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E-カドヘリン遺伝子をノックアウトした上皮細胞の作製およびカドヘリン研究への応用

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Academic year: 2021

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E-カドヘリン遺伝子をノックアウトした上皮細胞の

作製およびカドヘリン研究への応用

著者

藤村 基人

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2013 年度 修士論文要旨

E-カドヘリン遺伝子をノックアウトした上皮細胞の作製

およびカドヘリン研究への応用

関西学院大学大学院理工学研究科

生命科学専攻 鈴木研究室 藤村 基人

クラシックカドヘリンはカルシウム依存性の細胞間接着を担っている膜タンパク質であり、その重要 性からこれまでに多くの研究が行われてきた。しかしながらクラシックカドヘリンの示す多様な生理機 能の作用機構は必ずしもよく分かっていない。本研究ではこの問題解明の一環として、近年、発展が著 しい人工ヌクレアーゼの一種である TALEN を用いて、細胞間接着構造や細胞極性を形成する上皮性であ る DLD-1 細胞の E-カドヘリン遺伝子ノックアウト細胞を取得し、カドヘリンの機能解析の新たなモデル 細胞とすることを試みた。ついで、この細胞を用いて、まだ十分に解明されていない ①タイトジャンク ションやデスモソームの形成、維持におけるクラシックカドヘリンの役割、及び ②クラシックカドヘリ ン依存的な p120-カテニンの機能の解析を行った。 本研究の結果、TALEN を用いることで、E-カドヘリン遺伝子がノックアウトされた DLD-1 細胞(以後 DLD-1ΔE 細胞)を複数取得することに成功した。また、これらの細胞に E-カドヘリンを強制発現させた ところ、再び元の形態と強い細胞接着活性を示したことから、これらの細胞はカドヘリンの機能解析の 新たなモデル細胞となりうるものと考えられた。DLD-1ΔE 細胞はシート状の上皮構造を形成できず、タ イトジャンクションやデスモソーム構成タンパク質の局在も観察されなかった。しかしながら興味深い ことに、この細胞を長期間培養すると、カルシウム依存性の細胞接着活性や細胞間接着構造の安定性の 向上が確認され、タイトジャンクションやデスモソーム構成タンパク質が上皮細胞に特徴的な局在を示 すようになった。また、E-カドヘリンの細胞内欠損変異体を発現させた場合も、不完全ながら、タイト ジャンクションやデスモソーム構成タンパク質の細胞間における局在が観察された。これらの結果は、 タイトジャンクションやデスモソームの形成、維持には細胞同士が密に接着することが重要であり、ク ラシックカドヘリンや、その細胞内ドメインを介したシグナル系は必ずしも必要でないことを示唆して いる。次に、p120-カテニンとの結合を阻害した E-カドヘリン変異体を作製し、DLD-1ΔE 細胞に発現さ せたところ、変異体発現細胞は E-カドヘリンを発現させた細胞と比較して、弱い細胞接着活性を示した。 また、p120-カテニンとの結合を阻害した E-カドヘリンの局在を調べたところ、細胞間で極性を失って存 在していたことから、p120-カテニンはクラシックカドヘリン依存的な安定した接着構造体の形成や細胞 の極性形成に関与している可能性が考えられた。

参照

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