2 収納業務
(1)収納事務
① 業務フロー
ア 納付書による納付
(ⅲ)領収書交付
(ⅱ)窓口で支払
(ⅳ)入金 (ⅰ)納付書送付
(ⅴ)入金報告
(ⅵ)消し込み処理
市から被保険者に納付書が送付されると(ⅰ)、被保険者は金融機関にて保険料を支 払い(ⅱ)、金融機関から領収書の交付を受ける(ⅲ)。金融機関が市金庫に入金する と(ⅳ)、市は市金庫から入金報告を受けるとともに(ⅴ)、収納の消し込み処理を行 う(ⅵ)。
イ 口座振替
(ⅰ)口座振替申込
(ⅱ)口座振替受理通知
(ⅳ)入金
(ⅲ)口座振替依頼
(ⅴ)入金報告 (ⅵ)消し込み処理
被保険者
堺市
金融機関
市金庫
被保険者
堺市
金融機関
被保険者から金融機関に口座振替申込をすると(ⅰ)、金融機関から市に口座振替受 理通知が送付され口座登録が完了する(ⅱ)。市は金融機関に口座振替依頼を行い(ⅲ)、 金融機関で自動引き落としが行われると、市金庫に入金され(ⅳ)、市金庫から市に入 金報告がなされる(ⅴ)。市は、この報告をもって収納の消し込み処理を行う(ⅵ)。
②納付方法別の収納状況
(概要)
直近 3 年間の納付方法別の状況は、【表2−1】のとおりである。
【表2−1】納付方法の年度別推移 (単位:世帯)
平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度
構成割合 29. 4% − −
納付組合
世帯数 44, 842 − −
構成割合 30. 9% 52. 7% 52. 9%
口座振替
世帯数 47, 126 86, 021 87, 709
構成割合 39. 7% 47. 3% 47. 1%
納付書による納付
世帯数 60, 485 77, 278 78, 252
構成割合 100. 0% 100. 0% 100. 0%
合計
世帯数 152, 453 163, 299 165, 961
(注)1.保険年金管理課から提出された資料に基づいて作成している。
(注)2.平成 16 年度から美原町合併により美原区域を加えている。
(注)3.納付組合は保険料を容易かつ確実に納付するため、一定の地域若しくは同一の業種又は施設を単
位として組織される組合であり、市においては平成 16 年度に廃止している。
(監査の結果及び意見)
ア 口座振替等による納付の促進について(意見)
(2)滞納管理事務
①滞納状況
直近 3 年間の保険料の収納状況は【表2−2】のとおりであり、全体としては収納 率が低下傾向にあり、未収額は年々増加している。
【表2−2】収納状況の年度別推移 (単位:千円)
年度 区分 調定額 収納額 不納欠損 未収額 収納率
現年分 28, 793, 385 25, 525, 829 − 3, 267, 555 88. 65%
滞納繰越分 8, 273, 630 501, 171 1, 305, 205 6, 467, 253 6. 06%
平成 15 年度
合計 37, 067, 015 26, 027, 000 1, 305, 205 9, 734, 808 70. 22%
旧堺市 29, 112, 701 25, 634, 423 − 3, 478, 278 88. 05%
美原 347, 078 247, 553 − 99, 525 71. 32%
現
年
分
計 29, 459, 780 25, 881, 976 − 3, 577, 804 87. 86%
旧堺市 9, 656, 580 527, 930 1, 482, 476 7, 646, 172 5. 47%
美原 241, 760 4, 471 72, 762 164, 526 1. 85%
滞
納
繰
越
分
計 9, 898, 340 532, 402 1, 555, 238 7, 810, 699 5. 38%
旧堺市 38, 769, 282 26, 162, 354 1, 482, 476 11, 124, 451 67. 48%
美原 588, 839 252, 024 72, 762 264, 052 42. 80%
平成 16 年度
合
計
計 39, 358, 121 26, 414, 378 1, 555, 238 11, 388, 504 67. 11%
旧堺市 29, 209, 284 25, 708, 658 − 3, 500, 626 88. 02%
美原 1, 414, 462 1, 313, 072 − 101, 389 92. 83%
現
年
分
計 30, 623, 747 27, 021, 731 − 3, 602, 016 88. 24%
旧堺市 10, 996, 179 639, 515 1, 570, 489 8, 786, 173 5. 82%
美原 262, 521 42, 453 56, 899 163, 168 16. 17%
滞
納
繰
越
分
計 11, 258, 700 681, 969 1, 627, 389 8, 949, 342 6. 06%
旧堺市 40, 205, 463 26, 348, 174 1, 570, 489 12, 286, 799 65. 53%
美原 1, 676, 984 1, 355, 526 56, 899 264, 558 80. 83%
平成 17 年度
合
計
計 41, 882, 448 27, 703, 700 1, 627, 389 12, 551, 358 66. 15%
(注)1.保険年金管理課から提出された資料に基づいて作成している。
(注)2.表中の滞納繰越分欄の調定額は、年度内の減免等を反映した金額であり、 前年度の未収額とは一
致しない。
(注)3.平成 16 年度から美原町合併により美原区域を加えている。表中は、旧堺市区域の年次比較が容易
となるよう、区域別に区分して記載している。
なお、平成 16 年度の美原区域の数値は、合併した 2 月以降のものであるが、合併時 1 月末時点の
未収額を調定額として引き継いだため収納率が低く表示されている。平成 16 年度の通期ベースで見
た美原区域の収納率は、以下のとおりである。
現年分 滞納繰越分 合計
また、平成 17 年度末における未収額の発生年度別内訳は、【表2−3】のとおりで あり、長期にわたる滞納も見受けられる。
【表2−3】平成 17 年度末未収額の発生年度別内訳 (単位:千円)
発生年度 未収額 割合
平成 10 年度以前 173, 933 1. 38%
平成 11 年度 179, 717 1. 43%
平成 12 年度 381, 580 3. 03%
平成 13 年度 747, 670 5. 95%
平成 14 年度 1, 506, 424 11. 98% 平成 15 年度 2, 806, 537 22. 31% 平成 16 年度 3, 153, 478 25. 07% 平成 17 年度 3, 629, 107 28. 85%
合計 12, 578, 449 100. 00%
(注)1.保険年金管理課から提出された繰越調定の資料に基づいて作成している。なお、【表2−2】
の未収額は、還付未済額が控除されているため、表中の合計額と一致しない。
②督促及び滞納対策
(概要)
ア 督促状及び催告書の発送
堺市国民健康保険条例は第 18 条において、納期限までに保険料を完納しないときは、 納期限後 30 日以内に督促状を発送しなければならないと規定している。市は、当初の 納期限に納付されなかった場合、毎月 25 日を基準として督促状を発送し、納期限を指 定して納付を催促している。
督促状は、保険年金管理課が、国民健康保険システムにより作成した督促状発送デ ータを基に、外部の委託業者が印刷し、封入封緘している。この委託業者から各区役 所の保険年金課に、督促状が送付される。
ないか調査し、変更があれば変更手続を行っている。
平成 17 年度の保険料の督促状作成及び発送の状況は、【表2−4】のとおりである。 被保険者世帯数に占める督促状作成の割合は、15. 65%から 17. 79%となっており、納 期限内に納付していない世帯は相当数見受けられる。
【表2−4】平成 17 年度督促状の作成及び発送の状況 ( 単位:世帯)
期別 発送日
被保険者 世帯数
督促状 作成
作成 割合
督促状 発送
督促状 抜取 4 月分 平成 17 年 5 月 30 日 164, 982 27, 076 16. 41%
5 月分 平成 17 年 6 月 29 日 164, 816 25, 800 15. 65% 6 月分 平成 17 年 7 月 28 日 164, 697 26, 880 16. 32% 7 月分 平成 17 年 8 月 30 日 164, 928 29, 340 17. 79% 8 月分 平成 17 年 9 月 28 日 165, 030 29, 142 17. 66% 9 月分 平成 17 年 10 月 28 日 165, 108 28, 250 17. 11% 10 月分 平成 17 年 11 月 30 日 165, 313 27, 978 16. 92% 11 月分 平成 17 年 12 月 22 日 165, 604 28, 269 17. 07%
(注 2)
12 月分 平成 18 年 1 月 25 日 165, 661 27, 748 16. 75% 27, 652 96 1 月分 平成 18 年 2 月 24 日 165, 961 27, 985 16. 86% 27, 883 102 2 月分 平成 18 年 3 月 24 日 166, 038 28, 337 17. 07% 28, 248 89 3 月分 平成 18 年 4 月 25 日 165, 961 29, 401 17. 72% 29, 263 138
合計 1, 984, 099 336, 206 16. 95%
(注)1.保険年金管理課から提出された資料に基づいて作成している。
(注)2.11 月分までは、督促状発送状況を集計していないため、記載を省略した。
(注)3.作成割合は、督促状作成世帯数を被保険者世帯数で除して算出している。
上記の督促状は、1 期分について 1 回しか発送されないが、督促状によってもなお、 保険料の未納が継続する場合には催告書が発送される。現年分の未納についての催告 書は、毎月発送される。さらに、当該催告書によっても納付されず、滞納繰越となっ た未納保険料がある世帯に対しては、年に 3 回、滞納繰越分についての催告書を発送 している。催告書の発送の手順は、概ね督促状と同様である。
【表2−5】平成 17 年度滞納繰越分に係る催告書の作成及び発送の状況 (単位:世帯)
回 発送日 催告書作成 催告書発送 催告書抜取
1 平成 17 年 8 月 11 日 19, 337 18, 784 553
2 平成 17 年 12 月 16 日 17, 764 17, 514 250
3 平成 18 年 2 月 17 日 15, 788 15, 639 149
(注)1.保険年金管理課から提出された資料に基づいて作成している。
イ 滞納対策
市は、督促状及び催告書の発送以外にも滞納対策として、訪問徴収、分納誓約の交 渉、電話催告、短期被保険者証や被保険者資格証明書(以下「資格証明書」という。) の交付による納付指導等接触の機会の確保、滞納処分等を行っている。
また、市は、収納率の向上に向け、平成 15 年度から国保特別滞納対策室を設置し、 滞納対策に注力している。国保特別滞納対策室は、年間の収納計画を策定するほか、 毎月、各区役所の収納担当を集めて会議を開催し、徴収実績の把握や、督促手段の提 案等を行っている。収納対策計画では、高所得(賦課所得 300 万円以上)滞納世帯に ついては、滞納処分を前提とした継続した訪問徴収及び納付指導、平日夜間・休日の 納付相談、被保険者の資格確認による滞納の発生の抑制等、収納対策の実施項目を掲 記するとともに月別の事業計画表を添付し、計画表に基づいて対策を実施している。
(監査の結果及び意見)
ア 督促状及び催告書の発送について(指摘)
各区役所で督促状発送決裁リスト及び催告書発送決裁リストを閲覧し、手順につい て質問を行った結果、手順については、概ね同様の回答を得た。しかし、区役所の中 には催告書発送決裁リストを各区役所の保険年金課長の決裁書類としていない所も見 受けられた。堺市区役所事務決裁規則において、国民健康保険料の督促に関する事項 は、各区役所の保険年金課長の専決事項と規定されており、催告書であっても課長の 決裁を得たうえで、発送するべきである。
また、発送決裁リストを添付して決裁を受けているものの、決裁処理票に発送件数、 金額等の記載がない区役所や、発送対象から除外したものについて理由を記載したリ ストがない区役所が見受けられた。上長は、恣意的又は誤謬による発送除外がないこ とを検証して決裁すべきであり、発送管理上は、作成された督促状又は催告書の総件 数及び金額、発送件数及び金額、発送除外件数及び金額に加え、発送除外の理由につ いても管理することが望まれる。
とも検討の余地がある。
イ 滞納対策について(意見)
【表2−4】を見る限り、納付期限内に納付していない世帯の割合は、平均で 16. 95%となっているが、平成 17 年度の現年分の収納率は【表2−2】に記載のとお り 88. 24%であるから、督促状の発送及び単なる納付忘れの可能性のある初めて滞納 した世帯への徴収非常勤職員による訪問徴収の実施等滞納対策には一定の効果が見受 けられる。また、【表2−5】に記載のとおり、滞納繰越分に係る催告書の発送件数は 回ごとに減少しており、滞納繰越分についてもある程度、滞納対策の効果が見受けら れる。国保特別滞納対策室及び各区役所に質問する限り、収納対策実施項目は、概ね 収納対策計画の事業計画表とおりに実施され、ある程度有効に機能していると考えら れる。しかし、【表2−2】に記載のとおり、旧堺市区域の収納率は、70. 22%、67. 48%、 65. 53%と年々低下している状況である。
収納対策実施項目は必ずしも 1 項目ごとに効果が現れるものではないとしても、国 保特別滞納対策室で、収納対策実施項目ごとの効果を把握し、より有効な手段に資源 を配分することが重要である。そのためには、各区役所で、個別の事情に応じて行な っている滞納対策も含め、成果の把握が必要である。現状では、区役所間で滞納整理 状況として統計を取る項目も相違があるが、有用な情報については、網羅的に集計す ることが望ましい。
③徴収非常勤職員による徴収活動
(概要)
市は、滞納世帯について早期の訪問徴収を行い、滞納累積の防止を図るため、平成 17 年度より各区役所に徴収非常勤職員を配置している。保険料の納期限までに納付が ない世帯に対しては、督促状及び催告書により納付督促を行うが、さらに納付のない 世帯(基本的に納期限から 2 ヶ月経過時点の滞納世帯)を対象に訪問徴収等の徴収活 動を実施している。また、各区役所に市職員 2 名程度を収納対策担当として配置し、 過年度高所得(賦課所得 300 万円以上)滞納世帯への滞納処分を前提とした継続した 訪問徴収及び納付指導を、徴収非常勤職員による徴収活動とは区分して実施している。
徴収非常勤職員の活動内容は、以下のとおりである。
ⅰ.国保特別滞納対策室が 1 ヶ月に一度、国民健康保険システムより訪問リストを 出力する。
ⅱ.訪問リストを基に事前調査を行い、訪問徴収を行う。 ⅲ.現金等徴収した場合は、その場で領収証書を交付する。
ⅳ.徴収活動後、区役所に戻り領収金集計表を作成するとともに、訪問報告書及び 交渉記録に活動内容を記載する。
ⅴ.徴収金の入金処理は内勤非常勤職員に引継ぎ、午後 4 時までであれば内勤非常 勤職員が市金庫に払い込みに行く。
ⅵ.払込後、現金出納簿を作成する。
(監査の結果及び意見)
ア 徴収非常勤職員の徴収実績について(意見)
各区役所に配置した平成 17 年度徴収非常勤職員による徴収実績及び活動分析は、 【表2−6】及び【表2−7】のとおりである。
【表2−6】平成 17 年度徴収非常勤職員による徴収実績
区 訪問件数 徴収件数 徴収金額 平均徴収員数
堺区 26, 004 件 4, 542 件 99, 448 千円 5. 25 人 西区 27, 133 件 2, 911 件 58, 414 千円 5. 00 人 北区 20, 500 件 3, 022 件 62, 815 千円 4. 16 人 中区 27, 931 件 4, 503 件 90, 612 千円 5. 00 人
東区 6, 189 件 896 件 19, 238 千円 1. 41 人
南区 29, 393 件 5, 785 件 98, 735 千円 6. 00 人
美原区 4, 770 件 641 件 19, 426 千円 1. 41 人
計 141, 920 件 22, 300 件 448, 693 千円 28. 25 人
(注)1.保険年金管理課から提出された資料に基づいて作成している。
(注)2.表中の平均徴収員数は、年間延べ人数を 12 ヶ月で除して算出している。
(注)3.徴収非常勤職員配置人数は、各区の被保険者数及び滞納世帯数等を勘案して決定されており、各区
における平成 17 年度現年分保険料を完納していない世帯数は、以下のとおりである。なお、東区及
び美原区においては滞納世帯数等が少ないため、徴収非常勤職員配置人数が少なく、訪問件数等も
他区より少なくなっている。
(単位:世帯)
区 堺区 西区 北区 中区 東区 南区 美原区 計
【表2−7】平成 17 年度徴収非常勤職員活動分析
全体 最高 最低
南区 西区
訪問件数に対する徴収件数の割合 15. 7%
19. 7% 10. 7%
美原区 南区
1 件当たり徴収金額 20 千円
30 千円 17 千円
堺区 西区
徴収非常勤職員一人当たり徴収金額 15, 882 千円
18, 942 千円 11, 682 千円
(注)1.保険年金管理課から提出された資料に基づいて作成している。
徴収非常勤職員の活動実績は、担当する地域や各滞納者の事情により異なるため単 純比較はできないが、南区は訪問件数に対する徴収件数の割合が最も高く、1 件当た り徴収金額が最も低かった。1 件当たり徴収金額が少ない分、徴収件数が多いため徴 収非常勤職員の活動に問題はない。しかし、市全体の滞納繰越額は年々増加している ため、効率的・効果的な徴収活動を行うよう徴収非常勤職員に対する指導を強化する 必要がある。また、訪問徴収にあたっては、その担当する地域(区)等が徴収件数及 び徴収金額に影響するものと考えられるため、一年間等のサイクルで徴収非常勤職員 の担当地域(区)のローテーションを行うことが望ましい。なお、平成 18 年度より区 内におけるローテンションは実施されている。
さらに、現状においては、区別の滞納保険料額を把握していない。徴収活動の実績 を把握するにあたっては、区別の滞納額及び滞納件数を把握し、徴収金額及び徴収件 数と比較検討する必要がある。
イ 積極的な納付相談及び納付指導について(意見)
徴収非常勤職員の業務には、滞納被保険者への訪問徴収以外に納付相談及び納付指 導も含まれている。しかし、現状においては、訪問徴収の際に分割納付や徴収猶予及 び減免等の制度を利用できる者に対しても、当該制度の説明及び制度利用を促す等は 行っていない。また、徴収業務内容を記載した徴収担当非常勤職員研修資料において も、「分割納付や徴収猶予の申出がある場合は、その場で処理できる場合を除き、区 役所保険年金課にて相談するよう指導してください。」と記載があるのみで積極的な 指導を要請していない。
に行くよう促す等職員と徴収非常勤職員が連携をとって、納付相談及び納付指導を積 極的に行うことが望ましい。
ウ 徴収金に係る現金出納簿について(指摘)
徴収非常勤職員が徴収してきた現金を市金庫に入金できるのは午後 4 時までである ため、午後 4 時以降の徴収金については、区役所内にある金庫に一時保管となる。こ の場合、現状においては、翌日市金庫への入金終了後に前日の徴収金を合わせた 2 日 分の入出金の記帳を行い、保険年金課長が入出金の決裁を行っているという区役所が 見受けられた。
この決裁は市金庫に入金されたことを確認するという位置付けとのことであるが、2 日分をまとめて現金出納簿に記載している現状では、金庫に現金があるにもかかわら ず現金出納簿に記載されていないため、現物と会計が不一致となっている。市金庫へ の入金が翌日になる場合には、入金のみを現金出納簿に記帳し保険年金課長が決裁を 行うとともに、出金については翌日記帳及び決裁を行う必要がある。
エ 徴収金の保管について(意見)
徴収非常勤職員の徴収活動は土曜日及び日曜日も行われる。平日の徴収活動後は区 役所に戻り、徴収金の入金処理を内勤非常勤職員に引き継ぐが、土曜日及び日曜日の 徴収活動後は徴収金を自宅に持ち帰り、各自自宅にて保管後、月曜日朝に入金処理を 内勤非常勤職員に引き継いでいる。
2 日分の徴収金(現金)を非常勤職員が保管するのは、紛失、盗難、不正利用等の おそれがあることから、リスク管理上問題があるものと考える。土曜日及び日曜日の 徴収金については、金融機関の夜間金庫に入金する等、何らかの措置を講じることが 望ましい。
オ 徴収非常勤職員の報酬について(指摘)
平成 17 年度における徴収非常勤職員の報酬は、以下のとおりである。
報酬種類 報酬の額
固定報酬 月額 94, 000 円
徴収件数割
月 50 件未満の場合 1 件当たり 80 円 月 50 件以上の場合 1 件当たり 100 円 徴収金額割
月 1 百万円未満の場合 徴収金額の 60/1000 月 1 百万円以上の場合 徴収金額の 80/1000 能率報酬
口座移行件数割 1 件につき 2, 000 円
付加報酬 堺市非常勤職員の報酬に関する規則第 7 条第 1 項及び第 3 項の定めるところによる
堺市国民健康保険徴収非常勤職員に関する要綱においては、能率報酬に口座移行件 数割を定め、実際に口座移行件数割相当額を徴収非常勤職員に支払っている。しかし、 徴収非常勤職員の任用に係る決裁書類添付資料勤務条件通知書(非常勤職員)には、 能率報酬の欄に口座移行件数割は記載されていない。本来、当該通知書に口座移行件 数割についても記載し、そのうえで徴収非常勤職員の任用に係る決裁を受ける必要が ある。
カ 徴収非常勤職員制度について(意見)
徴収非常勤職員の徴収活動は、滞納保険料の徴収に役立っているが、平成 17 年度に おける徴収非常勤職員が徴収した金額は 448, 693 千円であり、平成 17 年度国民健康保 険料収入済額の 1. 62%と非常に限られたものである。また、平成 17 年度国民健康保 険料現年分収納率は、徴収非常勤職員制度を導入したにもかかわらず「第1監査対象 の概要 2(5)国民健康保険料収納状況」に記載のとおり、88. 33%と前期に比べ 0. 09%減少している。
平成 17 年度における徴収非常勤職員に係る報酬額は 72, 047 千円と徴収金額の 16. 06%に該当するとともに、徴収員の指導、管理事務コスト等の費用も発生している。 市は徴収非常勤職員制度を平成 17 年度より導入し、その後 3 年経過した時点で徴収非 常勤職員制度のあり方を再度検討するとしているが、その際には市税徴収活動との兼 務や現在地方自治法第 243 条により難しいと言われている徴収業務の民間委託も含め、 徴収非常勤職員制度だけでなく全般的な徴収活動のあり方について検討する必要があ る。
④分納
(概要)
滞納保険料について督促状及び催告書の送付を契機に被保険者から納付相談があっ た場合や徴収非常勤職員が納付勧奨を行った場合、滞納保険料については一括納付が 原則となる。しかし、一括納付する能力がない場合には、分割納付を勧奨している。 分割納付の計画は、被保険者の支払能力を考慮して決定し、被保険者に分納誓約書の 提出を求めている。分納誓約書を受付けた後は、分納誓約書に基づいた徴収活動を行 うことになる。
(監査の結果及び意見)
ア 分納誓約書の入手の促進及び分割納付状況の把握について(意見)
であり、滞納対策としてどの程度の効果を上げているかは不明である。後述する「⑩ 不納欠損」のとおり、分納誓約書の入手や一部納付によって、時効を中断することが 可能となる。現状でも完納できなければ分納誓約書を提出するよう注力されているが、 結果としては、時効が中断されない保険料が、多額に不納欠損処理されている。具体 的な分納計画を作成し、分納誓約書の提出を求めることにより、被保険者の納付意欲 を高める効果もあると考えられるので、今後さらに、滞納対策として分納誓約書の入 手を促進していくことが望まれる。
また、受け付けた分納誓約書は、担当者が処理欄に記録を残すのみであった。平成 18 年度からは、上長の供覧に供しているが、実情把握の観点から、個々の分納誓約書 の供覧のみでなく、滞納世帯に占める分納誓約書提出世帯の割合や、分納誓約に基づ いた納付実績等に関する統計を取るべきであると考えられる。
⑤徴収猶予
(概要)
市長(区長に権限委譲)は、保険料の納付義務者が次の各号のいずれかに該当する ことによりその納付すべき保険料の全部又は一部を一時に納付することができないと 認める場合においては、その申請によって、その納付することができないと認められ る金額を限度として、12 月以内の期間を限って徴収猶予することができる。
ⅰ.納付義務者がその資産について震災、風水害、落雷、火災若しくはこれに類す る災害を受け、又はその資産を盗まれたとき。
ⅱ.納付義務者がその事業を廃止し、又は休止したとき。
ⅲ.納付義務者がその事業又は業務について甚大な損害を受けたとき。 ⅳ.前各号に類する事由があったとき。
【表2−8】徴収猶予件数の年度別推移
年度 件数
平成 15 年度 17, 585 件 平成 16 年度 17, 041 件 平成 17 年度 15, 955 件
合計 50, 581 件
(注)1.保険年金管理課から提出された資料に基づいて作成している。
(監査の結果及び意見)
ア 徴収猶予に係る業務マニュアルの整備について(意見)
金額及び猶予期間が、各区において共通のルールに則り決定されているとは言い難 い状況である。個別案件の状況が多岐にわたるという徴収猶予制度の性格上、詳細ま でを規定することは困難とも考えられるが、各区共通の事務処理マニュアルの整備が 必要と思われる。
⑥短期被保険者証・資格証明書の交付
(概要)
市は、保険料の滞納者に対する納付相談及び指導の機会を確保することにより保険 料の納付を促進し、もって被保険者間の負担の公平を図るとともに国民健康保険事業 の健全な運営に資することを目的として、短期被保険者証の交付、被保険者証の返還 請求及び資格証明書の交付を行っている。
短期被保険者証とは、国民健康保険法施行規則第 7 条の 2 の規定に基づき、市町村 が期日を定めて被保険者証の検認又は更新を行う場合に、通例定める期日より前の期 日を定める場合の被保険者証の通称である。「堺市国民健康保険の保険料滞納に伴う 資格証明書等の交付及び保険給付の一時差止等に関する事務取扱要綱」(以下「要綱」 という。)第 2 条において、「政令に定める特別の事情がないにもかかわらず、保険料 を滞納している世帯主に対しては、短期被保険者証を交付することができる」と規定 している。
また、「要綱」第 3 条において、短期被保険者証の更新時に、滞納保険料の完納又は 滞納保険料の大幅な減少のない限り、納付相談等の後に短期被保険者証を更新して交 付する旨が規定されている。市は、この「要綱」に基づき短期被保険者証を交付して いる。
一方、国民健康保険法及び国民健康保険法施行規則により、特別の事情がないのに 1 年間保険料を滞納した世帯主に対しては、保険証の返還を求めることが義務付けら れている。ここに特別の事情とは、国民健康保険法施行令第 1 条の 3 に限定列挙され た以下の事情をいう。
ⅰ.世帯主がその財産につき災害を受け、又は盗難にかかったこと
ⅱ.世帯主又はその者と生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したこと ⅲ.世帯主がその事業を廃止し、又は休止したこと
市は、「要綱」第 4 条で、上記の特別の事情がある場合又は長期にわたり分納に係る 誓約を誠実に履行している等市長がその必要がないと認める場合には、被保険者証の 返還を求めないことを規定し、運用している。
被保険者証を返還した世帯主に対しては、国民健康保険法施行規則第 6 条の 2 によ り資格証明書を交付することとなる。被保険者が、資格証明書で医療を受けたときは、 病院や診療所の窓口でかかった医療費全額を支払い、後日、市に領収書を添えて請求 し、保険給付分が支給されることになる。被保険者に対し、一時的に資金負担を重く するというペナルティーを課すことによって滞納保険料の納付を促すものである。
資格証明書の交付を受けた世帯主は、滞納保険料の完納若しくは大幅に減少させ今 後滞納保険料の完納が見込まれる等市長が特に必要と認めるとき又は特別の事情のあ るときには、短期被保険者証又は通常の被保険者証の交付を受けることができること となる。
短期被保険者証又は資格証明書の交付の一般的なフローは、【図2−1】のとおりで ある。
また、短期被保険者証及び資格証明書の直近 3 年間の年度末現在における交付実績 は、【表2−9】のとおりである。
【表2−9】証交付実績の年度別推移 (単位:世帯)
うち資格証明書 うち短期被保険者証
年度 被保険者証
世帯数 割合 世帯数 割合
平成 15 年度 152, 453 2, 736 1. 79% 1, 965 1. 29% 平成 16 年度 163, 299 3, 212 2. 00% 2, 655 1. 63% 平成 17 年度 165, 961 3, 577 2. 16% 3, 097 1. 87%
(注)1.保険年金管理課から提出された資料に基づいて作成している。
(注)2.平成 16 年度から美原町合併により美原区域を加えている。
【図2―1】 証交付の流れ
(注)滞納状況によって異なる。
一年以上前の保険料 が未納
短期被保険者証の交 付
被保険者証の交付 保険料の未納
弁明の機会付与通知 書の送付
Y E S
Y E S
特別の事由
NO
完納又は 大幅な減少
NO NO
NO(注)
Y E S
Y E S
Y E S
一部納付及び 分納誓約
被保険者証返還請求
及び被保険者資格証明書 交付通知の送付
長期間 分納誓約履行中
NO
NO Y E S
NO(注)
資格証明書の交付
(監査の結果及び意見)
ア 短期被保険者証・資格証明書の交付基準の明確化について(意見)
干の差が見受けられる。区役所間あるいは担当者によって判断が異なることのないよ う、短期被保険者証の交付対象とする「保険料の滞納」の程度、「大幅な減少」の定 義、「長期にわたる分納誓約の履行」の長期の定義、資格証明書から短期被保険者証 への変更の基準等についてある程度統一した判断基準を規定し、運用することが望ま れる。
また、被保険者証の返還及び資格証明書の交付は、法が求める滞納対策であり、特 別の事情がない限り行う義務がある。滞納保険料を納付させるという趣旨からすれば、 長期にわたり分納誓約を誠実に履行している等、市で被保険者証の返還及び資格証明 書の交付対象外の範囲を拡大することは問題ないと考えられる。ただし、国民健康保 険法第 9 条第 4 項は、滞納期間が 1 年を経過しない場合でも保険者の裁量により資格 証明書の交付を認めている。国民健康保険の主要な財源となる保険料の確保は重要で あること、「1(1)保険料率の決定」に記載のとおり保険料は予定収納率で割戻して 算定されていることから、収納率の低下は納付している被保険者の負担を増加させて いることを重視すれば、国民健康保険事業の運営及び被保険者間の公平性の確保のた めに、資格証明書の交付対象者を必ずしも 1 年以上の滞納に限定する必要もない状況 である。従って、結果として資格証明書の交付対象者となるかはともかく、納付促進 のために滞納期間が 1 年未満でも弁明の機会付与通知書を送付する基準を拡大するこ とは検討の余地がある。
【表2−9】に記載のとおり、資格証明書交付世帯が全体に占める割合は 2%程度 である。資格証明書の交付については、法が求める滞納対策でありながら、各市町村 によって、その取組み及び判断基準には、差が見受けられる状況であり、被保険者が、 資金負担から医療を受けることができなくなることも考えられ、一概に交付率を高め ることが求められるものではない。しかし、短期被保険者証は、納付相談及び指導の 機会確保のために、滞納世帯には積極的に活用することが望まれるものであり、除外 対象も分納誓約の履行や滞納保険料の大幅な減少は含まれず、政令に定める特別の事 情に限定されている。短期被保険者証交付世帯が全体に占める割合は、年々上昇して いるものの、平成 17 年度で 1. 87%である。運用上、完納に至らなくても納付意思や 分納状況で通常の被保険者証を交付されている場合もあるが、滞納対策としてより有 効な制度とするためには、短期被保険者証の交付対象を拡大し、完納に至るよう納付 指導を強化していくことが望まれる。
決裁を受けているが、通常の被保険者証から変更する場合や資格証明書から変更され る場合に、その理由を報告し、担当者の判断の適否について決裁を受けるという仕組 みがない。既に述べたように、具体的な判断基準を規定するとともに、恣意性が介入 していないことや網羅性を客観的に明示できるよう判断の過程や根拠を記録し、定期 的に上長が査閲する仕組みとするとともに、理由別抜取り一覧等を作成し、決裁を受 けることが望ましい。
⑦保険給付の一時差止
(概要)
国民健康保険法及び国民健康保険法施行規則は、保険給付を受けることができる世 帯主が納期限から 1 年 6 ヶ月が経過するまでの間に保険料を納付しない場合において は、特別の事情があると認められる場合を除き、保険給付の全部又は一部の支払を一 時差し止めることを要求しており、滞納期間が 1 年 6 ヶ月に満たない場合でも保険給 付の一時差止ができる旨が規定されている。また、資格証明書の交付を受けている世 帯主に対して、保険給付の一時差止を実施した場合、あらかじめ通知すれば、差し止 めた保険給付の額から滞納保険料を控除することができる旨が規定されている。これ らは、短期被保険者証の交付や被保険者証の返還と同様に、滞納者に対する納付相談 等の機会を確保することにより保険料の納付を促進するために設けられた規定である。
市においても、「要綱」において、一時差止及び一時差止に係る保険給付の額からの 控除を規定している。「要綱」においては、滞納期間が 1 年 6 ヶ月に満たなくても、保 険料の督促、催告又は納付相談等に応じない世帯主、納付に係る誓約を履行しない世 帯主等に対しては保険給付を一時差し止めることができると規定している。
保険年金管理課に質問する限り、資格証明書の交付を受けている被保険者が医療等 を受けた場合の保険給付に際して、特別の事情がある場合を除き、滞納保険料が納付 されない場合は、保険給付額は滞納保険料に充当されることとなっている。また、高 額療養費等の保険給付に際して、滞納保険料の有無を確認し、滞納保険料がある場合 には、世帯主の同意を得た上で充当している。これらにより、滞納保険料の納付の促 進を図っている。
(監査の結果及び意見)
ア 保険給付の一時差止に係る通知について(指摘)
滞納保険料の納付を促進するために、実質的には、一時差止の対象とすべき保険給 付の額から滞納保険料に充当されている。しかしながら、保険給付の一時差止及び一 時差止に係る保険給付の額からの滞納保険料の控除に際し、「要綱」の規定に基づく通 知が行われていないことは合規性に問題がある。また、少なくとも一時差止に係る保 険給付の額から滞納保険料を控除する場合には、あらかじめ書面で世帯主に通知しな ければならないことが国民健康保険法施行規則第 32 条に規定されているが、これに準 拠していない状態である。
実務上、一時差止に関する手続が煩雑であること、実質的には世帯主に通知してい ることは理解できるが、法及び「要綱」が規定している以上、規定に基づく通知の手 続を実施する必要があると考えられる。
⑧延滞金
(概要)
国民健康保険法第 79 条第 3 項は、徴収金を滞納した者に対し、督促をしたときは、 延滞金を徴収することができる旨を規定しており、市は、堺市国民健康保険条例第 19 条第1項において、納期限後に保険料を納付する場合においては、延滞金額を加算し て納付しなければならない旨を規定し、運用している。
延滞金額は、納期限後に納付する保険料が 2, 000 円以上であるときは、当該納期限 の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該保険料に、年 14. 6%(当該納期限の翌日 から 1 月を経過する日までの期間については、年 7. 3%)を乗じた額から 100 円未満 を切り捨てて算定される。ただし、延滞金額が 1, 000 円未満であるときはその全額を 切り捨てることとされている。延滞金額は、1 期分の保険料ごとに計算されるので、 例えば一人当たり保険料(1 期分)の平均 8 千円の場合、納期限後 11 ヶ月経過時に 延滞金額が 1, 000 円を超過し、延滞金が発生することとなる。
また、堺市国民健康保険条例第 19 条第 3 項において、保険料の納付義務者が納期限 までに当該保険料を納付しなかったことにつき、やむを得ない理由があると認めると きは、延滞金額を減免することができる旨が規定されている。堺市国民健康保険条例 施行規則第 11 条の 2 において、「やむを得ない理由」について列記されており、減免 を受けようとする者は当該理由を付した延滞金減免申請書を提出し、認められれば延 滞金が減免される。
【表2−10】延滞金徴収実績の年度別推移 (単位:千円)
年度
納入通知 金額
収入済金額 免除金額 未収額
収納率 (注 3) 平成 16 年度 4, 155 1, 298 1, 351 1, 506 46. 29% 平成 17 年度 5, 482 2, 042 1, 265 2, 175 48. 42%
(注)1.保険年金管理課から提出された資料に基づいて作成している。
(注)2.平成 16 年度から美原町合併により美原区域を加えている。
(注)3.表中の納入通知金額、免除金額及び未収額は、各年度内に処理されたものとして国保特別滞納対策
室が集計したものである。従って、納入通知金額及び免除金額と決算附属明細書上の収入済金額と
は期ずれしている場合があるが、未収額は差引きで算出している。収納率の算定においてもこの影
響を考慮していない。
なお、収納率は以下の算式で算出している。
収入済金額 /(納入通知金額−免除金額)
(注)4.平成 15 年度においては、延滞金にかかる納入通知書の発送及び免除の実績が集計されていないた
め記載を省略した。
(監査の結果及び意見)
ア 延滞金額の算定及び納入通知書の発行について(意見)
延滞金額は、保険料の納付によって確定する。現状の延滞金額算定、納入通知書の 発行のフローは以下のとおりであり、手作業によっている。
ⅰ.納付日ごとに保険年金管理課が、「督促状、催告書による入金世帯リスト」を 出力し、各区役所の保険年金課に配布する。
ⅱ.各区役所の保険年金課の担当者が、当該リストの納付金額、対象年月から、延 滞金が 1, 000 円以上になると想定されるものを手作業で抽出する。この際、分 納誓約に基づく納付及び徴収猶予後の納付については、除外している。 ⅲ.ⅱで抽出した保険料ごとに、全区役所で共通のエクセルシートに納付金額や対
象年月等を入力し、延滞金額を計算する。
ⅳ.計算結果が 1, 000 円以上となったものについて、延滞金納入通知書を作成する。 ⅴ.延滞金納入通知書発行整理簿に必要事項を記入し、各区役所の保険年金課長の
決裁を受けた上で、発行する。
しかし、毎月手作業で計算対象となるものを抽出し、別シートに入力して計算、納入 通知書を作成という作業は、網羅性及び正確性を保証できず、作業的にも効率的とは いえない。
また、堺市国民健康保険条例は、「納期限後に保険料を納付する場合においては、延 滞金額を加算して納付しなければならない」と規定しており、保険料納付時に延滞金 額も同時に納付することを想定している。にもかかわらず、納付の確認後手作業で延 滞金額を算定するという手続上、納付から延滞金納入通知書の発行までに 1 ヶ月以上 要しているケースも見受けられ、延滞金の速やかな回収を阻害している。手続が煩雑 なこともあり、平成 17 年度には、人事異動や休職者の影響により一時的に定期的な管 理・納入通知書の発行ができない区役所も見受けられた。
滞納保険料の納付については、金融機関から連絡を受けるようにし、国民健康保険 システムで、即時に延滞金を算定し、納入通知を行い、同時に回収する等、延滞金が 速やかに回収できる仕組みにすることが望ましい。このような一連の手続が困難とし ても、国民健康保険システムで延滞金を算定し納入通知書を発行できるように改良す ることは、延滞金額の網羅性及び正確性の確保のほか作業の効率性からも重要である。
イ 延滞金の徴収活動について(意見)
延滞金の納入通知書発行後は、各区役所の保険年金課において延滞金納入通知書発 行整理簿上で、納期限、延滞金納付日及び減免処理日を管理している。しかし、納付 又は減免申請されていないものについて、督促等も行われていない。
現状では、延滞金を速やかに納付した被保険者との公平性に欠けるため、納入通知 書を発行し、延滞金を認識したものについては、徴収活動を行うべきである。
ウ 延滞金の管理について(意見)
延滞金については、地方自治法施行令第 154 条及び堺市財務会計規則第 29 条の規定 に基づき、「延滞金、加算金その他性質上納付前に調定することができない収入金」に 該当するものとして、納付後に調定を行っている。この結果、未収総額の把握及び管 理が行われないこととなっている。
さらに、「ア 延滞金額の算定及び納入通知書の発行について」に記載したとおり延 滞金額を国民健康保険システムで算出するようにし、残高管理もできるようにするこ とが望ましい。
エ 延滞金の減免について(意見)
延滞金の減免については、被保険者からの申請に基づき、各区役所の保険年金課長 が決裁することとなっているが、延滞金減免申請書には、減免理由を証明する資料の 添付は求められておらず、減免理由の記載がないのに決裁されているケースも見受け られた。堺市国民健康保険条例施行規則に基づいた適切な決裁であることを客観的に 証明できるよう、申請書は漏れなく記載してもらい、必要な場合は所得の証明や罹災 の証明等を添付して決裁を受けるべきである。
⑨滞納処分
(概要)
滞納処分とは、その財産を差し押さえて換金し、未納の保険料に充てることによっ て納付したこととする行政処分である。滞納処分は、債務者の意思に反して行政権が 強制的に金銭債権を実現する手続であるから、法の規定がなければ実行できない。保 険料については、地方自治法第 231 条の 3 第 3 項により、地方税法の滞納処分の例に より処分することができる旨が規定されており、滞納対策として滞納処分が認められ ている。
具体的には、地方税法第 728 条第 7 項の規定により、財産の差押え、交付要求及び 参加差押えがあり、それぞれ以下に記載の場合に実施することが可能となる。
財産の差押え・・・滞納者が督促状を発した日から起算して 10 日を経過した日ま でに完納しないとき及び繰上徴収の告知によって指定された 納期限までに完納しないとき
交付要求 ・・・滞納者の財産について、公売等の強制換価手続が行われた場合 参加差押え ・・・差押えできる場合で、既に他の地方団体の徴収金等の滞納処分
による差押えがなされている場合
保険料については、「処分できる」と規定されているため、有効であれば市の裁量で 実施できるものである。
平成 17 年度及び平成 18 年度の 8 月末までの滞納処分の実績は、【表2−11】及び 【表2−12】のとおりである。
【表2−11】 平成 17 年度の滞納処分状況 (単位:千円) 配当受領額
種類 件数 滞納保険料
保険料 延滞金
差押 9 件 5, 957
参加差押 13 件 7, 312
交付要求 88 件 33, 538
(注 2)
合計 110 件 46, 809 3, 546 370
(注)1.国保特別滞納対策室から提出された資料に基づいて作成している。
(注)2.平成 17 年度においては、滞納処分の結果受領した額が集計されていない。
(注)3.上記には、最終的に解除したものも含まれている。
【表2−12】 平成 18 年 4 月から 8 月の滞納処分状況 (単位:千円) 配当受領額(注 2)
種類 件数 滞納保険料
保険料 延滞金
差押 4 件 2, 556
参加差押 7 件 4, 514
交付要求(競売) 17 件 7, 707
交付要求(破産) 41 件 19, 290
合計 69 件 34, 069
2, 758 76
(注)1.国保特別滞納対策室から提出された資料に基づいて作成している。
(注)2.配当受領額には、平成 17 年度に滞納処分を実行したものに係るものも含まれている。
(注)3.上記には、最終的に解除したものも含まれている。
(監査の結果及び意見)
ア 滞納処分の活用について(意見)
れており、今後も積極的に活用することが望まれる。
また、滞納処分の実行には各区役所の保険年金課長の決裁を受けているが、その対 象やタイミングについては、各区役所の担当者及び各区役所の保険年金課長の裁量に よっている。滞納処分は、納付する資力があるのに納付しない悪質な滞納を解消させ、 収納率の向上を目指す手段であって、被保険者の生活を困窮させて、一時的な滞納を 解消することが目的ではないと考えられる。従って、高所得滞納世帯や訪問徴収を行 なう中で、多額の財産を保有していることが見込める世帯等から滞納処分の有効な世 帯を選定していく等、戦略や運用基準を策定し、滞納処分をより有効かつ効率的に運 用していくことが望まれる。
なお、平成 17 年度においては、滞納処分に至る経緯、滞納処分実施後の配当や解除 の状況について案件別に管理されていなかったが、平成 18 年度からは、堺市国民健康 保険料滞納処分票(処分履歴票)及び堺市国民健康保険料滞納処分票(未納明細)に よって、交渉経過や処分の内容、配当の実績等を記録することとなっている。個別案 件別には、同票により管理すれば足ると考えられるが、全体としても、配当率の集計 等を行い、滞納処分が有効であったか検証するとともに、どのような場合に滞納処分 とすることが有効かを検討して、上記の戦略や運用基準に反映していくことが望まれ る。
⑩不納欠損
(概要)
国民健康保険法第 110 条は、保険料を徴収する権利は 2 年を経過したときに時効に よって消滅する旨を規定している。従って、様々な滞納対策を行ったにもかかわらず、 収納に至らなかった保険料については、時効の援用を必要とせず、時効が完成する。 ただし、同条第 2 項において、徴収の告知又は督促により時効の中断の効力を生ずる 旨が規定され、民法からの準用により、催告、差押え及び分納による中断や徴収猶予 による時効の停止もあり得る。
時効が完成した保険料については、徴収活動ができないため、決算書上未収債権と して表示することは適当でなく、不納欠損処理を行うこととなる。
中断事由 中断されるとき 中断後の時効進行日 根拠
納付又は納入に 関する告知
納額通知書及び更正決 定通知書の送付
納期限の翌日
地方自治法第 236 条第 4 項 地方税法第 18 条の 2
督促 督促状の送付 指定納期限の翌日
地方自治法第 236 条第 4 項 地方税法第 18 条の 2
交付要求 交付要求通知書の送付
交付要求にかかる保険料の配 当、関係執行機関の執行の終 了又は交付要求の解除の日の 翌日
地方税法第 18 条の 2
請求 納入の催告をしたとき
納入の催告をした翌日
(ただし、6 ヶ月以内に差押
え、交付要求、参加差押えさ れた場合のみ)
民法第 147 条∼第 157 条
差押え、仮差押 え又は仮処分
差押えの効力が生じた とき
滞納処分の終了
又は差押えの解除の日の翌日
民法第 147 条∼第 157 条
承認 徴収猶予申請 徴収猶予申請日の翌日 民法第 147 条∼第 157 条
承認 分納誓約書の提出 分納誓約書の提出日の翌日 民法第 147 条∼第 157 条
承認 一部納付 納付日の翌日 民法第 147 条∼第 157 条
停止事由 停止日 停止期間 根拠
徴収猶予 徴収猶予申請 徴収猶予の期間
国民健康保険法第 77 条 堺市国民健康保険条例第 20 条
不納欠損の年度別推移は【表2−13】のとおりであり、毎年度多額の保険料が不 納欠損処理されている。
【表2−13】不納欠損の年度別推移 (単位:千円)
年度 滞納繰越調定額 不納欠損額 割合
平成 15 年度 8, 273, 630 1, 305, 205 15. 78% 旧堺市 9, 656, 580 1, 482, 476 15. 35%
美原 241, 760 72, 762 30. 10%
平成 16 年度
計 9, 898, 340 1, 555, 238 15. 71% 旧堺市 10, 996, 179 1, 570, 489 14. 28%
美原 262, 521 56, 899 21. 67%
平成 17 年度
計 11, 258, 700 1, 627, 389 14. 45%
(注)1.保険年金管理課から提出された資料に基づいて作成している。
(注)2.割合は不納欠損額を滞納繰越調定額で除して算定している。
(注)3.平成 16 年度の美原区域の滞納繰越調定額は、合併時の過年度分未収額である。
なお、美原区域においては、平成 15 年度に、滞納者の居所不明や死亡等の理由で徴収できない場
合のみを対象に初めて不納欠損処理している。合併後となる平成 16 年度末に、滞納整理台帳の記載
により債権の時効消滅の有無を精査して不納欠損処理しており、割合が高くなっている。
誓約による時効の中断がかなりの件数あるものと推測される。
【表2−14】平成 17 年度不納欠損処理額の内訳 (単位:千円)
発生年度 繰越調定額 不納欠損額 不納欠損割合
平成 10 年度以前 271, 716 88, 826 32. 69% 平成 11 年度 269, 838 81, 251 30. 11% 平成 12 年度 551, 208 144, 252 26. 17% 平成 13 年度 1, 049, 750 260, 140 24. 78% 平成 14 年度 2, 651, 948 1, 052, 918 39. 70% 合計 4, 794, 462 1, 627, 389 33. 94%
(注)1.保険年金管理課から提出された資料に基づいて作成している。
(注)2.不納欠損割合は、繰越調定額に占める不納欠損金額の割合を算出している。
(監査の結果及び意見)
ア 不納欠損処理対象の抽出について(意見)
不納欠損対象の抽出のフローは、以下のとおりである。
ⅰ.保険年金管理課で、国民健康保険システムから不納欠損対象者リストとして出 力し、各区役所の保険年金課に配布する。
ⅱ.各区役所の保険年金課で、分納誓約書綴り、徴収猶予申請書綴りとの照合を行 い、時効中断事由に該当するものを抽出し、時効中断中のリストとして保険年 金管理課に提出する。
ⅲ.不納欠損対象者リスト及び保険年金管理課に提出されたリストを基に、外部の 委託業者が、不納欠損処理されるデータを作成する。
ⅳ.委託業者が作成したデータを各区役所の保険年金課で検証し、保険年金管理課 に結果を報告する。
ⅴ.保険年金管理課で市全体不納欠損について各区の保険年金課長合議のうえ、保 険年金担当部長の決裁を受ける。
(注)平成 18 年度からは、各区役所において総務部長又は区次長の決裁を受ける。
を継続することが公表されている。
【表2−15】過年度における不納欠損処理誤りの状況 (単位:千円)
南区役所 他区役所 計
A 誤って不納欠損した額(注 3) 388, 035 95, 680 483, 716 B 時効到来額
(平成 18 年 3 月 31 日以前)
262, 884 73, 162 336, 047
C 保険料再調定額(注 4) 125, 150 22, 518 147, 669
D Cのうち時効到来額 20, 290 13, 548 33, 839
E Cのうち徴収継続 104, 859 8, 969 113, 829
(注)1.上記は、平成 18 年 12 月 27 日提供の堺市報道提供資料に基づいて作成している。
(注)2.過年度とは、平成 15 年度、平成 16 年度及び平成 17 年度をいう。
(注)3.平成 15 年度及び平成 16 年度の金額は、現存する文書に基づく調査結果である。
(注)4.再調定は、年度の初日(平成 18 年 4 月 1 日)に遡って実施する。しかし、実際の作業は、南区役
所は平成 18 年 10 月 30 日に、その他の区役所では平成 18 年 11 月 28 日に行っている。従って、D
の金額は、実際の作業を行う時点で既に時効が到来しているものを指す。
(注)5.Eの金額は徴収活動を継続するが、平成 18 年度末( 平成 19 年 3 月 31 日) には時効が到来する。
南区役所については、徴収猶予申請及び分納誓約書の提出に係る時効中断を確認し ないで処理を行ったことが誤処理の主因であるが、他の区役所においては、これらの 時効中断の確認が行われているにもかかわらず、書類の見誤り等、チェック機能が不 十分であったことに起因している。当該調査結果を見る限り、平成 14 年度以前におい ても誤って不納欠損処理した額があると想定せざるを得ない。不納欠損対象の選定過 程がどのようなものであるか把握及び検証されないまま決裁してきたことにも問題が あると考えられる。
この問題に対する対応策として、市は、以下の項目を掲げている。 ⅰ.錯誤で不納欠損した保険料の再調定及び徴収努力の継続 ⅱ.資質向上に向けた研修体制の充実と組織のチェック機能の強化 ⅲ.再発防止に向けた電算システムの構築の検討
既に、全区役所の担当者に対して時効中断についての研修を実施する等、再発の防 止に取り組み始めている。しかし、複数人によるチェックや上長のチェック方法等、 具体的なチェック機能の強化方法は未だ検討中である。徴収活動を継続すべき保険料 を不納欠損処理することは、重大な問題であるため、具体的なチェック方法を早急に 規定及び周知して運用する必要がある。
年度分しか管理できず、管理できない未納保険料については、システム外で手書き台 帳により管理している状況である。市が対応策としているように、システムを改良し、 時効中断又は停止要件の登録によって、不納欠損リストが自動作成されるようにする ことも、認識誤りによる誤処理やケアレスミスを防ぐ有効な手段であり、早急に検討 すべきである。
イ 不納欠損処理するタイミングについて(意見)
時効は、期別の保険料ごとに完成し、時効が完成したものは、徴収する権利が消滅 するため、その後徴収活動はできない。市は、時効が完成したものについて、徴収活 動は行っていないが、会計上の不納欠損処理は年度末に一括して行っている。不納欠 損処理は会計上のみの処理であることから、決算書上処理されるように年度末に一括 して行うことには問題はないと考えられる。しかしながら、市は、保険料の発生年度 単位で不納欠損処理する方針であり、以下のように年度の最終の期の保険料の時効が 完成した日の属する事業年度末に不納欠損処理されている。
【図2−2】X年度分保険料の不納欠損処理時期
(注)上図は、分納や徴収猶予のない滞納保険料についてのスケジュールの例示である。
3/ 31 (X +2年)
A
5/ 9
(X +3年) 2年
3/ 31 4/ 1 4/ 28 5/ 9 5/ 10
不 納 欠 損 対 象 抽 出
不 納 欠 損 処 理
X 年
時 効 の 完 成
督
促
指
定
納
期
限
の
翌
日
督 促
督 促 指 定 納 期 限 納
額 通 知
X 年 度 最 終 期 の 納 期 限
納 期 限 の 翌 日
ものは多額と想定される。決算書は市の財政状態を表すものであり、歳入の可能性が ないものを含めて表示し、次年度に繰り越すことは適当ではない。年度末までに時効 が完成しているものは、決算書上、不納欠損処理しておくことが望ましい。
なお、現状では、不納欠損対象の抽出及び確定作業にある程度の期間を要するため、 年度末までに時効が完成している保険料を取り込むことは不可能である。「ア 不納 欠損対象の抽出について」で述べたように国民健康保険システムで時効中断又は停止 の情報を管理できるようにすることにより、その情報の登録時点で検証作業を行って おけば、年度末に適正な不納欠損処理リストの作成を行うことも可能になるものと考 えられる。この点からも国民健康保険システムの改良を検討することが望まれる。
(3)その他
①対象者の把握
(概要)
健康保険、船員保険、各種共済組合等の被用者保険に加入している者及び生活保護 受給者等以外の市内に居住するすべての者が、国民健康保険に加入しなければならな い。国民健康保険の資格取得及び喪失は、いわゆる事実発生主義であり、手続により 被保険者資格が形成されるのではなく、事実の発生によって当然に被保険者となり又 は被保険者でなくなる。この事実の発生を世帯主等に届出をさせることとしている。 しかし、転入、転出、被用者保険への加入及び脱退等があった場合に、当該届出手続 が行われなければ、被保険者であっても登録されず、被保険者でない者が登録され続 けることとなる。
(監査の結果及び意見)
ア 未加入者の把握について(意見)
現状においては、個人情報保護法等の理由より社会保険事務所から社会保険の脱退 情報等を入手することができないため、被用者保険からの異動については本人からの 届出がないとその把握は困難である。また、転入についても、転入者が国民健康保険 加入者かどうかについては、転入者が市民課で転入届を提出した段階では把握されて いない。一方、生活保護廃止については、生活援護課より情報を入手することが可能 であるため、対象者の把握は可能である。なお、転出、死亡、生活保護については、 資格喪失届けを原則とするが、数ヶ月後に市民課、生活援護課等よりデータを入手し、 職権行使により資格喪失登録を行っているとのことである。
については、転入届自体に国民健康保険加入者か否かの項目をつくりデータを共有す べきと考える。また、既に行っている各社会保険事務所を含めた他の保険者に対する 脱退情報の提供要請を引き続き強く行うとともに、国に未加入者の把握が行えるよう な体制を構築するよう強く求めていくべきである。
②被保険者証の現物管理
(概要)
国民健康保険に加入すると、1 世帯に 1 枚被保険者証が交付される。被保険者証の 有効期限は通常 1 年であり、記入されている有効期限が過ぎると被保険者証は無効と なる。
新規発行分について、通常は国民健康保険被保険者証交付簿に発送日を記入し配達 記録郵便により随時送付するが、更新分については年に 1 度一斉更新を行うため国民 健康保険被保険者証更新リストを出力し、各被保険者に保険者証を配達記録郵便によ り一斉に送付する。しかし、居所不明等により返送されるものも多く、返送された被 保険者証については区役所において保管している。
(監査の結果及び意見)
ア 被保険者証の交付及び返送に係る業務マニュアルの整備について(意見)
区役所において交付された被保険者証は、国民健康保険被保険者証交付簿又は国民 健康保険被保険者証更新リストに記載されるとともに、国民健康保険システムに被保 険者証交付の有無が入力される。また、返送された被保険者証については、国民健康 保険被保険者証交付簿又は国民健康保険被保険者証更新リストに返送の消込が行われ る。しかしながら、返送された被保険者証の消込手続について、更新リストに返送の 消込が行われていない区役所や別途郵送返戻簿を作成して管理している区役所等、各 区役所で相違しており統一されていなかった。
国民健康保険事務処理マニュアルには、被保険者証の郵便による交付についてのみ 記載があるが、窓口交付及び返送された被保険者証の取扱については記載がない。被 保険者証の交付及び返送に係る処理についてマニュアル整備を行い、全区役所におい て統一した処理を行う必要がある。
イ 被保険者証(返送分)の残高管理について(意見)
ない。すなわち、現状において区役所にて保管されている被保険者証の枚数、及び被 保険者名等を即座に把握できない状況である。