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第19回特定非営利活動法人日本咀嚼学会学術大会一般講演抄録集 (その1)

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Academic year: 2021

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18巻2号(2008)  第19回 日本 咀 嚼 学会 抄 録  179 ポ ス タ ー 発 表6 口 ど け 感 の あ る ビ ス ケ ッ トの 物 性 評 価 (2)「 口腔 内 崩 壊 錠 試 験 器 」 に よ る ビ ス ケ ッ ト崩 壊 性 の 計 測 江 崎 グ リ コ株 式 会 社 健 康 科 学 研 究 所1),富 山 産 業 株 式 会 社2) ○ 中 村 弘 康1),宅 見 央 子1),福 田 真 一1),白 石 浩 荘1),米 谷 俊1),前 田 泰 明2) キ ー ワ ー ド:ビ ス ケ ッ ト,口 ど け,崩 壊,口 腔 内 崩 壊 錠,口 腔 内 崩 壊 錠 試 験 器 【目 的 】 「口 腔 内 崩 壊 錠 」 は,口 腔 内 で 唾 液 ま た は 少 量 の 水 で 崩 壊 す る こ と に よ り飲 み 込 み や す く し た 錠 剤 で,「 口腔 内 崩 壊 錠 試 験 器 」 は,こ の 口 腔 内 崩 壊 錠 の 崩 壊 時 間 をin vitroで 測 定 す る 市 販 の 試 験 器 で あ る.本 試 験 器 は 錠 剤 用 の 装 置 で あ る が,こ れ を 応 用 す れ ば 口 腔 内 で の 食 品 の 口 ど け感 を 評 価 で き る可 能 性 が あ る.そ こで,本 試 験 器 を 用 い て ビ ス ケ ッ トの 崩 壊 時 間 を計 測 し,官 能 評 価(口 ど け感)と 比 較 す る こ と に よ り,本 試 験 器 が ビ ス ケ ッ トの 口 ど け感 を評 価 で き る か を 調 べ た. 【材 料 と方 法 】 試 料 は,一 般 の ク リ ー ム サ ン ド ビ ス ケ ッ ト(以 下,「 一 般 的 な ビ ス ケ ッ ト」 と す る) と,た ん ぱ く質 含 量 を調 整 す る こ と で 官 能 的 に 口 ど け感 が あ る ク リ ー ム サ ン ド ビ ス ケ ッ ト(以 下,「 口 ど け 感 の あ る ビ ス ケ ッ ト」 とす る)を 用 い た.各 試 料 と も ビ ス ケ ッ ト部 分 を縦1cm× 横1cmに 成 形 し て,口 腔 内 崩 壊 錠 試 験 器ODT-101(富 山 産 業 株 式 会 社 製)に 供 し,以 下 の 手 順 で 崩 壊 時 間 を 計 測 し た. (1)装置 に37℃ の 水 を 張 り,液 面 よ り上 に 直 径2mmの 細 孔 の あ る 網 目 シ ー ト を 設 置 し,シ ー ト上 に 試 料 を 供 し た. (2)円柱 状 の 錘(159,直 径20mm)を 回 転(100rpm)さ せ な が ら試 料 面 上 部 か ら接 触 さ せ た. (3)接触 と同 時 に 時 間 計 測 を 開 始 し,か つ 網 目 シ ー トの 細 孔 か ら水 を 浸 出 さ せ,徐 々 に 試 料 を 水 に 浸 し た(な お,本 装 置 の 網 目 シ ー トは 舌 に,水 は 唾 液 に,錘 は 上 顎 に相 当 す る). (4)試料 面 上 部 か ら の 錘 の 圧 力 と下 部 か らの 水 の 浸 出 で 試 料 を徐 々 に 崩 壊 さ せ,崩 壊 し た 試 料 片 は シ ー トの 細 孔 か ら水 中 に 落 下 ・分 散 させ た. (5)最終 的 に,シ ー ト上 の 試 料 す べ て が 崩 壊 に よ り消 失 し,錘 と網 目 シ ー トが 接 触 し た 時 点 で 計 測 終 了 と した.崩 壊 性 は,錘 が 試 料 面 上 部 に 接 触 し て か ら計 測 終 了 ま で の 時 間 (崩 壊 時 間)で 評 価 した. 口 ど け感 の 官 能 評 価 は,装 置 に供 し た の と同 じ 形 の ビ ス ケ ッ トを 用 い,「 口 ど け が 悪 い 」 が0点,「 口 ど け が 良 い 」 が10点 のVAS法 に て 評 価 し た.

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180  第19回 日本 咀嚼 学 会 抄録  日本 咀 嚼 学会 雑 誌 【結 果 】 官 能 評 価 は,「 口 ど け 感 の あ る ビ ス ケ ッ ト」 が8.4±0.9点(n=5,means±SD), 「一 般 的 な ビ ス ケ ッ ト」 が4.5±1.5点 で,「 口 ど け感 の あ る ビ ス ケ ッ ト」 が 「一 般 的 な ビ ス ケ ッ ト」 よ り有 意 に 口 ど け が 良 い と官 能 的 に評 価 し た . 口 腔 内 崩 壊 錠 試 験 器 で の 平 均 崩 壊 時 間 は,「 口 ど け 感 の あ る ビ ス ケ ッ ト」(厚 さ4.2 mm)が21.7±5.1秒(n=10,means±SD),「 一 般 的 な ビ ス ケ ッ ト」(厚 さ4.7mm) が84.5±14.8秒 で,「 口 ど け感 の あ る ビ ス ケ ッ ト」 の 崩 壊 時 間 が 「一 般 的 な ビ ス ケ ッ ト」 よ り有 意 に 短 か っ た.ま た,試 料 厚 さ1mrnあ た り の 崩 壊 時 間 で 比 較 し て も,「 口 ど け 感 の あ る ビ ス ケ ッ ト」 が5.2±1.2秒,「 一 般 的 な ビ ス ケ ッ ト」 が18.0±3.1秒 で, 同 様 に 「口 ど け感 の あ る ビ ス ケ ッ ト」 の 崩 壊 時 間 が 「一 般 的 な ビ ス ケ ッ ト」 よ り有 意 に 短 か っ た. 以 上 よ り,官 能 的 に 「口 ど け感 の あ る ビ ス ケ ッ ト」 は 口腔 内 崩 壊 錠 試 験 器 で の 崩 壊 時 間 が 短 い こ とが 明 らか に な っ た. 【ま と め 】 口 腔 内 崩 壊 錠 試 験 器 は ビ ス ケ ッ トの 口 ど け感 を 評 価 で き る装 置 で あ る と考 え られ た.

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18巻2号(2008)  第19回 日本 咀 嚼 学会 抄 録  181 ポ ス タ ー 発 表7 臼 歯 部 欠 損 患 者 に お け る術 前 部 分 床 義 歯 補 綴 と 術 後 イ ン プ ラ ン ト補 綴 の 客 観 的 咀 嚼 能 力 評 価 九 州 大 学 大 学 院 歯 学 研 究 院 口 腔 機 能 修 復 学 講 座 咀 嚼 機 能 制 御 学 分 野 ○ 大 東 文 和,沖 本 公 細,松 尾 浩 一,寺 田 善 博 キ ー ワ ー ド:咀 嚼 能 力,部 分 床 義 歯,イ ン プ ラ ン ト補 綴 【目 的 】 咀 嚼 機 能 の 回 復 は 欠 損 補 綴 の 主 要 な 目 的 の 一 つ で あ り,科 学 的 咬 合 治 療 に お い て は, 咀 嚼 能 力 の 客 観 的 な 評 価 は 根 拠 に 基 づ く治 療 を 行 う上 で 不 可 欠 で あ る .当 教 室 で は, Nakasimaら が 報 告 し た 咀 嚼 能 力 を エ ネ ル ギ ー 表 示 法 で 測 定 す る人 工 試 料 カ プ セ ル を も と と し て 開 発 を 行 っ た 高 齢 者 用 カ プ セ ル の 臨 床 で の 有 効 性 に 関 し て 検 討 を 行 っ て き た.今 回 は,両 側 大 臼 歯 部 欠 損 症 例 の 治 療 過 程 に お い て 片 側 を イ ン プ ラ ン ト,反 対 側 を rernovable partial denture(以 下RPD)に て 補 綴 を 行 っ た 状 態 と,両 側 に イ ン プ ラ ン

ト補 綴 を行 っ た 状 態 と の 咀 嚼 能 力 の 変 化 を検 討 し た. 【方 法 】 被 験 者 は,当 研 究 の 目 的 と 方 法 を 説 明 し 同 意 を 得 る こ とが で き た 患 者 で あ り,治 療 過 程 に お い て 大 臼 歯 部 に 片 側 を イ ン プ ラ ン ト,反 対 側 にRPDに て 補 綴 を 行 っ た 状 態(以 下 術 前 状 態)と,両 側 に イ ン プ ラ ン ト補 綴 を 行 っ た 状 態(以 下 術 後 状 態)が 存 在 し た3名(症 例1:63歳 男 性,症 例2:65歳 女 性,症 例3:73歳 女 性)で あ る. 症 例1)術 前 状 態 は,76部 に イ ン プ ラ ン ト支 台(2本)の 連 結 冠 を 装 着,67RPD を装 着 し て お り,対 合 歯 列 は(7)6(5)432112(3)(4)(5)6(7)Full Bridgeで あ る.術 後 状 態 は67部 に イ ン プ ラ ン ト(2本)を 埋 入 し上 部 構 造 に は 連 結 冠 を装 着. 症 例2)術 前 状 態 は,67部 に イ ン プ ラ ン ト を 埋 入 し8の 天 然 歯 と の 連 結 冠,76 RPDを 装 着 し て お り,対 合 歯 列 は(7)65(4)(3)(2)(1)1(1)Bridge,(2)3(4)5(6)Bridge, 術 後 状 態 は76部 に イ ン プ ラ ン ト(2本)を 埋 入 し上 部 構 造 に連 結 冠 を 装 着. 症 例3)術 前 状 態 は,467部 に イ ン プ ラ ン ト(3本)を 埋 入 し,瞳 イ ン プ ラ ン ト支 台Bridgeを 装 着,76RPD(54支 台 コ ー ヌ ス デ ン チ ャ ー)を 装 着,右 下 臼 歯 部 は イ ン プ ラ ン ト支 台 の 連 結 冠,左 下 臼 歯 部 はBridgeを 装 着 し て お り,術 後 状 態 は 適 」部 に イ ン プ ラ ン ト支 台 連 結 冠 を装 着. 咀 嚼 能 力 の 測 定 は 術 前 状 態 ・術 後 状 態 そ れ ぞ れ で,食 用 色 素106含 有 の 顆 粒 を 内 包 し た ゴ ム カ プ セ ル を,1回 に つ き20ス ト ロ ー ク 咀 嚼 で 左 右 交 互 に3回 ず つ 計6回 行 っ た. 咀 嚼 さ れ た ゴ ム カ プ セ ル 中 の 色 素 顆 粒 を 試 験 管 に 取 り 出 し,20mlの 蒸 留 水 を 加 え ミ キ サ ー に て30秒 間 混 和 後 フ ィ ル タ ー 濾 過 し,分 光 光 度 計(UV-1600PC:島 津 製 作 所) を 用 い て 波 長565nmで 吸 光 度 を測 定 し た.得 られ た 吸 光 度 の 値 を変 換 式 を 用 い て エ ネ

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182  第19回 日本 咀 嚼学 会 抄録  日本咀 嚼 学会 雑 誌 ル ギー 値 に変 換 し咀 嚼 能 力 と した.得 られ た デー タ を症 例1∼3の 術 前状 態 ・術 後 状 態 お よび左 右 の 咀嚼 能 力 を多重 比 較 に よ り統 計 分 析 した. 【結 果 】 術 前 状 態 と術 後 状 態 の咀 嚼能 力 の比 較 で は,症 例1で は イ ンプ ラ ン ト側,PD側 と も に術 前 状 態 と術 後 状 態 の咀 嚼 能 力 が有 意 に上 昇 し,症 例2で はイ ンプ ラ ン ト側 の み に有 意差 を認 め,ま たPD側 にお い て も上 昇傾 向 に あ った.症 例3で は有意 差 を認 め なか っ た が両 側 と も上 昇傾 向 は示 した.3症 例 とも に咀 嚼 能 力 は,術 前 状 態 でRPDで あ った 部 位 にイ ンプ ラ ン ト補 綴 を行 った 側 にお い て も,ま た も と も とイ ンプ ラ ン ト補 綴 が行 わ れ て い た側 に お いて も上 昇 す る傾 向 で あ っ た.最 大 咬合 力 は症例 に よっ て ぼ らつ きが あ り,多 元配 置 分 散 分 析 に よ る とそ の他 の 因子 で は有 意差 が な く,個 体 差 に お いて の み有 意 差 を認 め た.た だ最 大 咬合 力 に関 して は単 純 に上 昇 す るの みで はな く症 例 に よ って は 低 下 す る もの も認 め られ た. 【考 察 】 術 前 状 態 と術 後 状 態 の比 較 にお い て,3症 例 と もイ ンプ ラ ン ト側,PD側 とも に咀 嚼 能 力 が上 昇 す る傾 向 に あ った.症 例1で は両側 と も咀 嚼 能 力 に有 意 差 を認 め たが,症 例 2,3で はPD側 で有 意 差 が なか った.こ れ は術 前 状 態 のRPDの 設 計 お よび その 維 持 装 置 に よ る もの と考 え られ る.症 例2は8が あ るた め に 中 間 欠 損 型 のRPDで あ り,症 例3は コー ヌ ス支 台 のRPDで あ り,両 者 と も遊 離 端RPDに 比 較 し義 歯 の安 定 性 が 高 くその た め術 前 状 態 の 咀嚼 能 力 が 高 い値 を示 して お り,術 後 状 態 と比 べ て も有 意 差 が 現 れ なか った と考 え る.ま た咀 嚼 能 力比 較 に お いて 特筆 す べ きは,術 前 ・術 後状 態 に お い て処 置 を加 えて い ない イ ンプ ラ ン ト側 で も咀 嚼 能 力 の上 昇 が 認 め られ た こ とで あ る と考 え る.す な わ ち両 側 大 臼歯 部 欠 損 症例 にお い て は,片 側 の み イ ンプ ラ ン ト補 綴 対 側 に RPDに よる補 綴 を行 っ た状 態 よ りも,両 側 にイ ンプ ラ ン ト補 綴 を行 った状 態 の ほ うが, 咀 嚼 能 力 が イ ンプ ラ ン ト側,PD側 とも に上 昇 す る傾 向 に あ る こ とが わ か った.こ の こ とは,咀 嚼 能力 の 回復 に左右 のバ ラ ン スが大 きな影 響 を与 え る こ とを示 唆 して い る と考 え る. 最 大 咬 合 力 を比 較 す る と,症 例2に おい て の み イ ン プ ラ ン ト側 で術 後 に低 下 が 認 め ら れ た.こ れ は術 前状 態 で は イ ンプ ラ ン ト側 に偏 っ た咀 嚼 を行 って いた もの が,術 後 に左 右 均 等 の 咀 嚼 を行 う こ とに よ り筋 力 のバ ラ ンス が とれ て きた こ とが 原 因 で あ る と考 え る. 【結論 】 咬 合 支持 の観 点 の み な らず 咀 嚼能 力 の点 か らも,イ ンプ ラ ン トに よ り欠 損補 綴 を行 う 際,左 右 の偏 りが ない設 計 を考 え る必 要性 を再 認識 す る こ とが で きた.

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18巻2号(2008)  第19回 日本 咀 嚼 学 会 抄 録  183 ポ ス タ ー 発 表8 歯 の 早 期 喪 失 は海 馬 に お け る神 経 細 胞 の 増 生 を抑 制 す る 朝 日大 学 歯 学部 口腔 構 造 機能 発 育 学 講 座 小 児歯 科 学 分 野1),口 腔 解 剖 学 分野2) ○ 倉 田知 香1),荒 川容 子1),市 橋 幸 子1),飯 沼 光 生1),田 村康 夫1),久 保 金 弥2) キー ワー ド:海 馬,咀 嚼 障害,細 胞 新 生,BrdU,SAMP8 【目的】 我 々 は これ まで に老 化 促 進 モ デ ル マ ウス(SAMP8)を 用 い て,歯 の萌 出直 後 に上 顎 臼歯 を抜 歯 す る(早 期 喪 失 群)と,加 齢 に伴 い 空 間認 知 能 の低 下 と ともに海 馬 神 経 細胞 の減 少 が 惹起 され る こ とを 明 らか に して きた.ま た,老 齢 に達 した 早 期 喪 失 マ ウ ス で は,血 中の コル チ コス テ ロ ン濃度 が コ ン トロー ル群 に比 較 して顕 著 に上 昇 して いた .こ れ らの結 果 は,老 齢 に達 した マ ウ ス で は歯 の早 期 喪 失 が 慢性 の ス トレス と して 作 用 し, そ の結 果,海 馬 の神 経 細胞 死 や空 間 認 知 能 の低 下 が 誘 発 され て い る可 能 性 を示 唆 す る も ので あ る. 一 方 ,最 近 の研 究 に よ り,生 体 で も限 られ た脳 の部 位(海 馬 歯 状 回 と側脳 室下 層)で 神 経幹 細 胞 が存 在 し,神 経 細 胞 の誕 生 が続 い て い る こ とが 明 らか とな って い る.こ の た め,海 馬 に お け る神 経細 胞 の新 生 は海 馬 へ の神 経細 胞 の供 給 を介 した 海 馬機能 維 持 に き わ め て重 大 な役 割 を演 じて い る と考 え られ て い る.ま た,海 馬 にお け る神 経 細 胞 の新 生 は様 々 な ス トレス の 影響 を受 け る こ とが報 告 され て い る. そ こで今 回我 々 は,歯 の早 期 喪 失 が老 齢 マ ウス の海 馬 歯 状 回 にお け る神 経 細 胞 新 生 に 及 ぼ す影 響 を解 析 し,空 間 認 知 能 と神 経 細 胞 新 生 数 との関 係 を検 討 した. 【対 象 お よ び方 法 】 実 験 に は1ヵ 月齢(若 齢 期)の 雄 のSAMP8を 用 い た.ネ ン ブ タ ー ル 麻 酔 下 で マ ウ ス の上 顎 臼歯 を抜 歯 した後,通 常 の方 法 で マ ウ ス を飼 育 した(早 期 喪 失 群) .コ ン トロ ール 群 に は抜歯 処 置 以 外 の早 期 喪 失 群 と同様 の処 置 を行 い ,同 様 の 方法 で 飼 育 した.海 馬 にお け る細 胞 新 生 は,学 習 や運 動 の影 響 を受 け る といわ れ て い る.そ こで,コ ン トロ ール マ ウス をモ リス水 迷 路 学 習 テ ス ト実 施 群 〔コ ン トロ ー ル群(水 迷 路 実 施)〕 と非 実 施 群 〔コ ン トロー ル 群(水 迷 路 非 実施)〕 に 区分 し実験 を行 った.抜 歯 処 置8カ 月 後 に モ リス水 迷 路 学 習 テス トを1日4回 ず つ1週 間 実 施 し,歯 の早 期 喪 失 と空 間認 知 能 との 関 係 を検 討 した.次 い で,水 迷 路 学 習 テ ス ト終 了 後,BrdUを3時 間 毎 に5回 マ ウ ス に 腹 腔 内投 与 し,翌 日4%パ ラ ホル ム ア ル デ ヒ ド溶 液 で マ ウス を灌 流 固 定 し,速 や か に脳 を取 り出 した 後,摘 出 した脳 を後 固 定 した 後,厚 さ40μmの 前 頭 断 の組 織 切 片 を作 製 し,切 片 をDNA切 断処 理 し,次 いで 抗BrdU抗 体 を用 い てABC法 で免 疫 染 色 を施 し た.最 後 に,両 群 の海 馬 歯 状 回 にお け るBrdU陽 性 細 胞 数 を定 量 的 に計 測 した.

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184  第19回 日本 咀 嚼 学会 抄 録  日本 咀嚼 学 会雑 誌 【結 果 】 コ ン トロー ル群 と歯 の早 期喪 失 群 の両群 で 日を追 うに従 っ て プ ラ ッ トホ ー ムへ の到 達 時 間が 短 縮 した.ま た,早 期 喪 失群 の プ ラ ッ トホ ー ムへ の 到達 時 間 の短 縮 ペ ー ス は コ ン トロー ル 群 に比 較 し て有 意 に延 長 した.海 馬 歯 状 回 で のBrdU陽 性 細 胞 数 を比 較 した 結 果,コ ン トロー ル群(水 迷 路 実施)と コ ン トロー ル群(水 迷路 非 実 施)で は有 意 な差 はみ られ なか った.こ れ に対 して,早 期 喪 失 群 の海 馬 歯 状 回 にお け るBrdU陽 性 細 胞 数 は コ ン トロ ール 群(水 迷 路 実 施 ・水 迷 路 非 実 施)に 比 較 して 有 意 に減 少 して い た. 【考 察 】 今 回 の 結果 か ら,歯 の 早期 喪 失 に よ り空 間認 知 能 の低 下 した老 齢 マ ウス で は海 馬 歯状 回 に お け る細 胞 新 生 が 抑 制 され た.こ れ まで の報 告 か ら,慢 性 ス トレス や グ ル コ コル チ コイ ド暴 露 に よっ て海 馬 歯状 回 に お け る細胞 新 生 は抑 制 され る こ とが わ か っ て い る.実 際,こ れ まで の我 々 の研 究 か ら,老 齢 に達 した歯 の早 期 喪 失 マ ウ スで は血 中 の コル チ コ ス テ ロ ン濃 度 が上 昇 して い る こ とが わ か って い る こ とか ら,歯 の早 期 喪 失群 で み られ た 細 胞 新 生 の抑 制 は上 昇 した コル チ コス テ ロ ン に よ る もので あ る こ とが強 く示 唆 され た. 以 上 の結 果 か ら,歯 の早 期 喪 失 した老 齢 マ ウス で は,海 馬 歯状 回 で の細胞 増 殖 が抑 制 され る結 果,海 馬 へ の神 経 細 胞 供給 量 が減 少 し空 間認 知 能 に影 響 が で る もの と考 え られ た.

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18巻2号(2008)  第19回 日本 咀 嚼 学 会 抄 録  185 ポ ス タ ー 発 表9 口 腔 体 操 の 実 施 に よ る 障 害 者 の 口 腔 内 状 況 の 変 化 新 潟 大 学 大 学 院 医 歯 学 総 合 研 究 科 口 腔 生 理 学 分 野1),滋 賀 県 南 部 振 興 局 地 域 健 康 福 祉 部 (草 津 保 健 所)2),東 京 都 品 川 区 保 健 セ ン タ ー3) ○ 松 田 み ど り1,2),高 野 弘 子1,3),山 村 健 介1),黒 瀬 雅 之1),山 田 好 秋1) キ ー ワ ー ド:知 的 障 害 者,口 腔 体i操,カ リオ ス タ ッ ト,口 腔 衛 生 【目 的 】 障 害 者 は 健 常 者 に比 べ て 顔 面 の 動 き の 乏 し い 者 が 多 い.表 情 や 歯 が 人 に 与 え る 印 象 は 大 き く,歯 が き れ い で 表 情 が 豊 か で あ る こ と は 障 害 者 が 社 会 就 労 を 目 指 す 上 で 重 要 な 要 素 で あ る.歯 を き れ い に す る 方 法 は 歯 ブ ラ シ で 汚 れ を掻 き と る 歯 み が き で あ る が,歯 み が き は 巧 緻 性 の 高 い 操 作 で,障 害 者 は歯 み が き 指 導 の 理 解 や 実 行 定 着 等 は難 し い こ とが 多 い. 歯 み が き の 実 行 は不 可 欠 で あ る が,歯 み が き 以 外 に 口 腔 衛 生 状 態 を 改 善 す る方 法 は な い か を 検 討 し た と こ ろ,顔 面 の 動 き の 乏 し さ が 表 情 の み な らず 口 腔 の 自浄 作 用 に 影 響 を 与 え て い る 可 能 性 は な い か と考 え た.そ こで,障 害 者 に 頬 や 口唇,舌 な ど を 意 識 的 に動 か す 口 腔 体 操 を実 施 し 口 腔 内 状 況 の 変 化 が 見 ら れ る か を 調 べ た. 【方 法 】 M知 的 障 害 者 通 所 授 産 施 設 を利 用 す る 障 害 者26名(男 女 各13名,34∼64歳,平 均 年 齢43.2歳)を 対 象 に研 究 を行 っ た.調 査 は 平 成19年8月 か ら12月 の5ヵ 月 間 に わ た っ て 行 っ た.口 腔 体 操 の 指 導 ・実 施 は調 査 開 始 よ り2ヵ 月 後 か ら継 続 的 に 行 い,そ れ 以 前 の2ヵ 月 は 事 前 調 査 期 間 と し,そ の 間 に得 られ た デ ー タ ー を コ ン トロ ー ル と し た. 調 査 項 目 は,う 蝕 活 動 性 試 験(カ リ オ ス タ ッ ト(R),7段 階 評 価1-,2±,3+, 4+±,5++,6++±,7+++)と 口唇 力 測 定(オ ー ラ ル ビ ュ テ ィ ー(R))で あ る.そ れ ぞ れ を個 々 人 の 経 時 変 化 と事 前 事 後 の 平 均 値(ペ ア ー ドt検 定)で 比 較 し た.な お, 歯 み が き方 法 の 指 導 は一 切 行 わ な か っ た. 口腔 体 操 の 実 施 は,施 設 で 月 曜 か ら金 曜 ま で の 作 業 前 に,ラ ジ オ 体 操 を行 っ た の ち座 位 に よ り実 施 した.内 容 は(1)口 腔 周 囲 筋 に 力 を つ け る 目 的 で 口 唇 を 横 に大 き く動 か す 「イ ー 」,口 唇 を 前 に大 き く突 き 出 す 「う ー 」,(2)口 唇 の 閉 鎖 を 強 め る 「ウ ン」 「パ 」7拍 子 で 繰 り返 す,(3)舌 の 動 き を 強 め る 目 的 で 口 腔 内 に お い て 舌 を 左 右 に 動 か し頬 を 押 す, (4)ア行 か ら タ行 ま で を 大 き く 口 を使 っ て 発 音 す る,(5)最 後 バ ン ザ イ で 終 了 と し た .所 要 時 間 は2分 か ら3分 間 で あ っ た. 【結 果 】 各 被 験 者 の カ リ オ ス タ ッ ト値 は,調 査 開 始 時 は7か ら3段 階 評 価 で あ っ た が,20名

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186  第19回 日本 咀 嚼学 会 抄 録  日本 咀嚼 学会 雑 誌 は2ヵ 月後 の 口腔 体 操 開始 初 週 で,5か ら2段 階 へ と改 善 が認 め られ た.口 腔体 操 終 了 時 に改 善 の持 続 した者 は17名 で4か ら2段 階 で あ った.事 前 事 後 の平 均 値 で は改 善 は 有 意 で あ った(n=26). 口唇 力 は各 被 験 者 と も調 査 期 間 を通 じて 測 定 日 ご との変 動 が大 きか っ た が,25名 中 6名 の 最 大値 は事 前 調 査 期 間 に,ま た,13名 は 口腔体 操 開始 以 降 に記 録 した.事 前 事 後 の平 均 値 で は 口唇 力 の増 加 は有 意 で あ った(n=25). 【考察 】 カ リオ ス タ ッ ト値 の改 善 が 口腔体 操 開始 初 週 に出 た こ とは,体 操 を行 う こ とが 口腔 の 自浄作 用 を促 した か らで は な いか と考 え られ る.ま た,口 唇 力 は測 定 方 法 に対 す る慣 れ の可 能性 は否 定 で きな い が,体 操 開 始後 に 口唇 力 の増 加 が見 られ た こ とは体 操 の効 果 と 考 え られ る. 本研 究 よ り,口 腔 体 操 で積 極 的 に 口の 動 きを引 き出 す こ とで,障 害者 の 口腔 内状 況 が 改 善 され る可 能 性 が 示 され た.

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18巻2号(2008)  第19回 日本 咀 嚼 学会 抄 録  187 ポ ス タ ー 発 表10 口 腔 ケ ア の 継 続 指 導 に よ る 味 覚 閾 値 の 変 化 新 潟 大 学 大 学 院 医 歯 学 総 合 研 究 科 口 腔 生 理 学 分 野1),東 京 都 品 川 区 保 健 セ ン タ ー2),滋 賀 県 南 部 振 興 局 地 域 健 康 福 祉 部(草 津 保 健 所)3),長 崎 大 学 大 学 院 医 歯 薬 学 総 合 研 究 科 生 体 情 報 科 学4) ○ 高 野 弘 子1,2),松 田 み ど り1,3),山 村 健 介1),黒 瀬 雅 之1),藤 山 理 恵4),山 田 好 秋1) キ ー ワ ー ド:口 腔 ケ ア,口 腔 衛 生,味 覚 閾 値,在 宅 自立 高 齢 者 【目 的 】 食 べ る こ と は 高 齢 者 に と っ て 楽 し み の 一 つ で あ り,高 齢 期 を 豊 か に元 気 に 過 ご す た め の か な め で あ る.加 齢 に 伴 う 味 覚 機 能 の 低 下 は弱 い と い わ れ て い る が,要 介 護 者 へ の 歯 科 衛 生 士 に よ る専 門 的 口 腔 ケ ア で 口 腔 衛 生 状 態 が 良 くな り,味 覚 が 鋭 敏 に な り,栄 養 改 善 が 図 れ た と い う報 告 が あ る.そ こで 在 宅 自立 高 齢 者 に 口 腔 ケ ア を 指 導 す る こ と に よ り 口 腔 衛 生 状 態 が 改 善 さ れ,味 覚 が 鋭 敏 に な る の で は な い か と考 え た .今 回在宅 で 自立 し て 生 活 し て い る60歳 以 上 の 者 を 対 象 に 口 腔 ケ ア の 継 続 指 導 を 行 い,口 腔 衛 生 状 態 と味 覚 閾 値 に変 化 が 見 られ る か を 調 べ た. 【方 法 】 在 宅 で 自 立 し 生 活 す る 男 女16名(男 性4名,女 性12名,平 均 年 齢67.6歳)を 被 験 者 と し た.被 験 者 の 口 腔 状 態 は,一 人 平 均 現 在 歯 数 は25.1本,部 分 義 歯 使 用 者 は2名, 全 部 床 義 歯 使 用 者 は0名 で あ っ た.食 物 が"よ くか め る"と 申 告 し た 者 は13名,"か め な い"と 申 告 し た 者 は3名 で あ っ た.歯 み が き実 施 回 数 は 一 日平 均1 .9回 で あ った.調 査 は 平 成19年10月 か ら平 成20年2月 ま で の18週 間 実 施 し た.調 査 開 始 か ら6週 間 は 指 導 を 行 わ ず,調 査 の み 週1回 行 っ た.指 導 は7週 目 に 開 始 し,12週 目 ま で 週1回, そ の 後 は2週 に1回 行 い,指 導 と 同 時 に 調 査 も行 っ た.口 腔 ケ ア の 指 導 内 容 は,歯 み が き(義 歯 み が き)と 舌 み が き,唾 液 腺 ・頬 筋 の マ ッサ ー ジ,ガ ム を 用 い た 咀 嚼 ・嚥 下 機 能 訓 練 法 と し た.調 査 項 目 は,口 腔 ケ ア の 指 導 効 果 を み る 目 的 で,唾 液 培 養 検 査RDテ ス ト(5段 階 測 定),う 蝕 活 動 性 試 験 カ リ オ ス タ ッ ト(7段 階 測 定),カ ン ジ ダ 菌 検 出 用 簡 易 試 験 ス トマ ス タ ッ ト(3段 階 測 定),刺 激 唾 液 分 泌 量 測 定 サ ク ソ ン テ ス ト を行 っ た. 味 覚 閾 値 は 塩 味(塩 化 ナ ト リ ウ ム),甘 味(ス ク ロ ー ス),酸 味(酒 石 酸),苦 味(塩 酸 キ ニ ー ネ)の4基 本 味 に つ い て,全 口 腔 法 で 行 い 認 知 閾 値 を 測 定 し た.被 験 溶 液 と して 4基 本 味 と も10段 階 の 濃 度 に作 製 し た(表1).口 腔 ケ ア の 指 導 効 果 お よ び 指 導 が 味 覚 閾 値 に 及 ぼす 影 響 は,口 腔 ケ ア 指 導 前6回 の 平 均 値 と,口 腔 ケ ア 指 導 後 の9回 の 平 均 値 を 比 較 し た(ペ ア ー ドt検 定).P<0.05を 有 意 と し た.

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188第19回 日本 咀 嚼学 会 抄 録 日本 咀嚼 学 会雑 誌 【結 果 】 口 腔 ケ ア 指 導 後 に,唾 液 培 養RDテ ス ト検 査 値5段 階 は,2.1±0.7か ら1.8±0.6に 有 意 に 改 善 し た(n=16).う 蝕 活 動 性 試 験 カ リ オ ス タ ッ ト値7段 階 は,2.7±0.7か ら 2.3±0.6に 有 意 に 改 善 し た(n=16).カ ン ジ ダ 菌 検 出 用 簡 易 試 験 陽 性 者 は,6名 か ら 2名 に 減 少 し た.ま た 刺 激 唾 液 分 泌 量 測 定 サ ク ソ ン テ ス ト は4.359±1.760gか ら 4.776±2.053gに 有 意 に 改 善 し た(n=16).味 覚 認 知 閾 値 は 口 腔 ケ ア 指 導 後 に,塩 味

は3.3× ±1.7・10-2mol/lか ら1.7±1.1・10-2mol/lに,甘 味 は1.8±0.9・10-2mol/l か ら1.1±0.7・10-2mol/lに,酸 味 は4.5±3.2・10-4mol/lか ら2.5±1.3・10-4mol/l

に,苦 味 は5.4±2.6・10-5mol/lか ら2.8±2.0・10-5mol/lに そ れ ぞ れ 有 意 に 減 少 し た (n=16). 【考 察 】 在 宅 で 自 立 し 生 活 す る60歳 以 上 の 者 に 対 し て,口 腔 ケ ア を 継 続 指 導 す る こ と は,口 腔 衛 生 状 態 を 良 く し,味 覚 の 認 知 閾 値 を 下 げ る 可 能 性 が 示 さ れ た. 表1被 験 溶 液 濃度(単 位mo1/1)

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