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【中国史7 中国文化圏の拡大…明代】

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【中国史

7 明代…中国文化圏の拡大】

1.明の中国統一 2.明と周辺地域 3.明代の社会 4.明代の産業 5.明代の文化 1.明の中国統一 明の建国 A) 朱元璋(太祖 洪武帝) 紅巾の乱(白蓮教徒の乱)を経て即位(1368) 長江下流域をおさえる…都:金陵=南京。 漢民族による統一回復。 ・年号:洪武…一世一元の制 B) 君主独裁体制を固める=中央集権体制へ ・官制:皇帝への権力集中(元末の混乱をおさえるため) 中書省を廃止,六部を皇帝直属とする。 中央に内閣大学士。行政面の多くを皇帝 が直接決定,朱子学を官学とし科挙制採用 地方では三権分立のシステムを置く ・法制:大明律・大明令 ・税制:土地台帳「魚鱗図冊」, 戸籍と租税の台帳「賦役黄冊」 ・民制:里甲制を定め,治安維持や徴税などを担当させた…民衆支配の強化 民衆教化のため,六諭(民衆がまもるべき6カ条の教訓)を公布,里老を設置 軍制:衛所を置き,兵士を所・衛に所属させた。 北辺に息子らを配置。 C) 海禁政策:民間人の海上貿易を禁止,朝貢貿易の推進 永楽帝 A) 靖難の役(1399~1402) 諸王勢力削減に抗し,燕王が建文帝を攻め帝位を奪い即位 ・北京に遷都 ・君主独裁権の強化…内閣大学士を顧問 大運河を修築 B) 積極的な対外政策 ・蒙古遠征→タタール部,オイラート部を討つ。陳朝を服属(ベトナム支配) ・宦官 鄭和に命じて南海遠征(7~8回)(1405~33) チャンパ,ジャワ,スマトラ,セイロン,インドなどを巡り朝貢貿易を促す。一部 はアフリカ東岸にまで至った。 北虜南倭 A) 国境防衛の危機 ・北辺 オイラート部 エセン・ハンが侵入し,英宗正統帝を捕える→土木の変(1449) 。 16C タタール部が再び強くなる→アルタン・ハンはモンゴル・青海・チベットに進出 →ラマ教がモンゴルに伝わり好戦的気風を失わせた。 明は守勢に移り,長城修復 ・東南海岸 倭寇 16C 最盛期(元末から朝鮮・中国の沿岸を荒らす) その後,中国人を含めて,再び略奪がはげしくなる。 B) 16C 後半 神宗万暦帝初期の宰相 張居正の財政再建,税制:一条鞭法を実施

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C) 女真の発展…16C 末 東北部で勢力拡大 ・ヌルハチが後金(アイシン)建国(1616)→明を圧迫 (後に満州と改称) 独自の国家へ…軍団(八旗),満州文字→1636 年,第2代目ホンタイジ(太宗),内モ ンゴルのチャハルを従えた後,国号を清と改め,みずからを皇帝と称す 衰退 ・政治の混乱 宦官の横暴,東林党と非東林党の党争(江蘇省無錫の東林書院出身者が政府批判の中心 に) ・北虜南倭による軍事費,秀吉の朝鮮出兵に対しての派兵→軍事費の増大→財政難→民衆 への重税→各地で反乱 ↓ 李自成の反乱軍に北京を占領され,明朝滅亡(1644) 2.明と周辺地域 モンゴル高原 元の残党→北元を名のるが短期間で滅亡 諸部族は明との交易を求めるが制限 ↓中国侵入 ・土木の変(1449)エセン・ハンが侵入 正統帝捕獲 ・タタール部(アルタン・ハン)…長城をこえて侵入(1550)→ 北京包囲 ヨーロッパ人の来航 16~17C, ポルトガル人はマカオに拠点, オランダ人は台湾に貿易の拠点を築く ・銀の中国への流入 16C,東アジアからインド洋での国際商業が繁栄 モンゴル・倭寇・・・明朝海禁への挑戦→海禁を緩和 →日本の銀,アメリカ大陸の銀が,中国に大量流入 朝鮮 李氏朝鮮 (1392~),都:漢城 ・李成桂が建国 ・明に朝貢,明制導入,朱子学の官学化 文化…金属活字による出版, 世宗による訓民正音(ハングル)の制定 ・両班=文班と武班 が国政を左右→党争で混乱 16C 末,豊臣秀吉の侵略,一時衰退 明の援軍・李舜臣将軍の抵抗で撃退 ・17C その後,清朝に従属 明 日本 ・14C,室町幕府 勘合貿易 朝貢貿易 ・16C,戦国時代 海外進出活発化, 東南アジア各地に日本町誕生 ・16C 末 豊臣秀吉の統一,朝鮮侵略 ・1603 年 徳川家康,江戸幕府開府 朱印船貿易,ヨーロッパ人来訪→ 1630 年代,鎖国政策に転換 東南アジア ・ヴェトナム…黎朝 明に朝貢 朱子学さかん ・マレー半島 14C 末,マラッカ王国建国 鄭和の遠征を機に急成長(東南アジア最大の貿易拠点に) イスラーム教に改宗 16C 初め,ポルトガルにより占領 アチェ王国(スマトラ島)やマタラム王国(ジャワ島)などのイスラーム勢力,ポルトガルに対抗 ・インドシナ半島…タイのアユタヤ朝,ミャンマーのトゥングー朝など仏教国 琉球王国 ・15C 初め 中山王が統一, 明との朝貢貿易さかん。その物資を利用した 中継貿易で繁栄

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3.明代の社会 4.明代の産業 農業 ・江南中心に大土地所有…佃戸制発達 ・長江の下流域で綿織物・生糸などの手工業が繁栄→全国的な綿花の栽培,桑の栽培が普及 ・湖広地方(長江中流域)が新たな穀倉地帯に発展。 生産力向上 長江下流域から中流域に穀倉地帯が移る 宋代「江浙実れば天下の食足る」→明末「湖広実れば天下の食足る」 手工業 ・江浙地方中心に綿織物・絹織物などの農村家内工業が発達 陶器:景徳鎮が中心…染付・赤地のものが発達 生糸 …ともに重要な輸出品として成長 大土地所有の 進展 支配層:官僚・大商人・地主が一体化 地主の都市への移住 →不在地主化 江南中心に佃戸制発達 生産力向上で地位も向上…しかし 重税 各地で農民蜂起続発 福建や広東などの貧しい農民が南洋華僑となった

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商業 ・山西商人,新安商人(安徽省出身)活躍…特権商人 塩商人たちは相互扶助・連絡の機関として同郷者・同業者ごとに会館や公所を設立 明末~ 同業組合 幇 が発達 外国貿易などにより,銀の流入(特にメキシコ銀)→田賦や徭役の銀納化 16C 後半 一条鞭法の実施 複雑な税体系を整理し,まとめて銀で納税させるもの ・貨幣経済の浸透→都市には商人や郷紳などの富裕者集まる。 5.明代の文化 背景 ・貨幣経済の発展→富裕層(商人・郷紳)…庭園の建設,骨董収集など都市で文化生活を楽 しむ 例:画家・書家の董其昌…高級官僚・芸術家として名声 ・書籍出版…木版印刷→出版物(科挙の参考書,小説,商業・技術関係の実用書など)の急 増→書物購買層の拡大 庶民文化 ・小説…「三国志演義」「水滸伝」「西遊記」「金瓶梅」 講談・劇…都市のさかり場・農村で人気 儒学 ・16C 初め,王守仁(王陽明) 陽明学の創始…実践を重視,広範な支持を集める。 科学技術書 ・日本,東アジア諸国に影響 「本草綱目」…李時珍,薬学の集大成 「農政全書」…徐光啓編,農学の集大成 「天工開物」…宋応星著,産業技術の図解解説書 「崇禎暦書」…徐光啓ら編,西洋天文学による暦法書 ・イエズス会キリスト教宣教師の活動…科学技術の発展に重要な役割 フランシスコ・ザビエル…日本普及の基礎→中国布教をめざすが実現せず マテオ・リッチ(利瑪竇) 16C 末,中国布教開始,「坤輿万国全図」…世界地図 →中国・日本に新しい地理知識 キリスト教の普及…中国=士大夫層…ヨーロッパの科学技術に関心 比較:日本=庶民層 ★

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【中国史⑦ 明代…中国文化圏の拡大】

1.明の中国統一 2.明と周辺地域 3.明代の社会 4.明代の産業 5.明代の文化 1.明の中国統一 明の建国 A) [ ] (太祖 洪武帝) 紅巾の乱(白蓮教徒の乱)を経て即位(1368) 長江下流域をおさえる…都:金陵=南京。 漢民族による統一回復。 ・年号:洪武…一世一元の制 B) 君主独裁体制を固める=中央集権体制へ ・官制:皇帝への権力集中(元末の混乱をおさえるため) 中書省を廃止,[ ]を皇帝直属とする。 中央に内閣大学士。行政面の多 くを皇帝が直接決定,朱子学を官学とし科挙制採用 地方では三権分立のシステムを置く ・法制:大明律・大明令 ・税制:土地台帳「[ ]」, 戸籍と租税の台帳「[ ]」 ・民制:[ ]制を定め,治安維持や徴税などを担当させた…民衆支配の強化 民衆教化のため,[ ] (民衆がまもるべき6カ条の教訓)を公布,里老を設 置 軍制:衛所を置き,兵士を所・衛に所属させた。 北辺に息子らを配置。 C) 海禁政策:民間人の海上貿易を禁止,朝貢貿易の推進 [ ] 帝 A) 靖難の役(1399~1402) 諸王勢力削減に抗し,燕王が建文帝を攻め帝位を奪い即位 ・[ ]に遷都 ・君主独裁権の強化…内閣大学士を顧問 大運河を修築 B) 積極的な対外政策 ・蒙古遠征→タタール部,オイラート部を討つ。陳朝を服属(ベトナム支配) ・宦官 [ ]に命じて南海遠征(7~8回)(1405~33) チャンパ,ジャワ,スマトラ,セイロン,インドなどを巡り朝貢貿易を促す。一部 はアフリカ東岸にまで至った。 北虜南倭 A) 国境防衛の危機 ・北辺 [ ]部 エセン・ハンが侵入し,英宗正統帝を捕える→土木の変(1449) 。 16C タタール部が再び強くなる→アルタン・ハンはモンゴル・青海・チベットに進出 →ラマ教がモンゴルに伝わり好戦的気風を失わせた。 明は守勢に移り,長城修復 ・東南海岸 [ ] 16C 最盛期(元末から朝鮮・中国の沿岸を荒らす) その後,中国人を含めて,再び略奪がはげしくなる。 B) 16C 後半 神宗万暦帝初期の宰相 張居正の財政再建,税制:[ ]を 実施

(6)

C) 女真の発展…16C 末 東北部で勢力拡大 ・ [ ]が後金(アイシン)建国(1616)→明を圧迫 (後に満州と改称) 独自の国家へ…軍団(八旗),満州文字→1636 年,第2代目ホンタイジ(太宗),内モ ンゴルのチャハルを従えた後,国号を清と改め,みずからを皇帝と称す 衰退 ・政治の混乱 宦官の横暴,東林党と非東林党の党争(江蘇省無錫の東林書院出身者が政府批判の中心 に) ・北虜南倭による軍事費,秀吉の朝鮮出兵に対しての派兵→軍事費の増大→財政難→民衆 への重税→各地で反乱 ↓ [ ]の反乱軍に北京を占領され,明朝滅亡(1644) 2.明と周辺地域 モンゴル高原 元の残党→北元を名のるが短期間で滅亡 諸部族は明との交易を求めるが制限 ↓中国侵入 ・土木の変(1449)エセン・ハンが侵入 正統帝捕獲 ・タタール部(アルタン・ハン)…長城をこえて侵入(1550)→ 北京包囲 ヨーロッパ人の来航 16~17C, ポルトガル人は[ ], オランダ人は[ ]に貿易の拠点を築く ・銀の中国への流入 16C,東アジアからインド洋での国際商業が繁栄 モンゴル・倭寇・・・明朝海禁への挑戦→海禁を緩和 →日本の銀,アメリカ大陸の銀が,中国に大量流入 朝鮮 李氏朝鮮 (1392~),都:漢城 ・[ ]が建国 ・明に朝貢,明制導入,朱子学の官学化 文化…金属活字による出版, 世宗による訓民正音(ハングル)の制定 ・両班=文班と武班 が国政を左右→党争で混乱 16C 末,豊臣秀吉の侵略,一時衰退 明の援軍・李舜臣将軍の抵抗で撃退 ・17C その後,清朝に従属 明 日本 ・14C,室町幕府 勘合貿易 朝貢貿易 ・16C,戦国時代 海外進出活発化, 東南アジア各地に日本町誕生 ・16C 末 豊臣秀吉の統一,朝鮮侵略 ・1603 年 徳川家康,江戸幕府開府 朱印船貿易,ヨーロッパ人来訪→ 1630 年代,鎖国政策に転換 東南アジア ・ヴェトナム…[ ]朝 明に朝貢 朱子学さかん ・マレー半島 14C 末,[ ]王国建国 鄭和の遠征を機に急成長(東南アジア最大の貿易拠点に) イスラーム教に改宗 16C 初め,ポルトガルにより占領 アチェ王国(スマトラ島)やマタラム王国(ジャワ島)などのイスラーム勢力,ポルトガルに対抗 ・インドシナ半島…タイの[ ]朝,ミャンマーの[ ]朝など仏教国 [ ] ・15C 初め 中山王が統一, 明との朝貢貿易さかん。その物資を利用した 中継貿易で繁栄

(7)

3.明代の社会 4.明代の産業 農業 ・江南中心に大土地所有…佃戸制発達 ・長江の下流域で綿織物・生糸などの手工業が繁栄→全国的な綿花の栽培,桑の栽培が普及 ・湖広地方(長江中流域)が新たな穀倉地帯に発展。 生産力向上 長江下流域から中流域に穀倉地帯が移る 宋代「江浙実れば天下の食足る」→明末「湖広実れば天下の食足る」 手工業 ・江浙地方中心に綿織物・絹織物などの農村家内工業が発達 陶器:景徳鎮が中心…染付・赤地のものが発達 生糸 …ともに重要な輸出品として成長 商業 ・山西商人,新安商人(安徽省出身)活躍…特権商人 塩商人たちは相互扶助・連絡の機関として同郷者・同業者ごとに会館や公所を設立 明末~ 同業組合 幇 が発達 大土地所有の 進展 支配層:官僚・大商人・地主が一体化 地主の都市への移住 →不在地主化 江南中心に佃戸制発達 生産力向上で地位も向上…しかし 重税 各地で農民蜂起続発 福建や広東などの貧しい農民が南洋華僑となった

(8)

外国貿易などにより,銀の流入(特にメキシコ銀)→田賦や徭役の銀納化 16C 後半 一条鞭法の実施 複雑な税体系を整理し,まとめて銀で納税させるもの ・貨幣経済の浸透→都市には商人や郷紳などの富裕者集まる。 5.明代の文化 背景 ・貨幣経済の発展→富裕層(商人・郷紳)…庭園の建設,骨董収集など都市で文化生活を楽 しむ 例:画家・書家の董其昌…高級官僚・芸術家として名声 ・書籍出版…木版印刷→出版物(科挙の参考書,小説,商業・技術関係の実用書など)の急 増→書物購買層の拡大 庶民文化 ・小説…「三国志演義」「水滸伝」「西遊記」「金瓶梅」 講談・劇…都市のさかり場・農村で人気 儒学 ・16C 初め,王守仁(王陽明) 陽明学の創始…実践を重視,広範な支持を集める。 科学技術書 ・日本,東アジア諸国に影響 「本草綱目」…李時珍,薬学の集大成 「農政全書」…徐光啓編,農学の集大成 「天工開物」…宋応星著,産業技術の図解解説書 「崇禎暦書」…徐光啓ら編,西洋天文学による暦法書 ・イエズス会キリスト教宣教師の活動…科学技術の発展に重要な役割 フランシスコ・ザビエル…日本普及の基礎→中国布教をめざすが実現せず マテオ・リッチ(利瑪竇) 16C 末,中国布教開始,「坤輿万国全図」…世界地図 →中国・日本に新しい地理知識 キリスト教の普及…中国=士大夫層…ヨーロッパの科学技術に関心 比較:日本=庶民層 ★

参照

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 問題の中心は、いわゆるインド = ヨーロッパ語族 のインド = アーリヤ、あるいはインド = イラン、さ らにインド =