第12回 医療情報システムの
クラウド化
日紫喜 光良
医療情報学講義 2012.12.18
クラウド化
• 利用者がソフトウェアやソフトウェアが実行さ れるハードウェアの購入・メンテナンスなどの 面倒を避けるために、インターネットを経由し て、どこか別のコンピュータ上でソフトウェアを 利用すること。
• ユーザーインターフェースは、通常、Webブラ ウザー上に構築される。
クラウドの例
• Dropbox
• Amazon S3
• Google Drive
• Amazon EC2
• Amazon AWS
• Google Apps
クラウド化への目線
• システム提供者
• 利用者
• 規制当局
クラウド化と標準化
• クラウド化は標準化のひとつの手段
• 標準化への志向なしのクラウド化はユーザの 囲い込みを招く
標準化の方法
• 多種のシステムが混在した環境下
– コンピュータどうしの情報の交換方法
• データの媒体
• データの形式
• 用語
– 情報の利用のされかた(ユースケース)
• システム間の情報交換シナリオ
• システム内部表現への変換(データベースなど)
• ⇔クラウド化による単一のシステムの利用
医療とクラウド化
• レセコンのクラウド化
– クラウドORCA (日医総研)
• 医用画像クラウドストレージ
– 災害対策としても注目
– 参考:医用画像クラウドサービスのメリット・デメリ ット
http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1210/23/ news01.html
ORCA
• 日本医師会(日医総研)が開発し普及に努め ている、オープンソースのレセコン
– 2001頃~
– 2010年で1万件、の目標を達成
– プラットフォーム:Linux (Debian→Ubuntu) – トータルな医療事務システム
ブログ「ORCA日々遍路」(http://www.blessed-japan.com/orca_blessed/)より
http://www.jma-receipt.jp/operation/index.html http://www.jma-receipt.jp/operation/index.htmlhttp://www.jma-receipt.jp/operation/index.htmlhttp://www.jma-receipt.jp/operation/index.html
国主導の標準化と意図
• レセプト電算化
– 診療報酬支払い事務の効率化
• 画像電子化
– フィルムレス化
• 診療情報の流通
– 地域連携
これらに対応する国主導のクラウ ド化が今後進行する可能性
第3回社会保障分野サブワーキンググループ及び医療機関等における個人情 報保護のあり方に関する検討会の合同開催 議事次第及び資料
平成24年5月11日13:00~15:00厚生労働省
国主導の標準化:次のステップへ
• 国民が自らの健康情報を電子的に管理・活 用するための全国レベルの情報提供サービ ス
– 全国どこでも過去の診療情報に基づいた医療を うけられる。
– 個人が健康管理に取り組める環境
• 匿名化されたレセプト情報を集約→医療の標 準化、効率化、サービスの向上に活用
新たな情報通信技術戦略(平成 22年5月11日 IT戦略本部決定) 2.地域の絆の再生(1) 医療分野の取組
具体的な取り組み
• どこでもMY病院
• シームレスな地域連携医療
• レセプト情報等の活用による医療の標準化
国主導だけで皆が満足できるか?
• 個人:フリーアクセスの原則は守られるか?
• 医療者&個人:診療の内容の統制につながら ないか?
• 企業:機会は平等か?
医療用 ID についての議論
• メリット
– 医療機関窓口での医療保険資格の即時確認 – 地域連携医療での患者同定
• デメリット
– 患者のプライバシー – フリーアクセスの阻害
• 結論
– メリット・デメリットを整理すべき
– 税分野と医療分野とは切り離した制度設計であるべき
矢野一博
日医総研ワーキングペーパー N. 255 (2012年3月) 医療分野におけるID番号のありかたに関する考察