中国四川省都市部中·高校生の生活習慣と身体活動および形態·体力 [ PDF
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(2) 時間は、男女とも 30 分~60 分が大多数を占めた。一方、. 表 2 に示した。高 2 女子がやや低い値を示した以外、3. 休日は、男女とも 1 時間 30 分~2 時間が 9 割で、大多数. 学年の男女とも BMI は 20 前後であった。. を占めた。. 表 2 性別·学年別の BMI 平均値. 中1 20.4±2.5 20.7±2.1. 4)屋外での遊び時間 男子 女子. 男女とも、平日屋外での遊び時間は、30~60 分が大多 数を占めた(9 割)。休日では、男女とも 1 時間 30 分~2. 高1 20.1±3.0 20.2±2.3. 高2 20.1±3.1 19.1±1.6. 18.5 が痩せ、18.5 以上 25.0 未満が正常、25.0 以上が. 時間が大多数を占めた。. 肥満の基準により、中学 2 年生では,男女とも「18.5 以. 5)学習塾は、男女とも「通っていない」のが多数を占. 上 25.0 未満」が大多数を占めた(男子 7 割、女子 8 割)。. め、男子は 72%で、女子は 69%であった。. 男子では、 「18.5 未満」は、高校 1 年生と高校 2 年生は. 6)朝食の摂食状況と食事時間の規則性. ほぼ同じであった。高校 2 年女子は「25.0 以上」がいな. 男女とも「毎日食べる」のが大多数を占め、7 割であ. かった。女子では、学年が上がっていくとともに、18.5. った。 「食べない」は、男子は 1%で、女子は 0.8%であっ. 未満が増えていくと見られた。. た。 「食事時間が規則的かどうか」 という質問に対する回. 3) 3 学年の皮下脂肪厚はいずれの部位も、 男子では 9. 答結果は,食事時間が「規則的」と回答した者は、男子は. ~13mm;女子では 12~19mm であった。. 72%で、女子は 60%で、多数を占めた。 「時々不規則」で. 4)体力および運動能力を男女別学年別に分け、表 3 に. は、男子は 25%で、女子は 34%であった。. 示した。. 2 運動やスポーツの実施状況. 表 3 学年別にみた体力·運動能力. 「週 1 日~2 日」 運動している男子は 4 割以上で、 女子は 5 割以上であった。 「全くしていない」 は比較. 握 力(kg) 腕立て伏せ(回). 的少なかったが、 男子(5%)よりも女子(17%)が多かっ た。 「スポーツクラブに参加している」男子は 51%で、 女子は 40%であった。. 男. 閉眼片脚立(秒)右 左 立幅跳(cm) 50m 走(秒) 持久走(秒) 握 力(kg) 腕立て伏せ(回) 閉眼片脚立(秒)右 左 立幅跳(cm) 50m 走(秒) 持久走(秒). 子. 3 運動·スポーツに対する意識 体力への自信は,男女とも「どちらともいえない」 と回答したものが半分以上であった。 「自信がある」 と回答した者は、 男子は 42%で、 女子は 20%であった。. 女. 「運動が好き」と回答した男子は 80%で、女子は 50% であった。 「運動が健康に良いと思う」 と回答した者. 子. は、男子は 98%で、女子は 95%であった。 「そう思わ ない」と回答する男子はいなかった。女子は 1%であ った。. 高2 41.2±6.4 39 ±20. 54.8±29.5 36.2±26.4 188.1±15.3 8.3±0.6 231.9±18.7 24.7±4.3 9 ±6 44.4±27.2 27.4±21.3 155.8±10.1 10.2±0.6 236.5±15.3. 85.4±59.1 74.5±61.3 210.0±21.4 7.8±0.6 222.5±18.0 26.1±4.7 11 ±9 51.2±37.2 45.0±46.1 160.0±12.8 10.2±0.7 237.8±20.3. 105.1±60.8 95.5±62.7 207.4±32.1 7.9±0.5 236.1±33.1 22.3±4.3 7 ±4 97.2±100.8 41.9±51.8 150.5±16.7 10.2±0.8 235.5±16.1. ①平日と休日の平均歩数. 形態および体力に関しては、高校 3 年生については、 授業に支障をきたすとの理由で、 測定が不可能であった。 したがって、中 2、高 1 および高 2 の値を示す。. 歩数に関しては、中 2、高 1、高 2 に男女ともほとん ど差がなかった。 したがって、 全学年の平均値を求めた。 平日の 1 日の歩数の平均値と休日の平均歩数を表 4 に示. 1) 身長と体重平均値を学年別に、表 1 に示した。. した。. 表 1 学年別にみた身長·体重. 女子. 高1 38.3±5.6 37 ±13. 5) 歩数. 4 形態・体力. 男子. 中1 36.2±6.1 31 ±8. 身長 (cm) 体重(kg) 身長 (cm) 体重(kg). 中1 162.3±6.5 53.7±6.4 156.6±5.2 50.7±5.1. 表 4 平日と休日の平均歩数(男女 歩/日). 高2 170.1± 6.5 58.3±10.4 161.0±5.5 52.5±6.8. 高2 167.4±10.2 56.3± 9.2 156.3±4.3 46.9±5.5. 2) BMI 身長および体重から算出した BMI(体重 kg/身長 m2)を. 平日 男子. 8,882±2,600*2. 女子. 7,870±2,462 *1:P<0.001,. 休日 12,119±5,141#1,. *1. 7,230±3,731. *2:p<0.01 vs 女子 ♯1:p<0.001 平日. 男子では平日より休日が有意に多く、女子では、平日 と休日での差がなかった。 男子は女子より平日・休日とも.
(3) に有意に多かった。なお、男子の休日の標準偏差は平日. 子が 24 名中 1 名で、高校 1 年女子は 20 名中 1 名も認め. の約 2 倍近くなっていた。. られなかった。 最高心拍数が 160 拍/分を超えた人数が最. ② 一日区分別歩数. も多かった中学 2 年男子で、その出現時間は 1 分〜13 分. 表 5 に示すように、自宅〜学校まで、昼休み、学校〜. でしかなかった。. 自宅までの下校時の歩数には男女差が認められなかった. 対象者の年齢および最小心拍数 (=安静心拍数) から、. が、男子 1・2 時限、業間体操、3・4 時限および帰宅後. カルボーネン法によって心拍予備に対する心拍数の割合. 〜就寝までの歩数が女子より有意に多かった。. [%HRR=(心拍数— 安静心拍数/(220— 年齢— 安静心拍 数)×100)を算出した。60%HRR を超えたのは、中学 2. 表 5 一日区分別歩数(歩). 女子 1384±583. 年男子が 24 名中 16 名(1 分〜23 分) 、高校 1 年男子が. 1・2 時限. *. 815±346. 641±342. 名(1 分 8 名、2 分 2 名) 、高校 1 年女子が 20 名中 5 名(1. 業間体操. 834±467*. 643±380. 分〜5 分)に過ぎなかった。. 3・4 時限. 942±452*1. 763±392. 自宅~学校. 男子 1385±757. 20 名中 8 名(1 分〜11 分) 、中学 2 年女子が 24 名中 10. 全体では中 2 男子が 18±4%HRR(11±8〜25±11%HRR) 、. 昼休み. 1293±731. 1307±769. 中 2 女子が 17±5%HRR(11±7〜33±8%HRR) 、高 2 の男. 5・6・7 時限 放課後~自宅 帰宅後~就寝. 1032±529*2 1230±747 1361±879 *1. 860±446 1343±862 926±664. 子が 16±3%HRR(11±8〜21±16%HRR) 、女子が 16±3% HRR(13±6〜23±11%HRR)であった。. 6)心拍数 考察. 学校滞在中の心拍数は、中学 2 年生男子 24 名、女子 24 名、 高校 1 年生男子 20 名、 女子 20 名から記録を得た。 学校滞在中の心拍数時刻別記録トレンドを、各学年男女. 1) 生活習慣 約 9 割の中・高校生が起床時刻が平日 6 時 30 分まで、. 1 名ずつを代表例として図1に示した。心拍数は個人差. 休日 8 時まで、就寝時刻が 22 時まで、休日 22 時 30 まで. が大きいが、 10 時前後と 12 時過ぎ〜14 時 30 分頃が高い. を占め、睡眠時間は平均平日が 8~9 時間、休日が 10~. 値を示した。この時間帯は、前者が業間体操時であり、. 10 時間 30 分であることが明らかになった。. 後者は昼食休み時で、生徒は昼食を摂りに自宅に帰って から再登校、学校へ残り遊んでいた時間帯であった。. 勉強に追われ、テレビ視聴時間、パソコン・ゲーム時 間や遊び時間が少ない伺えた。 食習慣では 7 割以上朝食を「毎日食べる」、 1%未満が「全 く食べない」。食事が「規則的」であるのが 6 割以上、「不 規則」が少ない、 本対象者は良好な生活時間と食習慣を保 たれていることを示唆された。 運動習慣・意識については、4 割以上が「スポーツクラ ブに参加している」、「週 1 日~2 日」で運動していた。9 割以上が「運動が健康に良いと思う」と回答した、半数以 上「運動が好き」ではあるが、体力に対する自信について. 図 1 学校滞在中の心拍数の記録例. 「どちらとも言えない」が 5 割以上であった。本対象者は. 学校滞在中の心拍数は、中学 2 年男子が 81±12 拍/分. 勉強に追われ、 運動・スポーツを行う機会が少ないと思わ. 〜106±12 拍/分、高校 1 年男子が 69±13 拍/分〜90±12. れる。. 拍/分、中学 2 年女子が 67±9 拍/分〜108±13 拍/分、高. 2) 形態および体力. 校 1 年生女子が 72±16 拍/分〜100±15 拍/分であった。. 中日国民体質聯合調査報告(2008)に比べ、本調査の. さらに最高心拍数は、中学 2 年男子が 124 拍/分〜187 拍. 中 2 女子の体重が大差がないが、他の学年の身長と体重. /分、高校 1 年男子が 109 拍/分〜179 拍/分、中学 2 年女. いずれも低い値を示した。大都市の上海市に比べ、中都. 子が 124 拍/分〜161 拍/分、高校 1 年女子が 122 拍/分〜. 市の達州市の青少年の発育が遅いか、南に位置する四川. 159 拍/分であった。. 省の人の体格が中部に位置する上海より小さい可能性が. 学校滞在中の心拍数は 100 拍/分以下が大多数を占め、. あると考えられる。. 最高心拍数が 160 拍/分を超えたのは、中学 2 年男子が. BMI について、本調査は、高 2 女子がやや低い値を示. 24 名中 10 名、高校 1 年男子が 20 名中 2 名、中学 2 年女. した以外、3 学年の男女とも 20 前後であった。一方、女.
(4) 子では学年が上がっていくとともに、18.5 未満が増えて. 一日の歩数のうち、区分別歩数をみると、男子 1・2. いる傾向にあった。特に高 2 女子では、25.0 以上が皆無. 時限、業間体操、3・4 時限および帰宅後〜就寝までの歩. である。男子では、高 1 の 18.5 未満は中 2 より多かった. 数が女子より有意に多かった。本対象校では学校体育が. が、学年上がっていくとともに、18.5 以上 25.0 未満が. 実施されておらず、また、放課後の部活動、課外活動を. 減っていた。その一方、25.0 以上が増えていく傾向が認. 制限されていることが、歩数に代表される身体活動量の. められた。特に高 2 は高 1 の約 2 倍となった。このこと. 低下を招いているものと思われる。. から、 学年が進行するにつれて、 男子では肥満が増加し、. 4)心拍数. 女子ではやせが増加する傾向が伺える。しかしながら、. 本対象者の学校滞在中の平均心拍数は、中学 2 年男子. 大人の基準で BMI が 25.0 以上を肥満とすると、 本研究対. が最も高く、次いで高校 1 年男子、中学 2 年女子で、高. 象者の肥満は中国が報告した 15%と比較して、肥満者は. 校 1 年女子がもっとも低くかった。また平均の身体活動. 少ないと言える。. 強度、男女とも中学生が高校生より高かった。これらは. 本対象者の皮下脂肪厚は中日国民体質聯合調査報告 (2008)で計測された同年代男女の上腕背部、肩甲骨下 部および臍側部と比較すると部位差があるものの、既報 告値と大差はないと考えられる。. 若いほど活発で、また男子が女子より活動的であるとい う一般的な傾向であった。 日本の小・中学生を対象とした報告では,全校運動、 体育の授業中、縄跳び遊び、鬼ごっこやボール遊び中の. 体力については、中日国民体質調査報告の中国側上海. 心拍数は 150 拍/分を超えることが報告されている [大柿. 市同年代の青少年の平均値と比較して、3 学年の男子は. ら、 (2010)を参照] 。測定を行った時期には本対象校で. 握力と 50m 走が低い値を示した。女子は高校 1 年生の握. は、気温が高いという理由で、正課の体育授業が実施さ. 力と上海市 16 歳と大差がなく、 他の2 学年の握力が弱く、. れていなかった。また、日本のように放課後に部活動の. 50m 走も遅かった。以上により、本研究の青少年の筋力. ような課外活動も行われていない。そのため、本対象の. と瞬発力が上海市より劣っていると考えられる。. 心拍数が高くなかったものと思われる。. 3) 歩数 本研究では 9 日間の歩数を計測した。初日と最終日を. 小学生や青年期においては、心拍数 160 拍/分や身体 活動強度 80%HRR 以上の運動が必要と思われる。 しかし、. 除いて 7 日間のデータを記録し、平日と休日にわけ、平. 本対象者では体活動強度 60%HRR 以上や心拍数 160 拍/. 均値にした。男子は平日 8 千歩以上で、休日は 1 万 2 千. 分に達する者が少なく、しかもそれらの値に達している. 歩あまりであった。休日は平日の約 1.5 倍であったが、. 者でも数分でしかない。したがって、本対象の中高校生. 標準偏差が 2 倍近くなり、よく運動する者とあまり運動. は積極的なスポーツ活動が必要と思われる。また学校で. しない者の両者がいたと考えられる。女子では平日も休. も、業間体操や昼休み、放課後を利用して生徒の身体活. 日も 7000 歩以上で、差は認められなかった。. 動量の増加させる手段を考える必要があると思われる。. 劉(2009)は上海の小学 5 年生の男子非肥満児の1日 平均歩数は1万6千歩以上であったことを報告している、 また、劉(2011)の研究では、ハルビンの春季における調. 主要引用文献 1) 劉守君(2011):中国黒龍省の都市と農村の児童の歩. 査で都市 5、6 年生、男女とも平日の一日平均歩数が春季. 数、生活習慣、形態・体力に関する比較研究. で 1 万 5 千歩以上、休日の平均歩数も男女とも 1 万歩以. 23 年度修士論文. 平成. 上であった。Yamauchi ら(2007)は、中国大連市の 5-8. 2) 劉紅,三村寛一,黄勇,鉄口宗弘(2009):中国上海市に. 年生の一日平均歩数は、男子が 12032±2178 歩、女子が. おける小学校児童の体力および生活習慣 大阪教育. 11083±1996 歩と報告した。以上の報告値と比較し、中・. 大学.第 4 部門,教育科学,58(1),233-242. 高校生を対象とした本研究では、男子の休日の平均歩数. 3) 姜克強,野田耕,藤岩秀樹,正木健雄(1998):小学校に. 以外は低い値を示した。しかしながら、日本の平成 22. おける体育授業の内容と効果に関する研究.日本体. 年度国民健康·栄養の現状(2010)の同年代の 15~19 歳男. 育学会大会号(49),617-622. 女の歩数(男子:7,872 歩/日,女子:7,458 歩/日)と比較. 4) 大柿哲朗、中尾武平、斎藤篤司、鍋谷照(2010) :ネ. し、大差がないと考えられる。小学生に比べれば、中・. パール丘陵地農村地帯の青少年の日常生活における. 高生の身体活動量が減少する傾向があると言える。 また、. 歩数および心拍数. 健康科学, 32:63— 69. 本対象校の中·高校生歩数は日本並みに少ないと考えら れる。.
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