動的単一モードレーザの開拓
——
大容量長距離光ファイバ通信用の半導体レーザ
——
末松
安晴
†a)Evolution of Dynamic Single Mode Lasers for Full-Scale Optical Fiber
Communications
Yasuharu SUEMATSU
†a)あらまし 動的単一モード(DSM)レーザは,1)波長が光ファイバの最低損失波長帯,1.5µm 帯で働き, 2)安定な単一波長の光を発し,3)波長が一定の範囲で可変・同調できる,大容量長距離通信用の半導体レーザ で,具体的には温度同調のDSM レーザとしての位相シフト分布反射器レーザ,すなわち位相シフト分布帰還 (DFB)レーザなどや,電気同調の DSM レーザとしての分布ブラッグ反射器(DBR)を用いる波長可変レーザ などが使われている.このDSM レーザは 1972 年の着想以来,1980 年に動作実証,1981 年に実現され,1987 年頃から陸上の幹線で,1992 年からは光海底ケーブルで使われ始め,特に位相シフト分布反射器レーザは製造の 歩留まりが高く,大容量長距離光ファイバ通信用の標準レーザとして今日まで一貫して広く用いられている.こ の間にDSM レーザを用いる光ファイバ通信技術は驚異的な発展を遂げ,インターネットの国際展開のための情 報伝送を担い,情報通信文明の到来に貢献している.このDSM レーザの開拓の経緯,発展,そして特性などに ついて展望した. キーワード 動的単一モードレーザ,DFB レーザ,DBR レーザ,位相シフト分布反射器レーザ,位相シフト DFB レーザ,可変波長レーザ,光ファイバ通信,1.5µm レーザ,GaInAsP/InP レーザ,長波長レーザ,光ファ イバ,幹線通信,光海底ケーブル,大容量長距離通信,情報通信文明
1.
ま え が き
光は人類が制御できる周波数が最も大きい電磁波
で,情報通信技術などの分野で広く用いられている.
この状況はレーザの出現によって起った.
1917
年に
Albert Einstein
が誘導放出の概念を発案し,
1953
年
に
Janos von Neumann
が,電流を流した
pn
接合で
光の増幅ができることを講義で示唆した
[1]
.
1958
年に
Arthur L. Schawlow
と
Charles H. Townes
が光メー
ザ(現在のレーザ(
LASER: Light Amplification by
Stimulated Emission of Radiation
)
)を提案
[2]
した
のを契機に,
1960
年に
Theodore H. Maiman
がル
ビー・レーザを実現し,その後に各種のレーザが出現
した.
1962
年に
GaAs
や
GaAsP
を用いたホモ接合
†東京工業大学栄誉教授,東京都
Honorary Professor, Tokyo Institute of Technology, 2–12–1 Ookayama, Meguro-ku, Tokyo, 152–8550 Japan
a) E-mail: [email protected]
半導体レーザが
4
グループにより低温パルス動作で実
現された
[3]
∼
[6]
.
他方
1953
年に,
Abraham van Heel
は実用的な光
ファイバ,すなわち光を通すコア(芯)の周りに低屈
折率のガラスの衣(クラッド)を付けて境界面の全反
射により光を安定に伝える現在のクラッド付き光ファ
イバを提案した.こうした状況の中で,
1961
年に
Ivan
P. Kaminow
は光学結晶を用いて
He-Ne
ガスレーザ
光のマイクロ波変調実験を行った.同年に,ベル研究
所で
Talking Light
と呼ばれる
He-Ne
ガスレーザを用
いた空間伝送の光通信実験が行われた
[7]
.更に
1963
年
5
月
26
日の東京工業大学全学祭において,筆者末
松は学生らと,情報を載せたレーザ光を光ファイバで
送る「光ファイバ通信」の実験を行った
[8]
.他方
1964
年に,平野順三らは
G. Goubou
などが提案したレン
ズ列光導波路は光ビームが中心をずれて不安定になる
との困難さを示した.
1966
年,池上徹彦と筆者は半導体レーザが小型で
小電力動作などの利点に加えて数
GHz
以上の高速で
直接変調できる特徴があることを明らかにした
[9]
.同
年に,
Charles K. Kao
らは熔融石英の光散乱実験か
ら,不純物を除去すれば低損失光ファイバ通信の可能
性があると指摘した
[10]
.また
1969
年に内田禎二ら
は多成分ガラスによる低損失の
SELFOC
光ファイバ
を開発したので,その経緯で数年前から光ファイバの
低損失化の期待が関係者間で注目を集めていた.
1970
年に
Robert Maurer
のグループはシリカ光
ファイバについて製造技術
(CVD
法
)
を開拓し,波
長
0.63μm
帯で実用レベルの
20dB/km
の低損失化
を達成した
[11]
.この年の前後,
1969
年に
Zhores I.
Alferov
ら
[12]
,並びに
1970
年に林厳雄と
Morton B.
Panish
ら
[13]
は,
AlGaAs/GaAs
二重ヘテロ接合を
用いた
0.85μm
帯の
FP
(
Fabry-Perot
)型半導体レー
ザの室温連続動作をそれぞれ独立に達成した.なお
1963
年に
Herbert Kroemer
は二重ヘテロ構造を提
案
[14]
しており,須崎渉は
1967
年にラスベガスで開
かれた国際会議で
AlGaAs
と
GaAs
からなる積層半
導体で
AlGaAs
内の接合から赤い色を発光させて満場
の絶賛を浴びた.
こうした中で,筆者は将来の大容量長距離光ファイバ
通信システムは,後に動的単一モードレーザと名付けた
光ファイバの最低損失波長帯で働く単一モード半導体
レーザ(
Dynamic Single Mode Laser; DSM Laser
)
と単一モード光ファイバとで構成するのが望ましい
と考えていた
[15], [16]
.この
DSM
レーザは次のよう
にして開拓された.まず
1972
年にこれを示唆し
[17]
,
1974
年に単一モード共振器の耕造を具体的に明らかに
し
[18]
,そして光ファイバの最低損失波長帯が長波長帯
にあるとの
Donald B Keck
らの示唆
[19]
に基づいて,
その長波長帯,
1.5μm
帯で働く
GaInAsP/InP
レー
ザを開拓し
[20], [21]
,そうした準備の下に
1980-1981
年に
DSM
レーザを実現した
[22]
∼
[24]
.これを契機
に動的単一モードレーザの考えが産業界で実用化さ
れ
[25], [26]
,高速長距離光ファイバ通信の実験に結び
ついた
[27], [28]
.
こ の 間 ,
1974
年 に
John B. MacChesney
ら は ,
MCVD (Modified Chemical Vapor Deposition)
法
を開発して極低損失光ファイバの発展に道筋を付け,
1977
年に伊澤達夫らは光ファイバの連続製造法,
VAD
(Vapor-phase Axial Deposition)
法,を開拓して光
ファイバの低価格化に貢献した
[29]
.そして
1979
年
には宮哲夫らにより最低損失波長帯が
1.55μm
帯にあ
る極低損失光ファイバが開拓された
[30]
.更に光回路
やデバイス,そして変調や光システム構成法などが開
拓され,
1980
年代後期から商用化が始まった.最低
損失波長帯,
1.5μm
帯の
DSM
レーザは,
1987
年頃
から
NTT
による陸上幹線で,そして
1992
年からは
KDD
と
AT&T
などによる太平洋横断海底ケーブル
(
TPC-4
)で商用された.その後一貫して大容量長距
離光ファイバ通信用に広く用いられている.本文はこ
の
DSM
レーザの開拓の経緯,その利用状況について
余話を交えて述べる.
2.
動的単一モードレーザの開拓の経緯
動的単一モードレーザ,すなわち
DSM
レーザは下
記の
3
機能を併せ持つ通信用の半導体レーザである:
1
)光ファイバが最低損失となる波長帯(後に
1.5μm
長波長帯と判明)で動作し,長距離伝送に適応する,
2
)変調などの電流変化や温度変化に対して安定に単
一の波長で動作し,単一モード光ファイバの伝送で障
害となる伝搬定数の波長分散による伝送特性劣化を最
小にする,そして
3
)波長可変性
/
同調性があり,温度
または電気で波長同調を行い,通信には必然な複数の
波長利用に適応させる.
マイクロ波通信の研究を経てきた筆者らには,新
領域の光波帯でも通信は単一波長利用が基本と直感
的に認識しており,具体例としは
1971
年に波長多重
通信の光回路図面を記している
[31]
.さて
1972
年に,
電流狭ストライプで構成されて波長が不安定だった
AlGaAs/GaAs
半導体レーザについて,図
1
のように
活性層の組成を横方向で連続的に変えた屈折率導波路
図 1 屈折率導波路による横モード単一化の提案 1972 [17]. Fig. 1 Proposal of transverse mode control by refractive図 2 1/4波長の奇数倍の間隔で結ばれた二つの分布反射 器からなる単一モード共振器の提案,1974 [17] Fig. 2 Proposal of single mode resonator consisted
with two distributed reflectors connected by interval by odd multiple of 1/4 wavelength, 1974 [17].
により,
Al
の酸化を避けて横モードを安定化する方法
を示し,動的単一モードレーザへの道を示唆した
[17]
.
そして
1974
年に,図
2
のように,二つの分布反射
器を
1/4
波長の奇数倍の間隔で結合する軸方向の単
一波長共振器の構造を見出した
[18] (
図
2)
.分布帰還
(
DFB
)レーザを提案した
Herwig Kogelnik
らは一様
な屈折率差結合の一様な分布帰還レーザでは
2
モー
ド(
2
波長)で発振すると
1972
年に指摘したが
[32]
,
この
2
モード動作の問題は,筆者らの上記の単一モー
ド共振器の提案で原理的に解決されることになった.
1973
年に中村道治らは
AlGaAs/GaAs
の一様分布反
射器からなる光ポンプで動作する
DFB
レーザを実現
し,波長選択性が強いことを示した
[33]
.その後一様
分布反射器からなる単一モードレーザの室温連続動作
を達成した
[34]
.
筆 者 は ,
DSM
レ ー ザ や 能 動 光 集 積 回 路(
PICs
)
の開拓のために集積レーザ実現の研究を始めてい
た
[35], [36]
.しかしこのような研究には高額の研究費
が前提であった.幸い当時の川上正光工学部長により
TDK
の山崎貞一社長から研究支援が得られる事にな
り,新しいレーザを創るという本格的な研究のスコー
プを立てることができた.こうして光活性導波路と損
失の少ない出力導波路とが一体化した集積レーザを実
現した
[37]
.この集積レーザは,波長選択性をもつ外
部回路や波長同調の回路を容易に一体化できるので,
DSM
レーザ開拓を思い巡らす上の基盤技術となった.
筆者は
1975
年の夏期休暇中に,
NTT
武蔵野研究所
の非常勤研究員として,新関暢一統括役,大原省爾室
長などの大勢の優れた研究者達と直接に意見交換する
機会に恵まれ貴重な経験をした.材料の大家,水島宣
彦特別研究室長と話す機会もあった.また水口一茨城
通信研究所長とは単一モード光ファイバの将来性で一
致し,これが
1979
年の新関暢一によるサンフランシ
図 3 Donald B Keckによるシリカ光ファイバ損失の長 波長帯における低損失化の示唆(1973)[19] Fig. 3 Suggestion of loss reduction at longwave-length region of silica fiber by Donald B Keck, 1973 [19].
図 4 GaInAsP 4元混晶の性質と波長領域, 1974 [15], [38]
Fig. 4 Bandgap and properties of GaInAsP, 1974 [15], [38].
スコ
OFC
での単一モード光ファイバシステムの方針
発表に些かなりとも反映したとすれば幸いであった.
さて
Donald A Keck
らはシリカ光ファイバの最低
損失波長は,
1.4–1.8μm
の間くらいにありそうだと示
唆した
(1973) [19] (
図
3)
.もし最低損失波長帯がそ
うした長波長帯にあるとすれば,長距離伝送と云う
観点からは,まだこの世に無かった長波長帯の新しい
レーザを開拓しなければならなかった.当時,そうし
た長波長帯レーザ実現の可能性は
GaInAsP/InP
か
AlGaAsSb/GaSb
の二通りの混晶にあった
[38]
.その
後共に,波長
1.1μm
でレーザ発振の報告がされるよ
うになったが
[39]
,もっと長い長波長帯のレーザ動作
の可能性は未知であった.筆者は相対的に基板の熔融
温度が高くて硬い,
InP
基板の
4
元混晶に賭けてその
実現に挑戦した.
当時
4
元混晶の開拓には
3
元混晶の大御所ですら原
材料が多すぎて上手くいかないとのではと懸念されて
いた.幸い
1977
年に,研究室の板屋義夫らや,開拓
のテンポを早めるために協力を求めた伊賀健一らが開
拓した波長
1.3μm
の
FP
レーザが,実験室の片隅で
特性劣化も無く
3,000
時間の室温連続動作をした.こ
の事実は
GaInAsP/InP
に関して高い信頼性を抱き,
更に長波長帯へ進む勇気を与えてくれた.話は前後す
るが,実は新しいレーザ材料の開拓には科学研究費で
は対応できないほどの多額の研究費を必要としたが.
紆余曲折の末に中込雪男国際電信電話株式会社研究所
長の支援が得られ,研究を進めることができた.
なお
1.3μm
帯は光ファイバの材料分散がなくなる
零分散波長帯
[40]
で,分布反射器のような複雑な共振
器が不要の
FP
レーザでも使えるので,光ファイバの
損失は
2-3
倍大きいにもかかわらず企業の関心を呼び,
実用システム化が図られていった.
しかし筆者は最低損失波長帯での開拓が目標であ
り,波長分散が避けられないので,分布反射器利用な
どによる安定な単一モード動作が不可欠と考えてい
た.
1978
年頃になって,光ファイバの最低損失波長帯
が
1.5μm
前後にありそうだと絞られた中で,レーザ
の波長をこの波長帯に延ばすと壁に遭遇した.それは
成長した活性層に重ねて二重ヘテロ構造のために基板
組成の
InP
で覆うと,折角造った活性層が溶け出して
しまうと云う
Melt-back
の問題であった.このために
低電流動作が長い間妨げられた.翌年になって,研究
室の荒井滋久らが中心になって
Anti-Meltback
層と
呼ばれた中間層を挿入してこの泥沼から抜け出した.
1979
年の夏に
1.5μm
帯
GaInAsP/InP
レーザを室温
連続動作させることに成功した(図
5
)
[20], [21]
.同年
に,宮哲夫らにより最低損失波長帯が
1.55μm
の極低
損失光ファイバが開拓された
[30] (
図
5)
.なお同年に
1.5μm
帯レーザの室温連続動作が他の
3
ヵ所でも達成
された
[41]
∼
[43]
.
2. 1
温度同調の
DSM
レーザ;位相シフト分布反
射器レーザ
川西英雄の分布反射器作成や榊原靖の高速測定技術
を踏まえて,
1980
年秋に,研究室の宇高勝之らが中心
で
1.5μm
帯
GaInAsP/InP
混晶を用いて,分布反射
器とレーザ活性層とを一体化した集積レーザ,すなわ
ち
DSM
レーザを試作し,
1 nsec
の高速パルス駆動で
単一モード動作を達成した
(
図
6)
.こうして
1981
年
には目標としていた光ファイバの最低損失波長帯で働
く「温度同調の
DSM
レーザ」を実現した
[22]
∼
[24]
.
この
DSM
レーザは温度が変わっても安定に単一モー
ド動作する(図
7
)ので,波長同調は温度で行うこと
図 5 GaInAsP/InP 長 波 長 レ ー ザ の 発 振 波 長 範 囲 , 1979 [20]とシリカ光ファイバの最低損失波長帯, 1979, [30]Fig. 5 Wavelength region of GaInAsP/InP laser, 1979 [20], and the lowest loss wavelength band of silica fiber, 1979 [30].
図 6 光ファイバの最低損失波長帯,1.5μm で働く分布反
射器付きの DSM レーザの実証,1980 [22] Fig. 6 Demonstration of 1.5μm DSM laser, 1980 [22].
ができた.なお横基本モード制御は塚田俊久の埋込み
ヘテロ(
BH
)構造
[44]
が,
Al
を含まないので酸化問
題のないこの結晶系で基本構造として取り上げられた.
こうした
DSM
レーザを用いて直接変調し,動的な
単一モード性を調べた所,安定な単一モード動作に加
えて,直接変調によって波長がわずかにシフトする動
的波長シフトを研究室の小山二三夫らが発見した
[45]
.
この動的波長シフトは波長のチャープとも呼ばれ,大
容量伝送の妨げになるので,これをいかにして下げる
かにも関心が向けられ,更に外部変調器の役割
[46]
が
重要になってきた.
この
DSM
レーザの実現直後,当研究室内では
DSM
図 7 DSMレーザと FP レーザの波長の温度特性, [25]を基に作成
Fig. 7 Temperature dependency of lasing wavelength for DSM laser and FP laser [25].
レーザの実用化には,一様分布反射器(回折格子)の
DFB
レーザ
[34]
を開拓すべきではないかと議論した.
しかしここまで開拓を進めたので,それはもう企業側
の開発に任せ,筆者は実現した
DSM
レーザの性能を
突っ込んで理解するとともに,最終目標の電気同調
/
可変の
DSM
レーザの開拓に注力した
[56]
.そしてそ
れには不可欠の集積レーザを改良して研究を進めた.
そうした背景には,更に
DSM
レーザ実現に中心的
な役割を果たした博士課程の
2
名の学生が
1981
年春
に就職するので,実用化は彼らが所属することになる
大企業に託した.また
1981
年度から文部省の特別推
進研究に採択されたので,研究結果は定期的に迅速に
産業界を含む研究者の皆さんに全て公開した.
1981
年に
KDD
の宇高勝之・秋葉重幸ら
[25]
や,
NTT
の
松岡隆志・板屋義夫ら
[26]
により一様回折格子
DFB
レーザという形で実用化が迅速に達成されたと考えら
れる.巷で問題とされる実用化の死の谷はなかった.
引き続き
1982
年には山本周ら
[27]
や池上徹彦ら
[28]
により,こうしたレーザを用いた長距離伝送実験が精
力的に行われ,これらの研究動向は世界に広まった.
しかし
DSM
レーザ実現の直後には結構批判的な意
見もあった.例えば
1981
年
6
月に大磯で
GaAs
国際
会議のプロクラム委員会が開かれ,その懇親会の席上
で海外の有力な研究所の部長さんが,今大事なのは分
布反射器を使う複雑なレーザなどでは無くて,安定し
た
FP
レーザの製造技術ですよ,と直接に批判された
ので,筆者は国内の企業がやれば直ぐものにしますよ
とやり返したことがあった.また有名な研究所長が国
内の産業界に,結合した
2
連の
FP
レーザである
C
3レーザが有望と話されたらしく,研究者達がその可能
性を相談に来られ,筆者自身の経験から無理なことを
図 8 位相シフト分布反射器レーザ∼温度同調の DSM レーザ∼,1984 [49]Fig. 8 Phase-shift distributed reflector laser as thermo-tunable DSM laser, 1984 [49].
図 9 位相シフト分布反射器レーザ内の電力分布 [50].
κ と L は分布反射器の結合係数と長さ
Fig. 9 Optical power distribution along axial length of phase-shift distributed reflector laser [50],
κ is the coupling parameter and L the length
of distributed reflector.
説明して思い止まって頂いた.長波長帯光通信の招待
論文
[15]
を依頼された際にも,単一モード光ファイバ
と
DSM
レーザを主体で纏めたのに対して,多モード
光ファイバの追加を要求されたこともあった.しかし
こうした意見に惑わされないで
DSM
レーザの実用化
が日本企業で先行したのは幸いであり,その勢いが現
在も
DSM
レーザの製造に優位に引き継がれている.
所で一様回折格子
DFB
レーザは,図
2
の単一モー
ド共振器の中間領域で半分に切断し,その切断箇所の
劈開面を平面反射鏡として折り返すもので,平面反射
鏡の位置と格子周期との相対関係が波長の数分の一の
精度で設定される必要があった
[47]
.したがって歩留
まり良く製造することが困難だった
(
図
10)
.そこで
1983
年に研究室の古屋一仁らが中心で図
2
の単一モー
ド共振器構造をレーザ製造時に直接に造り込む研究を
行った.まず光集積回路用に文部省の大学特別経費で
購入していた電子ビーム露光装置を改良して描画点間
隔を連続にした
[48]
.この露光装置を用いて,分布反
射器の格子周期を中心で
1/4
波長シフトさせ,結果と
図 10 位相シフト分布反射器レーザと片端面鏡一様分布 帰還レーザの歩留まり比較(三菱電機(株)のご 好意による)
Fig. 10 Yields for phase-shift distributed reflector laser and uniform distributed-feedback laser (by courtesy of Mitsubishi Electric Co.)
して二つの分布反射器を図
8
に示すように中央で結合
させた,位相シフト分布反射器レーザを実現した
[49]
.
このレーザは温度同調の
DSM
レーザで,位相シフト
DFB
レーザ,あるいは単に
DFB
レーザとも呼ばれ
る.共振器内の光電力分布は図
9
に示すように,分布
反射器の位相シフト部を境にして,各々の分布反射器
が向き合った反射鏡の形をなしている
[50]
.秋葉重幸
らはネガとポジのレジストを使って実現し
[51]
,実用
化した.理論的な検討結果も多くなされた
[52]
.
この位相シフト分布反射器レーザは,製造のレジス
ト段階で単一モード共振器
[18]
を実装できるので製造
の歩留まりが高く
(
図
10)
,性能が揃った単一モード
レーザを生産ができることから,
1992
年の太平洋横
断光海底ケーブルで商用化されて以来,長距離大容量
光ファイバ通信の標準レーザとして今日まで一貫して
広く用いられている.最近では
FTTH
の家庭を含め
て小中距離のシステムにさえも用途が広がっている.
他方,一個の温度同調
DSM
レーザでは波長可変の
範囲が狭いので,中心波長の異なる
12
個の
DSM
レー
ザをアレーとして
40nm
もの広い波長帯を包含する
アレー・レーザもある
[53]
∼
[55]
.このようなアレー・
レーザも個々のレーザには異なる中心波長の位相シフ
ト分布反射器レーザが用いられている.なおこのよ
うなアレー・レーザをも波長可変レーザと呼ぶことも
ある.
2. 2
波長可変レーザ;電気同調の
DSM
レーザの
開拓
電気的に波長が変えられる電気同調の
DSM
レーザ,
いわゆる波長可変レーザは
1980
年に筆者末松らが具
図 11 波長可変レーザ∼電気同調の DSM レーザ ∼1980 [56], [57]Fig. 11 Wavelength tunable laser as for electro-tunable DSM laser 1980 [56], [57].
図 12 波長可変レーザの実証 1983 [58] Fig. 12 Demonstration of wavelength tunable laser
1983 [58].
体的に提案した(図
11
)
[56], [57]
.ついで
1983
年に
図
12
のように位相領域に電流を注入し,そのプラズ
マ効果で電気的に波長を変える波長可変レーザを,研
究室の東盛裕一らが中心で実証した
[58]
.
この波長可変レーザは基本的には図
2
の共振器構造
であり,単一モード条件を満たすように各領域の位相
を電気的に制御するものである.図
11
に示すように
電子注入によるプラズマ効果や,マイクロヒータ(金
子俊光ら
[59]
)で温度を局所的に変えて,二つの反射
器と位相領域のそれぞれの屈折率を変え,二つの反射
器のそれぞれの中心波長や,位相領域の位相量を変化
させる.こうして波長可変レーザでは単一モード共振
条件を満足させながら,電気的に波長を変えられる.
当時,実はボンディング装置をもっていなかったの
で多電極の実験はしなかった.その後,
1987
年に企業
人によって,図
11
のように反射器領域と位相領域の
屈折率をそれぞれ別々に複数の制御電極で電気的に変
えて波長を制御する波長可変レーザが実現された.
更に
1993
年には東盛裕一・吉国裕三ら
[60]
や
Larry
A Coldren
らが,複数の周期構造を混在させた分布反
射器を用いるとともに,バーニア効果
[61]
と呼ばれる
共振の波長を飛び飛びに変える技術を導入して,波長
可変範囲を大幅に拡大した.波長可変レーザでは分布
反射器の波長と位相とを独立に動かして波長を変える
ので,専用の制御用電子回路が用いられている.
波長可変レーザには,
2
個の分布反射器を図
11
の
ように両端に置く代わりに,片側に設けられた
Y
型の
導波路による
2
本の各々の枝に分布反射器を作り付け
た波長可変レーザも実用されている.更に分布反射器
の代わりに外部反射器や,多重リング共振器を外部鏡
として用いるものもある.
これらの波長可変レーザは,
2004
年頃に高密度波
長領域多重(
DWDM; Dense Wavelength Division
Multiplexing
)通信用に対応して商用化されている.
更にディジタル・コヒーレント通信の実用化に伴って,
狭スペクトルで同調が容易なレーザとして用いられる
ようになった.
2. 3
面発光レーザ(
VCSEL
)
基板面に垂直に光を出す面発光レーザは,伊賀健一
により
1977
年に着想され
[62]
,
1988
年に小山二三夫
らとともに室温連続動作を達成した
[63]
.このレーザ
はその後
VCSEL
(
Vertical Cavity Surface Emitting
Laser
)と呼ばれ,小電力動作や二次元アレー化でき
る特徴があって,小中近距離光ファイバ通信の有力な
光源として,長距離用の大きな光出力の
DSM
レー
ザを補完し,広く用いられている.
VCSEL
は原理的
には図
2
の分布反射器を縦にした構造であり,中間
領域長を所望の位相シフトをさせれば,
DSM
レーザ
として働く.しかし短距離では意図的な多モード動
作も必要で,また波長も
0.85μm
帯の短波長帯を中心
にして用いられている
[64]
.
1992
年に伊賀健一らは
VCSEL
に機械的波長掃引を設けて
4nm
の連続同調
を試した
[65]
.これを発展させて
2000
年には
Connie
J
.
Chang-Hasnain
は
MEMS
を装着して機械的に波
長を可変させる
VCSEL
を開拓した
[66]
.
2006
年に
は小山二三夫らが温度では波長が変わらない温度無依
存
VCSEL
を開拓するなど
[67]
,多彩な発展を続けて
いる.
2008
年には古河電工の粕川秋彦のグループで
高効率の
VCSEL
が開発され,電力効率が
62%
,光出
力
10mW
が報告されているが,通常は
1mW
以下の
小出力で用いられている.
1988
年
4
月
11
日の
Chemical & Engineering News
によると
“Japan leads in Optoelectronics”
と日米比
較された.高橋信一による初期の半導体レーザに関す
る博士論文数の日米比較調査でも,双方でほぼ同じく
らいであり,充実した時代を裏付けている.
なお,光システムの高度化に伴って,
InP-PICs
や,
光回路を
Si
基板上に作り,これに
GaInAsP/InP
の
DSM
レーザを貼り付ける型の
Si-hybride PICs
の研
究が進んでいることを付記したい.
3. DSM
レーザの諸特性
通常の
FP
レーザに関する西村吉雄らに端を発した
理論によると,半導体レーザ自体の隣接モードに対
する利得抑制効果はキャリアの緩和時間
τ
inと自然放
出時間
τ
sとの比,
τ
in/τ
s10
−4程度で極めて小さ
く
[68], [69]
,安定な単一モード動作には波長選択性付
与が必要である.半導体レーザの諸特性を決定付け
るパラメータの一つが自然放出係数
C
sで,自然放出
光が一つの共振器モードに結合する光量の割合を表
す
[70]
.
C
s= ξ
λ
44π
2n
3V
aΔλ
sp(1)
ここに
ξ
は活性層の閉じ込め係数,
λ
は波長,
n
は等
価屈折率,
V
aは活性層の体積,
Δλ
spは自然発光の
スペクトル幅である.国際標準用語として単一モード
性能を表す
SMSR
(
Side Mode Suppression Ratio
)
は,主モードの光量
S
0を近接モードの光量
S
1で割っ
た値で,小山二三夫や小森和弘らにより次式で表され
た
[71], [72]
.
SMSR = S
0S
1=
η
dξC
sΔα
loss,1α
loss,0I
I
th− 1
(2)
ここに,
η
dは微分量子効率,
I
と
I
thは動作電流と
しきい値電流,
Δα
lossは近接モードと主モード間の
共振器損失差である.この関係は連続動作時のもので
あるが,高速変調時でもあまり変わらない
[73]
.
DSM
レーザの
SMSR
は
40dB
程度が普通で,このために
必要なモード間の損失差は数十
cm
−1程度である.
半導体レーザのスペクトル幅
Δf
stは
Charles Henry
が求めたが
[74]
,
C
sにより簡潔に次式で表される
Δf
sw=
C
s4πτ
p1 + α
2I/I
th− 1
= ξ
cλ
4ln(1/r
fr
r)
16π
3n
4Δλ
sL
cavV
a1 + α
2I/I
th− 1
.
(3)
ここに,
L
cavは共振器長,
r
f,
r
rはそれぞれ共振器
の前側と後ろ側の電界反射係数,
c
は光速,
α
は屈折
率変化の実数部
Δn
を虚数部
Δn
で割った
α
パラ
メータで,
α = Δn
/Δn
.
(4)
スペクトル幅は,式
(3)
の関係からほぼ共振器長
の
2
乗に反比例する.レーザ長が
300μm
程度の通常
の
DSM
レーザのスペクトル幅は数
MHz
程度である.
ディジタル・コヒーレント通信のように狭帯域性が必
要になると,長い
DSM
レーザにより,数十
kHz
の狭
い幅で用いられている.なお電気同調の
DSM
レーザ
では,電子注入による波長可変機構はプラズマ雑音の
ためにスペクトル幅が増すので
[75]
,マイクロヒータ
型が用いられている.波長の同調範囲は
40nm
にもわ
たり,一つの全商用波長帯をカバーしている.
大容量長距離システムでは
DSM
レーザの光を外部
変調器
[46]
で変調して情報を載せる.また電界吸収型
半導体変調器を集積した外部変調器付き
DSM
レーザ
もある.中短距離では経済的な直接変調が用いられ,
直接変調の上限周波数はほぼ次式で与えられる
[9]
.
f
r=
1
2π
τ
sτ
p(1
− N
g/N
th)
I/I
th− 1
(5)
ここに
τ
pは共振器内光子の寿命時間,
N
g/N
thはキャ
リア密度に関して活性層が透明になる値としきい値の
比で普通は
0.6
程度である.直接変調に伴う動的スペ
クトル幅
[45], [76], [77]
,並びに伝搬定数
β
の分散に
より制限される伝送帯域幅
B
は,
L
を光ファイバ長,
S
を光子密度として,小山二三夫らにより次式で与え
られる
[78]
.
Δλ
dy=
− λ
24πc
1
S
dS
dt
α
(6)
B
√
L =
1
2
2
√
α
2+ 1 + 2α
|d
2β/dω
2|
,
α ≥ −1/
√
3
(7)
直接変調の上限周波数は通常
10
∼
20GHz
程度である.
なお活性層の水平方向の幅を
2μm
程度にすると,キャ
リアの拡散現象で上限周波数付近の強い非線形性が
相殺されて雑音などが軽減される
[79]
.直接変調では
動的スペクトル広がりが
α
パラメータに比例するた
め
[80]
,
α
の小さな量子井戸構造
[81], [82]
や更に小さ
くなる量子ドット構造
[83]
への関心が高い.
DSM
レーザの出力は
10mW
程度である.
1.5μm
帯の
GaInAsP/InP
レーザは,短波長帯の
GaAlAs/
GaAs
レーザに比べて非発光性遷移の割合が増し,電
力変換効率が低下する.これを補うために活性層にひ
ずみ多重量子井戸耕造
[84], [85]
などが用いられてい
る.一方,光通信機器の低消費電力化が重要な課題に
なっており,
DSM
レーザの高効率化を可能にする構
造として著者の研究室で生まれた分布反射(
DR
)レー
ザ
[86]
が,産業界で広く活用されるようになった.
初期のレーザ理論では,紙面の関係で個々には言
及できなかった下記の各位の顕著な貢献があった:
Alfred R. Adams
,秋葉重幸,荒川泰彦,
Markus G.
Amann
,浅田雅洋,茅根直樹,
Magnus Danielson
,
古 屋 一 仁 ,
Hermann A. Haus
,
Charles Henry
,
Gordon D. Henshall
,伊藤良一,神谷武志,小林功郎,
Thomas L. Koch
,小山二三夫,覧具博義,
Gordon
Lasher
,
Kam Y. Lau
,
Gordon C. Osbourn
,大津
元一,西村吉雄,榊裕之,
Kristian Stubkjaer
,多田
邦雄,魚見和久,山田実,
Eli Yablonovich
,
Amnonh
Yariv
の 各 位 .更 に ,初 期 の 結 晶 成 長 で 同 様 に:
G.A. Antypas
,荒井滋久,
James J. Coleman
,
P.
Daniel Dapkus
,
Russel D. Dupuis
,難波進,
J. Jim
Hsieh
,岸野克己,近藤正彦,水島宣彦,水戸郁夫,
R.L. Moon
,
R.E. Nahory
,野田進,
M.A. Pollack
,
Manijeh Razeghi
,佐々木昭夫,高橋清,
Won-Tien
Tsang
,
J.P. van der Ziel
の各位.
4.
光ファイバ通信における
DSM
レーザ
光通信システムは,光ファイバ,半導体レーザ,光変
調とその方式,分散補償回路,光ファイバ増幅器,光検
出器などの光デバイス,変調器や光スイッチ,
PLC
な
どの分波器や光回路,光ファイバ融着接続技術,そし
て高速で働く電子回路などの諸技術の進歩によって発
展した.商用光システムは
1970
年の後半から
0.85μm
短波長帯の
FP
レーザと多モード光ファイバのシステ
ムから始まり,
1980
年代の初期には
1.3μm
帯で
FP
レーザ,多モードや単一モード光ファイバのシステム
が用いられ始めた
(
図
13)
.
1.5μm
帯の
DSM
レーザを用いる商用の大容量長距
離光ファイバ通信は,
NTT
の陸上幹線が
1987
年頃か
ら,そして太平洋横断光海底ケーブル
TPC-4
が
1992
年から始まり,その後一貫して用いられ,現在に至っ
ている
(
図
13)
.これらの幹線システムの光源には主
に温度可変の
DSM
レーザが用いられ,波長領域多重
図 13 光ファイバ一本当たりの伝送性能の年次変化.素 データは NTT と KDDI のご厚意による Fig. 13 Transmission performance per optical fiber.
Data by courtesy of NTT and KDDI.
(WDM)
,分散シフト光ファイバ,そして多値変調法
などで大容量化が進み,更にエルビウムドープ光ファ
イバ増幅器(
EDFA
)が開発されて電気信号再生をし
ないで伝送距離が伸長した.最近では
DWDM
システ
ムの登場で電気可変の
DSM
レーザ,すなわち波長可
変レーザが用いられるようになって今日に至っている.
不遜な言い方をすれば,世界中の人が
DSM
レーザ光
の運ぶ情報で結ばれている.
こうして光ファイバの伝送性能が向上し,
NTT
や
KDDI
の資料を参考にすると,
2010
年代の後半には初
期の
1980
年初頭に比して約一億倍に増大し
(
図
13)
,
画像の伝送コストを激減させた.この間にインター
ネットはプロトコルの国際化対応(
TCP-IP
プロトコ
ル)やデータ活用の
WWW
の登場で機能性を増し,光
ファイバ通信の進歩で発展した.更に
PC
や電子技術
の発達と相まって,
1990
年中葉に
Yahoo!
,
Amazon
,
楽天や
などのネットビジネスを生み,情報通
信技術社会が生み出された.
2000
年前後にスマート
フォンが登場して社会の情報通信への依存性が一層
深っている.
5.
む す び
現在広く用いられている動的単一モードレーザ,す
なわち
DSM
レーザの開拓の経緯とその性能,光通信
システムの光源として利用されている現状について概
観した.
DSM
レーザを光源とする大容量長距離光ファ
イバ通信システムは光デバイスの進歩で飛躍的に進展
し,インターネットの発展をもたらし,大げさに云え
ば今日の情報通信文明の招来に貢献している.
しかし,温度同調の
DSM
レーザ,すなわち位相シ
フト分布反射器レーザが商用されるのには最初のアイ
ディアから約
20
年を要した.更に電気同調の
DSM
レーザ,すなわち波長可変レーザは商用化に約
30
年
を要した.本格的な研究が社会で活かされるには約
30
年間を要し,短期の結論は出しにくい.なお本文では
紙面の関係で,多くの失敗した研究に言及できず,一
気呵成になされたかのような印象を与えたかもしれな
いが,実は,試行錯誤し紆余曲折の果てに達したもの
であることを付記したい.
DSM
レーザの研究は,国の支援や企業の充実した
研究開発投資の下で,そして光通信が研究開発段階か
ら我が国が世界の最先端を歩んだ環境の中で,研究で
きたことが幸いであった.
1963
年に原島治委員長に始
まり斎藤成文委員長に引き継がれて発展した本学会の
「量子エレクトロニクス研究会」が果たした役割も大
きかった.加えて本邦発の「光集積回路光通信国際会
議(
IOOC
)
」が研究者間の国際的競争と連携の意識を
高めた.研究室としては米国ベル研究所,
Ping-King
Tien
と
Herwig Kogelnik
両博士との間で人材交流の
連携を続けた.この間に文部科学省が科学研究費の傾
斜配分や特定研究を進めて大学人の研究支援と人材育
成に注力されたことは特記すべきであろう.
終わるに当たり歴代研究室の学生諸君や同僚の多大
な支援があった.研究者仲間からは計り知れない有益
な討論を頂いた.また多くの方々からご指導ご鞭撻ご
支援を頂いた.文部省(当時)からは科学研究費,特
に
1981
年には特別推進研究や,大学特別経費の支援
があった.この機会に併せて深謝する次第である.
文
献
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