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教師の支援のもと児童が創出する評価基準・評価基準表を利用した学習環境の開発と授業実践

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教師の支援のもと児童が創出する評価規準・評価基準表を利用した

学習環境の開発と授業実践

授業実践者 金子英生 1 学年 小学校6年生 2 単元名 「見つめよう・調べよう・わたしたちの戸田村」 (全39時間) 3 単元の目標 ・児童自らが地域に関わる問題を設定し,問題を解決するための計画を立て,追究し,まと める活動を通して,問題についての自分の思いや考えを深くもつとともに問題解決の力を 高める。 4 単元の構想 4.1単元設定の理由 戸田村は,現在,約4500人の人口である。昭和35年5900名をピークに年々人口 は,減少の一途をたどっている。若い世代を中心に村から出て行く人が多く,高齢化が進ん でいる。それと同時に子供の数も減ってきている。 子供たちは,豊かな自然に囲まれた戸田村で育ち,その恵まれた環境から「自然が豊かで 住みよい。戸田村が大好き」といった捉え方で低学年の時には村を見ていた。しかし,学年 が進むにつれ,村と近隣の市や町と比較したり,修学旅行の経験から東京と比較したりして, 他地域への憧れを抱いている子供が増えている。 そこで,いったん外に向いた眼をふるさとに移し,村を見つめ直し,地域の観光や漁業, 施設などに携わる人々の生き方に触れたり,豊かな自然や地域の歴史に触れることで,地域 の再発見をさせていきたい。そして,地域に対する愛着や誇りをより深くし,地域について の児童の考え方をより高めていきたい。 4。2 児童の実態と単元の構想 6年生は,学年1学級で児童数29名である。 今までの総合的な学習の時間の活動では,グループでテーマを設定し調べていく活動が主 であった。グループによる活動では,他者に頼り自分から進んで問題解決にあたらなかった りする児童も見られた。そこで,個人個人でテーマを設定し,自分で責任を持って問題解決 にあたっていく経験をさせることで,一人一人の問題解決能力をさらに高めていきたい。

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ポートフォリオや他者評価を取り入れる。 現在,総合的な学習の時間をはじめとして,ポートフォリオを用いた学習が広く実践され ている。ポートフォリオを用いた学習では,評価規準や評価基準表をもとに児童の学習過程 の評価が行われる。それらの実践の多くは,教師の側で評価したいことを,評価規準や評価 基準表として設定し,それを使って子どもに自己評価させ,学習の改善を行わせている。こ れでは,教師が児童を評価するための自己評価であり,一人一人の子どもの自己評価は主体 的なものではなく,切実な学びとして学習が意識されていかない。この自己評価観を児童の ためのものに転換していく必要がある。 そこで,児童が,各自の学習の目標を決め,自ら評価規準として設定し,さらに,児童が それをもとに評価基準表を作る。その評価規準・評価基準表を児童が学習場面で利用し,自 らの問題解決や学び方を自己評価し,他者評価を得て,改善しながら学習を進めていくポー トフォリオとする。このように自らが評価規準や評価基準表を設定し,自己評価していくこ とで,児童一人一人の最近接に働きかけ,児童一人一人の学習の向上を促すことができると 考える。また,自ら評価規準や評価基準表を設定し,自己評価しながら学習を進めていくこ とは,生涯に渡って学習していく力につながると考える。しかし,今まで教師から与えられ るだけの自己評価しか経験していない児童にとっ七,自分自身の評価規準や評価基準表が創 出できるようになるためには,段階が必要である。そこで,「教師の支援により児童が評価規 準・評価基準表を創出する段階」を経て,「児童が,独力で評価規準・評価基準表を創出する 段階」へと高めていく。 本実践では,「教師の支援により児童が評価規準・評価基準表を創出する段階」における支 援の工夫をしていく。 そして,ポートフォリオを用いた学習を支援するため,コンピュータ利用のメリットを活 かし,自己評価機能や学習情報入力機能,学習情報抽出機能,ポートフォリオ編集機能,コ ミュニケーション機能,閲覧機能を装備した電子ポートフォリオシステムを開発し,活用す る。 4.3 教師の支援のもと児童が評価規準・評価基準表を創出する手順 ポートフォリオを用いた学習は,学びの過程を長期的に評価していくが、その過程におけ る評価のためには評価規準・評価基準表が重要となる。 評価規準・評価基準表には多くのとらえ方があるが,本実践で,「評価規準」とは,何を評 価するのかという判断の根拠で,学習で児童が目指す姿のことである。なお,評価規準は, 単元の目標から評価の観点に沿って設定する。「評価基準表」とは,どの程度であるかという 判断の根拠で,評価規準がどの程度達成できたか判断したり,評価規準の達成を目指して次 にやるべきことを判断したりするために,評価規準の達成度をレベル分けして示した表であ る。評価規準・評価基準表の関係を図4.3−1に示す。

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単元の目標 評価の観点 評価規準

E旺北到∃

評価基準表

図4.3−1評価規準と評価基準表の関係

本実践では,児童は図4.3−2に示す①から⑦の流れによって,評価規準を創出し,個々 の評価基準表を作成していくことになるが、①から⑤の評価規準の作成までは勝見健史 (2002)と同様の手法を採用する。以下、児童による評価基準表創出までの手順を示す。 ①反省点の明確化 児童は1学期の自分の学習を振り返り、うまくいかなかったこと等の反省点をあげてワー クシートに記し明確化する。その後、相互に発表し合い共有する。 ②評価の観点による分類 児童のあげた反省点を、教師が評価の観点にそって分類し,一覧にする。 ③目標設定 児童は共有された一覧を確認して自分の課題をつかむことで,今回の学習における目標を 明確にする。そして、「今までの学習における自分の姿」と「今回の学習で目指す自分の姿」 をワークシートに記す。この目標は一人ひとりの評価規準作成の素案になるものである。 この時、児童に「今までの学習における自分の姿」と「今回の学習で目指す自分の姿」を 把握させるとともに、評価基準表を活用して学習し自分自身を変えていくことへの意識化 を図る。

(4)

⑤評価規準の確認・修正 教師は児童の設定した評価規準が、達成が容易な目標や達成不可能な目標にならないよう に留意しながら学習活動にあったものになるよう支援する。また、振り返りにおける利用を 考慮しながら表現が適切であるかどうか、具体的に記述できているかどうか等についても、 児童と教師の対話の中で修正していく。そして、児童が自分自身で確認して納得するという 活動を通して、評価規準として確定する。

児童の活動

①反省点

③目標

④評価規準

⑥評価基準表

教師の支援

②評価の観点

⑤確認・修正の支援

⑦確認・修正の支援

図4.3−2 評価規準・評価基準表創出の流れ ⑥評価基準表の作成 ③の目標設定時に明確にした「今までの学習における自分の姿」と「今回の学習で目指す 自分の姿」を評価基準表の現在の姿(レベル1)と目指す姿(レベル4)として設定し、評価基 準表の例を参考にしながら、さらにその中間の姿(レベル2・3)を考えることで数段のレベ ルを有する評価基準表を作成する。 ⑦評価基準表の確認・修正 教師は児童が設定した個々の評価基準表について,各段階の表現が適切であるかどうか, もとの評価規準に合ったものになっているかどうか確認する。修正が必要な場合には、児 童と教師の対話の中で修正していく。そして、児童が納得した上で評価基準表として確定 する。

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単元の終わりの段階では,児童の設定した各評価基準表における現在のレベルが明らかに なり,次の単元の学習での評価規準や評価基準表を設定する参考資料となる。 4.4 学習の流れ 学習は、図4.4−1および図4.4−2に示すように「問題設定」「計画」「追究」「単 元のまとめ」の大きく4つの段階で構成される。児童は、自ら創出した評価規準・評価基準 表に基づいて自己評価しながら、学習ファイルに蓄積された学習情報からポートフォリオに 必要な情報を判断し,選択・編集を行い,ポートフォリオ1を作成する。さらに、他の児童 などから他者評価を得ることで,自己評価を深め、次の活動の手だてを得る。そして,ポー トフォリオ1はポートフォリオ2へと再構成される。他者評価の場面で、他者は,学習者の 評価規準・評価基準表や自己評価,学習ファイルを参照して,評価を行うことになる。これ らの学習活動は,各段階において同様に行われる。

計画

ポートフォリオ1→2

∴ll了

他者評価 自己評価 自己評価 他者評価

追究蟄

ポートフォリオ1→2→3

学習ファイル

それぞれの段階での

謝脾

亘漸嘘準表

問題設定

ポートフォリオ1→2

他者評価 自己評価 ク   自己評価

茹童謡まとめ

問題設定ポートフォリオ2 計画ポートフォリオ2 追究ポートフォリオ3 図4.4−1評価と学習活動との関連

(6)

オリエンテーション 問題設定の段階 エ 計画の段階 追究の段階 単元のまとめの段階

問題設定の段階の評価規準・評価基準表の創出

自己評価

学習ファイルに学習情報の入力

指重

謀悪

問題設定ポートフォリオ1

修正の計画

問題設定ポートフォリオ2

他者評価

計画の段階の評価規準・評価基準表の創出

自己評価

学習ファイルに学習情報の入力

柘重

程悪

計画ポートフォリオ1

修正の計画

計画ポートフォリオ2 他者評価

追究の段階の評価規準・評価基準表の創出

『学習ファイルに学習情報の入力

[ = は け 自己評価

要な 学習情報 『 追究ポートフォリオ1 修正の計画

追究ポートフォリオ2

修正の計画 追究ポートフォリオ3 他者評価

各段階の段階の評価規準・評価基準表

自己評価

学習の成果を発表

単元のまとめ

図4.4−2 学習の流れ 他者評価

(7)

児童個々の評価規準や評価基準表は,単元の最初に全て設定するのではなく,問題設定, 計画,追究の各段階で,それぞれの段階における評価規準および評価基準表を創出する。そ うすることで,児童は,より自分自身の学習過程に適合した評価規準や評価基準表を創出で きると考える。 単元の学習指導案を表4.4−1に示す。 表4.4−1学習指導案 単元の目標 ・児童自らが意欲的に,地域に関わる問題を設定し,問題を解決するための計画を立て, 追究し,まとめる活動を通して,問題についての自分の思いや考えを深くもつととも に問題解決の力を高める。 1 次 1次:問題設定段階の全体目標 ・問題設定段階における評価規準・評価基準表を創出し,自己評価を行いながら, 地域に関する事物についての夢や願いをもとに追究したい問題を設定をする。

直]

学 習 活 動         教 師 の 支 援 1 問 題 設 _ 定 2 14 時 間 3 4 ○オリエンテーションを行 ○プリントを用意し,評価規準や評価基準表 い,また,1学期の学習に  を児童にもわかる言葉説明し,電子ポート おける反省点をあげる。   フォリオシステムを取り入れた単元のお おまかな流れについて説明をする。 ○村を見つめ直し,村の特色 ○村を見つめ直すために,自然・歴史・産業・ となるものをあげる。    施設・その他の5つの項目を設け,それぞ 前時にあげた反省点の一覧 れの項目で特色となるものを考えさせて を見て目標を考える。    いく。 前時に児童があげた反省点を一覧にし,用 意する。 ○問題設定段階における評価 ○一人一人の児童の考えた目標を具体化し 規準・評価基準表を創出す て評価規準にする手立てを考えておく。評 る。       価基準表について言葉がけによる支援を 行う。 02時間目にあげた村の特色 ○実際のコンピュータ画面をプロジェクタ となるものからいくつかを  −で投影し,学習ファイルへの入力例を提 選び,それぞれに対する自  示したり,実際の入力を演示したりする。 分の夢や願いを書き出す。  児童が実際に入力していく場面では,TT 学習ファイルに入力をす で個別に指導にあたっていく。 る。

(8)

時  学 習 活 動         教 師 の 支 援 l 次 問   題   設   定 4 1 時 間 5 ○前時に選んだ村の特色ある 素材の中から夢や願いの強 いものをひとつ選び学習問 題(研究テーマ)を考え,学 習ファイルに入力する。 ○システムの学習ファイルを見ながら,学習 の振り返りをさせる。第2時や第4時の活 動を振り返り,人にまどわされることなく, 自分の夢や願いの強いものを学習問題とし て設定するように助言する。 ○前時に考えた学習問題につ ○漠然としている学習問題について,知って 6 いて知っていることと知ら ないこと(知りたいこと)を 書き出し,学習ファイルに入 力する。 いることと知らないことを書き出させるこ とで,学習問題の明確化を支援する。ワー クシートのプリントを用意し,まず書き出 させてから,学習ファイルに入力させる。 7○学習問題をはっきりさせる ○学習問題をはっきりさせるための見学や調ための見学や調査の計画を  査であることを明確に提示し,自分のため 立て,学習ファイルに入力す の見学や調査の計画を立てさせる。 る。 〇日分の立てた計画のも   ○安全面へも配慮から,見学や調査の場 8   と,見学や調査を行う。   所が同じ人でグループを作り,いっしょに 行動させる。 ○見学や調査を行った結果を ○見学や調査でわかったことや新たに生じた 9 学習ファイルに入力する。 疑問,考えたことなどを入力させる。画像 の取り込みについて説明し,実際の操作に ついてとまどっている児童がいれば個別に 支援する。 ○重要な学習情報を選び,問題 ○ワークシートに,重要な学習情報を選んで 10  設定ポートフォリオ1の下 書き入れ,ポートフォリオの下書きをさせ 11 書きをし,システムに入力を  る。重要な学習情報のしるLについて教え する。評価規準・評価基準表 書き込みの支援をする。ポートフォリオの を見て,ワークシートに自己 入力について説明をし,入力にとまどって 評価を行う。        いる児童には個別に支援する。 12 ○前時に行った自己評価をシ ○システムの扱いに慣れていないので,シス ステムに入力する。問題設定 テムの操作方法について支援をしていく。 ポートフォリオ1の他者評 学習者のポートフォリオ画面や評価基準・ 価を行う。        評価基準表や自己評価を見ながら,評価し ているか見ていく。

(9)

時 学 習 活 動         教 師 の 支 援 問

題13

設 定 1 4 時 間 ○評価用紙を評価者から受け 取り,それらをもとに,ポ ートフォリオ2への改善の 計画を立て,学習ファイル に入力する。 ○友達からきた評価用紙の中から,よいアド バイスを選ばせ,それらを取り入れて,ポ ートフォリオ2によりよく改善していく ことをつかませる。 改善の計画を,学習ファイルに入力し,問 題設定ポートフォリオ2の下書きをする。 14 ○前時にした改善の計画のも ○前時に書いた問題設定ポートフォリオ2 と,問題設定ポートフォリ  の下書きを見直し,システムにポートフォ オ2を完成させ,自己評価 リオ2を作成し,自己評価を行う。 をする。 2 2次:計画段階の全体目標 次・計画段階における評価規準・評価基準表を創出し,自己評価を行いながら,問題 を追究するための計画を立てる。 三二l手 学 習 活 動        教 師 の 支 援 画   ○計画段階における反省の一 〇今までの自分の姿と今回の学習で目指す 1  覧から目標を考え具体化し  自分の姿をとらえさせ,目標を明らかにさ て評価規準をつくる。    せる。児童の考えた目標を具体化し評価規 準にするために言葉がけによる支援を行 8 時 間 う。 2○評価規準から評価基準表を ○前時に児童が考えた計画段階での評価規創出する。問題を解決する  準から評価基準表を創出させるための手 ための計画を考え,学習フ  立てを一人一人について考えておき,言葉 ァイルに入力する。     がけによる支援を行う。 3〇日分の設定した問題を解決 ○前時に考えた計画とは,別の視点で解決のするための計画を考え,学 ための計画を考えさせていく。 習ファイルに入力する。

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時  学 習 活 動         教 師 の 支 援 2 次 計 画 8   時   間 4 ○重要な学習情報を選び,計 画ポートフォリオ1の作成 をする。評価規準・評価基 準表を見て,自己評価を行 いワークシートに書き込 む。 ○ワークシートに,重要な学習情報を選んで 書き入れ,計画ポートフォリオ1の下書き をし,システムに入力をする。重要な学習 情報のしるLについて教え,重要な学習情 報にしるLをつける支援をする。入力にと まどっている児童には個別に支援する。 5 ○前時に行った自己評価をシ ○システムのコミュニケーション機能を使 ステムに入力する。計画ポ  って,他者評価を行う。システムを使い方 −トフォリオ1の相互評価  について説明をし,他者のポートフォリオ を行う。         などを見ながら,評価したことを書き込ん でいく。また,時々自分の掲示板に戻り, 書き込みに対する返信を行わせる。 〇日分の掲示板に書かれてい ○掲示板に書かれている評価の中から,よい RU る評価をもとに,ポートフ ォリオ2への改善の計画を 立て,学習ファイルに入力 し,ワークシートに計画ポ ートフォリオ2の下書きを する。 アドバイスを選ばせ,それらを取り入れ て,ポートフォリオ2によりよく改善して いくことをつかませる。 改善の計画を,学習ファイルに入力し,計 画ポートフォリオ2の下書きをする。 7○前時にした改善の計画のも ○前時に書いた計画ポートフォリオ2の下と,計画ポートフォリオ2  書きを見直し,システムにポートフォリオ を完成させ,自己評価をす  2を作成する。自己評価を行う。 る。 8○ポートフォリオ2の他者評 ○追究に向けてのアドバイスを得るため,シ価を行う。        ステムを使い,ポートフォリオ2の他者評 価を行う。

(11)

3次:追究段階の全体目標 ・追究段階における評価規準・評価基準表を創出し,自己評価を行いながら,自ら立 てた計画をもとに問題の追究を行う。

3[車]

次 追 究 14 学 習 活 動         教 師 の 支 援 1 ○計画ポートフォリオ2の他 者評価を見て,よいアドバイ スをさがす。 追究段階における反省の一 覧から目標を考え具体化し て評価規準をつくる。 ○追究活動を深めていくためのよいアドバイ スはないか他者評価の振り返りをさせる。今 までの自分の姿と今回の学習で目指す自分 の姿をとらえさせ,目標を明らかにさせる。 児童の考えた目標を具体化し評価規準にす るために言葉がけによる支援を行う。 時 2 間 ○追究段階における評価規 ○前時に児童が考えた追究段階での評価規準 準・評価基準表を創出する。 から評価基準表を創出させるための手立て これからの追究活動の計画 を一人一人について考えておき,言葉がけに を立て,学習フ       よる支援を行う。 アイルに入力する。 3 4 〇日分の設定した問題を解決 ○施設の見学などに児童が行く場合には,事前 するための追究活動を行い, 指導をし,児童にお願いに行かせる。見学先 学習ファイルに入力する。  とは事前に教師の側でもお願いをし,打ち合 わせを行う。 ○重要な学習情報を選び,追究 ○重要な学習情報を選んでシステムの重要の 5 ポートフォリオ1を作成す る。評価規準・評価基準表を 見て,自己評価を行いシステ ムに入力する。 しるLに書き入れ,追究ポートフォリオ1を システムに入力させる。評価規準や評価基準 表を見て自己評価させる。 6○前時に行った自己評価をシ ○システムのコミュニケーション機能を使いステムに入力する。追究ポー 他者評価を行う。他者のポートフォリオや評 トフォリオ1の他者評価を 価規準・評価基準表などを見ながら,評価し 行う。      たことを書き込みさせていく。時々自分の掲 示板に戻り,書き込みに対する返信を行わせ る。 7〇日分の掲示板に書かれてい ○掲示板に書かれている評価の中から,よいアる評価をもとに,ポートフォ ドバイスを選ばせ,それらを取り入れて,ポ リオ2への改善の計画を立 −トフォリオ2によりよく改善していくこ て,追究活動を行う。    とをつかませる。 改善の計画は,学習ファイルに入力させる。

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時  学 習 活 動      教 師 の 支 援 3 8 次 9 追 ○ポートフォリオ2に向けて 追究活動を行い,追究活動 の成果を学習ファイルに入 力する。 ○児童一人一人の追究活動を把握し,個に応 じて追究の支援を行う。 ○重要な学習情報を選び,追 ○重要な学習情報を選んでシステムの重要 究10  究ポートフォリオ2を作成  のしるLに書き入れ,追究ポートフォリオ 14 時 間 する。評価規準・評価基準  2をシステムに入力させる。評価規準や評 表を見て,自己評価を行い  価基準表を見て自己評価させる。ポートフ システムに入力する。    オリオ2に用意した「重要な学習情報を見 る」と「自己評価を見る」のボタンのリン クができるか確認をする。 11 ○前時に行った自己評価をシ ○システムのコミュニケーション機能を使 ステムに入力する。追究ポ  い他者評価を行う。他者のポートフォリオ ートフォリオ2の他者評価  などを見ながら,評価したことを相手の掲 を行う。         示板に書き込んでいく。時々自分の掲示板 に戻り,書き込みに対する返信を行わせ る。 12 〇日分の掲示板に書かれてい ○掲示板に書かれている評価の中から,よい る評価をもとに,ポートフ  アドバイスを選ばせ,それらを取り入れ オリオ3への改善の計画を  て,ポートフォリオ3によりよく改善して 立て,追究活動を行う。   いくことをつかませる。 改善の計画は,学習ファイルに入力させる。 ○ポートフォリオ3に向けて ○児童一人一人の追究活動を把握し,個に応 13  追究活動を行い,追究活動  じて追究の支援を行う。 の成果を学習ファイルに入 力する。 ○重要な学習情報を選び,追 ○重要な学習情報を選んでシステムの重要 14  究ポートフォリオ3を作成 する。評価規準・評価基準 表を見て,自己評価を行い システムに入力する。 のしるLに書き入れ,追究ポートフォリオ 3をシステムに入力させる。評価規準や評 価基準表を見て自己評価させる。ポートフ ォリオ3に用意した「重要な学習情報を見 る」と「自己評価を見る」のボタンのリン クができるか確認をする。

(13)

4次

4次:単元のまとめ段階の全体目標 ・作成したポートフォリオをもとに,追究してわかったことや学習問題に対する願 いや考えを発表する。 ・単元で作成した評価規準や評価基準表を振り返り,次の学習で目槙にしたいこと を考える。 時  学 習 活 動        教 師 の 支 援 1 2 ○学習の成果を一人一人発表 ○プロジェクターを用意する。研究テーマと し,他者評価を行う。    設定理由,追究でわかったこと,学習問題 に対する自分の願いや考えなどを発表さ せていく。発表に対して,他者評価をさせ ていく。 3 時 3 間 ○単元を振。返。,感想や反 ○システムの「単元のまとめ」のボタンを利 省を書く。次に個人テーマ  用し,自分の作成したポートフォリオやそ で追究する時に目標にした  の場面でした自己評価や自分の評価規 いことを考える。      準・評価基準表の振り返。をさせる。

全39時間   問題設定−14時間

計画 −8時間

追究 −14時間

単元まとめ−3時間

5 電子ポートフォリオシステムの開発 5.1 システム開発の視点 コンピュータ利用の利点を生かし,本実践では電子ポートフォリオシステムを開発し利用 する。本システムには,次に述べる6つの機能を持つ。 (1)「自己評価機能」 児童は,学習の各段階で自分の評価規準や評価基準表を創出していく。創出した評価規準 や評価基準表は,学習中いっでも,確認できるようにする。そして,自分の評価基準表と自

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児童が創出する評価規準・評価基準表を入れるデータベースと児童が行う自己評価を保存 するためのデータベースを一人一人に用意する。 図5.1−1は,自己評価の画面である。 ①自己評価のトップページ 村雨獣蝉柁恒陪食1鱈初野や蕪小舟鰯 jちl推 音 戚 H蕊増 益 澄 議 漉く 泣 虫        塾 頭’わニヽ璃趨 醐匝−〃コ畑21榔l…ル・ 油壷顔料這嘗瀬畑酎軸転断碑−イ 自己評価 8番 笹原 琴音 漣果鯉禁裏 .、““、、、、、、、、恥、、、無封 ・こ申’■ph’l 表出ぶ.   … …浦よ こ、、一、.こ通 辞 け. 戚事や  u dtp  伽Ⅳト真l塗 へウ1J 嵩㌻喜㌦畠読紅海㌍蘇来信速読鮮薄 :、手間齢 朝も−納品昏岩盈㌫幼稚謡℃油㌶㌫詣hL,..㌫拭斌瑠醇離艦忠霊諜敬邪悪埋海溝菌 嶽t書       ・お も .  こ       tt t● けJtl−■■  こ脚IT.l−1こl 卓己の評輯規津纏摸接辞信蕪雑 班麟解琳粧屈、、 計●且−■1 .;−;=;三,、 軍事蝉H叩写 こくたこ    囲    涼サ1遠   耳騨㌢∴㌫∵小樽

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で,学習情報の中から重要な学習情報を選んで抽出できるようにする。 (4)「ポートフォリオ編集機能」 児童は,重要な学習情報をもとにポートフォリオを作成していく。作成されたポートフォ リオは,さらに改善が加えられ,よりよいポートフォリオに編集していく。そこで「ポート フォリオ編集機能」を設け,ポートフォリオの再構成ができるようにしていく。 図5.1−2は,問題設定ポートフォリオの画面である。 (5)「コミュニケーション機能」 児童が作成したポートフォリオは,クラスの仲間などの他者評価を通して,よりよいもの へと改善が図られる。そこで他者評価を助けるために,電子掲示板を利用した「コミュニケ ーション機能」を設ける。 また,自分の考えの立場を明確にして書き込みができるように支援するため,「出だし言葉」 と「つなぎ言葉」を用意する。「出だし言葉」は,ポートフォリオが完成したとき,他者に意 見を求める書き込みをするときに使う言葉である。「つなぎ言葉」は,相手の書き込みに対し て,意見を述べるときに使う言葉である。「出だし言葉」として,ポートフォリオが完成した 時に意見を求める言葉「これでいいかな」を設定する。「つなぎ言葉」は,出だし言葉「これ でいいかな」に対して,賛同する言葉「いいと思うよ」アドバイスをする言葉「∼∼すると いいよ。」質問する言葉「教えて」を用意する。さらに議論を深める言葉として,「教えて」 に対して応答する言葉「それはね」,賛成する言葉「そうだね」反論する言葉「でもね」,話 題転換する「話は変わるけど」を用意する。また,これらの「出だし言葉」や「つなぎ言葉」 にあてはまらない発言のために,言葉を選ばないことも可能にする。 (6)「閲覧機能」 相互作用を行う場合には,他者の情報を容易に閲覧できるようにする必要がある。また, 児童の自己評価を助けるため,自分自身の学習ファイルやポートフォリオなどの情報も自由 に見ることができる必要がある。そこで「閲覧機能」を設ける。 クラスの仲間にとって閲覧機能は,他者の学習や自己評価を見ることで,自分に足りない 学習情報を知ったり,自分の問題解決を深める手立てを知ったりする足場となるものでもあ る。

(16)

①問題設定ポートフォリオのトップページ 束縛 淋羞   脚脚ユノー蕪蝶丹那Ⅴ 拉語義意義去箪薮藍駐定義竃謹畢 担攣聖牽畏璧華聖華蟹聖立志某蕊立法㍊嵩震㍊_ツ÷ 昭緯度熱接轟湖綽霊長 2増額峯花歩 新病腺鵬喜 怒車蜃嘩 ぜ1敬 ハ、…蹄謎と 車、……、、、、、 ・里・・−L ②ポートフォリオを作成するページ 撃墜墜型撃墜 ヽI ③ポートフォリオを見るページ 吏慈二二二二二二二二二二二二二二二二蚕廼加.加轍鮒脇敏滅}血相叫竹

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5.2 システムの全体構造 本システムは,図5.2−1に示すようなLAN回線でつながれている児童用コンピュー タにサーバーを組み込んだシステムである。

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児童用コンピュータ 合計29台 図5。2−1 システムの全体構造 児童用コンピュータは,学習者の人数分のコンピュータが配備されている。本実践で使用 するシステムのサーバーとして,6台のコンピュータを使う。 インデックスサーバーは,「情報閲覧機能」を支援する役割をもたせる。インデックスサー バーには,コンピュータ1台を使用する。 ポートフォリオサーバーには,個人個人の評価規準・評価基準表,学習ファイル,ポート フォリオなどの学習情報を入れるデーターベースを用意する。ポートフォリオサーバーは, 「自己評価機能」「学習情報入力機能」「学習情報抽出機能」「ポートフォリオ編集機能」「閲 覧機能」を持つ。ポートフォリオサーバーには,たくさんのデータベースを備えなければな らず,負荷を分散させるために4台のコンピュータを使用する。 コミュニケーションサーバーは,「コミュニケーション機能」を持つ。 コミュニケーションサーバーには,他者評価を行うための掲示板を用意する。掲示板は,ポ

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6 授業の様子 6.1評価規準・評価基準表創出(「問題設定」の段階) (1)各段階の評価規準・評価基準表の創出に向けて 児童は,各段階での評価規準・評価基準表を創出するために,1学期の総合的な学習の時 間におけるいくつかの単元の学習活動を振り返り,がんばったことやうまくいったこと,あ るいは,うまくいかなかったことなどの反省点をあげていった。 本単元の目標から,問題解決能力の育成を目指して児童につけたい力として,「問題を見つ ける力」「計画する力」「調べる力」「まとめる力」「やる気がんばり」の5つの観点を設定し, 教師は,児童からあがってきた反省点をこれら5つの観点にそって分類し一覧に集約した(図 6.1−1)。集約した一覧は,児童に提示し,反省点を共有した。 1学期の学習は,主にグループで問題を設定したり,学級で話し合ったりして問題を設定 し,解決していく活動であった。そのため,「問題をグループで話し合う場面では,自分の意 見が言えた。」「自分の思っていることを発表して,問題を決めることができた。J「解決方法 を考えるときには,自分の意見を進んで発表した。」といった話し合いや発表の視点での反省 点もあったが,これらは,今回の個人で問題を設定し解決していく学習の目標に結びつく反 省点ではないので,反省点の一覧から抜いてあることを児童に伝えた。 I糊坤欝か嘲肺出鹿を r細趨癒見つけ魯力j伽わき℃ 0日分の本当に調べ食いと蟄4ていることを間脳「持針先デー・せト滝す協. 凸先餐頭主観としてあげた開運(研究デーY)を自分の簡泡にしてし軋巫監 畠人の患恕管してl鴫瑠脚:究チ一・才)啓決めてしまりだ。 r鮒藷劃削転記蜘錮翫疋 e鮎錮担格か鋼船諸藩亀 0湘べ呑舟随をいくつか考えた。 0溺巨も首に一ついている出ろ壮大紅顔渡した、 0常喝することを緒もって考え泥. 0たくさんの望印8脅考えることが平射軋 む串館に塙凛をしてい専行くかなお軸いした, 0由分たちで謝l相磯に行って,件数のお緊いきすることができた。 苺時間や安過密,見学料を考えて計紺で酎転 機率画に髄をLでいり浄くかをお購いしたす △一つの調べる方訟Lか考えなか嶺監 △調一年舟にづい号鮭の人妻こ細談しなか壷監 △潔ペる方法をもっと上策するとよかった. △紬醜鞘摘柑背骨嘲晰域戒心転 △散財に行くのに鯖もって避締しなかった. ム行りたのに鬼たいものが兇れなか引転 ム時間のことを舞えないや蔚漸したも、時期があまってしまった, 図6.1−1児童が共有した1学期の学習の反省点一覧(抜粋) 「問題を見つける力」にあげた反省点の一覧は問題設定の段階における目標を設定する視 点となり,「計画する力」にあげた反省点の一覧は計画段階における目標を設定する視点とな

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り,「調べる力」「まとめる力」にあげた反省点の一覧は追究段階における目標を設定する視 点となり,「やる気がんばり」にあげた反省点の一覧は全ての段階における目標の設定の視点 となる。 (2)問題設定段階における評価規準・評価基準表の創出 児童は,問題設定の段階における個々の目標を設定する。図6.1−1に示した「問題を 見つける力」に関わって児童から出された反省点は, ・自分の本当に調べたいと思っていることを問題(研究テーマ)にした。 ・先生が例としてあげた問題ノ(研究テーマ)を自分の問題にしてしまった。 ・人のまねをして問題(研究テーマ)を決めてしまった。 の3つだけであった。 そこで,児童は,個人で問題を設定する段階で目標にするとよいと思うことを発表し合い, 考えを共有していった(図6.1−2)。 ・研究テーマを設定した理由を具体的にする。 ・研究テーマを設定した理由をはっきりさせる。 ・研究テーマは,友達や先生が思いっかないものにする。 ・研究テーマは,なるべく人と同じにならないようにする。 ・研究内容がよくわかる研究テーマにする。 ・調べたい疑問点をはっきりさせる 図6.1−2 児童が共有していった考えの一覧 一人ひとりの児童は,自身の1学期の反省点および1学期の学習の反省点一覧(図6.1 −1)と児童が共有していった考えの一覧(図6.1−2)をもとに,問題設定段階におけ る「今までの学習における自分の姿」と「今回の学習で目指す自分の姿」(目標)を考えてい った(図6.1−3)。 今までの学習における自分の姿 ・自分で研究テーマを設定していない。 (グループや学級で研究テーマを設定していた。) 今回の学習で目指す自分の姿 ・設定した理由や調べたい疑問点をはっきりさせて, 自分で研究テーマを設定する。

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この目標は自分自身の評価規準および評価基準表の作成の素案となるので,児童一人ひと りによく考えて「今までの学習における自分の姿」と「今回の学習で目指す自分の姿」を明 らかにするよう話すとともに、これからの学習で,評価基準表を活用して「今までの学習に おける自分の姿」から「今回の学習で目指す自分の姿」へと自分自身を変えていくことに対 しての意識化を図った。 児童は,問題設定における今回の学習で目指したい自分の姿をさらに具体的にはっきりと させ、評価規準を設定した。教師は児童の設定した評価規準が、より具体的なものとなるよ うに,どんな研究テーマにしたいのか,どんな設定理由を目指したいのかなど,児童に言葉 がけをし,また,児童の評価規準の達成が容易であったり,達成が不可能な評価規準となっ たりしないように留意しながら,児童と教師の対話の中で修正した。そして、児童は,自分 自身で確認し,納得した上で評価規準を確定した(図6.1−4)。 ・具体的な設定理由を書き,調べたい疑問点をはっきりさせて,自分で考えて 研究テーマを設定する。 図6.1−4 問題設定段階における評価規準の創出の例 児童は,「今回の学習で目指す自分の姿」と「今までの学習における自分の姿」から,評価 基準表の例を参考にしながら,その中間の姿を考えた。そして,児童は,数段のレベルを有 する評価基準表を創出した(図6.1−5)。 自分の評価基準表づくり(レベル作り) レベル1  日分で考えて研究テーマを設定していない。 レベル 2   設定理由あるいは疑問点を書き, 自分で考えて研究テーマを設定している。 レベル 3   設定理由を書き,疑問点をあげて, 自分で考えて研究テーマを設定している。 レベル 4  具体的な設定理由を書き, 調べたい疑問点をはっきりさせて, 自分で考えて研究テーマを設定している。 図6.1−5  問題設定段階の評価基準表の創出の例

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教師は児童が設定した個々の評価基準表について,各段階の表現が適切であるかどうか, 元の評価規準に合ったものになっているかどうか確認した。修正が必要な場合には、児童と 教師の対話の中で修正した(図6。1−6)。そして、児童は,納得した上で評価基準表を 確定した。 リ   妻 ノ ハ 遮 鯖 軋 注 誌 臨 駆 錮 ・H・..・. .・ソい・い・H・V ..ヽ 、. .・. ヽ. 望欝

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図6.1−6 評価基準表の創出場面での支援 6.2 中学生や地域の方による他者評価 他者評価場面では,評価者として,クラス内の児童だけでなく,中学生や地域の人も加わ った(図6.2−1【A】【B】)。 中学生は,昨年度まで小学校に在籍し,6年生の1学年先輩にあたる中学1年生の有志5 名である。彼らは,昨年度,総合的な学習の時間で,地域を題材として個人で研究に取り組 んでいる。地域の人として,戸田村に住み,社会教育活動をされているT氏に児童のポート フォリオの他者評価をお願いした。 【A】中学生による他者評価        【B】地域の人による他者評価

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中学生や地域の方からの評価について,児童は「アドバイスはとても役に立った。」「クラ スの大のより,くわしく書いてあった。」「アドバイスが的確だった。」「小学生とは違って同 じ意見がなくてすごくいいアドバイスであった。」という感想を持った。中学生や地域の方か らの他者評価は,具体的であり,改善に役立ったと児童は考えている。 中学生や地域の方は,児童の評価基準表やポートフォリオをよく見て書き込みをしていた。 また,既に書き込みされている他者評価とは違う内容を書こうと心がけていた。そのため, 評価の書き込みが具体的で参考になったと考える。また,地域のことをよく知っており,地 域のことを踏まえて,具体的にアドバイスが書き込まれていた。 7 授業実践から得られた知見 評価規準・評価基準表の創出は,児童は初めてのことで,多くの支援と時間を必要とした が,自分の評価規準・評価基準表を持つことと,システムを使うことで,児童の自己評価は 促され,学習活動は活発となった。 システムにより,自己の評価規準・評価基準表が見れることで,自己の評価規準・評価基 準表を意識した学習ファイルの選択やポートフォリオの編集が行われた。学習中,評価基準 表をもとに,現在のレベルと次にやるべきことを自己評価し,他者評価を得ることで,ポー トフォリオを改善していく姿がみられた。その際,教師は,個々の解決に向けた支援を的確 に設定していくことが大切であった。電子ポートフォリオシステムは,このような支援の必 要な児童を発見するのにも有効に働いた。 学習中に行った自己評価やポートフォリオは,システムに蓄積される。学習者は,それら の自己評価の一覧やポートフォリオを見ることで,自己の向上などを知ることができ,主体 的な学習が促された。 他者評価は,評価規準や評価基準を意識した書き込みが行われることで児童のレベルの向 上を促進したり,児童が今まで気付かなかったことに気付いたりし,自己評価を促し,ポー トフォリオの改善に役立った。中学生からの他者評価は具体的で児童のポートフォリオの改 善に役立った。また,地域の方は,地域のことをよく知っており,地域のことを踏まえて, 具体的に他者評価がされていた。 児童は,他者のポートフォリオを見ることで,自分の研究につながる情報を見つけたり, 新たな発見をしたりすることができた。 評価規準・評価基準表の創出のためには,単元の学習を終えた時点で次の学習に向けての 目標を持たせ,それらを記録に残していくことで,評価規準・評価基準表の創出の材料とな ると考える。

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参考文献 ・安藤輝次編著,2002,評価規準と評価基準表を使った授業実践の方法,黎明書房 ・橋本哲史,2001,電子ポートフォリオシステムを利用した問題解決能力を育成するための 学習環境の開発と授業実践に関する研究,兵庫教育大学修士論文 ・勝見健史,2002,目標に準拠した評価のためのポートフォリオ評価,人間教育研究協議会 編,目標に準拠した評価の考え方と実際,金子書房 ・正司和彦,1998,マルチメディアネットワークリンク処理機構による参加型学習環境の開 発と授業改善,平成8−9年度科学研究費補助金(基盤研究(0(勿)研究成果報告書 ・高浦勝義,2000,ポートフォリオ評価法入門,明治図書 ・高浦勝義,2002,問題解決評価−テスト中心からポートフォリオ活用へ−,明治図書 ・寺西和子,2001,総合的学習の評価−ポートフォリオ評価の可能性−,明治図書 ・ヴイゴツキー著(1934,思考と言語),柴田義松訳,2001,思考と言語,新読書社

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