 ( 5 7 9 )

8 (42 1) 0

1 5 ( 6 2 5 ) 17 (708)

7 (292) 14 (58 3) 1 0 ( 4 1 7 ) 23 (958)

1 ( 4 2 ) 7 (29 2) 15 (62 5) 0 6 ± 0 7 1 2 ( 5 0 0 ) 10 (41 7)

2 ( 8 3 ) 注

注 注

上 の子 ど もの数 は誕生 児 を除い た値 を示 した。

I期 は出生 後 1週 間頃,Ⅱ 期 は出生 後 1か 月頃 を示 し,A群 は,低 出生体 重児 ,B群 は正期 産児 を示 した。

*:p<005,年 齢 ,子 ど もの数 は t検 定 ,そ れ以外 は pearsonの χ2検

定 を行 った。

(4)

284

名 で あ った。家 族 形態 で は,「核 家族」が19名 (82.6%),「拡大家族」が 4名 (17.4%)で あ っ た。父親 の職業 の種類 別 では,「会社員」が16 名 (69.6%),「公務員」が 4名 (17.4%)な ど の順 であ った。父親 の就業状況では,最 近 「転 職」,「酉己属換 え」 を した人 はい なか った。「両 親教 育」においては,受講 した人が 6名 (26.1%) であ り,「立会 い分娩」 で は立会 い を した人が 5名 (21.7%)で あった。 Ⅱ期 で も I期 とほぼ 同様 の特性 であったが,Ⅱ 期 B群 の父親 の 「両 親教 育」 (χ 2=3.88,p=0.05)よ りも I tt B 群 の父親の方が受講 している割合が高か った。

2.誕 生児の特性

A群 の 「1,500g未 満 」 の 割 合 は, I期 が 26.1%,Ⅱ 期 が57.9%だ った。平均在胎 週数 は A群 で は I期 32.4±4.3週,Ⅱ 期31.0±5.1週, B群 で は I期 39.1週±1.4週,Ⅱ 期39.2±1.2週 だった。平均 出生体重 は,A群 では I期 1,732.2

±532.3g,Ⅱ 期1,464.6±549.8gだ った (表2)。

3.A群 の誕生時の児の健康状態

I期 で は,保 育器 を 「使用 していた」,「使用 してい る」児 は17名 (73.9%)で あ り,人 工呼 吸器 を 「 使用 していた」,「 使用 してい る」児 は, 8名 (34.8%)で あ った。 また,点 滴 を 「して いた」,「している」児 は17名 (73.9%)で あ り, ミル ク ・母乳 を 「経 口摂取 してい ない」児 は, 12名 (52.1%)で あった。 Ⅱ期 で も I期 とほぼ

小 児 保 健 研 究

同様 の健 康 状 態 で あ り,有 意差 を認 め なか った (表3)。

4.父 親の精神健康度

父親 の 「 気分 障害群」 の割合 は,図 1に 示 し た ようにA群 では I期 2名 (8.7%), Ⅱ期 2名 ( 1 0 . 5 % ) で , B 群 で は I 期 3 名 (6.8%),Ⅱ 期 1 名 ( 4 . 2 % ) で あ り, I期 とⅡ期,A群 と B 群 の父親精神健康度 の間に有意差 はみ られな か った。

誕生児 の出生体重別 にみた父親 の精神健康度 の平均値 を図 2に 示 した。 I期 で は,「2,500g 未 満 」 が7 . 5 ±5 . 9 点,「2,500g以 上 」 が8.0±

4 . 7 点で,A群 とB 群 の精神健康 度 の比較 では 有意差 を認 め なか った。 Ⅱ期 では,「2,500g未 満」が7 . 3 ±6 . 3 点,「 2 , 5 0 0 g 以上」7.5±7.4点で, A 群 とB 群 の比較では,有意差 を認めなかった。

5 . 精 神健康度と関連要因との関連性 1 ) I 期 におけるA群 とB群

父親の精神健康度 の関連要 因は,表 4に 示 し た とお りで あ る。 まず A群 で は,全 7要 因 中 1 要 因 「6.不 安」 に有意 な関連性 を認 めた。

そ の 中で も下位 要 因の 「誕生 児 の健 康 ・発 達 等 」 の総 得 点 ( r 2 = 0 . 5 1 7 ) と 「家庭 生 活 」 の 総得点の 2 要 因に 1 % 水 準 で有意 な関連性 を認 め た。 それ らの細 項 目の 中で も [生命](r2=

0 . 6 3 5 ) , [ 経 済 ](r2=0.635),[夫 婦 関係 ](r2

= 0 . 5 9 9 ) , [ 妻 の体 調 ](r2=0.547)の 順 で有

表 2 誕 生児 の特性

Ⅱ期 I 期

A 群 ( n = 2 3 ) 人数 ( % )

B 群 ( n = 4 4 ) 人数 ( % )

A 群 ( n = 1 9 ) 人数 ( % )

B 群 ( n = 2 4 ) 人数 ( % )

体 重 平均 ± S D

2,500g以 上 1,500‑2,5CICl g l,oul‑1,500g l,000g以 下

1,7322=ヒ532 3 17 (73 9)

4 ( 1 7 4 ) 2 ( 8 7 )

2,9984=L289 5 44 (100)

1,464 6■549 8

8 (42 1) 6 ( 3 1 6 ) 5 (26 3)

3,045■359 6 24 (100)

在胎週数

平均 ± S D

3 7 週以 降 2 2 〜3 7 週未満

3 2 . 4 ±4 3 5(217) 18 (783)

39 1=L1 4 44(100

0

3 1 0 ±5 1 3 ( 1 5 0 1 6 0 4 の

3 9 2 ±1 2 24 (100)

0

単胎 ・双胎

( 7 8 0

0 1 つ

(84 2) ( 1 5 8 )

(100

(100)

注1 ) I 期 は出生後 1週 間頃,Ⅱ 期は出生後 1か 月頃を示 し,A群 は,低 出生体重児,B群 は正期産児 を示 した。

注2 ) 体 重,在 胎週数は t検定,単 胎 ・双胎は pearsOnのχ2検定を行った。

(5)

表 3 A群 の誕生児 の健康状態

項   目

I 期 ( n = 2 3 ) Ⅱ 期 ( n = 1 9 ) 人数 ( % )     人 数 ( % )

保 育 器

使用 してい ない  5(217) 使用 していた   3(130) 使用 してい る   14(60.9)

6 ( 3 1 . 6 ) 6 ( 3 1 6 ) 7 ( 3 6 . 8 )

人 工 呼 吸 器

してい ない していた してい る 経 口栄養 経管栄養 禁乳

1 1 ( 4 7 . 8 )   1 0 ( 5 2 . 6 ) 9 ( 3 9 . 1 )     9 ( 4 7 . 4 ) 3 ( 1 3 . 0 )   0

注) I 期 は出生後 1 週 間頃, Ⅱ 期は出生後 1 か月頃 を示 した。

意 で高 い関連性 を認めた。その他 の細項 目では, 2 . 父 親役 割 の 「子 どもの しつ け」,5.対 児 感情 の 「回避感情 」,   7 . ソ ー シヤル ・サ ポー トの 「 話 し合 いで一緒 に取 り組 む」で有意 な弱 い関連性 を認めた。父親の要因や子 どもの要 因 は関連 しなかった。次 に,B群 では有意 な関連 性 を認 めた項 目は全 くなか った。

2 ) Ⅱ 期におけるA群 とB群

A 群 で は, 全 7 要 因 中 2 要 因 「5 . 対 児 感 情 」, 「 6 . 不 安」 に有意 な関連性 を認めた。そ の 中で も 「対児感情」では, 下 位項 目の 「拮抗 指 数」 ( r 2 = 0 . 4 8 6 ) と 「回避感情 」 ( r 2 = 0 . 5 0 9 ) の 2 項 目に 1 % 水 準で中程度の有意 な関連性 を 認 めた。 また, 「不安」 で は, 下 位 要 因の 「誕 生児の育児」の下位 4項 目の うち,[授 乳](r2

=0,702)の 1項 目に 5%水 準で有意で高い関 連性 を認めた。その他の細項 目では,3.父 親 の性質の 「総得点」,「ネ 申経質」,「孤立傾向」で 有意な弱い関連性 を認めた。子 どもの要因は関 連 しなかった。次にB群 では,全 7要 因中 3要 因 「3.父 親の性質」,「 5.対 児感情」,「 6.

不安」に有意な関連性 を認めた。その中で も「 父 親 の性 質」では,下 位項 目の [総得点](r2=

0.407)と [抑うつ](r2=0.673)の 2項 目で,

図 1 気 分 障害群 の割合

0       5       10      15      20

図 2 精 神健康度平均得点

「 対児感情」 で は,下 位項 目の 「拮抗 指数」 (r2

=0.456)の 1項 目に 1%水 準 で 中程 度 で有意 な高い関連性 を認めた。 また,「 不安」 で は,「 家 庭生活」の下位 5項 目の うち [経済](r2=0.456) の 1項 目に 1%水 準 で中程度で有意 な関連性 を 認 めた。 5%水 準 で有意で弱 い関連性 を認めた 項 目は,「 7.ソ ー シ ヤルサ ポー ト」 の下位 要 因の 「 経済的サ ポー ト」 (r2=0.254)で あ った。

V.考    察

1.父 親の精神健康度の実態

本調査 の父親 の平均 年齢 は,I期 において は 32.8(± 5.0)歳 で,Ⅱ 期 で は31.6(± 4.6)歳 であった。 この年代 は,ラ イフステージか らみ る と成人前期 にあたる。 この時期 における発達 段 階の特徴 として 『 内面 的 に,青 年後期 に達成 された 自我 同一性 を もとに,実 社会で 自己実現 を してい く 「 社会 的大 人」へ なってい く時期 で あ る』 と平 山 らのは述べ てい る。成 人前期 は仕 事 を もち,結 婚 を し,家 庭 を築いてい く時期 で あり,働 きがいや,や りがいにつながるが,そ の半面でつまづ くとその代償 も大 きく,う つ状 態に陥 りやす くなる。うつ病の生涯発症率につ

使用 してい ない  15 使 用 していた   2 使 用 してい る   6

( 6 5 2 ) ( 8 7 ) (26.1)

1 1 ( 5 7 9 ) 5 ( 2 6 . 3 ) 3 ( 1 5 8 )

¨   占 滴

6 ( 2 6 1 ) 6 ( 2 6 1 ) 11 (47.8)

7 (36.8)

8 (42.1)

4 ( 2 1 . 1 )

ミ ル ク ・母 乳

(6)

小 児 保: 健 研 究

表 4 父 親の精神健康度 と背景要因との関連性

I ttA群 r2値  p値

I tt B群 r2値  p値

Ⅱ期 A群 r2値  p値

Ⅱ期 B群 r2値   p値 父親 の要 因

1)年 齢 2)結 婚年 数 3)両 親教 育 4)立 会 い分 娩 父親役 割

総得 点 1)生 計 をにな う 2)子 ど もの しつ け 3)妻 と家庭 を築 く 4)家 族 の相 談相 手 5)親 戚 との付 き合 い 6)地 域 活 動へ の参加

ЮЮ     Ю一

0 651 0 962 0 186 0 233

0 745 0 161 0 046  ・ 0371 0 574 0 574 0 295

40    0000  0 970        18    0020  0 573      24    0055    0 272 37    0013  0 497        17    0000  0 956      22    0 001    0 877 39       0 756        18       0 621      24       0 765 39       0 820        18       0 778      24       0 824

4 0     0   0 C X 1   0   7 9 5         1 8     0   1 4 4   0   1 2 1       2 4   ‑ 0 0 2 9     0 4 3 0 40       0 485        18       0 000      24       0 590 40       0 611         18       0 859      24       0 590 40       0 085         18       0 105      24       0 239 40       0 160        18       0 312      24       0 200 40       0 160        18       0 584      24       0 077 40       0 652        18       0 384      24       0 077 3 父 親 の性 質

総得 点 1)抑 うつ 2)神 経 質 3)孤 立傾 向

4 子 どもの要 因

1)出 生体 重 2)在 胎 週 数 3)子 どもの数

18    0 170  0 089      39    0020  0 394        16    0 252  0 048 20    0 157  0 084      39    0059  0 129        18    0209  0 056 19    0 193  0 060      40    0017  0 423        17    0 267  0 034 1 8     0 0 2 4   0 5 4 4       4 0   ‑ 0 0 3 1   0 2 7 4         1 6     0 3 5 4   0 0 1 5

2 0   ‑ 0 1 4 5   0 0 9 8 2 0   ‑ 0 1 4 2   0 1 0 2 2 0   ‑ 0 0 3 4   0 4 3 5

‑ 0 0 2 3   0 3 5 4 0008  0 581 0023  0 348

1 8   ‑ 0 1 5 9   0 1 0 2 1 8   ‑ 0 1 6 7   0 0 9 2 1 8   ‑ 0 0 0 8   0 7 3 2

0486  0 003 0 509  0 002

‑ 0 2 2 8   0 0 6 2

*   24    0 407    0 001 2 4     0 6 7 3   < 0 0 0 1

*   24    0 154    0057

*   24    0050    0274

24    0 007    0 703 24    0 000    0991

24    0 016    0 558 **  20 0 456    0001

21    0211    0036

2 1   ‑ 0 0 4 0     0 3 8 4 0 139    0 105 0 577 0 306 0 590 0 1 1 7 0 191 0 172 0035    0 405 0 046    0 658 0 272    0 265 0231    0 143 0 123    0 569 0000    0 927 0 823 0 770 0 005  ** 0 094 0 355 ‑ 0 0 0 2     0 8 5 6 0 256 0 963 ‑ 0 0 0 3     0 8 1 9 0 033 0 361 5 対 児 感情 拮抗 指 数      17  0139 0141   33  0068 0143    16

1)回 避 感情          19  0290 0017 * 37  0042 0226    16

2)接 近感情          17 ‑0060 0345   33  0000 0911    16

6 不 安 1)誕 生児 の健康 ・発 達 な ど 総得 点       19

(1)生 命       20

(2)発 達       20

(3)病 気       20

(4)子 ど もとの分離      20

(5)処 置 ・治療        19

(6)体 重 増加         20

2)誕 生児 の育児 3)家 庭 生 活 総得 点 (1)妻 の体 調 (2)上 の子 ど もの世 話 (3)経 済 (4)仕 事 (5)夫 婦 関係 7 ソ ー シ ャルサ ポ ー ト 0517  0001  +*  36    0056  0 164        18    0 179  0080 0002  **  38       0 630        18       0 238 0010  中    38       0 803        18       0 052 0049  ・    39       0 699        18       0 406 0 014  *   37       0 692        18       0 631 0 019  +   38       0 480        18       0 231 0 109      37       0 139        18       0 268 20 23 23 23 22 21 23 総 得点       20  0244 0027 中  37 ‑0008 (1)授 乳       20     0048 拿  37  0014 (2)お 風 呂        20     0028 * 38 0053 (3)オ ム ツかぶ れ       20     0313   38  0131 (4)お 膚 の様 子       20     0020 * 38  0060 20    0 532  0000  *+ 20       0039  ホ 20       0 116 20       0 006  ** 20       0 017  * 20       0 003  ホホ 18    0 161  0099 18    0702  0 012  * 18    0 143  0 228 18    0 061  0 390 18    0034  0 868 18    0 252  0 096 18      0568

12       0 492 18       0 523 18      0458

18       0 533 1 7   ‑ 0 0 1 5   0 6 3 5 0591 0 9 1 1 0 333 0 246 0 650 0205 0 938 0 336 0 892 0 785 0349 0 834 0 855 0 193 0 738 0 966 0480 0361 1 ) 道 具 的サ ポー ト総 得点       1 7   ‑ 0 0 1 2   0 6 1 7 ( 1 ) 困 つた時 の助 け      1 9       0 0 9 1 ( 2 ) 家 事 や育児 の手伝 い       1 7       0 8 5 6 (1)気 持 ちの通 じ合 い    20

(2)話 し合 いで一緒 に取 り組 む 19 3 7   ‑ 0 0 0 7 39 37 17 17 17 1 7 1 7 1 6 0 964 0 337 ‑ 0 1 4 7   0 1 2 9 0 141 0 148 ‑ 0 0 1 8   0 6 1 6 22 22 22 23 22 2)情 緒 的 サ ポ ー ト総 得点    19 ‑0186 0065   38 ‑0003 0 100      38 0 048  ネ   38

3)経 済的サ ポー ト 17 ‑0010 0701   36 ‑0025 22 ‑0254  0017

注 1‑2),3),2‑1)〜 6),6‑1)(1)〜 (6),2)―(1)〜(4),3)(1)〜 (5),71)(1),(2),2)― (1),(2)はKrusk洲―wanis検定,その他の項 目は回帰分析 を行 った。

*:p<005 … :p<0001

(7)

いて,わ が国では大規模調査が行われていない ため,明 らかではないが,海 夕れこおいては大 う つ病の生涯発症率が約10%前 後だと推定 されて お り,軽 症のうつ病 を含めるとその割合はかな り高 くなる。また年齢的には,う つ病の平均発 症年齢 は20代半 ばである といわれている 。lD。

性別におけるうつの誘因は,男 性では仕事上の 失敗 。転勤など社会的問題が多 く,女 性では夫 婦の不和 。子 どもの問題など家庭的な問題 と女 性特有の身体的条件,妊 娠 。出産などがある ②

といわれている。

本調査 におけるA群 の父親の精神健康度は,

「 気分障害群」 とされる人は約10%存 在 し,A 群 とB群 並びに父親 と母親 との間に精神健康度 に有意差 を認めなかった。  I期 とⅡ期 とを対応 させた検定 において も有意差 を認めなかった。

日本における壮年期 を対象 に Zung SeliRating Depression Scale(以 下,SDSと する)を 用い た うつ状態 に関する10年間の縦断的研究では, 平均 して12%の 人が うつ状態にあることが報告 されているD。 また,企 業で働 く人で,う つ状 態が疑われる割合 は約 9%と の報告 もある い。

これ らの報告 と本研究の結果を比較 して も,A 群の父親は,精 神健康度が特別悪い状態にある 訳ではな く,予 想 よりも健康的な精神状態にあ ることが分かった。低出生体重児の誕生前か ら メンタルヘルスが もともと低かった可能性が示 唆 された。

2 . 父 親の精神健康度の関連要因 1 ) 出 生後 1週間頃

A 群 の父親 の精 神健 康 度 と関連が あ ったの は,誕 生児 の健康 ・発達や育児 に関す る もの, 家庭生活 に関す る不 安 であ った。一方,B群 の 父親では,父 親の役割の中の妻 と家庭 を築 く 1 項 目に弱い関連がみ られただけであ つた。つ ま

り, A 群 の方が B 群 の父親 よ りも不安が強い状 態にあることが分かった。A群 の父親の各不安 についてそれぞれの項 目をみると,誕 生児の健 康 ・発達などにおける不安の内容では,誕 生児 の生命,発 達の順 に関連が強 く認め られた。児 の生命に関 しては,予 定 よりも早 く生 まれ,胎 外環境 に適応で きずに,生 理的に安定せず保育 器の収容,点 滴や人工呼吸器の使用など,医 療

的介入が多 くなることで不安 を増大 させ,精 神 健康度 との関係 が高 くなった と考 え られ る。発 達 に関 しては,先 行研究 において,上 の子 ども の有無 とは関係 な く,子 どもの医療処置が多 い 程 ,悲 しみの感情 は強いりといつた報告か らも 分 か る よ うに,生 命 の保 障 はあ つた と して も, 小 さ く生 まれ医療 的介入が多 い こ とで,今 後 の 子 どもの発達 に何 らかの問題 を残 す ので はない か とい った大 きな危惧 を抱 いていることと考 え

られ る。

誕生児 の育児 に関す る不安の内容 では,授 乳 との関連が強 く認 め られた。 A群 の子 どもは, 出生後状態が落 ち着 くまで経 口哺乳不可能であ るこ とや初乳が子 どもに大切である との認識 か ら,産 後 の回復が不十分 な母親が,必 死 で母乳 を搾 った りす る様子 をみ るな ど,父 親 に不安 を 生 じさせ やす い状 況下 にあ る こ とが推 察 され た。

家庭生活 に関す る不 安 では,そ の下位項 目の 経済,夫 婦 関係,仕 事,妻 の体調 の順 で 5項 目 中 4項 目に関連性 を認 めた。その中で も,児 の 誕生 に伴 う父親の役割加重や葛藤 による精神 的 負担 感が推測 で きた。先行研 究 において乳幼児 を もつ父親 は,職 場 の雰囲気 について 7割 以上 力`に しい状況 にあることを指摘 してお り,家 庭 役割 と仕事役割 との間で60%の 父親が役割葛藤 を感 じてい る こ とが 明 らか に な った。最 も多 か ったの は 「 仕事力`1亡し くて もっ と家族 と過 ご したいの にそれが思 うようにいかない」 とい っ た報告。が あることか ら,本 調査 の結果か らも 仕事 の負担 が大 き く子 どもと接 す る時 間が なか なか持 てない ことに対す る葛藤が背景 にあるこ とが考 え られた。

夫婦 関係 に対 す る不安 については,父 親が予

期せ ぬ子 どもの入 院に対す る不安 や,母 親 の体

調 に対 す る もの,仕 事 ,経 済面 な どさまざまな

不 安 を抱 えてい ることが分 か った。 そのため父

親 は,サ ポー トによる情緒 的安定 を求めてい る

と考 え られ る。川浦0は ,子 育 て期 にあ る夫婦

は,夫 婦 の会話時間が多 くなるにつれ,情 緒 的

サ ポー トの対象 と して夫 は,妻 を選ぶ頻度が増

し,妻 との こうした情緒 的な関係形成が媒介 と

なって,空 虚感や圧迫拘束感が低 くなることを

述べ てい る。 また,勤 務 時 間の長 さは夫婦 の会

(8)

288

話 時 間 と負 の 関係 にあ るが ,   さほ ど強 い もの で は な く,交 流 頻度 の方 が会 話 時 間 に与 え る影響 が大 きい 1 0 。 出産 後 の母 親 は, 体 調 も戻 らず辛 い時期 で あ り,父 親 は母 親 に対 しサ ポ ー トを求 め に くい状況 にあるため,誰 が,ど の ように父 親 を支 えてい るのか について,今 後 明 らかにす る必要がある と考 える。

2)生 後 1か 月頃

A群 の父親 の精神健 康 度 と関連 が あ ったの は,誕 生児 の育児 に関す る不安で,そ の内容 は 授乳 に対す る高い不安 を認めた。 また,対 児感 情 とも関連 を認め,そ の内容 は,子 どもに対す る否定的な感情 を示す回避感情,個 人 における 回避感情 と接近感情 の割合 を示す拮抗指数 に関 連性 を認めた。授乳 に関す る不安では,子 ども が まだ,経 口摂取 で きない ことや,経 口摂取す る ようになって も,吸 綴力が弱 く正期 産児 の よ うに上手 くミル クが飲 め ない こ と,母 親 の母乳 管理 の大変 さな どが理 由 と して考 え られ るが, この時期 の父親が授乳 について不安 に思 う理 由 を特定で きないため,今 後の研究 において明 ら か に してい く必要がある。対児感情 について考 える と,妊 娠 中 よ り胎動 な どを通 じて愛着形成 す る母親 とは違い,父 親 は出産後抱 っこや入浴 等 の育児行動や遊 びを通 して愛着が形成 される こ とが多 い。。 しか し,低 出生体重児 は,出 生 後分離入 院 を余儀 な くされて しまううえに,正 期 産児 よ りも反応 に乏 しいな ど子 ども側 の要 因

な どが あ り,成 熟児 よ りも愛着が形成 され に く い状況 にあることが考 え られる。 3歳 児 を対象 に した父子関係 の調査 ではあるが,父 親 との遊 びが多い子 どもは,父 親 との遊 びが少 ない子 ど もに比べ ,自 発性,言 語性,社 会性 な どで発達 が有意 に高い状況 にある。一方,父親の場合 も, 子 どもと関わることで父親 としての 自覚が強 ま り,人 として成熟 した実感が高 くなってい くこ とを報告 してい る20a)。そのため,父 親が早期 に子 どもへの愛着形成が行 え,ど の ように子 ど もと関わ りを もつのかが子 どもの発達 には重要 な倶]面を もっている といえる。子 どもへ の愛着 は,数 分 で生 まれて くる ものではな く,数 週 間 も数 か月 もかか って発達 し,発 展 させてい くも のである。 また,愛 着 には特別 な接触が必要で はな く,接 触 の時間や方法 よ りは,子 どもとの

小 児 保 健 研 究 関わ りの中で どの ような思い を持 っているの か,そ してどのように親になってい く過程 をた どつてい くのかが重要である。その一つ として, 早期接触による愛着形成があると考える。子 ど もに対 しマイナス的感情 をもつ父親 も存在する が,そ の感情は決 して悪い ものとして否定的に 捉 えることはない。素直な父親の感情 として, 看護者 は受け止めこれか ら,父 親が親になって い く過程の支援 を考えていけば良いのである。

B群 の父親は,精 神的に不安定にな りやすい 性質の抑 うつ と,対 児感情では拮抗指数,家 庭 生活に関する不安の内容では,経 済に関連性 を 認めた。対児感情 に関 しては, Ⅱ期では I期 よ りも父親は子 どもとの関わ りが増えたことで不 安 も高 くなったことも理由として考 えられる。

一方で,母 親が里帰 り分娩をしてお り子 どもと の接触が低い父親は愛着形成 といった点での間 題で子 どもに対する感情が否定的であることも 考えられる。 このように,A群 , B群 の父親に 同 じように対児感情 と精神健康度 と関連がみ ら れて も,そ の理由を推測すると違った ものにな るため,愛 着形成 と一言でいって も,そ のケー スにあった関わ りが大切であることが改めて分 かった。

Ⅵ.研 究の限界 と今後の課題

今回の調査では,回 収率が低かったので,今 後は今回の調査 を基に調査方法を検討 して対象 者の数 を増や し,子 どもの出生後 1年 ほど追跡 調査 を行い,今 回よりも長期的に父親の精神健 康度の把握 をすることで,精 神健康度 との関連 要因を明 らかにすることである。

謝  辞

お子様の出生後, お 忙 しい中快 く調査 にご協力 く だ さったお父様 に心か らお礼 申 し上げ ます と共に, 本研 究 に快 くご協力下 さい ました施設の医院長, 看 護部長 ( 総看護師長) を は じめとする看護部の皆様, 各施設の医師お よび看護師長, 病 棟 スタッフの皆様 に心か ら感謝いた します。

参 考 文 献

1 ) 堀 内  勁 , 橋 本武夫. N I C U に おける赤 ちゃん

に優 しいケア ・支援 をめ ざして, 日 本未熟児新

(9)

生児学会雑誌  2 0 0 0 : 1 2 : 2 0 1 ‑ 2 0 4 .

2 ) 星     永 , 小 田 切 房 子 , 奥 平 洋 子 , 他 . 低 出 生 体 重 児 の 多 面 的 縦 断 研 究. 小 児 保 健 研 究 1998;57:745‑754

3 ) 岡 本 伸 彦, 山 口和 子, 中 西 具 弓, 他 . 超 低 出 生 体 重 児 の フ ォ ロ ー ア ップ にお け る医 学 的 ・ 社 会 学 的 問 題 へ の 包 括 的 ケ ア. 小 児 保 健 研 究 1997;56:521‑524.

4)Robinson,BE &Barret,RL,The Develop―

ing Father Emerging Roles in Contemporary Society. The Guilter Press.1986: 19‑35, 5 ) 松 田美 由紀, 田 中理 津 子, 酒 井 由紀 乃  N I C U

入 院児 の 父 親 へ の段 階 的援 助 方 法   小 児 看 護 1996: 27:66‑69

6 ) 下 田 あ い 子, 川 端 百 合 子, 木 暮 知 江, 他 . 当 N I C U に 入 院 とな った児 の父親 の初 回面会 時 に お け る不 安 の分析 . N e o n a t a l   C a r e   1 9 9 6 ; 2 7 : 1034‑1040

7 ) 川 井   尚 , 庄 司順 一, 野 尻  恵 , 他 . 産 褥 期 の 精 神 症状 のス ク リー ニ ングに関す る研 究, 日 本 総合愛育研 究所紀要  1 9 9 2 ; 2 9 : 1 3 9 1 4 6 . 8 ) 堤   明 純, 堤     要 , 折 口秀樹 , 他 . 地 域 住民

用 ソ ー シ ヤル サ ポ ー ト尺 度. 心 理 測 定 尺 度 集 2001 : 53‑62.

9)平 山 諭 ,鈴木隆男.発 達心理学 の基礎 2.初 版 京者『:ミ ネル ヴ ァ書房,1994:164175.

10)樋 口輝 彦  メ ンタルヘ ルスの今 日的課題.臨 床 神 経科学 2002;20:506‑513.

11)大 野 裕 .う つ を治す事典.初 版.東 京 :法研 , 2003:34‑41.

12)0'Hara,M.,&Zekoski,E,Postpartum de―

pression, A comprehensive review., Ⅳ lother‐

hood and mental iliness 2. 1988.

1 3 ) O h i r a   T , I s o   H , P r o s p e c t i v e   S t u d y   o f   D e p r e s ― s i v e   S y m p t o m s   a n d   R i s k   o f   S t r o k e   A m o n g   J a p a ̲ nese., American Heart Association. 2001 ;32:

903‑908.

14)杉 澤秀博 .中 高年者 の職業 ス トレス とい きがい, 健康 .中 央調査社 2001:527

15)濱 田 美 代 子 NICUに 入 院 した 極 低 出 生 体 重 児 の 父 親 の 心 理 状 態 につ い て,小 児 保 健 研 究 2000:59:440‑444.

1 6 ) 福 丸 由佳. 乳 幼児 を持 つ親 の多重役 割 と抑 うつ 度 との 関連一 父親 を中心 と した イ ンタ ビュ ーに

よる調査結 果 か ら一 。人 間文化論叢  2 0 0 0 ; 3 : 133‑143.

1 7 ) 川 浦康至, 池 田政子, 伊 藤裕子, 他 . 既 婚 者 の ソー シ ャルネ ッ トワー クとソー シャルサ ポー ト 心理学研究  1 9 9 6 ; 6 7 : 3 3 3 ‑ 3 3 9 .

1 8 ) 伊 藤裕 子, 池 田政子, 川 浦康至. 既 婚 者 の疎外 感 に及 ぼす 夫婦 関係 と社 会 的活 動 の影響. 心 理 錯菫荷汗多 七  1999 :70 : 17‑23.

19)宮 内文子.父 親 の育児 参加 と意識 との 関連 母 性衛生 1993:34:57‑63.

20)中 野 由美子.は じめの3年 間の子 どもの発達 と父 子 関係 発 達 1993;56:15‑34.

21)牧 野 カツ コ.乳 幼児 を もつ母親 の生 活 と育児不 安.家 庭教 育研 究所 紀要  1982i3:3456

〔 Summary〕

The purpose was to elucidate the mental health score(CES― D)of fathers of 10w birth weight infants and related factors was conducted at two stages;one week after birth(phase I),and one month after birth(phase Ⅱ ).The subjects of analysis were fathers of low birth weight infants

(A group)including 23 subjects for phase l and 19

S u b i e C t S   f O r   p h a s e   Ⅱ , a n d   f a t h e r s   o f   n o r m a l i n f a n t s ( B group)including 44 subiects for phase l and 24 sub‐

ieCtS for phase Ⅱ . In both phase l and II of the A group, mood disorder"was around 10%. In phase I, with regard to factors related to the father's mental health scale, a signincant difference was observed only in the A group in anxiety factors such as health and development of the newbOrn", infant care'' and

̀̀fanlily life", but no diference was observed in the B group ln phase Ⅱ , a signincant correlation was commonly observed between  father's character"

and father's feelings towards the infant  in both groups. On the other hand, the difference was that a signincant correlation was recognized in  nursing"

in infant care in the A group and  economy" in fan■ ily life in the B group.

lkey words]

father, low-birth-weight baby, full term infant, mental health

表 3 A群 の誕生児 の健康状態 項   目 I 期 ( n = 2 3 ) Ⅱ 期 ( n = 1 9 ) 人数 ( % )     人 数 ( % ) 保 育 器 使用 してい ない  5(217)使用 していた   3(130) 使用 してい る   14(60.9) 6 ( 3 1

参照

関連したドキュメント

はある程度個人差はあっても、その対象l笑いの発生源にはそれ

自分の親のような親 子どもの自主性を育てる親 厳しくもあり優しい親 夫婦仲の良い親 仕事と両立ができる親 普通の親.

(5) 子世帯 小学生以下の子ども(胎児を含む。)とその親を含む世帯員で構成され る世帯のことをいう。. (6) 親世帯

「父なき世界」あるいは「父なき社会」という概念を最初に提唱したのはウィーン出身 の精神分析学者ポール・フェダーン( Paul Federn,

式目おいて「清十即ついぜん」は伝統的な流れの中にあり、その ㈲

実際, クラス C の多様体については, ここでは 詳細には述べないが, 代数 reduction をはじめ類似のいくつかの方法を 組み合わせてその構造を組織的に研究することができる

るものの、およそ 1:1 の関係が得られた。冬季には TEOM の値はやや小さくなる傾 向にあった。これは SHARP

神はこのように隠れておられるので、神は隠 れていると言わない宗教はどれも正しくな