浦 情 個 第 1 1 号 平成 22 年8月 11 日
浦安市長 松崎 秀樹 様
浦安市情報公開・個人情報保護審査会 会 長 髙 木 徹
浦安市情報公開条例第 19 条の規定に基づく諮問について(答申)
平成 22 年4月 23 日付け浦契第 40 号による下記の諮問(第 23 号)について、別紙 のとおり答申します。
記
「平成 21 年 11 月5日∼同年 12 月4日までの1ヶ月間、有限会社○ ○ を指名停止 するに至った会議録、又はそれに類するもの」の不開示決定に対する異議申立てにつ いての諮問
諮問第 23 号 別紙
答 申
第1 審査会の結論
浦安市長(以下「実施機関」という。)が、平成 21 年 12 月 14 日付け浦契第 748 号で、異議申立人に通知した公文書不開示決定処分は、別表に掲げる部分を除 き、その他の部分については開示すべきである。
第2 本件事案の経緯
諮問に至る経過は次のとおりである。
1 開示請求
異議申立人は、平成 21 年 12 月2日、浦安市情報公開条例(平成 13 年条例第 3号。以下「条例」という。)第5条の規定により実施機関に対し、平成 21 年 11 月5日∼同年 12 月4日までの1ヶ月間、有限会社○ ○ を指名停止するに至っ た 会議 録、又 はそれに 類す るもの (以下「 対象 公文書 」という 。) の開示 の請 求(以下「本件請求」という。)をした。
2 不開示決定
実 施機 関は 、本 件請求 に係 る公 文書 が条例 第7 条第 6号 の「実 施機 関が 行う 事 務又 は事業 に関する 情報 であっ て、公に する ことに より、当 該事 務又は 事業 の 性質 上、当 該事務又 は事 業の適 正な遂行 に支 障を及 ぼすおそ れが あるも の」 に 該当 すると して、不 開示 決定処 分(以下 「本 件処分 」という 。) を行い 、そ の旨を平成 21 年 12 月 14 日付け浦契第 748 号で異議申立人に通知した。
3 異議申立て
異議申立人は、平成 22 年1月8日、本件処分を不服として実施機関に対し、 行政不服審査法(昭和 37 年法律第 160 号)に基づく異議申立てを行った。
4 諮問
実施機関は、条例第 19 条第1項の規定により平成 22 年4月 23 日付け浦契第 40 号で当審査会に諮問した。
第3 異議申立人の主張趣旨
異 議申立書 、意見 書及び 口頭意見 陳述に よる主 張の要旨 は、次 のとお りである。
1 異議申立ての趣旨
異議申立ての趣旨は、本件処分の取消しを求めるというものである。
2 異議申立ての理由
( 1) 異議申立人は、「平成 21 年8月 20 日及び9月9日における異議申立人の 行為が市の事務を混乱させた。」という理由で、同年 11 月5日に1ヶ月間の 指名停止措置を受けたが、この理由は納得できず、当該指名停止措置に至った 過程を知ることは当然の権利である。
( 2) 実施機関は、条例第7条第6号「実施機関が行う事務又は事業に関する情 報であって、公にすることにより、当該事務又は事業の性質上、当該事務又は 事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」に該当するとしているが、 一体どのような支障を及ぼすというのか異議申立人に対し納得のできる説明を すべきである。
( 3) 「委員やその家族への嫌がらせ、脅迫、暴行等の不正に行われるおそれが 生じる」ということが実施機関の不開示理由の一つになっているが、異議申立 人は、個々の委員名を知りたいという考えは持っていないし、開示することに より、なぜ委員やその家族への嫌がらせ、脅迫、暴行等の不正が予想できるの か。この理由には納得できない。
( 4) 実施機関が、同号及び同条第5号に該当するとして不開示にすることで、 市民に行政への不信感を抱かせることになる。市政の透明性を図るという観点 から開示すべきでないかと考える。
( 5) 実施機関が条例第7条第3号の法人情報に該当するとしていることについ ては、おそらく対象公文書に記載される法人情報は異議申立人本人のもののみ ではないかと思うところであり、他の法人の情報が記載されていないというの であれば、不開示の理由には当たらないのではないかと思う。
第4 実施機関の説明趣旨
異議申立てに対する実施機関の説明の要旨は、次のとおりである。
対象公文書は「平成 21 年度第 14 回指名審査会議事録」である。
訓令に基づき、指名業者の選定や指名競争入札参加資格者の指名停止などを審査 する合議制の機関である。この会議は非公開の場で行われ、委員が公正中立な立 場から自由かつ率直に討議を行っている。この会議における会議録等が公開され て審議の具体的内容が公になれば、個々の委員やその家族等に対して嫌がらせ、 脅迫、暴行等が不正に行われるおそれが生じるなど、審議過程における委員の自 由かつ率直な意見の交換と意思決定の中立性が妨げられ、また正確な審議がなさ れないなどの弊害が予想される。
加えて、当該審査会は、広範に亘る様々な情報をもとに総合的に勘案して判断 しており、審議途中の未成熟な情報や検討過程の一部のみが断片的に公になった 場合、当該審査会の正当性、又は事業者の評価等について誤解と混乱を招きかね ない。これらのことに鑑みると、会議録を公にすることにより、当該審査会の事 務の遂行に支障を及ぼすおそれが高い。
以上のことから条例第7条第6号に該当するものである。
また補完的に、同条第5号において「公にすることで外部からの圧力や干渉等 の影響を受けることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当 に損なわれるおそれ及び事実関係の確認が不十分な情報などを公にすることによ り、市民の誤解や憶測を招き、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ」があ る場合、さらに同条第3号において「法人等に関する情報であって、公にするこ とにより、当該法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれ」 がある場合にも該当するという総合的な判断をしているものである。
第5 審査会の判断
審査会は、異議申立人の意見及び実施機関の説明により検討した結果、以下のよ うに判断する。
1 対象公文書の条例第7条各号の該当性について
第4に記載したように、実施機関が条例第7条の第3号、第5号及び第6号に 該当するとして対象公文書の全部が不開示に当たると主張していることから、当 審査会において対象公文書の内容を見分し、その主張の当否について確認した。 対象公文書は、指名停止となった事業者が行った行為や当該事業者が市に通報 した情報及び指名停止措置が決定されるまでの委員の意見などの審査経過などが 主な内容となっており、対象公文書には事実関係の確認に至っていない情報や審 査途中段階における委員の意見などが記載されている。
( 1) 条例第7条第6号該当性について
まず実施機関が、条例第7条第6号に該当する理由に挙げている「個々の委 員 やそ の家 族等 に対し て嫌 がら せ、 脅迫、 暴行 等が 不正 に行わ れる おそ れな ど」については、本件事案の場合、単に抽象的な危険に過ぎず、このような具 体性を欠く理由をもって不開示の理由とすることはできない。
次に「審議途中の未成熟な情報や検討過程の一部のみが断片的に公になった 場合」の危険性を理由に挙げているが、対象公文書が本件事案の全部なので、 この文書全体が明らかになれば、断片的とはいえず問題はないと判断する。
(2) 条例第7条第5号該当性について
指名審査会が指名停止という事業者にとって不利益措置を決めるという役割 を果たしていることから、このような会議録が情報公開制度により一般的に開 示されるということになると、今後の会議において、委員の率直な意見表明や、 自由闊達な意見交換による議論を困難にするおそれがあり、一般的には条例第 7条第5号に該当すると判断することができる。
( 3) 条例第7条第2号及び第3号該当性について
対 象公 文書 には、 異 議申 立人 以 外の法 人 及び 異議 申 立人の 代 表取 締役 以外 個人の情報が記載されている。これらの法人及び個人の情報が開示されるとそ れらの者の権利、利益が害されるおそれがあるので、条例第7条第2号及び第 3号に該当し、不開示とされるべきである。
2 本件異議申立てに対する判断
当審査会は、1の( 2) に記載したように、対象公文書について本来は、条例第 7条第5号に該当するものとして一般的には開示になじまない性質を有する公文 書といえるが、本件については以下の事情を考慮すべきである。
本件事案に関わる指名停止の措置をした際の異議申立人への処分理由の提示が 極めて不十分であること、本件請求に対する実施機関の通知書に記載された不開 示の理由についても、条例第 11 条第3項後段に定める要件を充足しない極めて 不十分なものであったと断ぜざるをえないこと。以上の事実を踏まえ、当審査会 は、今回の異議申立人が指名停止の措置を受けた当事者であり、指名停止を受け た理由を知る必要が強く、対象公文書の開示を求める利益と対象公文書を開示し た場合の実施機関の不利益とを比較衛量したとき、本件においては当事者である 異議申立人の対象公文書の開示を求める利益の方が優先されると判断するもので ある。また、前記のとおり他の法人及び個人の情報に配慮し、これらの情報は不 開示とする必要がある。
以上のとおり、本件事案に係る特別の事情を踏まえ、異議申立人が本件処分の 当事者であることを考慮した上で、処分理由には直結せず、かつ指名審査会にお ける活発な議論や自由な意見交換を疎外するおそれのある別表記載の部分を除い て、対象公文書の開示を許すべき事案であると判断するものである。
3 結論
以上の検討により、冒頭の「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
別表
不開示部分の表示
1.異議申立人及び異議申立人代表取締役である○ ○ 氏を除く他の法人及び個人の表 示。但し、1枚目事務局の説明中レンジャー課の課長名は開示。
2.1枚目 19 行目から 23 行目まで。 3.2枚目 10 行目から 20 行目まで。