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後発企業の自主製品開発能力の形成径路

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(1)

博士論文

後発企業の自主製品開発能力の形成径路

-50-80 年代の第一汽車と中国重汽の技術活動に関する比較分析から-

王中奇

武蔵大学大学院経済学研究科 511D001

The Path Dependence of Development Capability About Developing Company In the cases of FAW with CNHTC from 1950s to 1980s

WANG ZHONGQI

Doctoral Course

Graduate School of Economy Sciences

Musashi University

(2)

目次

第一章 研究の目的と分析の枠組み:技術学習と自主製品開発能力...1

はじめに...1

第一節 自主製品開発能力の概念...2

第二節 技術学習に関する研究の現状...6

第三節 研究対象の選定と研究方法...14

第四節 論文の構成...18

第二章 重汽成功要因のアーキテクチャ的分析...20

――中大型トラックのインテグラル的な設計要素―― はじめに...20

第一節 アーキテクチャ論とトラック製品...21

第二節 先行研究の欠点とトラック製品の再分析...23

第三節 製品アーキテクチャの可変性...40

おわりに...45

※補論 中国大型トラック市場の二重構造...46

第三章 技術学習における適正技術導入の重要性...50

――中国 80 年代における中大型トラックの技術導入を事例として―― はじめに...50

第一節 計画経済時期中国中大型トラック産業の発展概要...52

第二節 重汽の技術導入:技術の適正と適応...54

第二節 競合他社の技術導入との比較...66

おわりに...72

第四章 適正技術が選ばれた理由:技術事前選別能力の構築...75

はじめに...75

第一節 先行研究の検討と本章議論の焦点...75

第二節 重汽「黄河号(JN150)」の開発過程:模倣中心に...78

第三節 JN252 大型軍事トラックの開発過程:模倣から自主開発へ...84

おわりに...99

第五章 製品開発能力構築にとって有効な技術吸収活動...102

――第一汽車と中国重汽の比較分析から―― はじめに...102

(3)

第一節 先行研究の整理...103

第二節 両社の技術吸収活動の対比:RE プロセスの可変性と技術の暗黙知...105

第三節 JN150 から N91:自主製品開発能力形成の径路依存性...118

おわりに...121

第六章 中国重汽と第一汽車の製品開発組織の比較分析...123

はじめに...123

第一節 先行研究の検討と筆者の仮説...123

第二節 重汽と一汽の研究開発組織の沿革 ...126

第三節 一汽の開発組織の問題所在:「乖離現象」の発生要因...135

第四節 重汽の開発部隊における固有開発ルーチンの打破...141

おわりに...146

第七章 結論と課題:重汽のモデルの意義と展開 ...148

第一節 重汽からの「知」:自主製品開発能力の形成経路の存在. ...148

第二節 重汽からの「展」:重汽モデルからの示唆...153

第三節 重汽からの「問」:重汽のモデルの限界性と課題...154

参考文献...157

(4)

図表目次

図 2-1 貨物車の技術進化と製品アーキテクチャの関連図...25

図 2-2 大型トラックキャビンの内装と装備...34

図 2-3 ふそうスーパーグレート ABS と ASR システム...35

図 2-4 大型トラック製品の電気電子システム開発におけるプロセス...36

図 2-5 コイルスプリング式サスベンション...38

図 2-6 UD ビックサムの E-SUS システム...39

図 2-7 ベンツ・パテント・モトールヴァーゲンの特許認定書...43

図 3-1 (80 年代)中国における中大型トラック技術導入のタイプ...50

図 3-2 (80 年代)中国大型トラックメーカーの導入車種一覧...67

図 4-1 普通トラックの全体構造図...89

図 4-2 JN252 の全体構造図...90

図 4-3 JN252 半構造軸(前軸)の構造図...91

図 4-4 JN252 後軸構造図...92

図 4-5 JN252 のサスベンションシステム...92

図 5-1 CA141 の製品開発詳細...107

図 5-2 重汽の N91 における技術吸収活動の詳細...116

図 6-1 1986 年,1994 年,2003 年における長春研究所の組織図の沿革...127

図 6-2 1987 年重汽技術開発センター組織図...132

写真 4-1 「黄河号」の原型-スコーダ 706R...79

写真 4-2 二次試作後の「黄河号」...81

写真 4-3 JN252 の A 字型アームとアクスル...95

グラフ 1-1 関連企業の特許登録数の推移(2018 年-2017 年) ...16

表 1-1 途上国の技術学習段階に関する既存研究...7

表 1-2 研究対象の条件比較...14

表 1-3 各企業所有の特許数...15

表 1-4 一汽と重汽の重要部品の特許数に関する比較...15

表 1-5 中国と日本の大型トラック市場の規模対比(2014)...17

表 1-6 各企業主力製品の性能対比...17

表 2-1 各国トラックの分類...28

表 2-2 大型トラックメーカーの動力システムにおけるコア部品の内製...33

表 3-1 年表:中国中大型トラック産業の歴史と概観(1949-1979)...53

(5)

表 3-2 重汽の発展軌跡...55

表 3-3 基礎性能テスト...60

表 3-4 軍事テストの詳細...62

表 3-5 新モデルと旧モデルの比較...63

表 3-6 100 時間エンジンの各指数変化...64

表 4-1 創発論の関連研究と概要...76

表 4-2 (1960 年~1980 年)重汽が主に参加した開発プロジェクト...81

表 5-1 国際間技術移転における暗黙知の類型...111

表 5-2 N91 のコア技術導入先の一覧...114

表 6-1 「黄河号」開発部隊のコア人員の概要...129

表 6-2 重汽技術者の人員変化(1956、1970、1980、1987,2003)...131

表 6-3 開発プロジェクトの分類と内容...133

表 6-4 長春研究所の開発概要(1950-1980)...137

表 6-5 長春研究所の製品開発の中断及び時間短縮...141

表 6-6 JN252 の支援部隊の構成...143

表 6-7 1972 年,重汽のトップ管理陣営の概要...145

凡例

・「黄河号」については、タイトルとして使用以外、記述の煩雑さを避けるため、かぎ 括弧をつけずに使用する。

・本稿で使う RE という言葉はリバース・エンジニアリングの略語である。

・参考文献の引用は、文頭においては「著者(年号、ページ数)」、文中と文末におい ては「[著者(年号、ページ数)]」と表示する。三つの著者を並べる時には「;」を使 った。

(6)

第一章 研究の目的と分析の枠組み:技術学習と自主製品開発能力

はじめに

1)問題提起

技術は企業の生存を左右できる要因であると考えられている[Wilkinson(1983)]。また、

企業の発展に多大な影響を与え、無視できない要素でもある[Frohman(1982)]。従って、発 展途上国の後発企業にとって、如何に技術を習得し、自主製品開発能力(自主の意味は後述 する)を確立することは企業の生死に関わる重要な課題である。しかし、曹・尹(2005、p10) が述べたように、後発企業は様々なルートや方法を通じて先進技術を習得しようとしたも のの、結果的に技術を自らの企業内部へ体化し、自主製品開発能力を確立できた事例は極一 部にすぎない。技術を学習し、企業内部に定着できるか否かには、企業の技術学習の過程が 大きく関連していると考えられる。

多くの先行研究において、技術学習は量的変化から質的変化への過程であるとされてい る。即ち、長期的な技術蓄積は能力形成の基礎であることが指摘されてきた[Knight(1967);

曹(1995);Hobday(1995)]。さらに、技術形成過程にはある特定のパターンが存在するので はないか、という点についても大きな議論が展開された(詳細は今章の第二節を参照)。要す るに、企業は技術学習の過程において、一定の量的な技術蓄積を経て技術習得できた企業の 成功パターンを踏襲すれば、技術取得の確立も可能であると考えられてきたのである。しか し、技術学習の実態はこれらの先行研究の結論と大きなギャップがある。例え同じ国の企業 同士であっても、一見類似的な技術の学習過程(導入、吸収、改良、定着)を経験したのにも かかわらず、全く異なる結果を見出すことができる。この現象はまさに今現在、筆者の祖国

―中国で行われている。中国企業の大半は模倣、コピーを中心とした開発段階にとどまって いるのに対して、一部の企業はすでに先進企業にキャッチアップし、世界でも通用する高度 な技術力を習得し、自主製品開発能力を構築している。さらに、世界における工業発展史を 振り返ってみれば、ドイツ・アメリカ・日本でも中国と同様の現象が存在した。即ち、いず れの国でも、模倣やコピーといった段階からスタートし結果的に技術力を獲得した企業は、

少数派であったものの存在した。なぜこれらの企業は技術獲得に成功できたのか、この素朴 な疑問こそ、この論文の問題提起であり論文の原点でもある。

2)本論文の狙い

これまでに、多数の企業の技術学習や能力構築に関する先行研究がある中で、筆者が本論 において特に強調したいのは、体系的に技術学習のメカニズムを説明する点である。

本論の狙いは、中国の大手トラックメー1 カーである第一汽車(以下一汽とする)集団と中

(7)

国重汽集団(以下重汽とする)を研究対象とし、1950 年代から 1980 年代までの両企業の経営 史と技術発展史の比較分析を通して、企業における自主製品開発能力の構築過程をより体 系的に説明することである。体系的な意味は、企業の自主製品開発能力の構築過程に存在す る形成径路を明らかにするのを前提として、その構築過程に存在する段階の間の関連性も 追及する。さらに、各段階に存在した決定的な能力形成要素も分析の力点として究明し、要 素間の因果関係についても考察する。このように体系的な分析を通じ、企業の自主製品開発 能力の構築という動態的な過程の本質にアプローチすることを目指す。

そのため、本論文では以下のような二つの課題を設定する。

第一の課題は、自主製品開発能力の形成径路の定性である。即ち企業の技術構築には、従 来の主流派が主張した、日々の改善や改良などの技術の量的蓄積を行うことによって質的 変化が生成できるという形成径路であるか、或いは連続性と飛躍性の双方が併存するよう な形成径路であるか、という面についての考察である。

第二の課題は、形成段階や要素間の関連性の解明である。要するに企業の能力構築過程に おいて、自主製品開発能力の形成に決定的な影響を与える形成要素(要因)を究明し、各要素 間の関連性を明らかにする必要がある。

本論の結論を先取りして言えば、論文の分析対象である重汽は、自主製品開発能力の構築 過程に「事前技術選別能力の形成―適正技術の導入―有効的な技術吸収―技術の誘発深化

―技術の企業内部体化と定着」という形成径路が存在していたことを明らかにした。さらに 筆者は、この形成径路の各段階において自主製品開発能力形成には省略できない形成要素 も潜んでいることを解明した。ただ、同時期の中国国内ライバル企業の技術形成過程との比 較分析から判明するように、この形成径路には連続性と飛躍性が併存した。要するに、企業 の質的技術進化を実現するために、形成径路に存在する「断絶」を飛躍する必要がある。そ の飛躍に必要な「素質」や「飛び台」は、前述した形成径路に潜んでいる相互関連性があり つつ、省略できない形成要素を経験することは前提である。

本論の結論により、我々は後発企業の技術蓄積に関する現象(同じく量的な技術蓄積をし たにもかかわらず、一部の企業しか技術力を形成できなかった)について解釈できる。要す るに、継続的な技術蓄積は企業における技術力の形成に必要不可欠であるが、蓄積方法が正 しくなければ、形成径路に存在する断絶を飛び越えることができない恐れがある。

ここまで本論の狙いを紹介した。続けて先行研究の分析、論文対象の選定理由、本論の構 成を順で説明する前に、筆者が強調してきた「自主」という概念を解釈する。なぜならば、

本論文で強調する「自主製品開発能力」と、本来の「製品開発能力」は、概念として大きく 異なるからである。以下、第一節では「自主製品開発能力」の概念や特徴について述べる。

第一節 自主製品開発能力の概念

(8)

1)イノベーションと自主製品技術開発

1926 年、オーストリアの経済学者シュンペーター(J・A・Schumpeter)は自著『経済発展 理論』の中で「イノベーション」の概念を示した。彼の説明では、イノベーションは一種の 生産函数の転換、或いは生産要素と生産条件の再結合であるとし、その目的は潜在の超過利 潤を獲得することとしたのである。彼は、イノベーションの概念には以下の五つの方式に帰 納しているとしている。

①新財貨(製品)の導入或いは新しい財貨(製品)品質の提供。

②新しい生産方式の導入。

③新しい市場の開拓。

④新しい材料の開発と利用或いは半製品の供給源になる。

⑤新しい組織方式の実現

シュンペーターがイノベーションという観点を提唱した目的は、経済成長及び経済循環 を解釈することである。その後、イノベーションというキーワードを中心に、多くの学者は イノベーションの思想を深堀し、イノベーションの概念と類型・モデル分析・概念の拡散・

イノベーションと企業規模など多方面からイノベーション論について議論が展開された。

ただ、いずれにしても企業にとって、イノベーションの結晶は製品そのものであるというこ とを避けることができない。要するに、いくら先進的な企業組織を形成できたとしても、い くら新しい販売モデルを創造したとしても、或いは特別な人材の育成方式を考え出したと しても、結局これら企業の独特な知恵を駆使して、ライバルの製品を凌駕し、市場をリード できる製品(サービス)を生み出すことで帰結する。

製品自体が市場をリードしない限り、企業は一時的な成功は獲得できる可能性があるに もかかわらず、長期的な競争優位や企業成功を維持できないと考えられる。企業の長期的な 競争優位を維持するためには、競争優位を体現できる製品を継続して生み出す能力を備え るべきである。その能力こそ技術力である。ただ技術力も同じく、最終的に製品として帰結 する必要があるため、企業の長期的な競争優位を示す量的単位は製品開発能力であると筆 者は考えている。このため、筆者は技術力ではなく製品開発能力に対して研究テーマを設定 しているのである。

しかしイノベーション論について、従来の欧米における研究では Innovation(創造)と Imitation(模倣)という言葉がよく用いられる。つまり、「自主」という言葉はほとんど使わ れていない。筆者の見解では、製品開発能力について検討する際、「自主」という概念を議 論するべきであると考える。なぜならば、イノベーションや製品開発に対する理解は、現在 の学界において寛汎化(拡張)する傾向が見てとれるからである。要するに、多くの学者はイ ノベーションにしても、製品開発にしても、新しい時代に合わせて概念の範囲を拡げるべき

(9)

と強く主張している。そのため、多くの研究では単純な技術導入も企業のイノベーションで あり、企業の技術能力の飛躍として認識されている。このような認識は技術能力の自立性と 上昇性を無視し、単面的に容易な技術移植を強調して、多くの後発企業は先進企業の製品技 術に対して極端に依存したのにもかかわらず、依然として自らが技術イノベーションを起 こし、製品開発能力を掌握したと思い込んでいる。また、一部の企業における製品開発行動 は、イノベーションとして多少議論できる段階にあるものの、自主製品開発とは捉えられな い。これは企業自体が自主製品開発能力を確立することとも程遠い状態にあるのである。こ のような現状に基づく筆者の論文では、終始「自主製品開発」と「自主製品開発能力」を強 調している。

ここまでイノベーションと自主製品開発の関連性を述べた。次に、筆者の「自主製品開発」

の概念と特徴について論じる。

2)自主製品開発の定義と特徴

前述したイノベーションと自主製品開発の関連性から、筆者の定義する後発企業の自主 製品開発は以下の通りである。

「企業は正確に技術導入と技術吸収の関係を理解し、主動的、且つ自力に技術能力の蓄積を 行い、技術形成の全過程を経験し、市場をリードできる製品を作る能力を備えるべきである。

製品の性能を影響する核心的な技術については、企業自身で習得し、内部に体化することに よって、技術に対する主導権を握るべきである。自主製品開発能力の有無の判断標準として、

企業は市場を牽引する製品を自社の技術力で創造する成否に帰属する」

このような定義から、筆者が提唱した後発企業の自主製品開発には、主動性・主導性・組 織性・グローバル性という四つの性質が特徴である。その中において、主動性と組織性は自 主製品開発能力を確立できた後発企業の技術習得過程で体現すべき特徴であり、主導性と グローバル性は能力確立後に体現すべき特徴である。

以下では、四つの特徴について詳細を述べる。

(1)自主製品開発の主動性

主動性とは、企業が技術獲得に対して、強烈な主観的意欲を持つことを意味する。単純な 技術導入や技術模倣と違って自主製品開発を目指す目的は、技術学習を通じ技術能力の構 築と導入技術を追い越すことである。それに対して、単純な技術導入と模倣は技術の実用を 強調するため、時には模範とする技術の改良や改善を行うものの、本質的には被動性と依存 性がある。従って、単純な技術導入や技術模倣と自主製品開発を区別する重要なポイントは

(10)

企業が研究開発能力、或いは技術力を獲得する過程において、主動的に努力するかどうかと いうことである。それと同時に、企業は自覚的で主動的な努力をするため、企業が製品開発 の主体になる必要がある。即ち、製品開発の全過程に関与し、核心となるリーダー的な存在 であるべきことを要求される。さらに、自主製品開発の主動性は企業が技術の頂点に立つ自 信と勇気を要求する。技術の頂点へ至ることによって、企業は技術発展の主導権を握り、企 業の生存と発展にさらなる大きな空間を創造する。

(2)自主製品開発の主導性

自主製品開発の主導性とは、研究開発の主体(企業)が開発された製品の特許と製品に纏 わる利潤分配に対して、絶対的な主導権を握ることを意味する。主導権を体現できるのは、

企業が開発した製品と関連する収益分配に対するコントロール力、市場で一定のシェアを 獲得する能力になる。要するに、企業の技術力や製品開発能力は競合他社に多大な影響を与 え、自らにとって長期的な競争優位を確立することができる。従って、企業の製品開発は自 主製品開発であるかどうかについての一つの判断標準が、開発の所在地や開発の方式では なく、製品の開発過程と開発の結果に対して、企業の主導性(コントロール力)そのものであ ると言える。このような主導性を実現するためには、企業は自らのドメインの製品領域に技 術優位性を持ち、産業のバリューチェーンに重要な地位を確立し、産業の発展にある程度の コントロール力を示し、利潤分配に発言権を握る必要がある。

(3)自主製品開発の組織性

企業の競争優位を決定する要因は、過去における自然資源の保有量と廉価の労働力から 企業の技術力やマネジメント力に変容した。従って、自主製品開発能力と技術特許の保有量 は企業が市場をリードする最大の武器になる。この背景として、先進企業は核心技術の流出 を危惧し核心技術の流出を防ぐために、多大な努力をしている。その反面、発展途上国の後 発企業にとって自主製品開発能力を内部で育てることは、企業のコアコンピダンスがアッ プする唯一の手段となる。ただ、自主製品開発能力の構築には非常に複雑で且つ困難な過程 であるため、容易な国際間の技術移転で解決できる問題ではない。要するに、容易な技術導 入より既存技術を分析し、自らの技術水準に合わせて技術を選択することは重要であり、技 術導入後、如何に吸収し、企業内部に定着させることにも心がける必要がある。技術吸収の 活動を有効的に行うために、技術吸収の過程に必要となる知識を備えるべきである。しかし、

その知識は複数の学科専攻と関連し、多種多様な存在方式があるため、各ヒエラルキーの知 恵も混合している。これらの知識を吸収するためには、企業の各部門の内部資源を動員する だけではなく、外部資源も十分に利用し、各種の知識と各種の技術を融合させることを要求 される。従って、企業の各部門や各要素に協調性・組織性を形成することは必然条件になる。

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自主製品開発能力の構築過程に見られる部門間の組織性は、自主製品能力構築の勝敗に多 大な影響を与えることは本論で論証された。さらに、自主製品開発の組織性は企業の成長と ともに形成されるものであるため、企業内部に浸透し、企業の規律と同様であり定常的な企 業特徴になる。

(4)自主製品開発のグローバル性

企業が自主的に開発した製品は、国際市場でも十分な競争力を示す必要がある。即ち、製 品の生命力や競争力を、国内に限定せずにグローバル市場まで拡大するべきである。例え開 発された製品は国内市場向けであっても、製品の背後にある技術力はグローバル市場でも 発揮できることを要求される。前述したように、企業の製品開発能力が自主であるかどうか は、判断の指標が企業の製品そのものとなる。これもまた、自主製品開発のグローバル性と 関連している。即ち、自主製品開発能力を有する企業の製品は市場をリードし、技術の頂点 に立つべきである。だとすれば、技術の先進性は、国内市場でもグローバル市場でも通用す る必要性がある。

この四つの特徴から分かるように、自主製品開発は製品開発に属しているものの、伝統的 な製品開発概念と違い、自主製品開発がより明確に企業の技術力の高さを浮き彫りにでき る。

さらに、自主製品開発の四つの特徴から、後発企業の自主製品開発能力の構築は非常に難 しく、構築方法は技術学習の他にはないということが理解できる。次の節では技術学習の既 存研究を分析し、その現状を明らかにした上で、本論文の位置付けを明確にする。

第二節 技術学習に関する研究の現状

1)先行研究の到達点

従来の技術学習に関する先行研究は、研究の方向性から、以下の三つの点に分けられる。

①技術学習の段階性の角度から分析する。

②技術学習の後発優位性について分析する。

③技術学習を企業の組織学習の角度から分析する。

(1)技術学習の段階区分

技術学習過程(学習の主体は国と企業両方)を段階化して区分する試みや、発展段階に関 する理論は数多く存在する。研究方法は、研究対象の学習プロセスを段階化し、研究対象の

(12)

共通特徴を抽出し、概念化する手法である。関連する先行研究は表(表 1-1)にリストアップ した。

表 1-1 途上国の技術学習段階に関する既存研究

「三段階モデル」

「四段階以上のモデル」

出所:Lee,Bae and Choi(1988),曹・尹(2005)などを参照し、筆者作成

表 1-1 で示したように発展途上国の技術学習過程は、先行研究において三段階や四段階 に分けられる。各段階のネーミングの差異があるものの、内容的には大きな差異が見られな かった。

先行研究の中で、LALL の研究は基礎研究として多く引用されている。Lall(1980)は、技 術発展の体系化を行い、発展途上国の技術発展過程を以下の五段階に区分した。

①実行による学習

②適用による学習

③設計と設計変更による学習

④生産システム全体の構築による学習

(13)

⑤革新による学習

これらを性質が似ている二段階に集約し、初級・中級・高級の三段階にも分類できると LALL は主張した。LALL の研究では製品設計と製品生産技術における学習の重要性を他の研 究より早く認識し、論理的に記述した。

曹・尹(2005)と葛・藤本(2005);吉川(2007)は企業を研究対象とし、分析を行った。

葛・藤本(2005);吉川(2007)は後進企業における技術発展を製品開発プロセスの視点 から、「コピー・改造」⇒「リバース・エンジニアリング」⇒「フォワード・エンジニアリ ング」というように発展するとした。即ち、「先進国が開発した製品(フォカル・モデル)

の形状・構造をめぐる単純なコピー・改造から、そのオリジナルの設計に機能的な変更を加 えるリバース・エンジニアリング、そして、最終的には独自の製品コンセプトを企画し、R&D 投資を行ない、世の中にない新しい製品・技術を生み出すフォワード・エンジニアリングに シフトしていく1」としたのである。

曹・尹(2005)は韓国のサムスン電子の技術学習過程を分析し、サムスン電子の技術学習 を四段階に分けた。さらに、技術学習のプロセスにおいて「臨界点」があるという現象を論 述し、「臨界点」を突破しない限り、技術能力の構築ができないという観点を述べた。ただ、

その「臨界点」を如何に突破できるのかについは十分に議論されていなかった。

以上の段階論についてのレビューや整理から分かるように、先行研究では、分析対象が企 業或いは産業や国のいずれの場合にしても、技術学習の過程を大まかに「導入-吸収-体化

-確立」という段階に分けている。段階をさらに区分する研究もあれば、収斂する研究もあ る。例えば、改良という段階は体化に属するかしないかで段階を四、五段に分けることもあ る。ただ、研究の内容自体は本質的な区別がなく、多くの研究は分析の中心を段階間の関連 性より、技術学習の段階区分に置いた。

(2)技術学習と後発優位性

技術学習に関する先行研究では、経済史・経営史・技術史を中心として議論が展開されて いる。これらの研究は技術学習の段階区分より、特定対象(企業、産業、国、或いは三者の ミックス)の歴史分析を通じ、企業の技術における達成成果(歴史にどのようなことがあっ たのか)から達成原因(なぜあったのか)まで明らかにすることを目指している。これらの歴 史研究から派生した理論(後発優位論、国際技術移転論、リバース・イノベーション論など) は多岐に渡っている。この理論で共通して強調されているポイントの一つは後発優位性と いう概念である。

1 糸久正人・猪狩栄次朗・吉川良三(2007)「サムスン電子における リバース・エンジニアリン グ型開発プロセス ―イノベーションを追求することは競争優位の 源泉につながるのか?」、東 京大学 COE ものづくり経営研究センター MMRC Discussion Paper No.165.p5。

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1968 年、アメリカの経済学者 Alexander Gerchenkron(アレクサンダー・ガーシェンクロ ン)はドイツ・イタリア等の国々のキャッチアップの歴史を分析した上で、初めて「後発優 位性」という概念を提唱した。彼の論文に技術のキャッチアップに関わる部分は以下に纏め られる。A・Gerchenkron(1968)では、技術導入がキャッチアップ中の工業国の急速な発展に とって、最も重要な要因であったと指摘した。彼は、後発国が先進国から技術や設備を導入 することによって、研究開発の費用を節約し、研究時間を短縮でき、迅速な人材育成も実現 できるため、先進国より高い起点で工業化を推進できると述べた。

また、資金の導入は後発国の工業化過程で発生する資本不足の問題を解決できるという 観点も主張した。さらにガーシェンクロンは、後発国の工業化形成パターンについても、可 選択性・多様性・創造性という優位な面を持つため、先進国の経験を活用して、不確定の要 素を回避でき、短期間で工業化を推進することができる。

この後発優位性をめぐる研究理論はガーシェンクロンによる指摘後も続いている。例え ば、後発優位と後発劣勢併存論[Levy(1966)]、潜在後発優位論[M.Abramovitz(1986)]、後発 利 益 論 [ 南 亮 進 ・ 清 川 (1987)] 、 Leapfrogging model[Brezis ・ P . Krugman and D.Tsiddon(1993)]、技術-経済趋同論[Van Elkan(1996)]、キャッチアップ型工業化論[末廣 (2000)]などの有名な経済理論が存在する。

これらの研究の分析対象は違うものの、ガーシェンクロンと共通の論点を強調している。

即ち、発展途上国の経済発展には後発優位性がある。例えば、Levy(1966)では後発工業国が 知識・技術模倣・発展の予測などの面に後発優位性を所有する。M.Abramovitz(1986)が提唱 した「追い越し仮説」と Brezis・P.Krugman・D.Tsiddon(1993)が論じた「Leapfrogging model」

は、ともに後発国が技術の後発優位性を持つことについて主張したが、前者は「潜在」とい う角度から、後者は「現実」の視点からの分析になる。V.Elkan(1996)は計量経済学の角度 から発展途上国が先進国の既存技術の導入や模倣を通じ、最終的に技術と経済面において、

先進国を追い越すことができると検証した。

そのほか、上述のように国を分析対象とした研究と違って、企業を研究対象とし、後発企 業の後発優位性についての研究も存在する。ただ、こちらの研究は後発企業のキャッチアッ プについて、後発優位性を強調した上で、市場に進出するタイミングも同様に重要であると 指摘した。いずれにしても、後発優位性に対する解釈は前述した研究と「異曲同工」である。

例えば、M.B.Lieberman and D.B.Montgomery(1998)によると、企業の後発優位性は、主 に便乗や技術・マーケティング戦略・組織優位性の三方面から体現できる。その中には、後 発企業の「便乗効果」についての論述において、後発者が製品技術・生産技術・人材育成の 多方面で先進企業の経験を利用することによって、製品の性能面でも先発者を追い越すこ とが可能であると主張した。Tomson(1997)は後発優位性に対する指摘がさらに鋭い。彼の主 張では、先発者の多大な投資により獲得した技術は後発者にとって容易に模倣され、追い越 される。傅・施(1990)と呉貴生(2004)には技術の後発優位性について、中国における通信設 備産業の企業を分析し、企業を模倣段階から技術革新段階まで成長させる先決条件は技術

(15)

蓄積に他ならないと指摘し、後発企業のキャッチアップに最も有効的な手段は模倣である ことも強調した。

最後に、特定産業や企業の技術発展史を研究し、技術を如何に本国へ定着させたかという メカニズムを明らかにしようとする研究も存在する[影山(1982);中岡(2002)(2013);南 (1982)]。

影山(1982)は、戦後日本における技術の進歩メカニズムを分析し、技術の性格からすれ ば、標準化技術と非標準化技術に分けられると指摘した。また、日本の技術進歩は標準化技 術をベースとした非標準化技術と指摘した。例えば、影山(1982、p91)には以下の記述が ある。

「先進国で標準化され、普及した技術は資本、技術、労働力、資源、生産組織など生産諸要 因において比較優位に立つ後発国に伝播される。コスト削減、製品方法などの面で先進国よ り一層合理化され、工夫改良の加えられた新しい技術に磨き上げられる。いわば、先進国の 標準技術に対し、日本とか中心国に開花した技術は非標準化技術と称することもできる」

中岡氏は、明治維新から 1980 年代までの日本の様々な技術(鉄鋼、造船、自動車、製紙、

光学レンズ)の発展過程を分析し、日本の技術発展は適正技術(その解釈は本論文の第三章 を参照)の導入との関連が深いと強調した。

中岡、影山両氏のいずれにおいても、後発優位性を認めた上で、日本のキャッチアップの 歴史から後発優位性を如何に生かしたかに着目した。ただ、前者は技術の吸収を中心として 議論を展開していたのに対し、後者は技術導入の方式(最新技術か、適正技術か)に注目し た。

(3)技術の組織学習の角度から

技術学習について企業の組織学習の角度から検討した研究も存在する。これらの研究は 主に二つの焦点に分けられる。

①組織学習のメカニズム

組織学習のメカニズムを中心とする研究は、組織学習を通じて企業外部成長戦略を達成 するため、企業の経営理念や戦略目標と企業の現実とのギャップを自覚して、そのギャップ を埋めるための知識を獲得し、組織内部で伝達・解釈・保存する必要があると主張した。さ らに、ギャップを埋めるための企業における組織学習のプロセスは、どのようになっている のか解明することを目指している。その代表的な研究は Argyris and Schon(1978);

Hebderg(1981);Fiol and Lyles(1985)などがある。これらの研究により、企業の組織的学

(16)

習プロセスは低次学習と高次学習との循環的サイクルになっている。さらに、組織内におけ るすべてのメンバーが低次学習の対象になることに対し、高次学習は組織の中高層のメン バーが対象となっていることを指摘した。加えて、前者の学習内容は組織行動、ルーチン修 正をメインにし、組織行動やルーチンの改善・修正を行うことによって、組織の継続的な成 長を可能にする一方、他方では後者の組織行動の基盤となっている会社価値観まで及ぼす 学習活動であるため、結果的に組織の継続成長より、新しい価値体系や規範を確立させる可 能性も潜んでいるという結論までたどり着いた。

②組織学習の促進原因

組織学習における促進原因の視点から見た研究 Levitt and March(1988);Senge(1990);

Nevis and Gould(1995);Argyris(1994)は、企業の組織学習が循環的サイクルであることを 前提とし、その循環的サイクルを促進する要因の解明を目指している。これらの研究は、組 織学習循環サイクルを促進する原因が主に①厳密な組織内協力ネットワーク②豊富な人材 の二つであると指摘した。

さらに、Huber(1991)と安藤(2001)では、各組織のメンバーが企業における自己の役割を 十分理解し、積極的に日々の仕事の実践によって役割を果たせるかどうかが、企業外部の成 長戦略における成否を大きく左右するとも指摘した。

従って、この二つの議論で得られた先行研究の成果をベースとして、日本・韓国・中国に おける後発企業の組織学習面における成功要因あるいは失敗原因を説明しようとする研究 も存在する。例えば、劉(2006)と李(2015)によれば、中国での高い離職率と企業内競争の 影響により、豊富な人材と強力な組織内協力ネットワークを確保できていないと指摘した。

中村(2003)と蒋(2016)では、韓国・日本・中国の企業における組織学習の比較分析を行っ た。そして、後進企業における組織学習は推進できる条件が必ずしも整っているわけではな いため、時代背景や制約要素を乗り越えるための組織学習メカニズム自体が異なることを 強調している。それにより韓国と中国企業にとって短期間で企業能力向上を可能にする条 件は外部資源の巧みな活用(大規模な M&A、国からの強力なバックグラウンドなど)である という結論に達した。

三つの角度からの先行研究を纏めてみると、従来の技術学習に関する先行研究において 明らかにされたのは、少なくとも後発企業の技術構築には後発優位性(先進企業が確保して いる経験・技術・資源)を利用できる有利な条件と、類似した能力形成のパターンが存在す る。ただ、その能力形成の過程に関して、学習メカニズムは多種多様で、外部資源の活用に よって、短期間で追い上げも可能であることを指摘した研究[李(2015)、蒋(2016)]もある一 方、他方では能力の形成は辛抱強く、時間を重ねて、徐々にできるものだと指摘した論述[中 岡(2013);影山(1982)]もある。さらに、企業の能力形成は偶然性に溢れる過程であり、他 の企業には真似できないと提唱する論述[藤本(1997)]もある。しかし、いずれの研究にも十

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分な説得力があるとは言えない。

2)先行研究の問題点

前述したように、従来までの技術学習に関する先行研究(段階論・後発優位論・組織論)は、

体系的な企業の形成過程を解明できていなかった。その原因を挙げるとすれば、既存研究に は以下のような欠点があるからである。

(1)研究対象の主体の不確定性

先行研究の大部分は、方法論で見ると共通性を強調した上で、帰納という論証方法を利用 した。しかし、研究対象或いは技術学習の主体を明確にしなかったという大きな欠点がある。

要するに、先行研究では分析対象として国・産業・企業を混同して論じている。

発展途上国の学習主体は、産業に定めるか、企業に定めるかにおいて学習内容は変わる。

技術の学習は一つの産業或いは国全体を指す時に、広域の分析となることに対し、企業を指 す時には狭域の分析となる。例えば、ある国のある産業における全体的な技術学習を分析す る時に、関連する分析要素は多岐にわたり、単体要素としての企業・国家政策・関連産業間 協同性・国際環境など様々な面を分析すべきである。さらに、吸収された技術は各関連企業 の間に流動化と共用化という性質を持つ。しかし、ある国のある企業における技術学習を分 析する時には、関連要素がより少なく、吸収された技術においてもクローズ化し、内部統合 性と不拡散性という特徴が確認できる。要するに、技術学習の主体は産業か企業のどちらか に定めないと、技術学習の内容が多様な形態で現われ、一般化の可能性が制約される。また、

多数の段階に区分すれば区分するほど段階間の重畳の可能性は次第に大きくなる。

即ち、学習の主体が明確にされない限り、分析自体も曖昧になり、共通性の抽出や概念化 は不可能である。

(2)学習過程の各段階間の因果関係についての分析不足

先行研究のもう一つの欠点は、企業の技術能力形成が動態と静態を併存する過程である ことを無視したため、技術導入・技術吸収・技術確立の間に存在する因果関係について説明 不足であるということである。この欠点から、既存研究の大半の研究内容は技術力形成の各 要素を中心にするか、形成のプロセスを中心にするか、というように分流した。しかし、言 うまでもなく、技術能力の形成は多要素で相互作用の結果であるため、技術導入と技術吸収 の間に重要な因果関係が存在する(本論文の第三、四章)。少なくともこの点について、従来 の先行研究は触れていなかった。

(18)

(3)自主という概念の抜け落ち

多くの先行研究では、企業の技術力の確立に対して明確な判断標準がなかったため、事例 分析となる企業が技術学習に成功したかどうかについて、かなり議論する余地がある。例え ば、蒋(2016)は中国の地場企業―吉利を研究対象とし、吉利の技術能力の形成過程を分析し た。この論述では、吉利の技術能力を形成したと判断した理由として、開発された一つの車 種(帝豪)が EU の安全テストで三つ星の評価を獲得したからとしている。しかし、問題な のは、事例に挙げた車種の開発を担当したチームのメンバーは、ほとんど M&A を通じて、

吉利の傘下にさせた VOLVO の開発エンジニアであった。さらに、車種には VOLVO の V40(ク ロスカントリー)にあった大量の純正部品を汎用した。高次学習のコア部分は外部技術を如 何に内部へ定着させ、在来技術と融合させることである。しかし、吉利の事例における帝豪 は明らかに完全な外部資源へ依存した開発であったため、吉利が技術力習得を成し遂げた という結論の判断基準にはならない。同様の問題は李(2015)にも見られる2。要するにこれ らの研究は、前述した自主という概念を無視したからである。本論文の主張において重複強 調になるが、企業の製品開発には主動性・主導性・組織性・グローバル性という特徴を有し ている。この四点を備えていない製品開発に対して、少なくとも本論文では自主製品開発で はないと判断する。

(4)企業の技術力形成過程の分析不足

段階論・後発優位論・組織学習論に対し、WHAT(どのようなことは存在する)について十分 に説明したが、WHY(なぜ、この企業なのか)、HOW(どのような方法で)については明らかにし なかった。一つの大きな原因は、大部分の研究が企業の能力形成過程を量的変化から質的変 化への過程としたため、企業能力形成中における断絶性を度外視した。結局、企業の特殊性 を明確にしなかったのである。

(5)製品の工学的分析不足

企業の技術学習に対する研究とはいえ、その技術の集大成として製品の工学特徴を明ら かにしない限り、技術の角度から企業の技術力はどこにあるのかについて説明できない恐 れがある。しかし、一部の技術史の研究を除いて、多くの先行研究は工学的な製品分析を行 ってこなかった。

2 李(2015)では、中国の地場自動車メーカーである奇瑞集団の成功要因が、諸資源の動員力に あると論じた。しかし、その動員力の中身は、主力車種のコア部品を如何に安く外国メーカー から調達できるかということにある。要するに、肝心な製品開発は外国メーカーに依存してい る。

(19)

(6)比較分析不足

先行研究のケーススタディーは、成功した企業や産業を事例とし、同時期の失敗したケー スとの比較分析は少なかった。しかし、簡単に言えば失敗者にも哲学がある。両者の正反の 比較分析を通じ、成功企業の特徴がはっきり現れると言えよう。

本論文は以上の既存研究の不足点を踏まえ、研究対象である重汽の自主製品開発能力形 成における各段階の関連性を重視する上で、製品における工学分析も行い、製品から開発能 力構築過程まで幅広い範囲にわたる分析を行う。また、同時期に存在するライバル企業と比 較し、最大限且つ客観的に企業の自主製品開発能力の構築過程を再現し、能力構築の成功要 因を明らかにする。

第三節 研究対象の選定と研究方法

1)研究対象の選定理由

比較分析を行う際、研究対象の選定は非常に重要である。本論文で第一汽車集団(以下一 汽とする)と中国重汽集団(以下重汽とする)を選んだ理由を以下に示す。

(1)企業の設立時間、時代背景、主力製品が大体同じであること

表 1-2 研究対象の条件比較3

企業 設立時期 企業性質 技術導入年代 国 RE 主力製品 第一汽車 1956 年 中央直轄 1983 年 中国 有 中大型トラック 中国重汽 1953 年 中央直轄 1986 年 中国 有 中大型トラック

出所:重汽と第一汽車のホームページを参照し、筆者作成。

表 1-2 で示したように、重汽と一汽は設立時期・発展の時代・企業のタイプ・当時の主力 製品が類似している。さらに、同じ中国企業であるため、据野産業、国全体の技術レベルも 同様であり、最大限分析の客観性を確保できると筆者は考えている。

(2)自主製品開発能力の明暗

同時期に設立された企業とはいえ、現時点の技術力について見ると明暗が分かれた。少な くとも、自主製品開発のグローバル性と主導性の部分では、重汽が一汽を大幅にリードして

3 表の中の RE はリバース・エンジニアリングの略語である。ここでの意味は技術吸収する際に リバース・エンジニアリングという分析手段を利用したということである。

(20)

いる。それを示すデータを以下に挙げる。

①特許の対比

まず、両社の特許に関する現状を見よう4。グラフ 1-1 と表 1-3 で示すように、2008 年か らの重汽と一汽の年間特許登録数を比較すると両社は拮抗しており、トータルとして見れ ば重汽が一歩リードしている。数値的にはそこまで差がなかったように見えるが、強調すべ きなのは、重汽が大型トラックの専門メーカーであることに対し、一汽は商用車と乗用車の 両方を生産、販売する大型自動車メーカーである。しかし、専用メーカーの特許数が総合メ ーカーよりも多いという事例は異例中の異例である。同じトラック専用メーカーである陕 西重汽の特許数は、重汽の持つ特許の五分の一という数字である。ちなみに、重汽は 2016 年まで中国の自動車メーカーにおいて特許数が最も多い企業であった。さらに、日本のトッ プトラックメーカーである日野自動車と比べても、日野の企業経歴を考慮すれば、逊色のな い数である。量的に多いだけではなく、特許の質においても一汽を上回る。表 1-4 で把握で きるように、重汽の特許には、コア技術(エンジン・トランスミッション・総成系・転向系) の比率(トータル)が四分の一であることに対し、一汽は僅か六分の一である。さらに、中大 型トラックの生命線であるトランスミッション技術5については、重汽が圧倒的な優位性を 持っていることが確認できた。

表 1-3 各企業所有の特許数

企業 第一汽車 中国重汽 日野 陝西重汽 特許保有数 5232 5318 7368 1530

※単位:件

出所:中国特許局と日本特許庁のホームページのデータベースを参照し、筆者作成。

表 1-4 一汽と重汽の重要部品の特許数に関する比較

企業 エンジン トランスミッション 転向系 総成

第一汽車 332 44 74 433

中国重汽 324 247 138 654

※単位:件

出所:中国特許局ホームページのデータベースを参照し、筆者作成。

4 企業の水増し行為を除き、客観的に企業の技術力を反映するために、ここで利用した特許デ ータは中国国家特許局或いは日本の特許庁に登録済みの特許の統計である。

5 乗用車と違い、トラックではエンジンよりトランスミッションの技術度合いは高いと言われ ている。特に、歯車の数が多く、メーカーに高い製造技術も要求される。

(21)

※単位:件

グラフ 1-1 関連企業の特許登録数の推移(2008 年~2017 年)

出所:中国特許局と日本特許庁のホームページのデータベースを参照し、筆者作成。

特許の量と質から、重汽における自主製品開発の主導性があらわれる。要するに、他の中 国国内自動車メーカーのように、高額の特許費用を支払う必要がないため、利潤分配には絶 対的な主導性を持っている。

②海外販売台数の対比

両社の海外向け販売台数を見よう。強調すべきなのは、中国において膨大な国内市場があ るため、単純な販売台数から見れば、中国のトラックメーカーの TOP3 のいずれにしてもか なりの販売実績を達成した。表 1-5 のデータから分かるように、2014 年における日本メー カーの販売台数を束ねても重汽より少ない。しかし、中国企業に対する国際的な評価は、グ ローバル市場における競争力がまだ形成されていないというものである。その背景は、技術 力の不足であると言える。そうだとすれば、企業の海外向けの販売台数はある程度企業の自 主製品開発能力を反映できると考えられる。2014 年には、重汽の海外向けの販売台数は総 販売台数の三分の一を占めた。さらに、最新データで示されるように、2016 年にも同じ比 率をキープしていた6。さらに、輸出台数は中国大型トラックの総輸出台数の 40.2%になり、

6 2016 年中国重汽の正式な年間報告書によれば、重汽の販売台数は初めて 20 万台を超え、

128

254

352

272

633

809

883 889

635

454

201

258

324

555

657

386

543 534

632

670

60

121 99

80

117 99 113

93

167

124

52 29 57 80 80

211

279 266 275

182

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

中国重汽 第一汽車 日野 陕西重汽

重汽

日野 一汽

陕西

(22)

連続 12 年もの間にわたって中国自動車企業における輸出台数一位を維持している。中国最 大の自動車企業である一汽の輸出台数は重汽と大きな差があった。要するに、重汽と他の中 国トラック企業を比較すると、最大の差異はグローバル市場における強い競争力を有して いるかどうか、という点であるということがわかる。

表 1-5 中国と日本の大型トラック市場の規模対比(2014 年)

※単位:台 ()中の表示は輸出+海外現地生産の台数である。

出所:中国工業年鑑(2014)と各社ホームページを参照し、筆者作成。

③製品性能の対比

表 1-6 各企業主力製品の性能対比

出所:各社ホームページのデータを参照し、筆者作成。

2015 年より 28.4%を増加した。海外における販売台数(シャーシを含む)は 6.5 万台である。

メーカー/車種 ベンツ Actros

スカニア G420

一汽 J6

東風 天龍

重汽 T7H 車両規格 6×4牽引 6×4牽引 6×4牽引 6×4牽引 6×4牽引

エンジン(L/PS) 11.946/476 11.705/420 11.040/420 11.120/420 10.520/440

動力性 スタートから連続ギアチェンジ80km/hまで加速

加速時間/S 78.7 80.7 110.4 102.3 79.0 加速距離/M 1145.3 1169.5 1562.8 1442.4 1157.3

経済性 限定条件で平均的燃料消耗量

L/100M 35.122 34.237 36.192 37.467 34.201

故障 初回故障/中間故障/大型メンテナンス距離

(萬/KM -/20/150 -/20/150 1.5/1.5/80 1.5/1.5/80 3/15/100

安全性 冷態制動:(“O”型)効能(60km/h);重複制度後熱態制動:(“I”型)効能(60km/h)

冷態制動/M 25.3 24.1 31.4 30.5 24.9

熱態制動/M 34.2 24.3 39.7 39.2 25.7

車外加速噪音 80dB 80dB 84dB 84dB 80dB

車内噪音60KM) 63.2dB 61.5dB 69.5dB 70.1dB 63.5dB

(23)

重汽のグローバル市場に見られる競争力の根源は、言うまでもなく重汽の技術力である。

特許数にも技術力がある程度反映されるが、製品性能の比較では最も技術力があらわれる。

表 1-6 では、重汽の主力車種が性能面において国内ライバル企業の製品を大幅にリードし ている。さらに部分的な性能はグローバル競合他社の製品より優れている。

以上のデータ分析から、重汽のコアコンピダンスは間違いなく世界水準の自主製品開発 能力を持っていると言える。その能力が反映された重汽の製品は、性能面でもグローバル市 場において優位性を持っている。即ち、自主製品開発能力を形成した(グローバル性・主導 性)と判断できる。しかし、本論で言及したように重汽の前身は 100 人ぐらいの中小企業で あったことに対し、一汽は「中国の長男」と呼ばれたほどの有力株として、長い間中国の自 動車産業を牽引してきた。つまり、同時期・同じ国・同じ主力製品(1980 年代まで一汽の製 品は商用車を中心とした)であったのにもかかわらず、弱小の企業は下剋上を果たした。こ れもまた、ケーススタディーの面白さを増すこととなっている。上述の理由で、重汽と一汽 を比較研究の対象として選んだ。

2)研究方法

①研究手法は、重汽と一汽の技術吸収に携わった技術者を対象としたオーラルヒストリ ー的なインタビューと、社史などの客観的な歴史文献を併用するという方法を取る。筆者は 関連企業の経営史・技術史を最大限再現するために、10 年間にわたって約 100 人の関係者 に対するインタビュー調査(付録 1 を参照)を行った。これらのインタビュー内容は、関連す る企業から使用許可も得ている状態である。即ち、数多くの資料(一部分は軍事目的に転用 可能な技術にも関わる)は一次史料として初めて世に出るものである。これらの資料は中国 の経営史研究においても大変貴重なものであり、且つ基礎研究にもなると筆者は自負して いる。

②前述したように、筆者は企業における自主製品開発能力の有無についての判断標準を 製品そのものにあるとしている。要するに、競争ライバルより技術的にリードした製品を開 発できるかどうかという点である。従って、本稿では研究対象を技術構築過程において開発 した製品を中心として展開する。

③企業の経営史を主とした研究であるため、歴史の推論、吟味のような分析過程も含まれ る。筆者の主旨を明確に伝えるために、推論の部分について、できるだけ筆者の思考過程も 書き入れる。

第四節 論文の構成

本論文は七章で構成されている。第一章(序章)と第七章(終章)を除き、本論の部分は五章 に分けて、論述を展開する。

(24)

第二章「中国重汽成功要因のアーキテクチャ的分析―中大型トラックのインテグラル的 な設計要素―」では、トラックという製品のアーキテクチャを着眼点とし、工学的な手法を 利用して、中大型トラックの製品アーキテクチャを明らかにする。その上で、重汽の現時点 の競争優位を明らかにする。

第三章「技術学習における適正技術導入の重要性―中国 80 年代における中大型トラック の技術導入を事例として―」では、重汽の競争優位である自主製品技術開発能力を構築した 要因の一つとなる「適正技術」の導入について述べる。まず、中国 80 年代大型トラックの 技術導入の歴史を検討した上で、技術導入のタイプを明らかにする。そして、重汽の技術導 入は①適正技術、②自主的な技術選択、という二つの特徴を持った事実も述べる。さらに、

重汽の自主製品技術開発能力の形成と適正技術の導入との関連性を論じる。

第四章「適正技術が選ばれた理由:事前技術選別能力の構築」では、重汽が設立された 1950 年代から 1980 年代における技術導入までの製品開発経験に注目し、適正技術を導入できた 原因について考察する。また、その原因について「事前技術選別能力」という筆者の造語を 主眼に置き、能力の構成要素と要素間の関連性を明らかにする。

第五章「自主製品開発能力構築にとって有効な技術活動―第一汽車と中国重汽の比較分 析から―」では、一汽と重汽における技術導入後の技術吸収過程と技術吸収の手段について 比較分析を行う。また、重汽の技術吸収の特徴を浮き彫りにする。さらに、事前技術選別能 力や適正技術導入と有効的な技術活動の三者の間の因果関係について体系的に論じる。

第六章「中国重汽と第一汽車の製品開発組織の比較分析」では、重汽の自主製品開発能力 が構築された組織要因を明らかにするため、1950 年代から 2000 年代までの重汽と一汽にお ける開発組織の沿革を紹介した上で、比較分析を行う。その際、重汽と一汽それぞれの開発 組織における規模、組織構造、先進制度の導入、製品開発の組織ルーチンなどの面が両社の 自主製品開発能力の構築にどのような影響を与えたのかを究明する。

(25)

第二章 中国重汽成功要因のアーキテクチャ的分析―中大型トラックのインテグラル的な 設計要素

はじめに

筆者は、序論で重汽の成功と中国国内の他のライバル企業との差異について簡単に触れ た。さらに、ここで強調すべき点を以下に三つ挙げる。

①健全な経営状況の持続。

2009 年以降の中国における商用車市場では、生産過剰や市場縮小など様々な問題が発生 した。ほぼすべてのトラックメーカーが赤字経営を続ける中、重汽は 2009 年以降も継続し て黒字経営であった7

②ハイエンド商品における強い競争力。

重汽の商品は、30 万~60 万人民元の価格帯における商品に圧倒的な強さを示し、所謂国 内市場のハイエンドゾーンには、非常に大きな存在感を示し続けている8

③強い製品開発能力。

他の国内ライバルメーカーが基幹部品を外国メーカーから調達しているのに対し、重汽 の基幹部品はその多くが内製(表 2-2)である。

周知のとおり、中国のトラックメーカー事業は基本的に国内向けであり、主な製品はロー エンド市場に集中しているため、国際的競争力を持っていないのが実情である。重汽はまさ に中国トラックメーカーにおける常識を破り、名実ともにグローバル企業にまで成長した。

この異例とも言える成功を成し遂げた要因こそ、筆者が本論文を通じて明らかにしたいと ころである。

この章では、ものづくり現場に存在する最も基本的な論理である「設計」という工学的概 念を重視し、「製品アーキテクチャ・ベース」でトラックという製品を分析した上で、大型 トラック製品のアーキテクチャ(モジュラー型か、インテグラルか)と技術特徴を明らかに する。従って、重汽の製品におけるアーキテクチャ的な成功要因を浮き彫りにしたい。無論、

重汽の成功を説明するにはアーキテクチャ論だけでは不十分である。しかし、トラックとい う製品の性質を「設計」という視点で解明しない限り、いくら経営戦略論や産業論など経営 的論理で説明しようとしても、結局製品そのものを理解しないまま水掛け論に終わるおそ れがある。筆者は敢えて「設計」という概念のもとで、まずトラックという製品は何である かという素朴な疑問を解くことから分析を始める。

7 創新(2014)「2014 年中国トラック市場分析」創新国際、p7。

8 創新(2014、p8)。

(26)

第一節 アーキテクチャ論とトラック製品

1.1 アーキテクチャ論的定義

アーキテクチャ論は一般的な産業分析手法と違い、製品の設計情報に着目した産業観で ある9。工学の角度から製品の設計や構造特徴を分析し、製品そのものの設計面における特 性を確定する。これを出発点とすれば、この製品における企業の競争力から国別産業競争力 まで分析が可能であると考えられる。

従って、製品の設計情報に着眼点を置いたため、アーキテクチャ論を基礎とした産業分類 は、伝統的な産業分類と全く異なっているといえる。製品のアーキテクチャで分けた産業分 類は産業分析において新しい手段を提供し、これに基づく研究は 1990 年代から現在まで数 多く存在する10

これらの研究における共通のベースは製品の設計構想、所謂製品のアーキテクチャの定 義である。一般的に製品のアーキテクチャとは「どのように製品を構成部品(モジュール)

に分割し、そこに製品機能を配分し、それによって必要となる部品間のインターフェース

(情報エネルギーを出入れする結合部分)を如何に設計・調整するかという点に関する基本 的な設計構想のこと11」である。

製品のアーキテクチャは、大きく分けて「すり合わせ型」、即ち部品間の製品設計を調整 し、製品の全体的な機能或いはこの製品にしか出せない機能(例えば、乗用車の乗り心地)

を実現するために製品ごとに最適な設計をしなければならないタイプと、「モジュラー型」、

いわば部品のインターフェースを標準化して、既存部品を寄せ集めれば多様な製品ができ るタイプの 2 つがある。さらにいうと、モジュール型の中にインターフェースを業界の広い 範囲で標準化し、企業という範囲を超えて寄せ集め可能なタイプである「オープン・モジュ ール型」と一社内部で基本設計が完結しているタイプである「クローズ型」が存在し、クロ ー ズ 型 の 中 で も 社 内 共 通 部 品 を 寄 せ 集 め る よ う な タ イ プ も 存 在 す る [Clark ・ Fujimoto(1990);藤本(2002);藤本(2003);]。

1.2 アーキテクチャ論とトラック製品

以上のような定義から、製品設計の特徴において「クローズ・インテグラル型」、「クロー ズ・モジュラー型」、「オープン・モジュラー型」という三タイプの異なるアーキテクチャに 纏めることができる。

9 藤本・新宅(2005)『中国製造業のアーキテクチャ分析』東洋経済新報社、p3。

10 アーキテクチャ論にベースした情報価値論は[Clark and Fujimoto(1990);藤本(2002); 藤本(2003))]などが挙げられる。経営戦略論には[青島・武石(2001);青木・安藤(2002)]

などが挙げられる。

11 藤本・新宅(2005、p3)。

表 1-1  途上国の技術学習段階に関する既存研究
図 2-1  貨物車の技術進化と製品アーキテクチャの関連図  出所:本章の 2.1 の内容より、筆者作成。  ただ、まだ自発的な動力源は発明できていなかった。そのため車体の設計から見れば、貨 物車は主に動力源(家畜)と荷車の二つの部分に分けられる。両者の間は簡単な繋ぐ道具 (糸、布、革など)で結ばれ、すり合わせ要素はなかったと考えられる。ただ、荷車の部分 が車輪・車軸・荷台などの部品で作られたため、ここでは部品間の調整が必要であったと思 われる。要するに、 「貨物車」として全体的に見れば、組み合わせ型である
表 2-2  大型トラックメーカーの動力システムにおけるコア部品の内製
図 2-4  大型トラック製品の電気電子システム開発におけるプロセス  出所:インタビュー内容に基づいて、筆者作成。
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参照

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