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特集 最近の医療における感染症対策と研究の進歩1 : 最近話題の感染症 : ゲノム解析から臨床まで : 巻頭言

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Academic year: 2021

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特集 最近の医療における感染症対策と研究の進歩

1:最近話題の感染症 −ゲノム解析から臨床まで−

【巻頭言】

(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部先端医療創生科学講座生体防御医学分野)

(徳島県医師会生涯教育委員) 感染症は医療現場で最も頻回に遭遇する疾患であ りますが,大半の場合は抗生物質等によりコント ロールは容易です。しかし,免疫不全時の感染症や, 多剤耐性菌に対しての治療はしばしば難渋します。 更に,SARS に代表されるように新興・再興感染症 の氾濫が人類を脅かしつつあります。そのような現 状をふまえて,予期せぬ感染症に対してどのように 医療現場は対処すべきか,既知の感染症に対しての 予防あるいは治療法開発はどのような方向に進むべ きか等について議論することは非常に重要であると 考え,今回の特集を組みました。 SARS は中国を中心に流行し,日本への侵入が懸 念されましたが現在までのところ日本国内での感染 者は確認されていません。しかし,医療サイドとし ては SARS 患者が発生したときの対処法を整えてお くことは非常に重要です。そこで,徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部の西岡安彦先生に, 台湾での SARS 対策の視察をふまえて,徳島県にお ける SARS 対策の現状について報告して頂きます。 インフルエンザは毎年流行する感染症ですが,イ ンフルエンザ脳炎による死亡例の報告,あるいは鳥 インフルエンザの流行により一段と注目されている 感染症です。インフルエンザワクチンによる予防効 果は不確定であり,抗インフルエンザ薬についても 耐性の増加が懸念されています。そのような現状を ふまえて,インフルエンザワクチンあるいは次世代 の抗インフルエンザ薬の開発の可能性について,徳 島大学分子酵素学研究センターの奥村裕司先生に概 説して頂きます。 ヒトゲノムプロジェクトとともに,各種の微生物 のゲノムプロジェクトも進行し,プロジェクトの遂 行のためには各国で多大な研究費がつぎ込まれてい ます。すでに全ゲノムが解読された微生物もある一 方で,現在進行中のものもあります。この微生物ゲ ノムプロジェクトの現状とはどのようなものか,将 来的にその成果がどのように医学へと還元・応用さ れるのかについて,徳島大学大学院ヘルスバイオサ イエンス研究部の桑原知巳先生に,報告して頂きま す。 感染微生物に抗するためには,ワクチンを開発し て,発病を予防することが最も理想的です。しかし, さまざまな理由でワクチン開発が困難な微生物が存 在しています。最近の医学研究により,新たな視点 からのワクチンの開発が研究レベルで進行していま す。そのワクチン開発の現状および問題点について, 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部の岸 原健二先生に解説して頂きます。 人類は感染微生物に抗しながら,あるいは共存し つつ進化を遂げてきたと考えられています。爆発的 に進歩したと言われる現代の医療を持ってしても, 感染症は人類の生命を脅かす強力な敵であり続けて います。感染症を撲滅することは夢物語かもしれま せんが,少なくとも感染症に対抗するできる限りの 策を考案し実践することは,医療に携わる人達に とって目の前に横たわっている課題であり,この特 集がその一助になればと思っています。 四国医誌 60巻5,6号 111 DECEMBER20,2004(平16) 111

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