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ALK遺伝子転座陽生肺癌に対するクリゾチニブの投与経験 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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ALK遺 伝子転座陽 生肺癌 に対す るク リゾチ ニブの投 与経験

市 立甲府病 院 呼吸 器内科

外科

病理科

大木 善之助 宮澤 正久 宮 田和幸 菱 山千祐 山家理 司 西 川 圭 一 小澤克 良 要 旨:症 例1は40歳 代 女 性 。 肺 腺 癌(cT2aN2Mlb,stageIV)と 診 断 され 、 一 次化 学 療 法 後 約 1年 無 治 療 経 過 観 察 中 で あ った 。 発症 後1年 の2012年4月 脳 転 移 新 出 、 サ イ バ ー ナ イ フ を施

行 した 。 同 年5月TBLB検 体 をEML4-ALK融 合 遺 伝 子 検 査 に提 出 、FISH法 とIHC法 と も に陽 性

で あ っ た。6月 よ り ク リゾチ ニ ブ の投 与 開 始 、 徐 々 に原 発 巣 と縦 隔 リンパ 節 転 移 は縮 小 し投

与4か 月 後 の胸 部CTに よ る評 価 で は 両病 変 と もに ほ ぼ 消 失 した。投 与3か 月 目で脳 に無 症 候

性 の新 出病 変 が認 め られ た 。症 例2は60歳 代 女性 。非 小 細 胞 肺 癌(cT4N2Mla,stagelV)と 診

断 され 、一 次 化 学 療 法 施 行 もRECISTガ イ ドライ ン に よ る治 療 効 果 判 定 はstable disease(SD)

で あ っ た。 発症 後3か 月 の2012年6月TBLB検 体 をEML4-ALK融 合 遺伝 子 検 査 に提 出 、FISH 法 陽性 。7月 よ りク リゾチ ニ ブ の 投 与 開 始 、投 与4か 月 でPRで あ っ た。症 例1、2と もにCTCAE v4.に お け る グ レー ド3の 肝機 能 障 害 を認 め た が2週 間 程 度 の休 薬 で 再 投 与 が 可 能 で あ っ た。 悪 心 、 食 欲 不 振 、視 覚 障 害 な どの 他 副 作 用 は全 て グ レー ド1お よび2で あ り外 来 通 院 治 療 に 支 障 を認 め なか った 。ク リゾチ ニ ブ は 、そ の有 効 性 と副 作 用 よ り非 小 細 胞 肺 癌 こ とにEML4-ALK 融 合 遺 伝 子 陽 性 で あ るALK遺 伝 子 転 座 陽 性肺 癌 の 貴 重 な 治 療 薬 の 一 つ で あ る こ とが 確 認 で き た。 キ ー ワー ド:非 小 細 胞 肺 癌 、EML4-ALK融 合 遺伝 子 、ALK遺 伝 子 転 座 陽 性 肺 癌 、 ク リゾチ ニ ブ は じめ に 2007年 、肺 癌 にお け る 新 しい 原 因 遺 伝 子 で あ るEML4-N、K融 合 遺 伝 子 が 曽 田 、 間 野 ら に よ っ て発 見 され た1>。ALKチ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 活 性 に よ り強 力 な 癌 化 能 を獲 得 す る肺 癌drivermutationの 一 つ で あ る。 こ のALKチ ロシ ン キ ナ ー ゼ 活性 を阻 害 す る こ と に よ り抗 腫瘍 効果 を 示 すALK阻 害 剤 、 ク リゾ チ ニ ブ が 開 発 され2012年5月 薬 価 基 準 収 載 され 、EML4-ALK融 合 遺 伝 子 を検 出 す る方 法 の 一 つ で あ るFluorescenceinsitu hybridization(FISH)法 が2012年4月 に 保 険 適応 とな っ た。 当院 にお い て 、FISH法 に よ りEML4-ALK融 合 遺伝 子 陽 性 を確 認 し ク リゾチ ニ ブ を投 与 した既 治 療 非 小 細 胞 肺 癌 を2症 例 経 験 した の で報 告 す る。 症 例 症 例1:40歳 代 女 性 。 主 訴:背 部 痛 既 往 歴:な し。 喫 煙 歴:な し。 現 病 歴:2011年4月 背 部 痛 が あ り 当 院 受 診 。 そ の 際 施 行 した 胸 部X線 上 異 常 影 を 指 摘 さ れ 精 査 加 療 目 的 で 当 科 紹 介 と な っ た 。 精 査 の 結 果 、 左 肺 癌(S8,adenocarcinoma, cT2aN2Mlb,Th9転 移,stageIV)の 診 断 と な っ た 。TBLB検 体 に お け るEGFR遺 伝 子 変 異 は 陰 性 で あ っ た 。 同 年5月 よ りカ ル ボ プ ラ チ ン(carboplatin)と ペ メ ト レ キ セ ド (pemetrexed)に よ る 一 次 化 学 療 法 を4コ ー ス 施 行 しstabledisease(SD)で あ っ た 同 年9月 よ り ビ タ ミンC大 量療 法 を 行 っ て

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平 成25年4月1日 い た が2012年4月 に左 半身 麻痺 出 現 、 頭 部MRIに て脳 転 移 の 診 断 で あ っ た。 肺 内 病 変 は 原 発 巣 お よび縦 隔 リンパ 節 転 移 と も に 増 大 著 明 で あ っ た が 呼吸 器 症状 な く全 身 状 態 も良 好 な た め 、脳 にサ イバ ー ナ イ フ 治 療 を施 行 した。2012年5月TBLB検 体 を EML4-ALK融 合 遺 伝 子 検 査 に提 出 、FISH法 お よび1㎜unohistochemistry(IHC)免 疫 染 色 法 と もに 陽 性 で あ っ た。 同 年6月 よ り ク リゾ チ ニ ブ250mgの1日2回 経 口投 与 を 開 始 した。 臨床 経 過(図1):投 与 開始 数 日で悪 心 、 下痢 、 食 欲不 振 、嚥 下痛 な どの 消 化 器 症 状 や 差 明 、 飛 蚊症 な どの視 覚 障 害 が 出現 した が いず れ もCTCAEv4.に て グ レー ド2以 下 で あ った 。投 与 開 始2週 間 頃 よ り徐 々 にALT (GPT)お よびAST(GOT)の 上 昇 を認 め投 与 開 始4週 間 頃 グ レー ド3の 肝 機 能 障 害 と な り休 薬 と した。 約3週 間 の 休 薬 でALTお よびASTは 正 常 域 に 復 し同薬 の 再投 与 が 可 能 とな り再 開 した 。 私 的 理 由 で 再 び 約2週 間 の休 薬 を 行 った が 、肝 機 能 障 害 は グ レー ド2以 下 に 留 ま り全 経 過 で ビ リル ビン の 上 昇 は 認 め な か っ た。 消 化 器 症 状 や 視 覚 障 害 な どの 副 作 用 は休 薬 後 数 日で ほ ぼ 消 失 、 再 開 で 出 現 を繰 り返 した。 ク リゾチ ニ ブ 開 始 後2週 間 頃 よ り胸 部X線 上 腫 瘍縮 小 が認 め られ 始 め 、投 与 後4週 の 胸 部crで はTh9 骨 転 移 巣 の縮 小 を 認 め た。 投 与 後3か 月 で の 頭 部MRIに て脳 に 無 症 候 性 の新 出病 変 を 認 め た が 、 投 与 後4か 月 の 胸 部 σrに よ る 評 価(図2)で は 、 原 発 巣 お よび 縦 隔 リン パ 節 転 移 巣 は ほ ぼ 消 失 して い た。 症 例2:60歳 代 女 性 。 主訴:咳 漱 既 往 歴:な し。 喫 煙 歴:な し。 現 病 歴:2012年3月 咳漱 が あ り当院 当 科 受 診。 そ の 際 施 行 した 胸 部X線 上 異 常 影 を 認 め た。精 査 の 結 果 、右 肺 癌(st,non-small cellca,cT4N2Mla,胸 膜 播 種,stagerV) の 診 断 とな っ た。TBLB検 体 にお け るEGFR 遺 伝 子 変 異 は陰 性 で あ った 。 同年4月 よ り カル ボ プ ラ チ ン(carboplatin)と ペ メ ト レキセ ド(pemetrexed)に よ る一 次化 学 療 法 を3コ ー ス施 行 しstabledisease(SD) で あ っ た。 同 年6月TBLB検 体 をEML4-ALK 融 合 遺 伝 子 検 査 に提 出 、FrSH法 陽 性 で あ っ た 。 同年7月 よ りク リゾ チ ニ ブ250㎎ の1 日2回 経 口投 与 を開 始 した。 臨 床 経 過(図3):投 与 開 始 数 日で 悪 心 、 便 秘 、 食 欲 不 振 、嚥 下痛 な どの 消 化 器 症 状 や 差 明 、 万華 鏡 様 視 野 な どの 視 覚 障 害 が 出 現 した が い ず れ も(rrCAEv4.に て グ レー ド 2以 下 で あ り休 薬 に よ る改 善 と再 開 で の 出 現 を 繰 り返 した。 投 与 開 始1週 間 頃 よ り 徐 々 にALT(GPT)お よびAST(GOT)の 上 昇 を認 め投 与 開 始5週 間 頃 グ レー ド3の 肝 機 能 障 害 とな り休 薬 と した 。 約3週 間 の 休 薬 でALTお よびASTは 正 常 域 に復 し同 薬 の 再 投 与 が 可能 とな り再 開 した。 著 明 な 下 痢 (腹痛 、 発熱 を 伴 っ て お り感 染 性腸 炎 の 合 併 が示 唆 され た 。)に て 再 び 約10日 間 の 休 薬 を行 っ た が 、 肝 機 能 障 害 は グ レー ド2以 下 に 留 ま り全 経 過 で ビ リル ビ ンの 上 昇 は 認 め な か った 。 ク リ ゾチ ニ ブ 開 始 後2週 間 頃 よ り胸 部X線 上腫 瘍 縮 小 が認 め られ 始 め 、 投 与 後4か 月 の 胸 部CTに よ る評 価(図4) で は 原 発 巣 、縦 隔 リ ンパ節 転 移 巣 お よ び胸 膜 播 種 巣 はす べ て縮 小 しpartialresponse (PR)で あ っ た。 考 察 EML4-ALK融 合 遺 伝 子 は肺 癌 に 特 異 的 に 見 出 されt)EML4遺 伝 子 とALK遺 伝 子 の 転 座 に よ り互 い が 融 合 し形 成 され る2)。ALKチ ロシ ンキ ナ ー ゼ 活 性 に よ り強 力 な 癌 化 能 を 獲 得 す る 肺 癌drivermutationで あ る。 EGFR遺 伝 子 変 異 陰 性 例 が ほ とん どで あ り、 若 年 で軽 ∼ 非 喫 煙 者 に 陽性 例 が 多 い3)。

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組 織 型 で は 肺 腺 癌 に圧 倒 的 に 多 くそ の 5%1こ1場オ生3)4)、acinaradenocarcinomaや cribriformpattern(舗 状 構 造)、signet ringcellを 伴 うこ とが 多 い4)が 他 の 組 織 型 で も陽 性 例 が 報 告 され て い る。 当院 で 経 験 したALK遺 伝 子 転 座 陽 性 肺 癌2例 は 、 EGFR遺 伝 子 変 異 陰 性 、若 年 、非 喫 煙 者 と臨 床 背 景 は 一 致 す る もの の 、1例 がclear celltypeのadenocarcinoma、1例 が non-smallcellcarcinomaの 病 理 診 断 で あ り、 いず れ も前 記 の 病 理 学 的 所 見 は 伴 っ て い な か っ た。両症 例 と もTBLB検 体 で あ り、 切除 標 本 で あ れ ば い ず れ か の病 理 学 的 所 見 を伴 っ て い た 可 能 性 は否 定 で き な い と 思 われ た。 ク リゾ チ ニ ブ はALK遺 伝 子 転 座 陽性 非 小 細 胞 肺 癌 に 対 して 抗 腫 瘍 効 果 が認 め られ た チ ロシ ン キ ナ ー ゼ 阻 害 剤 で あ り、2012年5 月 薬価 基 準 収 載 され た 。 海 外 第1相 試 験 に お い て 奏 効 率 は 全 体 で61%、 日本 人 で93.3% で あ り、PFSは10.0か 月 で あ っ た。海 外 第 II相試 験 、 第 皿 相 試 験 にお い て も奏 効 率 は 各 々51%、65%で あ り2012版 日本 肺 癌 学 会 肺 癌 診 療 ガ イ ドライ ン にお い てALK遺 伝 子 転 座 陽 性 非 小 細 胞 肺 癌 に対 す る 本 薬 の 投 与 が推 奨 グ レー ドC1に て 記 載 され て い る。 当院 に お け る ク リゾチ ニ ブ投 与2症 例 で は 、 症 例1は 脳 に 新 出 病 変 を認 め る も原 発 巣 と 縦 隔 リンパ 節 転 移 巣 は ほ ぼ 消失 、症 例2に お い て はpartialresponse(PR)で あ り、 ALK遺 伝 子 転 座 陽 性 非 小 細 胞 肺 癌 に 対 す る ク リゾ チ ニ ブ の 抗 腫 瘍 効 果 を身 近 に 確 認 す る こ とが で きた 。 副 作 用 報 告 で は 、 重 大 な 副 作 用 と して 間 質 性 肺 疾 患(2%)、 肝 不 全(肝 機 能 障 害)(5%)、QT間 隔延 長(1%)、 血 液 障 害(好 中 球 減 少)(5%)が 報 告 され て い る た め 定 期 的 な 血 液 検 査 、 胸 部X線 、 胸 部CT、EKGを 実 施 した。2症 例 と も、 グ レー ド2ま で の 好 中球 減 少 と グ レー ド3ま で の肝 機 能 障 害 を認 め た が休 薬 に よ り速 や か に正 常域 に 回 復 した 。 主 な副 作用 に は 悪 心(53.3%)、 嘔 吐(39.6%)、 下 痢(42.7%)、 便 秘(27.1%)、 食 欲 不 振(2(%)な どの 消 化器 症 状 や 本剤 に 特徴 的 な視 覚 障 害 (45.1%)、 肝 機 能 障 害(15%)が あ るが グ レー ド1,2が ほ とん どで あ る と報 告 され て い る。 当院 の投 与2症 例 に お い て も共 に 様 々 な 消化 器 症 状 や 視 覚 障 害 が 出現 した が 、 す べ て グ レー ド1お よび2で あ り休 薬 で 徐 々 に 回復 、 長 期 間 の 投 与 が 可能 で あ り ク リゾチ ニ ブ の安 全性 を確 認 す る こ とが で きた 。 締 ALK遺 伝 子転座陽性肺 癌2例 に対す るク リ ゾチニ ブの投 与経験 につ き述べ た。効果 と 副作用 よ り、同剤 が貴重な非小細胞肺癌 の 治療薬 であるこ とが確 認で きた。 引用文献

1) Soda M, Choi YL, hnomoto M, et

al.indentification of the transforming

EML4-ALK fusion gene in non-small-cell

liinu ranrer Natiirp 7007 448:561-566

2)間 野 博 行 肺 癌 原 因 遺 伝 子EML4-ALKの 発 見 と 臨 床 応 用.肺 癌2010;50:889-893. 3)Tetsuya Mitsudomi. Advanced in Target

Therapy for Lung Cancer. Jpn J Cl in Oncol 2010 ; 40(2) : 101-106.

4)日 本 肺 癌 学 会 バ イ オマ ー カー 委 員 会.肺 癌 患 者 にお け るALK遺 伝 子 検 査 の 手 引 き. 第1.2版2011:5-6.

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平 成25年4月11] ㌧' 一・臨 移髄 鰯 詰 僧 耐作 用:視覚異 常(遊明L搬鼓症) 嘔気 、下鳳 食螢琶下、嚇下痛 妊中 璋滋少なといずれもGl-j2 図1症 例1臨 床 経 過 こ…族 ….三 クリゾチニブ投与前6月 中旬 クリゾチニゴ 投 与 功 月 ユC月中 句 図2症 例1画 像経 過

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7卿2日,"雪 ■7"=7■7闘 認 口e"=8冨";=目`";馨09目3;8雪"艦 回9圃=;囹:=A:8:3月 認 巳鵠"乙98乙3"二c■ 〇三A工三3c三A7.fi 蝕 引 作 用:寵 覚 異 常(遊 夙 万 華 鐘 模) 嘔 気 、便 磁 下 痢 、食 螢 隊下 、嘘 下 痛 好 中 輩 滋 少 なa、 ず 射 もG1-e :…減 ….i 〇三A4.E 図3症 例2臨 床 経過 ク リゾチニブ投 与前7月 初旬 ク リゾ チ ニ ブ 投 与4カ 月10月 下旬 図4症 例2画 像経 過

参照

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