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新聞労働者の労働の変化と健康問題の変容に関する研究 : 現代労働者の健康破壊要因に関する保健社会学的考察

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(1)

新 聞労働者の労働 の変化 と健康 問題の変容 に関す る研究

∼ 現 代 労 働 者 の 健 康 破 壊 要 因 に 関 す る 保 健 社 会 学 的 考 察 ∼

THE STUDY OF THE CHENGING HEALTH PROBLEMS IN

A NEWS PAPER WORKERS

∼The Health Sociological Research of A Current Worker's Health Problems∼

牧

野

忠

康

Tadayasu Makino

〔目 次

〕

1・緒

言

Ⅱ

・ 研究の方法 と対象 Ⅰ・1

.

調査対 象 ∬・2.調査方法 皿・3.調査対 象の概要 廿・3.1. N新聞社の概要 Ⅰ・3.2.従業員数 と平均年齢 ・平均 勤続年数の推 移 Ⅱ・3.3.N新聞社の技術革新 と労働過程の変化 Ⅰ・3.4.N新聞社の職場の概要

皿

・ 調査結果 と考察 %・1.科学 ・技術革新に よる労働の変化 と健康問題 Ⅱ.1.1. 活版印刷時代の鉛 中毒問題 Ⅱ・1.2.技術革新に ともな う頚肩腕障害問題 ml.3.CTS時代 のVDT労働に よる健康 問題 臥1.4.VDT労働に伴 う健康 問題の特徴 n.2.中 ・高齢化 と健康問題 皿・2.1.労働者の中 ・高齢化の 問題 n・2.2.生活習慣 と慢喪問題 Ⅱ・2.3.保健行動 と健康問題 Ⅱ・2.4.年 齢 と健康問題 n・3.労働生癌 と保健行動 皿.3.1.健康診断 の受診行動 の評価 n.3.2.健康破壊 の発生原因 の分析枠組 み と職場 集団の保健行動 Ⅱ.3.3.職場集団の保健行動 と評価 皿.3.4.個 と組織 の保健行動 Ⅰ・4.労働過程におけ る保健対策 の検討 皿.4.1. 労働 の変化に対応 した保健行動の確立 の 必要性 n.4.2.健康 診断 と健康教育 ・健康学習 に よる保 健対策 の在 り方 n・4.3・ 職場での健康 問題解決行動の促進対策 皿.4.4.労働生活のゆ とりづ くり Ⅳ.総 括 Ⅳ.1.本研究で証 明で きた課題 Ⅳ.2.今後 と課題 付論 .一般健診と85年調査の結果 と分析 什 1.一般定期健康診断成筋 の分析 付.1.1. 一般定期健診 (春季 )年次別受 診状況 付.1.2. 自覚症 状 付.1.3.血圧値の推移 付・1・4・ 肝機能

(

GOT,

GPT)

値 ,総 コ レス テ ロー ル (TC)値 ,尿酸 (uA)値 付・1・5・ ヘ マ トク リ ッ ト(Hb)値

・

7

グ ロ ビ ン (Hb)値

(2)

什 1.6.属性 ・保健行動 ・自覚症状指標の相関分 析 付.1.7.疲労閑適指標 とその他 と指標 との相関分 析 付.1.8.検査成筋 と諸指標 との相関分析 付.2. F技術革新下 における労働生活 と健康管理 に 関す る調査

』(

1985)の.結果 付.2.1.労働生活の変化 付.2.2.労働疲労感 付.2.3.健康 自己評価 ・疲労感 と他指標 との相関 分析 付.2,4.保健行動 と他指標 との相関分析 付.2.5.健康状態 自己評価 ・疲労感 ・検査成績の 相関分析 〔謝 辞〕

†

.

参考文献 〔図表 目次

)

表

Ⅱ

.

- 1 N新聞社固定給の従業員数ー平均年齢, 平均勤続年 数 と推移 表 皿.1- 1 職場別 ,鉛暴露体験者数 (1985年調査 ) 表 皿.1- 2 鉛特殊健診年次別別受診状況お よび健診 結果 表Ⅱ.1- 3 尿中鉛量 (誘発法2時間値 ),a-ALA 値.経験年数 表Ⅱ.1-4 頚肩腕障害特殊健診年次別受診状況お よ び健康結果 表Ⅱ.1- 5 VDT健診年次別受診者数 ・平 均年 齢 (男 ) 表Ⅱ.1- 6 VDT作業形態 (作業時間 ) 表Ⅱ.1- 7 VI)T健診総合判定結果の推移 表皿.1- 8 視機能判 定結果の推移 表皿.1- 9 日の症状 (1986年 ・男 ) 表 Ⅰ.1- 10 VI)T健診年次別 目の疲労スコア-表Ⅰ.1111 VDT健診年次別頭肩朕降雪 ・背腰痛 ス =7一 義 Ⅱ.1- 12 VDT労働 ・祝捺能低下 ・疲労 ・精神症 状 ・頚肩既障害に関す る相関分析(1986年 , 男

,N

新聞社 ) 表皿・1-13 VI)T作業者健診一次スク リーニング ・ 二次健診成節 (1987年 ) 表Ⅱ・1-14 VDT労働 ・視機能低下 ・疲労 ・精神症 状 ・預肩腕障害に関す る相関分析 (一次ス ク リーニング要精密検査者,N- 39 ) 表Ⅰ・1-15 1986年VDT健診 (男199.女77)指標 とN新聞社 ・年 齢 ・性差 の相関分析 表Ⅱ11-16 N新聞社VDT健診総合判定結果 ( 1988年9月 ) 表Ⅱ・1-17 N新聞社 VDT健診視機能判定結果 (1988年9月 ) 表皿・1118 N新聞社VDT健診の頚肩腕障害 ・目の 疲労 自覚症状の推移 表Ⅱ・1-19 N新聞社VI)T健診の頚肩腕障害 ・目の 疲労 自覚症状 スコアの推移 付表 .1- 1 付表 .1- 2 付表.1- 3 付表.1- 4 付表.1- 5 付表.1- 6 付表.1- 7 付表.1- 8 付表.1- 9 付表.1- 10 付表.1-ll 付表.1-12 付表.1-13 付表.1-14 付表.1-15 付表.1- 16 一般定期春季健診年次別,受診状況 自覚症状 (疲労症状等 ) 自覚症状 (神経 ・感覚等 ) 自覚症状 (呼吸器 ・消化器系等 ) 自覚症状 (筋 ・骨格系 ) 年齢階層別,年次別,平均血圧値の推移 (男 ) ランク別,最大血圧値の比較 (1976年 , 1985年 )の比較 年 齢階層別,GOT,GPT値の推移 年齢階層別,TCP,UA値の推移 -マ トク リット値 (1976年, 1985年 ) の比較 -モグロビン値 (1976年, 1985年 )の 比較 1986年一般定期健康診断資料の相関分 析指標投入件数 属性 ・保健行動 ・自覚症状指標の相関分 析マ トリックス 「保健行動」指標に用 いた質問項 目と回 答数 (1986年 ) 「タ イ プA行動傾向」指標に用いた質問 項 目と回答数 (1986年 ) 疲労関係指標 と他指標の相関分析マ トリ ックス 付表.1-17 「蓄積疲労傾向」指標に用いた質問項 目 と回答数 (1986年 )

(3)

付表.1- 18 検査データと指標の相関分析マ トリック ス 付表.2- 2 所属別 ・仕事上の出来事をどう感 じてし、 るか-その1 付表 .2- 2 最近 2年間一仕事上のできごとをどう感 じているか-その2(全体 ) 付表.2- 3 最近2年間一仕事上のできごとを感 じて るか- 2(職場別 ) 付表 .2- 4 疲労をどのように感 じているか一全体 付表 .21 5 疲労をどのように感 じているか一職場別 付表 .2- 6 指標に用いたサンプル数 付表.2- 7 「日常生活のいらいら」指標に用いた質 問項目と回答数

I

緒 言 現代産業社会は技術革新下 にあ り、現 代労働者 に とっては労働形態、労働態様が大 き く変貌 して きてJい る。 と くに、熟練労働部門での、労働の質 †の変 化は激 しい。大方の熟練労働 は崩壊 し、 コン ピューターの端末 を操作す る単純労働 に とって変 わ られ ている。労働負担 でいえは、 肉体的負担労 働か ら精神 ・神経負担労働に変わ った。 また、技 術革新 とは、単純 に新 しい機械 や システムに置 き 換 わ るだけではな く、労働その ものの質がかわ り 以前の職場や仕事がな くなって しま うことで もあ る。 私は、この10余年問に新聞労働者の健康管理 の仕 事 に携わるなかで、新聞労働者の労働過程が大 き く 転換 してい く流れを観察す る機会に恵 まれた。技術 革新 の もとで印刷 の主流であ った活版 印刷が新聞 紙面作成工程 か らな くな り、 コンピューターに よ る紙面作成工程 に激変 してい く過程 をみてきた。 す なわ ち、印刷 の象徴 ともいえ る活 字が、印刷工 程 か ら姿 を消 してい く歴史的瞬間に立 ち会 ったの であ る。 そ して、 この労働 の変化のなかで労働者の健康 問題 も大 き く変わ ってい き、 これ に どの ように対 処 してい くか につ いて考 え る枚会を与 え られた。 労働の変化に対応 した、労働者の健康 管理 のあ る べ き形態 を模索 して きた。健康や病気 と社会 との 関係 を研究す る保健 ・医療社会学者 と して、 この 体験 を科学的 に分析 し記録に してお く重要性 に気 付表 .2- 8 健康感 ・疲労感 と他指標 との相関分析マ トリックス 付表 .2- 9 保健行動と他指標 との相関分析マ トリッ クス 付表 .2-10 各指標と所属部局別の相関分析マ トリッ クス 図m 4- 1 科学 ・技術確信による労働の変化 と健康 問題の変容 図皿.4- 2 VDT健康診断実施モデル 図皿.4- 3 N新聞社 VDT健診二次健診 (1988・9) 受診者の指標関連 図Ⅳ.21 1 労働者の健康生活環境モデル ーづいた。 本研究の意義 と しては、次 の五点 に ま とめ られ る。第-は、印刷工 の職業病 である鉛 中毒が、新 聞制作 の現場か ら技 術革新 に よってな くな りつつ あ ることを記録す る社会的 ・歴史的 な意義 があ る。 第二 は、技術革新 は、古典的 ともいえ る鉛 中毒 を 印刷 職場か ら追放 したが、新 たに精神 ・神経疲労 と精 神 ス トレス関連 の労働者の健康破壊 を もた ら して い ることを実証的に提起す る意義 が あ る。第 三 は、労働 と健康 問題 との関 わ りにつ いて、発生 原因 か らみ て も病像や病態か らみて も、今 日的 に は特殊 な状態 としてではな く日常的か つ一般的 な 状況 で現れ て きてい ることを証明 し、健康 管理 に ついて もパ ラダイムの転換が要求 され て いるこ と を問 題提起す る意義 があ る。第四に、労 働者 の中 ・高 齢化に ともな う健康問題 を分析 して、現代労 働者 の健康管理 の在 り方につ いて保 健社 会学的視 点か ら問題提起 す るとい う意義がある。 そ して、 第五 は、健康被害 を受け る労働者の問題解決行動 に視座をおいて観察 す ると、人間の生命 と健康 に 係わ る社会 お よび生活問題 としての健康 問題の解 決 に、労使関係 とい う社 会関係のなか で労働者の 「組織的 な保 健行動」の果たす役割 の重 要性が浮 き彫 りに なる。 この ことを実証的 に、問 題提起す る意 義が ある。 本研究 の成果 として、五つ の課題 につ いてはN 新聞社の事例 を とお して実証的に問題提 起 で きた

(4)

と考えてい る。今後の課題 としては、拙論が新聞 労働者以外に も、一般化できるか ど うかを検証す ることが必要であ る。′ また、本論は現代労働者の健康破壊構造の解明 の序説的 な意味を もっている。 さらに、健康問題 -の保健 ・医療社会学的 アプローチの試論 として の意味を もっている。保健 ・医療社会学は、社会 生活の根源 としての生命 と健康 の社会関係につい て社会科学的法則を明らかに し、人間発達の実践 課題をバ ックア ップす る学問領域である。 この意 味で、本論は、健康問題解決 と健康問題発生予防 の保健社会学的実践に10年間にわた って と りくん だ論者のフィール ドワーク記録で もある.

Ⅱ 研究の方法 と対象

1

.

1

.

調査対象 S病 院健診 セ ンター と論者 も参加 して過去10 余年にわた って健康診断の実施を担当 しデータの 保存状態が比較的 よ く、 この間に技術革新に よる 新 システム導入を図 ったN新聞社東京本社 (従業 員数- 860人, 1987. 7. 1現在) を選定 した。 表

1-1 N

新聞社固定給の従業員数、平均年齢、 平均勤続年数の推移 年(LI.1次 現在) 本社従 業男 員女 数総計 平埼年齢 平均勤続年数 1976年 1,01人7 914人 103 1人 ,707人 33.読9 10.午1 81 864 817 47 1,399 39.0 16.0 82 854 811 43 1,380 40.5 17.1 85 815 781 34 1,332 41.8 18.3 86 817 778 39 1,339 42.2 19.3 87 828 783 45 1,345 42.4 19.5 資料 出所 :各年度版

「

N

新聞労働組合定期大会 議案書」 よ り作成

Ⅰ

.

2

.

調査方法 調査方法は、S病院健診 セ ンターに保管 されて いるN新聞社東京本社の、一般定期健康診断結果 票 (1976-1986年),鉛特殊健康診断結果票 (1976 - 1986年),頚肩腕障害特殊健康診断結果票(1976 - 1986年),VDT特殊健康診断結果票 (1985- 1986 年) を資料 とし、男性を対象 として分析 し、考察

し

た 。 定期健康診断結果票については、 1976-1986年 の全データと1982- 1986年の自覚症状等問診用 質問票のデータお よびVDT特殊健康診断結果票 (1985- 1988年) の全データと自覚症状等問診 用質問票のデータを論者が整理 ・作成 し、 コンピ ューターに入力 して分析 した。 さらに、1985年には調査票を全従業員に配票 し、 同年5月の春季一般定期健康診断時に回収 した 自 記式配票質問紙調査 に よる F技術革新下におけ る 労働生活 と健康管理 に関す る調査 』をおこなった。 1985年春季定期健康診断 の受診者数は813人 で、 回収できた調査票は475件 であ った。回収率は、 58.4%である。 分析にあた って、健康診断結果 とあわせ て コソピューターに入力 し分析 した。女 性は少数 なので、分析対象か らは除外 して有効サ ンプル数は453件 となった。 また、健康診断時に労働者,労働組合の幹部, 会社 の労務担当者 と論者が直接面接 し、聴 きとり 調査に よ り資料の補完を した。

刀

.

3

.

調査対象の概要 甘・3.1.

N

新聞社 の概要 N新聞社は、 日刊 の工業専門紙を発行す る新聞 社である。従業員総数は、 1987年7月現在 で1.413 人 である。新聞の発行の他、工業、 FA、OA関 連の専門雑誌 と書籍 の発行 も行 っている。 さらに、 研修事業やデータ ・ベースの販売事業 にも営業 を 拡大 している。 l・3.2.従業員数 と平均年齢 ・平均勤続年数の 推移 従業員数、平均年齢、平均勤続年数の推移は、 表

Ⅰ-

1に示 した。1976年では平均年齢が33.9歳 であったが、1987年 では42.4歳 とな っている。 こ れは、N新聞社 の従業員 の中高齢化が確実に進展 していることを示 している。経営危機 のため、新 規採用が数年間ほ とん どない とい う状況があった ことも影響 して、中高齢化が一層進 んだ。

(5)

Ⅰ・3.3.

N

新聞社の技術革新 と労働過程 の変化 新聞紙面 の制作工程 の主流は、つい最近 まで活 版印刷 であった。活版印刷の工程は、1440年頃に JohannesGutenbergが 当 時 開発 され ていた活字 鋳造,イ ンキの製造 ,印刷機械 ,給紙法等 の技術 を組み合わせ て活版印刷 の技術を開発 した ところ か ら始 まった。わが国の新聞印刷工程 も、1964年 前後 より技術革新の洗礼を受け作業形態が変化 し て きた。活版職場 では、 自動活字鋳造機 の導入 に よるモ ノタイプ化や写真植字機、鉛版 自動鋳込機 な どの枚械化が進 んだ。 また印刷職場 では、高速 輪転機 の導入で印刷 のス ピー ド・ア ップが図られ、 急速 な情報社会化の潮流 と対応 した紙面の増ペー ジによる労働負担の増大などがあった。 コンビュ」 クーと連動 させ ると全 自動化できるような最新式 の機械 と、手拾 い採字で植字す る古い工程 とが混 在す る紙面制作工程になった。そ して、 コンピュ ーター化-のシステム開発が模索 され るなかで、 いずれは新聞制作の工程か ら鉛職場が完全に消え てい くとい う潮流 となってきた。 ここで、N新聞社の技術革新の概略を年代を追 ってあ とづけてお く。N新聞社は、1945年 11月に 設立 された.51年、 6/9写真製版設備完成、9/1 紙面4ページ建 となる。 しか し、同年に本社社屋 が全焼。52年1月に写真製版工場完成、 12/1紙 面が8ペ ージ建 とな り、12/17輪転機設置。54年、 1/1紙面12ページ建 となる。61年、6/1工務局 モ ノタイプ10台導入。66年、4/1ファクシ ミリで大 阪印刷発行が始 まる。68年、8/8社内 コンピュー ター研究委員会設置、 8/20紙面20ページ建 とな る。69年、 8/23電算委員会設置。70年、4/1電 算室設置。71年、 8/発送 カウンタース タッカー 設置。72年、 8/17東京∼福岡 ファクシ ミリ開通。 73年、4/CTS化検討 を公表。77年、 1/25労働安 全衛生委員会設置。78年、2/1CTS確認書調印、 編集 ファクシ ミリ導入合意。79年、1/CTS委員会 がべ-ジア ップ実験を開始、 4/23手動式モノタイ プを全廃 してさん孔横 と全自動モノタイプに置 き換 え、7/6CTS協定調印、10/2CTS労働条件 ・移行 覚書調印、1シ/7工程変更覚書調印。80年、 2/18 CTSの後工程が鉛版か ら樹脂版印刷に完全移行 し この工程では鉛作業がな くなった、8/21「見出 し のベーパー化」■,実験開始、 10/2

8

「見 出 しのペ ー パー化」広告部門移行、ll/1CTS工場建設計画確 認書調印、ll/17「E出 しのべ -パ ー化」編 集部門 段階移行開始。82、8/10ペ ージの一部CTS化で活 版 との並行紙面制作 となった。83年、4/24カラー 製版開始。85年、7/17CTS総合テス ト開始。86年、 3/4全紙面CTS化 とな り紙面制作工程か ら鉛作業 が完 全にな くなった。 このように、技術革新の もとで労働手段が変化 してきた。 このことで労働過程におけ る健康破壊 の様相 も、大 きく変 化 してきた。活版 と鉛版に よ る紙面制作工程の時代には、鉛中毒の健康破壊 と 重量物取 り扱 いのために背腰痛に悩 まされた。活 字鋳造 と植字が 自動 化された全自動 モノタイプが 導入 され ると、鉛作業 で鉛中毒、 テープさん孔作 業で頚肩腕障害の発症が問題 となった。写植や コ ソピューターの導入では、昏肩腕障害 の発症が問 題化 した。そ してつ いに、CTS(ColdType-Sett -1ng SystelnOrColnputerizedType-SettingSys -tem)化に よ り活字が新聞制作工程か ら完全に姿 を消 した。 この今 日的段階では、鉛中毒の危険か らは解放 されたがVDT(VisualDisplayTerminal) 労働による健康障害 の危険 に曝され るこ とにな っ た。 科学技術革新に伴 う労働の変化 として特 徴的 な ことは、鉛活字 ・鉛版による活版 印刷か らコンピ ューター ・システムに よる採字 ・組版 と樹脂版に よる刷版 とい う印刷工程に変化 した ことが指摘 さ れ る。新聞制作工程 が、ホ ッ ト・タイプ ・システ ムか らコール ド・タイ プ ・システム(cワs)へ と変 わ った。 これが、新聞産業のいわゆ るCTS革命 で ある。N新聞社では、1974年 よりCTS化の検討が 開始 され、N-CESとい うシステ ムを 開発 した。 1985年の段階で日刊紙発行紙面の半分 を活版印刷 し、残 り半分をCTSに よって制作するとい った段 階的 な移行 を行 なった。1986年3月 よ り全面的 な CTS化に よる紙面制作に移行 し、活版印刷 の工程 が完全にな くなった。 Ⅱ・3.4. N新聞社の職場の概要 本論では、職場の特性を考慮 し、1.工務 局 (1986 年に制作局 と改称)、 2・編集局、 3・ 販売局, 事業局,出版局,業務局、 4・ 総務局,経 理局, その他、の四つのセ クシ ョンに分類 して検討に用

(6)

いた。 1. 工務局 (-制作局) 工務局は、活版部,写真製版部,印刷部で構成 されている。活版郡は、鋳造,モノタイプ,文選, 組版,校閲な どの業務を担当 していた。1986年 よ り活版部はな くなって入力部 とな り、パネル型ペ ンタ ッチ入力方式に よるVDT作業が中心 となっ た。職場は、工場か らオ フィスに と大 き く変貌 し た。労働 としては、鉛 を扱 う仕事か らコンピュー ター入 力を主体 とした仕事に労働内容 と労働態様 ともに変化 した。写真製版部では、製版 と地方局 との情報 (ファクシ ミリ)送受信業務等を行 って いる。印刷部は、輪転機 を動かす印刷 と電気保全 部門に分かれている。学歴では、中学卒が3割 , 高校卒 が6割を占めている。工務局は、ブルー ・ カラー層 であ る。技術革新は、たんに技術が新 し い もの とおきかわ るだけではな く、それ まで存在 していた熟練労働が崩壊 し労働 の質が変わ って し ま うのである。その典型例が、 この職場にみ られ る。1987年7月現在 で、 198人 (男- 197 ,女-1)が在籍 している。 2.編集局 編集局は、取材記者,編集記者を主体 として構 成 されてお り、写真部員 もここに所属 している。 学歴 では、大学卒が9割を占めている。ホワイト カラー層 である。 大 きな技術革新がみ られない、職場である。1987 年7月現在 で、 165人 (男- 161,女- 4)が在 籍 している。 3.販売局,事業局,出版局,業務局 新聞の販売拡充業務,書籍や雑誌の編集 ・出版 ・ 販売,セ ミナー ・講演 ・教育 ・研修な どの企画事 莱,在庫管理や発送業務 などを担当 している。学 歴 では、中学 と高校卒 が1割 で、大学卒が8割を 占めている。 ここは、編集局 とは趣が異 なるがホ ワイ ト・カラー層 が主体 で、ブルー ・カラー層 も 混 じったセクションである。大 きな技術革新はな いが、ノルマが過大になってきた職場である。t1987 年7月現在 で、 305人 (男- 289,女- 16)が在 籍 している 4.総務局,経理局,その他 このセ クシ ョンは、大学卒が7割を占め るいわ ゆる事務系のホ ワイ ト・カラー眉 の集団である。 1987年7月現在 で、 139人 (男- 115,女- 24) が在籍 してい る。

Ⅲ・調査結果 と考察

臥1.科学 ・技術革新による労働 の変化 と健康問題

皿・

1

.

1

.

活版印刷時代 の鉛中毒問題 まず、鉛 の暴露状況 と鉛特殊健康診断の結果 を 検討 してみ る。 表皿・1- 1に、職場別鉛暴露体験者数を示 した。 これは、1985年の F技術革新下におけ る労働生活 と健康管理 に関す る調査 』の結果 である。全体 で は40%の ものが,鉛暴露体験 を もっていた。職場 では、工務局に所属す るものの79.9%が鉛暴露体 験 を もってお り、体験者全体 の70%が この職場 に 集 中 していた。ついで鉛暴露体験 の多いのは、編 集局 で33.8%を占めていて、体験者全体の12.1% であった。体験者全体 の14.9%が 販売 ・事業 ・ 出版の職場に属 している。経理 ・総務 ・他 の職場 では、体験者全体 の2.2%であった。 表Ⅱ・1- 1 職場別,鉛暴露体験者数 (1985年調査 ) 職 場 N 鉛 暴 露 体 験 0.全 体 453人 100.%0 1814^ 0.%0(100.0%) 1. 工務局 159 100.0 12779.9(70.2) 2.編集局 65 1(泊.0 2233.8(12.1) 3.版販売 .事業 .出 169 100.0 27 16.0(14.

9

)

4.経理 .総務 .他 - 53 100.0 4 7.5( 2.2) 表皿・1- 2に、鉛特殊健診年次別,受診状況 と 判定結果 の推移を示 した。 75年の健診時には、「要 治療者が37.9%であった。 76年では、 17.9%に下 降 し、80年には2.3別 こなった。 70年 より労働組 合主催の鉛 自主健診が取 り組 まれ、 「要治療者」 の主 な人た ちは排鉛治療な どが開始 されていた。

(7)

73年12月 と74年1月の2日間かけて会社,労 働組 令,産業医,健診実施 医療機関の四着が協力 して 実施 し、 339人が受診 している。 その結果 は、「要 治療」 が138人 (40・7

%)

,

「経過観察」が173 人 (51.0%)であ った。 また、環境改善 の努力 も 健診の実施に並行 してすすめ られた。 この背景 の も とで 、鉛 中毒 診断判 定 の クライ テ リアが緩 和 され てい った。 この成績は、 こ うした鉛 中毒問題 の鎮静化 の経 過 と一致 してい る。 また、80年 で受 診者数が減 少 し、 さらに87年 には75年時 の25別 こ 激減 した。 これ は、N新聞社 では鉛作業職場が83 年か ら縮小を始め、86年3月には鉛作業職場が完 全に無 くなった ことに よる。 表 皿.1-2 銘特殊健診年次別受診状況および健診結果 年 次 対 象者人 受診者人 異常無 .要観察人 % 要人精 密% 要人治 療% 1975年 - 346 215 62.1 0 0.0 131 37.9 76 - 320 261 81.6 2 0.6 57 17.8 77 - 304 254 83.6 5 1.6 45 14.8 78 l 314 301 95.9 0 0.0 13 4.1 79 - 322 302 93.8 2 0.6 18 5.6 80 - 302 291 96.4 4 1∴3 7 2.3 81 - 261 253 96.9 2 0.8 6 2.3 82 - 203 193 95.1 6 3.0 4 2.0 83 189 184 181 98.4 1 0.5 2 1.1 84 181 172 156 90_7 14 8.1 2 1.2 85 174 167 165 98.8 2 1.2 0 0

.

0 86 136 136 135 99.3 1 0.7 0 0.0 表皿・1- 3に、75年 と79年 の平均尿中鉛量,辛 均

∂-ALA

値 お よび平均経験年数 を示 した。対 象 は、鉛作業に よる鉛暴露を濃厚 に受け る リス ク の高い工務局 の採字 ,鋳造 ,モノタイプ,組版 , 鉛版の職場 で働いてい る者 で、75年 と79年の両年 の健診 とも受診 してい る者 とした。 75年時 の平均 鉛 作業経験年数は15.9年 で、最長経験年数 は35年、 最短年数は.1年であった。尿 中鉛量 は、CaNa2 -EDTAを1g静注 し2時間後 の尿中鉛量 を測定す る いわゆ る誘発法に よる。 75年 の平 均尿 中鉛量 は 138・5 jig/eで、79年 では、 111・8′上g/Cであ っ た。両年 の平均値 には、T-testで有意水準 P< 0.1の有意差 が認 め られ る。経験年数 と尿 中鉛量 との有意 の相関は、認 め られ なか った。平均

∂-ALA

値 は、 75年 は3.41m/2、79年 が3.2D喝

/

2、

であった。両年 の平均値 には、有意 の差 は認め ら れ なか った。 しか し、 この平均値は、 カ ッ ト・オ フ ・ライ ンが高 いとされ る労働省の労災認定基準 の150Pg/C と比較 して、高 い値 である。 表 皿.1-3 尿中鉛量 (誘発法 2時間値 ),

∂-AL

A

値,経験年数 年 平 ■均 平 均

a-ALA

値 (N-42) 経験年数 尿 中鉛量 1975年 15.年9 8.SD84 1FLg/38./セ SD564.17 m3.g/e41 1SD.21 対象 :工務局 (採字, モ ノタイプ,鋳造 , モ ノタ タイプ,組版,鉛版) の職場 で、 かつ両年 共受診 してい る老42名。 鉛 中毒は、古典的でかつ典型的 な労働 者 の健康 破壊 の一つである。鉛中毒は、重金属 中毒 の職業

(8)

病 であ る。労働医学 ・職業病学 の古典 として知 ら れ るBernardinoRamazziniが著 した『Demorbis artificum diatriba

』(

1713.日本語訳 :働 く人 々 の病気,松本元訳1980・) には、鉱夫 の病気 には じまる53の職業 についての病気 の記述 が なされ て い る。印刷屋 の病気 について も、 「ほ とん どつね に座 って小箱か ら金属 の活字を選 り出 し、版 に組 んでい るか、あ るいはすでに不要 とな った活字 を ほ ぐして小箱 の中-返す、 これが彼 らの主な仕事 であ る」 (日本語訳版, 257ページ) と記 してい る。 しか し、何故か鉛 中毒に関 しては触れ ていな い。健康影響については、座業や立位作業 とい っ た作業姿勢 の負担 に よる疲労 の健康障害 と、視力 障害 が中心 に述べ られ てい る。鉛 中毒 の危険を指 摘 しているのは、 「陶器師の病気」 (日本語版, 33ペ ージ) と 「画家 の病気」 (日本語版,44-45 ペ ージ) の項に見出 され る。 B・Ramazziniは記載 を洩 ら したが、印刷工 にお け る鉛 中毒については古 くか ら指摘 され ている。 わが国の成書では、石川知福が F労働 の衛生学 』 (1939.)で 「印刷業に於け る鉛中毒」 につ いて節 を起 こして記述 している。新聞社は、印刷工場 を 内包 してい る。鉛の鋳造、文選、植字、組版、鉛 版制作 、解版、印刷 といった鉛暴露作業が、新聞 制作工程 の重要 な部分 として存在 し、多 くの労働 者が ここで働 いている。 こ うした作業 に従事す る 労働者に、慢性鉛中毒が発生す ることは よ く知 ら れ ていた。 いわば職業病 として鉛中毒 は、現代 の 科学 ・技術革新の下では克服 され ていなけれ ばな らない古典的職業病 である。 ところが、1970年5月に、工務局活版郡 で働 く 3人 の労働者 が鉛中毒 と診断 された。 これ を重視 した労働組合は、 「完全公傷扱 い」 と 「職場 の抜 本的改善」 の要求を掲 げ、ス ト権 を確立 して闘 い にはい った。労働組合は、会社 に対応 を要求す る だけ でな く、組合内部組織 として 「職業病対策委 員会」 を発足 させた。健康 ア ンケー ト調査、職場 点検や鉛特殊健診の 自主健診 を取 り組 んでい る。 その結果、35人 の鉛に関連す る治療 の必要 な著が 発見 され、内9人が労災保険 の業務上認定 を受け た。 また、労働安全衛生管理面 で、会社 としてや るべ きことが行われ ていなか った ことな どが次 々 と指摘 された。労働安全衛生委員 会 も組織 され て -3 2-いなか った。ついに、会社の対応 として鉛環境測 定 と鉛特殊健康診断 を実施す るところ とな った。 そ して、その後 は 「要 治療」者数 が年 々確実に減 少 していることで、労働環境改善 と健康管理 の徹 底に よ り、鉛 中毒問題が鎮静化 してい った ことを 確認す ることがで きる。 そ して、技術革新 に よる CTS化に よって活版 印刷工程が な くなることに よ り、鎗暴露 の リス クも完全 に新聞紙面制作工程か らはな くなって鉛中毒問題 の解決 をみたのであ る。 H・1.2.技術革新 に ともな う頚宿願障害 問題 表皿.1- 4に、頭肩腕障害 ・背腰痛特殊健診 の 年別,受診状況 と判定結果 の推移 を示 した。77年 に 「要注意 ・要治療」 の著が19.1%いるが、 78年 Fとは6,4別 こ減少 し、79年には再 び0とな った。 それ は82年 まで続 いた。 しか し、83年 には 「要注 意 ・要治療」が 3.6別 こな り、 「要観察」者 も増 大 した。 同年 の秋 にはいわゆ るVDT作業者特殊 健康診断が始め られた。対象者は、頚肩腕障害 ・ 背腰痛特殊健康診断 の対象者 とも重 な りがあ るが、 それ までは鉛特殊 健康診断 の対象 であ った工務局 の者が大部分 を占めていた。それ は、CTS化に伴 って鎗作業か らVDT作業 に転換す ることになっ た ことに よった。 83年春 の頚肩腕障害 ・背腰痛健 診 にVDT作業者 も一部受診 した。 頚肩腕障害 は、72年 ごろ多発 の傾 向にあった。 しか し、預肩腕障害 ・背腰痛特殊健 診がN新聞社 の特殊健診 として制度化 した76年頃 には、要治療 者はす でに治療を開始 してお りかつ労働組 合を中 心に職場改善 も進 んでいた。CTS化の進行 ととも に作業形態 の変化がみ られ、頚肩腕 障害発 症危険 要因 に暴露す る枚会が増大 してい るために 「要観 察」者は増加 した。 したが って、集 団的な頭肩腕 障害 の状態が悪化 の方 向にあ るとい うことではな い と評価 して よい。 N新聞社での頭肩腕障害問題の発端 は、1972年 1月に電 算室 のキ ーパ ンチ ャー2人 と、 4月には =務局写真製版部 の写植 オペ レーター1人 が頚肩 腕障害 に擢病 した ことには じまる。写真製版部の 写真 オペ レーターの罷病者は、その後 さらに2人 増 えて3人 とな った。 キーパ ンチ ャー2人 は女性、 写植 オペ レーターの3人 は男性であ った。 また、 66年掛 こ多発憤向をみせ 一時鎮静 していた背腰痛

(9)

の発生 も再燃 してきた。会社がキーパ ンチ ャーの 頚肩腕障害羅病者を、 「キーパ ンチ ャーの作業に は体質的に向かない」 といって電算室か ら庶務部 門に強制配置転換 した。鉛中毒問題が未解決 でも あ り、会社 と労働組合 との緊張関係が さらに高 ま った。労働組合 としては、 「劣悪 な労働条件 と職 場環境は、職場 の労働者の健康 といのちをおびや か しっづけてきた。それに加 えて業績悪化を理 由 とした さまざまな合理化の進展 が職業病多発 に結 びついたが、それだけに この職業病問題は労働者 に とって絶対 に譲 ることのできない闘 いであ り、 また経営者の責任 と義務が もっともす るどく追 及 され る問題であった

」(

FN新聞労働組合史 』, 1981・, 67ページ) のである0 5人の預宿駅障害曜病者は、労働基準監督署 で 業務上認定 された。私 も、この時に電算室 および 写真製版部 の現場を見学 した。空自肩腕障害 の発症 原因の調査 と予防対策 の提案 のためにであった。 電算室のキーパ ンチ ャーの罷病原因は、キー ・タ ッチ数 の過剰であった。そ して、鮭鞘炎か ら預肩 腕症状- と進展す る、いわゆ るキーパ ンチ ャー病 と呼ぶに相応 しい典型的な頭肩腕障害 の発症過程 が認め られた。写真オペ レーターは、写植 ス ピカ 作業 と呼ばれ る単純反復,上肢 ・手指負担作業に よる頚肩腕障害の発症 と考え られた。 この作業 で ほ、写植 オペ レー トのたびに強烈なフラ ッシ ュ光 線が 目に入 り神経 ・感覚器過負担作業であること もわか った。電算室については、-連続作業時間 の制限、休憩時間の確保 ,休憩室の設置,冷房対 策の実施等に よ り続発 につ いて予防 できた。写植 ス ピカ作業 も、-連続作業時間の制限,休憩時間 の確保,休憩室 の設置 とともに光線を遮蔽す る防 護 カバーをつけ る等の改善 で続発 を阻止す ること ができた。 1973年6月の罷病 キーパ ンチ ャーの強制配転問 題 の終結 を機会 に、 「労働災害、業務上疾病 の補 償」, 「健康診断、健康 管理」

,

「職場環境,労 働条件の改善」を盛 り込 んだ全面的な労災の労働 協定 が締結 された。頭肩腕障害 の発症問題 は、 こ の協定に基づ き鉛特殊健康診断 と同時 に、背腰痛 ・頚肩腕障害特殊健康診断を会社健診 として実施 す ることと、労働条件お よび政桟の改善等 に よっ て一応 の決着をみた。 技術革新に よる新 しい機械 の導入や コンピュー ター化がすすめ られ るなかで、 ニュー ・タイプの 職業病が発生 してきた。 ところが、 この新 しい と 思われ る健康破壊 も、古 くて新 しい問題なのであ る。すでにB.Ramazziniが、前掲書のなか で記載 していた。すなわ ち、 「書記、写字生の病 気」 と 題す る章のなかで、 「ペ ンを紙 の上に走 らせ る必 表Rt.1-4 項肩腕障害特殊健診年次別受診状況および健診結果 年 次 対 象 者 受 診 者 異 常 無 し 要 観 察 要注意 .要 治療 人 人 人 % 人 % 人 % 1976年 - 28 23 82.1 4 14.3 1 3.6 77 - 47 18 _38.3 20 42.6 9 19.1 78 - 47 23 48.9 21 44.7 3 6.4 79 - 42 19 45.2 23 54.8 0 0_0 80 - 41 25 61.0 16 39.0 0 0.0 81 - 43 23 53.5 20 46.5 0 0.0 82 - 46 25 54.3 21 45.7 0 0.0 83春

辛

. 59

*

55 21 38.2 32 58.2 2 3.6 83秋

*

*

104 **99 34 34.3 62 62.6 3 3.0 84 34 27 9 33.3 18 66.7

0

0.0 85 36 36 14 38.9 22 61.1 0 0ー0 86 34 25 14 56.0 11 44.0 0 0.0

*

VDT健診開始前で健診対象者をVDT作業者に も拡大 ** VDT作業就業前特殊健診

(10)

要があるか ら、筋肉 と腰はほ とん どいつ も強直性 の緊張を していて、時 間がたつ とともに右手は弱 くな り、手 と腕全体 に軽 くない疲労が生 じる」 と し、 「彼 らが仕事を行 うときには、脳、神経、織 維全体 をこの上 な く緊張 させていなければならな いか ら、 これ らの作業 者を最 も強 く苦 しめ るのは、 心の大 きな絶 え間のな い累張 である。 このため頭 痛、鼻かぜ、かれ声、紙 に長 い間 日を留めている ことに よる目の充血 が起 こる」 (前掲 日本語訳版, 261ペ ージ) と述べ て いる。 この記述にある "ペ ソ u を手指にかえ、前者の "紘" をキーボー ドと し、後者の "紙l>を紙 と画面 と置 き換えると立派 に頚肩腕障害の発症機 序の説明になる。 しか し、 やは り頚肩腕障害は ニ ュー ・タイプの健康破壊で ある。技術革新 に よる新 しい機械 の導入や コンピ ューター化が この種 の健康破壊に介在 してお り、 労働負担の量 お よび質が変化 しているか らである。 致肩腕障害 は、症状が 自覚 され る慢性疲労性の 健康不調ない し健康障害 である。疲労症状の自覚 は、それぞれが 日常的 に体験 していて苦痛 の自覚 には個人差がある。頚肩腕障害の主症状は、 こ り, いたみ, しびれ,不快 感,易疲労性 といった非特 異的 な自覚症状に よ り構成 されている。頚肩腕障 害は、他者に よる客観 的把捉 と理解が得 られに く い とい う特性を もっている。 また、 この疾病は、 狭義 の臨床医学的に既 成の疾病概念では捉 えに く く、客観的臨床所見 も既成の診断方法や臨床検査 方法 では得 られ に くい とい う特性を もっている。 1973年に 日本産業衛生学会頚肩腕症候群委員会 の労働省委託研究の報 告書が、職業起因性健康破 壊 として頚肩腕障害 の疾病概念の定義 と 1度か ら V度に区分す る症度分類を提案 している。頚肩腕 障害の定義 では、 「業務 による障害 を対象にす る。 すなわ ち、上肢を同一肢位に保持、又は反復使用 す る作業に より神経 ・筋疲労を生ず る結果 おこる 琉能的 あるいは器質的障害である。」 としている。 しか し、病像の進展経過 のなかで、症度の客観化 は極めて困難である。 そこで、 この病気の理解 と しては、 「体質論」 あ るいは 「怠け病」や 「気 の もちよう」説に傾 きやすい。 これでは、頚肩腕障 害 の発生を予防 した り、羅病者の救済を取 り組む ことはで きない。N新 聞労働組合はこの問題を真 正面か ら受け止めて学 習 と討議を重ね、組合の総 -34-意の もとで躍病者の救済 と予防対策に取 り組 んだ。 そ して、続発 の予防に成功 してい る。 しか し、頚肩腕障害問題は、技術革新 の潮流の もとでVDT作業の出現 と増大に よ り新たな展 開 の方向にあるのが現状 である。 皿1.3, CTS時代 のVDT労働に よる健康問題 CTS化に よ り採字,植字,大組 などの熟練労働 が崩壊 し、労働の質が大 きく変化 した職場 は、工 務局である。 この ことは、 86年か らは局名が制作 局 と変更 され、活版部は入力部 となった ことに象 徴 されてい る。 この職場 の労働の変化は、主観的 にも最 も大 き く、労働負担の増大を訴えてい る。 しか し、労働者は この変化を必ず しもマイナス的 にだけ受け止めているわけではない

。

「仕事の流 れや作業内容が大 き くかわ って きた」 ことは48% が認めつつ、他方では 「仕事の能率があが るよ う になってきた」 と43%の著が評価 している (付表 . 2- 3)

0

工務局の労働形態が、鉛作業か らVDT労働が主 軸 となった。 この労働 では、仕事が単純化 (35% した と感 じてお り、神経 ・感覚器の疲労感が強 ま った (36%)のである (付表 .2- 3. 4)。そ し て、背腰部 自覚症状 と頚宿駅 自覚症状お よび視機 能低下感については、 この職場 の労働態様の特性 か ら他の職場 に比較 して高い訴えのあることも確 認 された。 (付表.1-12)。 1984年か ら会社は VDT作業特殊健康診断の実 施を している。これは、労働協約 (前掲)の「CTS 導入に ともない会社は職業病を発 生 させ ない よう 万全を期す。不幸 に して職業病が発生 した場合、 その責任は会社が負 う」 とい う条文 に基づいて.、 実施 され る特殊健康診断 である。 表皿.1- 5に、 VDT作業健康診断受診者を年 次別に、受診者数 と平均年齢の推移 を示 した

。V

I)T作業健康診断 は、 84年か ら新聞原稿 の入力作 莱,校閲,編集作業に従事す る者を対象に開始 さ れた。糾年は、CTSに よる新聞紙面制作 と活版 に よるものとが、半 々で並行 して両作業に交代 で従 事 していた時であ る。86年 の全面CTS化に向けて、 VDT作業予定者全員が交代 でVDT作業の訓練を 受けている時期 でもあった。 したが って、健診時 には活版にいてVDT作業に従事 していない者 も、

(11)

表Ⅲ1- 5 VDT健診年次別受診者数 ・平均年齢 (男 ) 年 次 受診数 平均年齢 SD 1984年 74人 43.1読 6.22 85年 78 42.6 6.60 86年 98 41.7 8.26 87年 94 40.0 9.14 健診の対象者 とした。84年には74人が受診 し、平 均年齢が43.1歳 と、 平均年齢の高 いことが注 目 すべ き特徴 である。かつての活版部門の労働者が、 入力作業に従事 しているためである。 20年以上 も活字鋳造,文選,植字,組版などの 作業に従事 してきた熟練労働者が、時代の流れ と はいえVDT労働に切 り換 え られ ていった。幸 い、 - - ド・ウニ ァ一部分は入 ったが ソフト・.クェァ一 部分の開発 が大幅に遅れたために、 3年余 り交代 でVDT作業 の訓練が十分にで きた。_これは、CTS 導入についての労働協約 (1979年7月) で、「CT S導入に ともな う技術教育訓練は機会均等、公平 を原則 にその方法、対象、内容な どについては会 社 と組合で協議 して決め る」 ことになっていたた めである。 また、段階的に活版工程 の撤収が,お こなわれた。その効果 もあって不適応 を起 こした 者 はほんの数人に とどまった。 コンピューター不 適応者 については、 「CTS導入に より配転す る場 合、会社は本人 と組合の意志を尊重 して同意の上 行 う。 なおCTS導入に ともな う配転は同時解決、 同時発令で行 う」 とい う労働協約 に よ りフ ォロー された。つ ま りCTS導入に伴 う辞令は、一人 でも 未解決 な状態 であれは全員 に対 して辞令の交付が で きない仕組みであった。 この協約に よ り、VDT 労働の不適応者 も数人いたが本人 の意向を尊重 し つつ全力をあげて問題の解決が図 られた。 86年 の健診時には、全面CTS化後6か月経過 し ていた。 この時には、 ワー ドプ ロセ ッサーやパ ソ コンを操作す る者 も健診対象 とした。業務転換や 若手の採用等で、87年健診受診者94人の平均年齢 は40歳 と、84年 より3歳ほ ど若 くなった。 表皿.1- 6に、VDT作業形態が示 してある。作 業形態 の区分1- 4は、労働省のFVDT作業 のた めの労働衛生上の指針について

』(

1985年12月 20日.基発第705号)の別紙に示 された

ⅣDT

作 業形態の区分 のA- 1, B- 2,C- 3, D- 4 にそれぞれ対応 している。87年でみ ると、 「一 日 の労働時間を通 じて連続VDT作業 に専 ら従事」 す る者が34.0.%であった。 また、 「毎 日はVDT 作業がない もの、あるいはあって も一回あた りの 作業 がおおむね1時間未満 のもの」が、 34.5 堤 であ った。 VDT作業 の主体は、記事の入力 と校正お よび紙 面の編集にある。入力方法 は、パネルによるペ ン タ ッチ方式である。採字作業 と同 じで、画面にデ ィスプ レイされた文字はほ とん ど見ていない。原 稿 とパネルを見て入力 し、後で校閲者が、--ド・ コピーされた ものに赤をいれた り、画面にデ ィス プ レイ表示 して校正 してい る。編集、校閲は、画 面に記事を呼び出 し、画面上で操作することが多 い. 表Ⅲ.1- 6 VDT作業形態 (作業時間 ) VDT作業形態 1986年 1987年 N S6.^.100.8

%

94^ 1

(

刀.

@

0

1. 連続 して専 ら従事 39 39.8 32 34.0 2.断節的に専 ら従事 7 7.1 17 18.1 3. 1日1時間以上 28 28.6 18 19.1 4. 1日1時間以下 24 .24.5 23 34.5 つぎに総合判定結果 と祝機能判定結果を検討す る。 表皿.1- 7に、VDT健診総合判定結果の推移を 示 した。84年は、検査項 目お よび総合判定 クライ テ リアが次年以降 と異 なるので除外 した。総合判 I 定 とは、視機能検査,頚肩腕障害関連,精 神,秤 経保健関連事項を総合 した判定 である。86年 に、 1人 の 「要治療者」がいた

。

「要注意」者は、年 々減少 していることが認め られた。82年 には、「要 観察」者が58.2%であった。87年は前面CTS化か ら1年半を経過 しているの時点 であ り、健康管理

(12)

に必要 な個人 と集団の基礎データもとれた とい う 判断 もあって健診を簡略化 して実施 した。私 も加 わ ってS病院健診セ ンターが、 自記式質問票に よ るスク リーニング方式を開発 し、会社 ・労働組合 表Ⅲ.1- 7 VDT健診総合判定結果の推移 の許可を得 て試行 した。二次健診は、85, 86年 と同様 とした。87年 には 「特 に問題はなし」の者 が、 58.5%であった。 年 次 受 診 者 数 1. 特に問題な し 2.要観察 3.要注意 4. 要治療 1985年 7人8 100.%0 人8 10_3% 30人 38.5% 40人 51.3% 人0 0.0% 86 98 100.0 5 5.1 57 58.2 31 31.6 l l.0

*

87 94 100.0 55 58,5 21 22.3 17 18.1 l l.1 ・ス クリーニング方式を導入 (一次対象94人,二次健診39人) 表皿・1- 8に、祝槙能判定結果 の年次別推移 を 示 した。総合判定 と同 じ理 由で84年除外 してある。 視機能測定 には、東京光学横械鯛のスク 1)ノス コ ープを使用 した。現状のままでVDT作業に 「不 適」 と判定 された者が、85年で44.9%、 86年 で 41_8%、スク リーニング後 ではあるが87年で41.0 %とい う,結果 であった。 しか し、 「不適」 といっ て もそれな りに適応 しているため、す ぐに労働に 支障が現われ るわけではない。事後指導 としては、 眼科医による再検査か もし くは眼鏡等での再矯正 を指示 した。 表Ⅲ 1- 8 VDT健診総合判定結果の推移 年 次 受診者数 1. 逮 2.要注意 3. 要精(査不適) 1985年 7人810

0

.%

0

2人734.%6 1人620.%5 3人544.%9 86 98100.0 3434_7 2323.5 4141.8 *スク リーニング方式を導入 (一次対象94人, 二次健診39人) しか し、N新聞社の場合には、他に先駆けてV DT健 康 診断 が実施 された ことにみ られ るように、 VDT労働 の条件 が比較的 よ く整備 されている。 現在 の ところ特別の労働条件 の悪化や労働負担 の 強化がない限 り、 VDT作業に よる深刻な健康障 害が多発す る危険性は低 いと評価 して よい。 さら に、他の企業のVDT労働に従事 している著 と比 較 して、疲労感や精神的 ス トレス感が高いとす る 結果や健康状態が悪 いとい うことを示唆す る証拠 はみつか らなか った。ただ、この職場 の平均年齢 が高いので年齢相関が高い視機能低下の問題 と、 技術革新に よる急激 な仕事の変化に よる心身-の 健康影響については、今後 も注意 深 く経過 を観察 してい く必要があると考え られた。 Ⅲ.1.4 VDT労働に伴 う健康問題の特徴 VDT労働は、現代労働を象徴 していると思われ る。労働者の健康問題を検討す る上で、 VDT労 働に伴 う健康問題の分析は示唆に富む と考 える。 そ こで、 VDT労働健康診断結果 について、掘 り 下げた検討を行 ってみ ようと思 う。 まずは じめに、 VDT作業 による健康障害の三 大障害 の うちの 「日の疲労症状」 と 「頚肩腕障害 ・背腰痛症状」について検討 しておきたい。 表皿._1- 9に 「日の疲労症状」 36項 目の質問に 対す る回答結果を示 した。 この36項 目は、 日本産 業衛生学会VDT作業研究会が試案 した ものを用 いた。 VDT作業に伴 う健康問題 として眼精疲労 の問題があるとされている。表 皿・1- 9を見 ると、 眼精疲労 とい うよ りは 「日の疲労」の問題 と考 え られ る

。

「日が疲れ る」が 「よくある」 ものが40 %、 「視力がおちた よう」 に思 うことが 「よ くあ る」 ものが29%と、 この二項 日が際立 って 目を引 いている。表

皿・

1-10に、 日の疲労 自覚症状の年

(13)

次別 ス コア -を示 した。 これ は、 「目の疲 労」 36 あ った。 84年か ら87年 まで、統計 的 に有意 の差 が 項 目の回答 に得点 を与 えてス コア-化 した もので 認 め られ るス コア-の差 は な く推移 して きた こと あ る。 これ に よる と、87年 のス コア -は10・ 45で が認 め られ る。 表AE.1- 9 Elの症状 (1986年 ・男 ) 症N - 98 (100.0%)状 4点 よ◎く あ3点る

○

2点 時

◎

々 あ1点る

○

1. 日が疲 れ る 1入7 17.3信 22人 22.¢4 人

0

0位.0 43人 43.5¢ 2.充 血す る 3 3.1 5 5.1 0 0.0 13 13.3 3_ めやにが 出 る 3 3.1 9 9.2 21 21.4 65 66.3 4. 日の圧 迫感 ,- l l.0 7 7.1 0 0.0 13 13.3 5. 日の奥 が痛 い 1 1ー0 5 5.1 0 0.0 12 12_2 6. 日が重 い 2 2.0 6 6.1 0 0.0 18 18.4 7. 日の芯 が痛 い 0 0.0 5 5.1 0 0.0 10 10.2 8. 日を押 さえ る と痛 いが気拝が よい 4 4.1 13 13.3 0 0.0 23 23.5 9. 日をあけ てい るのがつ らい 0 0.0 2 2.0 0 0.0 7 7.1 10.なみだが 出 る l l.0 3 3.1 0 0_0 14 14.3 12. 日がか わ く 0 0.0 2 2.0 0 0.0 4 4.1 13. まぶ しい l l.0 4 4.1

0

0.0 19 19.4 14ーチ カチ カす る 0 0.0 5 5.1 0 0.0 . 18 18.4 15. か ゆ し、 0 0.0 4 4.1 l l.0 12 12.2 16. まぶ たが ピクビクす る l l.0 6 6.1 0 0.0 20 20ー4 17. ち.つ め てい るとボケ る 3 3.1 4 4.1 0 0.0 13 13.3 18. ラチ ラチす る 0 0.0 4 4.1

0

0.0 17 17.3 19.二 重 にみ え る 3 3.1 4 4.1

0

0.0 13 13.3 20ーか すむ 0 0.0 10 10.2

0

0.0 18 18.4 21. 焦 点が あiつな い l l._0 5 5.1

0

0.0 11 11ー2 22.視 力が おちた よ う 10 10.2 18 18.4 l l.0 37 37.8 23.頭痛 l l.0 0 0ー0 l l.0 15 15.3 24.片頭痛

0

0.0 0 0.0 l l.0 8 8,2 !25.前頭部痛 0 0.0 0 0.0 0 0.0 2 2.0 26.眉 間 の部分が痛 い 0 0.0 0 0.0 0 0.0 8 8.写 27.豆如 ミ重 い 0 0.0 1 1ー0 0 0.0 15 15.3 28.頭 をふ る と痛 い 0 0.0 l l.0 0 0.0 5 5.1 29.頭 がぼ んや りす る 0 0.0 0 0.0 0 0.0 9 9.2 30_ のぼせ る 0 0.0 l l.0 0 0.0 5 5.1 31. 見つ め てい ると気持 ちが悪 くな る 0 0.0 l l.0 0 0.0 0 0.0 32.は き気がす る 0 0.0 0 0.0 0 0.0 4 4.1 33.イ ライ ラす る 0 0.0 l l.0 0 0.0 14 14.3 34. 7 ワフ ワす る 0 0.0 l l.0 0 0.0 9 9.2 35.め まい

0

0.0 l l.0 0 0.0 12 12.2

(14)

表 Ⅲ.1- 10 VDT健康年次別 目の疲労 スコア-年 次 N 目の疲労 スコア-1984年 74人 ス コア-9.14

SD

9.72 85年 78 10.26 12.90 86年 98 ll.64 11.77 表 皿・1-11に、頚肩腕 障害 ・背腰痛ス コア-の 年次別 ス コア-を示 した。 この頚肩腕障害 ス コア -は、 日本産業衛生学会頚肩腕症 候群委員会 の提 零 した 自覚症状調査の部位別症状 をス コア-化 し、 頚肩既 ス コア-と背腰塙 ス コア-は これ を肩 ・頚 ・背 ・手指部 と腰 ・下肢部 に分けてス コア-化 し た ものであ る。 これ に よると、87年 の頴肩腕 ス コ ア-は 5.43.背腰痛ス コア-は 2.09,頚肩腕障害 ス コア-ほ 7.51であった。84年か らのス コア-は、 86年 でやや上昇傾 向が認 め られ るが統計的に有意 の差 がな く推移 した。 表 皿・1-12に、86年 のデータに よ り祝機能,症 労,精神症状お よび頚肩腕障害 の指標 と諸指標 と 表 Ⅲ.1- 11 VDT健診年次別致肩 腕障害 ・ 背腰痛 スコア-年 次 N 預 肩 腕ス コア- 背 腰 摘ス コア- 頚肩騎障害 スコア-1984年 7人4 5.スコア58 7

-SD

.47 2.スコア80 5.

-SD

08 8.スコア361

-SD

1.10 85年 78 5.55 9.41 2.42 5.39 7.9714.27 86年 ■98 6.26 7.95 2.46 3.03 8.72 9.72 の相関分析 マ トリックスを示 した。 相関分析 の結果 を見 る前に、各指標 について簡 単 に説 明を してお きたい

。VDT

作業時間の指標 は、表 札 1- 6に示 した

VDT

作業形態 の回答 を 名義指標化 し間隔尺度 として用 いた。視機能低下 憤 向指標 は、視機能判定結果 を名義尺度化 し間隔 尺度 とした。健康不安 ,身体 症状 ス コア-,精神 症状 ス コア-,睡眠障害 ,ゆ と り欠乏傾向,喫煙 習慣 ,飲酒習慣,喫茶 (コーヒー)習慣 の各指標 は

CMI(CornellMedicalIndex-HealthQuestion

-naire)の質問項 目か ら抜粋 して設問項 目を作成 し 「はい」 の回答をス コア-化 した ものを間隔尺度 として用 いた。握力 (右) ,背筋力 の指標 は、測 表 Ⅲ1- 12 VDT労働 ・視機能低下 ・疲労 .精神症状 ・頭 肩碗障害に関す る相関分析 (1986年、男、 N新聞社 ) 指 標 (1986年

、N

- 98 ) A 視機能低下 B 日 の.疲 労 C 精 神 症 状

D

頚肩肺障害 1. 年 齢 T 0.2715

*

-0.1231 -0.1147 -0.0672 2.

VDT

作業時間 T -0.1552 0.0895 0.0730 0.0537 3.視校能低下傾向 T 1.0000 0_0045 0.0659 0.0871 4, 日の疲労 自覚症状 T 0.0045 1_0000 0.3337

*

*

0.6072

*

*

5.蓄積疲労 日登症状 T 0.1883 0.2722

*

0.3623** 0.2343 6.健康不安 T -0.0372 0.0499 0.2875

*

0.0169 7.頚肩隣障害 スコア T 0.0871 0.6072

*

*

0.3326

*

*

1.0000 8. 身体症状 ス コア T -0,0372 0.4788

*

*

0.6837

*

*

0.4185** 9.精神症状 スコア T 0.0659 0.3337

*

*

1.0000 0.3326

*

*

10.睡眠障害 -0.1095 0.0499 0.2064 0ー1811 ll. 抑 うつ症状 T 0.1893 0.0231 0.4425** 0.1184 12.ゆ と り欠乏傾向 T - 0ー0182 0.2661

*

0.2518

*

0.1534 13. タイプA行動傾向 T -0.0652 0.4030** 0.5132** 0.2988

*

14.喫遠習慣 T -0.1668 0.0538 0.0394 0.0082 15. 飲酒習慣 T - 0.0066 0.0113 0.2198 0.0270 】6. 喫茶 〔コーヒー)習慣T -0.2068 0.1336 0.1484 0.0556 17. 垣力 (右 )I - 0ー2261 0.1293 0.0218 0.1581 18. 背筋力 T -0.1773 0.2299 0.0423 0.0986 19.頚肩所見 ス コア T 0.0188 0.2399

*

0.2591

*

0.4231

*

*

ピア ソン相関係数 **Pく .001

*

P

く .01

(15)

定値を比尺度 として用 いた。頚肩所見 と腰所見は、 テス トによる筋硬結および筋圧痛所見の強 さと部位 の頻度の結果をスコア-化 し間隔尺度 として用 いた。 「祝較能低下」指標でみ ると、 P< 0.01の有 意水準で年齢指標 との正の相関が認め られ る以外 には、 「日の疲労 自覚症状」を含む他の指標 との 相関は認め られ なか った

。

「日の疲労 自覚症状」 指標 では、 P< 0.01の水準で頚肩腕障害 ス コア-, 身体症状スコア-,精神症状スコア-, タイプA行 動傾向で正の相関が認められ、 P<0.01の水準で 蓄積疲労

,

「ゆ とり欠乏傾向」, 頚肩筋硬結所見 と 正の相関が認め られた

。

「精神症状 スコア-」指 標 では、 P< 0.001水準で 「目の疲労 自覚症状」, 蓄積疲労傾 向,頭肩腕障害 スコア-,身体症状 ス コア-,抑 うつ症状, タイプA行動傾向で正 の相 関が認められ

、Pく

0

.

01の水準で健康不安

,

「ゆ と り欠乏傾向」,頭肩筋硬結所見 と正の相関 が認 め られた

。

「頚肩腕障害 スコア-」指標 では、P < 0.001の水準で 「目の疲労 自覚症状」,身体症 状 ス コア-,精神症状スコア-,頚肩筋硬結所見 と正の相関が認め られ、 P< 0.01の水準 でタイプ A行動傾向 と正の相関が認められた。 ここでは、祝機能低下は 「年齢」 との相関がみ られ るが 「目の疲労 自覚症状」 とは相関がないこ と、身体症状スコア-と精神症状ス コア-の相関 が高 いこと、額肩腕障害の ように身体症状 として 発現 している健康不調感 も精神症状ス コア-との 相関が高いことが認め られた ことに注 目され る。 表皿・1-13に、87年 に試行 した二段階ス ク リー ニングに よる 「総合判定」別 の健診成績を示 した。 これは、質問票による一次ス ク リーニングでふ る いわけを して、二次健診で精密検査 と保健指導や シ ョ- ト・カウンセ リングを含めて濃厚 な健康診 断に時間 と力の配分を行 お うとす る試みであった。 この結果 に よると、総合判定区分 ごとの平均年齢 は、要注意 でやや高い傾向が うかがえるが有意 の 差は認 め られ なか った。頚肩腕 スコア-Aは一次 用 の質問票 での、頚肩腕 ス コア-Bは二 次用 の質 問票での得点 である。 目の疲労 スコアーAとBに ついても同 じである。 いづれ もAとBお よび要観 察 と要注意 との問に有意差 は認 められ なか った。 要観察 と要注意 との問では、50m両眼視力がP< 0.01の水準で、30L7n両眼視力がP< 0.001の水準 で有意差が認め られた。 ここでは、平均年齢の高 い集団ではVDT健診の総合判定の寄与要素 とし て視機能 の判定が大 き く関与 していること、頚肩 腕障害 の自覚症状について も 「異常な し」 と 「要 観察」 ・ 「要注意」 とでは有意 に差が認 め られ る。 しか し、病的 レベルだ と判断 され る者は極少数 で あ った。 表 別1- 13 VDT作業者健診一次スク リー ニング ・二次健診成績 (1987年 ) 総合判定 全 体 (男) 異 常 な し 要 観 察 要 注 意 指標 (N) (94) (55) (21) (18) 1. 頭肩腕 スコアA 平均7.51 8.429

SD

平均3.40 4.680

SD

平均13.00 10.044

SD

平均13.66 & 267

SD

2. 日疲労スコアA 10.45 10.293 5.16 5,432 16.33 10.417 19.77 11.527 3.年 齢 39.95 9.142 39.14 -10.378 39,42 7.242 43.05 6.384 4.頭肩腕 スコアB ll.71 9.519 13.05 9.800 5. 日疲労スコアB 16.52 16.314 15,88 14.756 6. 両眼視力 5Tn 9.90 2.406 8.55 2.935 7. 50m 10.85 1.768 8.33 2.765 8. 30cm 10.09 2.427 6.44 2.914 9.握 力 右 45.37 6.322 42.66 6.462 10. 〝 左 42.30 6.764 40.66 5.514 ll. 背 筋 力 115.30 14.462 107.35 14.804 12.頭肩所見スコア 1.95 2.616 2.50 3.451 13.膜 所 見 ス コア 2.50 3.451 1.66 3.009 14.タ イ プA行 動 9,63 7.088 ll.70 9.478 (注)頚肩腕スコア、 目疲労スコアのAは一次の、Bは二次のスコアを さす。

(16)

表皿・1-14に、表皿・1-12でおこなった相関分 高い集団であるので、各指標 との相関、非相関が 折 と同 じ指標 について二次健診受診者の39人のデ 明確であることが認め られた。祝機能低下指標 に 一夕を用 いて行 った相関係数 マ トリックスを示 し ついては、年齢指標 とだけ

P<

0.001と高 い水準 た。表皿.1-12と比較 してみ ると、頚肩腕症状や での正の相関が認め られ、 「日の疲労」指標 との 日の疲労 などの自覚症状の訴えが一定水準以上 に 相関はやは り認め られ なか った。 表U.1-14 VDT労働 ・視機能低下 ・疲労 ・精神症状 ・預 肩腕障害 に関する相関分析 (一次スク リーニングで要精密検査者、 N= 39 ) 指 標 (1987年 ) A 視校能低下 B 目 の 疲 労 C 精 神 症 状 D 頭肩腕障害 1.年 齢 T 0.5975

*

*

- 0.0472 - 0.0119 - 0.0423 2. VDT作業時間 T - 0.1541 0.0202 - 0.1841 - 0.014 3一視機能低下傾向 T 1_0000 0.0653 - 0.0413 0.5643

*

*

4. 日の疲労 自覚症状 T 0.0653 1.0000 0.6691

*

*

0.7644

*

*

5.蓄積疲労傾向 T - 0.0543 0.1828 0.1707 0.2817 6.健康不安 T - 0.0422 0.4540

*

*

0.4508

*

*

0.4028

*

*

7.頚肩肺障害 スコア T - 0.0816 0.7644** 0.5643

*

*

1.0000 8.身体症状 スコア T - 0.1005 0.7207

*

*

0.8190

*

*

0.7231

*

*

9.精神症状 スコア T - 0.0413 0.6691

*

*

1.0000 0.5643

*

*

10.睡眠障害 - 0.2001 0.3830

*

*

0.5258

*

*

0.3992

*

*

ll.抑 うつ症状 T 0.2049 0.3447

*

*

0ー4733

*

*

0.2016 12_ゆ と り欠乏傾向 T - 0.0880 0.3950** 0.6298

*

*

0.4413** 13. タイプA行動傾向 T 0.1370 0.2710 0.6722** 0.3115 14. 喫煙習慣 T - 0.0516 0.2481

*

0.3053

*

0.3701** 15. 飲酒習慣 T 0.1941 0.4000** 0.4328

*

*

0.3569** 16. コー ヒー喫茶習慣 T - 0.0284 0.2196 0.4457

*

*

0.3072

*

17.提力 (右 )T - 0.1505 0.2359 - 0.0311 0.3434 18.背筋力 T - 0.2499 0.1612 - 0.3418 0.0984 19.頚肩所見ス コア T 0.0313 0.4595

*

*

0.3144

*

0.5680

*

*

ピア ソン相関係数 **P<.001

*

P< .01 表皿・1-15に、86年に

S

病院健診セ ンターが実 施 したVDT健診の全データを投入 してて表札 1 -12,14で行 ったの と同 じ相関分析を試みた結果 を示 した。N新聞社指標 は、各健診対象集団を名 義尺度 として用 いた。N新聞社以外 では、地方公 務員、金融機関、生活協同組合、医療施設関連 な どの男- 101人,女- 77人 である。他の集団に比 較 してみてN新聞社は、年齢が高い こと、 VDT 作業時間の長 い者が多い こと、視枚能低下傾 向の 高 いものが多 いこと。健康不安 の高 い者が多 いこ と、身体症状を訴えている者が多い こと、ゆ と り のなさを訴えてい る者が多 いこと、タバ コを一 日 20本以上毎 日吸 う者が多い こと、酒を毎 日飲む著 が多いこと、 コーヒーを毎 日飲んでいる者が多 い こと、垣力がやや強めであること、が確認 できた。 また、N新聞社 では男性 のみが対 象であるために、 性差 を確認 できなか ったので、 ここで性差につい ても検討 してお く。頚肩腕障害 ス コア-は女性の 得点が高 いこと、身体症状 もやや女性が高めの訴 えがあるが精神症状では性差がないこと、たば こ 20本吸 う者や毎 日酒を飲む者は男性に多いこと、 コー ヒーを毎 日飲む もの もやや男性に多いこと、

(17)

自覚症状だけでな く他覚的 な穿肩腕障害所見 も女 性に高 く現れ ていること、当然の ことなが ら握力 や背筋力の瞬発力は男性が圧倒 していること、が 確認 で きた。 これ らの健康診断結果 より得 られた ことか ら、 VDT作業 に伴 う健康 問題 の特徴 について確認 で きることを、次の ように まとめることがで きるo 節-に、 日の疲労症状は、現段階 では視践能低下 との相関が確認 で きなか った。第二 に、視捺能低 下は年齢 との相関 が高 く、中 ・高年者の 日の保健 対策が必要 である。第三 に、 日の疲労症状は、心 身の疲労症状 お よび頚肩腕症状な どの心身の健康 不調 との相関が高 く、疲労 ・ス トレス徴候 として の警告反応 と読み とることがで きる。第四に、Ⅴ DT 健康障害 の予防には、就労前の十分 な完熟訓 練 とVDT作業時間の制限が有効 であ るといえる。 N新聞社では、労働組合の要求に よ り一連続作業 時間は45分で休憩時間を15分確保、一 日のVDT 作業時間は4時間以内 としている。第五に、 この 制限 の範囲内では、 VDT作業時間の長 さと諸症 状 との相関は確認 できなか った。 この ことは

、V

DT 作業に象徴 され る現代労働は、 VDT 周辺の 労働を含めてゆ と りのないス トレスフル な労働 と なっていることを示唆 していると理解 できる。第 六に、 VDT障害の主成分を、精神 ・神経疲労 と 精神 ス トレスと考 えて保健対策を検討す ることが 当面 の課題であると考 えられ る。 表EI1- 15 1986年 VDT健診 (男 199、女 77)指標 と N新聞社 ・年齢 ・性差の相関分析 指 標 (1986年 ) A N 新 聞 社 B 年 齢 T C.性差 (男 ) 1. 年 齢 T 0.3391

*

*

1.0000 0,0825 2.VDT作業時間 0.3625** 0.0812 0.0937 3. 視楼能低下傾向 T 0.2004** 0.2391** 0.1023 4. 日の疲労 自覚症状 T -0.1057 -0.0896 -0.1161 5. 蓄積疲労傾向 T - 0.0712 -0.1421 0.1418 6. 健康不安 T 0.1652** 0.0926 0.0429 7. 頚肩腕障害 スコ7 T -0.1491 - 0.0332 - 0.2370* * 8. 身体症状スコア T 0.1575** -0.0371 0.1359

*

9. 精神症状スコア T 0.0810 -0.0654 0.0554 10.睡眠障害 T 0.0623 -0.1182

*

- 0.0260 ll. 抑 うつ症状 T - 0.0240 - 0.0293 - 0.0771 12. ゆ とり欠乏傾向 T 0.1522

*

*

-0.1055* 0.0608 13.タイ プA行動傾向 T - 0.0664 - 0.0522 0.0562 14. 喫煙習慣 T 0,36

1

1*

*

0.0572 0.3291** 15. 飲酒習慣 T 0.1932

*

*

0.0732 0.1963** 16. 喫茶 (コー ヒー )習慣 T 0.1609** -0.0404 0.1188

*

17. 握 力 (右 )T 0.14717 - 0.0788 0.7319** 18. 背筋力 T 0.1317 -0.1151 0.7000** 19. 顎肩所見スコア T -0.0502 -0.0264 - 0.2686** ピア ソン相関係数、 *

*P

<

.001

*

P

<

.01

(18)

Ⅲ2

. 中 ・高年齢化 と健康問題 皿.2.1. 労働者の中 ・高年齢化の問題 N新 聞社の労働者 の1987年 の平均年齢は、42.4 歳 であ る。平均勤続 年 数は、10.5年 であ る。1976 年か ら平均年齢 の推移 は、76年 の平均年齢は33.9 歳 であ り、 5年後 の81年では39.0歳、 10年後 の 86年には42.2歳 とな っている (表

1-

1)。これ を見 て も、N新聞社 の労働者構成は、確実に中 ・ 高年齢 化 して きてい る ことがわか る。86年か ら少 し平均年齢の伸 びが鈍 ってい る。 これは、経営不 振 のた め新規採用が数 年問なか ったが、経営 の好 転 と全紙面CTS化に ともなって新規採用を再 開 し たため である。 加齢現象の一つの指標 として、 「視機能」を と り あげて検討 してみる

。

「視力低下感」や 「視機能 の 低下」は、年齢相関の高い指標である (表札 1-12・ 14.15,付表.1-12)。 しか し、工務局の労働者は、 神経 ・感覚器 の疲労や 視力低下感を他 の職場 に比 較 して有意 に高 く訴 え ていた (付表.1・712,付表 . 2- 5)。 この職場 は 、す でに述 べた よ うに、 CTS化 に ともないこの数年問に大 き く労働形態が 変 化 した (付表

.

2-3)

。 と くに

VDT

労働 は、 神経 ・感覚器に負担 のかか る作業 であ る。年齢 で は、工 務局 と他の職場 とに有意 の差 は認め られ な か った (付表.2-10) 。 したが って、生理的 な加 齢現象 としての祝機能 低下の存在 もあ るが、それ を加速 している要因 と して

VDT

労働 な どの労働 負担が影響していることを証明していると考えられる〇・ また、労働変化に対 す る適応 の問題がある

。N

新聞社 では1986年 まで に段階的 にではあったが、 平均年齢43.1歳の70人以上の労働者が熟練労働

VDT

労働 への業務 転 換 を経験 した。 労働組合 の 理解 と対応が適切であ ったため、大 きな混乱 と犠 牲者を出さないで転 換 を完了 させ ることに成功 し ている。 この職場 は、労働組合を中心 としたサ ポ ー ト ・システムが しっか りしていて、比較的 ネ ッ トワー クもよい職場 で ある。熟練工 が多 く職人気 質が強 いせ いか タイ プA行動型の者が、他の職場 に比較 して有意 に少 な い職場 で もある (付表. 2-10)。 しか し、工務局 の労働者は、労働 の変 化の なか で他 の職場 に比 べ て業務負担感を強 く感 じて いるこ とが明 らか に な った (付表.2-10)。そ し て、業務負担感の高 い者は、疲労感や健康不良感 が高 い ことも確認 された (付表.2- 8)。 これ ら の調査結果は、技術革新下 で中 ・高年齢者が遭遇 す る職種や業務 の転換 につ いて、その適応の問題 や対処の課題につ いて注意深 い検討が必要 であ る ことを示唆 してい ると考 え る。 労働者の中 ・高年齢化は、加齢現象で もあ り、 習慣病 ともいわれ てい るいわ ゆ る成人病好発年齢 層 の肥大化である。 この成人病 の発症や悪 化な ど に、過労や ス トレスが関与 してい るとされ てい る。 現代労働者は、労働負担 に相当 した疲労 とス トレ スを 自覚 しつつ働 いてい ることが確認 で きた。成 人病 の高 い リスク ・フ ァクターを もつ ものは、 さ らに リスクを高め なが ら齢 を重ね てい く傾 向にあ ることも確認 で きた。 この二つ の現象に も着 目し て、労働者 の成人病 予防の課題に アプローチ して い くことが重要だ と考 え る。 肌2.2. 生活習慣 と健康 問題 生活習慣 は、中 ・高齢者 ほ ど好 ましい保健行動 として もマイナスの保健行動 として も健康影響 を 与 えやすい。 そ こで、 マイナスの保健行動 と して の喫煙習慣 と飲酒習慣 につ いて検討す る。 まず、喫煙習慣 について、検討 してみ る。 自分 の健康 のために 日頃 していることとして、 「タバ コを吸わない ように してい る」者 が41.8%(付表. 1-14)。一応 ここでは、毎 日20本以上の喫煙習 慣 を好 ま しくない保 健行動 の一つ の指標 とす る。 喫煙習慣 と年齢 との有意 の相関は、認 め られ なか った。 (付表.1-12)。喫煙習慣 のあ る人 に、精 神的ス トレスを強 く感 じている者、身体的疲労感を ひ ど く感 じている者 、 自覚症状多愁訴傾向の もの が有意 (P<0.001)に多 い (付表.1-16)。 な ぜか、精神疲労 とは相関 していない。疲労感 とは、 Pく 0.01の水準ではあ るが、相関 を示 してい る。 また、1986年資料 で タイプA行動 傾向 と

P

<0.001 の水準 で相関が認 め られ る。 しか し、1985年調査 では、これ との相関は認め られなか った (付表. 2-9)。いづれに しても、 自覚 される指標 との相関が 多 く、検査データとの相関は認められなか った (付 義 .1-18)

。

つ ぎに、飲酒習慣 につ いて、検討 してみ る

。

「酒 は なるべ く飲 まない よ うに してい る」者は、24.1

図

表 Ⅲ. 1‑ 10 VDT健康年次別 目の疲労 スコア‑ 年 次 N 目の疲労 スコア‑ 1 984 年 74 人 ス コア‑ 9.1 4 SD 9.72 85 年 78 1 0 .26 1 2.90 86 年 98 l l .64 11 .77 表 皿・1‑1 1に、頚肩腕 障害 ・背腰痛ス コア‑の 年次別 ス コア‑を示 した。 この頚肩腕障害 ス コア ‑は、 日本産業衛生学会頚肩腕症 候群委員会 の提 零 した 自覚症状調査の部位別症状 をス コア‑化 し、 頚肩既 ス コア‑と背腰塙 ス コア
表 Ⅲ. 1‑ 1 8 N新聞社 VDT 健診の頭 肩腕障害 ・目の疲労 自覚症状 の推移 (N ‑ 6 7 、8) 日 の 疲 労'86 ES '88*昏 肩 腕 障 害 ス コ ア 且 ス コ ア ± ス コ ア 甘 計 ス コ ア 且 1 8 (26.9) 1 ( 1 .5) 8 (12

参照

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