道徳を視野に入れた音楽科の授業研究 : 小・中学校音楽科を中心として
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(2) ならない。成績に影響するからと、道徳的に振. 3.研究の概要 第1章では、わが国における道徳教育・音楽. る舞う児童・生徒ほど、非道徳的なものはない。. 科教育の歴史と変遷をたどった。道徳というも. 道徳を視野に入れた授業が正しい方向に機能. のがどのような流れで学校教育の中に位置づ. しなかったことになるといえる。根本的には、. けられ、教育にどう影響を及ぼしたかを述べた。. 音楽的な感受と道徳的な感受はつながるもの. また、音楽科教育にっいてもどのように発展し. であると考える。よって音楽的に成長できた場. 現在へとつながってきたかを説明した。. 合、道徳的・人間的にも成長が見られるのでは. 第2章では、道徳と音楽との関連性を探った。. ないかと推察するが、このことは今後実践によ. 主に片岡徳雄の情操教育についての考え方、マ. って確かめていきたい。. ーセルの音楽的・人間的成長を目指した教育、. また、道徳を視野に入れた音楽科教育の意義. 計20校の小・中学校授業例をもとに、道徳を. を述べてきたが、そのカリキュラムについて今. 活用した音楽の授業について考察した。教育的. 回は明確にできていない。音楽の授業であるの. 効果の考察としては、筆者の考えとしてr5つ. で、音楽的な力の育成を目指すことは重要であ. の感受のカ」一(1.自己を愛する心・自己肯定. る。道徳を視野に入れ、どのように指導すれば. 感、2.他者を尊ぶ心・他者理解力、3.帰属意. さらに音楽的に成長することが可能であるか. 識・規範意識、4.よいものを感受する力、5.価. を、今後カリキュラムとして系統立てていきた. 値あるものに気付く力)と、「3つの達成感」. い。音楽的成長と人間的成長のリンクを実感で. 一(1、能力高揚の実感、2.過程の充実と幸福. きるようなカリキュラムを、実践を通して考え. 感、3.各自が為しうる最善の本領発揮)につい. ていきたい。本小論における授業構想案は、ま. て示した。. だ実践を経ていないものである。実践できる時. 第3章では、筆者の考える小・中学校授業構. が訪れた場合、想像を超えた多くの問題に直面. 想案を提示した。小学校での取り組みとしては. することが予想される。今後、実践を通して内. 「音楽あのね帳」(低学年1・2年)、「音楽回. 容をさらに吟味、改善していきたいと考える。. 覧板」(中学年3・4年)、「音のプレゼント会」. 教員とは子どもにとって、保護者の次に最も. (高学年5・6年)、r音楽広場」(放課後の時. 長く、そして近くに存在する大人であるのでは. 間)、中学校での取り組みとしてはr音楽壁新. ないだろうか。素晴らしい使命をもった教員の. 聞」「音のレストラン」「音の感謝祭」である。. 殺害1」を果たせるよう、今後も研鎮に励むことを. 誓う。どう音楽を捉えれば、人はさらに前進す. 4.今後の課題. ることができるだろうか。どう音楽と向き合え. 評価の問題が挙げられる。学習指導要領にお. ば、人はさらに自分を深めることができるだろ. いて、道徳の授業では評価(成績)をつけない. うか。人生の根幹に幸がもたらされることを願. こととされている。音楽の授業の中に道徳を取. い、今後もこのことを間い続けていきたい。. り入れた場合、道徳に関する部分をどのように. 取り扱うかということを慎重に考えなければ. 主任指導教員 竹内俊一. 一391一.
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