第4章 開発許可基準
第1節 開発許可基準
表4-1-1 法第33条開発許可と開発目的別適用条項 都計法
第33条 第1項 各 号
基準の概要 建 築 物 第一種特定工作物 第二種特定工作物
自己の
居住用 業務用自己の 非自己用 自己用 非自己用 自己用 非自己用 第1号 用途地域への適合 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 第2号 道路公園等公共施設の確保等 ※1 ○ ○ ○ ○ ○ ○
第3号 排水施設 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
第4号 給水施設 × ○ ○ ○ ○ ○ ○
第5号 地区計画等 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
第6号 公共施設、公益的施設 ※2 ※2 ○ ※2 ○ ※2 ※2 第7号 防災、安全措置 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 第8号 災害危険区域等の除外 × × ○ × ○ × ○ 第9号 樹木の保存、表土の保全 △ △ △ △ △ △ △
第10号 緩衝帯 △ △ △ △ △ △ △
第11号 輸送施設 (40ha以上の開発に適用) × ○ ○ ○ ○ ○ ○ 第12号 申請者の資力信用 × △ ○ △ ○ △ ○ 第13号 工事施行者の能力 × △ ○ △ ○ △ ○ 第14号 関係権利者の同意 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 参 考 法第34条の制限 ○ ○ ○ ○ ○ × × ○印適用 ×印不適用 △印1ha以上の開発行為に適用
※1 自己の居住用について第2号の「道路公園等公共施設の確保等」は、原則適用しないが、建築基準 法第42条に基づく道路(同法第43条ただし書き許可も含む。)であることを確認することと する。なお、建築基準法第42条2項道路等の場合、道路と敷地との状況により、中心後退のケー ス、一方後退のケースがあるので、事前に建築確認担当部局に確認することが必要。
※2 開発行為の目的に照らし判断
1 開発許可基準 (1) 開発目的
開発行為の目的を利用形態により分類、例示すれば表4-1-2のようになります。 表4-1-2 利用形態による分類
開発行為の目的 利 用 形 態 建築物 自己居住用 住宅
自己業務用
ホテル、旅館、結婚式場、店舗 工場、従業員の福利厚生施設 保険組合、共済組合が行う宿泊施設 学校法人が建設する学校
駐車場(時間貸など管理事務所のあるもの)等 非自己用 分譲住宅賃貸住宅、社宅、学生下宿
第1種特
定工作物 自己業務用
コンクリートプラント アスファルトプラント クラッシャープラント
危険物の貯蔵又は処理用の工作物 非自己用 なし
第2種特 定工作物
自己業務用 ゴルフコース、野球場、テニス場、陸上競技場等 非自己用 墓園等
(2) 自己の居住用開発における公共用地等の基準の適用除外
自己の居住用の開発行為では、道路や給水施設等については必要に応じて当然、自己 において整備するものと考えられるため、周辺地域に対する影響に関係する許可基準の み適用し、公共用地の確保に関する許可基準は適用されません。
(3) 用途地域等との適合
開発行為を行う土地については、用途地域等が定められている場合、予定建築物の用 途がこれに適合しているか否かについて開発行為の段階でも確認します。
なお、特別用途地区の建築制限に対する適合の規定は明確ではありませんが、審査に 当たっては当然、用途地域と同様に取り扱います。
また、「これに適合している」とは、建築基準法第48条ただし書き許可を受けた場合 も含まれます。
(4) 公共用地等の配置計画
良好な市街地の形成を図るためには、公共用地等が効率的に配置されなければならな いため、配置計画に当たっては表4-1-3に掲げる事項に十分留意してください。
表4-1-3 配置計画の留意事項
目 的 留 意 事 項 と 関 連 施 設
環境の保全 道路公園、網と緑通過交通地の適切の排除な配置、緩衝緑地の配置
下水道施設の完備
災害の防止 避難通道路の路、最小幅避難広員と場の緊急配車置両の通行確保
消火栓、防火水槽の適正な配置
通行の安全 信号交通量機、照に適した道路の明灯、ガードレ配置ール等の及び道路配構造置
事業活動の効率 保集会育園、学校等の所、公民館の配配置置
ポスト、公衆電話等通信施設の設置
開発区域あるいはその周辺について、道路、公園、下水道などに関する都市計画法が定 められている場合は、配置計画に当たって設計が当該都市計画に適合していなければな りません。
(5) 開発許可基準の補完
都市計画法第33条及び施行令第25条から第29条に開発行為に関する技術基準が定め られていますが、開発事業者が事業を実施する際には、国土交通省から「宅地防災マニュ アル」、「宅地防災マニュアルの解説」及び「宅地開発に伴い設置される浸透施設等設置技 術指針」、「宅地開発に伴い設置される浸透施設等技術指針の解説」が示されていますの で参考にしてください。
進するために、「宅地防災マニュアル」の全面的な改訂(平成19年3月28日付け国土交通 省都市・地域整備局長通達)が行われました。
「宅地開発に伴い設置される浸透施設等設置技術指針」(平成10年2月3日付け建設省 建設経済局長通達)は、宅地開発に伴い開発事業者によって設置される流出抑制施設の うち、浸透施設を主体に調査、計画、設計、施行及び維持管理に関する一般原則を示すこ とによって土地の有効利用を図ると共に、地下水の涵養、河川低水流量の保全等、水循環 の向上に資することを目的としており、都市計画法に基づく開発行為の許可等に当たり 開発事業者が事業を実施する際及び都道府県等が開発事業の審査を行う際の参考に供 するものです。
2 申請者の資力と信用
審査書類には、資金計画書、法人の登記簿謄本(個人申請の場合は住民票)、事業経歴 書、納税証明書を添付することとしますが、当該開発行為が適正に遂行されるものである か否かの判断が非常に難しい場合は、その他の書類を要求することができるものとしま す。
3 工事施行者の能力
審査書類には、法人の登記簿謄本、事業経歴書、建設業の許可証の写し、納税証明書等を 添付することとしますが、当該開発工事が適正に遂行されるものであるか否かの判断が 非常に難しい場合は、その他の書類を要求することができるものとします。
4 関係権利者の同意
(1)「開発行為の施行又は当該開発行為に関する工事の実施の妨げとなる権利を有する者」
については、開発行為をしようとする土地又は当該開発行為に関する工事をしようとす る土地の区域内にある土地等について所有権、地上権、抵当権等当該開発行為の施行の妨 げとなる権利を有する者を指します。
なお、開発に伴う係争が生じる必然性が高いと認められる場合で、その未然防止の観点 からこれらの権利を有しない開発区域の隣接地主並びに周辺住民等と調整が必要と判断 される場合は、開発行為内容の明確化、その円滑な推進等の観点から必要かつ合理的な範 囲で開発許可手続とは別に説明、調整を行ってください。
(2)「相当数の同意を得ていること」については、開発行為をしようとする土地のそれぞれに ついて、概ね①同項同号に規定する権利を有するすべて者の3分の2以上並びにこれら の者のうちの所有権を有するすべての者、及び借地権を有するすべての者のそれぞれ3 分の2以上の同意を得ており、かつ、②同意した者が所有する土地の地積と同意した者が 有する借地権の目的となっている土地の地積との合計が土地の総地積と借地権の目的と なっている土地の総面積との合計の3分の2以上である場合です。
しかしながら、実際の申請においては、原則として全員の同意書を添付してください。 なお、土地所有者等の同意が得られないまま開発許可を得た土地については、当該開発 者は開発行為の許可を受けたからといって、当該土地について何らかの私法上の権限を 有するものではありませんから、当該土地について権利者の同意を得なければ工事を行 うことができないのはいうまでもありません。
(3) 同意書には、同意した者の印鑑証明書の添付が必要です。
なお、取扱に当たっては、次の点に留意してください。
①開発区域に対して、地上権、抵当権等、所有権以外の権利を有する者についても、同意 書とともに印鑑証明書の提出が必要です。
第2節 住区構成と街区
1 住区構成
住宅適地としての要件は、環境衛生上好ましい地形であり、日常生活に便利であること が重要ですが、さらに、快適な日常生活を営むためにはコミュニティが健全な姿で形成さ れること、あるいは、居住者同士の生活体験を通じた自然な結びつきによって、望ましい 地域社会として発展することが必要です。
このような地域社会を形成するのが、小学校の学区を単位とした近隣住区ですが、この 章で述べる開発許可の技術基準も近隣住区の形成を基本的なものとしております。 開発行為においては、住区を中心として計画することを標準としますが、開発区域の規 模が一住区に満たない場合には実情に応じて区域全体を機能的に計画しなければなりま せん。
開発区域内の住区構成の標準は、表4-2-1とおりです。
表4-2-1 住区構成の標準
区 分 隣 保 区 近 隣 分 区 近 隣 住 区 幼児行動範囲と成人の近隣
交際範囲を中心とした住宅 地の最小単位
児童の生活領域と主婦の日常 生活圏でまとめられる単位
小学校の学区を単位としたま とまり
戸 数 戸数住宅の場合 50戸 集合住宅の場合100~150戸
500~1,000戸 2,000~2,500戸
人 口 200~600人 2,000~4,000人 7,000~10,000人
施 設 幼児遊園集会室 集合駐車場
街区公園、幼稚園、日用品店 舗、集会所
小学校、近隣公園、日用品店 舗、集会所、管理事務所、駐 在所、診療所、郵便局
注) 近隣住区とは、1ha当たり100人~300人を基準として約1万人が居住する
ことができる区域です。 2 街区の構成
街区の構成は、予定建築物の用途、規模、開発区域の地形及び道路の配置と密接な関係 があるので、これらを考慮したうえで計画しなければなりません。
街区構成の計画においては、利便施設や共同住宅等については建物等と道路との配置 関係を比較的自由に配置でき、個々の状況により条件も異なるのでここで述べる標準的 な街区の形態にとらわれず、実状にあわせて良好な住環境を確保するよう検討して下さ い。
(1) 街区計画の基本
街区及び住宅の配置計画に当たっては、次の事項に留意して下さい。
ア 街区の形態は、居住者の動線、埋設物に対する便宜、通風、採光等を予定建築物に応 じて考慮し、最も適当な構成とするとともに、全体として画一的・単調となりすぎな いよう留意してください。
戸建住宅の標準的な街区は、長辺をおおむね80m以上120m以下、短辺を30m以上 50m以下としますが、これは短辺に2画地、長辺に5~8画地を想定した形状です。 短辺を2画地としたのは、各敷地は道路に接する義務(施行令第25条第2号、建築
基準法第43条)があるからであり、長辺は短すぎると道路面積が大きく土地利用面か ら不経済となり、交差点も多くなることから道路機能の低下をまねくこととなるため です。
また、街区が、長くなると防災面(消火活動、延焼防止等)から不都合となります。 共同住宅又は利便施設によって構成される街区の計画にあたっては、隣棟間隔、駐
なお、共同住宅地の区画は、補助幹線街路を概ね250m間隔に配置するよう要求 していることから一辺の長さを250m以下にしてください。
イ 幹線街路に接する街区の短辺は、連続して主要幹線街路等の主として通過交通の用 に供する道路に接しないようにしてください。
このことは、主要な幹線街路に街区の短辺が連続して接すると出入りの交通による
幹線街路の渋滞、事故多発の要因となるので、これを排除しなければならないからで す。
ウ 街区を形成する一画地の面積は、表4-2-2に掲げる規定値以上とすることが望まし いです。
表4-2-2 一画地の面積
区 域 用 途 地 域 最 低 敷 地 面 積 最低面積 平均面積
市街化区域
第一種低層又は第二種低層住居専用
区域で建ぺい率30%以下 200㎡ 無 第一種低層又は第二種低層住居専用
区域で建ぺい率40%以下 165㎡ 190㎡ その他の用途地域 150㎡ 175㎡ 市街化調整区域 用途地域指定なし 200㎡ 無
区域区分が定 められていな い都市計画区
域
第一種低層又は第二種低層住居専用
区域で建ぺい率30%以下 200㎡ 無
第一種低層又は第二種低層住居専用
区域で建ぺい率40%以下 165㎡ 190㎡ その他の用途地域 165㎡ 180㎡
用途地域指定なし 165㎡ 180㎡
風致地区 200㎡ 無
エ 予定建築物の形態は、市街化区域にあっては建築基準法の定めるところにより制限 されますが、市街化調整区域にあっては用途地域が定められていないので、無秩序な 建築による住環境の悪化などを防止するため、予定建築物の用途に応じて形態を制限 することがあります。
例えば、戸建住宅の場合は、建ぺい率40%、容積率80%、建物高さ10m、外壁後退距 離1mと第一種低層住宅並みにすることがあります。
オ 街区の画地は、道路に2m以上接していなければなりません。(建築基準法第43条 第1項)
接する道路の幅員は、住宅を目的とする場合にあっては原則として6m以上としま す。(令第25条第2号及び規則第20条)
戸建住宅と利便施設が混合となる街区構成は、避けてください。
(2) 街区の形態
戸建住宅の住区構成の方式として、以下の種類があります。
開発に当たっては、区域全体の形状、地形的条件等から考慮して居住する者が快適な 生活ができる住宅地を目指して応用工夫してください。
ア 格子型は、最も基本的かつ、一般的な街区形態です。
その形は、画地を長辺方向に2列に配置するもので非常に簡明な街並み、住宅地を 形成し、街区の規模によっては土地利用上合理的な方法で造成工事も比較的容易です。 しかし、画一的なこのパターンを連続させると街並み、住宅地が単調となることと、
住区構成の上から積極的なまとまりを造ることが困難であること等の欠点がありま す。
イ 袋路型(クル・ド・サック方式)は、道路を行き止まりにする方法です。
行き止まりの先端には、自動車の転回空地及びプレイロット等を配置し歩行者専用 道路などの他の細街路に連絡する形です。
や、街区が判りにくくなり、迷路となり易いことなどが挙げられます。
なお、この型は、開発行為で建設した道路を市町村等の道路管理者へ帰属できない 場合があり、開発許可基準(規則第24条第5号)において原則禁止されています。 (避難上及び車両の通行上支障がない場合は、この限りでない。)
ウ U字型(入込み路型)は、袋路型を2つ連絡したもので袋路型の欠点を補い、長所 を生かしたものです。
したがって、通過交通を防ぎ落ち着いた居住環境を確保することができる型で、歩
車道分離の計画を立てやすい長所もあります。
エ 並列型は、街区を背割とせず両面道路とする方法で店舗併用住宅に適しています。 幹線道路に接する店舗併用住宅の場合、商品運搬車により交通が阻害されることと
なるので裏側道路を商品運搬路とし、併せて一般住宅と隔離する方法として有効です。 しかし、住宅用街区としては、両面見透かしとなるので不適当であり、土地利用の点
からも不経済です。
第3節 道 路
1 道路計画 (1) 道路の種類
開発許可に係る道路は、法の趣旨から原則として公共団体に移管される公道とすべき です。
公道については、道路法による基準(道路構造令)が適用されることになりますので、 開発行為によって設置される道路は原則として道路構造令に準拠して下さい。
なお、開発行為による道路の種類を道路構造令の基準と対照すれば、表4-3-1のように 位置づけられます。
表4-3-1 道路の種類
道路の種類 道路構造令の基準 備 考
種別
級別 (計画交通量台/日) (km/h)設計速度 標準幅員 開発規模
主要幹線街路 4種1級 10,000以上 60 20m以上 50ha以
幹線街路 4種2級 4,000~ 60,50,40 12~18 20ha以
補助幹線街路 4種3級 500~ 4,000 50,40,30 9m 3ha以上
区画街路 4種4級 ~500 40,30,20 4~ 6m
主要幹線街路 :都市圏及び都市内の骨格となるとともに、高速自動車道を補完 して都市間相互を連絡する街路
幹線街路 :開発区域の骨格となるもので、近隣住区を形成する街路及び住 区内の主要道路
補助幹線街路 :開発区域の近隣分区あるいは隣保区を形成し、幹線街路に連絡
する道路
区画街路 :開発区域の区画を形成し、画地の交通の用に供する街路 特殊街路 :歩行者、自転車道等
(2) 道路配置計画(令第25条第1号)
道路配置は、開発区域内の交通を支障なく処理するとともに開発に起因して発生する 交通によって開発区域外の道路の機能が損なわれるものであってはならず、周辺の道路 と一体となって機能が有効に発揮できるよう計画される必要があります。
したがって、開発区域の周辺に既設道路があり、それに接続できるよう配慮すること によって交通処理上効果があると考えられる場合は、開発区域内だけの計画にとどまら
ず区域外の道路との関連や将来計画も合わせて検討してください。 (3) 幹線街路網等の配置
街路網等の配置計画については、次の事項に留意してください。
① 市街化調整区域における開発行為で、開発区域の面積が20ha以上のものにあって は、予定建築物等の敷地から250m以内の距離に幅員12m以上の道路が設けられ ていること。(令第25条第3号、第2種特定工作物は除く。)
② 補助幹線街路及び区画街路は、通過交通が入り込まないような配置とすること。 ③ 主要幹線街路が開発区域内を通る場合は、側道、植樹帯等の環境施設帯を設けること。
また、幹線街路は、必要に応じて植樹帯を設けるよう配慮すること。
④ 開発区域内の幅員9m以上の道路は、歩車道が分離されていること。(令第25条第5 号)
(4) 予定建築物等の敷地が接する道路の幅員(令第25条第2号)
予定建築物等の敷地が接する道路の幅員(図4-3-1参照)は、表4-3-2に掲げる規定値
以上とします。
なお、開発行為における予定建築物等の敷地に接する道路の幅員は、開発区域内の道 路はもちろんのこと、建築物の敷地が直接開発区域外の道路と接する場合もこの基準の 対象となります。
ア 令第25条第2号括弧書該当
「小区間」とは、次の場合とします。
① 両端が幅員6m以上の道路に接続しており、その延長が120m未満である場合。 ② 道路の延長が35m未満である場合。
※ 住宅用の開発で両端が既存の幅4m以上6m未満の道路に接続しており、その
延長が120m以下の場合は、小区間に準ずるものとする。(ただし道路幅員は5
m以上とする)
イ 令第25条第2号のただし書該当
以下のいずれにも該当しなければなりません。
① 開発区域外の既存道路に直接接して行われる一敷地の単体的な開発行為である こと。
② 道路の有効幅員が4m以上で、予定建築物の建築後に想定される交通量の増加及 び通行車両の規模について、当該既存道路の道路管理者等が次のようなことから判 断して支障がないと認めた場合であること。
ⅰ)通過交通が少なく、かつ、1日当たりの交通量も少ないこと。
ⅱ)予定建築物等の用途が、多数の車両の出入りが見込まれるものでないこと。
ⅲ)大型車両が多数通行する場合は、大型車両同士が安全に離合できること。
ⅳ)歩行者交通の多い道路にあっては、歩行者が安全に通行できること。 ③ 環境の保全及び災害の防止に支障がないこと。
④ 地形上又は土地利用の状況から、道路の拡幅が著しく困難であること。
ただし、①~④のいずれにも該当する場合であっても商業施設や社会福祉施設など の業務系施設のうち、多数の人が利用する施設の開発許可等に際しては、接道要件・ 主要幹線道路までのアクセス道路要件等として、原則として6m以上の道路の有効幅 員の確保を許可の要件とします。
この趣旨は、多数の人が利用する社会福祉施設などにおいて、緊急自動車による入
所者等の搬送に際し、当該道路の一端に車両が止めてあるなどの日常的に起こり得る リスクを考えた場合であっても、支障なく通行できることを想定し、有効幅員を原則 として6m以上確保することを要件としたものです。
ウ 開発区域の面積が1,000㎡未満の場合 有効幅員が4m以上であること。
この場合も、下表4-3-2等にかかわらず、多数の人が利用する業務系施設につ いては6m以上確保することを要件として取り扱います。その理由としては、前記イ
のただし書き後段と同じ趣旨であるとご理解ください。
図4-3-1 道路幅員
道路幅員 道路幅員
道路幅員 道路幅員
A)側溝に蓋がある場合 B)側溝に蓋がない場合
C)L型側溝の場合
E)歩道がある場合
※ 有効幅員とは、車両通行上支障のない道路幅員のことであり、電柱や標識等
路上工作物を設置する場合はこれを除いた幅員のことである。 表4-3-2 予定建築物等の敷地が接する道路の幅員
道路幅員
種 別 規 定 値 特例値(有効幅員)
住 宅 用 の 開 発 6m 4m
住宅以外で敷地が1,000㎡未満の開発 6m 4m
そ の 他 の 開 発 9m 4m
住宅用の開発で、両端が既存道路(幅員4m以上、6m未満)に接続し、その延長が120m 以下の区画道路の場合は、小区間に準ずるものとして、特例値は5mとする。(平成18年5月1日から
適用)
※ 建築基準法第42条2項道路で路線として幅員が4mないものは、有効幅員4mとは判断しません。
(5) 開発区域外道路との接続(令第25条第4号)
開発区域内の主要な道路は、表4-3-3に掲げる規定値以上の幅員を有する開発区域外 の道路に接続しなければなりません。
ただし、開発区域周辺の道路状況によりやむを得ないと認められるときは、車両の通 行に支障がない範囲で特例値まで縮小することができますが、原則として開発区域が接 する部分は規定値まで拡幅してください。
なお、車両の通行に支障のない範囲とは、以下のようなことから道路管理者等が判断し
た場合とします。
ⅰ)通過交通が少なく、かつ、1日当たりの交通量も少ないこと。
ⅱ)予定建築物等の用途が、多数の車両の出入りが見込まれるものでないこと。 ⅲ)大型車両が多数通行する場合は、大型車両同士が安全に離合できること。 ⅳ)歩行者交通の多い道路にあっては、歩行者が安全に通行できること。
表4-3-3 開発区域外の接続道路の幅員
種 別 道路幅
員 規 定 値 特例値(有効幅員)
住宅用(住居系)の開発 6.5m 4.0m
業務系の開発 9.0m 6.0m
その他の開発 9.0m 4.0m
※ 建築基準法第42条2項道路で路線として幅員が4mないものは、有効幅員4mとは判断しません。
(6) 公安委員会との協議
道路法第95条の2では、道路を新設又は接続する場合において道路管理者は公安委員 会の意見を聞かなければならないこととされています。
開発行為による道路についてもこれに準ずることとなりますので、道路管理者と調整 しながら公安委員会と協議する必要があります。
2 道路の構造
開発行為により新設又は改築する道路は、原則として道路構造令に準拠して設計して
ください。 (1) 歩 道
ア 歩道の幅員は2.0m以上、自転車歩行者道の幅員は3.0m以上を標準とします。
イ 歩道は、縁石線、防護柵等によって車道から分離しなければなりません。
(2) 横断勾配(規則第24条第1号)
道路の横断勾配は、片勾配を附する場合を除き路面の種類に応じ表4-3-4に掲げる値を
標準とします。
表4-3-4 道路横断勾配
区 分 路 面 の 種 類 横断勾配(%) 車 道 道路構造令第23条第2項の基準に適合する舗装道 1.5~2.0
上記以外の路面 3.0~5.0
歩道、自転車道 路面の種類を問わず 2.0
(3) 平面線形
平面線形の設計については、まず走行上安全であることが大前提であり、道路の曲線
部においても直線部と同様安定して快適な走行ができるような曲線の最小半径で計画 するべきです。
(4) 平面交差
交差点の設計に当たっては、安全性と交通容量を確保するために、次の原則を守って ください。
① 交差点の枝数は4以下とすること。
② 見通しのよい交差点で主交通が直進となるようにすること。 ③ くい違い交差や斜め交差などの変形交差点は避けること。 ④ 交差点は直角交差とし75°未満の交差角は避けること。
ただし、特にやむを得ない場合には、60°以上とすることができるものとする。
⑤ 曲線部における幹線街路相互の交差はできるだけ避けること。
⑥ 交差点における隅切りの長さ(斜長)は、交差する道路種別に応じ表4-3-5に示す値
以上とすること。
⑦ 隅切りは原則両側とするが、やむを得ず片隅切りとなる場合は図4-3-2によること。
表4-3-5 隅切り長さ(規則第24条第6号) (構造令標準値:90°)
道路の区分及び道路幅員
主要幹線街路 幹線街路 補助幹線街路 区画街路
20m以上 18m~12m 9m 6m~4m
主要幹線街路 20m 以上
90°前後 60°以下 120°以上
12.0 15.0 8.0 幹線街路 18 12mm~ 90° 60°前後以下
120°以上
10.0 12.0 8.0 10.0 12.0 8.0 補助幹線街路 9m 90° 60°前後以下
120°以上
5.0 6.0 4.0 5.0 6.0 4.0 5.0 6.0 4.0 区画街路 6 4mm~ 90°前後 60°以下
120°以上
3.0 4.0 2.0 3.0 4.0 2.0 3.0 4.0 2.0 3.0 4.0 2.0
図4-3-2 片隅切り
W W
1辺3m以上の正三角形
120° 未満 120° 以上
3m
°
(5) 縦断計画(規則第24条第3号)
道路の縦断計画は、表4-3-6に掲げる値以下としてください。
ただし、地形の状況等によりやむを得ない場合は、特例値以下とすることができます が、規定値をこえた縦断勾配を用いる場合の制限長は表4-3-7によってください。 また、道路の縦断曲線が変移する箇所には、表4-3-8に掲げる値以上の縦断曲線を設け て、その長さは右欄に掲げる値以上としてください。
表4-3-6 道路縦断勾配
道 路 の 区 分 縦規 断 定値 勾 配特例(%値) 備 考
主要幹線街路 5.0 8.0 4種1級 V=60km/h
幹線街路 6.0 9.0 50
補助幹線街路 7.0 10.0 40
区画街路 9.0 12.0 30又は20
表4-3-7 縦断勾配の特例値における制限長
縦 断 勾 配 制 限 長 (m)
主要幹線街路 幹線街路 補助幹線街路 区画街路
5%をこえ6%以下 500
6 7 400 500
7 8 300 400 400
8 9 300 300
9 10 200 100
10 12 50
表4-3-8 縦断曲線
道 路 の 区 分 縦 断 勾 配(m) 縦断曲線の長さ (m)
凸形曲線 凹形曲線
主要幹線街路 1,400 1,000 50
幹線街路 800 700 40
補助幹線街路 450 450 35
区画街路 100 100 20
(6) 階段状の道路(規則第24条第4号)
階段状の道路は、原則として禁止しますが、避難通路や公園緑地等における遊歩道等歩
行者専用の通路である場合には、この限りではありません。
ただし、階段形状は、けあげ15cm及び路面幅30cm程度とし、高さ3m上がるごとに
1.2m以上の踊り場を設けるものとします。
(7) 袋路状の道路(規則第24条第5号)
道路は通り抜けを原則としますが、やむを得ず袋路状の道路となる場合には当該道路 に「熊本県道路位置指定取扱要綱」の転回広場を設けてください。
なお、道路幅員6m以上の場合は終端のみに転回広場を設けてください。
① 当該道路幅員が6メートル以上であり、かつ、都市計画法第32条の協議により当該 道路が市町村の管理に属することとなる場合。
② 当該袋路状の道路の延長が、35m未満である場合。 (8) 舗 装(規則第24条第1号)
開発区域内の道路は、原則としてアスファルト・セメントコンクリート舗装又はこれ と同等以上で舗装してください。
平成27年6月道路構造令の解説と運用において以下のとおり解説されています。
車道及び側帯の舗装は、舗装材の材質を問わず国土交通省の定める基準「車道及び側
帯の舗装の構造の基準に関する省令」(平成13年度国土交通省令第103号)におけ る所要の性能規定を満足する構造を基本とします。
舗装構造が有すべき性能のうち、「舗装の構造に関する技術基準」(平成13年度6月 29日都市・地域整備局長・道路局長通達)において必須の性能指標として疲労破壊
に対する耐久性、わだち掘れに対する抵抗力、路面の平坦性が、また雨水を道路の路面下 に浸透させることができる構造の場合は雨水等の浸透能力を追加した性能指標が定め られています。
「舗装の構造に関する技術基準・同解説」、「舗装設計施工指針」、「排水性舗装技術指 針(案)」((社)日本道路協会)を参考にするとよいです。
なお、道路管理者に帰属する道路は道路管理者と協議を行い舗装構造を決定してくだ さい。
また、構造令全面改訂まで取り扱われていました旧舗装要綱の道路種別による交通区 分を参考に示します。
参考表 旧舗装要綱:道路種別による交通区分
道 路 の 種 別 交 通 量 の 区 分 大備型 考車の計画交通量
1日1方向台/日 セメントコン
クリート舗装 アスファルト舗 装 簡易舗装
主要幹線街路 C交通 C交通 1,000以上3,000未満 通過交通が主となる幹線街路 B交通 B交通 250以上1,000未満 区域内交通が主となる幹線街
路 A交通 A交通 100以上 250未満
補助幹線街路 L交通 L交通 (A相当) 100未満
区画街路 (A相当) 100未満
(9) 交通安全施設
道路が、がけや水路等に接している場合や屈曲部で必要と認められる場合は、ガード レール、カーブミラー、照明灯等適当な交通安全施設を設けてください。
ア 次に掲げる道路の区間には、車両の路外逸脱防止や歩行者自転車等の安全な通行を 確保するため原則として防護柵を設置してください。
なお、防護柵の種別形式の選定及び設置方法については、(社)日本道路協会の「防
護柵の設置基準・同解説」を参照すること。
① 車輌乗員に被害を及ぼすおそれがあると考えられる路側高さが2m以上の区間。 ② 道路が、がけ、沼、河川及び水路等に近接している区間で必要と認められる区間。 ③ 道路が鉄道または他の道路と5m以内に接近している区間。
④ 曲線半径が300m以下の道路で、前後の線形を考慮した上で必要と認められる区 間。
⑤ 4%を超える下り勾配の道路で、必要と認められる区間。 ⑥ 変形交差の道路で必要と認められる区間。
⑦ 橋梁、高架等の前後又は橋脚等の附近で特に必要と認められる区間。 ⑧ 歩行者等を車両より保護するために必要な区間。
⑨ 歩行者の横断防止のために必要な区間。
⑩ 歩行者の路外への転落を防止するために必要な区間。
イ 道路照明については、「道路照明施設設置基準・同解説」((社)日本道路協会)、 「道路の移動円滑化整備ガイドライン」((財)国土技術研究センター)を参照する
こと。
定されており、その様式は「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」に定められ ています。
開発区域内の道路においても、道路標識区画線等の設置については、設置義務者と
協議しなければなりません。
(10) 道路排水施設(規則第24条第2号)
道路には、雨水等を有効に排出するため必要な側溝、街渠その他の適当な施設を設け なければなりません。
道路側溝は、原則としてU型側溝(側溝断面は300×300mm以上)を両側に設けて ください。
第4節 公 園 等
1 公園、緑地又は広場(以下、公園緑地等という。) (1) 公園緑地等の配置計画
ア 公園緑地等の存在は、居住者の精神的肉体的健康の増進、空地として存在すること による災害の防止及び災害時の避難場所、景観機能を構成する等多面的な効果をもた らすものです。
イ 公園の面積は、表4-4-1に掲げる値以上とし、緑地又は広場の面積は、表4-4-2に掲げ る値以上としてください。
表4-4-1 公園の規模(令第25条、規則第21条)
開発区域の面積 公 園 の 面 積
0.3ha以上1ha未満 開発区域の面積の3%以上でかつ1箇所
1ha以上5ha未満 開発区域の面積の3%以上でかつ1箇所300㎡以上
5ha以上20ha未満 開発区域の面積の3%以上でかつ1箇所300㎡以上
(内1,000㎡以上のものが1箇所以上)
20ha以上 開発区域の面積の3%以上でかつ1箇所300㎡以上
(内1,000㎡以上のものが2箇所以上)
表4-4-2 緑地又は広場の規模(令第25条、規則第21条)
開発区域の面積 緑地又は広場 の 面 積
0.3ha以上5ha未満 開発区域の面積の3%以上
5ha以上20ha未満 開発区域の面積の3%以上でかつ1箇所300㎡以上
(内1,000㎡以上のものが1箇所以上)
20ha以上 開発区域の面積の3%以上でかつ1箇所300㎡以上
(内1,000㎡以上のものが2箇所以上)
注1: 1箇所あたり面積は、防災、避難活動等を考慮して決めること。
注2: 5ha以上の開発行為で予定建築物等の用途が住宅である場合は、公園とする。 注3: 主として第二種特定工作物の建設の用に供する開発行為については、公園の 設置規定を適用しない。
注4: 以下①~③のすべてに該当する場合は、公園緑地等の面積を縮小し、あるいは
削除して差し支えない。(令第25条第6号後段のただし書き) ①開発区域の周辺に相当規模の公園等が存する場合
②予定建築物等の用途が住宅以外のものであり、かつ、その敷地が一である場合等の 開発行為で、開発区域の周辺に同一市町村にある既設の街区公園(「表4-4-3」の 街区公園)内にある場合
③居住者が支障なくその公園を利用できる場合
ウ 公園の規模及び誘致距離は、表4-4-3に掲げる値を標準とします。 (都市公園法に準拠)
表4-4-3 公園の規模及び誘致距離
区 分 面 積 誘致距離
街区公園 0.25ha以上 250m以下 近隣公園 2.00ha以上 500m以下
地区公園 4.00ha以上 1,000m以下
開発行為における公園は、その機能及び目的により次のように分類されます。 街区公園:主として街区内に居住する者の利用に供することを目的とする公園 近隣公園:主として近隣に居住する者の利用に供することを目的とする公園 地区公園:主として徒歩圏域内に居住する者の利用に供することを目的とする公園
ア 公園用地の位置は、開発区域の規模予定建築物の用途及びその周辺の状況等を勘案
して決めて下さい。
ただし、誘致距離を考慮し、原則として開発区域の中央に設置することが望ましい。
イ 公園用地の選定に当たっては、次の各項に留意して下さい。
① 高圧線下は、凧揚等の遊戯に危険であったり、地震時の避難場所として適当でな いため、できるだけ公園としないこと。
② 街区公園、幼児公園は幹線街路に面しないように、近隣公園は幹線街路に面する ように計画されていること。
③ 幼児公園等の小規模な公園は、高層建築物の陰とならないよう、また冬季の防風
を考慮した計画とすること。
(3) 公園の構造
ア 面積が1000㎡以上の公園、広場等の出入り口は2箇所以上設けてください。 (規則第25条第1号)
また、出入り口の幅は、原則として2.5m以上とし、むやみに車両が進入しないよう
柵を設ける等の措置を講じてください。
イ 公園の外周が幹線街路、鉄道、水路等に接する場合は、柵、塀、植樹帯等を設け、利用 者の安全を図ってください。(規則第25条第2号)
ウ 公園の排水計画は、5年確率の計画降雨量を有効に排出できるよう計画して下さい。 また、運動に供する部分の表土は、雨水を排水し易い土質として下さい。
エ 公園に設ける施設は、都市公園法第2条及び同法施行令第4条に示されています。 公園施設として設けられる建築物の建築面積は、必要最小限とし運動施設の敷地面 積は公園面積の50%を超えてはいけません。
2 樹林地の保全及び表土の保全等
(1) 保存すべき樹木(令第23条の3、令第28条の2、規則第23条の3)
ア 開発区域が1ha以上の開発行為を行うときは、開発区域及びその周辺の地域におけ る環境を保全するため、下記の保存措置が講ぜられるよう設計して下さい。
① 高さが10m以上の高木の健全な樹木 健全な樹木とは
ⅰ 枯れていないこと
ⅱ 病気(松食虫、落葉病等)がないこと ⅲ 主要な枝が折れていないこと
等樹容がすぐれていること。
② 高さが5m以上(亜高木)、かつ、面積が300㎡以上の樹木の集団
樹木の集団とは、一団の樹林地でおおむね10㎡当たり1本以上割合で存する樹木を いう。
ただし、樹齢によって育成に適した密度である場合は、保存の対象としなければ ならない。
イ 「保存の措置」とは、保存対象樹木又はその集団をそのまま存置しておくことであり、 地区内での移植又は植樹を指すものではあるません。
また、その存する土地については、少なくとも枝張りの垂直投影面下に切土、盛土を 行わないことが必要です。
ただし、下記については、この限りではありません。 ① 開発区域の全域にわたって保存対象樹木が存する場合。
② 開発区域の全域ではないが、公園緑地等の計画面積以上に保存樹木対象樹林があ る場合。
③ 南下り斜面の宅地予定地に保存対象樹林がある場合。 (2) 回復緑地
ア 回復緑地は、既存の緑地を保存する場合を除きその勾配は25度以下として下さい。
イ 回復緑地公園等において樹木を植栽する土地の表面は、草木の生育を促進する土質
(3) 表土の保全
ア 高さが1mを超える切土若しくは盛土が行われ、かつ、その切土または盛土をする 土地の面積(必ずしも一団となっている必要はない。)が1,000㎡以上である場合に は、当該部分について表土の復元・客土・土壌の改良等の措置を講じて下さい。 表土とは、通常、植物の生育に不可欠な有機物質を含む表層土壌のことをいいます。
イ 表土の保存方法には、次のような方法があります。
①表土の復元 開発区域内の表土を造成工事中まとめて保存し、粗造成が終了す る段階で必要な部分に厚さ20~40㎝程度復元すること。
②客 土 開発区域外の土地の表土を採掘し、その表土で開発区域内の必要 な部分をおおうこと。
③土壌の改良 土壌改良材と肥料を与え耕起すること。
④その他の方法 表土の復元または客土等の措置を講じてもなお植物の生育を確 保することが困難であるような土質の場合には、その他の措置と して次のような措置を併せて講ずること。
ⅰ リッパーによる引掻きで土壌を膨軟にする。
ⅱ 発破使用によるフカシで土壌を膨軟にする。(深さ1m程度、 間隔2m程度防爆幕使用等)。
ⅲ 粘土均しにより保水性の悪い土壌を改良する。
ウ 前記②、③に掲げる措置は、表土の復元の事前の措置であり、表土の復元の措置が講
じられない場合の代替措置として考えられるものです。
エ 表土の採取については、傾斜度20度以上の急斜面等工法上困難な場合は採取対象か ら除いても差し支えありません。
① 表土のみによる開発行為については、客土若しくは土壌の改良等による措置を考 えること。
② 切土のみの開発行為については、土壌改良等の措置を考えること。
オ 表土の保全を行う部分は、公園、緑地、コモン・ガーデン、隣棟空間地、緩衝帯(緑地 帯)等です。
カ 緑地の復元は、その機能を充分に発揮するために原則として樹木を植栽すること。
植栽密度は、高木を植栽するときは1本/10㎡以上、低木を植栽するときは3本/10㎡
以上を標準とします。 3 緩衝帯
(1) 緩衝帯(令第28条の3、規則第23条の3)
ア 開発区域面積1ha以上の開発行為を行うときは、その区域及び周辺の地域における 環境を保全するため、騒音振動等による環境の悪化の防止上必要な緑地帯その他の緩 衝帯が配置されていなければなりません。
イ 緩衝帯の基準は、次のとおりです。
① 「騒音、振動等」とは、開発区域内の予定建築物から発生するものであって、区域外 から発生するものではない。
② 「騒音、振動等をもたらすおそれのある建築物等」とは、一般的に「工場」をさし、 第1種特定工作物はこれに該当する。
3 緩衝帯の幅員は、開発区域の面積に応じ下記の表4-4-3のとおりとすること。
表4-4-4 緩衝帯の幅員
面 積 緩 衝 帯 の 幅 員
1.0 ~ 1.5ha未満 1.5 ~ 5.0ha未満 5.0 ~ 15.0ha未満 15.0 ~ 25.0ha未満 25.0ha以上
4m以上
5m以上
10m以上
15m以上
20m以上
④ 緩衝帯は、開発区域の境界の内側にそって設置すること。
また、緩衝帯は、公共用地ではなく工場等の敷地の一部となるので縁石等で嵩上 げし、地形に変化を付けてその区域を明確にすること。
効果を有するものがある場合には、原則としてその2分の1を緩衝帯の幅員に算
第5節 消 防 水 利
1 消防水利に関する基準等(令第25条第8号)
消防水利の計画にあたっては、当該開発区域を所管する消防長または消防署長(消防本 部または消防署が設置されていない町村にあっては当該町村長)と協議してください。 消防水利施設は、開発完了後に消防長等に移管されるものであるため、計画の段階で協
議しなければなりません。
なお、消防法第20条第1項の規定による勧告の基準(「消防水利の基準」昭和39年12月 19日消防長告示の第7号、改正:平成17年6月13日消防庁告示第10号)の概要は、次のと おりです。
(1) 目 的(第1条)
この基準は、市町村の消防に必要な最少限度の水利について定めるものとする。
(2) 消防水利の定義(第2条)
この基準において消防水利とは、消防法(昭和23年法律第186号)第20条第2項に規 定する消防に必要な水利施設及び同法第21条第1項の規定により消防水利として指定さ れたものをいう。
2 前項の消防水利を例示すれば、次のとおりである。 一 消火栓
二 私設消火栓 三 防火水槽 四 プール 五 河川、溝等 六 濠、池等 七 海、湖 八 井戸 九 下水道
(3) 消防水利の給水能力(第3条)
1 消防水利は、常時貯水量40立方メートル以上、または、取水可能水量が毎分1立方
メートル以上で、かつ、連続40分以上の給水能力を有するものでなければならない。 2 消火栓は、呼称65の口径を有するもので、直径150mm以上の管に取り付けられて
いなければならない。ただし、管網の一辺が180m以下となるように配管されている 場合は、75mm以上とすることができる。
3 私設消火栓の水源は、5個の私設消火栓を同時に開弁したとき、第1項に規定する給 水能力を有するものでなければならない。
(4) 消防水利の配置(第4条)
1 消防水利は、市街地又は準市街地の防火対象物から(2)2一(消火栓)の消防水利 に至る距離が表4-5-1に掲げる数値以下となるように設けなければならない。
2 市街地又は準市街地以外の地域で、これに準ずる地域の消防水利は、当該地域内の 防火対象物から(2)2一(消火栓)の消防水利に至る距離が140m以下となるように 設けなければならない。(市街地、準市街地の定義については、平成12年1月20日消防 庁告示第1号)
表4-5-1 消防水利の配置
平 均 風 速
用 途 地 域 毎秒年間未満平均風速のものが4m 年毎秒以上のもの間平均風速が4m
近隣商業地域
商業地域 工業地域 工業専用地域
100m 80m
その他の用途地域、用途地 域の定められていない地域
120m
100m
注)用途地域区分は、法第8条第1項第1号に規定するところによる。
(5) 消防水利の構造(第6条)
消防水利は、次の各号に適合するものでなければならない。 ア 地盤面からの落差が4.5m以下であること。
イ 取水部分の水深が0.5m以上であること。
ウ 消防ポンプ自動車が容易に部署できること。
第6節 排 水 施 設
1 排水施設に関する基準
排水施設に関する基準は、法第33条に基づく施行令、施行規則のほかに熊本県土木部河
川課の「開発許可申請に伴う調節池設置基準(案)」等があります。
排水施設の基準は、開発区域内の雨水及び汚水を支障なく処理すること、及び開発区域 内の雨水及び汚水を区域外に適切に(被害を生じないように)排除すること、の二つの 観点からよりよい生活環境の増進を目的として定められています。
2 排水計画の基本
排水計画の策定にあたっては、次のことに留意して下さい。
① 開発区域内の雨水が、直接区域外に排出されないよう適切な排水施設(側溝等)を設 けること。
② 排水施設は、開発区域の規模、地形、予定建築物の用途、降水量等から想定される雨水 及び汚水を適切に排出できる能力を持った構造とすること。
③ 排水施設は、放流先の排水能力、利水の状況等を勘案して雨水及び汚水を適切に排出 できるように、下水道、排水路その他排水施設又は海、河川、湖沼等の公共水域に接続さ れていること。
④ 開発区域内においては、その規模に拘わらず流出抑制対策に努めるものとするが、
5,000㎡以上の開発行為については原則として調節池が設けられていること。
なお、調節池の技術基準は、「開発許可申請に伴う調節池設置基準(案)」(熊本 県土木部河川課)によること。
⑤ 雨水及び汚水の排除方式は、原則として分流式とすること。
⑥ 汚水は、原則として市町村の定める「生活排水処理施設整備計画」に基づき処理する こと。
3 排水施設の設計 (1) 計画雨水量の算定
計画雨水量は、次式により算定して下さい。 1
Q= C・I・A (合理式)
360
ここに、Q:計画雨水量(m3/sec) C:流出係数
I:降雨強度(mm/h) A:流域面積(ha)
なお、排水施設の計画は、開発区域の地形等の状況から開発区域外の土地の部分も含 めて排水計画を考えなければならない場合がありますので、ここでは開発区域の面積で はなく流域面積を対象としています。
(2) 降雨強度
降雨強度の算定は、原則として熊本県土木部河川課が監修している「熊本県内におけ る確率降雨強度の算定」(県庁ホームページ河川課に掲載)の次式によるものとします。 a
Ir= (タルボットの式)
tn+b
ここに、Ir:r年確率の降雨強度(mm/hr)
a,b, n:定数 t:降雨継続時間(分)
ア 河川課監修の降雨強度は、熊本県下の降雨分布特性を総合的に検討して求めたもの であるため、開発区域の排水施設を公共下水道に接続する計画であって、当該地域下 水道計画として降雨強度式を定めている場合は幹線に関してはそれに拠って差し支 えありません。
また、開発区域の面積が1ha未満の場合は、120mm/hrとして構いません。
① 一般の区域における排水計算をする場合は、開発区域内については5年確率、開発 区域外排水路については10年確率とすること。
② 宅地造成規制区域内または同区域にまたがる区域における排水計算をする場合は 10年確率とすること。
(3) 流出係数
流出係数は、表4-6-1に示す値を標準とし排水区域全体を加重平均して求めて下さい。 ただし、空地・公園・山地等が混在している場合等、加重平均による算出が困難な場 合は、0.7としてよいものとします。
なお、調節池を設ける場合は、「開発許可申請に伴う調節池設置基準(案)」の値を採
用してください。
表4-6-1 流出係数
地 形 流出係数 地 形 流出係数 屋 根 0.90 空 地 0.20
道 路 0.85 公園・芝生・広場 0.25
その他の 不透 面 0.80 勾配の急な山地 0.50
水 路 ・ 田 園 1.00 勾配の 緩 い山地 0.30
注)宅地造成規制区域の流出係数は0.85とし、降雨量は10分間20mmとする。
(4) 計画汚水量
計画汚水量の算定にあたっては、以下のことに留意してください。
① 計画汚水量は、一人当たり計画汚水量に計画排水人口を乗じた値とすること。 ② 管渠及び汚水沈砂池等の設計にあたっては計画時間最大汚水量を、処理施設の設
計にあたっては計画1日最大汚水量を用いること。
③ 計画排水人口は、一戸当たり5人を標準として算出すること。
④ 開発区域の排水施設を下水道等公共の処理施設に接続する場合は、当該処理施設 の計画汚水量によること。
⑤ 一人当たり計画汚水量は、表4-6-2に掲げる値を標準とすること。
表4-6-2 一人当たりの計画汚水量
区 分 計 画 汚 水 量
時間最大汚水量(1人1日に換算) 530リットル
1人1日最大汚水量 350リットル
1人1日平均汚水量 280リットル
(5) 流量計算
排水路における雨水管渠の流量計算はマニング式を、汚水管渠の流量計算はマニング 式及びクッター式のいずれかを用いてください。
なお、排水路の断面積は、円形管の場合は満流その他の場合は水深を8割として断面 の大きさを決定してください。
Q=A・V
V=1/n・R2/3
・I1/2
(マニングの式)
1 0.00155 23+ +
n I
V= ・ R・I (クッターの式)
0.0155 n
1+(23+ )・ I R ここに、Q:流量(m3/秒) A:流水の断面積(㎡) V:流速(m/秒)
n:粗度係数(コンクリート製品0.013、ビニール管等0.010)
(6) 管渠の流速
一般に管渠の勾配は、地表の勾配に応じて決定すれば経済的ですが、勾配が緩やかだ と流速が小さくなり管底に汚物が沈殿したり、逆に急勾配だと流速が大きくなって管渠
の損傷等問題が発生することとなります。
したがって、管渠の維持管理を考慮に入れて適当な勾配を定めてください。
排水管渠の設計流速は、汚水管渠の場合については最小0.6m/秒から最大3.0m/秒と し、雨水管渠については、最小0.8m/秒から最大3.0m/秒の範囲として下さい。
また、地形の形状により最大流速が基準値を越える場合には、適当な間隔に段差を設 けて勾配を緩くし流速の低減を図ることとしてください。
ただし、勾配は、下流ほど緩やかにして下さい。これは、下流ほど下水流は増加し管渠
は大きくなるので、勾配が緩やかになっても流速を大きくすることができるためです。 理想的な流速は、1.0~1.8m/秒程度です。
(7) 排水施設の材質(規則第26条第1号及び第2号)
雨水排水施設は、開渠または管渠とし原則としてコンクリート造りとして下さい。 汚水排水施設は、管渠とし原則として遠心力鉄筋コンクリート管又は下水道用硬質塩 ビ管として下さい。
管渠は、水圧、外圧等に対して十分耐える構造としなければなりません。 (8) 排水施設の最小断面
排水管渠の最小内径は、原則として汚水管渠にあっては150mm、雨水管渠にあって は
200mmとして下さい。
ただし、取付管は、その最小内径を100mmとすることができます。
なお、この基準値は、清掃等維持管理のために設けられた規定であり開渠の場合は計 算上の断面積があれば差し支えありません。
ただし、道路側溝断面は、300×300㎜以上としてください。 (9) その他
排水施設の設計にあたっては、「道路土工指針-道路排水工指針」「下水道設計指針」 「雨水浸透施設技術指針」「宅地開発に伴い設置される浸透施設等設置技術基準」等を参
考するとともに、公共施設管理者の指示・協議によってください。 4 終末処理施設
住宅団地の5ha以上の開発行為については、終末処理施設を有する下水道その他の排 水管渠に汚水を放流する場合を除き、原則として終末処理施設を設置して下さい。 終末処理施設は、標準活性汚泥法、標準散水炉床法等の高級処理を原則とします。 なお、放流水の水質基準については、下水道法施行令第6条、水質汚濁防止法第3条、県 条例、建築基準法施行令第32条等に規定されています。
5 流末に処理施設がない場合
開発区域の周辺に流末(水路、側溝等公共施設)がなくやむを得ず地下浸透桝を設け る場合は、原則として各宅地毎に設置することとしその構造については次の図4-6-1(地 下浸透桝標準図)を標準とします。
なお、地下浸透は、原則雨水のみです。他の排水は、浸透桝へ流入し、地下水汚染を引き
起こすことがないよう十分に留意してください。
図4-6-1 地下浸透桝標準図(流末がなく1宅地(処理区域)の面積が500㎡以上の場 合)
原則として、各宅地内に設置してください。
なお、流出抑制施設として使用する場合、開発区域1,000㎡に1箇所程度設置してくださ い。
*桝内径はφ900mm以上。
*浸透桝底面(栗石等上面)は、流入管底から3.0m以上かつ浸透層があるところまで。 *地下浸透桝は、斜面部付近への設置は避けてください。その範囲は図4-6-3のとおり。
流 入 管
※地下水位が標準図の浸透桝底面より高い位置である場合は、浸透桝による雨水処理は、原則認
マンホール蓋の下部 にマンホール内への 落下防止が必要
埋戻しクラッシャラン 又は単粒度砕石
十分転圧の事
めることができませんので、地下水位が高い位置であることが判明するなど、現場条件に変更 が生じた場合は個別に相談ください。
図4-6-2 地下浸透桝標準図(流末がなく1宅地(処理区域)の面積が500㎡未満の場
合)
原則として、各宅地内に設置してください。
図4-6-3 地下浸透桝設置禁止範囲
浸透施設設置禁止範囲
2H以内
H≧2m以上
30゜以上
2H以内
6 調 節 池
(1) 洪水調節池(令第26条第2号)
開発区域の面積が5,000㎡以上の場合は、原則として開発区域内に調節池を設けて洪 水を調整して排水してください。
また、湛水(内水)区域を開発する場合は、湛水容量減に見合う貯留容量を確保して ください。
容量の算出に当たっては、熊本県土木部河川課の「開発許可申請に伴う調節池設置基 準(案)」によるものとします。
(2) 調節池の多目的利用について
開発区域における洪水調節池は、宅地開発に伴う洪水流出量の増大を防止するものと して設置されものです。
そのため、洪水調節池は、一定以上の降雨のあるごく限られた期間において機能を発揮
するものでありその他の期間については空閑地となります。
このことから、治水上の機能に支障がない限りにおいて、公園等他の目的に積極的に利
用することにより土地の有効利用を図ることが望ましいことです。
なお、多目的利用にあたっては、下記に掲げる事項に留意してください。 ① 調節池としての機能に支障がないように、導入施設や植樹に配慮すること。
② 導入施設の利用機能確保のため、湛水頻度やその継続時間に配慮するとともに、利用 者の安全確保のため避難通路等を設けること。
③ 調節池の管理者と導入する施設の管理者の間で、機能及び安全衛生上の観点から管理 内容を定めること。
④ 調節池の多目的利用にあたっての計画・設計及び管理については、「宅地開発に伴い 設置される洪水調節地の多目的利用指針(案)」(建設省昭和61年)によるもので あること。
⑤ この他、恒久調整池の多目的利用にあたっては「防災調節池の多目的利用指針
(案)」「防災調整池等 技術基準(案)、第4編」「大規模宅地開発に伴う調節池技術基 準(案)」(社)日本河川協会を参照すること。
(3) 調節池等の技術基準の適合性に関する協議について
調整池の設置が必要な場合は、その協議に先立ち、開発許可窓口に、開発行為者の住 所、氏名、開発予定地の所在地、開発行為の目的及び開発予定地の面積を記載した開発 行為の概要書及び添付図面を提出すること。