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要旨 【研究目的】退院後訪問指導料と訪問看護同行加算

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要旨

【研究目的】退院後訪問指導料と訪問看護同行加算(以下,退院後訪問指導料等)は、病院看 護師の退院直後の訪問看護等を評価する画期的な制度で、2016年度診療報酬改定で新設さ れた。本研究の目的は、退院後訪問指導料等が、中央社会保険医療協議会(以下,中医協)で の審議を経て採択されるまでの政策決定プロセスを記述することである。

【研究方法】文書記録調査とこの調査で特定した政治的アクターへのインタビューを行 い、「政策問題の確認」、「政策アジェンダの設定」、「政策案の生成」及び「政策案の採 択」の4段階からなる政策決定プロセスに沿って、退院後訪問指導料等の新設プロセスと 政治的アクターの言動との関係を整理した。最後に政策決定プロセスとして記述した。

【結果】文書記録調査の対象文献は、中医協総会議事録を含め計97件であった。インタビ ューは、中医協総会で退院後訪問指導料等の新設に影響する発言をした、政治的アクターの うち 1 名を対象に行った。文書記録調査とインタビュー調査から、退院後訪問指導料等の 政策決定プロセスは、以下のようにまとめられた。

「政策問題の確認」:病院機能の分化が患者と家族にもたらす影響は、2014年度診療報酬改 定時から議論され、日本看護協会等の関係者が、病院の退院支援内容と体制、及び医療ニー ズの高い患者の在宅療養移行支援の充実について共通して政策問題として認識していた。

「政策アジェンダの設定」:2015年11月11日の中医協総会(以下,中医協11/11)で、厚労省 から入院医療機関から退院直後に行う訪問看護が提案され、診療側、支払側、及び専門委員 が共に支持した。訪問看護同行加算に関しては、日本看護協会が2011年頃より厚労省に診 療報酬での評価を継続的に要望しており、中医協11/11でも提案し反対意見はなかった。

「政策案の生成」:中医協11/11で厚労省の提案に、支払側委員が算定要件について発言し たが、その後の審議に関する資料が見当たらず、2016 年2月10日の中医協総会で退院後 訪問指導料及び訪問看護同行加算として厚労省より点数と共に提案された。制度名及び点 数の検討に日本看護協会の関与はなかった。

「政策案の採択」:提案と同時に反対意見なく採択された。

【結論】退院後訪問指導料等の政策決定プロセスは、社会保障制度改革が進む中で中医協 の診療側、支払側委員等を含めた多様な政治的アクターが、退院支援の問題を把握し政策 問題として認識しており、政策問題の確認から政策案の採択まで、複雑な利害関係の対立 なくスムーズに進んだことが明らかになった。政策案の生成段階は厚労省が重要な役割を 果たしたことが示唆された。

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