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都道府県別から見た産業別就業構造とその変容

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(1)

都道府県別から見た産業別就業構造とその変容

著者 饒 傳坤, 王 福定, 川上 洋司

雑誌名 福井大学工学部研究報告

巻 51

号 1

ページ 105‑113

発行年 2003‑03

URL http://hdl.handle.net/10098/3127

(2)

Mem.Fac.Eng.Fukui Univ。,Vol.51,No.1(March2003)

都道府県別から見た産業別就業構造とその変容

饒樽坤*上福宮*川上洋司***

St㎜dy Om t11e Imd㎜stria1Emp1oymemtStmct皿m ofJa脾m amd Its Tmmformatio11       fmm t116Viewpoimt ofPref㏄t11m

        *      **      ***

RAOZ㎞am㎞m,WANGFωi㎎ ㎜dYoji岨WA岨MI

(Received February19.2003)

 The research aims to survey the regiona1characteristics of the industrial employment struLcture

andits血ansfb㎜ati㎝main1ybytheviewpointofpre危。ture.Themainconc1usionsareas fb11ows=

①From1965t02000,the variation am㎝g Pre危。tures became very sma11at both the primary

industry and the secondary industry but the third industriaI variation among pre胎。tures hard1y

changed;②The industrial emp1oyment stmcture type of46pre危。血res shiied丘。m Re∫o肌e

gem〃卯e toん舳geψe and〜rtherto m〃〃〃scψψe;③[Re∫o〃κe卯e→肋〃

加a〃∫η・Re∫o〃。e卯ρe1is most in a11 kind of the conversion types,and main1y distributes to Kyushu,Shikoku and Chugoku District.

κ印以〃必:Industrial Emp1oyment Structure,Regiona1Characteristics,Secu1ar Change,

     Statistica1Ana1ysis,Popu1ation Census ofJapan

1.はじめに

 戦後,人口が急激に大都市地域に集中し,周辺地 域では人口停滞ないし衰退に向かい1),地域産業の 一極集中に至った.そのため,第1次全国総合開発 計画が地域間の均衡ある発展を目標として策定され,

それ以降の各期全国総合開発計画はそれぞれの時期 の現状に基づいて修正されてきたが,集中是正・均 衡ある発展という戦略目標については一貫して揚げ

られてきた.こうしたこれまでの全国総合開発計画 がいかに産業の地域構造の変動に結びついているか についての検討が求められている.

 *大学院工学研究科システム設計工学専攻

**洗江省城郷規劃設計研究院(中国)

***建築建設工学科

 *System Design Engineering Program

  Zhejiang Urban & Rural Planning & Design**

  Research Institute,China

  Dept.ofArchitecture and Civil Engineering***

さらに,今日の日本では,製造業を主とする産業の 海外進出が進み,2001年の調査川によると,2000年 度末の海外現地法人数は14,991社,うち製造業が 7,464社(シェア49.8%)であることが明らかにされ ている.このため,国内,特に地方部での産業空洞 化が顕著になり,就業構造にも大きな影響を与えつ つある2).このような局面に対して,新たな産業構 造のあり方,また産業促進政策と地方政策について の再検討が求められているが,そのためにはこれま での産業別就業構造の実態とその変容を総括してお

くことがいまだ必要と思われる.

 本研究はこのような大きな転換期にある産業別就 業構造に注目し,地域性を軸として都道府県という 単位から産業別就業構造の実態とその経年変化につ いてマクロ的に考察することにより,こんごの産業 展開の方策を考えるための基礎資料を提供すること を目的とする.

 研究の対象としては,沖縄県以外の46都道府県3〕

に限定する.なお,研究の資料としては,それと関 連している「国勢調査報告」(以下「国調」とする)

(3)

106

(10,OOO人)

4.500 4.000 3.500 3.000 2.500 2,000 1.500 1.000

500

 0

」 I 」.」川  ■■ ■■1

  i一  一一■→  {

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…■P

1    一 』     L  − I       I I   ■

70%

60%

50%

40%

30%

20%

10%

O%

ン」山■一『

一十

一皿皿       u■II

3 8 竃 8 8 9 実 9 8 9 8 § 一†芒不実_t第・次㌣.=仁第・次月業!

 図一1全国の産業別就業人口(1920−2000)

の全国編と都道府県編を使用し,

また都道府県の就業者数は従業地 によるデータを使う.

2.全国産業別就業構1造の時系列 変化

2.13産業分類でみる産業別就 業構造の推移

 本節では,まず「国調」が始まっ た1920年から2000年までの調査 結果を用いて,全国における産業 別就業構造の推移を概観する.詳 細なデータに関しては,1965年以 降の産業中分類あるいは都道府県 の調査結果を用いて分析を行うが,

1965年以降が日本の産業別就業構 造においてどのような時期に対応 しているかの認識を明らかにする ために,正確なデータがある限り,

まず大きな変化を把握しておくこ

とにする.

 全国の産業別就業人口と構成率 を示したのが図一1と図一2であ る.全体的に各産業の変動をみる と,第1次産業は戦前の比較的安定 から戦後の急速な衰退へ,第2次産 業は70年頃までの増大傾向からそ れ以降の安定へ,第3次産業は75 年間を通しての堅調な増大傾向を 保っており,各産業はそれぞれの特 徴を示している.このような特徴 は,1920年から1995年の75年間 を1920−50年,1950−70年,1970

−2000年の3期に分けて,詳しく 理解することができる.

 ①1920−50年:この期間では,産業別就業構造

十第1次産素

十鰍産実→一触猷1

_____」

図一2全国の産業別就業構成率(1920−2000)

表一1 分類にみた全国産業別就業人口と 成 の 移(1965−2000年)

就業人口(万人) 成率

1965年 19フ5年 1985年 2000年 1965年 1975年 1985年 2000年

4763.3. 5306.3 5857.9 6297.8 100% 100% 100、 100、

1 農業 1085.7 728.4 481.7 285.2 22.跳 13.バ 8.2% 5.州

林業

26.5 20,1 14.1 6.フ 0.6% 0.4% O.2% O.1%

61.6 51.4 41.0一 25.3 1.洲 1.0% O.バ 0.5%

鉱業 33.2 18.6 9.5 5.4 0.洲 0.4 0.2% 0.1Z

建設業

書、繊繊鱗灘≡霧葵灘灘・.萎鱗嚢 嚢嚢燃雛 薬1驚鰯、I

1150.7 1253.O 1315.2 1222.8 24.挑 23.6% 22.5% 20.眺

食料品 籔、綴徽.・蔓 2.3% 2.1、 2.1、 2.2%

144.4 113.0 η.8 38.8 3,O% 2.1、 1.釧 O.舳

衣服

、凝議鱗萎=灘饗書.l1萎1繊、嚢1養灘譲 112Z 1.5% 1.6 1.5%

木材 56.1 46.8 36.7 25.9 1.2、 0.9Z O.6、 0.4%

家具 34.O 34.6 33.O 29.3 0.ハ 0.刊 O.6、 0.5%

パルプ 36.8 34.9 33.5 32.6 0.8%一 0.バ 0.舳 0.5%

出版 餓萎、苗撚簑葦11灘灘. 灘竃 11萎1譲萎養 葦1鰯1奮11幸 嬢様一義

2 表繊

次製

化学

59.5 56.8 55.9 56.8 1.2、 1.1% 10 0.9%

産道 石油 4.3 5.2 5.3 4.6 0.帆 O.1、 O.1% 0.1%

業業 ゴム 17.1 18.8 19.5 19.2 O.4% 0.4 0.3% 0.3%

皮革 13.3 14.1 13.4 11.1 0.3% 0.洲 0.2、 0.2%

窯業 53.7 58.6 58.9 54.4 1.1% 1.1Z 1.O、 O.8%

鉄鋼

69.5 54.7 42.5 32.9 1.5、 1.0% 0.洲 0.5%

金属

94.6 132.2 14フ.9 141.8 2.0、 2.5% 2.5、 2.2%

機械

嚢婁徽 .一PI郷饗 、萎養繊簑擦灘婁鰯… 2.O% 1.9 1.眺 1.9%

電気

鱗簑 書滋鐙 灘籔 滋徽 嚢…1妻1繊 I嚢灘、、1≡嚢≡1一・鰍 嚢室灘

輸送

灘製 ≡・嚢繊 .、.繊篶 .萎実灘妻婁111萎嚢奏≡繍 ,、萎≡簑灘

精密機械

23.6 30.9 33.0 30.1 0.5% 0.6、 0.6、 0.5%

その他 65.6 73,7 82.7 92.6 1.4%I 1.4 1.4、 1.4%

卸売業

襲憲1灘徽 、繊1鱗嚢 妻1萎姜鱗養

鰯…

…灘繍一義萎1萎≡鰯養

小売業

1萎繍滋,.一

│然

.鐵 、姜蹴獲 ..一

コ鱗1

議萎萎繍 .、=ィ灘

金融保険業

リ籔

顯灘燃

.蒙1嚢徽嚢・、1翻瀬菱.一=゚1萎萎嚢鐵 萎繊鱗1嚢萎嚢、萎顯 萎・=?{

不動産業

・1萎:簸表 、≡、・,鰯鐵1≡轟萎11鰯1

、.一D嚢1妻嚢萎嚢灘 一茸,簸滋議萎萎萎籔灘

、1K鱗養

運輸倉庫業

驚ミ1.簸繊議1義1鰍灘 1灘11鱗菱1、.≡.萎鱗議 萎≡1萎1萎1鱗. 嚢萎萎萎灘一織鰯簸

通信業

57.8 60.7 61.4 59.8 1.2% 1.帆一 1.0% O.9%

電気ガス水道熱供給

…・I?{ 驚1董=籔饗 籔鰯 餐滋萎 0.舳 0.6、 0.6% O.6%

3

養灘繊藪一撃一…≡18鰯8 .萎鱗鐵.、

R鱗

舳嚢灘1萎萎萎1鰯、 、1・鱗養1

産サ 対個人 繊簸

・、=・

蜻@

I・ウ燃一 灘鐵錘 1鱗灘11妻1萎萎鱗灘 一、≡.萎灘燃

業1

娯楽

...灘董 、嚢嚢鰯 、…萎萎簸籔 上叫倦@鐵

・嚢…萎…霧籔 、.、嚢鱗、議1萎11書;繊1≡ …、一.碧・1萎灘

修理

嚢1繊饗 一,一触漆≡萎嚢嚢1鎌嚢 、一繊6 ≡.IP徽萎菱1嚢11撚藝 ..・ t.撚

教育

滋灘

籔滋簿、I∴゙1嚢鱗義 .葦一??1 .萎嚢嚢嚢謙 lI゙籔蟻

、、H繊淡 、、嚢難

医療保=健 萎萎繊籔 ・鵜繊 .・・゚1籔繊・

、繊繊

.、、華嚢11灘 、葦…萎繊垂.茜萎菱窪測 鰯簑

対事務所

。一繊鐵 鐵鰯難 婁鐵灘 灘鰯1嚢11萎萎萎灘1・、萎書灘1鰯鱗鎌….

K≡1籔灘

その他 1婁、鰯鐵 籔燃窪 ..X灘籔 1=一髪1鰯議 萎萎I .萎饗鱗≡・、・P萎1・籔蟻 一1嚢繊灘

公務

萎機業徽籔徽譲葦.葦1灘籔義一X1饗燃 3.1、 3.5%・ 3.5% 3.4%

分類不能

3.O 7.7 19.8 74.9 0.1、 O.1、 O.3、 0.6、

の変動は相対的に幅が小さいが,戦争の影響を受け ているため,異常の波動が起こっていた.つまり,

(4)

1940年においての第2次産業構成率の急激な増加と 1950年においての第!次産業の増加である.また 1930−50年の20年間における第3次産業の停滞も そのもう一つの影響であると考えられる.

②1950−70年:この時期は日本の高度成長期に あたり,産業別就業構造の大きな激動期であるとも いえる.この時期において,第1次産業の就業人口 と構成率が急激に減少し,その代わりに第2,第3次 産業は増加する一方である.そのため,1955−60年

に第1次産業の構成率が第3次産業を下回り,さらに 1960−65年に第2次産業を下回り,就業構成率の高 い順は今日の第3,第2,第1次産業のようになった.

 ③1970−2000年1この時期において,第2次産 業の構成率は前期の増加から安定へ,そして近年で はさらに低下に転じ,就業構造の転換は新たな特徴 を示している.第1次産業と第3次産業については前 期とほぼ同じ傾向を示しており,第3次産業は近年 においても大きな成長を維持している.

 このような変化を通じて,日本全国では1920年の 第1次産業を主とする就業構造から今日の第3次産 業を主とする就業構造へと変わってきたことが確認

できる.

2.2中分類からみた産業別就業構造

 表一1は日本標準産業中分類に基づいた,1965−

2000年における全国産業別就業人口と構成率を示し たものである4).この期間はほぼ上述した第3期に当 てはまる.つまり,第1次産業の衰退,第3次産業の 成長及び第2次産業の成長から安定さらに低下へと 変動している時期である.

 衰退している第1次産業では,農林漁業のすべての 就業人口と構成率が減少している.そのうち,農業は

1965年の22.8%から2000年の4.5%まで激減した.

 第2次産業については,1965−2000年において構 成率が持続的に増加している産業,減少している産 業,安定(停滞)している産業に大きく分けられる.

持続的な増加を示したのは建設業,製造業のうちの 出版業,電気製品,輸送機械製品の4つしかないの に対して,鉱業,製造業の繊維,木材製品,家具,鉄 鋼など数多くの産業が衰退している.食料品,衣服な どの製造業は安定(停滞)産業とみられるが,今後は 衰退する産業に転じると考えられる.

 その一方,持続的に成長している第3次産業につい ては,通信業と電気ガス水道熱供給業を除くほぼす べての産業で就業人口と構成率が増加している.と くに小売業(構成率が1965年の11.8%から2000年 の16.2%まで)とサービス業(構成率が1965年の 13.2%から2000年の28.5%)の増加幅が最も大き

い.またサービス業ではその増加の牽引役としては 対事務所サービス業と医療保健業などが挙げられる.

3.都道府県別の産業別就業権造と地域差の変化

3.1都道府県の産業別就業構造の推移

 以上の状況を背景として,本節から主に都道府県 別に産業別就業構造を分析する.ここでまず各都道 府県の3産業の構成率を三角グラフにプロットした.

図一3がこの分布状況の概形を図化して,1965年か ら2000年までの経年変化を見たものである.

 各都道府県の分布域については,1965では星雲状 態であったが,その後1975年までは全国的に第1次 産業の構成率が低くなり,第2次,第3次産業では高

くなるため,その分布域は左上へと集中している.し かし,1975年から,第1次と第3次産業の動向が変 わらず第2次産業が全国的に一転して低下するため,

畜 10◎%

90%

80%

壱、

70%@率60

。、匁

一   、

40%

克、ポ主!、・、ち.  1985言、 30%

20%

965 110%

一〇%

事ざ寧寧寧ざ寧序章寧享

        第1次産業

 図一3産業別就業構造の経年変化(1965−2000)

100%

9㎝

8㎝

70荒

@華60

P。、馬

40%

○セ。 {o■

30%

^,  ■

o 20%

110%

き寧寧寧寧寧ざ序寧寧享

        第1次産業

   図一4各都道府県の就業構造(1965年)

0%

(5)

108

第1グループ 鼻Jリルーノ

ざ†

 ノ

R口%〃 ㊦

ざ魚ぐ〜怠

 ⑤

V0%n @ら

6口。ち

ざ葺

11・ち

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4

155 2眼

1

● は各グループの平均値である。

第3グループ

_o      j)

θ      4

ち       ち

くさ専津   きざ尊ざ   誉専卓専草津ざ専ざざざ

        The prima〜industry

図一53グループの就業構造の分布の経年的な推移(1965−2000)

1説

 ○実

各都道府県の分布域はやや左下に向き,そしてさら に集中して非常に狭い範囲となった、

 以上のような経年変化を時系列に詳しく見たのが 図一4〜6である.1965年においては,各地域の産 業別就業構成が大きく異なっており,概ね3グループ に分けられる.まず,東京都,大阪府,神奈川県とい う大都市地域グループであり,これらの地域では第1 次産業の構成率がすべて10%以下で最も低かった」

方,第2次,第3次産業の構成率は最も高かった(た だし,東京都の第2次産業がやや低い).第2グルー プは愛知県,京都府,兵庫県,福岡県からなる地域で あり,それらの地域では第1次産業の構成率が1O−

20%の程度で,第2次,第3次産業の構成率が第1グ ノレープに次いで高かった(ただし福岡県の第2次産 業が比較的低い).そしてその他の県からなる第3グ ループでは,第1次産業がすべて20%以上の構成率 を示し,地域の主要な産業の位置を占めていた.また 第2次産業の構成率が15%〜40%に分散している が,第3次産業では33−43%の範囲に集中してい る.とりわけ第3グループの分布域の頂点にある鹿 児島県では第1次産業の構成率は52.2%で就業者数 の半分以上を占めるのに対して,第2次産業はわず か15.3%である.以上のようにこの時点において産 業別就業構造の地域性が非常に大きかったことが見

出せる.

 図一5は上記の3グループについてそれぞれの分布 の推移を示したものである.大都市地域である第1グ ノレープでは1965年から下への動きが強く,つまり第 1次産業の構成率減少には余地がないことから,就業 構造は第2次産業の減少そしてそれとほぼ同程度の 第3次産業の増加という傾向にある、それらの平均 値をみると,第2次産業は1965年の44%から2000 年の28%へ,第3次産業では65年の52%から2000 年の70%へと変わった.

ち      1・・

       O%

誉き亭寧寧摩寧序章寧享

        第1次産業

   図一6各都道府県の就業構造(2000年)

100%

9㎝

80%

70%@章60

P。、鬼

40%

「 ,・・ 30%

■ ■

20%

11

 第2グループではこの30年間において左へと動く のと同時に,第1グループと同様に下へと移動してい る.つまり,このグループでは,第1次産業が減少 する一方,第2次産業の構成率が第1グループと同様 に減少している.ただし,その減少の勢いが第1グ ループよりやや弱い.そして第3次産業の増加は第1 次と第2次の両方の減少によるものと考えられる.

 その一方,第3グループでは,上記の2グループと 異なり,その分布域は左やや上へと動いている、つま

り,第1次産業の構成率が大幅に減少し,第2次産業 では(特に1985年まで)高くなり続いている.ただ

しその後第3グループの第2次産業も低下している.

また第3次産業は上記の2グループとほぼ同じ傾向

である.

 図一6は2000年の各都道府県の就業構造を示した ものである.上述した動きの結果,3グループの分布 域は大きく変わり,従前とは異なり,県別にみたバラ

ツキは非常に小さくなっている.

(6)

3.2都道府県間の産業別就業権造の差異

 本節では,都道府県間の標準偏差を指標として用 い,このような産業構造の傾向を2段階(3産業分類

と産業中分類)で考察する.

3.2,13産業分類で見る産業別就業権造の地域差  図一7は1965−2000年における3産業別構成率 の都道府県間の標準偏差を示したものである.考察 時点の1965年から第1次産業の標準偏差は継続的に 低下しているのに対して,第2次産業では1980年ま で標準偏差が小さくなっていたが,その後ほぼ横ば いであり各地域のばらつきが維持していることが見 られる.また第3次産業では1965−2000年の35年 間でほとんど変動せず6%前後で安定している.この ような動向の要因をみると,第1次産業については 各都道府県のその構成率が同じ方向へ減少している こと,第2次産業については考察期間の前半におい て構成率の高い第1と第2グループではともに減少 している一方,構成率の低い第3グループでは高く なり,後半では第3グループでも低くなること,第3 次産業については各グループ(あるいは各都道府県)

ではほぼ同じ幅で増加していることが考えられる.

 以上のことから,前節で述べた各都道府県の就業 構造は分散から集中へ,つまり就業構造の地域間平 準化という傾向を読み取ることができる.そして,説 明すると,1980年までは第1次産業と第2次産業,

1980年以降では第1次産業のみのばらつきの低下が 見られる.その一方,第3次産業は全期間を通して全 国的に一定のばらつきを保っている.

3.2.2 中分類からみた産業別就業構造の地域差  表一2は1965−2000年における各中分類産業構成 率の標準偏差を示したものである.ここから以下の

ことを読み取ることができる.

①第1次産業の農業,林業,漁業はほぼ同じ傾向で 標準偏差が経年的に縮まっている.しかし,第2次 と第3次産業の各中分類ではそれぞれ異なっている 産業がみられる.

 ②第2次産業では鉱業,製造業計,そして製造業の 中の繊維,木材,パルプ,鉄鋼業など多くの産業で標 準偏差が低下しているものの,製造業の食料品,電気 製品,輸送機械製品業では高くなっており,地域分化 の傾向が見られる.

 ③第3次産業については,卸売業,対個人サービス 業など標準偏差が第3次産業計と同様にあまり変わ

らない産業が多く存在するのに対して,不動産業,医 療保健業,とりわけ対事務所サービス業では標準偏 差が高くなり,地域の分化が起こりつつある.一方,

小売業,運輸倉庫業のような標準偏差が低下する産 業も存在している.

……加血@      η

@       十第1次産業I−1

@   「‡1寮

一16%

■■       

1965  1970  1975  1980  1985  1990  1995  2000

@図一7都道府県間の標準偏差(3産業)

16%

一2   , の    の

1965 1975 1985

2000年

業 O.135 O.093 0.064 0.046

  第

@ 1ニ  次 O.007 O.005 O.004 O.002

漁業 O.016 O.013 O.010 O.O08

鉱 O.008 O.004 O.O02 O.001

O.011 O.014 0.014 O.013 O.096 O.077 O.065 O.058

食料品

主義繊燃I ・I 繊鰯嚢.

維 O.032 O.025 0.018 O.011

衣服

O.010 O.011 O.011 0.011

O.O06 O.005 O.O04 0.O03 O.003 O.O04 O.004 O.003

パルプ 0.O05 O.O04 O.O04 O.O03

出 0.0067 O.0067 O.0065 0.0062

第2次産業

化凸 0.O09 O.O07 O.O07 0.006

製造業

石油 O.001 O.O01 O.001 O.001

ゴム 0.003 O.003 O,002 O.O02

皮 O.O03 O.002 0.002 O.O01

O.009 0.009 O.008 O.O07 O.010 0.008 0.006 O,O04

金 O.012 0.013 0.013 O.012

0.011 0.010 O.010 O.010

、⑧繊蒙 簿鱗連 .1

8藪灘

籔繊望1 ・室繊、I 、藪繊義 鱗灘

0.005 0.006 O.006 O.005

売 0.020 O.019 O.018 O.018

小売業

0.015 0.016 0.013 0.012

金融保険業

0.006 0.O06 0.006 O.006

不動産業

麺鱗簿

燃繊I

…萎灘I藪鱗 、萎燃燃1

運  庫業

0.012 O.011 O.010 O.010

O.002 0.O02 O.001 O.O01

気ガス  熱

O.O01 O.O01 0.001 O.O01

第3次産業

一溺鰯棄1議 .窪繊獲 .聖萎鰯灘 、一一 饗≡霧

対個人

0.006 O.005 O.O05 O.006

娯楽 O.003 O.003 0.O03 O.O03

サ1ビス業

修理

O.O02 O.O01 O.001 O.O01

O.004 O.O04 O.O04 O.004 藪懇鱗 藪鰍萎 藪籔燃 藪徽響

・  月 .、、.M、藪鱗 I窪徽養1 嚢≡萎鰯灘 一書徽鰯

要するに,産業別就業構造の地域間平準化につい ては,第1次産業の農林漁3産業,第2次産業の鉱 業,繊維製造業,木材製造業,鉄鋼業,第3次産業 の小売業と運輸通信業が35年間を通じて地域平準化 につながっている一方,食料品,電気,輸送機械製造 業,不動産業,医療保健業,対事務所サービス業など は地域差を拡大させている.

(7)

11O

4.都道府県の産業別就 業積造の類型化

 ここでは,各県の就業構 造とその4時点の変動をさ

らに詳しく考察するため,

表一3にまとめた11業種 の各都道府県の就業構成 率を指標として,4時点の 46都道府県を合わせて分 類する.クラスター分析を 行った結果は表一4であ

る.4時点の各都道府県の 就業構造は5大分類13小 分類に類型化できる.

4.1就業構造タイプの 経年変化

 表一5は1965,75,85.

2000年の各就業構造類型 の都市数とその構成比を 示したものである.経年 的にみると,各年度にお ける構成比の最も多いの は,1965年には「資源型」

71%(特に「資源特化型」

46%),75年には「資源一

{x      ;E,【ノ』洞   ix^二

分析対象業種 日本標準産業の業種

1 資源型産業 農業、漁業林業、鉱業

2 建設業 建設業

軽工型 食料品、繊維、衣服製品、木材木製品、パルプ紙加工品などの製造業 製造業

重工型 化学、石油製品、鉄綱、非鉄金属、一般機械器具など製造業

組立型 冒気機械器具、輸送用機械器具、細密機械器具製造業

6 卸売業 卸売業

7 小売業

小売業、飲食店

8 金融保険不動産業 金融保険業、不動産業

9 公益業 運輸通信業、冒気ガス水道熱供給実

専門型 事務サービス業

10一11

サービ

X業 一般型 事務サービス業以外のサービス業 表一3産業分類の設定

一4都道府県の就業 造の分 (1965,75,85,2㎜年)

成率

序号 県教 責線 製造業 サービス業

^産

卸売

小売

金融

ロ険

s

建設 公益

軽工@ 重工@ 組立@』 専門  一眼@

資源特化型 1A 21 46% 7% 8% 2% 3% 5% 11% 2% 6% 10% 1%

資源型 資源一眼型 1B 27 33% 9% 10% 3% 4、 6% 13% 2% 7% 11% 2%

資源軽工型 2A 3 31% 7% 20% 2% 5% 7% 11% 2% 6% 1 責工型 責源混工型 2B 13 25% 8% 10% 3% 11% 7% 13% 2% 6% 10% 3%

一胆型 3A 32 19% 11% 9% 3% 7% 8% 16% 3% 7% 13% 4%

軽工型 4A 5 1眺 18% 2% 8% 9% 15% 3% 6% 12% 3%

工業型 組立型 4B 7 13% 10% 7% 3、 18% 8、 15% 3 7% 1洲 4%

混工型 4C 12 8% 9% 13% 5% 14% 11% 15% 4% 7% 11% 4%

3次資源型 5A 22 15% 12% 8% 2% 5% 8% 18% 3% 15% 6%

3次組立型 5B 14 8% 11% 7% 3% 14% 17% 4 13% 6%

3次型 3次混工型 5C 15 7% 11% 10% 3% 10γ 10% 1バ 4% 7% 14% 6%

3次一胆型 5D 5 7% 12% 6% 3% 7% 12% 18% 5% 8% 14% 8%

3次特化型

5E

8 1% 10% 5% 3% 12% 14% 19% 6% 8% 12% 9%

般型」33%,「資源混工型」22%,「一般 型」22%,85年にはr一般型」37%,「3 次資源型」15%,2000年には 「3次資源 型」30%,「3次組立型」22%,「3次混工 型」20%であり,各県の就業構造の類型 が「資源型」から「一般型」へ,さらに

「3次型」へと転換していることが確認で

きた.

4.2就業構1造タイプの分布

 図一8は1965−2000における各都道 府県の就業構造タイプを地図上に示した

ものである.各年度の特徴は以下のとお

りである.

 ①1965年においては,7割以上占めて いる「資源型」は東北,九州,四国,中

(1965,75,85.2000年)

一5    に

ける 造 型の 成

1965年 1975年 1985年 2000年

序号 県撒 割合 県教 割合 県散 割合 県散 割合

46 100%

46

100%

46

100%

46

100%

資源特化型

1A ・嚢繊 燃灘

貸源型

貸源一胆型

1B 1議灘.

1籔灘 繊嚢

灘養1

資源軽工型

2A 3 6.5%

責工型

責源混工型

2B 3 6.5%註、、妻!萎萎≡饗1

一般型 3A 1 2.2% 籔鰯菱≡≡ 1=鰯:1 4 8.7%

軽工型 4A 1 2.2% 4 8.バ

工業型 組立型 4B 1 2.2% 1 2.2% 4 8.バ 1 2.2%

混工型 4C 4 8.7% 4 8.7% 5 10.9% 1 2.2%

3次貸源型

5A 1 2.2% 1蟻1濠 I灘灘

3次組立型

5B 1 2.2% 3 6.5% 徽灘

3次型

3次混工型

5C 5 10.9%11菱萎纏鍵 .1I

P

3次一舩型

5D 2 4.3% 3 6.5%

3次特化型 5E

1 2.2% 3 6.5% 4 8.7%

国,ないし大都市地域の周辺に広く分布しており,特 に東北・九州(福岡県以外)では全て「資源特化型」

に属している.その一方,大都市地域では全て混工を 主とする「工業型」の就業構造である.「資源工業型」

である県は数少ないが,主に大都市地域の周辺また

≡婁:割合が比較的高いもの

は北陸地方に分布している.

 ②1975年では,東北・九州・四国・中国地方にお ける「資源特化型」の県はほとんど「資源一般型」へ 移行したが,資源型産業の構成率が依然として高い

とみられる.また大都市地域の周辺の「資源型」県の

(8)

1965年          φ

1①

1B

○ノ

       1B       ⑤⑤ 1975年         18

 1    4  1B C

・ 1B4 1B1   1B

1B 1B

  1 ①

1B       1

   1   1   1   C

   佃 1B

・18  1B  1B0    lB  1B  O/

18 18

.    4 1B 1B

18

1985年     ψ

2000年   ④

φ

  ◎

6

。/

6

図一8各都道府県の就業構造タイプ(1965−2000)

」部は「資工型」へ,「資工型」県が「工業型」への 移行も見られる.「工業型」である大都市圏では「3 次特化型」へ移行した東京都と「3次資源型」へ移行 した福岡県以外では,すべて就業構造タイプが変わ

らなかった.

 ③1985年になると,「資源型」と「資工型」がと もに消滅して,r一般型」とr3次型」を主とする構 成になった.東北・九州・四国・中国地方のほとんど の県は「一般型」へ移行したが,「3次型」(特に「3 次資源型」)への移行(大分県,愛媛県など)も現れ る.その一方,大阪府,神奈川県でははじめて「3次 特化型」へ,東京圏の外縁である茨城県,群馬県等が

r組立工業型」へと移行した.

 ④2000年では,、東北・中国地方の一部の「一般型」

を除き,全ての県はr3次型」へと移行した.その中,

大都市地域である東京都・神奈川県・大阪府では「3 次特化型」であるほか,埼玉県も「3次特化型」へ移

行した.しかし,同じ大都市地域である愛知県では

「3次組立型」へと変わり,製造業の特徴はいまだ残っ ている、そしてこれらの県の周囲には「3次組立型」

を中心とする県が分布している.一方,九州・四国等 の地方では「3次資源型」を中心としており,3次産 業が大きく成長しながら,資源型産業はいまだ相対 的に多く占めていることが見られる.

5.就業構造タイプの主な転換類型

 ここでは,上述した各都道府県の就業構造タイプ の転換形態(1965年タイプ→2000年タイプ)をま

とめ,その地域的特徴を考察する.なお,「3次型」の うちでは,「3次混工型」と「3次組立型」をまとめて

「3次工業型」とし,他のタイプでは「資源型」,「資工 型」r工業型」という大分類を使用する.表一6は1965

−2000年における都道府県の就業構造タイプの転換

(9)

口2

{X     帆ヲF1肩坦! I    干凸 犬、

1965年 2000年

県数 割合

主な転換プロセス

都道府県

1

資源型 非特化型

2 4%

資源型→非特化型

山形県岩手県

2 資源型 工業型

2 4%

資源型→資工型→工業型

滋貫県長身県

③ 資源型

3次型(資源) 16 35% 資源型→非特化型→3次型(資源)

北海道   県秋田県和歌山県  取県島根県 R口県億島県愛媛県 高知県 佐賀県長崎県1

F本県大分県宮崎県鹿児島県

資源型→資工型→工 型→3次型(工 )

茨城県栃木県群馬県 富山県 =重県

④ 資源型

3次型(工業) 11 24%

資源型→非特化型→3次型(工業) 福島県山梨県新潟県 奈良県 岡山県香川県

5

資源型

3次型(一般) 1 2% 資源型→非特化型→3次型(資源)→3次型(一般) 宮城県

6

資源型

3次型(特化) 1 2% 資源型→非 化型→3次型(一般)→3次型(特化) 千葉県

7

資工型

3次型(工業) 5 11%

資工型→工業型→3次型(工 )

石川県福井県岐阜県 崎岡果=広島県

8

資工型

3次型(一般) 1 2% 資工型→3次型(工業)→3次型(一般) 埼玉県

9

非特化型

3次型(特化) 1 2% 非特化型→3次型(資源)→3次型(一般)→3次型(特化) 福岡^

10

工 型

3次型(工業) 2 4% 工業型→3次型(工業) 兵庫県愛知県

11

工 型

3次型(特化) 4 9% 工業型→3次型(特化)

東京都大阪府京都府神奈川県

全国(計)

46

100%

表一6就業構造タイプの転

換(1965−2000)

状況を示したものであり,図一9は就業構造タイプ の転換を地図上で示したものである.ここから以下 のことを読み取ることができる.

 ①各転換形態の中で最も多いのは【資源型→3次資 源型】(16県,35%)であり,そのほとんどは九州・四 国・中国・東北地方に分布していることがわかる.こ の転換形態においての主なプロセスは「資源型→非特 化型→3次資源型」であるため,製造業(工業)の構 成が始終高くならず,就業者の産業転換は農業などの 資源型産業から直接に第3次産業に変わる傾向がみら れる.また他の転換形態に比べて資源型産業が比較的 多く残っている(【資源型→非特化型1の山形県と岩 手県ではほぼ同じ特徴が見られるものの,第3次産業 が最も遅れる).

 ②ついで多い転換形態は【資源型→3次工業型】(11 県,24%)であり,その多くは茨城県,三重県のよ

うな大都市圏の周辺部に位置している県である.そ の転換プロセスr資源型→資工型→工業型→3次工業 型」をみると,第3次産業が成長しながら,主流であ る工業の成長により大都市圏と関連する工業拠点の役 割を強く果たしていることがわかる.

 ③65年時点の「資工型」についてはほとんど「3 次工業型」へと移行しており,東海・北陸地方に分布

している.それらの県では65年において工業基盤が 相対的に整え,または大都市圏の周辺部に位置してい るため,工業の成長は強くみられる.ただし,2000年 になると,【資源型→3次工業型】と同じく,第3次産 業の全国的成長に伴い「3次型」へと移行した.

 ④65年時点の「工業型」かつ大都市地域である県 は2類型に分けられ,東京都・神奈川県・京都府・大 阪府という【工業型→3次特化型】の県と愛知県・兵 庫県という【工業型→3次工業型】の県である.前 者においては第3次産業の成長傾向が最も強いのに対

して,後者では工業がいまだ大きな役割を果たしてい

る.

O/

6.まとめ

3①

 5          .4

        4    7     1^② 8 4

    7 4 116        11  11 10     10 7

 11  4

  4

3 3

図一9就業構造転換類型(1965−2000)の分布

 以上,本稿は日本全国及び各都道府県の産業別就 業構造の実態とその変容を考察した.本稿を要約す

ると,以下のとおりである.

①1920−2000年の全国3産業分類の変動をみると,

 大きく以下の3時期に分けられる:就業構造の変  動が比較的少ない1920−50年,第1次産業が急  減,第2,第3次産業が著しく増加する1950−70  年,第2次産業が停滞さらに衰退へと変わる  1970−2000年である.1965−2000年における中分  類の各産業をみると,衰退産業は主に農林漁業,

 鉱業,繊維工業,鉄鋼工業などであり,成長産業  は主に電気製品,運輸機械製品製造業と第3次産  業のほぼすべての業種などである.

②1965−2000年の各都道府県の産業別就業構造をみ  ると,第1次産業については,構成率が高い県で  は大きく衰退しており,また第2次産業について

(10)

 は大きく衰退しており,また第2次産業について  は,構成率が低い県では成長し(特に1985年ま  で),構成率が高い県では衰退しているため,地域  間の第1,第2次産業の差異が縮まりつつある.そ  の一方,第3次産業では各県の増加幅がほぼ同じ  であるため,地域間の差は大きく変わっていない.

 さらに産業中分類からみると,地域差が縮小する  のは①で述べた衰退しているほとんどすべての業  種及び第3次産業の小売業と運輸通信業である.

 一方,①で述べた小売業以外成長しているほとん  どの業種は地域差が拡大しつつある.

③産業中分類からまとめた11業種の就業構成率を指  標として,46都道府県を「資源型」「資工型」「平均  型」r工業型」r3次型」の5大分類及びr資源特化  型」などの13小分類に分けることができる.経年  的にみると,就業構造は主に「資源型」から「一般  型」へ,さらにr3次型」へと移行している.

④1965年から2000年までの各都道府県の就業構造  の転換状態をみると,転換タイプの最も多い【資源  型→3次資源型1は主に九州,四国,中国地方に  広く分布している.その一一一方,1965年の「工業型」

 である大都市地域は2類型に分かれ,東京都,大  阪府,神奈川県では「3次特化型」へ移行したが,愛  知県,京都府,兵庫県では「3次工業型」へ移行し,

 製造業がこれらの地域においていまだ大きな殺害11  を果たしている.

⑤以上の考察より,1965年以降の地域の産業構造は少  なくとも県レベルで平準化に向かい,全国総合開発  計画の目標に従い第2次産業(特に製造業)が地方  に分散しつつあることが確認できる.しかし,第3  次産業(小売業を除く)で地域間の差があまり縮  まっていないことの背景には,全国総合開発計画が  商業・業務の立地誘導に対して十分な実効性を持ち  得なかったこと,そして第3次産業そのものの集積  分布は第2次産業と異なり人口等の市場への依存度

が高いことがあったと考えられる.また各都道府県 の就業構造について35年間にほぼすべてr3次型」

に移行しているが,13小分類を見ると,地域間の差 異が依然として残っている.つまり,こうした産業 の分布は資源(自然資源に限らず)などの地域特性 に応じて展開されてきたといえる.

注釈

1)「国調」によると,大都市を持っ県と沖縄県以外の  地方県では,1950−65年の人口増加率がすべて全  国使を下回り,またその中で0%以下のが25県,

 2/3近く占めている.

2)参考文献[11によると,海外企業には3,452,868  人(うち製造業2,805,898人)の従業者を雇用  しており,同年度国内の従業者数の5,5%(製造  業では22.9%)を占めている.

3)1965年度データのない沖縄県を分析対象から外し  た.ちなみに1975年からの沖縄県の就業構造に  ついては小売業とサービス業を中心とする第3次  産業の構成率(2000年では74%)が終始高く,全  国からみると特異の産業別就業構造を示してい  る.

4)日本標準産業分類については各年度の中分類が異  なっているため,本稿では1965年の分類を基準  として他年度の産業分類を統合した.

参考文献

[1]経済産業省,2000年海外事業活動基本調査概要  (2001)

[2]佐貫利雄,産業構造,日本経済新聞社(1981)

[31饒傳坤,玉置伸悟,菊地吉信,都市規模別に見た  産業別就業構造の実態とその変容に関する研究,

 日本建築学会技術報告集,N・.15,pp241−246  (2002)

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