埼玉県 にお け る工 業基 盤 の変化 と工業 団地 の地域 的展 開
菊 地 一 郎AStudyoftheChangeoflndustrialFoundation
andRegionalDevelopmentof
.IndustrialParksinSaitamaPrefecture
IchiroKikuchi は じめに 現 在,工 業 地 理 学 の 研 究 で 主 流 を な す の は, 工 業 地 域 構 造 と変 容 お よび 工 業 立 地 と変動 の 解 明 で あ ろ う.い ず れ に して も,激 しい 変 革 の 時 代 に あ っ て 動 態 的 研 究 が 強 く求 め られ て お り,単 な る 工 業 地 域 構 造 や 工 業 立 地 の研 究 で は,歴 史 的研 究,後 追 い 研 究 と して 現 代 社 会 の ニ ー ズ に 応 え られ な い.も ち ろ ん,た と えそ う で あ った と して も,実 証 的,科 学 的 研 究 を標 榜 す る地 理 学 研 究 と して,価 値 が な い な ど とは 云 え な い.し か し,社 会 科 学 の一 分 野 で あ り,現 在 に 生 き る学 問研 究 で あ る な ら, 過 去 に対 して で は な く,現 在 ・未 来 に 向 か っ て 何 らか の 予 見 な り,指 針 とな る よ う な研 究 で あ りた い と願 うの は,筆 者 だ けで は な い 筈 で あ る. 本 研 究 で は,埼 玉 県 の工 業 生 産 活 動 をス ト ック ベ ー ス の 変 化 と,フ ロ ーベ ー ス の 動 態 と い う両 面 か ら,分 析 し,実 態 を解 明 し よ う と す る も の で あ る.具 体 的 に は,埼 玉 県 の 工 業 基 盤 の 変 化,立 地 動 向,工 業 団 地 の 地 域 的 展 開 の3者 の 間 の 関 連 性 が 注 目 され る.1981年 以 降10年 間 の 工 業 団地 内 立 地 率 は件 数 ベ ー ス で,全 国 が41.9%,埼 玉 県 の場 合 は53.4%に 達 す る.す な わ ち,こ こ10年 聞 に埼 玉 県 内 に 立 地 し た企 業 の過 半 数 は,工 業 団 地 内 で あ っ た.逆 に云 え ば,工 業 団 地 造 成 の 動 向 が,工 業 立 地 動 向 を,さ ら に工 業 基 盤 の 変 化 を リ ー ドして い る と云 って も 過 言 で は ない. 研 究 方 法 と して は,新 しい分 析 方 法 の 導 入 、 とい う手 法 に よ らず,関 係 文 献 ・資 料 の 収 集, 現 地 踏 査 を:重点 とす る伝 統 的 な 方 法 を 用 い た が,今 後 も千 葉 県,茨 城 県 とい う よ う に研 究 を重 ね,近 い 将 来,関 東 圏 とい う よ うな 広 域 的 見 地 か ら,地 域 比 較 とい う地 理 学 的 方 法 で 分 析 ・総 合 す る こ とを 目指 して い る. な お,い わ ゆ る ミニ工 業 団 地 につ い て は, 今 回 の研 究 対 象 か ら除外 した.現 在,22市 町 24団 地(完 成19,整 備 中5)あ る.ミ ニ 工 業 団 地 と は,81年 度 か ら住 工 混 在 の 弊 害 を解 消 し,中 小 企 業 の生 産 基 盤 の 安 定 を図 る こ と を 目的 と し,市 町村 が 中心 と な って 進 め て い る 工 場 の 域 内移 転 の た め に造 成 され る 団地 で あ っ て,住 工 混 在 地域 内 の 中小 企 業 が 協 同組 合 等 を組 織 し,高 度 化 資 金 な ど を利 用 して 集 団 で 移 転 す る もの で あ る. 一17一1
.工業基盤の変化と工業立地の動向
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地域的基盤 埼玉県は関東平野の中西部に位置する内陸 県 で , 東 西 約107km, 南 北 約60km, 面 積 約 3,800凶,東京・千葉・茨城・栃木・群馬・ 長野・山梨の1都 6県に固まれている. 地形的には,ほぼ西高東低で,西部の山地, 中央部の洪積台地 東部の沖積低地に大別さ れる.西部の山地面積は およそ全体の3分 の1を占める.利根川,元荒川,荒川などの 主要河川が,あたかも葉脈のように県内を西 北から東南に流れる.気候についてみると, 関東平野の大体中央部に位置するため,表日 本の内陸型の特色を示し,四季変化が明瞭で, 夏は高温,冬は晴天が続き乾燥する.台風な どは少なく,生活には比較的好適な環境をも っている. 県域の全体が首都圏に含まれ,東京の中心 から 10~100km の地域帯に入る.県内を鉄道 ・道路が縦横に走り,広域的交通網を形成し て県域内外の産業経済および消費生活の動脈 となっている.大宮駅を分岐点として,JR
上越新幹線・東北本線が走り, 1985年には, 埼京線が開通して大宮・新宿聞を快速の場合 は30分で結んでいる.そのほか,基幹線的鉄 道網として,南北にJR
高崎線,京浜東北線, 東武伊勢崎・日光線・東上線,西武池袋・新 宿線・秩父線および秩父鉄道,東西にJR
武 蔵野線・川越線,東武野回線が走っている. なお,新しい鉄道交通として,大宮から伊奈 まで新都市交通伊奈線が通じている. 一方,高速道路は,東北縦貫自動車道,関 越自動車道,常盤自動車道が走っている.こ れら高速道路を繋ぐように,南北に一般国道 4号線, 17号線, 122号線, 254号線,東西に 一般国道16号線, 140号線などが通じている. また, 1987年には,東北縦貫自動車道と高速 6号線とが接続している. b. 工業基盤の変化 本県の工業は, 1960~70年代の重化学工業 化の進展および高度経済成長の過程で大きく 発展した.首都東京の隣接県としての立地的 特性を生かし,首都圏に立地する内陸型の工 業として,食料品や繊維・衣服などの在来工 業・地場産業から,近代的な金属・機械関係 の工業まで,各種工業が県内に分布している. 近年は,エレクトロニクスをはじめとする加 工組立型を中心とした先端技術産業の進出が みられ,工業構成の質的変化がみられる. 県統計課資料によれば, 1990年現在,県工 業の製造品出荷額等は17兆170億円,対前年 比108.2%,全国第5位,事業所数2万
5,049 事業所,対前年比105.0%,全国第4位,従 業者数59万
4,313人, 101.2%,全国第5位と なっている. つぎに,本県工業を4分類別にみると, 84 年現在で、全国的に比較して,食料品工業や.素 材工業のウェイトは低くなっており,加工工 業や組立工業のウェイトが高く,とくに加工 工業は特化係数(埼玉県構成比÷全国構成比) も1.43で,対全国構成比で43%も高くなって いる.県内には多種多様な工業が立地するが, とりわけ金属・機械を中心とする加工性の高 い業種が多数集積していることを示している. さらに,規模別・地域別に事業所の分布状 況をみると, 90年現在,従業者4~199人規 模の事業所の割合は98.6%を占め, 200人以 上規模は,全体の2万
5,049事業所のうちの 1.4%, 344事業所にすぎない.1,000人以上 規模となると,わずか30事業所にすぎない. 通商産業省の第7回工業実態基本調査(都道 府県編)によれば, 87年現在,県内の中小企 業全体の64.2%は下請企業で,下請比率の高 い業種は,精密機械100%,輸送機械95.8%, プラスチック製品86.0% 金属製品77.7%な どである.加工・組立工業を中心にして,そ れぞれの下請企業が専門分野別に特化し,親 (元請)企業を頂点にして1次 2次 3次Je玉地 酬
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西 部 第二 地域 西 部 第一地域廩部地國
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図1工 業 地 域 区 分 (注)地 域 別 市 町村 東 部 地 域 岩 槻 市 、 春 日部 市 、 草 加 市 、越 谷 市 、 八 潮 市 、 三郷 市 、松 伏 町 、 吉 川 町 、 庄 和 町 、 中 央 地 域 川 口市 、 浦 和 市 、大 宮 市 、鴻 巣 市 、・上 尾 市 、与 野 市 、蕨 市 、戸 田 市 、 鳩 ヶ谷 市 、 桶 川 市 、 北 本 市 、伊 奈 町 、 吹 上 町 、 川 里 村 西 部 第1地 域 川 越 市 、 所 沢 市 、狭 山市 、 入 間 市 、 朝 霞 市 、 志 木 市 、和 光 市 、 新 座 市 、 富 士 見 市 、 上 福 岡 市 、 大 井 町 、三 芳 町 西 部 第2地 域 飯 能 市 、 坂 戸 市 、毛 呂 山 町 、 越 生町 、 鶴 ヶ 島 町 、 日高 町 、 名 栗 村 比 企 地 域 東 松 山市 、 滑 川 町 、嵐 山 町 、小 川 町 、 都 幾 川 村 、 玉 川村 、 川 島 町 、 吉 見 町 、 鳩 山 町 、 東 秩 父 村 利 根 地 域 行 田 市 、 加 須 市 、 羽 生 市 、 久 喜 市 、 蓮 田市 、幸 手 市 、騎 西 町 、 南 河 原 村 、 北 川 辺 町 、 大 利 根 町 、宮 代 町、 白 岡 町 、 菖 蒲 町 、栗 橋 町 、 鷲宮 町 、 杉 戸 町 大 里 地 域 熊 谷 市 、 深 谷 市 、大 里 村 、 江南 町 、 妻 沼 町 、 岡 部 町 、 川 本 町 、 花 園 町 、 寄 居 町 児 玉 地 域 本 庄 市 、 美 里 町 、児 玉 町 、神 川 村 、 神 泉 村 、 上 里 町 秩 父 地 域 秩 父 市 、 横 瀬 町 、皆 野 町 、 長 瀞 町 、 吉 田 町 、小 鹿野 町 、 両 神 村 、 大 滝 村 、 荒 川 村 下 請 と い う よ う に き わ め て す そ 野 の 広 い 分 業 構 造 を 形 成 し て い る. 県 内 を9地 域 に 区 分 し た 図1の 「県 内 工 業 地 域 区 分 」 で,地 域 別 の 構 成 比 を み る と,事 業 所 数 で 中 央 地 域 が33.2%(8,317)を 占 め, つ い で 東 部 地 域 の22.9%(5,473),西 部 第 一 地 域 の16.8%(4,204)の 順 と な り,こ れ ら 3地 域 の 合 計 は全 事 業 所 数 の72.9%,全 従 業 者 数 の66.6%,全 製 造 品 出 荷 額 等 で65.9%を 占 め る.本 県 の 工 業 は,県 南 東 都 市 部 に 集 中 的 に 立 地 し て い る こ と が わ か る.一 方,県 北 西 部 の 秩 父 地 域 は,全 事 業 所 数 の2.2%(541), 児 玉 地 域 は2.8%(698)と,構 成 比 が 非 常 に 低 く,工 業 立 地 で 県 の 南 東 部 と北 西 部 と で は 対 照 が い ち じ る し い.中 間 部 の 大 里 地 域5.0% (1,272),比 企 地 域4.0%(1,027),西 部 第 二 地 域3.8%(959),利 根 地 域9.1%(2,288) で あ る.な お,県 の テ ク ノ グ リ ー ン 構 想 の 推 進 に よ り,首 都 中 心 か ら50㎞ 圏 以 遠 の 秩 父 ・ 児 玉 ・大 里 ・利 根 地 域 な ど 県 北 部 に 基 盤 整 備 が 進 ん で お り,工 業 団 地 の 造 成 な ど に よ っ て 先 端 技 術 産 業 を 中 心 と す る 工 業 立 地 の 増 加 が 期 待 さ れ て い る. c.工 業 立 地 の 動 向 通 産 省 の 工 場 立 地 動 向 調 査(敷 地 面 積 一19一図2埼 玉 県 と全 国の 工場 立地 件数 推 移(1967∼90年) 1,000m2以 上 の 工 場 用 地 取 得 企 業)に よ る 図 2の 「埼 玉 県 と 全 国 の 工 場 立 地 件 数 の 推 移 (1967∼90年)」 お よ び 表1の 「埼 玉 県 と 全 国 の 工 場 立 地 動 向 」 か ら み る と,1967年 以 降, 69年 に 第1次 の ピ ー ク(5,853件),73年 に 第 2次 の ピ ー ク(5,088件)が あ り,65∼74年 代 は 順 調 な 増 勢 で 推 移 して い る.し か し,75 ∼85年 代 に 入 る と,第 一 次 オ イ ル シ ョ ッ ク の 影 響 を 受 け て 第2次 ピ ー ク の 翌74年 に は 急 激 に 落 ち 込 み,対 前 年 比52.5%減 の2,415件 と な っ た.さ ら に 円 高 危 機 な ど で 前 半 は 停 滞 気 味 で 推 移 し,77年 に は 最 低 の1,278件 で あ っ た. 後 半 に な る と,80年 の 第3次 の ピ ー ク(2,097 件)を 迎 え,や や 復 調 の 兆 を み せ た も の の 立 地 件 数 の 水 準 は,65∼75年 代 の2分 の1程 度 に す ぎ ず,年 間1,000∼2,00件 台 の 立 地 に と ど ま っ た.85年 代 に 入 っ て,年 間2,500件 台 に 乗 り,景 気 回 復 に よ っ て89年 に は16年 ぶ り
表1埼 玉県 と全 国の工場立地動向 (単位:面 積 千 ㎡) 区 分 年19676869707・72737475767778 埼玉県 件 数3793205203361331612337675816566 面 積2,6061,4422,3422,517ユ,2861,4491,787440444513649508 件 数4,4324,3455,8535,1293,3033,7305,0882,4151,4871,5281,2781,353 全 国 面 積43,14754,07363,55061,59735,81445,56062,41137,75816,55324,42817,05412,101 全 国 比 件 数8.67.48.96.64.04.34.63.15.05.35.14.9 (%)面 積6.02.73.74.13.63.22.91.22.72.13.84.2 区 分 年798081828384858687888990合 計 埼玉県 件 数801386061689276767883118453,420 面 積7248876925978449918455627331,1111,07069525,734 件 数1,9592,0972,0911,8821,8562,3642,5372,5222,5573,5364,1573,78171,280 全 国 面 積20,26030,31525,52421,08622,41829,67729,92139,03328,98838,71347,24646,1651857,891 全 国 比 件 数4.16.62.93.23.73.93.03.03.12.32.81.23.6 (%)面 積3.62.92.72.83.83.32.81.42.52.92.11.53.0 資料:通 商産業省 「工場立地動 向調査」 に 第4次 の ピ ー ク(4,157件)と な っ て4,000 件 を 超 え た が,翌 年 に は3,781件 と 対 前 年 比 で 約10%近 い 減 少 と な っ た. 本 県 の 工 場 立 地 動 向 を全 国 と 比 較 し て み る と,80年 ま で は,第1次,第2次,第3次 ピ ー ク を は じ め と して,全 国 と ほ ぼ 同 様 め 傾 向 を み せ て い る.し か し,81年 以 降 に つ い て は 第3次 ピ ー ク 後 の 落 ち 込 み が 激 し く,そ の 後 の 回 復 も全 国 に 及 ば な い.89年 の 第4次 ピ ー ク(118件)を み て も 第3次 の ピ ー ク(138件) を超 え ら れ な か っ た し,90年 の 落 ち 込 み も45 件 で 対 前 年 比38%の 減 少 で あ っ た.と こ ろ で, 67年 か ら90年 ま で の24年 間,本 県 の 総 立 地 件 数 は3,420件,総 立 地 面 積2,573haで,全 国 の 総:立地 件 数7万1,280件 の3.6%,総 立 地 面 積8万5,789.1%の3.0%を 占 め て い る. 81年 か ら90年 ま で の10年 間 の 業 種 別 立 地 件 数 を み る と,総 立 地 件 数757件 の う ち も っ と も 立 地 件 数 の 多 か っ た 業 種 は,電 気 機 械 器 具 製 造 業 の103件 で,つ い で 一 般 機i械 器 具80件, 金 属 製 品66件,化 学 工 業65件,出 版 ・印 刷 ・ 同 関 連53件 の 順 と な っ て い る.立 地 面 積 で み て み る と,総 面 積8,140haの う ち 電 気 機 械 器 具147ha,輸 送 用 機 械 器 具97ha,化 学 工 業67ha,
窯 業 ・土 石63ha,一 般 機 械 器 具58haの 順 と な っ て い る.さ ら に,10年 間 の 総 立 地 件 数 を, 基 礎 資 材 産 業(化 学 ・窯 業 ・鉄 鋼 ・金 属 製 品 な ど),加 工 組 立 産 業(一 般 機 械 ・輸 送 機 械 ・電 気 機 械 な ど)お よ び 生 活 関 連 産 業(食 料 『 品 ・繊 維 ・印 刷 な ど)の3分 野 に 区 分 し て み る と,基 礎 資 材 産 業221件,加 工 組 立 産 業245 件,生 活 関 連 産 業291件 と な っ て お り,3分 野 の お の お の が 約3分 の1ず つ を 占 め,バ ラ ン ス 良 く景 気 変 動 な ど に 柔 軟 に 対 応 で き る 立 地 構 成 と な っ て い る. 県 内 を 図1「 県 内 工 業 地 域 図 」 に み る ご と く9地 域 に 区 分 して,表2の 「地 域 別 工 場 立 地 の 推 移(埼 玉 県)」 か ら,地 域 別 に10年 間 の 工 場 立 地 動 向 を み る と,全 立 地 件 数757件 (100%)の う ち 利 根 地 域 の223件(29.5%) が も っ と も 多 く,つ い で 児 玉 地 域109件 (14.4%)大 里 地 域94件(12.4%)中 央 地 域 81件(10.7%〉,西 部 第 一 地 域76件(10.0%) な ど と な っ て い る.そ れ ら の 動 向 は,い ず れ も 工 業 団 地 の 造 成,整 備 と 深 い 関 係 が あ る と み ら れ る.す な わ ち,こ の10年 間 に 造 成 済 の 工 業 団 地 は 全 部 で20を 数 え る が,そ の う ち 利 根 地 域 に 久 喜 ・菖 蒲,大 沼,清 久,鷲 宮 な ど 一21一
表2地 域別工場立地の推移(埼 玉県) 地 域 1981 82 83 84 85 86 87 88 89 90 1計 秩 父 地 域 1 1 1 1 5 3 1 3 5 6 27 児 玉 地 域 2 21 11 32 13 4 3 5 10 8 109 大 里 地 域 2 9 20 12 12 7 10 12 8 5 94 比 企 地 域 4 3 3 5 3 3 7 4 15 4 48 中 央 地 域 0 4 9 2 10 4 6 13 27 6 81 利 根 地 域 48 15 9 30 12 17 20 17 45 10 223 西 部 第 一 地 域 1 5 9 6 7 11 20 10 5 2 76 西 部 第 二 地域 馳 1 1 2 1 5 12 4 12 2 4
144
東 部 地 域 ㌧ 1 2 4 3 9 15 7 7 4 3 55 計 60 61 681 92 76 76 78 83 118 45 757 資料:通 商産業省 「工場立地動 向調査」 9団 地,児 玉 地 域 に児 玉 の1団 地,大 里 地 域 に 熊 谷,川 本 春 日丘 の2団 地,中 央 地域 に川 里 の1団 地,西 部 第 一 地 域 に 富 士 見,川 越 の 2団 地 な ど計15団 地 が 造 成,整 備 され,工 業 団 地 に多 くの 工 場 が 立 地 して い る. 通 産 省 の 厂工 場 立 地 動 向調 査 」 か ら,1975 ∼84年 の 間 に,企 業 が 工 業 地 域 を選 定 し た理 由 に つ い て み る と,全 国 の場 合,企 業 が もっ と も重 視 した理 由 と し て,厂 地 元 」25%の ほ か に,厂 市 町 村 等 の助 成 協 力 」17%,厂 市 場 」 15%,厂 取 引 企 業 へ の近 接 性 」13%,「 労 働 力 の確 保 」12%な ど と な っ て い る.そ れ に 対 し て,埼 玉 県 の 場 合 は,厂 市 場 」43%ど 「取 引 企 業 へ の近 接 性 」20%を も っ と も重 要 な 理 由 と して お り,両 者 を合 わせ る と過 半(63%) に 達 す る.全 国 お よ び首 都 圏 内 の 他 の都 県 と 較 べ て 際 立 った特 色 と な っ て い る.つ ぎ に, 企 業 の 地 点 選 定 の 理 由 を み る と,県 内 で 工 場 立 地 点 を求 め る最 大 の 理 由 は 「工 業 団 地 」47% で あ り,全 国 の21%と 比 較 す る と格 段 に 高 い 比 率 で,首 都 圏 内 の 他 の都 県 と較 べ て も高 率 とな り,県 内立 地 の 大 きな特 徴 と な っ て い る. ま た,県 内 の工 業 団 地 に対 す る 企 業 ニ ー ズ が 高 い こ と を物 語 って い る、 2.工 業 団 地 造 成 の 進 展 と地 域 経 済 へ の イ ンパ ク ト a.工 業 団 地 造 成 の進 展 本 県 に お け る工 業 化 の傾 向 は,首 都 圏 の 巨 大 市 場 と密 接 な 関連 を保 ち つ つ,県 内 の鉄 道 ・道 路 沿 線 の 立 地 的優 位 点 を求 め て 無 秩 序 に 拡 散 し,い わ ゆ る ス プ ロ ー ル化 現 象 を呈 す る ' に至 って い る.と くに,首 都 圏 の 東 京 の 中心 か ら30㎞ 圏 内 の既 成 工 業 地 帯 周 辺 に 立 地 の活 発 な展 開 が み られ た が,そ こ で は 商 ・工 ・住 な ど が土 地 利 用 の上 で整 備 さ れず,混 在 して い る.す な わ ち,生 産 の 場 と生 活(消 費)の 場 と い う2つ の機 能 が混 在 し,生 活 環 境 面 の 悪 化 を増 幅 しなが ら工 業 化 が 進 行 して い る わ けで あ る.こ の よ うな 弊 害 を 除去 しつ つ.し か も適 正 な工 業 化 を誘 導 しよ う とす る のが, 計 画 的 な 工 業 団地 の造 成 で あ る.一 般 に,工 業 団 地 の 計 画 的造 成 の 目的 は,現 在 お よ び将 来 に お け る工 場 用 地 の 需 要 に対 処 し,進 出す る企 業 サ イ ドに と って は,機 能 的 な 生 産 活 動 が 保 証 され,地 元 住 民 サ イ ドか らは,公 害 発 生 な どの 恐 れ の な い生 活 環 境 が 確 保 され る よ う な土 地 利 用 を推 進 す る こ とに あ る. 県 内 で 最 初 に工 業 団 地 が 造 成 され たの は, 自本 住 宅 公 団(現 在,住 宅 ・都 市 整 備 公 団)表3 工業団地整備状況(既設・埼玉県) (1992年 3月末現在) 工 業 団 地 所 在 地 工業団地規模(ha) 事業主体 事業期間 立地企業数 団地面積 用地面積 立 地 率 % 草 加 草 加 市 105.7 55.8 埼 玉 県 日召35F7日-日4召0矛日 29 100.0 草 加 ・ 八 潮 草 加 市 ・ 八 潮 市 87.5 40.3 埼 玉 県 40-44 28 100.0 武 蔵 入 間 市 48.5 37.0 埼 玉 県 41-44 67 100.
。
加 須 加 須 市 57.8 27.2 埼 玉 県 41-46 18 100.0 狭 山 狭 山 市 41.4 31.4 埼 玉 県 46-47 66 100.0 久 喜 ・ 菖 蒲 久 喜 市 ・ 菖 蒲 町 165.5 107.1 埼 玉 県 43-45 82 100.0 東 松 山 東す青 キ公JII山 田市了 73.6 53.0 埼 玉 県 44-53 104 100.。
=口/:;:- 野 原 大 宮 市 57.0 41.3 公日本住宅団 35-38 12 100.0 ;菜 谷 Y菜 谷 市 97.7 86.5 公日本住宅団 35-37 18 100.0 川 越 ・ 狭 山 川 越 市 ・ 狭 山 市 189.6 158.7 公日本住宅団 37-40 90 100.0 富 士 見 川・鶴越ケ市島・市坂 戸 市 96.0 70.0 公日本住宅団 41 :-51 62 100.0 行 田 行 田 市 75.3 60.5 行 田 市 38-42 38 100.0 春 日 部 内 牧 春 日 部 市 43.5 36.7 春 日 部 市 37-40 91 100.0 上 尾 坊 山 上 尾 市 4.5 3.8 上 尾 市 38-39 10 100.0 上 尾 領 家 上 尾 市 7.9 7.2 上 尾 市 43-45 19 100.0 上 尾 平 塚 上 尾 市 7.3 6.4 上 尾 市 37-39 9 100.0 JII 口 来庁 郷 JII 口 市 20.2 13.7 川 口 市 42-46 89 100.。
JII 口 南 平 JII 口 市 3.1 3.1 川 口 市 42-44 34 100.0 JII 越 JII 越 市 71.6 56.8 埼 玉 県 48-55 127 100.0 JII 島 JII 島 町 55.2 26.2 埼 玉 県 49-57 12 100.。
鷲 宮 鷲 宮 町 112.3 14.1 埼 玉 県 45-57 33 100.。
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羽 生 市 52.2 34.1 羽 生 市 47:-54 29 100.0 j青 久 久 宣 市 68.8 44.1 公日本住宅団 47-56 34 100.0 豊 野 春 日 部 市 35.5 18.6 春 日 部 市 47-56 82 100.0 幸 手 幸 手 市 23.8 17.4 埼 玉 県 54-59 31 100.0!
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ヨ 玉 上児墨玉田町I・・ 本神庄JII市町 108.4 87.7 埼 玉 県 47-59 65 100.0 耳 奇 西 騎 西 町 35.5 21.1 騎 西 町 52-58 31 100.0 上 野 ・ 古 ヶ 場 石I-U 槻 市 96.7 66.5 岩 槻 市 52-62 109 100.0 加 須 ・ 大 利 根 加須市・大利根町 97.4 71.0 住整備宅都公市団 52-63 44 100.0 JII 里 JII 里 キす 24.0 15.3 埼 玉 県 59-63 21 100.0 .貝乙叫長会 ノロ弘、ー 熊.J谷11本市町・ 深 谷 市 180.4 85.1 民 間 昭5和3一平元成 85 100.。
豊ウ野ン台(大ァ利クノ根)タ 大 利 キ艮 町 59.1 35.0 埼 玉 県 59-元 39 100.。
=口と 見 =口と 見 町 34.8 25.7 吉見町長画谷土理地組区 整ふ 61-2 10 100.0 川 本 春 日 丘 JII 本 町 49.2 31.7 埼 玉 県 61-2 24 100.0 ;j~ 生 松 ;:j~ 生 市 36.3 24.7 埼 玉 県 61-2 33 100.。
, 3ノ口ヘ5• 団 言地十 2,323.3 1,514.8 1,675 資料:県産業政策課 -23-■ 巳 1 C. 図3埼 玉 県工 業団地 0児 玉工 業団地 ②深谷 工業団地 ③熊谷 工業団地 ④大 沼工業団地 ⑤行 田工業 団地 ⑥川 里工業 団地 ⑦加 須工業 団地 ⑧騎 西工業 団地 ⑨ 加須 ・大利根工業 団地 ⑩大利根豊野 台テ クノタウン 0清 久工業 団地 ⑫鷲宮 産業 団地 ⑬幸手工業 団地 ⑭ 久喜 菖蒲工 業団地 .⑮東松 山工業 団地 ⑯ 桶川東部工 業団地 ⑰ 川島工業団地1 ⑱ 吉見工業団地 ⑲上尾領家工 業団地 ⑳上尾平塚工 業団:地 ⑳吉野原工業 団地1 ⑫ 上尾坊 山工 業団地 ⑳ 春 日部 内牧工業団:地 ⑳ 豊野工 業団地 ⑳ 川越工 業団地 ⑳富 士見工業団地 ⑳ 川越狭山工業団地 @狭 山工業団地 ⑳武蔵工業団地 ⑳草加八潮工業団地 ⑳草加工業 団地 ⑫川 口新郷工業 団地 ⑳川 口南平工業 団地 ⑳上野 ・古 ヶ場工業 団地 ㊥川 本春 日丘工業 団地 ⑳羽生小松工業 団地 (注)⑯ 桶川東部工業団地 は分譲 中 に よ って 整 備 され た 深 谷,吉 野 原,川 越 ・狭 山の3工 業 団 地 で あ っ た.深 谷 と吉 野 原 工.業 団 地 は,と もに1960年 に造 成 が 開 始 され,完 成 年 は 前 者 が62年,後 者 が63年 で あ った.川 越 ・狭 山 の場 合 は,造 成 開始 は62年 で あ っ た が,完 成 は や や 遅 れ て65年 で あ っ た.団 地 面 積 で 規 模 を み る と,深 谷 が97.7ha,吉 野 原 57.Oha,川 越 ・狭 山189.6haと な っ て お り, と く に 川 越 ・狭 山 の 場 合 は,現 時 点 で 既 設 の み な らず,分 譲 中,計 画 ・造 成 中 を 含 め て,
県 内 最 大 規 模 の もの とな っ てい る.立 地 企 業 数 と主 要 企 業 を み る と,深 谷 が18社 で,東 芝 ㈱,サ ン ウ ェ ー ブ 工 業 ㈱,サ ン ケ イ化 学 ㈱, 長 谷 川 香 料 ㈱,吉 野 原 が12社,大 正 製 薬㈱, 信 越 ポ リ マ ー㈱,新 潟 コ ンバ ー タ ー㈱,川 越 ・狭 山 が90社 と も っ と も多 く,本 田技 研 工 業 ㈱,日 本 ヘ キ ス ト㈱,小 松 メ ック㈱ な ど と な つ て い る. 本 県 企 業 局 が 最 初 に手 掛 けた 工 業 団 地 の 造 成 事 業 は,草 加 工 業 団 地 で 造成 開 始 は62年, 完 成 は65年 で あ っ た.団 地 面 積 は105.7ha, 立 地 企 業 数29社,主 要 企 業 は ダ イ キ ン工 業㈱, 十 条 板 紙 ㈱,十 条 キ ンバ リ ー㈱,太 平 化 学 薬 品 ㈱ な どで あ る.65∼70年 代 に入 る と,県 で は工 業 の 適 正 配 置 を掲 げ,工 業 団 地 の先 行 的 整 備 を推 進 す る施 策 の 中心 と して 工 業 団 地 の 造 成 に積 極 的 に取 り組 ん で い った.こ う して 82年 まで に10工 業 団 地 の 造 成 の 完 成 を み た. 市 町村 レベ ル で も,63年 の行 田市 に よる 行 田工 業 団 地 の造 成 を は じめ と して,春 日部 市, 上 尾 市,川 口市 な ど,主 と して 県 南 部 で都 市 開 発 や土 地 利 用 の 調 整 を 目的 に した造 成 事 業 が 盛 ん に な っ た.ま た,78年 に 造 成 が 始 ま り, 90年 に完 成 を み た 熊 谷 工 業 団地 は,本 県 に お け る最 初 の 民 間事 業 主 体 に よ る も の で,注 目 され て い る.現 在 の と こ ろ1件 に と ど ま って い る が,団 地 面 積180.4ha,立 地 企 業 数85社 で 団 地 面 積 で は 川 越 ・狭 山工 業 団 地 に つ ぐ県 内 第2位 の 規 模 を も って い る. 近 年,県 の 施 策 と して,工 業 団 地 造 成 の 目 的 が 従 来 の 工 業 の 適 正 配 置 や 産 業 振 興 な どか ら,さ ら に知 識 集 約 型 の 先 端技 術 産 業 な どの 立 地 促 進,企 業 の 県 外 流 出 防止 な どが 加 わ り, そ れ らの 受 け皿 と して の 工 業 団 地 造 成 とい う 側 面 を合 わ せ もつ こ と とな った.1991年9月 末 現 在 で,既 設(分 譲 済)の 工 業 団地 は35団 地,団 地 面 積2,323.3ha,用 地 面 積1,514ha, 立 地 企 業 数1,675社 とな っ て い る.な お,分 譲 中 が2団 地,計 画 ・造 成 中 が9団 地 で あ る. b.工 業 団 地 の 地 域 的 展 開 とそ の 地 域 経 済 へ の 影 響 まず,本 県 に お ける 工 業 団 地 の 造 成 開 始 を, 時 期 的 お よ び9地 域 別 にみ て み る と,1960∼ 70年 間 は東 部 地域 の草 加,春 日部 内 牧 工 業 団 地,中 央 地 域 の 吉 野原,上 尾 平 塚,上 尾 坊 山 工 業 団 地 お よ び 西 部 第 一 地 域 の 川 越 ・狭 山 工 業 団 地 な ど県 南 部 を中 心 に造 成 が 行 わ れ た が, 71年 以 降 に な る と,利 根 地 域 の清 久,鷲 宮 工 業 団 地 な ど,比 企 地域 の 東 松 山工 業 団 地 な ど 造 成 は次 第 に県 北 部 に 移 り,75年 以 降 に な る と,関 越 自動 車 道 ∵東 北 縦 貫 自動 車 道 等 の 高 速 道 路 の 整 備 な どに よ り,比 企 地 域 の 川 島, 吉 野 工 業 団 地 の み な らず,さ らに 県 北 部 の大 里 地 域 に 熊 谷,川 本春 日丘 工 業 団 地,児 玉地 域 に児 玉 工 業 団地 な どが 造 成 され る よ う に な り,北 進 傾 向 が み られ る.さ らに,目 下,県 企 業 局 に よ っ て秩 父地 域 に秩 父 工 業 団 地,児 玉 地 域 に 本 庄 今 井 工 業 団 地,比 企 地 域 に 嵐 山 工 業 団 地 が そ れ ぞ れ造 成 中 で あ り,県 の テ ク ノ グ リー ン構 想 推 進 の 一 翼 を担 う もの で あ る. つ ぎに,工 業 団地 の 造 成 は,企 業 立 地 に よ る雇 用 や 税 収 増 加 な ど地 域 経 済 に 直接 的 効 果 を も た らす だ け で な く,工 業 団 地 周 辺 地 域 に 関 連 産 業 を生 み 出 す 間接 的 効 果 もあ り,本 県 工 業 の持 続 的 発 展 に不 可 欠 な もの とみ ら れ て い る.通 商 産 業 省 「工 業 立 地 動 向調 査 」 か ら, 1967∼90年 ま で の24年 間 に,県 内 に 工 場 が立 地 した 件 数 は3,420件 で あ っ た.一 方,県 産 業 政 策 課資 料(表3)か ら,同 期 間 内 に造 成 『 分 の30工 業 団 地 に つ い て,そ の 団 地 内 立 地 企 業 の 合 計 は1,517件 で,団 地 内 立 地 率 は44.3% とな る. 81∼90年 間 の 団 地 内 立 地 率 が53.4%で,全 国 平 均 の41.9%を 大 き く上 回 る こ と はす で に 述 べ た 通 りで あ る.そ の 場 合 に,県 内 立 地 件 数 は757件 で あ って,工 業 団 地 内 立 地 件 数 は 404件 で あ っ た.ま た,そ の期 間 中 に,従 業 者4人 以 上 規 模 の事 業 所 数 の 増 加 は3,502事 業 所 で,30人 以 上 規 模 の場 合 の 増 加 は359事 一25一
業 所 で あ る.通 商 産 業 省 「工 場 立 地 動 向 調 査 」 で は,調 査 対 象 の 立 地 企 業 は 「工 場 を建 設 す る 目的 を もっ て1,000㎡ 以 上 の用 地 を取 得(借 地 を含 む)し た もの 」 とな って い る の で,従 業 者 数 規 模 別 に は 不 明 で あ るが,団 地 内 立 地 件 数 の404件 は,4人 以 上 規 模 の 増 加 分 の 11.5%を 占 め,30人 以 上 規 模 の 場 合 に は,団 地 内 立 地 件 数 が そ の 増 加 分 を上 回 っ て い る. つ ぎ に,団 地 内 立 地 企 業 の 従 業 者 数 ・製 品 出荷 額 等 ・付 加 価 値 額 等 につ い て は,明 らか に され て い な い の で,立 地 企 業 の県 内 工 業 の 動 態 に対 す るイ ンパ ク トを数 量 的 に 直 接 検 証 す る こ とは で き な い.し か し,60∼90年 間 を 5年 ご とに 区 切 り,各 区 分 ご とに事 業 所 数, 製 造 出荷 額 等,そ の全 国順 位 な どの 変 動 と, 整 備 工 業 団 地 数 の推 移 と の 関連 を検 討 して み る と,そ れ らの 問 に は相 関 が 状 況 的 にか な り は っ き りと認 め られ る.す な わ ち,県 内 の 工 業 基 盤 の 変 動 に工 業 団 地 造 成 の推 移 が 強 い イ ンパ ク トを与 え て い る こ とが 知 れ る. さ らに,表4の 「市 町 村 別 出荷 額 等 と工 業 団地 」 をみ る と,第1位 の狭 山 市 か ら第9位 の熊 谷 市 まで,す べ て 工 業 団 地 の 造 成 が 行 わ れ た市 で あ る こ とが わ か る.ま た,60∼90年 ま で の 出 荷 額 等 の伸 び率 を み る と,県 全 体 が 48.1倍 で あ る の に対 して,200倍 を超 え る 伸 び率 を示 す 市 町村 が31あ る が,そ の う ち 玉 川 表4市 町村 別 製 造 品 出荷 等 と工業 国 地 (1990年) 順 位 市町村名製 造品 出荷額 等(万 円) 有する工業団地 1 狭 山 市 133,894,122 川越 ・狭 山 、狭 山 2 川 口 市 104,663,878 川 口南 平 、 川 口新 郷 3 川 越 市 93,105,155 川越 ・狭 山 、川越 、富士 見 4 上 尾 市 64,249,706 上尾坊山、上尾領家、上尾平塚 5 草 加 市 58,634,633 草加 、草 加 ・八潮 6 大 宮 市 53,458,346 大宮吉野原 7 深 谷 市 53,011,980 深谷 、熊 谷 8 八 潮 市 51,307,163 草加 ・八 潮 9 熊 谷 市 49,495,276 熊谷 10 戸 田 市 45,028,945 (注)従 業者4人 以 上 の事 業 所 を集 計 した もの。 資 料:県 統 計 課 「工 業 統 計 調査 速 報(1990年)」 村 を 除 くすべ て の市 町 村 ま た は こ れ に隣 接 す る市 町村 で 工 業 団地 の 造 成 が 行 わ れ て い た. 3、,久 喜 ・菖 蒲 工 業 団 地 の 造 成 とそ の 波 及効 果 a .久 喜市の概況 利 根 地 域 の 久 喜 市 は,1990年 現 在 で 人 口6 万7,000人,85年 に対 して14。0%の 人 口増 と な っ て い る.工 業 は事 業 所 数196事 業 所,従 業 者29人 以 下 規 模142,同30人 以 上 規 模54で あ る.,製 造 品 出荷 額 等2,756億6,427万 円,付 加 価 値 額33億2,350万 円 で あ る.78年 に 久 喜 ・菖 蒲 工 業 団 地,81年 に清 久 工 業 団 地 が 完 成 し,本 市 の工 業 生 産 は飛 躍 的 に増 加 した.ち な み に,工 業 団 地 内立 地 企 業 数 は,久 喜 ・菖 蒲 工 業 団 地が82件,清 久 工 業 団 地 が34件 で 合 計116件 と な り,市 内 事 業 所 総 数 の59.2%を 占め る.工 業 団 地 内 に 立 地 した企 業 は,市 内 の 地 元 企 業 との 結 びつ き を深 め,経 営 の 安 定 化 や,労 働 力 の 吸 収,定 着 化 な ど 地 域 経 済 に 多 大 の 間接 的 効 果 を与 えて い る. 久 喜 ・菖 蒲 工 業 団 地 は,県 企 業 局 に よ っ て 68年 に着 工,10年 の歳 月 を か け て 造 成 さ れ た 県 内 で 第6番 目 の も の で,工 業 団 地 面 積 165.5ha,工 場 用 地107.1haは,川 越 ・狭 山 工 業 団 地 に次 ぐ県 内 第2位 の規 模 を もつ.ま た,県 企 業 局 が 造 成 し た もの の う ちで は,最 大 規 模 の もの で あ る.予 約 分 譲 方 式 と人 工 池 を 中 央 に配 置 した 環 境 の 良 さで は 全 国 の工 業 団 地 づ く りの モ デ ル と して 知 られ た もの で あ る.清 久 工 業 団 地 の 方 は,日 本 住 宅 公 団 が 造 成 した 県 内第5番 目の もの で,幽工 業 団地 面 積 68.8ha,工 業 用 地 面 積44.1haと い う 中 規 模 工 業 団 地 で,72年 に着 工 して か ら,9年 間 か か って 造 成 事 業 の 完 成 を み た.こ こ で は,久 喜 ・菖 蒲 工 業 団 地 につ い て の み 取 り上 げ る こ と にす る. b.工 業 団地 の 立 地 条 件 久 喜 ・菖 蒲 工 業 団地 は,首 都 圏 の近 郊 整 備
地 帯 に あ って,東 京 の 中 心 か ら40㎞ 圏 内 に位 置 す る.ま た,JR東 北 本 線(宇 都 宮 線), 東 武 伊 勢 崎線,東 北 新 幹 線 の久 喜 駅 か ら西 方 約3㎞ の地 点 で,庄 兵 衛 堀 川 と備 前 前 堀 川 に 囲 ま れ た 面 積 約165.5haの 区域 で あ る.行 政 区 域 で い え ば,久 喜 市 河 原 井 町 と菖 蒲 町 昭 和 沼 を含 む 区域 で あ る.本 工 業 団地 の す ぐ東 側 を ほ ぼ南 北 に 自動 車 専 用 の 東 北 自動 車 道 お よ び 主 要 地 方 道 大 宮 ・栗 橋 が 縦 貫 し,し か も約 1㎞ の地 点 に久 喜 イ ン タ「 チ ェ ンジ が あ っ て 両 者 が 連 結 す る結 節 点 と な っ て い る.自 動 車 交 通 の面 で絶 好 の 位 置 に あ る とい え る. しか し,造 成 前 は,本 区 域 は沼 お よ び堀 割 の 多 い低 湿 な 農 耕 地 帯 で,開 発 が 遅 れ て お り, 工 業 団 地 と して 敷 地 に す る に は か な りの 埋 立 盛 土 が 必 要 不 可 欠 の条 件 と な っ て い た.ま た, 当 時 存 在 した 約31haの 水 面 は,洪 水 時 に お け る遊 水 池 で あ っ て,造 成 後 もそ の 機 能 を維 持 させ る 必 要 が あ っ た.そ こ で,団 地 面 積 165.5haの うち の 約31haの 水 面 は,深 さ9m ほ どサ ン ドポ ン プで 掘 り,掘 り取 った 土 砂 で 残 りの 湿 地 を埋 め 立 て て 造 成 す る.土 砂 を掘 り取 っ た跡 地 は水 上 公 園 と して活 用 し,環 境 の よい レー クサ イ ド ・イ ン ダ ス トリ ー とす る 計 画 が 立 て られ た. c.団 地 造 成 の 概 要 本 工 業 団地 造 成 の 目的 は次 の 通 りで あ っ た. 埼 玉 県 総 合 振 興 計 画 に も とづ き,「 首 都 圏 の 近 郊 整 備 地 帯 及 び都 市 開 発 区域 の 整 備 に 関す る法 律 」 の適 用 を受 け,県 東 部 の 開 発 を計 る と と もに,県 南 周 辺 に無 秩 序 に企 業 が 進 出す る こ とに よ っ て生 じ るス プ ロ ー ル 化 現 象 を 防 止 し,施 設 ・環 境 の 整 っ た工 業 団 地 を造 成 す る こ とで あ っ た. 本 工 業 団 地 造 成 の特 色 と して,(1)自 然 の 条 件 を有 効 に活 用 した こ とが ま ず あ げ られ る. す で に述 べ た 通 り,当 該 区域 は,造 成 前 に は 沼 や 堀 割 の 多 い低 湿 地 で,生 産 性 の 低 い農 耕 地 で あ った も の を,団 地 の 中央 に 水 面 約31ha, 深 さ9mの 池 を掘 り,従 来 の 沼 や堀 割 の 水 を 集 約 し,そ の 掘 り上 げ の 土 砂 で 周 辺 の 埋 め立 て 工 事 を行 った.(2)浚 渫 に よ っ て生 れ た 巨大 な 人 工 池(昭 和 沼)を 工 業 用 水 の水 源 と して 利 用 す る ほ か,県 立 の水 上 公 園(久 喜 菖 蒲 公 園)と して 活 用 し,環 境 の よい レー クサ イ ド ・イ ンダ ス トリ ー と した .(3)職 住近接 を図 り, 造 成 さ れ た工 業 団 地 と住 宅(社 宅)団 地 を連 結 す る 巾 員18m,距 離 約1,250mの 道 路 を新 設 し,従 業 員 の 通 勤 の 利 便 を配 慮 した.(4)工 業 団 地 と社 宅 団 地 の効 率 的 な 整 備 運 営 を 図 る た め に,管 理 セ ン タ ー を 設 け,公 共 施 設,福 祉 厚 生 関係 施 設 の 配 置 を総 合 的 に行 った こ と な どで あ る. d.団 地 内立 地企 業 の 構 成 現 在,団 地 内 に立 地 した 企 業 数 は82件 を数 え る,主 要 立 地 企 業 と して,日 本 鋳 鉄 管 ㈱, 東 洋 製 罐 ㈱,岡 部 機i工㈱ ㈱ 向 山工 場 な どが あ げ ら れ る.立 地 企 業 の本 社 所 在 地 を分 類 し て み る と,立 地 企 業 総 数82社(100%)の う ち, 都 内39社(48%),地 元 を 除 く埼 玉 県23社 (28%),地 元(久 喜 市 内)20社(24%)と な って お り,都 内 が 半 数 近 くを 占め て い る。 また,業 種 を基礎 資材 工 業,加 工 組 立 工 業, 生 活 関 運 の3分 野 に分 け て み る と,基 礎 資 材 40社(48%),加 工 組 立21社(26%),生 活 関 連21社.(26%)と な り,基 礎 資 材 が 約 半 数 を 占 め,加 工 組 立 と生 活 関連 はち ょ う ど同 数 と な って い る. e.地 域 経 済 へ の 波 及 効 果 県 商 工 部 産 業 政 策 課 で は,工 業 団 地 の 造 成 が 地 域 経 済 に ど の よう な 波 及 効 果 を与 え る か を知 る た め に,久 喜 ・菖 蒲 工 業 団地 と児 玉 工 業 団 地 を事 例 と して,1985年 度 に立 地 企 業 お よ び 関係 市 町 村 につ い て 実 態 調 査(委 託 調 査) を行 っ て い る.久 喜 ・菖 蒲 工 業 団地 の 場 合 に つ い て,そ の 結 果 を以 下 に引 用 す る. (1)工業 生 産 額 の増 大 久 喜 市 お よ び菖 蒲 町 一27一
の 工 業 生 産 額 は,75年 代 の 工 業 団 地 進 出企 業 の 操 業 開 始 の 時 期 に照 応 して飛 躍 的 に増 大 し た.久 喜 市 で は77年 か ら81年 に か け て 伸 び が め ざ ま し く,80年 に6930億 円 に達 した.ま た, 菖 蒲 町 で は79年 以 降大 き く伸 長 し,81年 に は 630億 円 を超 え て い る. (2)雇用 の 創 出 と拡 大 久 喜 市 で は74年,菖 蒲 町 で は76年 を境 に して 工 業 従 業 者 の 伸 び が い ち じ る しい.久 喜 市 は近 年 伸 びが や や停 滞 気 味 で あ るが,75年 に入 っ て か ら工 業 従 業 者 の 数 は3倍 に拡 大 して い る.ま た,菖 蒲 町 の 場 合 は,81年 の 時 点 で も増 加 傾 向 を示 し,久 喜 市 以 上 に そ の伸 び 率 は顕 著 で あ る. (3)税収 の変 化 企 業 の進 出 に よ っ て,そ の 地 域 の 自 治 体 は,市 町 村 民 税(法 人),固 定 資 産 税,電 気 ガ ス 税 等 につ い て,直 接 的 な税 収 効 果 を あ げ る こ とが で きる.久 喜 市 の 歳 入 決 算 額 とそ の構 成 比 の 推 移 をみ る と,73∼82 年 の10年 間 に財 政 規 模 は約5倍 に膨 張 し,な か で も市 税 は6倍 近 く も増 大 し,自 主 財 源 の 割 合 を拡 大 させ る こ とが で きた.久 喜 市 の 工 業 団 地 か らの税 収 効 果 を具 体 的 に把 握 す る た め に,久 喜 ・菖 蒲 工 業 団地 と清 久 工 業 団 地 に 進 出 した企 業 の 固 定 資 産 税,都 市 計 画 税,特 別 土 地 保 有 税,市 民 税(法 人)を 集 計 し た と こ ろ,2工 業 団 地 か らの 税 収 は,10億5,200 万 円 に達 し,市 税 全 体 の約20%を 占 め る と推 定 され る. まと め に代 え て (1)埼 玉 県 で は,1960年 頃 か ら高 度 経 済 成 長 に伴 い,首 都 東 京 に 隣接 す る とい う立 地 上 の 有 利 性 に よ って,急 速 な 工 業 化 が 進 展 した. そ の 結 果 と して の 工 業 規 模 の 拡 大 は,県 内 の 既 存 企 業 の発 展 と県 内へ の 工 業 立 地 の 活 発 化 とい う2つ が 主 因 で あ った.こ れ を前 者 は ス ト ックベ ー ス の 変 動,後 者 を フ ロ ー ベ ー ス の 動 向 と して把 握 す る こ とが で きる.す な わ ち, 工 業 基 盤 の 変化 と工 業 立 地 の 動 向 で あ る. (2)フ ロー ベ ー ス で,県 内 の工 業 立 地 の動 向 を大 き く主 導 して き た もの は,工 業 団 地 の 造 成 で あ った.81∼90年 の10年 間 の 工 業 団 地 内 立 地 率 は53.4%と,全 国 平 均 の41.9%を 大 き く上 回 って い る.本 県 の 工 業 立 地 は,首 都 東 京 に近 接 す る と い う メ リ ッ トを 生 か し,県 が 計 画 的 な 工 業 団 地 の整 備 と積 極 的 な企 業 誘 致 を行 って きた こ とに よ って,着 実 な進 展 を み せ て い る.現 在,既 設35団 地,分 譲 中2団 地,計 画 ・造 成 中9団 地 あ るが,そ の 約 半 数 は県 企 業 局 の 整 備 に よ る もめ で あ る. (3)フ ロ ーベ ー ス で の 工 業 立 地 の 進 展 が, ス トッ クベ ー ス で の工 業 基 盤 の発 展 に どの よ う な イ ンパ ック トを与 え,県 の工 業 全 体 の発 展 に ど う関 与 す る の か,ま た?工 業 団 地 の造 成 は 地域 経 済 に どの よ う な波 及 効 果 を もた ら す の か な ど につ い て,こ の 小 論 を試 み た.し か し,不 況 時 とか,工 業 適 地 が 減 少 して きて 工 業 団 地 の造 成 が行 き詰 ま っ た 時 に,地 域 経 済 な ど に与 え る シ ョ ッ ク を考 え て,ど の よ う な打 開 策 が あ る の か な ど,今 後 に 残 さ れ た研 究 課 題 も多 い と思 わ れ る.