小学生の理科に関する素朴概念の修正が学習意識に及ぼす影響
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(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第58巻 第2号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.58,No.2. 平成20年2月 February,2008. 小学生の理科に関する素朴概念の修正が学習意識に及ぼす影響 三木 直輝・白井 博. 北海道教育大学札幌枚心理学第3研究室. TheEfftctsofModifyingChildren’sNaiveConcepts inElementarySchooIScienceonTheirLearning. MIKINaokiandUSUIHiroshi. DepartmentofEducationPsychology,SapporoCampus,HokkaidoUniversityofEducation. 概 要 本研究は,麻柄たちのパラダイムの二重推理法を用いた授業を小学生に行うことによって,溶解に関する 素朴概念が修正され,同時にその過程で,子どもの学習意識がどのように高まるのかを検証した。また,学 習意識の変化を検証するため,「メタ認知的方略」,「認知・リソース方略」,「持続的モチベーション方略」. の3因子からなる22項目の理科の学習方略尺度を構成し,調査を行った。その結果,二重推理法にもとづく 授業による素朴概念修正の効果は,小学生にも有効であることが確かめられた。また,素朴概念修正の授業 のあとには,「メタ認知的方略」「認知・リソース方略」の意識の高まりが見られ,それが学習意欲へ結びつ. いていくことがわかった。さらに,授業の過程を高垣の相互作用のある対話(TD:tranSaCtivediscussion) を使った質的分析を行い,どのように素朴概念の修正が行われ,どのように学習方略意識が高まるのか,授 業の中でのメカニズムについて言及した。そして,この研究の理科教育の授業実践に対する示唆を述べた。. Keyword:小学生,授業,学習方略,素朴概念,操作的トランザクション. 1.問 題 2004年12月,OECD(経済協力開発機構)が2003. 知識の量ではなく自ら社会に参加していこうとす る「意欲」を含むものであることに着目したい。 例えば,読解力の定義は「自ら目標を達成し,自. 年に実施した国際的学習到達度調査(PISA)の. らの知識と叶能性を発達させ,効果的に社会に参. 結果が公表された。それによると,日本の順位は,. 加させるために,善かれたテキストを理解し,利. 読解力が8位から14位へ,数学的なリテラシーが. 用し,熟考する能力」とされている。. 1位から4位へという結果であり,「学力低下論. 一方,「教育において『ある国がどのくらいう. 争」に拍車をかけたことは,記憶に新しいところ. まくいっている』かどうかの総合的な評価は,学. である。また,PISAの測定したものは,単純な. 業の成果に加え,認知的,情意的,態度的な側面. 159.
(3) 三木 直輝・臼井. 博. を見なければならない。そのために,PISA2003. 習前だけではなく,学習後にもしばしば誤ったま. の調査では,生徒の動機づけ,取組み,自分の能. ま保持されていることが,大人を対象とした調査. 力への信頼,という,生涯学習のために重要な学. から明らかにされてきた。Clement(1982)は. 習方略や学校教育の非認知的成果によって,15歳. 工学部の学生に対して,真上に投げられたコイン. の学習者のおおまかなプロフィールを作った。」. に働いている力を矢印で記入させた。その結果,. (PISA 2003年調査国際結果報告書)と述べ,. 88%の者が誤答であり,そのうち90%の者が「運. 生徒の学習における動機付け・信念・情緒・学習. 動方向に力が働いている」という誤った考えを. 方略について調査をしている。ここで,重要なこ. もっていたことを報告している。このような素朴. とは,上記のいずれの調査においても,肯定的に. 概念は,正しい知識(ルール)を教示するといっ. 回答した我が国の生徒の割合は,OECDの平均よ. た通り一遍の授業では,容易に修正されないこと. りも少ないことである。学習方略についての調査. が研究の場でも実践の場でも明らかにされてき. を例にあげると,数学を勉強する際,「できるだ. た。細谷(1976C,1977)は,この原因として,. け暗記」しようとする生徒の割合が極めて少ない. 素朴概念が構造化されていて,学習者にとって確. が,「日常生活への応用」「他教科と関連づける」「学. 証度の高い知識となっている点を指摘し,この確. ぶのは何かはっきりさせる」という方略を使用す. 証度の高さは,素朴概念が学習者の経験にもとづ. る割合も同時に少ない。ここから,我が国の教育. いて形成されたためと述べている。こう考えると,. には,学業の成果以外の面でも大きな問題を抱え. 素朴概念が学校教育を終えた後でも残っていくこ. ていることがわかる。加えて,同年に公表された. とは,大きな問題である。そのため,素朴概念の. IEAによるTIMSS2003においても,我が国の子. 修正が,確かな知識や技術の伝達という面から考. どもの学習意欲の低さが指摘されている。このよ. えて,教育実践上の重要な問題になる。. うな国際的な調査結果を受け,現在,「学校教育. 次に,素朴概念修正に関する先行研究を概観し. の質の保証」(中央教育審議会・審議経過報告). てみたい。最初に碇案されたのは,学習者の素朴. ということばをキーワードに,教育の方向性が論. 概念に抵触する事実(以降,「反証例」と記述する). 議されているところである。. を学習の初期の段階で示す方法である。教師達が,. ここにあげた我が国教育の状況を勘案すると, 「学校教育の質の保証」のためには,確かな知識. 授業研究の一環としてこの試みを行っていた。ま た,板倉(1966)による「仮説実験授業」では,. や技能の伝達と学ぶ意欲の育成の両立が必要に. 反証例を意図的に用いた試みが行われてきた。細. なってくると思われる。本研究では,この間題を. 谷(1976a)は,このような素朴概念修正方略を「ド. 学校教育の中で最も長い時間を占める「授業」を. ヒヤー型ストラテジー」「ル・バー対決型」(細谷,. 窓口に検討したい。そのため,「授業による素朴. 1983)と名づけて一般化を試みた。国外の実践に. 概念の修正」を取り上げる。. 目を向けると,Posner,Strike,Hewson,&Gert−. 子どもは学校で学ぶ前に,自然現象についての. zong,(1982)は,手持ちの概念では自然現象が. 自分なりの考えをもっている。それは,自力で獲. うまく説明できないという不満を学習者が抱くこ. 得したものであるため,誤ったものであることが. とが素朴概念変容の出発点とした。この方法の心. 多い。このように,学習者が自らの狭い経験から. 理学的な裏づけは,Berlyne(1965)の概念的葛. 過度に一般化して作り上げた概念もしくはルール. 藤理論をあげることができる。また,波多野・稲. のことを素朴概念(naiveconception),誤概念,. 垣(1971)も「不調和」という用語を使い同様な. ル・バー(㍍)などと呼んでいる(稲垣,1995. 考えを述べた。以後,「ル・バー懐柔型ストラテ. ;細谷,1997b)。(本研究では,以降「素朴概念」. ジー」を使った方法(伏見・麻柄,1986;伏見・. と記述していく。)ところが,誤った知識は,学. 立木,2006等),「橋渡し法(bridginganalogy)」. 160.
(4) 小学生の理科に関する素朴概念の修正が学習意識に及ぼす影響. を使った方法(Clement,1993)など,反証例を もとにした素朴概念修正に関する研究が進められ た。 一方,反証例を用いても,学習者の素朴概念は. 効果を検討することが第1の目的である。. 次に,素朴概念の修正をめざした授業による学 習意欲の育成という面に目を向ける。授業では, 確かな知識や技能の伝達と同時に,学習方略意識. 修正されにくいという指摘もある。麻柄(1990). や学ぶ意欲を育てている。先に指摘したように,. では,球根を植えるチューリップに種はできない. 我が国の教育の実態を考えたとき,学習方略意識. と思っている大学生に,種子植物の説明をした上. や学ぶ意欲の育成が重要な課題である。一方,素. で,種子植物でもあるからチューリップにも種が. 朴概念修正に関する先行研究では,大学生を被験. できることを説明した。しかし,その教示は被験. 者に学習冊子を用いた研究が中心であり,授業と. 者に受け入れられず,球根を植える植物であるヒ. いう形での研究があまり行われていない。このた. ヤシンス,あるいはジャガイモについては相変わ. め,素朴概念修正前後での学習方略の使用などの. らず素朴概念が発動された。すなわち,種のでき. 学習意識の変化については言及されていない。し. るチューリップは特別なものであると考えたので. かし,素朴概念の修正は,子どもにとって自己概. ある。Chinn&Brewer(1993)は,学習者が反. 念の修正という大きな変容の場であるから,学習. 証例に接したとき,理論の変更に向かわず,反証. 方略や学習意欲に対して影響を与えていると考え. 例の無視や排除,周辺的な変更に向かう場合があ. るのは自然なことである。そこで,素朴概念修正. ることを指摘している。例えば,上記のチューリッ. の授業が,子どもの学習方略意識や意欲などにど. プの例では,説明を受けたチューリップは特殊な. のように影響を与えるのかを検討する。. 例(例外)であると考え,一般的な球根で植える. 伊藤(1996)は,方略の高低によって自己効力. 植物(ヒヤシンスやジャガイモ)は,球根を植え. 感の大きさが決まっており,失敗を努力不足に帰. るのだから種ができないと考えるのである。. 属するからといって一様に高い自己効力感をもつ. このような研究の流れをふまえ,麻柄(1999). とは限らず,失敗の努力帰属が自己効力感とつな. は,二重推理法を提案した。二重推理法とは,(1). がるかどうかは,方略の高低を見る必要があると. 後続の問題の解決に必要な手がかりをあらかじめ. 述べている。また,吉田・戸田(2004)は,学習. 学習させ,(2)問題を提示して「直感で答えるとど. 方略の使用が自己効力感,内発的価値,外発的価. うなるか」「先に学習した手がかりにもとづいて. 値のいずれも高めることを明らかにした上で,成. 考えるとどうなるか」という質問を行い,複数の. 功の努力帰属は自己効力感や内発的価値を高める. 解答を引き出し,(3)実験を行い結果を示す。そう. が,これは成功の努力帰属が学習方略の使用を促. すれば,自分の中に複数の異なる予想があり,結. 進するためで,学習方略をともなわない場合は学. 果を受け入れやすいと同時に,その結果を説明す. 習意欲の向上を期待できないと述べている。これ. る理由があらかじめ学習者の中に準備されている. らの研究から,. ことになる。この方法は,素朴概念修正に効果の. 価値などの学習意欲は,学習方略の高低を明らか. あることが,大学生を被験者とした研究によって. にすることで,その変化を推測できることがわか. 報告されている。一方,同時に中学生や小学生の. る。そこで,本研究では,先行研究をもとに,理. 場合に同様の効果が得られるかどうかは,今後の. 科の授業における学習方略尺度を作成し,素朴概. 課題とされている(麻柄,2001)。そこで,本研. 念修正の授業を独立変数に,学習方略意識の変化. 究では,確かな知識や技能の伝達を保証するため. を従属変数にして調査を行う。このことから,素. の方法として,二重推理法を小学生の学習計画に. 朴概念修正の授業による,学習意欲の育成に関す. 翻案し,実際の授業として素朴概念修正を試みる。. る効果を明らかにすることが第2の目的である。. このことによって,二重推理法の小学生に対する. 自己効力感や内発的価値,外発的. 第3に,素朴概念修正が行われ,それにともな. 161.
(5) 三木 直輝・臼井. 博. う学習方略などの学習意識に関する効果があるの. ならば,授業の中でどのように行われるかを明ら かにしたい。授業は,協同的に知識をつくりあげ. 2.方 法. 2.1 対象者. ていく場である。その過程について,対話分析を. 素朴概念に関する調査. 用いた研究が行われている。1弓erkowitz&. 札幌市内小学校5年生81名(男子40名,女子41. Gibbs(1983)は,同性ペア(大学生)の道徳課. 名)。. 題の討論における相互作用のある対話(TD:. 素朴概念修正をめざす授業と授業前後における. transactivediscussion)の質的な分析を行った。. 学習方略に関する意識調査. その結果TDによって,二者により知識が協同. 素朴概念に関する調査(前記)を実施した児童. 的に作り上げられていくときの議論の方向性や認. のうち,素朴概念修正をめざした授業を行った2. 知的変化などの相互作用状況を浮き彫りにするこ. 学級54名(男子25名,女子29名)。. とができ,討論過程における相互作用の変化を引. 理科における学習方略意識調査. き起こす要因は,お互いの考えを変形させたり認. 札幌市内小学校3校の5年生児童102名(男子48. 知的に操作したりする「操作的トランザクション. 名,女子54名)。素朴概念に関する調査の対象者. (operationaltransaction):拡張,比較的批判,. とは,別の児童である。. 精微化,統合等」の対話の生成であることを見い 出した。また,高垣(2004a)は,Berkowitz&. 2.2 手続き. Gibbs(前出)によるTDの質的な分析カテゴリー. (1)素朴概念に関する調査. を改変した分析法を用いて,小学校理科の授業に. 小学校5年生理科「ものの溶け方」での素朴概. おける知識の協同的な構成についての研究を行. 念として知られている「粉は温度が高いほどよく. い,理科の授業では,①〈スタイル1〉対話者間. 溶ける」の存在を確認するため,粉ジュースを溶. の相互に関連しない理由を述べる,②〈スタイル. かす場合と塩味スープを溶かす場合の2場面を設. 2〉 自己の主張や他者の主張を関連づけたり,精. 定し調査をした。粉ジュースは砂糖やミョウバン. 赦化したりする,③〈スタイル3〉 自己の主張が. などと同様に,温度をあげるほど溶ける量が増え. 他者の示した主張と相容れない理由を述べなが. る,子どもの素朴概念通りの溶け方をする。一方,. ら,反証する,④〈スタイル4〉お互いの主張を. 塩味スープは食塩と同様に,子どもの素朴概念に. 理解し,共通基盤の観点から説明し直す,という. 反して,温度をあげても溶ける量はほとんど変わ. 二項対立的な相互作用のスタイル間の組織的な変. らない溶け方をする。そこで,この2種類の粉を. 化を経て,知識の協同的な構成が成立すると述べ. 溶かすための5つの方法(「もっと長い時間かき. ている。本研究では対話分析を用いて,素朴概念. まぜる」「水を足す」「少しあたためる」「粉をつ. が授業のなかでどのように修正され,学習方略な. ぶして,粒を小さくする」「時間が経てば溶ける. どの学習意識がどのようにつくられていくのかを. ので,放置しておく」)を碇示し,それぞれの方. 明らかにする。そのために,「操作的トランザク. 法が有効かどうか確信度を「絶対になる」「たぶ. ション」と「教師の介入」に着目して分析を進め. んそうなる」「よくわからない」「たぶんならない」. ていきたい。. 「絶対にならない」の5件法で尋ねた。得点は確 信のある程度によって,5∼1点を与えた。実施 の時期は,次項にある素朴概念修正をめざした授 業を行う直前の2006年12月である。調査は,理科 の授業時間に学級担任により行われた∩. 162.
(6) 小学生の理科に関する素朴概念の修正が学習意識に及ぼす影響. (2)素朴概念修正をめざした授業. 二重推理法(麻柄,1999,2001)にもとづき,. の授業場面で用いられる方略であること,②4年 生∼6年生が使用しうる学習方略であること,(彰. 小学校5年理科「ものの溶け方」(全体で12時間). 教室や理科室での授業の中で日常的に用いられる. の指導計画を作成した。. 学習方略であること,の3点を基準として作成し た。その際,先行研究にある尺度項目を,理科の. 第1次(2時間) ○ミヨウバンと食塩を,水50mlに溶けるだけ. 授業場面に合うように調整を行った。次に,小学. 校理科を専門にしている現職教師に,作成した項. 溶かしてみよう。(「飽和」の概念と溶けても. 目が上記の基準を満たしているかどうかを評価し. 存在することを重さの変化で検証する). てもらった。この結果,26項目の調査を作成した. ・ミョウバンと食塩の「違い」に目を向けるた. (Table3参照)。回答形式は,「いつもする」「よ. めの知識と技能を身につける。. くする」「ときどきする」「たまにする」「したこ. 第2次(2時間). とない」の5件法であり,得点のあてはまる程度. ○ミョウバンが溶け残った。どうやって溶かし たらいいだろう。(温度と溶ける量の関係) ・「温度が高いほどよく溶ける」という,子ど もの素朴概念と一致する物質。. 第3次(2時間) ○食塩が溶け残った。どうやって溶かしたらい. によって5∼1点を与えた。実施の時期は,2006 年11月,理科の授業時間に担任の教師が行った。 (5)授業前後の学習方略に関する意識調査. 両学級とも,素朴概念の修正による学習方略に 対する意識の変化を明らかにするため,第1回目 の授業の前日と最終授業の翌日に,前記の「理科. いだろう。(物質によって,溶け方が違う). における学習方略尺度」を用いて行った。ここで. ・「温度を上げても溶けない」という,子ども. は,前記の26項目の調査項目から,因子負荷量の. の素朴概念とは異なる結果の物質(反証例に. 高い項目を22項目選び,事前事後の調査として,. ぶつかる場面)。. 学級担任が実施した。. ・「温度が上がるとよく溶ける」という方法に こだわって考える子どもと,「物質によって. (6)発話分析. 授業の中で子どもたちの相互作用による素朴概. 溶け方は違う」と考える子どもというように,. 念の修正の様子をとらえるために,反証例を使う. 2つの推理とその根拠にもとづいて「ものの. 場面(1∼2時間目,5∼6時間目)において,. 溶け方」を明らかにしていく。. 相互作用のある対話(TD:tranSaCtivediscussion) の質的な分析を行った。その際,小学校の理科授. A組は2006年12月∼翌年1月にかけて,B組 は2007年2月∼3月にかけて,すべて第1著者を 指導者として授業を行った。 (3)素朴概念の修正に関する調査. 素朴概念修正の効果を確かめるために,A組の. 業の分析のためにBerkowitz&Gibbs(1983)の TDの質的な分析カテゴリーを改変した分析法 (高垣2004a)を用いた。映像,音声,文字記録 の採取をし,第1著者(授業者)と学級担任(理 科を専門とする教諭)との2名で,児童の理科の. 最終授業の5週間後,(1)の「素朴概念調査」にミョ. 成績や関係性,教師とのやりとり,子ども同士の. ウバンの溶かし方を加た調査を,遅延調査として. やりとり,挙手行動,授業中の教帥の発話や対応. 担任の教師が行った。. の意図について,討議を行った。TDの質的分. (4)理科における学習方略尺度の構成. 析に際しては,第1著者と学級担任とが別々に分. 先行研究(伊藤,1996;佐藤・新井,1998;吉 田・戸田,2004)で用いられた尺度項目をベース. 析を行ったうえで照合し,相違点は話し合ったう えで訂正した∩. にして,第1著者(現職小学校教諭)が,①理科. 163.
(7) 三木 直輝・白井. 博 且− ]b. ■H︶. 3.結 果. ︻ウ rリ. ︹‘. 3.1「ものの溶け方」における素朴概念. 2. 子どもは「ものの溶かし方」に対して,どのよ 1. ﹁0. うな概念を持っているかを明らかにするため,粉. 5. 0. かきまぜ. 1. ジュースと塩味スープ各々を溶かす場面を設定. 日■. し,確信度を従属変数に,溶かし方を要因にした. 放 置 ・・・・−■・一平均. ■ 平均十SE. 一元配置分散分析を行った。その結果,いずれも. ▲ 平均一望E. 溶かし方の主効果が有意であったため(粉ジュー. Figurel粉ジュースの溶かし方の確信度. ス:F(4,397)=21.13,p<.01),(塩味スープ ︼b. 4. :F(4,400)=29.02,p<.01),TukeyのHSD. d−︼b 3. ︹∂. 検定による多重比較を行ったところ,粉ジュース. ︼ら. 場面,塩味スープ場面のいずれも,「かきまぜる」. ︵ム=ら. り︼. 「温度を上げる」という方法に対する確信度が,「水. l. n︶. nV. 有意に高いことがわかった(Figurel,2参照)。. かき≡ぜ. l. rD. の量を増やす」「つぶす」「放置しておく」よりも. 放 置 −・●・・一平 均. 3.2 素朴概念の修正. ■ 平均+SE ▲ 平士匂一SE. Figure2 塩味スープの溶かし方の確信度. 粉ジュース(素朴概念通りの溶け方をする物質). を溶かす場面での,5つの溶かし方に対する確信 度について,事前調査と遅延調査の結果を比較し. える比率は,事前調査で有意に高く,遅延調査で. た。カイ自乗検定の結果,5%水準での有意差が. は有意に低かった。また,「水の量を増やす」と. 見られた(ズ2(5)=12.75,p<.05)。一方,塩. 答える比率は,事前調査で有意に低く,遅延調査. 味スープ(素朴概念とは異なった溶け方をする物. では,「水の量を増やす」が有意に高かった。. 質)場面では,0.1%水準で有意差が見られた. (Table2参照)。. (ズ2(5)=21.61,p<.001)。 3.3 理科の授業における学習方略の構造. そこで,両場面ともに残差分析を行ったところ, 粉ジュース場面において,「水の量を増やす」と. 学習方略に関する26項目への回答を主因子法・. 答える比率が事前調査で有意に低く,遅延調査で. 斜交promax回転により因子分析したところ,固. は有意に高かった。また,「水の温度を上げる」. 有値1.0以上で3因子が抽出された。仮説も3因. と答える比率については,事前調査遅延調査とも. 子であったが,固有値の減衰状況からは1因子構. に有意差は見られなかった(Tablel参照)。一方,. 造の可能性もうかがわれた。そこで,因子数を1,. 塩味スープ場面において,「温度を上げる」と答. 2,3因子と変化させて,同様の因子分析を繰り. Tablel粉ジュースを溶かす場面での溶かし方の確信度. 6. 事前調査 遅延調査 合 計. 164. 放置する. かきまぜる 水の量を増やす 温度を上げる つぶす. 空 白 4. (54.5%). 10. 1. (8.3%). (58.8%). (91.7%). (41.2%). (45.5%) 5. 11. 12. 1. 25. (75.0%) (100.0%) 7. 5. (20.0%). 3. 合 計. 0. 25. 1. 50. (25.0%) (0.0%) 17. 4.
(8) 小学生の理科に関する素朴概念の修正が学習意識に及ぼす影響 Table2 塩味スープを溶かす場面での溶かし方の確信度 かきまぜる 水の量を増やす 温度を上げる つぶす. 空 自 事前調査 遅延調査 合 計. 3 5. (42.9%). ロ. (57.1%). 1. 25. 0. 25. 2. 5. 0. (27.8%) (0.0%) (0.0%). (93.8%) 16. 7. 合 計. (72.2%) (100.0%) (100.0%). 15. 4. 6. 13. 1. (6.3%). 放置する. 18. 50. 2. Table3 学習方略と因子分析結果(主因子法・prOmaX回転後) 項. 目. 内. 容. 因子1 因子2 因子3. 自分と友だちの意見のどこが違うのかを,はっきりさせようとしますか。. 0.746. 何が問題なのかをわかって,授業を受け,観察や実験を進めますか。. 0.709 −0.129. 0.171. 観察や実験を進めるときに,どんな順番で進めるか考えてみますか。. 0.659 −0.088. 0.076. 理科の授業中,わからないことがあったら,先生に質問しますか。. 0.615 −0.006. 0.050. 自分の出した結果が正しいかどうかを考えながら,観察や実験をしますか。. 0.6‖. 理科の授業中,わからないことがあったら,友だちに聞いて確かめますか。. 0.441 0.379 −0.044. 話を聞くときには,話している人の方をしっかり見ますか。. 0.025 −0.022. 0.159. −0.399. 0.024. 0.791 0.088. 観察や実験の結果を,わかりやすく工夫してノートに書いていますか。. 0.073. 発表するときには,言うことをよく整理してから話しますか。. 0.308. 先生や友だちの言っていることを,よく聞いてわかろうとしますか。. 0.007. 観察や実験の結果を書くときには,図や表を使い工夫していますか。. 0.289. 0.528 −0.048. 新しいことを調べるときでも,知っているやり方をためしてみますか。. 0.353. 0.437 −0.006. 0.704. 0.093. 0.639 −0.179 0.539. 0.262. −0.023 0.073 0.771. くり返して行う観察や実験でも,あきないで取り組んでいますか。. 0.116 −0.128 0.706. 観察や実験の結果がうまく出なくても,結果が出るまでがんばりますか。 大事だと思った結果や発見は,先生に言われなくてもノートにメモしておきますか。. −0.122 0.191 0.618 0.217 −0.003 0.547. 観察や実験は,一度で満足しないで,何度かくり返してみますか。. 友だちの意見や先生の話で,大事だなと思ったら,しっかり聞いてメモをとりますか。 0.097 0.182 0.485 0.328 0.023 0.425. ノートには,結果の他に自分の考えも書くようにしていますか。 (残余項目). 授業中,前に習ったことや生活で経験したことを思い出すようにしていますか。. 0.356. 0.029. 0.375. ■大事なポイントが何かを考えながら,理科の学習をしていますか。. 0.349. 0.130. 0.305. 実験をするときには,実験の記録をする役をやることが多いですか。. 0.202. 0.163. 0.277. 実験をするときには,実験装置を進んで組み立てていますか。. 0.281 0.220. ■わかったことや気づいたことを忘れないように,ノートに書いておきますか。. 0.066. ■観察や実験をするとき,ときどきやり方はいいのかを見直してみますか。. 0.183. 新しいことが出てきたら,知っていることを結びつけて考えますか。. 0.385. ■友だちと観察や実験の結果が違ったときも,もう一度調べ直してみますか。. 0.322. 因子間相関. 0.335. 0.208. 0.361 0.205 0.336 0.322. 0.111 0.088. 0.497 0.547. 因子1. 0.515. 因子2. α係数. 0.244. 0.80. 0.83. 0.82. 注)上記26項目のうち,小学生にとって内容の違いを把握しづらいと判断された4項目(■のついた項目)を除外し,22項目. で「理科における学習方略意識調査」を行った。. 返したところ,3因子が最適と判断されたため,. 第1因子は,「自分と友だちの意見のどこが違. これを採用した(Table3参照)。3因子解での累. うのかを,はっきりさせようとする。」,「何が問. 積寄与率は,46.6%であった。. 題なのかをわかって,授業を受け,観察や実験を. 165.
(9) 三木 直輝・臼井. 博. 進める。」,「観察や実験を進めるときに,どんな. た4項目を除外し,最終的には22項目で「理科に. 順番で進めるか考えてみる。」など,実際の作業. おける学習方略尺度」とした。. に際して自分の考えや問題点,手順等を思い浮か べて作業との適合をモニターするというメタ認知 的な学習方略を表す因子と解釈された。そこで,. 3.4 学習方略意識の変化 各因子ごとの得点の平均値について,事前と事. 第1因子を「メタ認知的方略」の因子と命名した。. 後の比較を行ったところ,「メタ認知的方略」と「認. 第2因子は,「観察や実験の結果を,わかりやす. 知・リソース方略」において,有意な高まりが見. く工夫してノートに書いている。」,「発表すると. られた(t(53)=3.70,p<.01)(t(53)=1.94,. きには,言うことをよく整理してから話す。」「観. p<.05)。一方,「持続的モチベーション方略」. 察や実験の結果を書くときには,図や表を使い工. においては,有意な差が見られなかった(t(53). 夫している」など記憶の精赦化や体制化にかかわ. =1.67,n.S.)(Figure3参照)。. る認知的な学習方略を表す因子であり,また,「話. を聞くときには,話している人の方をしっかり見 る。」,「先生や友達の言っていることを,よく聞. 】.B. 丁メタ認知 方略得点. 】.7. いてわかろうとする」「新しいことを調べるとき 】.6. でも,知っているやり方をためしてみる。」など. 外的リソースの使用を表す因子と解釈された。そ こで,第2因子を「認知・リソース方略」の因子. ヨ.5. _...礫ト_持絹的モ. チベー ション方 略得点. 3.4. と命名した。第3因子は,「くり返して行う観察 ヨ.∃. や実験でも,あきないで取り組んでいる。」,「観. 察や実験の結果がうまく出なくても,結果が出る. ↓認知・リ ソース方 略乱景. 】.2. までがんばる。」,「観察や実験は,一度で満足し ないで,何度かくり返してみる。」など,学習に. 対する持続的なモチベーションを表す因子と解釈. 事前. 幸徳. Figure3 方略別得点の変化. された。そこで第3因子を「持続的モチベーショ ン方略」の因子と命名した。第1因子と第2因子 との相関は.50,第1因子と第3因子との相関は. 3.5 授業過程における発話の分析 高垣(2004a)のTD類型を用いて,授業内で. .55,第2因子と第3因子との相関は.52と,いず. 生成された発話内容を考慮してカテゴリー項目を. れも比較的強い正の相関関係にあった。. 設定した。他者の考えを引き出したり単に表象し. 次に,各因子に.4以上の因子負荷量を示す項目. たりする発話を表象的トランザクション(正当化. を用いてCronbackのα係数を算出した。その結. の要請,言い換え,併置等),お互いの考えを変. 果,メタ認知的学習方略で.錮,認知・リソース. 形させたり認知的に操作したりする発話を操作的. 方略で.83,持続的モチベーション方略で.82とい. トランザクション(拡張,比較的批判,精赦化,. ずれも十分な内的一貫性が確認された。そこで, 各因子に該当する項目(各6項目)への回答の平. 統合等)とした(Table4参照)。. 評走者間の一敦に関しては,1∼2時間目は協. 均値を算出し,これをメタ認知的方略得点,認知・. 議しながら,5∼6時間目は独立して評定を行っ. リソース方略得点,持続的モチベーション方略得. た結果,平均一致率は91.5%であった。不一致の. 点とした。いずれの得点も高いほど各学習方略を. 点は音声と文字記録を見ながら協議して評定し. 使用することを意味する。残余項目のうち,小学. た。また,素朴概念の修正が行われていく過程を. 生にとって内容の遠いを把握しづらいと判断され. 的確かつ端的に捉えることのできる発話の集積を. 166.
(10) 小学生の理科に関する素朴概念の修正が学習意識に及ぼす影響. Table4 発話分析・分析表. 1 表象的トランザクション (representationaltransaction) ○相手意見を自分自身の物として取り込むよりむし ろ,直接的な対立を避けるような発話。相手の意 見や立場を確認したり,自分の意見との共存を 図ったりするような種類の交渉対話. ラテジーを使う場面である。そして,両場面にお. いて操作的トランザクションの出現率は,それぞ れ28.4%,32.6%であった。. 4.考 察. 話題の提示. 話し合いのテーマや論点を提示す 4.1 る。小学生における二重推理法の効果につい. フィードバッ. 提示された課題や発話内容につい て,コメントを求める。. クの要請 正当化の要請. 主張内容について,正当化する理由 を求める。 自分の意見や解釈を提示する。. 言い換え. 自分の主張や他者の主張と,同じ内 容をくり返して述べる。 他者の主張と自己の主張を並列的に 述べる。. 二重推理法を小学校の学習計画に翻案し,素朴概 念修正の授業を試みることで,二重推理法の小学 生における効果を検討することであった。. まず,「ものの溶け方」における素朴概念調査 の結果から,5年生の子どもは,ものを溶かすと. 溶ける」「温度を上げたらよく溶ける」と考えて. ○他者の対立意見をうまく運用・処理したり,変換 したりすることで,自分自身の意見に積極的に取 り込んでいくような交渉対話 自己の主張や他者の主張に,別の内 容を付け加えて述べる。 他者の主張の矛盾点を,根拠を明ら かにしながら指摘する。. 精赦化. 本研究の第1の目的は,麻柄(1999,2001)の. きに,どんな物質に対しても「かきまぜたらよく. 2 操作的トランザクション (operationaltransaction). 比較的批判. ての検討. 自己の主張が他者の示した主張と相. いることが見いだされた。つまり,「温度を上げ るとよく溶ける」という素朴概念をもっているこ とが確認された。これは,教師が日常の理科の実 践の中で,指導上の課題としてあげていること(三 木,2003 他)と一致する。. 次に,素朴概念修正をめざした授業を行った学. 容れない理由を述べ,反論する。. 級において,素朴概念についての事前調査と遅延. 自己の主張や他者の主張に,新たな 根拠を付け加え説明し直す。. 調査の結果を比較した。子どもの素朴概念通りの. 自己の主張や他者の主張を理解し,. 共通基盤の視点から説明し直す。 (高垣2004aより作成). 溶け方をする粉ジュース場面,素朴概念通りには ならない塩味スープ場面との双方で,「水の量を 増やすと溶ける」と答える比率が有意に上昇した。. これは,どんな物質に対しても有効な方法である 考慮して,授業を①仮説の生成場面,②仮説の検. 「溶媒を増やす」について,子どもが正しく認識. 証過程A,③仮説の検証場面Bの3つの場面に分. したことを表す。一方,「水の温度を上げるとよ. け,分析を行った。. く溶ける」という方法について,粉ジュース場面. 分析の結果,各授業における「TD(=表象的. では高い比率を保ったままであったのに対し,塩. トランザクション,操作的トランザクション)」. 味スープ場面では有意に減少をした。これは,「温. の出現頻度は,それぞれ,1∼2時間目(表象的. 度を上げるという溶かし方」は,有効に働くもの. 63,操作的25),5∼6時間目(表象的35,操作. と働かないものがあることを認識したことを表. 的17)であった。1∼2時間目は「かきまぜてい. す。この結果子どもは,「温度を上げる」という. るのに,溶けない。」,5∼6時間目は「温度を上. 方法についてのみ「ものの溶かし方に関する認識」. げているのに,溶けない。」というように,いず. を変えたことになる。このことから,二重推理法. れの授業においても素朴概念と異なった結果にH. を用いた授業によって,「温度を上げるとよく溶. 会うことで自らの概念を見直していく対決型スト. ける」という素朴概念は修正されたものと考えら. 167.
(11) 三木 直輝・臼井. 博. れる。二重推理法の中学生や小学生を対象とした. を並列させて「認知・リソース方略」とすること. 場合の効果について,小学校5年生の理科の授業. にした。「感情的及び動機づけ的方略」とは,注. という場面での効果が確認された。. 意を集中させたり,自らの動機づけを高めるため の方略であり,本研究の「持続的モチベーション. 4.2 素朴概念修正が学習方略意識など学習意 欲育成に与える効果の検討. 本研究の第2の目的は,素朴概念修正をめざし. 方略」と対応する。このように項目内容の若干の 重複等が見られるものの,本研究で見いだされた 3因子は,先行研究で見いだされた4つの共通要. た授業の,科学的な認識のみならず学習方略意識. 素である方略と基本的には一致している。これは,. など学習意欲の育成に対する効果を明らかにする. 本研究で構成された理科の学習における方略尺度. ことであった。. の内容的妥当性を保証するものである。. まず,小学生が理科の授業中に使用する学習方. 次に,この方略尺度を使って,素朴概念修正の. 略について検討し,小学校理科にふさわしい学習. 授業の前後での学習方略意識の変化を検討した。. 方略尺度を構成した。その結果,「メタ認知的方略」. メタ認知的方略や認知・リソース方略に有意な高. (学習活動のモニタリングやコントロール等に関. まりが見られた。また,有意差は見られなかった. わる方略),「認知・リソース方略」(記憶の精微. ものの,モチベーション方略にも同様な傾向が見. 化や体制化に関わる認知的な活動による方略と既. られた。子どもにとって二重推理法を使って素朴. 有知識や人的リソースに関する方略),「持続的モ. 概念を修正していく過程は,自らの学習活動のモ. チベーション方略」(授業に注意を集中させ,モ. ニタリングやコントロールにしていく方略(メタ. チベーションを高めようとする方略)の3因子が. 認知的方略)や記憶の精微化や体制化にかかわる. 抽出された。先行研究(佐藤・新井,1998;吉田・. 方略と既有知識や人的リソースにかかわる方略. 戸田,2004)では,学習方略に関して「メタ認知 的方略」「認知的方略」「外的リソース方略」「感. 情的及び動機づけ的方略」の4つの共通要素を見 いだしている。本研究での「メタ認知的方略」の 中には,「理科の授業中,わからないことがあっ. (認知・リソース方略)を身につけさせていく過 程にもなっていることが明らかになった。 学習方略の使用が自己効力感,内発的価値,外. 発的価値など学習意欲を高めることは,先行研究 (伊藤,1996;吉田・戸田,2004)で報告されて. たら,先生に質問しますか」「理科の授業中,わ. いる。ここから,素朴概念を修正すると同時に学. からないことがあったら,友だちに聞いて確かめ. 習方略が使用が促され,その積み重ねによって学. ますか」と,先行研究ではリソース方略や援助要. 習意欲が高まっていくという因果モデルが考えら. 請方略に当たる項目が含まれている。ここでは,. れる。麻柄(2001)は,「得意な気分になれた」. 2項目とも「わからないことがあったら」と問う. という学習者の感想を引用しながら,二重推理法. 項目であることから,何が問題なのか何がわから. は学習者の素朴な気持ちに寄り添える方法である. ないのか自らの学習状況をモニターする要素が強. と述べている。このことを小学生に対する授業の. いと考え,「メタ認知的方略」に含めることにした。. 場面で考えると,素朴概念を修正することによっ. また,本研究では,「認知的学習方略」と「外的. て「わかるようになった」という思いをもつばか. リソース方略」が1因子と解された。認知的方略. りではなく,理科の学習方略を身につけることで. と外的リソース方略との関係について,佐藤・新. 「新しいこともわかるようになった」という前向. 井(1998)は,認知的方略が個人内リソースを用. きな気持ちになることだと思われる。素朴概念の. いる方略であり,外的リソース方略が個人外のリ. 修正を組み込んだ授業は,学習者に学習方略を身. ソースを積極的に用いる方略であり,それらの方. につけさせ,それが学習意欲につながるという結. 略は並行関係にあると述べている。そこで,両者. 果は,教育実践を進める上で大きな意味をもつも. 168.
(12) 小学生の理科に関する素朴概念の修正が学習意識に及ぼす影響. のと思われる。. となった。ここが,二重推理法でいう「自分の中. に複数の異なる予想があり,結果を受け入れやす 4.3 素朴概念の修正とそれにともなう学習方. いと同時に,その結果を説明する理由があらかじ. 略意識の高まりは,どのように起きるのか. め学習者の中に準備されている」(麻柄,1999). についての検討. 状態に相当すると思われる。. 第3に,素朴概念修正やそれにともなう学習方 略などの学習意識に関する効果が,授業の場でど. のように育てられるのかを検討する。本研究では, 「温度を上げたらよく溶ける」という素朴概念の. (卦 仮説の検証段階B(Figure5). 子どもは実験を行い,ミヨウバンのときは溶け 残りが溶けた40℃まで温度を上げ,それでも食塩 の溶け残りは溶けなかったことを確かめた。する. 修正を主にしていることから,5∼6時間目の授. と,ミョウバンが大量に溶けた温度と結びつけて,. 業における発話の解釈的分析を述べていく。. 温度が足りないことを主張する子どもが出てきた. (1)素朴概念の修正どのように起こるか. (発言29∼31)。そこに,「温度働かない説」のC. (手 仮説の生成段階(Figure4). 24やC8が,40℃のときのミョウバンの溶け方や. ここでは,「食塩の溶け残りを溶かす」という. 溶ける限界(飽和)もちだして「はたらく説」に. 課題が提示され,それに対する子どもの考えが出. 再度ゆさぶりをかけていく(操作的トランザク. された。最初に「水を足す」という考え(発言3). ション;比較的批判,精微化)。. も出されているが,食塩とミョウバンとの違いを. 「40℃で溶けなかった」という事実は,C24の. 意識したものではない。教師は,ネームカードで. 語尾の変化(発言23から発言24へ)から伺えるよ. 子どもの意見を黒板に位置づけながら,フィード. うに,「温度働かない説」の子どもに確信をもた. バックの要請をする。そうすると,「温度を上げる」. せることになった。一方,「温度働く説」の子ど. という意見が出され,主張−フィードバックの要. もたちは,実験の結果やC24たちの操作的トラン. 請一併置一言い換え(発言8∼13),という「教. ザクションによって意見を変える子どもも出てく. 師一子ども」の間の表象的トランザクションが繰. るが,まだ少数である(3人)。自分の知識(ル・. り返された。そのため,対話者間の相互作用連鎖. バー)への信頼感が大きい場合,その知識が誤り. は出ていない。. である証拠(事実)を碇示しても,それらの効果. ② 仮説の検証段階A(Figure4). は期待できない(麻柄,1990b)。ここから,複. 子どもの意見が黒板上に位置づいたところで,. 数の予想があっても,単に素朴概念と対立する事. 教師は,「温度が働くのかどうか」に問題点を絞. 実と出会わせただけでは素朴概念の修正は難し. り込む介入を行った(発言14)。これによって生. く,対立する事実も複数必要であると考えられる。. まれたC6のミョウバンと食塩との比較による 「温度働かない説」(発言15)は,他の子どもた. ちに大きな影響を与え,もともともっていた考え (素朴概念)にゆさぶりをかけることになった。. ④ 仮説の精微・統合段階(Figure5) 温度をさらに60℃,80℃と上げても溶けないと. き,多くの子どもが「温度働かない説」に移動し た。しかし,ここでも「温度」にこだわる子ども. C13やC23,C24は食塩とミョウバンとの性質の. がいる。それらの発言の内容を精査すると,C12. 違いを想起し,「温度働かない説」を取り入れた。. やC6のように「温度働かない説」やミヨウバン. 特にC23は,前時までに行った実験結果を根拠と. と食塩の性質の違いに同意しながらも,最終的に. して示しながら,反論を行った(比較的批判)。. 納得したいと精微化を求める子どもである。また,. その結果,対立的リンクが表れ,「温度はたらく説」. C8のようにはじめから「温度働かない説」に立っ. の主張がされたが,その主張の中には「もしかし. ていながら,さらに冷やすという条件へ広げるこ. たら,働かないのでは」という迷いを含んだもの. とによって,自分の考えと温度との関係を統合し. 169.
(13) 三木 直輝・臼井 博. ≪科学概念群≫. ≪素朴概念群≫ (1)話題の提示. (1)T150mlの水に20gの食塩を溶かそうとしたら,底に溶け残りが残った。 溶け残りを溶かそうとしていたんだね。. (2)フィードバックの要請. (2)T2 まず,うーん困っていると言う人いるかな。いないのなら,自分で. + + (4)フィードバックの要請. (3)主張. 方法を考えている人いるかな。 (3)C13 水を足せばいい。絶対溶ける。だってね,机に1摘落ちている水に 溶かすより,ビーカーの水に溶かす方がたくさん溶けるよ。 (4)T3 C13さんに賛成の人は,ネームカードを貼って。いくつも方法を考 えている人は,一番いいと思う方法でね。 (5)C5 温めたらいいと思う。. (5)主張. (6)フィードバックの要請. (6)T4 C5君に賛成の人はいる。ネームカードを貼って。. ■K7)拡張 (8)フィードバックの要請. (7)Cl 僕は2つが合わさった方法。水を足して,温めたらいいと思うんだ。 (8)T5 2つの方法を一緒に確かめたら,どちらが働いたかわからなくなる から,1つずつ調べるよ。どちらにする。 (9)Cl まだ,どちらかはっきりしない。うーんだな。. (9)主張. 叫 T6 水を足すに月占っている人,うーんの人は,「温める」という方法は. (10)フィードバックの要請. 働かないと思っているのかな…。 (11)C24 ちがうよ。水増やしても,いっぱい入れたら溶けそうな気がするし,. (11)併置. どっちも働くと思っているんだ。温度と水増やすのとどっちが一番 か迷っている。 (1勿 C12 ミョウバンと食塩では溶け方がちがうから,どっちかなと思うんだ。. (1勿 言い換え. もしかしたら,ミョウバンで働いた水の量も温度もどっちもだめか もしれない。 (1預 C24 食塩とミョウバンを溶かしたとき,ミョウバンは温めるとよく溶け. (1預 言い換え. るけれど混ぜてもあまり溶けなくて,食塩は混ぜたらよく溶けたか ら,どうなるか迷っている。 (14)フィードバックの要請. (14)T7 今ね,両方とも良さそうだという意見が多いので「水を増やす」は 後からすることにして,まず温度が働くかどうかを調べましょう。 じゃ,水を増やすに貼っている人に温度のことを聞いてみよう。 (15)C6 ミョウバンと食塩は違うから,働かないと思う。 (16)C20 食塩って,料理に使うから関係ある。温まると溶けると思う。 (17)C13 わかんないなあ。ミョウバンと食塩は違うから,働かないかなあ。 ミョウバンの方が食塩より溶けにくかったから,ちがうんじゃない かな。 (18)C8 温度は働くと思う。 (1功 C12 食塩とミョウバンは溶け方が違ったから,微妙だな。やってみなけ りゃわからないな。 餉 T8 C12窮みたいな考え,人事だよね。最初に溶かしたことを思い出し. (1功 併置. 餉 フィードバックの要請. て,そのとき溶け方が違ったから温度に対しても違うかなあと考え ているんだね。 ¢1)C わからないなあ。まよっているよ。 ㈹ C22 ミョウバンと同じように働いて溶けると思うんだけれど,自信がな. ¢1)併置. いよ。. ㈹ 併置. ㈹ C24 かき混ぜたときの結果は,食塩は溶けたけれどミョウバンは溶けな くて,でも温めたときの結果はミョウバンは溶けたから…でも,食 餌 言い換え __________________. 塩は微妙だな。溶けないんじゃないかな。 餌 C12 逆かもしれない。食塩とミョウバンは正反対なのかも。 錮 T9 それじゃ,みんなの考えがわかったから早速実験してみよう。ミョ. (姻 正当化の要請. ウバンのときのように,最初は40℃で温めてみよう。. 【実験①】. 〉:対立的リンク. ■ ‥表象的トランザクション :操作的トランザクション. 回 回 回 4 20 5. く. 【実験①…食塩の溶け残りを40℃まで温める】. ※発言(1)∼(13)…仮説の生成段階. 発言(1朴一臣9…仮説の検証段階A. Figure4 仮説の牛成段階,仮説の検証段階Aにおける討論過帯. 170.
(14) 小学生の理科に関する素朴概念の修正が学習意識に及ぼす影響. ≪科学概念群≫. ≪素朴概念群≫ ㈹ 正当化の要請. ㈹ TlO じゃ,時間がきたので,各グループの結果を教えて下さい。 閻 C →1,2,4,5,6G…溶けなかった。3G→失敗した。. ㈹ フィードバックの要請. ㈹ Tl140℃にしても溶けた…というグループがなかったから,「温度を上 げる」はダメなんだね。 餉 C もっと温度を上げなければ,わからないよ。 餉 C 50℃とか60℃にしたらいいんじゃないかな。 糾)C17 60℃がいいよ。ミヨウバンがたくさん溶けた温度だよ…。 ㈹ C24 ミョウバンは,60℃の方がたくさん溶けたけれど,40℃のときも溶 けた。でも,食塩は溶けないんだから,60℃にしても溶けないよ。. ㈹ C いやいや,60℃やもっと上げたら,少しは溶けるよ。 糾)T12 今までの結果を見て,「温度を上げる」は働かないと思った人いる。 ネームカードを移してみて。 →3人…?へ 3人…もっと温度を上げるへ. 糾)フィードバックの要請. ㈲ C23 迷ってきた。砂糖ならテンしたらとけるけど,ミョウバンの方が粒 が大きいのに食塩の方が(温度を上げても)溶けない…。. 下工 ㈹ フィードバックの要請. 郎)C8 温度を上げてもダメだと思う。最終的には溶ける限界があるから, もう食塩には限界が来ている。 即)C8 飽和しているんだ。 ㈹ T13 温度によって溶けると言う人は,温度が上がったら「飽和」の量が 変わると言っているんだね。もっと温度を上げたら溶けるという人. ¢功 正当化の要請. ¢功 T14 それじゃ,60℃にしてもう一度実験してみよう。60℃でだめなら,. は,ネームカードを上に移そう。 80℃まで上げて調べてみよう。. 【実験②】. 【実験②…食塩の溶け残りを,60℃,80℃と温める】 →実験の途中(60℃でも溶けなくて),「温度ははたらかない」′、. 移動した子供…6人 ㈱ T15 それじゃ,どんなことがわかったかな。. ㈱ フィードバックの要請. 姐)各G 溶けなかった。. ㈹ C8 温めたらできなかった。逆に,冷やしたらできるんじゃないかな。 ㈹ C12 温度を上げてダメだったから,だめかもしれないけれど,冷やして 調べて納得したい。 鋸)T16 まだ温度にこだわりがあるんだね。ミョウバンと食塩では溶け方が. 鋸)フィードバックの要請. 違うみたいだから,逆に冷やしたらどうだって言っているんだね。. ㈹ C6 温めるでは溶けないけれど,冷やすでも反対の性質だからうまくい きそう。水を増やすのもいい。 ㈹ C19 食塩を溶かす方法はあると思うけれど,はっきりしなくなった。 ㈲ C7 水を足しても,冷やしても溶けそうな気がする。 ㈹ C9 冷やしても逆戻りで戻っちゃうような気がする。水を足すのもどう かな。 ㈹ C5 温めるのはダメだけれど,冷やすのはいいかもしれない。 (5q)C24 冷やすのもいいかもしれない。温度は関わっていると思う。 (51)Cll水を足すのも,冷やすのも出来そう。 (5勿 T17 それじゃ,食塩は温度を上げても溶けないことははっきりしてきた ね。逆に,冷やしてみたら溶けるのではという,温度にこだわって 考えている人と水の量を増やすしかないという考えの人に絞られて. ■姻 精緻化 ㈹ 主張 ㈲ 言い換え. ㈹ 言い換え ㈹ 言い換え (5q)言い換え. 」(51)言い換え. ト」. (5勿 話題の提示(整理). きたね。次の時間に,そこをはっきりさせよう。. ※次時に,冷やしながら溶かしてみたが溶けない。一方,水を増やすと,5m も入れないうちに全部溶けた。そこから,「食塩は温度を変えても溶け方は 変わらない」ということを納得していった。. 回. :操作的トランザクション. 1 2 1 15. 〉:対立的リンク. ■ ‥表象的トランザクション. 回 回. く. ※発言臣伊∼¢功…仮説の検証段階B. 発言㈹∼帰…仮説の精緻,統合段階. Figure5 仮説の検証段階B,仮説の精緻,統合段階における討論過帯. 171.
(15) 三木 直輝・臼井. 博. て考えようとする子どもである。2度目の実験の. た場面である。操作的トランザクションの生成は,. 結果を受けて出された操作的トランザクション. 協同的知識構成のキーになることは,先行研究で. が,他者を変化させる方向性をもった操作的トラ. 報告されている(Berkowitz&Gibbs,1983;高. ンザクション(矛盾,比較的批判)ではなく,自. 垣,2004a)。ここで着目したいことは,これらの. 己を変化させる操作的トランザクション(精微化,. 場面が,メタ認知的支援(吉野,川端,川村,長. 統合)であることに注目したい。ここでは,子ど. 内,2005)の場面になっている点である。教師の. もが複数の予想のもとに,温度条件を変えながら. 絞り込み介入や2度の実験によって見出した事. 素朴概念と対立する事実を重ねていくことによっ. 実,それに対する子どもの発言は,ネームカード. て,操作的トランザクションの質が他者から自己. による黒板への位置づけと相まって,素朴概念を. へと変わることが示されている。つまり,他者に. 意識化・言語化させることになる。また,この場. 向けられていた対話が,自己へと向けられること. 面の子どもの間に起きる操作的トランザクション. によって,素朴概念修正がなされていく構造に. である「拡張」,「矛盾」,「比較的批判」は,他者. なっていると考えられる。. を変化させる方向性をもったトランザクションで. 理科の授業において,①≪スタイル1≫;対話 者間の相互に関連しない単一の理由を述べる。② ≪スタイル2≫;自己の主張や他者の主張を関連. づけたり精緻化したりする。③≪スタイル3≫; 自己の主張が他者の示した理由と相容れない理由. あり,「なぜそう考えるのか」というメタ認知的 な発間と同様な効果をもつ。このことが,子ども. のモニタリングを高め,ひいてはメタ認知的方略 の使用を促進したものと考えられる。. 最後に,本研究の限界と今後の課題を指摘して. を述べながら,反証する。④≪スタイル4≫;お. まとめにしたい。まず第1に,学習方略尺度の改. 互いの主張を理解し,共通基盤の観点から説明し. 訂が必要だということである。例えば,メタ認知. 直す,という「個別的」対「総合的」の二項対立. 的方略を考えてみても,メタ認知的方略を意識し. 的な相互作用のスタイル間の組織的な変化を経. 出す4年生とそこから3年を経た6年生とでは,. て,知識の協同的な構成が成立する(高垣,2004a)。. かなりの意識の違いがあることは十分考えられ. 本研究の結果を当てはめてみると,≪スタイル1≫. る。本研究では5年生の子どもに対する調査をも. ;発言(1)∼仕鮎≪スタイル2≫≪スタイル3≫:発. とに学習方略尺度作成した。しかし,この尺度が. 言㈹∼¢鮎≪スタイル4≫;発言㈹∼鋤となって. 4年生や6年生の学習方略意識を必ずしも表して. いた。≪スタイル2≫と≪スタイル3≫の境目ははっ. いない可能性もある。そこで,当該学年の学習内. きりとせず,両者が混在しているという違いはあ. 容に即した項目を作成し,そこから共通する因子. るが,おおよそ同じ構造であるということが確認. を抽出し,授業の効果を検討することが必要であ. された。ここから,二重推理法を小学校の指導計. る。さらに,本研究で作成した学習方略尺度は,. 画に翻案して授業をした場合も,「個別的」対「統. 先行研究の共通要素をよく反映した構造になって. 合的」な二項対立的な相互作用のスタイル間の組. いるが,認知方略とリソース方略が同一の因子に. 織変化を経て,素朴概念の修正に至るものと考え. なっていること,リソース方略とメタ認知的方略. られる。. に重なりがあることなど,内容的妥当性を高める. (2)学習方略使用の促進について. ためにさらなる改訂が必要なのである。. 授業の中で,操作的トランザクションが増えた. 第2に,素朴概念の修正に関する研究を授業レ. り,対立的なリンクが起きている場面が3ケ所. ベルで実践し,効果を比較することである。実際. あった。1つめは,教師が「温度がはたらくかど. の小学生の授業を研究の対象する場合,素朴概念. うか」に問題を絞り込んだ場面であり,後の2つ. の修正を意図しない群をつくることは倫理上でき. は実験によって素朴概念と対立する事実が出てき. ない。そのため,本研究では対照群を設定してい. 172.
(16) 小学生の理科に関する素朴概念の修正が学習意識に及ぼす影響. ないのである。これらを克服するためには,事例 を多く重ねることが必要である。 また,これからは,心理学研究と教育実践とを. 村井潤一監修 発達心理学事典 ミネルヴァ書房 423.. 波多野誼余夫・稲垣任世子1971発達と教育における 内発的動機付け 明治図書. 噛み合わせていくことが,ますます求められてい. 板倉聖宜1966 未来の科学教育 国土社. くと思われる。そのためには,本研究では,素朴. 伊藤崇達1996 学業達成場面における自己効力感,原. 概念修正の授業を中心に置きながら,確かな理解 や技能の伝達と学ぶ意欲の育成の双方に関する効 果を分析的に検討した。しかし,4年生ならどう なのか,質問紙法になじまない1∼3年生ならば どうなのか,あるいは,教科を変えたらどうなの. か,研究を蓄積していかなければならない点は多 い。今後も,学校現場の教育実践に寄り添った形 での教育心理学研究が進むことを期待したい∩. 因帰属,学習方略の関係 教育心理学研究,44,340−349.. 国立教育政策研究所(編) 2004 生きるための知識と 技能−OECD生徒の学習到達度調査(PISA)一 麻柄啓一1990b 誤った知識の組み替えに関する一研究 教育心理学研究,38,455−461. 麻柄啓一1999 学習者の誤った知識をどのように修正 するか 科学教育研究,23,33−41,1999. 麻柄啓一 2001二重推理法による誤概念の修止 科学 教育研究,25,128−136. 麻柄啓一・進藤聡彦・工藤与志文・立木徹・植松公威・ 伏見陽児 2006 学習者の誤った知識をどう修正する か−ル・バー修正ストラテジーの研究一. 引用文献・引用サイト. 束北大学出. 版会 三木直輝 2003 子ども一人一人の問題解決を大切にし,. Berkowitz,M.W.,&Gibbs,J.C.1983Measuringthede− Velopmentalfeaturesofmoraldiscussion.Mirrill一 助J∽ゼγ0〟αγおγか,29,399−410.. 確かな理科の力を育てるTT 札幌市教育委員会・TT 少人数指導の手引き,64−71.. 文部科学省 2007 中央教育審議会・審査経過報告書. パーライン1970 思考と構造と方向 明治図書. 文部科学省HP. Chinn,C.A.,&Brewer,W.F.1993Theroleofano−. http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/. malousdatainknowledgeacquisition:Athe−Oretical. frameworkandimplicationsforscienceinstruction. 斤ゼ〃オgぴq′且血c(フォわ〃αJ斤ゼぶゼγCゐ,‘3,1−49.. Clement,J.1982Students’precoceptionsinintroduc− torymechanics.AmericanJournalo/Physics,50, 66−71.. Clement,J.1993Usingbridginganalogiesandana Choringintuitionstodealwithstudent’precon−Ception inphysics.Journalq′ReseachinScience Teaching, 30,1241−1257.. 伏見陽児・麻柄啓一1986 図形概念の学習に及ぼす発 間系列の違いの効果 東北教育心理学研究,1,19. 伏見陽児・立木徹 2006 碇示事例の違いが「三態変化」 の学習に及ぼす効果−ル・バー懐柔型方略の効果をめ ぐって−おおみか教育研究,10.. 細谷 純1976a 課題解決のストラテジー 藤永保(編). Posner,G.J.,Strike,K.E.,Hewson,P.W.,&Gertz W.A.,1982Accommodationofscientificconception:. Toward atheory ofconceptualchange.Science 且血c(7Jわ乃,‘‘,211−227.. 佐藤 純,新井邦二郎1998 学習方略の使用と達成目 標及び原因帰属との関係 筑波大学心理学研究,20, 115−124.. 高垣マユミ 2004a 理科授業の協同学習における発話事 例の解釈的分析 教育心理学研究,52,472−484. 吉田典史・戸田弘二 2004/ト学生の学習方略と原因帰 属及び学習意欲との関連 北海道教育大学紀要(教育 科学編),54,15−31.. 吉野 巌・川端健裕・川村麗衣・長内晋子 2005 素朴 概念の修正におけるフィードバックとメタ認知的支援 の効果一中学校数学授業における実践的研究一 北海 道教育大学紀要(教育科学編),55(2),1−11.. 思考心理学 大日本図書136−156.. 細谷 純1976b 認識のつまづきと認識の発展 わかる 授業 No.3 明治図書130−137. 細谷 純1976c 学習の主体としての子どもたち わか る授業 No.4 明治図書126−133.. (三木 直輝 札幌・岩見沢校大学院/ 札幌市立美香保小学校・教諭) (白井 博 札幌校教授). 細谷 純1977 教科学習の特徴 わかる授業 No.6 明治図書126−135.. 稲垣任世子1995 素朴概念 岡本夏木・清水御代明・. 173.
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