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説得文の保持と唱導命題の受容に及ぼす新奇的情報の効果

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(1)

説得文の保持と唱導命題の受容に及ぼす新奇的情報

の効果

著者

佐藤 淳

雑誌名

東北教育心理学研究

4

ページ

39-48

発行年

1991-03-25

URL

http://hdl.handle.net/10097/00121874

(2)

説得文の保持と唱導命題の受容に及ぼす新奇的情報の効果

佐 藤 淳

(東北大学教育学部)

問題と目的

学習対象と学習者の持つ既有知識との不一致から生じ る「疑し、

J

r

迷L、」が一つのきっかけとなって,その後 の学習に促進的効果をもたらす場合がある。このような 事態について

B

e

r

l

y

n

e(

1

9

6

5

)

は,新奇性,意外性の ある刺激が学習者に葛藤を生じさせた場合,学習者はそ の葛藤を低減しようとする傾向を持ち,その結果,関連 する情報に対する探索的行動が喚起されるため,と説明 している。このことは教授者が学習者に新奇である刺激 事象を用意することができれば,その学習を促進させる ことができる場合のあることを示唆している。例えば, 小林(1972)は進化論を題材として,学習者に進化説を いくつか提示することによって「迷い(概念的葛藤)J を生じさせ,この「迷L、」の度合いが進化論についての 知的興味や質問の数などに影響することを示し,また稲 垣・波多野(1

9

7

1)は新奇性を持つ事例を付加すること が学習対象についての知的興味を引き起こすことを確か めている。さらに細谷(1

9

7

6

)

は,誤れる法則(ル・パ ー)を持つ学習者に「驚き」を生じさせるような事例を 先行提示するとし、う学習援助の方略を「ドヒャ一型」ス トラテジーと呼び,この方略が学習の促進に有効に働く 場面のあることを示唆している。以上の諸研究から,学 習者に新奇である刺激を提示することは,学習対象に関 連する情報についての知的興味を喚起させることに効果 を持つ可能性が大きいと考えられる。この効果は,

B

e

r

l

y

n

e

の述べるように,新奇性を持つ刺激によって 生じた葛藤を低減させようとする学習者の内的欲求から もたらされるもの,と解釈することができる。 ところで,この新奇性を持つ刺激がもたらす効果を実 験的に検証しようとする場合,学習者の事前状態を測定 しておくことは重要である。その刺激が新奇性を持っか 否かについて,刺激の内容のみから判断することはでき ないだろう。佐藤(1989)は,テキスト文の保持を促進 させるとし、う文脈の中で働く「命題否定情報」の役割に ついて検討した。ここでは「生物はからだの中に24時間 で一回りする時計を持っており,これによって時刻を知 る」とし、う命題を取り上げ,この命題がほぼ正しいこと を確認した実験操作について紹介したテキスト文の保持 を,

r

命題否定情報」の挿入によって促進させようとし た。この「命題否定情報」は,上の命題を「生物時計説」 とするとこれに対立する別の仮説を紹介し,この対立仮 説の方に高い信湿性を持たせたものである。また逆に, 対立、仮説よりも「生物時計説」に高い信溶性を持たせた 内容で、構成された「命題肯定情報」が用意され,両情報 のテキス卜文の保持に与える効果が比較検討された。こ の場合,被験者により大きな葛藤を起こさせうると考え られた「命題否定情報」に,テキスト文の保持に関する より顕著な促進的効果が予想されたが,テキスト文の再 生テストにおいて,

r

命題肯定情報」に対する「命題否 定情報」の優位性は必ずしも顕著なものではなかった。 この結果は,与えられる刺激が新奇性を持っか否かにつ いてはその刺激の内容のみから判断することはできな い,とした筆者の考察によれば,提供された'情報による 被験者の葛藤の生起の有無が,被験者の事前状態との関 連から考慮されなかったことに起因すると考えられる。 すなわち,

r

命題は偽である」との確信の度合いが大き し、者にとっては「命題否定情報

J

は新奇性を持たず,む しろ「命題肯定情報」が新奇的情報になりえたと考えら れ,さらに,ここで「命題否定情報」が新奇性を持ちう るのは,

r

命題は真である」との確信の度合いが大きい 者に限られたと考えられる。このような考察から,与え る刺激の新奇性は,学習者の事前状態のいかんによって 大きく左右され,後続する学習に与えるその効果も大き く変化するといえる。 本研究では,上述のような意味での新奇性を持ちうる 刺激の提示の,文章を媒体とした説得的コ ミュニケーシ ヨン場面における効果について検討を行なう。ここでは, 唱導する命題 {唱導命題)の信愚性を操作する情報を与 えることによづて,学習者に葛藤を生じさせる。上の考

(3)

察から, I唱導命題は真である」との確信の度合いが大 きければ大きいほど唱導命題の信憲性を低める情報が, 「唱導命題は偽である」との確信の度合いが大きければ 大きいほど命題の信愚性を高める情報が,それぞれ学習 者により大きな葛藤を生じさせる情報となるだろう。こ の場合,唱導命題について,真偽いずれか一方への確信 が持てない者,あるいは真偽判断を保留している者に関 しては,上のいずれの情報が与えられでも,生起される 葛藤は最小になると考えられる。ここで予想されるそれ ぞれの情報提示の効果は,生起される葛藤がより大きい 者について,その葛藤低減のために関連する事柄につい ての探索的行動が喚起されると考えられるため,唱導命 題の内容に関連する事柄が述べられた説得文の保持がよ り促進されることである。また,生起した葛藤がより大 きい者は,葛藤のより小さい者よりも,唱導命題の真偽 についていずれかの解決を求める傾向が強まると予想さ れる。この際,唱導方向への説得が説得文により行なわ れた場合,その説得の効果は葛藤のより小さい者よりも 葛藤のより大きい者に強く現われるであろう。これはす なわち,解決への要求が生じた場合の説得は,要求が生 じていない場合の説得よりも大きな効果を持つと考えら れるためで、ある。したがって,生起した葛藤のより大き し、者は,説得文による説得をより受け入れやすく,結果 として唱導命題の受容の度合いがより大きくなると考え られる。 以上述べてきたように,本研究では,唱導命題につい ての確信度の大小とし、う学習者の主体的要因の一つに注 目することによって,唱導命題の信葱性を操作する情報 の,説得文の保持および唱導命題の受容に及ぼす効果の 有効性を探ることを目的とする。 実 験 【方法】 1) 唱導命題 本実験では「生物はからだの中に, 24時間で一回りす る生物時計を持っている」とする生物時計説を唱導する。 2) 被験者 実験は医療系専門学校の1年生42名を対象に,実験者 が担当する心理学の講義中に行なわれた。これら被験者 は,事前調査に参加した44名のうち,生物時計説の内容 (生物時計とは,生物が示す行動リズムのことを指すの ではなく,生物のからだの中で24時間周期で動く時計の ようなもののことを指し,生物はこれによって時刻を知 ることができるとする考え方)を把握できなかった2名 を除いた者で、ある。 3) 手続き 実験は3セッションに分けて行なわれた。第lセッシ ョンは唱導命題の真偽についての事前確信度の測定であ る。測定は以下のようになされた。「あなたは今のとこ ろどれだけこの生物時計説を信用しているでしょうか。 『生物の体内に生物時計が存在する』可能性はどれだけ あると思うか,下の目盛りの当てはまる数字を

O

で囲み なさし、」との教示を行ない,

10%

ごとに目盛りを入れた

0%

から

100%

までの評定尺度を示して,これに記入させ た。

O

で固まれた数値がその個人の事前確信度として採 用された。評定値が

100%

に近ければ近いほど「唱導命 題は真である」との確信度が高く,逆に

0%

に近ければ 近いほど「命題は偽である」との確信度が高いと見なさ れた。また,評定値が

50%

前後の者は,命題について真 偽いずれか一方への確信が持てない者,あるいは真偽判 断を保留している者と考えられた。この第 lセッショ ン の一週間後に第2セッションが実施された。はじめに提 示される情報文は,

2

種類用意された。一つは,渡り鳥 がどのような手段を用いて目的地を特定するかについ て,生物時計説のほかに地球の磁場説を対立仮説として 紹介し, Iこの地球の磁場説は生物時計説と同じくらい の説得力を持っている」として,両説に同程度の重み付 けを行ない,これらの他にも有力な説が存在する可能性 を示唆したもの (n情報;資料 1参照)である。もう一 つの情報は,同様に地球の磁場説は提示するが,この説 では「渡り鳥の同緯度方向への移動」について説明でき ないことを述べ,生物時計説が真であるとの重み付けを 行なったもの (a情報;資料2参照)である。 n情報は 唱導命題の信愚性を低める情報であり, a情報は逆に信 愚性を高める情報であるといえる。このことからn情報 の新奇性は,事前確信度評定値が

100%

に近づくほど高 まり, a情報の新奇性は,評定値が

0%

に近づくほど高 まると予想される。この情報文読了後,事後確信度測定 1が,事前と同様の方法でなされた。次に説得文が与え られた。佐藤(1989) によれば,本実験で使用される唱 導命題に出会ったときの被験者の疑問は以下の3タ イ プ に大別された。すなわち,場所(生物時計は体内のどこ にあるか),方法 (命題が正しいことはどのようにして 確かめられたか),事例(犬は持っているのか,アサガ オはどうかなど)である。ここではこれらのうち前2者 についてある回答を与える説得文, Iゴキブリの生物時 計は体内のどこにあり,どのようなメカニズムで時計と しての機能を果たしているのか

J

(ゴキブリ文;資料3 参照), Iミツパチの体内に生物時計のあることはどのよ -

(4)

40-資料1

a

情報 文EモE主みながら.質問;こさえていって下さい. さて.先送会E介した主.,専問t7践によれば..'"のtt内に1:1r~均的計J という fiE'に民間 をt十る院長があり.."はこれによって畏 ~'I を知'). 煎んでいく方向の1君主を行っている. とのことでした. しかし‘退去に. r 生物時計 J によらなくても. ~的地への方角を後定する方注がほか にないか.考えをめぐらせてみた生均笠宥がいました.彼1:1.."!:1rl世践のE霊場Jによっ て芳角を決定しているのではないか.と仮定しました.この践について.ちょっと日明し てみましょう. I巴lまはそれ ê~. 一つの大きな==さです.一本の偉定石を考えてみて下さい.持 Eささの N;'iにあたる部分が田町&.S 包にあたるf.I分が ~t笹です.したがって"'1:右と問じよう に.1世t:.上では.jヒ痘や慣~に近づくにしたがって1:カ 1:1~宣くな勺てい豊ます.また. 陪 巨石の真ん申あたりにほ!~が〈・3 つかない.ということがありますね.これは宿主石のJt ん中はEt:力が軍司くなゥているためなのです.したがゥて .1世~上で E主力がもっとも明い地 ll1ば赤道付近.ということになります.つまり.E主力l:1g付近でも勺とも強<.11度が下 がるにつれ次第に甥〈な勺ていくわけです.湿り鳥はこのE主力の笠度~を尽じ取り、それ から温度を訣乏し. ,守角を見るのではないか.とこの生物学者l立考えたのでした. 1.r 生物問 1十J 以外に ~').I叫が方角を知る方法がー勺復察されました.何によるものでし たか.下に司1ft入れなさい. ( )によるもの 2.1~認のE:ìi唱の笠度:三.下のそれぞれの地鼠でどうなゥていますか.書き入れなさい. 苦手通付近 ( ) ゴt5i.問盛 ( ) しかし.この鋭!~. 位のE言究雪たちによってすぐに否定されてしまいました.なぜなら この践で::1.!ritt理E方向への移動.すなわち包皮に治って."が照んでい〈ときの方向の絞 め方を政明することができないからです.鳥 1:1!1!!E章のEt:渇によゥてn角を定めているわげ ではなかったのでした. とのrlt!!援のEt:IIJ伎がき定されたことによって‘現在では売に沼介した「竺効1I'i~十J のみが唯一.J鳥が方角を決定するn:i去として多くの生物学者たちに受け入れられていま 1'. 資料3 ゴキブリ文 資料2 n情報 文EをE支みながら、質問にさえていって下さい. さて.先週沼介した生物崎ltt宅によれば..,1"の伐:内にはf竺勿宍1--:J というf14::E::こ6'l;'.~ を1十る積院があ').鳥はこれによ.,てJ!i.1'を芦0').飛んでいく方向の,..笠をi守っている. とのことでした. ,しかし、・そうではない 1 ・と考える生物学寄もいます・ Rの位内に~~な時計がある 主考える必要はない.とする研究宮たちです.阪らの主~する. ~,).!I,:l1方角を濁る方i圭 を沼介しましょう. それは‘ 「地I草のe渇Jによるも.のです.1也E主はそれett.一つの大きな==右なので す.一本の槍1:右を考えてみて下さい.隠ささのN留にあたる宮、分が!'::ii.S5にあたる 部分がjtgです.したが勺て鰐足右と問じように.1世E草土で1:1.jt ;'iゃ~S!:こ近づくにし たがってE主力IH置くな勺ていきます.また.~軍õ:i E の夜んç,あたりにはねがくっつかな い.ということがありますね.これは梅区吉の頁ん由t:1eカが需くなっているためなので す.したがうて.It!!I章上でE主力がもっとも鳴い地活は赤還付近.ということになワます. つまり.E主力1:11i付近でも勺とも笠<.鑓f!.が下がるにつれ次第二信くなっていくわけで す.rlN主の医喝 J 践とはすなわち‘蟹り R はこの程カの哲I 小な注聖霊モ.~じむつ.それ から主主度を決定し.方角を知ることができる.とする伎のことなのです. 1.r生物時計J以外に程り鳥が方角を知るア5'i主がありました.何によるものですか.下に 奮き入れなさい. ( )によるもの 2.地涼のE霊場の笠度は.下のそれぞれの絶句でどうなゥていまTか.霊童入れなさい. 綜道付近 ( ) jtlSi.問盛 ( ) このrl也廷のI::::J1Jt!:1. ~り鳥が方角を知る方注として. r生物5'H十J"宅守会主.;~~ に怪いl~得力を?寄ヲています.そのI!. この胃""以外:こも有力な伎がいくつかさ霊玄されて おり.必ずしも鳥が tt内に竺物跨計を?寄っていると~乏しなくとも..1=.のさつ1:1!i1明でき る.と考えている~;古学者もいます. (ÄC')文Z をよくt'iんで後の ilr.~:こさえなさい. ゴキブリ巳からだの~,:::~時計を待勺ていて. それによって跨刻を気る. とい乞れて いま1'.どのような事究:こもとづいてこのことが三筏されているのか.紹介しましょう. この問題に火をつげたのは.イギリスのハーカーでした.Í!i女は、いまから 30~王宮古の 19 s.;!;:からω王手にかげて受理更した-iIのt童文の中で‘ワモンゴキブリの時計が.食道下手軍経 阪の陸軍にある初経分ifJS胞と僻心体のこか所にある ことを信告しました.ハーヵーの研究~~~幼時計の _ __ß~出 ありs・をはじめてはヲ量り示したものだけに.竿会に . /.zi三£神経分泌細胞(脳間) 大量なセンセーシ,ンをま量おこしまレた.この真CT, f

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キ-仮I}心休 を高かめるための研究がその後次々とあらわれたので /守?干苧寸ー神経分泌細胞 T・ l ヱ I~ ¥ (神経節) アメリカのロパーツの開もその一つです.ロバー j ア

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ツはi!:1i再突の鎗..ハ-;bーの実厳結果を寓現さぜ ることができなか勺たことから・食道下干華経節・側心 ゴキブリの内分泌腺 自主祭を否定l,..かわりにIiii M l>にある簿経分泌結~こ そが時計であるとしまレた.

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9

z・Io ロパーツ説 ハーカ一説 ところがその後.ハーヵーとI'iじ研究室のプラディが.ハーヵーとロパーツ立方の実感 を遺伝し.いずれに'守しても否定的な鎗果を得ました.ハーカーもロパーツも、lI)1!iこそ 這え.問看とも縛~分ifiSlaを時計とま考え.そこからのホルモンの周期的な主主出が主坊の 24J11r.,JljJIIIの活勧を起こTとしたわげであるが.プラディは.このようなホルモン支E1見 を退け、時計は厄のどこかに存主主するが.そこからの指令ピホルモン経路ではなく.干草経 . ~~伝えられるとし f の司T 吟 神 経 経 路 レに山、τ・ 0 ホ ノ レ モ ン 経 路

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1

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員兄 字 尾 説 一方.これと巴!DIt1l1lを同じくして.豊崎プリンストン大司Eにいた.~湾平IIS • ハーヵ ーとロパーツの実織の退去.ならびにあらためて時計の渇所を求める研究をrrなうていま した.~女の鎗泉もやはりハーカマ・ロパーツのIltに対して奮定的なもので L た.そ L て.厳し<eXのような考えを打ち出しました.すなわち.JIIJ十ほおそらく脳の中のa= {左右ー封ある}に位置している.そこからの街令は縛経緯"を遥ラて電気釣興奮の形で Iiii M iIの縛経分倍組飽に伝お.,.ホルモンの周期的なa~ を引書包こす.というのです. 字尾とブラディの考え也信に略1+11'

1

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.そこからの電気的興奮の形で指令晶噌経経 路を5:わヲてい<.という点で巳 t~常によく似ています.プラディロ寧患の鎗県を見て. tr震が時計のある渇所である可能ttについては大いにあり得るζととして.それを支"し ~したが.そこからの指令がEの中でホルモン経路に切 0 ・わることには聾〈反対しまし た.かつて局間毘の縛経分必絹m震を時計であるとしたロパーツも.Ifiしく実織をaり遷 した鎗..プラヂィと同じ見解を~めてとるに~うています. そこで.信用問のところ、震決でもっともE置からしい肢は.写定とプラディの実続結果を e合して. (1)ゴキブリの活動リズムを支配している時計は左右の視翼にある. (2 )ここからの循<fit::1得経経路を追うて電気的関宮の形で伝えられるが.この伝里程3書 が忌の申でホルモン経路に切り管わることむない. ということになるでしょう.

(5)

資料4 ミツバチ文 とkの文 E をよく~んで後の貧rc~:こさえなさい. ミツバチはからだの牛;ご竺;:,符l十を符勺ていて.それによって崎別を知る.といわれて います.どのような研究にもとづいてこのことが主張されているのか.紹介しましょう. 毎8.ある符定の町別:こエサを同空してお曹、ミツハ・チに与えるようにすると.たとえ .エサを置かなくともミツバチピちょうどその崎重:1にエサ渇にやって来ることがE置かめられ ています.しかし‘このことだげではミツバチが体内に生物~t十を伶勺ているかどうかま でほわかりまぜん.なぜならミツバチが.生物開計kいう内的な要因ではな<.ほかの外 的な要望日によヲて略引を特定している可能性もあるからです. まず考えられるのは.r 京湾の~J です.コ"..の高さは自の出から目没まで時間とと もにJl:ltしています.ミツバチは大湾の高さを匡安にして崎剣を特定しているのかもしれ まぜん.しかしミツバチは.:が厚くて女"がま・,r.:<曹えないよ号沿〈もりや小柄の日 でも.iEしい"'11IにエサIIにや勺て来ることがS置かめられています.したがってミツバチ は r~縄の蔵書 J によラて時刻を符l[しているわ 11 ではないのです.~に考えられるの は.r光の

J

.

です.e先は星から夜と周期的に変化しています.これはくもりや簡の目 でも同じですね.ミツバチI:!先の量の鎗小な ~It 't思じとゥて"刻を知るのかもしれまぜ ん.また『温度Jも院保しているのかもしれ車ぜん.l!!上の温度も岡僚に.昼から夜へ閉 館的に変化するからです.ー目をサイクんとして蜜Itす畠ものには.そのほかに『涯度J f大気中のf:r.JJなどが外的な要因として$げられ直す.これらの要因が.ミツバチの行 動に.~・F を与えるかどうかはどのような実験をすれば明らかになるのでしょうか. そこでミツバチを.~の図のような. r先Jr温度Jr~度J など畠」筏で芳化しない 畳屋2竺で問ラてみます.もしミツバチが上に隼げたような外聞な聖因の変化によって1; g を受けているのなろ~. このような偲贋の中では.ミツバチはいつ昼でいっ夜なのかわ から位いはずです.したがって.正しい開"にエサ忽にやゥて乗るζとは不可侵なことに なります.書て.実際.~ミツバチほどのように窓る買うのでしょうか. D:sr.,.午前 10時にエサtCにエサを置曹.ミツバチに与えます.すると震いたことにミ ツバチはエサを置かない E でも. 午前 10開きっかりに奥浦を飛び出てエサ~へと照んでき たのです.これによって.ミツバチピ党の霊平温度・程度のJt:化を手僚かりにして筒刻を 釦るわげではない、ということがわかりました. ζ れで.ミツバチピ~r,, "'tt を f帯ヲている.といヲてよいでしょうか.いいえ.もしか すると宇宙線のような弘たちには!尽じることのできない衆知のものが.飽1章の自伝に伴ゥ て24時間周期で定化していて.ミツバチの行動をコントローんしているのかもしれませ ん・このようなものが舵むしているかどうかは.包皮のi主うところ{防さがあるところ) へミツバチを運んで. どの崎 l~ にエサを取りに烹るかを;[かめれ..わかるごずです.この ~~主をしたのはドイツのレンサーという学者です. -外的要因が一様 で変化しない部屋 まずミツバチを三.!l.で伺い.午foI9'"にエサを与え‘その崎重1'にエサ!Iに乗るようにし ます.これはもちろん、党争温度・湿度が一定で変化しない.上のような舵塵の止で符な います.このII.M ζ主主ツパチを照行慢でいそいでとと二三二之へ運びます.そし て.ニューヨークで何"にエサ繍を訪れるかをUJ需します.もしミツバチiI'fDiか来知の外 的な要因を手僚かりにして時刻を知るのなろ tま.バリーニューヨーク間には 5 時間の~奮 があるので.バリでエサを与えたときa・0:.29時間後.すなわちパリ時間で午後2時に三 サ:;へ祭るはずです.もし体内に崎聞をはかるしかけをf寄っていれば.逼ばれたこととは I:oi~ なく、 24 時間後.午前 9111 にエサtIへ乗ることになります. さてU療の鎗果はどうだったでしょうか. ミツバチは.バリ崎問で午前9崎、つまり 24時間後にエサ繍に怪を現しました.ミツバチばどんな外的要因にも左右されず.~;;'I を知ることができたのです・この銘異から.rミツバチはその体内に.時間をはかるF:!十 をf寄っている」ということがで量るでしょう. 資料5 再生・再毘課題 陪l~ 1 さきlこ2たんだ.二 つ の 文 宣 (rミツバチの:!JとFゴキブリのlAJ)をできるだけ正信 に守.い出しながら.以下の問題に蓄えなさい. A. %1'.rミツバチの諸』についての問題です. 1.rミツバチのお』を!!.い出しながら、 24肉目白周期で変化する外的な要因をで量るだけ たくさん下に撃げなさい. ( ) ( ) ( { } ( } 2.ょに零げたような外的な要因の変化がミツバチの符動に I~ぎを与えるかどうか. とい うことを明らかにするためには.どのような所でミツバチの行動を観察したらよいか 答えなさい. 3.下の(1) - (31のそれぞれについて..iE.しいものを7.イ.ウの中から温んでOをつ 付て下書い. 生物竿寄レンナーはミツバチを部屋ごとバリからニ sーヨークヘ辺びました. (1)ミツバチが生物時計を符ヲていると仮定すると.移動復にミツバチはパリ時間と ア 閉 じ 時 刻 イ S開閉すれた"刻 ウ1Z開閉ずれた同剣 にエサをDI)にでかけるはずだ. (21 未知の外的要因に~嘗されていると仮定すると、移動~にミツバチはバリ時間と ア 同じ持主1: イ 5 時間ずれた ~;;:I ウ 12~~u' ずれた'1 '1 にエサを12りにでか吋るはずと. (31レンナーの実駿結果によれば.ミツバチピパリ時間と ア 閉 じ 時 期 イ 事 情 問 ず れ た 時 刻 ウ 12~問ずれた時111 にエサを取りにでかけた. B. ~に. rゴキブリの2白 に つ い て の 問 題 にltえて下さい. l.~の短文のうち.正しいもの t本文中に遂べられていたもの}にO.間違っているも の(述べられていなかゥたもの}にx、わからないものにt与を..号につ付ていうて 下さい.r ゴキブリのI!J をよく~.い也して蓄えなさい. (1)イギリスのハー11-11.ゴキブリの笠物'It十は、届r:l1'.持主主分溢組犯とE史家のこか I'!iにあると慌告した. (2)イギリスのハーカーは.ゴキブリの生物情針は、食道下縛fil分必細胞とfII.(伎のニ か所にあると健告した. (3) ハーヵーは.縛程分法細胞からのホルモンの周期的な1tI出が 2 ・r.;~周期の活勧を おこすと考えた. (41 ロパ』ツは.神経分必細胞からのホルモンの周期的な盟主出が.2~問血l悶の活動を おごすと考えた. (51ロパーツは.属関節にある持経分必縮施農が碕計であるとした. (6)ブラディは.時計からの指令位、ホルモン鐙匁でほなく.~lli経13 を遇って伝えら れるとした.

(6)

( , フラヲィ己 主 ~;'!~Tが r..l~.;;こ存 ε するというぷを支:-;じた. (81 字毘湾干..‘町計はおの中の寝ま:こ位::iしていると述べた. (91 字足._.時計からの指令::!~~主主主おを透って待足分注包犯に伝わり.ホルモンの思 l'!9'lな忠也を引き,.!!:!こすと主張した. (10)ブラディは.字足の伝連経1:1のホルモンきりかえ鋭を否定した. 2.E 終的に.双~でもっとも E置からしい伐とはどのようなものであったでしょうか. ~の文E置を思いとして.この袋を二つに分けて( )内に:己主しなさい. (上の 還!P-!主文を舎考にしてよい}

l

i

l -2 1 1 うな実験操作によって確かめられたか

J

(ミツパチ文; 資料4参照)を作成し,この二つの説得文をすべての被 験者に与えることにした。説得文の提示順序は,順序効 果が生じた時これを相殺する目的で,ゴキブリ文先行・ ミツパチ文先行の2種を設定し各群に等質に割り振っ た。第1の説得文読了後,事後確信度測定2が,第2の 説得文読了後,最終確信度測定が行なわれた。以上の第 2セッションで使用した冊子を回収し,続いて第3セッ ションに移った。まず,説得文の再生・再認課題として ミツバチ文3課題 (M 1, M 2, M 3 ) , ゴキブリ文2 課題 (Gl, G2)に答えてもらった(資料5参照)。 次に,最終確信度測定と合わせて,唱導命題が受容され たか否かを見る課題(受容課題;資料

6

参照)として, ある条件下に置かれた3種の生物の行動を予想してもら った。これらの課題の選択肢の中には,生物が生物時計 を持っていてこれに基づいて行動していると考えた場合 に選ばれるべき行動事例と,そうではなくて外的要因に 影響されて行動していると考えた場合に選ばれうる事例 とが含まれている。この受容課題は説得文の再生という 文脈の中に位置付けられるものではなくて,被験者の思 い・考えを問う課題であることを強調するために,

i

(

あ なたは)どう思うか」とし、う表現が問題文の中に含まれ 資料

6

受 容 課 題 n男a 2 以下の質問に答えて下さい. 1.オジギソウという組物(1.日本でほ.1;に震を関昼夜l主震を閉じます.この目志の 才ジギソウを.もしも一目中文民がttまない(つまりーE申.nである)J::の北極に 符ゥてい勺た渇合、震の閑閑はどのようになると思いますか.下から選んでOをつ 11て下さい. 7 6 %で昼にあたる町問に震を聞き.夜にあたる時間に去を閉じる. イ 巴%で夜にあたる時間に震を問題.昼にあたる時間に=を閉じる. ウ _ c由."'"を聞いたままである. エ一目申.:を閉じたままである. 2. a 之で自~i っていた金主ニワトリピ lue午r;5 "1:こコケコ℃コーと~.~きました.ご のニワトリをニューヨークへ運んだ民合 旦至笠旦エ何9.iに'!:くと尽い :;1"0',下 から選んでOをつげなさい. ただし.6 志~ニューヨーク間の8~zr(:!8li'iru'とし ます. E杢亘r:::'t' ア 午後9Ft (ニューヨーク崎市午前5irr) イ 午 前511 ( " 午 ~I 時} ウ 午 後1鴎 ( H 午後9跨} 3.ツクックホーシ位、日耳障では夕方8i霊r.J1l.午後41i'iから夜の7時にかけて目虫垂ま す.ある TV 鵬で.とのツクックホーシの~と嶋量声をモーニングシ,ーの三皇室 でii:tしてみたいと考えました.このモーニングシ,ーの敏送時間(1t11SIi'iです.あ なたがこの・1Ilのディレクターだ勺たらどうしますか.下から選ぴなさい. ア ツヲツクホーシを鯛明くようにtn.し、tIIaによゥて開羽くようにな勺たも のだ"を木にとまちぜ.それを中健する. イ 大がかりなセヲトをつ〈・3て問.明平気温に気を!!I').夕方の紋皮を作り出し てツクックホーシを噴かぜ.それを中纏する. ウ 日本と12時間の崎重のある固から、その国のツクックホーシを日本へ符qて ーて.木にとまらせて鴫いたところを中纏する. エ そ の 他 { るようにLtこ。 4)群分け 本実験の被験者42名に2種の情報文を無作為に割り振 ったところ, n情報を与えられる者22名, a情報を与え られる者20名となった。前者22名中,事前確信度評定値 が50%以上の者は21名(残りー名は30%)で,このうち 評定値が100・90%であった者をHn群 (8名), 80・70 %であった者をM n群 (7名), 60・50%であった者を Ln群 (6名)として群分けを行なった。また,後者20 名中,事前確信度評定値が50%以下の者は5名(残り15 名は60%以上)で,このうち評定値が0・10%であった 者をHa群 (1名), 20・30%であった者をM a群 (1 名), 40・50%であった者を

La

群 (3名)とした。し か し こ の よ う にa情報を与える群について,集団実験 の分析に耐える人数が確保できなかったことから,ここ では n情報の効果について分析を進めていくことになっ 7こ。 【結果の予想】 1 )事後確信度評定1において, Hn群・M n群・ Ln 群共に,評定値は事前より下降する。この場合,その 下降幅はHn>M n>Lnの順となる。

(7)

命題の信湿性を低めるn情報は,各群それぞれの事後 評定値を低めると予想されるが,その下降幅は,葛藤 のより大きい者により大きく,葛藤のより小さい者に より小さくなると考えられる。 2 )再生・再認課題の成績は, Hn>Mn>Lnの順に なる。 3 )受容課題の成績は,Hn>M n>Lnの順になる。 4 )最終確信度評定において,事前からの上昇幅は, H n>乱1n> L nの)1慣になる。 説得文による説得の効果は,葛藤のより大きい者によ り大きく,葛藤のより小さい者により小さくなると考 えられる。 【結果】 1 )確信度評定値の推移 唱導命題についての確信度は,事前,事後1,事後2, 最終の,合わせて4回測定されている。ここではその推 移を群ごとに見てし、く。(図l参照) Hn群, M n群, Ln群の事前評定値の平均は,各々96 %、 79%、55%であった。情報文読了直後に測定された 事後評定値lの各群ごとの平均は, Hn群,M n群, L n群,それぞれ84%、70%、50%で,評定値は,各群共 に事前より下降した。その事前から事後lへの下降幅は, それぞれ12%、9%、5%であり, Hn>Mn>Lnの順 になっていることが分かる。 次に,第一の説得文読了後に測定された事後評定値2 の平均を見ると, H n群93%、M n群73%、Ln群55% で,事後lから事後2への上昇幅は,それぞれ9%、3%、 5%であった。 第二の説得文読了後に測定された最終評定値の平均 は, Hn群95%、Mn群86%、Ln群63%となり,事 後2から最終への上昇幅はそれぞれ2%,13%、8%であ った。また事前から最終への上昇幅は, -1% , 7%, 8 %となり, Hn<Mn<Lnの順であった。 2 )再生・再認課題の成績 再生・再認課題5問の成績について,それぞれ各群ご とに集計した結果を示す。(表l参照) まず,ミツバチ文の再生課題であるM1について見る。 この課題は, 24時間周期で変化する外的要因を列挙させ たもので,文中には 5要因が述べられていた。したがっ て,最大値は5,最小値はOとなる。出された要因の数 を群ごとに平均した結果,成績はHn>Mn>Lnの順 となった。これを分散分析したところ,三群間の成績に 有意な傾向が見られた。

(

F

(2, 18) =3.17 P <.10) 次にM2について見る。この課題は,外的要因がミツ パチの行動に影響を与えているか否かを明らかにする観 察方法の再生を求めたもので,文中に述べられている, 外的要因を制御することのできる実験室について説明が 加えられていた場合に正答とみなした。それぞれの群に おける正答者の割合を比較したところ, Hn群に有意に 正答者の多いことが示された。 (;(2=6.55 P<.05) M3は,文章中に記述された実験結果の再認と新たな 実験結果予想課題とで構成されている。表1ではM 3 (3) で実験結果を正しく再認しえた者の割合を群ごとに示し た。正答者の割合を群ごとに比較したところ,Hn>M n>Lnの順となったが,ここでは有意な差は認められ なかっ7こ。 (χ2=1.12 P>.05) 次に,ゴキブリ文の再生課題についてみる。 G1は, 10 聞からなる文正誤判定(本文中に述べられていたか否か) % 100 85 70 55

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

:

ー_-一 ー_-一Hn群 ーー-Mn群 ---Ln群 事 前 事 後l 事後2 最 終 評 定 図1 各群の確信度評定値の推移 表1 各 群 毎 の 再 生 ・ 再 認 課 題 成 績

注寸空

M1 M2 M 3 (3) G 1 G2 Hn 群 4.0 100% (8/8) 88~ぢ (7/8) 6.0 1.00 Mn 群 2.7 43% (3/7) 86~ぢ (6/7) 4.3 0.87 Ln 群 2.0 50~ぢ (3/6) 67~ぢ (4/6) 4.0 0.67 註 :M1は要因の再生個数の平均 (Max5,MinO), M2・M3は正答者の割合

(8)

課題である。正答数を群ごとに平均した結果から,成績 はH n>M n>L nの順となった。これを分散分析した ところ,有意な差が認められた。 (F(2、18).= 3.99 p <.05)下位検定の結果, H n群と L n群の成績の差 が有意であった。(t = 2. 80 P < . 01) G2は,生物時計があるとされる身体部位,および指 令の伝達メカニズムの再生を求めたもので,文中に述べ られた当該部分が再生で、きている場合に正答とみなし た。両者正答の場合に2点,いずれか一方正答の場合に l点を与え,点数を群ごとに平均した結果,成績はH n >M n>L nの順であ っ た 。 し か し こ れ を 分 散 分析し たところ,有意な差は認められなかった。

(

F

(

2

、18) =0.28 P>.05) 3 )受容課題の成績 受容課題は3題あるため,まずそれぞれの課題につい て,生物が生物時計に基づいて行動していると考えた場 合に選ばれるべき行動事例を選択した者(受容者)の割 合を,群ごとに示す。 (図2参照) まず,セミ課題における受容者の割合は, H n群63% (5/8), M n群57%(4/7), L n群33%(2/6) で,成績 はH n>M I1>Lnの順であった。次に,ニワトリ課題 における受容者の割合は, H n群75%(6/8), M n群71 % (5/7), L n群50%(3/6) となり,成績は H n>M n>L nの順であった。また,ネムノキ課題においては, H n群50%(4/8), M n群 14%(1/7), L n群33%(2/6) となり, H n>L n>M nの1)債であった。しかしながら, 3課題いずれにも統計的に有意な連関は認められなかっ た。(セミ ;

x

2=2. 22ニワトリ

x

2二 1.07,ネムノキ, χ2= 1.26,いずれも df = 2) 次に,これら3題について全て受容回答した者の割合 を各群ごとに比較すると, H n群38%(3/8), M n群 14 % (1/7), L n群 17%(1/6) で, H n>L n>M nの 順であった。しかしこれらの聞に有意な差は認められな かった。 (χ2=1.36 df = 2) 4 )最終確信度評定値と受容課題成績との相関 最終確信度評定値の全体の平均は83%であった。そこ で,最終評定値が80%以上の者を高群(14名,) 70%以 下の者を低群 (7名)として,最終評定値と受容課題成 績との相関をみた。(表2参照) まず,それぞれの課題ごとに受容者の割合を比較して いく。セ ミ課題では,高群64%,低群29%ゆ(=.34,X2 =2.39)。ニワトリ課題では,高群79%,低群43%。( =.36,

x

2 =2.68)。ネムノキ課題では,高群43%,低群14 %(ゆ=.29,

x

2= 1. 71)。以上のように, 3課題とも高 群に受容者が多い傾向にあった。 また,この3課題を合わせた受容回答割合を群ごとに 示すと,高群62%(26/42),低群29%(6/21) (1)=.31, χ2=6.22 P<.02).となり,高群に受容回答が多いこ とが示された。

察 ここでは,得られた結果について,先に述べた結果の 予想に対応した考察を行ない,合わせて見い出された問 題について論じる。 本実験で、設定された3群のうち, H n群の被験者は, 「唱導命題は真である」との確信の度合いが大きい者, L n群の被験者は,命題に対する真偽判断を保留してい ることから確信の度合いが小さい者であり, M n群の被 験者は,確信の度合いについて上記両者の中間に位置す る者であった。まず,これらの者に,唱導命題の信愚性 を低めると予想された n情報が,どのように受け止めら れたかについて見る。情報文読了直後に測定された事後 評定値lの結果から,いずれの群においても評定値は事 % 100 80 60 40 20

D H n群 医濁Mn群 ~Ln 群 セミ課題ニワトリ ネムノキ 課題 課題 図

2

各課題毎の受容課題成績 表2 最終確信度評定値と受容課題成績との相関 註:各セノレ内は人数

(9)

前より下降し,またその下降幅は

Hn>Mn

>

Ln

の順 になっていることが示された。このことは, n情報がす べての群において唱導命題の信葱性を低めるよう働いた こと, しかもその低減の度合いは,命題に対する確信度 が大きい者により大きく,小さい者により小さかったこ とを示している。したがって,

n

情報は

Hn

群の被験者 により大きな葛藤を生起させ,

L

n群の被験者について はより小さな葛藤しか生起させなかったということがで きる。また,

Mn

群の下降幅の大きさが両者の間にあっ たことから, n情報が生起させた葛藤の大きさは,事前 評定値に応じて連続的に変化していたことが示された。 以上のことから,予想lは支持されたと言える。 最終確信度評定における各群の平均値は,

H

n

>

Mn

>

Ln

の順となったが,事前から最終への変化は,

Hn

群で

1%

の下降,

-

Mn

群・

Ln

群ではほぼ同様の上昇幅 となり,予想

4

とは異なる結果が得られた。予想

4

は, 生起した葛藤がより大きい者は,葛藤の小さい者よりも, 唱導命題の真偽についていずれかの解決を求める傾向が 強まると考えられるため,説得の効果はより強く現われ るだろうとの仮説から導かれたものであったが,ここで は支持されなかった。

Hn

群で評定値の上昇が見られな かった理由には, 8名中 4名の評定値が,事前,最終と も

100%

であったことから,まず天井効果が挙げられる だろう。しかし,小幅ながらも下降に転じた理由は何‘で あろうか。この結果は,あるいは,葛藤の大きい者につ いて説得の効果が強く現われるとし、う両者の関係が一義 的に決まらない場面のあることを示唆しているのかもし れない。例えば,ある者にとって,生起した葛藤が大き すぎた場合,後の情報探索が拒否されることが考えられ (小林,

1

9

7

2

)

,その場合には説得の効果も現われないこ とになる。

Hn

群の中で,事前から最終へと評定値を下 げた者は

l

名おり,この者の評定値の推移は,

1

0

0

-

7

0

-7

0

-

:7

0

であったことから, n情報は,この者にとって「大 きすぎる」葛藤を生起させてしまった可能性が考えられ るだろう(この被験者は受容課題において全て非受容回 答であった。この者を除いた

Hn

群の最終評定値平均は

99%

,上昇幅は

3%

)

。また, L n群では, 6名中

2

名が 事前から最終への評定値の上昇を示していた。上昇幅は それぞれ,

40%

(

5

0

-

9

0

)

20%

(

5

0

-

7

0

)

であり,この 2名に対しては,葛藤の小さい者について説得の効果は 強く現われないとした仮説を支持しない結果となってい る

(40%

の上昇を示した者は受容課題において全て受容 回答,しかし

20%

の者については全て非受容回答であっ た。この

2

名を除いた

Ln

群の最終評定値平均は

55%

, 上昇幅

0%)

。したがってここでの結果も,説得の効果の 大きさについて別の条件が影響する場合のあることを示 唆している。例えば,ここでもう一つの可能性を挙げれ ば,本実験で用意された説得文の内容が,ある者にとっ ては説得文たりえ,ある者にとっては説得文として十分 ではなかったのかもしれなし、。このことは,本実験では 測定されなかった被験者の既有知識と関係していると考 えられ,今後これについて吟味していくことが必要にな るだろうと思われる。 次に,説得文として使用されたミツバチ文,ゴキブリ 文の再生・再認課題の結果を見ると, ミツバチ文の再生 課題であるMl, M2およびゴキブリ文の再認課題であ るG1で条件差に有意な傾向が見られたこと,また有意 な差が認められなかったM3,G 2においても,その成 績は

Hn

>

Mn

>

Ln

の順であったことから,予想

2

は 支持される傾向にあるといえる。この結果は,ある外的 刺激によって被験者に葛藤を生起させた場合,その葛藤 低減のために関連する事柄についての探索的行動が喚起 されるとし、う従来の研究仮説を支持するものであるが, 先行諸研究が外的刺激の有無,あるいは外的刺激の違い によってこの仮説を検証しようとしたのに対し,ここで は,同ーの外的刺激を与えた場合でも被験者の主体的要 因の違いによって生起する葛藤の大きさに差が生じ,こ れに対応して探索的行動の喚起の程度に変化がもたらさ れることが示唆されている。今後,これに関連する研究 においては,被験者の主体的諸要因をあらかじめ測定し これとの関わりから,与える刺激の効果を検討すること が必要になるだろう。 受容課題の成績については有意な差は見られなかった が,ネムノキ課題を除く

2

課題で

Hn

>

Mn

>

Ln

の順 であり,また3課題を合わせた受容回答割合で、もこの順 序に変化はみられなかったことから,予想3は支持され る傾向にあると考えて良いだろう。しかしながら,予想 3は予想 4と同じ仮説から導かれたものであり,先に述 べたように唱導命題の受容はこのような実験事態におい ても葛藤の大きさから一義的に決定されない可能性が示 唆されたため,ここで示された受容課題の成績の順序が 葛藤の大きさに規定されたものなのか否かについてはこ の結果のみから判断することは出来なし、。したがってこ の仮説は,例えば受容課題と同様の課題を事前に配し, これと事後課題との成績を比較しうるような手続きをと ることによって,再び検討される必要があると考えられ る。また, 3課題聞の結果を比較すると,生物種によっ て受容者の割合が若干変化する傾向が示された。特にM n群において,植物についての受容は動物についての受 容よりも低い割合になっている。これは,説得文がし、ず

(10)

れも昆虫を例に述べられたものであったことが理由の一 つであると考えられ, したがって説得文の中に含まれる 生物の種類が命題の受容に影響を及ぼすことが示唆され たといえる。 以上述べてきたように,本実験では唱導命題の信懇性 を低める情報が,説得文の保持と唱導命題の受容に及ぼ す効果について,被験者の主体的要因の一つである唱導 命題に対する確信度の高低に注目することによって検討 してきた。その結果,単一の外的条件下においても,生 起する葛藤の大きさは被験者の主体的要因のいかんによ って変化することが示され,さらにこの葛藤の大きさと 説得文の保持成績の両者の関係が無相関ではないことが 示唆された。しかしながら,葛藤の大きさと唱導命題の 受容との関係についてはここでは明らかにされておら ず,今後新たな課題の付加や他の主体的要因との交絡に ついて考慮していくことが必要になるだろう。また,本 実験では唱導命題に対する事前の確信度評定において50 %以下の評定値をつけた者が少なかったことから,唱導 命題の信憲性を高める情報 (a情報)の効果について検 討することができなかった。これは,本実験の被験者の 中に,事前から唱導命題に対して肯定的な意見を持って いた者が多く含まれていたことによる。したがってa情 報の効果は,この唱導命題に対して否定的な意見をあら かじめ持つ被験者群を抽出することによって検討されね ばならない。またあるいは,本実験の前に実施された事 前調査において生物時計説の説明が行なわれていたこと から,ここで、は否定的な意見が持たれにくかったとも考 えられるが,手続き上,生物時計説の内容を被験者が事 前に知っていることは必要不可欠であるため,この部分 を削除してしまうことはできない。したがって唱導命題 の信懇性を高める情報の効果は,あらかじめそれに対し て否定的な意見を持つ被験者が多く存在するような,本 実験でのものとは異なる内容の唱導命題が用意された時 点で検討されるのが適当であるとも考えられる。この場 合,

i

唱導命題は偽である

Jとの確信の強い者について,

唱導命題の信渡性を高める情報はより大きな葛藤を生起 させ,その結果説得文の保持を促進させる効果を持つと 予想される。

Berlyne, D. E. 1965 Structure and directionin thinking. 思考の構造と方向 明治図書 細谷 純 1976課題解決のストラテジー 思 考 心 理 学 大 日 本 図 書 136-156 稲 垣 佳 世 子 ・ 波 多 野 誼 余 夫 1971 事例の新奇性に もとづく認知的動機づけの効果 教育心理学研究,19, 1 ,1-12 小林 幸子 1972 認知的動機づけにおける概念的葛藤 の最適水準教育心理学研究, 20,2,81-91 佐藤 淳 (印刷中) 命題否定情報が後続文の読み に及ぼす影響 東北教育学会第

4

7

回大会発表論文集

-

(11)

47-The Effects of the N ovel Information on the Retention of the Passages for Persuasion and on the Acceptance for the Reading Proposition

Jun Sato

The purpose of this study was to investigate the effects of the novel information on the retention of the passages for persuasion and on the acceptance for the leading proposition. To begin with, the subjects were divided into the following three groups; H group was consisted of the subjects who believed the truth of the leading proposition strongly. M group was the subjects who convinced the truth of the proposition moderately, and L group was the subjects who did not convince the proposition. The information for reducing a reliability of the leading proposition

which we called the negative information (N-INF), was given to all three groups.It was expected that N-INF would have the promotable effects on the retension of the passages for persuasion and on the acceptance for the lead -ing proposition according to the level of the conviction because it was hypothesized that the higher the level of con -viction that the leading proposition was true was, the stronger the novelity of N-INF came to be.

The following results were obtained :

1) The performance of the retention test was ordered as follows ; H group

>

M group

>

L group.

2) The performance of the acceptance for the leading proposition showed the following order; H group

>

M group

>

L group.

3) But the growth rate which was calculated by the procedure (posttest score-pre test score on the conviction scale) was such as L group

>

M group

>

H group.

Key words : novel information, persuasion, reliability of the proposition

参照

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