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Civil Times 04 最近の更新履歴 全国専門学校土木教育研究会

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Academic year: 2018

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©S.K

「モンゴル高専」支援活動について 苫小牧高専 環境都市工学科 栗山昌樹

(1)短期派遣講師の紹介

 これまで,IET からの依頼を受け,2013 年 10 月,2014 年 2 月,2014 年 5 月に, それぞれ 3 週間の短期派遣講師を努める卒業生を紹介し,実際に講師として現地に 行ってもらいました.本校教員ではなく卒業生であるのは,モンゴル高専が「実務」 を念頭に入れた教育を目指しているためで,直接実務に携わっている本校卒業生を 紹介しています.1回目に短期派遣された海外勤務経験豊富な卒業生は,本校の 1 年生科目「ものつくり基礎」で行なっている立体地図の製作を指導しました.派遣 前には,本校の授業に参加してもらった上で,現地で授業を行いました(写真1).  第2回目は,建設材料学の実験・実習を担う教員をとの要望により,工事管理の 実務経験豊富な卒業生が派遣されました.派遣期間中はコンクリート関係の実験・ 実習に加え,苫小牧市に本社を構えるアイザワコンクリート株式会社の現地法人「 AIZAWA MONGOL LLC」の生コンクリートプラントの見学も行われました.モンゴ ルの学校では建設現場や工場の見学習慣が無く,多くの教員の参加がありました. また,高専モデル教室以外からも授業要望が多く,多忙を極めたとのことです.  3回目は,測量の実技指導を目的として,その資格と経験のある卒業生を紹介し ました.測量の実習では広大な土地でゲルに宿泊しながら水準測量などを指導しま した(写真 2).

(2)IET 教員の研修受け入れについて

 2014 年 9 月に IET 教員2名と通訳 1 名が 2 週間の日程で本校に来校し,環境都市 工学科で研修を行いました.2 名の教員の専門が建築材料と地盤工学であったこと から,材料実験,土質実験を中心に,土木材料,地盤工学,構造力学の教育方法を 学んで頂きました(写真 3,4).

 この研修ではモンゴルでも問題となる凍上に関して,凍上のメカニズムや試験方 法に関する研修も行われました.この他にも,環境都市工学科の教育システムの説 明や他の実験設備の見学,時間帯によっては学生実験や授業にも加わっていただき, 本校での雰囲気を味わって頂きました.休日は短期派遣された卒業生の自宅にホー ムステイするなど日本文化に触れる機会を持ちました.このような研修は 2015 年 1 月にも行われることになっています.

(3)モンゴル高専教育資材・教材等の確保支援

 モンゴルでは,机,イス,実験器材などの確保が非常に厳しい環境にあります. 本校卒業生や建設協会などに呼びかけ,資材や教材を確保するための支援を行って います.これまで,廃校した専門学校の好意により机,イス,ロッカー,万能試験 機をはじめとする実験器材など,また建設協会から測量器材の提供があり.「支援 の会」を通じて「モンゴル高専」に送っています.

4.おわりに

 昨年本校に来校したガンバヤル国立科学技術大学高専校長によると,モンゴルの 技術者教育はロシアの影響を受け,理論が中心で実験・実習があまり無く, 日本の高専に留学したことが契機になり,モンゴルで日本のような学校をつくりた いと考えていたそうです.実験や実習を重視した高専教育の重要性を改めて外から 教えられたように感じます. モンゴルでの「日本式高専教育」は,ようやく始まっ たところですが,教員・教材の確保,モンゴルに適した教育方法の検討など解決す べき課題が山積しています.是非,多くの皆様の御協力をお願い致します.今後, この活動が息長く継続し,優秀な技術者が輩出されモンゴルの発展に寄与すること を願うとともに,この活動が将来の日本とモンゴル国の技術の発展につながること を期待しています.

 最後に「支援の会」設立にかかわられ,「モデル教室」のスタートから「モンゴ ル高専」設立・運営のため,長期派遣されている中西・西山両東京都立産業技術高 専名誉教授の御苦労に深く敬意を捧げたいと存じます.

1. はじめに

 モンゴルから高専への留学生は,この 10 年間で約 150 名を数えます.卒業生た ちの多くは実験や実習の充実した日本式の高専を母国モンゴルに設立したいと考え ており,その趣旨に賛同した者が「モンゴルに日本式高専を創る支援の会(以下『支 援の会』)」を設立して活動しています.苫小牧高専環境都市工学科では,2013 年 1 月の「支援の会」からの協力依頼を契機に,モンゴルと冬季環境が同じ高専として

「日本式高専」を設置するための支援を行っています.

2.「モンゴル高専」設立までの経緯

 仙台電波高専で学び,その後長岡技術科学大学を卒業したガントムルさん(現モ ンゴル教育科学大臣)は日本の高専教育システムを何とかモンゴルに導入したいと 考え,高専留学生がつくる「コウセンクラブ」に話しかけました.それを伝え聞い た藤田安彦元都立産業技術高専校長が中心になり,上記「支援の会」を設立しまし た .「支援の会」は笹川平和財団の支援を受け,モンゴルへ高専を設立するための 調査のため,モンゴル工業技術大学 (IET: Institute of Engineering and Technology) へ視察団を送り,これに本校 OB 教員が参加しました.IET には,中学卒業生を対 象とした専門学校,高校卒業生を対象とした専門学校と大学があります.IET 側で は建設系学科をつくりたいとの希望があり,本校 OB 教員から環境都市工学科のカ リキュラムを説明しました . まさに導入したい学科であるとのことで,同年 4 月に IET のナムスライ副学長,セルゲレン理事が本校視察のため来校しました.その後, 2013 年 10 月,IET が建設・土木分野の技術教育を目的とした日本式高専教育の「モ デル教室(33 名)」をスタートさせました.2014 年 9 月には高専教育の国内法の 改正を受け,IET は「モンゴル高専」(機械工学科,電気工学科,建設工学科の各学 科定員 30 名)を設立し,正式に事業を進めました.この他にもモンゴル国立科学 技術大学などでも日本式高専を設立することが決まっており,本年 10 月には,ガ ンバット IET 学長,ガンバヤル国立科学技術大学高専校長(東京高専卒)が来校し, 本校黒川校長と今後の支援の継続や将来的な交流のための懇談を行いました.なお, モンゴルでは殆どの学校が国立で,小学校から高等学校までの 12 年間の一貫校で, 中学卒業生を受け入れる 5 年間の高専のような制度はありません.このため,先ず 3 年間の高専の前半課程を実施し,その間に法制度を整えることになっています .

3.本校環境都市工学科の支援の概要

 IET に設置された「高専モデル教室」は,本校環境都市工学科のシラバスにもと づいた建設工学教育となっています.私どもは,これまで 3 名の本校卒業生を短期 派遣教員として紹介すると共に,高専教育を担当する教員を受け入れ,本校の教育 設備,教育システムの説明,専門科目の実験・実習などの研修を行いました.また, 教育資材や教材などの支援も行なっています.

写真 1 立体地図の作成の様子 写真 2 測量実習の様子

写真 3 建設材料実験 写真 4 土質試験研修

発行日 2014 年 10 月 1 日

発行者 土木学会教育企画・人材育成委員会     高等専門教育小委員会

編 集 亀野 辰三(編集長・大分高専)     土田 俊行(編集委員・中央工学校)     目山 直樹(編集委員・徳山高専)

連絡先 大分工業高等専門学校 都市・環境工学科     亀野 辰三(かめの たつみ)

    〒870-0152 大分県大分市牧 1666 番地     TEL 097-552-7627 

次号予告:「土木教育賞受賞者の声」についてお伝えします。

(2)

造園デザイン科における

資格取得と教育成果発表への取り組み

1.造園デザイン科の概要

 造園デザイン科は昼間 2 年課程の学科で , 造園技術者に必要な造園技能士(2・3 級) や土木及び造園施工管理技士試験(2 級)などの資格取得と造園デザインコンクー ルや国際バラとガーデニングショウなどの各種コンテストに出展するデザインの両 方を学ぶ学科となっている . 今回は , 造園技能士の資格取得と国際バラとガーデニ ングショウへの取り組みについて述べる .

2.造園技能士

 造園技能士とは , 国家資格である技能検定制度の一種で , 造園に関する学科及び 実技試験に合格した者をいい , 等級区分は 1 級、2 級、3 級の別があり , 造園技能士 資格を持っていないものが造園技能士と称することは禁じられている .

 造園技能士の役割は , 住宅庭園の造園や庭木の手入れから公園 , 街路樹 , 公共施設 , オフィスや工場緑化までありとあらゆる条件において必要となってくる資格である . 本科では ,1 年次に 3 級 ,2 年次に 2 級の合格を目標とした教育カリキュラムを実施 している .

 表 -1 のとおり , 年間時間数の 15 ∼ 20%が受験対策授業として実施されており , その他に受験につながる学科などや検定試験直前には放課後や休日等を利用した特 別授業も実施し全員合格を目指している .

 その結果として , 表 -2-1 のように 3 級ではほぼ 100%, 表 -2-2 のように 2 級でも 全国平均を大きく上回る高い合格率を上げている .

3.国際バラとガーデニングショウへの取り組み

(1)概要

 国際バラとガーデニングショウは , 世界のバラと美しいガーデニングを紹介する 国内最大規模の祭典で 1999 年以降 , 毎年 , 西武ドームにおいてテーマに沿ったガー デンデザイナーによる作品展示 , ガーデンマーケット , イベントプログラム , そして , 本科が参加しているバラとガーデンコンテストなどが開催されている .

(2)コンテストの概要

 本科では , 数ある部門の中から最大規模のガーデン部門に参加している . この部 門は , プロ・アマ問わず参加でき , 大きさ , 形などが異なる 3 カテゴリーがあり , 一 次審査通過者は , 会場で実際に作庭することができる .

(3)実績

 本科では ,1 年後期にコンテストの募集要項を実習授業における作品制作のテーマ にして全員が取り組み応募している .

その結果 ,10 倍以上の倍率の一次審査を通過し , 最終結果として以下の賞を受賞し ている . 特に , ここ 2 年は , 上位 3 組に与えられる準優秀賞を受賞している .

4.まとめ

 造園デザイン科では「実務的な技術者を養成する」建学目的を達成するために , このような実務教育を実施し , その成果として , 実務に役立つ資格取得の高い合格 率とプロにも負けないコンテスト入選結果を得ている .

 また , この他にも企業におけるインターンシップ , 学校施設の環境整備 , 東京都や 北区などの地域での造園・園芸関係イベントの協力など , 学校内での授業と並行し て様々な実務的な教育を積極的に取り入れている .

 今後も , このような実務教育を継続し「即戦力の造園技術者」を造園業界に送り 出すように教育に当たりたい .

学科対策 実技対策

3 級対策 2 級対策

年間時間数

54 時間 117 時間 108 時間

1162 時間 1250 時間

117 時間 234 時間 1330 時間 表ー1 造園技能士受験対策時間

カテゴリー ガーデン A ガーデン B フロントガーデン

面積 24m2 12m2 6m2

出展数 12 作品 16 作品 16 作品 表ー3 コンテストの概要

写真ー3 コンテスト作品の様子

年度 H23 H24 H25 H26

カテゴリー ガーデン B フロントガーデン フロントガーデン

ガーデン B

審査結果 奨励賞 奨励賞 準優秀賞 準優秀賞 表ー4 コンテスト審査結果

写真ー4 コンテスト出場作品

年度 受験者数 合格者数 合格率

H24

H25 18 名

100% 23 名

19 名 23 名

94.7% 表ー2-1 造園技能士 3 級受験成績

写真ー1 受験対策授業の様子 1 写真ー2 受験対策授業の様子 2

年度 受験者数 合格者数 合格率

H24

H25 16 名

72.7% 16 名

18 名 22 名

88.9% 表ー2-1 造園技能士 2 級受験成績

今年も高専(専攻科生を含む), 専門学校学生を対象とする「土木教育賞」を募 集します .10 月 1 日ですが,配布が 12 月 2 日になりましたので,特別に告知さ せていただきます .

□対象(学校(学科長)推薦による)

(1) 勉学に精励し , 優秀な成績を修めた者で , 他の模範となる者 .

(2) 個人またはグループで , 土木に関する調査研究活動において , 土木学会や社会 に対して発表し , 評価を得た者 .

(3) 個人またはグループで , 土木に関するものづくり , 作品で各種コンテストにお いて優秀な成果を修めた者 .

(4) 個人またはグループで , 土木に関するボランティア活動を通して地域や社会に 貢献した者 .

(5) 個人またはグループで , 土木に関して国際貢献をした者 . 

上記の項目において最低ひとつの項目に該当することが申請者の資格条件となりま す.該当する項目が複数であることが望ましいといえますが,単一の項目においても 優れた成果を有することも当然評価の対象となります.

□応募締切 平成 27 年 1 月 23 日(金) 必着

□提出先  公益社団法人土木学会 会員・企画課 

〒160-0004 東京都新宿区四谷 1 丁目(外濠公園内) TEL:03−3355−3435 FAX:03−5379−2769

□問合せ先 高等専門教育小委員会(委員長 : 亀野辰三),幹事長 目山直樹

〒745-8585 山口県周南市学園台 徳山高専 土木建築工学科 TEL:0834−29−6334  E-mail:meyamai@tokuyama.ac.jp

詳細は,ホームページに掲載している募集要項ならびに学校宛にメール・書類でご確 認ください .

土木教育賞募集のお知らせ

中央工学校 土田俊行

参照

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