日本小児循環器学会雑誌 4巻2号 202〜215頁(1988年)
〈原 著〉
総肺静脈還流異常症27例の心エコー図所見
(昭和63年2月22日受付)
(昭和63年7月6日受理)
東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所,循環器小児科
里見 元義 青墳 裕之 神田 進 片山 博視 高尾 篤良
Key words: Total Anomalous Pulmonary Venous Connection, Two−dimensional Echocardiogra−
phy, Doppler Echocardiography, Color Doppler Echocardiogarphy, Contrast Echocar−
diography
要 旨
1984年から1987年までの4年間に東京女子医大心研に入院し心内修復術を行なった総肺静脈還流異常 症27例(Darling分類:la型(9例), Ib型(1例), IIa型(2例), IIb型(3例), III型(11例), IV 型(Ia+Ila:1例))の断層心エコー図,コントラストエコー図,パルスドプラーエコー図,カラードプ ラー心エコー図所見をまとめた.全ての症例で四腔断面上,右心房,右心室の拡大と右室圧負荷の所見 を認め,コントラストエコー法を行なった14例全例で大量の右心房から左心房への短絡と左房後方にコ ソトラストの流入しないエコーフリースペースを認めた.断層心エコー図上胸骨上窩からの前額断面に おいて共通肺静脈腔やそれらの分枝を血管造影に類似した像として描出することが可能であった.パル スドプラーエコー図では,共通肺静脈腔内での血流を観察した結果,15例中14例で1峰性連続性血流を,
肺静脈閉塞病変の著しく高度であった1例では平坦な連続性血流を認めた.1型ではa,b型とも径8mm
以上の上大静脈の拡大を認めた.Ia型では径5mm以上の無名静脈の拡大が認められた. Ib型では無名静 脈の拡大は認めず,上大静脈の拡大を認めた.IIa型では径7mm以上の冠静脈洞の拡大を認めた. III型では1例を除き5mm以上の径を有して横隔膜を貫通する異常血管を認めた.5mm以下の症例は2本の
異常血管が横隔膜下で合流する特殊な型であった.また横隔膜を貫通する異常腔は食道のこともあるの で注意を要する.全ての病型においてカラードプラー法は,還流部位での血流を容易に検出するのに有 用であった.以上のような所見をふまえて,種々のモードの心エコー図法を施行し総合的に判断すれぽ,本症は非侵襲的に正確に病型診断を行なうことが可能である.
緒 言
総肺静脈還流異常症は新生児期に発症する先天性心 疾患で,発症後は可及的に速やかに診断を確定し,外 科手術を行なわなければ救命困難な疾患である.本症 は肺動脈造影を行なえぽ肺静脈の還流状態を明らかに することができるが,肺動脈造影後に肺欝血の急激な 増悪を来して全身状態の悪化した症例も少なからず経
別刷請求先:(〒162)東京都新宿区河田町8−1 東京女子医科大学・心研・循環器小児科 里見 元義
験している.カテーテル検査や肺動脈造影を行なわな いで診断の確定と,手術に必要な情報が得られれぽ,
本症に対してはこれらの侵襲的検査は省略することが 可能である.その意味で,これまでにも本症の診断に 関しての心エコー図所見が多数報告されているが
[1−11],最近の断層心エコー図の解像度の向上,パル スドプラエコー図法の併用[12,13]カラードプラ法 の発達[14−17]などにより,これらの心エコー図検 査法の総合的応用によって診断の精度は高くなり,本 症の病型診断は言うにおよぽず共通肺静脈腔の存在と
日小循誌 4(2),1988 203−(3)
表1 Subjcts:TAPVC 1984−1987.6 Case TWo−DE Contrast P−DE Color
Ia 9 9 4 2 3
b 1 1 1 1 1
Ib 2 2 1 1 1
b 3 3 1 3 3
III 11 11 7 8 2
Iv 1 1 0 0 0
Total 27 27 14 15 10
塾
逼
㌘ x
x. i].s.S
工 CPV
薮㌦一
9−。 ゴ ギ
左房との位置関係,還流部位の正確な解剖などが,詳 細に分かるようになった.我々は最近5年間,本症に 対してはカテーテル検査は施行しないで心エコー図検 査までの情報で手術を行なってきたが,機器の性能向 上と各症例毎の手術所見との対比,断面を工夫するこ となどにより,より詳細な解剖の診断や誤診を防ぐこ とに努力してきた.本稿では,総肺静脈還流異常症の 断層心エコー図,パルスドプラエコー図,コソトラス トエコー図,カラードプラ心エコー図を総合的に用い た詳細な形態診断の実情とそれらから得られた計測値 を示し,心エコー図法がより客観的で正確な診断法と なるためのデータを提供するのがその目的である.
対 象
対象は1984年から1987年までの4年間に当科に入院 し手術を受けた総肺静脈還流異常症の27例である.年 齢は生後1日から4ヵ月で平均生後30日(平均±SD:
30,7±30.0)である。このうち28日未満の新生児例は 11例含まれていた.男児20例,女児7例である.病型 別の内訳はDarlingの分類に従って, Ia型9例, Ib型
1例,IIa型2例, IIb型3例, III型11例, IV型(Ia+
IIa)1例である.これらの症例の内断層心エコー図は 全例に,コントラストエコー図は14例(52%)に,パ ルスドプラエコー図は15例(56%)に,そしてカラー ドプラ心エコー図は10例(37%)に施行されていた(表
1).
方法と検討項目
コントラストエコー図は末梢静脈内に留置した静脈 路より行なった.冷却した生理的食塩水の0.5ccを・ミ ブリング後2.5ccディスポーザブル注射器にとり三方 活栓の片方に接続し,もう一方に接続した5%ブドウ 糖液3ccで急速注入を行なった.傍胸骨部または肋骨 弓下からの四腔断面を描出しながらコントラスト法を 行なった.
パルスドプラエコー図はサンプルボリュームを肺静
図1 剣状突起下からの四腔断面(上段)と同断面で の末梢静脈からのコントラストエコー図(下段):心 房レベルの大量の右左短絡が認められる.背部のエ コーフリースペースにはコソトラストが出現しない ことより肺静脈腔であることが同定される,RA=
右房,LA=左房, RV=右室, LV=左室, CPV=共 通肺静脈腔
脈腔と思われる腔内に設定し,この部の血流パターン を調べた.また肺静脈の還流部と思われる部位にサン プルボリュームを移動させてその部の血流パターソに ついても検討した.断層心エコー図上,無名静脈,上 大静脈,冠静脈洞,下心臓型の異常血管の各径を計測 し病型ごとに比較検討した.またMモード心エコー図
から拡張末期左室内径LVIDdと左室内径短縮率
LVSFを計測し正常範囲と比較検討した,結 果
1.コントラストエコー図:コントラストエコー図 法は27例中14例(52%)に実施されていた.末梢静脈 から行なったコントラストエコー図法では最初に右房 内にコントラストの出現が認められ,右室へ流入する と同時に直ちに心房中隔を横切って大量に左房内へと 流入した.また四腔断面上左房背方に認められたエ
コーフリースペース内にはこの際コントラストの出現 が全く認められなかったことよりこの腔は肺動脈とも
204−〔4) 口本小児循環器学会雑誌 第4巻 第2号
4
1 、 1 1
﹃
咋㍉1…曇1・
ヰー…
1 ︷
t
〜
己声㍊\・〆声\洲、大声{♂、」刷
」r〜》戸一己r−」、_
げ1
M
︐ t図2 共通肺静脈内で記録したパルスドプラエコー 図:1心拍に1個のピークを有する1峰性の血流で あるが呼吸性変動が認められる.
… t ・ . . . . . . . . t .
図3 肺静脈閉塞病変が著明であった症例の肺静脈腔 内でのパルスドプラエコー図:殆どピークを有しな い連続性の血流を認める.
Typ6拍 ㌔〆一V−
表2 TAPVCのDarling分類
1. Supracardiac type
a:LSVC b:RSVC
II. Paracardiac type a .Coronary Sinus b、Right Atriu III. Infracardiac type
系統静脈とも系統動脈とも直接連続のない肺静脈の腔 であることが同定n∫能であった.心房レベルの大量の 右左短絡の証明には末梢静脈からのコントラストエ
コー図法が有用で,本法で100%において確実に証明す ることができた.共通肺静脈腔の同定においても,末 梢静脈からのコントラストエコー図法は有用で,やは り100%において本法を用いて同定可能であった(図
1).
2.パルスドプラエコー図法:パルスドプラエコー 図法は27例中15例(56%)に施行されていた.共通肺 静脈腔内での血流パターソは,全例で基本的に1心拍 内に1つのピークを有する連続性血流で吸気時に流速
b為\みみ\
lOOS(6 8) 100貿6/6, 100%《et6} tOC S(ore)
/\A、
凶4 1ype laの断ノ曽 L♪エコー凶とカラードプラ心工 コー図所見のシェーマ
の増大を認め,呼吸によって大きく修飾を受けていた
(図2).肺静脈閉塞性病変の著しかった1例において は,殆どピークのない連続性血流として記録された(図 3).還流部位における血流波形も本質的に肺静脈腔内 と同様のパターソを示していた.以Eiの血流波形を認 識することによりパルスドプラエコー図法は,肺静脈 腔の同定に関して15例中15例(100%)で有用であった.
昭和63年10月1日 205−(5)
㌧ 蓬鱒
一孟
ピ コ N
畿霧鱗㍉
,妄… ^ .三㌣.そ RV ≡ご
㌦語ぎ㌢
瞬壕・A霧誤 考
パ
図5 肋骨弓下四腔断面で左房後方にエコーフリース ベースを認める.RA=右房, LA=左房, RV=右室,
LV=左室, CPV=共通肺静脈
熊夢 灘 c
編・熱、 _ 適1 ∨葱
際ぺ: 。 。 囎
SV
ウ
気
縛鐸、回
、〆㎡轍
lnn∨
tt.ダ燈麟
鍮
潔繋
鰐 顧
AVG:L
㌢・・
ば乎
ヂ・麟
噺 鵯 ぷべ葺馴
図7 胸骨上窩からの前額断面:左側で垂直静脈から 無名静脈への合流部を,右側では無名静脈から上大 静脈への合流部を観察することができる.InnV=無 名静脈,VV=垂直静脈, SVC=Li大静脈, Ao=大 動脈弓
㌻
竃
遜轟鼠響
さ㌃
』s w
㍉る㌶も
.
㎞
︐畝
A
蒙
藍︑5い
鷲壕
戸
爆︑お︑ タ
︑舗
︐雀諮 や 魂
ぺ
一や
㌦
慧
=
図6 胸骨上窩から大動脈弓をみる断面:拡大した無 名静脈を認める.Inn=無名静脈, AoA=大動脈弓,
rPA二右肺動脈
3.断層心エコー図とカラードプラ心エコー図所 見:断層心エコー図上では,特異的所見に入る前に,
全例で心室の短軸断面では,心室中隔の直線化と右室 の拡大を認め,また四腔断面では右房,右室の拡大を 認め,右室の容量および圧負荷の所見を認め,また心 房中隔は右房側から左房側へ膨隆し左房は右房に比し て著しく小さかった.
特異的所見では,以下に断層心エコー図,カラード プラ心エコー図上,共通肺静脈腔の位置,還流部位に 関する特異的所見がどのようなアプローチで観察され たかを本症の病型別にDarlingの分類に従って順に示 す.Darlingの分類を表2に示す.
1 上心臓型(図4):
1−a型:断層心エコー図上,傍胸骨四腔断面,または 肋骨弓下四腔断面で左房の背方に長楕円形のエコーブ リースペースを全例で認めた(図5).胸骨右縁第2肋
u ・
識鞍1
∵ ve ・ PA二v撃
壌垂き
図8 胸骨左縁第2肋間から下方へ傾けた水平断面:
左右の肺静脈から,それらが垂直静脈へと合流する 部位を詳細に観察することが可能であった.VV=
垂直静脈,PA=肺動脈, Ao=大動脈, ruPV=右上 肺静脈,rlPV=右下肺静脈,1PV=左肺静脈
間または胸骨上窩からの大動脈弓を描出する断面で,
大動脈弓の前上方の第一分枝の前方に拡大した無名静 脈の短軸断面である円形エコーを,全例で認めた(図 6).胸骨上窩からの大動脈弓をみる断面から無名静脈 の腔を見失わないように断面を維持しながら反時計方 向に探触子を回転して得られる前額断面では,探触子 に近いところを左右に走行する拡大した無名静脈と左 中線より左側で無名静脈に合流する左上大静脈起源の 垂直静脈を,右側では無名静脈が合流して拡大した上 大静脈が下方に向かって走行する像を観察することが できた(図7).この断面でカラードプラ心エコー図法 を併用すると,垂直静脈内で無名静脈に向かうオレン ジ色の上行血流を認め,還流部位ではあたかも無名静 脈内注ぎこむように」血流が表示された.垂直静脈内,
206−(6) 口本小児循環器学会雑誌 第4巻 第2号
1
︑、
、
︐・壬+
図9 図8と同断面でのカラードプラ心エコー図:左 右の肺静脈から垂直静脈への連続が明らかに示され る.Ao=大動脈, PA=肺動脈
■
し ●書琴
へ霧.
k ご争
㍉』−t,f
声 onom.v .
1一 竃
ト図12 胸骨上窩からの前額断面でのカラードプラ心エ
6
コー図:拡大したト大静脈内に本来の血流方向と逆 向きのオレンジ色の血流シグナルが観察された.
InnV=無名静脈, SVS=上大静脈, anom. v=異常 腔(肺静脈腔)
Type
図10 Type Ibのシェーマ
壕 _ ぶ 飴di脇 壷
蕊浮肇繭韓
ぐ引、
簡
鱗 字〜竺
ン,μ
』
噸
鳴
⑭
㎏
_〔 三藤一
ピ
図11 Type Ibの胸骨L窩からの前額断面:無名静脈 の拡大は認められず,ヒ大静脈は急激にその径を増 加しているのが分かる.IlmV=無名静脈, SVC=E 大静脈,Ao=大動脈, rPA=右肺動脈
および還流部位にサンプルボリュームをおいて記録し たパルスドプラエコー図ではいずれの部位でもヒ述の パルスドプラエコーパターンと同様の血流を認めた.
胸骨左縁第2肋間から下方に向けた水平断面では,共 通肺静脈腔から垂直静脈への経路をより詳細に択える
Typ●lta 工 ・、
図13 Type Ilaの断層心エコー図とカラードプラ心 エコー図所見のシェーマ
図14 Type Ilaの断層心ユコー図:肋骨弓ドからの 四腔断面で冠静脈洞の拡大を認める.RA=右房,
RV=右室、 CS=冠静脈洞
昭和63年/0月1H 207 7)
蚕竃3・±
譲
』
壕匡鳴一= ン三≡
、
tt.
」レ^
V rw9
「
図15 図14と同一断面でのカラードプラ心エコー図:拡大した冠静脈洞から右房内へ 加速した血流が斗ぐのがオレンジ色に表示された.RA一右房, CS=冠静脈洞
100% 100S
、為\
■7鶴
図16 Type IIbの断層心エコー図とカラードプラ心 エコー図のンェーマ
ことが可能であった(図8).またこの断面でカラー一ド ブラrL・エコー図法を併用することによって左右の肺 静脈が共通肺静脈腔に合流する部位までを碓忍するこ とが可能であった(図9).カラードプラ心エコー図法 を施行した最近の3例中2例では右肺静脈2本とノrl肺 静脈2本を確認でき,また残る1例では右肺静脈2本 と左肺静脈1本を確認することができ,左ヒ肺静脈は 垂直静脈の高位に還流している可能性が示唆され,術 中にその所見が確認された.また左室の長軸断面でも 左房の背方に共通肺静脈腔の断面を円形エコーとして 全例に認めることが可能であった.
1−b型(図10):断層心エコー図上,胸骨止窩からの 前額断面が特徴的で,無名静脈と上大静脈の合流部を 観察すると,無名静脈は拡大を認めず,1入静脈での 急激な径の増大を認める(図11).ここでカラードプラ 心エコー図法を併用すると,上大静脈内で右房に向か
うト向きの血流が占色で表示されるが,その中に探触 子に向かうオレンジ色の1血1流が存在するのが明らかに
図17Type IIbの四腔断面を背方に傾けた断面:左 右の肺静脈が右房内へ還流する所見が認められる.
RA一右房, RPV=右肺静脈, LUpV=左三上肺静脈,
LLPV=左卜肺静脈
図18 Type IIbのカラードプラ心エコー図:肺静脈 から連続するオレンジ色のカラーが右房内へ注ぐの が観察さオ1る.RA=右房, LA=左房, RV=右室、
LV一左宇, lPV=ろ肺静脈
208−(8)
4cv
∠一
iQO鳴Cgl9)
灘
参鍋
図19 Type IIIの断層心エコー図とカラードプラ心 エコー図のシェーマ
、
■
ぐ
図20 Type IIIのカラードプラ心エコー図:剣状突 起ドからの矢状断面:下行大動脈の前方に併走して 横隔膜を貫通する異常血管像が認められ.,カラード プラ心エコー図ではその内部の血流が下方へ向かっ ていることが示される.dAo二下行大動脈CPV=
共通肺静脈,RA=右房
されている(図12).
II 傍心臓型:
II−a(図13):断層心エコー図上,傍胸四腔断面,ま たは肋骨弓下四腔断面で左房の背方に長楕円形のエ コーフリースペースを全例で認めた.また肋骨弓下か らの四腔断面を背方に傾けることによって,拡大した 冠静脈洞の右房への開口部を全例において認めた(図 14).この断面上でカラードプラ心=コー図法を併用す ると,この冠静脈開口部から右房内へ加速した血流が 注ぐのがオレンジ色で表示された(図15).左室の長軸 断面では左房と左室の間の房室問溝に著明に拡大した 冠静脈洞を認めた.
IIb(図16):断層心エコー図上,肋骨弓下からの四腔 断面では拡大した右房へ左右の肺静脈が直接還流する
日本小児循環器学会雑誌第4巻第2号
d・ ・…へ 』ぺ詞・〜ぺ岬
t
㌦へvw・ ㌦pmMへw・・…へ ⇒丁
撒⇒蜘㎞
㌦
躯
11L杁A帥
P ?ハ i
づ紳w{へ㌧酬内⌒
図21横隔膜を貫通する3本の」tt管腔内にサンプルボ リュームをおいたパルスドプラエコー図:探触了の 位置は剣状突起Fであるので下大静脈では負のドプ ラシフトを(上段),下行大動脈では正で拍動性のド プラシフトを(下段),Type IIIの異常肺静脈腔では 血流は下方へ向かうため,正で連続性のドプラシフ トを示す.
のが今回経験した3例全例で認められた,またうち1 例では四腔断面を背方に傾けることにより左右の肺静 脈をかなり末梢側まで追跡して観察することが可能で あった(図17).この断面でカラードプラ心エコー図法 を併用すると心房中隔の右側で肺静脈から右房内へ流 入する血流がオレンジ色で表示された(図18).右房お よび左室の長軸断面では右および左の肺静脈の短軸像 をそれぞれ右房の後方,左房の後方に認めた.
昭和63年10月1日 209−(9)
m緊
誰 Aぴ
r懸 嬢鍵
、、,㌢魏・
鯵竃 。賭瀞パ 一ザ
も M ド
饗㍗譲 躍
ぷ繊1
擁鞠難
べ∨
▲w 祁三
鵡
he 一
華
墜鍵
駄 ㌻癒
轟
三\搬
㎡︑膓←礁
図22 Type IIIの断層心エコー図(左)とカラードプラ心エコー図(右):胸骨上窩か らの前額断面:この断面では左右の肺静脈が合流して共通肺静脈となって下方に向 かう像が認められ,カラードプラ法では青色に示されることより血流が下方へ向か うことが明らかにされる.Ao=大動脈, mPA=主肺動脈, rPA=右肺動脈, ruPV=
右上肺静脈,r1PV=右下肺静脈, luPV=左上肺静脈, llPV=左下肺静脈, CPV=共 通肺静脈
図23 Type IIIの断層心エコー図(左)とType IIIのアンジオグラム(右)(別症例):
Ao=大動脈, mPA=主肺動脈, rPA=右肺動脈, ruPV=右上肺静脈, rlPV=右下 肺静脈,luPV=左上肺静脈,11PV=左下肺静脈
III下心臓型(図19):断層心エコー図上,傍胸骨四 腔断面,または肋骨弓下四腔断面で左房の背方に長楕 円形のエコーフリースペースを全例で認めた.左室長 軸断面では左房の後方に共通静脈腔の短軸断面を楕円 形のスペースとして認めた.本型に特徴的な断面とし て剣状突起下からの矢状断面では,下大静脈,下行大 動脈以外に横隔膜を貫く第3の血管を認め,ここでカ ラードプラ心エコー図法を併用すると,下大静脈内で は上行血流が青色で,下行大動脈と異常血管ではオレ
ンジ色で下向きの血流が表示された(図20).さらにパ ルスドプラ法を用いてこれらの血管内の血流パターン を調べると,既にCooperら12)が述べた通り下大静脈 内では探触子から離れる方向の上行血流を,下行大静 脈内では拍動性の下向き血流を,そして本症の異常血 管内では連続性の下向き血流を全例で認めた(図21).
次に胸骨上窩からの前額断面では肺動脈の下方に左右 の肺静脈が合流して形成される共通肺静脈腔が認めら れその中央部から下方にのびる異常血管を観察するこ
210−(10)
15
10
05
lnn V/AoA lnn V DIameter
o
o
OO O
lnnY
帯A
)5_________一一一一一一一一一一 10
00000
O
Oo 0 0
登OOO
o
la Lb ll 111 1V 5
0 8
8
oo
葡
§° 9§
o o
:
la+llaき
|a lb ll lll IV
a b
図24 タイプ別の無名静脈InnV/大動脈径AoA比 (a)と無名静脈径InnV(b):胸骨右縁上部からの大 動脈弓を描出する断面上で無名静脈と,丁度それに 接する部分の大動脈の内径を計測し(a)ではそれら の比を,(b)では無名静脈の内径の計測値を各病型 別に比較した.InnV/AoAはIa型で全例1.0以上 を,InnVはIa型で全例5mm以上を示した,
IS
TO
5
0 o o
O O
o o
恒
8
OO
。§°
o
la Ib 11 川 tv
図25 タイプ別上大静脈径SVCの比較:胸骨上窩か らの上大静脈を含む前額断面を描出し無名静脈が合 流した直後の上部上大静脈の内径を計測し各病型で 比較した,Ia型とIb型では全例8mm以上を示した が,他の病型では7mm以下であった.
とができた.ここでカラードプラ心エコー図法を併用 すると,左右の肺静脈内で血流方向を確認することに より肺静脈の繁がりを確認することが可能であった.
また中央で下行する異常血管内は青色で表示され,下
日本小児循環器学会雑誌 第4巻 第2号
15
10
05
゜
♂ O O
済
O O
。 §・
O ee
゜K
㊦
o
la lb ll 111 1V
図26 タイプ別無名静脈/上大静脈径比の比較:胸骨 上窩からの上大静脈を含む前額断面を描出し無名静 脈内径InnVと無名静脈が合流した直後の上部上大 静脈の内径SVCを計測しInnV/SVCを各病型で 比較した.Ib型の1例のみ0.22と低値を示し,他は 全例0.5以上を示した.
10
5
0 m「n
o
o
8
PLSVC e ㌧
oo
lla llb ll| IV
図27 タイプ別冠静脈洞計測の比較
向きの血流が存在することが確認された(図22).この 断面で得られる断層エコー像は,肺動脈造影で得られ る肺静脈の正面像に酷似していた.図23に形態の比較 のために,別の症例から得られたシネアンジオグラム
を示す.
4.種々の計測値の検討 無名静脈の計測
無名静脈の径を大動脈弓をみる断面で計測して無名 静脈と大動脈弓の径の比を各病型ごとに比較したもの を図24aに,無名静脈の実測値を各病型ごとに比較し たものを図24bに示す.無名静脈と大動脈弓の径の比 では,1−a型では全例LO以上の比を示したのに対し,
他の病型では1.0以上を示したものはなかった.実測値 では,1−a型では全例5mm以上,を示したのに対し,
他の型では5mm以上の症例は1例も認めなかった.
昭和63年10月1日 211−(11)
上大静脈径の計測
上大静脈の径の実測値を各病型ごとに比較した.そ の結果,1−a型と1−b型で全例8mm以上を示したが,
他の病型では全例7mm以下であった(図25).
無名静脈と上大静脈径の比
無名静脈と上大静脈径の比を各病型ごとに比較し た.その結果,1−b型の1例では上大静脈径12.2mmに 対して無名静脈径2.7mmでその比は0.22と低値を示
した以外,他の病型では全例この比は(0.5)以上を示 した(図26).これは1−b型では無名静脈の拡大はなく 上大静脈で急激に内径の増大を認めることに起因す
る.
冠静脈洞径の計測
冠動脈洞の計測が可能であったII型4例とIII型3 例,IV型1例について比較を行なった.その結果, II−a
Anomalous Vessel Anomalous V!dAo
型では7mm,9.6mmと著明な拡大を認めた. II−b型2 例,III型2例はいずれも内径2mm以内であった. III型 で左上大静脈遺残を合併した1例では5mmと拡大し,
1−a+II−a型の混合型(IV型)1例では5.7mmと中等 度拡大を認めた(図27).
III型の異常血管径の計測
III型の8例についてその内径の計測を行なった結 果,1例を除く全てでその実側値は5mm以上であっ た.内径5mm以下の1例は,横隔膜レベルでの下大静 脈径が5.1mmに対し3.9mmで横隔膜を貫通したのち にさらに別の部位で横隔膜を貫通してきた異常血管と 合流する特殊な型であった(図28a).また異常血管と 同じ高さでの下行大動脈の径との比を検討した結果,
同様に1例を除いては全ての症例でこの比は1.0以上 を示し,1.0以下の値をしめした1例は前述の特殊な症 例であった(図28b).
左室内径(LVIDd)と左室内径短縮率(LVSF)の
|0
mm
●
: :.
5 −一一一 ●一一一一一r−一
o oK
(珍
20
15
10
05
●
●
●
:
一一一一●一一一一一一一←
o
代(珍
図28Type IIIの異常肺静脈腔の計測値のタイプ別 比較:実測値(左),横隔膜レベルでの下行大動脈径 との比(右)
20
10
0 LVIDd
O O OO O O O O
O,6
O.A
O.2
o LVSF
o
o
O o
O o
図29 新生児期症例の左室内径(左)と左室内径短縮 率(右):スクリーン=正常範囲
織
※ 咋 n
菜 蝋
二 饗耀齢
LIVER 蝋
nv −www
嫌
鰺麟︑..一ぷ
』
・・
論鰭 ぎ
二㌫灘︑㍗
藍謙.
図30Type III以外の症例における左房後方のエコーフリースペースの断層心エ コー図(左)とその内部でのパルスドプラエコー図(右):RA二右房, LA=左房
212−(12)
1
ぷ徽鱗繋,
め 鞠、 RA
顕蒙紅
ぺ
w 許 w一 辮 r 一饗 こ
羅
響
謬r
■一■■■ r一鞭}露■一■一一
燕
鍾
聾
RA
ゆ
箋
夢 惣
選繊
図31Type III以外の症例における左房後方のエ コーフリースペースの断層心エコー図(上段)と食 道内に留置した経鼻胃管からのミルクの注入により 発生したコントラスト(下段):RA=右房, LA=左 房,dAo=下行大動脈, Eso=食道, Cont=コソトラ スト
計測
正常値と比較するために生後28日未満の新生児例11 例のみに限って計測を行なった.図29に示す通り LVIDdは正常下限を僅かに下回っていたが,1例のみ は正常下限に入っていた.
LVSFは,正常域を下回るものから過大運動を示す ものまで広く分布していた.計測を行なった11例の中 には手術死亡例は含まれていなかった.
4.横隔膜を貫通するエコー源の検討
横隔膜を貫通するエコーは総肺静脈還流異常症III型 に限って認められるものではない.今回対象とした症 例中でも,III型では11例中11例全{liuに異常血管腔が認 められたが,III型以外の2例でもIII型の異常血管腔類 似のエコーが認められた.これらは1−a型の1例とII
−b型の1例であった.1−a型の症例でのパルスドプラ エコー所見を図30に示す.このエコー腔内にサンプル ボリュームをおいても,血流信号を検出することはで きなかった.この腔のエコー源を調べる目的で食道内
日本小児循環器学会雑誌 第4巻 第2号
に先端をおいた経鼻胃管から暖めたミルクを少量ゆっ くりと注入したところ図31に示すようにコントラスト の発生を観察し,この腔が食道であることが判明した.
考 案
総肺静脈還流異常症の心エコー図診断については,
断層心エコー図,パルスドプラエコー図,カラードプ ラ心エコー図を含めて既に多数の文献的報告がある が,最近の断層心エコー図の解像度の向上,カラード プラ心エコー図法の導入,新しいアブP一チの工夫な どにより本症のエコー診断の精度はさらに向上したと いえる.そこですでに報告されている所見をも含めて,
本症の総合的エコー診断法として本稿にまとめた.断 層心エコー図上の第一の特徴は,まず右房と右室の拡 大を認め,心室中隔の形態,肺動脈弁のパターンなど から右室の容量および圧負荷の所見を認めることであ る.その上で傍胸骨部や肋骨弓下からの四腔断面で左 房の背方に異常腔を認めることが特徴的である.今回 の対象例では,II−b型を除いて24例中24例(100%)で 異常腔を認めた.Ia型, Ib型, III型においてはそれぞ れ図7,17,23に示すように断面を工夫することによっ て従来の血管造影法による肺静脈の像と酷似したエ コー像を描出することができた.いずれも患児の肩の 下に枕をいれ,顎を引き上げて胸骨上窩に探触子をお いて行なった前額断面が有用であった.Ia型, Ib型で は無名静脈の走行を追跡しながら断面を微妙に傾けて 行くと,これらの断面を得ることができる.III型の場 合には,高分解能でしかもやや深いところに焦点を定 めた特殊な探触子を用いることにより,図23ような像 を得ることができた.最近の装置では,送信波の焦点 を変えることができる装置やズーム機能を備えた装置 もあり,このような目的には便利である.
無名静脈の径はIa型で他群に比して有意に大きく,
大動脈弓との比をみると全例1.0以上であった.新生 児,乳児例で実測値では5mm以上の場合には有意の拡 大としてよいといえる.1型ではa,b型とも上大静脈 は拡大しており,我々の結果からは新生児,乳児例で 8mm以上あれぽ拡大しているといえる. Ib型では無 名静脈には還流しないため,無名静脈の拡大は認めず,
上大静脈のみが著明に拡大する.無名静脈と上大静脈 の径を比をみるとIb型のみが低値を示すのはこのた めである.冠静脈洞径はIIa型では7mm以上の拡大を 認め,他群より高値を示したが,他群の中に左上大静 脈遺残の症例で5mm, Ia+IIa型の混合型で5.7mmと 拡大を示した例があったことは本症の病型診断上注意
昭和63年10月1日
を要する点である.III型の異常血管腔は通常拡大して おり,下行大動脈との径の比でLO以上,実測値で5mm 以上あるのが普通であるが,その径が下行大動脈より も小さかったり実測値で5mm以下である場合には横 隔膜を貫通したあとで合流するような特殊な型も鑑別 すべきである.このような特殊な型の場合には異常血 管は横隔膜下で合流部の下流で結紮されなけれぽなら
ない.
左室内径は本症では正常下限を僅かに下回っている ことが示されたが,これは右室の圧容量負荷のために 心室中隔が直線化して左室を圧排していることもその
一因であると考えられる.術後,右室圧の低下にとも なって心室中隔は右室側へ凸型となりそれに伴って左 室内径も増大し正常範囲に入って来ることが分かって いる.左室内径短縮率LVSFは,正常以下から過大運 動を示すものまであったがこれらの値と術後生存率と の関係は見いだせなかった.
左房後方から下降して横隔膜を貫通する異常エコー スペースは,その疑いをもって丹念に探すと総肺静脈 還流異常症III型に特異的に見いだされるものではない ことが分かる.今回対象とした症例でもIII型以外の2 例にこのような異常エコースペースを認めた.このエ コースペースの同定のためにパルスドプラエコー図 法,カラードプラ心エコー図法は有用である.パルス ドプラユコー図では我々の経験したIII型以外の2例で はいかなる血流信号も検出されなかった.我々は食道 内に先端をおいた経鼻胃管からのミルクの注入によっ てこの腔が食道であることを証明した.食道は左房に 接してその背方に位置することは周知のとおりで,こ れは経食道断層心エコー図で左房が最も良好に認めら れる所似でもある.とくに生直後の新生児では羊水を 嚥下していることがあり,このような場合には内腔に 水が存在するためにより一層左房背方から下降して横 隔膜を貫通する連続したエコーフリースペースとして 容易に認められる可能性があり注意を要する.
ま と め
1)1984年から1987年に当施設で手術を行なった総 肺静脈還流異常症27例の断層心エコー図,コントラス トエコー図,パルスドプラエコー図,カラードプラ心 エコー 図所見を検討した.
2)Ia型では無名静脈の拡大が認められ,全例同じ 高さの大動脈弓の径よりも大であった.無名静脈の実 測値では全例5mm以上であった.
3)IIa型では,冠静脈洞の拡大を認め,全例7㎜以
213−(13)
上であった.混合型(la+IIa)や,左上大静脈遺残を 合併した症例でも5〜6mmの拡大を認めたので病型 診断上注意を要する.
4)III型では全例に横隔膜を貫通する異常血管を認 めその径は1例を除き同じ高さの下行大動脈の径より 大であった.実測値では5mm以上であった.下行大動 脈径より細く,実測値で3.9mmを示した1例は横隔膜 下で合流していた症例であり,この病型を正しく診断 することは手術手技決定上重要である.
5)左房後方から横隔膜を貫通するエコーフリース ペースは必ずしも全部が総肺静脈還流異常症III型の異 常血管とは限らず食道も類似のエコー像として認めら れるので注意を要する.
6)胸骨上窩からの前額断面で血管造影に類似した 肺静脈の像を描出することが可能となった.
7)カラードプラ心エコー図法を用いると,血管腔の 連続性や還流部位の診断に有用である.
本稿の要旨は昭和62年7月第23回小児循環器学会に於い て口述した.
文 献
1)Paquet, M. and Gutgesel1, H.:Echocardiogra−
phic features of total anomalous pulmonary venous connectin. Circulation, 51: 599−605,
1975.
2)Sahn, D.J., Allen, HD., Lange, L.W. and Gold・
berg, S.T.:Cross−sectional echocardiographic diagnosis of the total anomalous pulmonary venous drainage. Circulation,60:1317−1325,
1979,
3)Liao, P.K., Su, WJ. and Hung, J.S.:Two−
dimensional echocardiographic diagnosis of total anomalOUS pulmonary venouS ConneCtiOn below the diaphragm. Am. J. CardioL,56:821 −822,1985.
4)Huhta, J.C., Gutgesell, H.P. and Nihill, M.R.:
Cross sectional echocardographic diagnosis of total anomalous pulmonary venous connection.
Br. Heart J.,53:525−534,1985.
5)Kovranek, J.S., Tuma, S., Urbancova, D. and Samanek, M.:Range・gated pulsed Dopp】er echocardiographic diagnosis of supracardiac total anomolous pulmonary venous drainage.
Circulation,61:841−847,1980.
6)里見元義:先天性心疾患の複合心エコー図診断,
一チアノーゼ性先天性心疾患一.小児科Mook,増 刊(1)小児の超音波診断,馬場一雄,小林 登,
加藤裕久編,金原出版,p.108−127,1987.
7)里見元義,高尾篤良,南 頼彰,岩佐充二,奈良井
214−(14) 日本小児循環器学会雑誌 第4巻 第2号
栄,木藤信之,中村憲司:肺動脈契入部からのコン トラストエコー法による肺静脈還流異常の診断,
〔口・臓, 13:944−952,1981.
8)Orsmond, G.S., Kuttenberg, H.D. and Bessinge,
F.B. and Moller, J.H.:Echocardiographic fea−
tures of total anomalous pulmonary venous connectin to the coronary sinus. Am. J. Cardiol.,
41:597−601,1978.
9)Aziz, K.U., Pau1, M且, Bharati, S., Lev, M. and
Shannon, K,:Echocardiographic features of total anomalous pulmonary venous drainage into the coronary sinus. Am. J. CardioL,42:108 −113,1978.
10)Snider, A.R., Silverman, N.H., Turley, K. and Ebert, P.A.:Evaluation of infradiaphrag・
matic total anomalous pulmonary venouS Con・
nection with two・dimensional echocardiogra・
phy. Circulation,66:1129−1132,1982.
11)Lam, J., N aeff, M.S., Lubbers, W.J. and N ijveld,
A.:2D echocardiographic diagnosis of total anomalous pulmonary venous connection of the infradiaphragmatic type. Eur. Heart J.,5:842 −845,1984.
12)Cooper, MJ., Teitwl, D.F, Silyennan, N.H.and Enderlein, M.A.:Study of the infradiaphrag−
matic total anomalous pulmonary venous con・
nection with cross・sectional and pulsed Doppler echocardiography. Circulation, 70: 412 416,
1984.
13)Stenvenson, J.G., Kawabori,1. and Guntheroth−
W.G.:Pulsed Doppler echocardiographic detection of total anomalous pulmonary venous return. Resolutin of left atrial line. Am. J,
Cardiol.,44:1155−1158,1979.
14)Satomi, G., Takao, A., Momma, K., Mori, K.,
Ando, M., Touyama, K., Konishi, T., Tomimat・
su, H., Nakazawa, M. and Nakamura, K.:
Detection of the drainage site in anomalous
pulmonary venous connection by two−
dimensional Doppler color flow mapping echocardiography. Heart and Vessels,2:41 −44,1986.
15)Vitarelli, A., Scapato, A., Sanguigni, V. and
Caminiti, M.C.:Evaluation of total anomalouts pulmonary venous drainage with cross−sectional colour− fl ow DopPler echocardiography. Eur. Heart J.,7:190−195,
1986.
16)里見元義:超音波ドプラ法の有用性と限界.3.先 天性心疾患.Therapeutic Research,7(3):503 −514,1987.
17)Itoh, K., Suzuki,0。, Yano, S., Shiraishi, H. and
Yanagisawa, M. l Detection of shunt flow in total anomalous pulmonary venous connection using 2D・Doppler echocardiography. An・
giology,36:414−418,1985.
昭和63年10月1日 215−(15)
Echocardiographic Findings in 27 Cases of Total Anomalous Pulmonary Venous Connection
Gengi Satomi, Hiroyuki Aotsuka, Susumu Kanda, Hiroshi Katayama and Atsuyoshi Takao Department of Pediatric Cardiology, The Heart Institute of Japan Tokyo Women s Medical College 8−1Kawada−cho, Shinjuku−ku, Tokyo 162,Japan
Twenty seven consecutive patients with total anomalous pulmonary venous connection admitted between 1984 and 1987 were studied by two−dimensional, pulsed Doppler, color Doppler and contrast echocardiography. Nine patients were classified in type la,1was in type Ib,2were in type IIa,3were in type Ilb, 11 were in type III and 1 in type IV according to Darling s classification. Ages ranged from l day to 4 months(30.7±30.O days:mean±SD). An echo free space was found behind the left atrium in four chamber view in all the cases except for type Ilb. By contrast echocardiography which was done by injecting the contrast material from the peripheral vein, massive contrast appeared in the left atrium across the interatrial septum just after its appearance in the right atrium, The contrast did not appear in the echo free space behind the left atrium. It was proved that the echo space was related to the pulmonary vein. Pulsed Doppler echocardiogram taken in the common pulmonary vein showed the continuous flow with monophasic pattern. In Type Ia, dilated innominate vein was seen in front of the aortic arch, which was larger in diameter than the aortic arch. Horizontal section from the second left intercostal space clarify the three or four pulmonary veins join together and the vertical vein. Color Doppler echocardioagraphy was helpful to identify each pulmonary vein and the vertical vein. An innominate vein with usual size join the markedly dilated superior vena cava was the characteristic finding of type Ib. Markedly dilated coronary sinus, larger than 5 mm in diameter, was seen in all cases with type IIa in the posteriorly tilted four chamber view. In type IIb, each pulmonary vein draining into the right atrium could be seen in posteriorly tilted four chamber view. In type III, anomalous vessel traversing the diaphragm was seen in all the cases. Esophagus echo should be carefully ruled out from the anomalous vessel of type III. The diameter of the anomalous vessel in type III was larger than 5 mm in all but one, which had the unique morphology:i.e.,the two anomalous vessels traversed the diaphragm and joined together below it. If the innominate vein, coronary sinus or anomalous vessel crossing the diaphragm looks dilated, but not larger than 5 mm in diameter, mixed type should be considered.