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仮称高洲地区公民館複合施設建設工事(高洲五丁目) 工事監査|浦安市公式サイト

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(1)

浦 監 第 1 4 4 号 平成 22 年 3月 26 日

浦安市監査委員 杉 山 元 三 同 黒 田 レイ子

同 秋 葉 要

平成 21 年度工事監査の結果報告の公表について

地方自治法第 199 条第5項の規定により実施した工事監査の結果の報告を 決定したので、同条第9項の規定により別紙のとおり公表します。

(2)

平成 21 年度工事監査の結果報告書

1.監査対象工事

仮称高洲地区公民館複合施設建設工事(高洲五丁目)

2.監査対象部課

生涯学習部 生涯学習課 財務部 契約課、営繕課

3.監査の実施日

平成 21 年 12 月 22 日( 火)

4.監査の観点及び方法

仮称高洲地区公民館複合施設建設工事(高洲五丁目)について、計画・設 計・積算・契約・工事監理・施工・環境保全等が適正かつ効率的に行われて いるかを主眼に関係資料の提出を求め書類を調査するとともに、各担当者か ら説明を聴取し、また、工事現場において施工状況等の調査を行った。

なお、工事監査は、工事技術に関する専門的知識を必要とするため、特定 非営利活動法人建設技術監査センターと工事技術監査業務委託を締結し、技 術士の派遣を求め実施した。

5.工事の概要

「平成 21 年度工事監査技術調査業務報告書」のとおり。

6.工事監査結果

仮称高洲地区公民館複合施設建設工事(高洲五丁目)は、適正に行われて いると認められた。

工事監査の詳細については、別紙「平成 21 年度工事監査技術調査業務報告 書」のとおりである。

(3)

平成 21 年度

工事監査技術調査業務

報告書

調査実施日:平成 21 年 12 月 22 日

特定非営利活動法人 建設技術監査センター

(4)

目 次

はじめに ・・・2

Ⅰ.工事監査技術調査業務の概要 ・・・2

Ⅱ.工事監査技術調査業務の実施要領 ・・・4

Ⅲ.工事監査技術調査業務の実施結果

1.計画 ・・・6

2.設計 ・・・7

3.積算 ・・・10

4.契約 ・・・11

5.施工計画及び工事監理 ・・・12

6.各種検査、材料試験等の実施状況 ・・・14

7.環境保全 ・・・14

Ⅳ.総合評価と提言・推奨事項

1.工事技術調査の総合評価 ・・・15

2.提言事項 ・・・16

3.推奨事項 ・・・16

おわりに ・・・18

(5)

はじめに

本報告書は、平成 21 年 12 月 22 日に行われた仮称高洲地区公民館複合施設 建設工事に係る技術調査業務の結果について取りまとめたものである。

本工事の概要と調査実施概要について述べた後、調査結果と所見を述べる。 調査は建築、土木、安全、環境を専門とする2人の技術士が専門技術者の立 場と市民の目線を重視して実施した。

Ⅰ.工事監査技術調査業務の概要 1 . 対 象 工 事 名 称

仮称高洲地区公民館複合施設建設工事(建築、電気設備、機械設備)

2 . 調 査 実 施 日

平 成 21年12月22日 ( 火 )

3 . 調 査 場 所

浦 安 市 立 高洲小学校図書室 及 び 当 該 工 事 現 場

4 . 監 査 執 行 者

代 表 監 査 委 員 杉 山 元 三 監 査 委 員 黒田 レイ子 監 査 委 員 秋葉 要

5 . 調 査 立 会 者

監 査 委 員 事 務 局 事 務 局 長 小 林 唯 紀 主 幹 宮 木 規 男 副 主 幹 岡 本 佳 久 主 査 髙 山 惠 子 主 事 宮 崎 恵 子

6 . 業 務 実 施 技 術 士

特 定 非 営 利 活 動 法 人 建 設 技 術 監 査 セ ン タ ー

佐伯 勲 技術士(建設、総合技術監理部門)、 一級建築士、一級土木施工管理技士

鈴木 幸造 技術士(建設部門)、二級造園施工管理技士

(6)

7.出席者・説明者

対象部課:生涯学習部

部 長 押尾 照明

次 長 石川 豪三

生涯学習課 課 長 斎藤 裕子 同 副 主 幹 熱 海 寿 雄 同 副 主 査 斉藤 恭一 関係部課:財 務 部

契 約 課 課 長 露木 智広 工事契約係長 峯村 孝弘 営 繕 課 課 長 海老澤 伸夫

営繕係長 村岡 健 副 主 査 丸山 愛

関係事業者:株式会社栗生総合計画事務所 岩佐 達雄

同 石川 典貴

株式会社中田捷夫研究室 中田 捷夫

同 常川 重樹

株式会社テクノ工営 田伏 健寿

同 釜 直樹

株式会社淺沼組(建築) 佐藤 健郎

同 佐々木 伸弘

大成温調株式会社( 機械設備) 梁取 勝

同 仲島 貞光

同 藤原 洋一

株式会社TAKイーヴァック 岳尾 和典

同 橋本 弘信

8.工事概要

工事場所 浦安市高洲五丁目11番地6及び11 工 期 平成20年12月16日∼平成22年2月28日 工事内容 建築・電気設備・機械設備工事

敷地面積 4, 400. 08㎡ 建築面積 2, 450. 12㎡ 延床面積 7, 005. 76㎡

規模・構造 地 上 3 階 ・ 地 下 1 階 S 造 ・ 一 部 S R C 造

(7)

Ⅱ 工事監査技術調査業務の実施要領

技術調査は、工事関係者(発注者、設計者、工事監理者、施工業者)との 面談・質疑応答及び工事現場の施工状況の確認により行った。調査内容は、 下記の2項目である。

○ 工事関係者との面談、工事関係書類及び工事施工状況の確認

○ 計画、設計、積算、契約、施工、検査等が適正かつ効率的に行われて いるか否か、及び工事の監理状況の確認

1.調査基本方針

(1)浦安市の「工事監査技術調査業務委託仕様書」に基づき、技術面を 中心に調査を行い、設計・施工等に関する意見具申及び調査の結果に ついての報告を行う。

(2)工事関係者との面談や工事関係書類及び工事施工状況を確認し、工 事における計画、設計、積算、契約、施工、検査等が適切であるか否 かを調査する。また、最近、社会的問題になっている安全・環境保全 についても調査を行う。

(3)事前に示された資料を基に技術士が質問書を作成し、工事関係者か らの回答を確認しながら工事監査技術調査を進める。

2.調査内容

工事技術調査の具体的内容は以下のとおりである。

(1)計 画 :基本計画、工事概要、計画留意事項、工期の設定、関 係者・地元との説明・協議、バリアフリーの対応等

(2)設 計 :適用する設計基準の書類名、特記仕様書及び設計図書、 構造計算、地質調査報告、設計変更等

(3)積 算 :適用積算基準の書類名、工事の積算・見積、VE提案

(4)契 約 :工事請負契約、業者選定資料、落札率等

(5)施 工 ・ 監 理 :諸官庁への届出、施工計画、作業手順、施工体制台帳、 施工図、下請通知、安全衛生管理体制書類、関連工事 との連絡調整、工事監理記録、記録写真、日報等

(6)検 査 ・ 試 験 :材料・試験検査等の記録等

(7)環 境 保 全 :設計・施工時の環境保全対策(騒音・振動、廃棄物処 理、有害物質等)

(8)

3.主な調査資料名

(1)工事の経緯説明書

(2)基本設計説明資料

(3)設計図書一式(設計図、特記仕様書)

(4)構造計算書

(5)地質調査報告書

(6)契約関係書類

(7)積算関係書類、単価作成基準

(8)工事工程表

(9)施工計画書(総合施工、仮設、各工程―杭打ち・屋根・鉄筋・型枠・コ ンクリート・内装・電気設備・給排水衛生設備・空調換気設備)

(10)施工体制台帳(施工体系図)

(11)定例打合せ会議記録

(12)安全管理書類(統括安全衛生管理組織表、安全管理計画書、安全協議会 記録、安全巡回点検表等)

(13)品質管理簿(基礎杭、コンクリート、鉄筋、鉄骨、各種材料)

(14)試験・検査記録

(15)産業廃棄物関係書類

(16)工事記録写真等

4.技術調査進行状況

場 所:浦 安 市 立 高洲小学校図書室 及び工事現場 日 時:平成 22 年 12 月 22 日(火)

午前9時 30 分∼午前 12 時 00 分 出席者紹介・書面審査 午後1時 20 分∼午 後 2 時 30 分 書類審査・現場確認 午後2時 40 分∼午 後 3 時 00 分 監査委員・技術士打合せ 午後3時 10 分∼午 後 3 時 40 分 所見・講評

(9)

Ⅲ 技術調査業務実施結果

1.計画

(1)建設の目的

公民館については、地域の生涯学習の拠点として、概ね中学校区ごと に整備を進めてきている。高洲地区については、付近に“ 日の出公民館” や“ 富岡公民館” があるが、住宅開発により人口が増加していることか ら、七つ目の公民館を整備することとした。

(2)建設の経緯

本施設は、平成 18 年2月に策定された第3次実施計画の中で重点施策 に関連した事業として位置づけられ、以降、計画の具体化に向けた検討 を進めてきた。平成 19 年7月には、基本構想・基本計画を策定し、平成 20 年2月に基本設計、9月には実施設計を実施した。

(3)市民や関係機関との協議

計画段階で、公民館の利用状況の整理や公民館職員からの聞き取り、 地域住民に対するアンケート調査や住民説明会、グループインタビュー などを実施した。また、庁内に検討委員会を設置するとともに、高洲地 区で必要とされている機能や地域の課題について全部局に意向調査を実 施し、計画に反映した。

(4)バリアフリー対策

エレベーターやサイン、スロープ、地下に専用駐車スペース設置によ り障がい者の移動を容易にしている。また、身障者用のトイレも各階ご とに設置してある。平成 18 年 12 月、“ どこでも、誰でも、自由に、使い やすく” というユニバーサルデザインの考えに基づく「高齢者、障害者等 の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)」が施行され たが、それに則った計画といえる。

(5)周辺環境への配慮

公園や小学校との連続性を意識し、建物全体を低層にし、それらと連 続する広場空間になるようにした。

(10)

(6)工程計画

本来、早く着工する計画であったが、建築確認に予定より期間がかか り工事着手が遅くなってしまった。工期を 1 ヶ月延伸して来年3月末の 完成で工期を変更する予定にある。

2.設計

(1)設計基準等の整備状況及びその運用

適用された主な設計基準等は以下のとおりであり、適切に運用されて いた。

① 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

② 公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)

③ 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)

④ 鉄骨鉄筋コンクリート構造計算基準

⑤ 鉄筋コンクリート構造計算基準

⑥ 建築鋼構造設計基準

⑦ 建築物の構造関係技術基準解説書

⑧ 建築設備計画基準

⑨ 建築設備設計基準

⑩ 官庁施設の総合耐震計画基準

⑪ 千葉県福祉のまちづくり条例・同施行規則

( 2 ) 設 計 全 般

特記仕様書及び設計図とも工程ごとに整備され、その正確性や理解度 に問題はなく、必要工種の計上も各種工程にわたり、もれなく計上され ていた。ただし、建築工事の特記仕様書の技術者の欄において、建築工 事と直接、関係がない技術者に○ 印があった。(提言事項参照)

また、地質調査が全体的には詳細になされていたが、基礎杭の支持層 の貫入深さと関係して、試験杭や地質調査を活かすことが望まれた。(提 言事項参照)

( 3 ) 耐震関連等

本建物は、災害時に人命及び物品の安全性確保が特に必要な施設であ るため、「官庁施設の総合耐震計画基準及び同解説」等に則り、耐震安 全性等は以下のとおりであった。

(11)

① 構造体の耐震安全性 Ⅱ類( 重要度係数 1. 25) ② 非構造体の耐震安全性 B類

③ 設備機器 乙類

な お 、確 認 申 請 は 千 葉 県 県 土 整 備 部 建 築 指 導 課 建 築 審 査 室 で 、 構 造 計 算 適 合 性 判 定 は ( 財 ) 日 本 建 築 セ ン タ ー で 実施した。

(4)将来の維持管理

自然換気を容易に行うことのできるよう配慮し、外壁カーテンウォー ルを複層ガラス、さらに西側には Low- E ガラスを採用し、太陽光による 室内への熱取得を抑え、冷房コストを低減させている。また、屋上緑化 により屋根からの熱取得を抑えている。

さらに、太陽光発電設備(別工事)を設けることで、電力消費の一部 を負担している。

機器類としては、照明はランプ種類を可能な限り低減し、室内換気機 器として全熱交換器を採用して空調負荷を低減(維持管理費低減)する ようにしている。

(5)建築

公民館、図書館、児童館等が効果的に配置されていた。構造的には、 地下はSRC構造にして地上階は構造合理性、コスト、耐震性等から考 慮して軽量のS構造にした。また、外壁や屋上緑化等により、省エネル ギーに配慮されていた。

主な具体的事項は、以下のとおりである。

① 各室等の配置

地下に駐車場及び防音の必要な音楽室を、1階に利用のしやすさに 対応した施設(公民館の一部、図書館、児童館等)を中心に配置して、 利用者が集まりやすい工夫を行っている。2階に公民館主要室を、3 階には屋上との一体利用を考えた和室を配置している。

平面的には、交流空間を中心として各サービス部門が顔を出す配置 とし、管理部門は1階中央に配置して分かりやすくしている。

また、避難については、テラス及び直通階段を配置し、円滑に避難 階及び最終退出口へ避難できる設計とした。特に、避難階である1階 に2方向の大きなエントランスを確保して避難を容易にした。

② シックハウス対策

内装や造作家具の仕上材、下地材、接着剤等はすべてF☆☆☆☆

(ゼロまたは低VOC材料)とし、居室には機械換気設備を設けた。

(12)

③ 基礎杭

本工事に使用した工法は、中堀拡大根固め工法で、住宅地で夜間作 業が難しいため施行途中で止められる点や、敷地周辺での実績がある ことから選定した。

使用杭は、主に既製コンクリート杭であるが、上の杭には大きな曲 げモーメントやせん断力が作用するため、強度が大きいSC杭を採用 し、下部の杭は通常のPHC杭に分けている。

基礎杭の支持層の貫入深さは杭径の2倍以上としていたが、それ以 上に貫入しているものが見受けられた。試験杭や地質調査を活かすこ とが望まれた。(提言事項参照)

④ エレベーター

平成 21 年9月 28 日に施行された改正建築基準法では、エレベータ ーにはP波感知付き管制装置や戸開走行保護を義務付けている。

設計時では、従来タイプのものであったが、設計変更で新基準対応 のエレベーターにしたとのことであった。

⑤ クライミングウォール

本施設に児童館、正面に小学校があることにより、不使用時の厳重 な施錠等、事故防止策に留意すべきと思われる。

(6)電気設備

電気設備においては、施設の特性を考慮し、省資源、省エネルギー化 などによる環境への配慮のほか、保守管理の容易性や施設の情報化及び 防犯対策や耐震にも配慮し適切な設計及び材料・機器選定がなされてい る。また、別途関連工事として太陽光発電システムの導入が予定されて いる。

主な具体的事項は、以下のとおりである。

① 照明器具は高効率の Hf 型や屋外には LED 型を採用するほか、一時使 用室には人感センサーを取り付けている。

また、電線は再資源化しやすいエコタイプのケーブルを選定し、省 資源、省エネルギー化が図られている。

② 高い位置にある照明設備は、寿命の長いエバーライトを採用してお り、併せて自動昇降機能を採用している。

③ 施設の防犯対策としてカメラによるモニター監視及び夜間には機械 警備なども併せて計画されている。

④ 耐震性については国土交通省の「建築設備耐震設計・施工指針 2005 年版」に準拠して設計されている。

(13)

(7)機械設備

機械設備においては、施設の特性を考慮し、省資源、省エネルギー化 などにより環境への配慮のほか保守管理の容易性や耐腐食性、耐震性等 も配慮し適切な設計及び機器・材料の選定がなされている。

主な具体的事項は、以下のとおりである。

① 給水系統には節水器具を採用するほか、給水ポンプはインバーター 制御を採用し省資源、省エネルギー化を図っている。また、ハンディ キャップ者や幼児の対策として、衛生設備が配慮されている。

② 空調システムは基本設計において、施設の使用特性や周辺環境にも 配慮した方式が選定されている。

③ 保守点検が容易に出来るように、空調機器や換気機器等は、カセッ ト型を基本とし、メンテナンスが考慮されている。

④ 耐腐食性を考慮した配管材料が採用され、耐震性については国土交 通省の「建築設備耐震設計・施工指針 2005 年版」の耐震設計・施工指 針に準拠して設計されている。

3.積算

(1)準拠した基準等

積算は、最新版の公共建築工事積算基準や下記のもの等に準拠するほ か、掲載されていないものについては、下記の建設物価、積算資料、建 築コスト情報などの刊行物の最新版に準拠して積算している。

なお、見積は3社以上徴集し最低額を採用した。

① 国土交通省建築工事積算基準

国土交通省建築工事積算基準の解説(建築工事編) 国土交通省建築工事積算基準の解説(設備工事編)

② 建築工事・電気設備工事・機械設備工事の県単価

(千葉県県土整備部営繕課)

③ 建築数量積算基準・同解説

④ その他

建設物価、積算資料、建築コスト情報、建築施工単価等

(2)積算価格の妥当性の検討

積算のチェックについては、設計委託会社の成果品として提出された 図面、積算内訳書、数量調書などを照合により、担当者及び上司がチェ ックしていた。

(14)

(3)コスト縮減策

設計時には構造形式を鉄骨純ラーメン構造と単純化することで、鉄骨 製作コストを削減し、基礎杭において、打設本数を減らすために大口径 杭を採用した。

施工時には地下外壁をケイ酸質系塗膜防水から、無機質セメント増殖 材防水に変更し地下2重壁 CB を一部中止した。

(4)グリーン購入

建築及び機械設備工事では国等による環境物品等の推進等に関する法 律(グリーン購入法)により、環境負荷を低減できる材料を選定するよ うに努めることを設計図書で明記していた。電気設備では設計図書にお いて、特定調達品目として「照明制御システム」「変圧器」を指定してい た。

(5)再生材の利用

建築では砕石の再生材使用、機械設備では排水管に RF- VP(リサイクル 硬質塩化ビニル管)を指定している。

4.契約

(1)契約手続き

① 設計・工事監理

基本構想・基本計画策定業務については、プロポーザル方式により事 業者を選定した。基本設計、実施設計業務及び工事監理業務は、基本 構想・基本計画策定業務を契約した業者と随意契約にした。

② 工事

市の内部規定があり、それに則り実施し、各工事とも一般競争入札 とした。参加申し込み業者数は、建築7社、電気設備5社、機械設備 4社であった。

③ 予定金額、契約金額、落札率(税込み) (単位:円)

契約件名 予定金額 A 契約金額 B 落札率( B/A)

基本構想・計画策定業務 5, 250, 000 4, 725, 000 90. 0% 基本設計業務 23, 940, 000 23, 730, 000 99. 1% 実施設計業務 55, 869, 450 55, 869, 450 100. 0%

(15)

建築工事 1, 979, 063, 100 1, 701, 000, 000 85. 9% 電気設備工事 324, 660, 000 251, 685, 000 77. 5% 機械設備工事 457, 606, 800 447, 300, 000 97. 7% 太陽光発電設備工事 18, 424, 350 15, 660, 070 85. 0% 工事監理業務 32, 361, 000 32, 340, 000 99. 9%

(2)契約書類の整備状況

契約に関する必要書類は、適正に完備していることを確認した。 契約に関するファイルの提示があり、工事請負契約書、工事着工届、 工事工程表、監理技術者等選任通知書等を確認し適正であった。

5.施工計画及び工事監理

(1)施工計画書の整備

総合施工計画書及び各種工程ごと(建築、電気設備、機械設備等) の施

工計画書が作成され、施工方法、品質計画、安全対策等が記載され、フ ァイルごとに整備されていた。

(2)安全衛生管理

現場代理人は、安全管理の重要性を十分認識し、労働基準監督署への 手続き、安全管理体制、新規入場者の教育、仮設工の設置、作業員の健 康管理、特に熱中症対策、下請業者への指導等を適切に行っていた。

関係者間の協議体制の計画は、安全衛生委員会等で作成し、協議の実 施状況や議事録等を確認した。また、工事現場の巡回・点検については、 現場代理人が責任者として日誌を記録している。

(3)現場書類の整備状況

下記の書類を確認した結果、整備されていた。

・工事記録写真、工事記録、定例会議議事録

・主な申請書、届出書

・工事所安全衛生管理組織表、施工体系図

・緊急時の管理組織及び連絡体制

・安全衛生協議会の開催状況

・統括安全衛生責任者、元方安全衛生管理者の現場巡視状況

・安全衛生環境協議会の毎月の開催状況

(16)

(4)工期関連

① 工期の設定・管理

工期については前述のとおり設定し、また、各工事とも工程表によ り管理されていた。

② 進捗状況

11 月 末 段 階 の 各 工 事 の 実 行 進 捗 度 は 下 記 の と お り で あ り 、 予 定 進 捗度より遅れていたが、今後の努力で挽回可能とのことであった。

・建築工事 61.6%

・電気設備工事 7.7%

・機械設備工事 9.3%

(5)設計書と施工状況との対比及び工事監理

下記のとおり、工事監理書類は整備されており、設計書と施工状況 を対比しても適正な工事監理がなされていることが確認された。

① 監理上の重点事項

躯体工事が終了するまで隠蔽工事に関し、確認をこまめに実施する ことを重点としている。

② 工事監理状況

各工程について検査や材料承認等の工事監理が適正になされており 記録は「工事監理記録簿」ファイルで確認した。

③ 施工計画書の整備

工種ごとに整備されファイルされていた。施工計画書については、 指導し、その後の修正を確認して受理している。

④ 工事関係者間の調整及び意思疎通

市関係者や工事監理者を含め、週1回定例会議で打合わせていること を確認した。そのうち月1回は月間工程の確認を行っている。

なお、定例会議後、各工種別に分科会を開催している。

⑤ 杭の施工

施工時には、杭先端の土を回収し支持層を確認しており、また、削 孔機の負荷等により適正に行われていた。

杭の垂直度の確認については、施工計画に記述された手順により 直角2方向からトランシットにより垂直精度を確認しながら施工して おり、適正に行われていた。

(17)

6.各種検査、材料試験等の実施状況

(1)使用材料の品質・規格

使用材料については「使用材料承諾願」を添付し、指示承認されてい る。書類は品質管理ファイルの提示を受け確認できた。

(2)各種検査、材料試験等の実施

各種検査、材料試験等が承認済の施工計画書に従って、適正に実施さ れていることを確認した。

① 試験・検査の実施

試験検査承認願い及び立会検査報告書にて確認した。特に、不合格 等の不具合は発生していないとの説明を受けた。

② 試験・検査の実施要領、チェックリスト等

事前に提出される施工計画書に記載されている試験方法・検査方法 と照合し、立会検査にて確認している。不具合があった場合は、再検 査又は検査結果報告書に添付される是正写真にて確認をしている。

各工事とも試験及び検査の実施要領書を含む施工計画書の作成を行 っており、チェックリストは施工計画書に添付している。

7.環境保全

施工中の周辺環境への配慮、廃棄物処理や環境基準関係書類の整備状況 などを中心に調査し、良好であることを確認した。主な確認事項は、以下 のとおりである。

(1)施工中における周辺環境への配慮

① 近隣の安全のため誘導員を配置し注意を払っている。

② 塵埃飛散防止のためシートなど使用している。

③ 周辺道路の清掃などに努めている。(毎朝 10 分間)

④ 付近マンションとの協定を締結し、また、事前説明にても対応した との説明があった。

⑤ 工事の問い合わせはあるが、特に苦情など問題にはなっていないと の説明を受けた。

(2)建設リサイクル関連

塩ビリサイクル管などについて、再生資源利用計画書を作成し、実施 している。

(18)

(3)産業廃棄物の管理及び処分委託等

① 産業廃棄物はランニングボックスにストックし、廃プラスチック、 混合、鉄くず、ダンボールに分別保管され、適正に管理されている状 況を現場で確認した。

② 処理・運搬委託契約形態については適正に処理されており、マニフ ェストは電子型を採用している。

Ⅳ.総合評価と提言・推奨事項

1.工事技術調査の総合評価

「工事監査技術調査業務委託仕様書」に従い行った技術調査の結果は、 以下のとおり、全体的には書類及び現場の各調査項目とも良好であると評 価する。

(1)設計基準、資料等の整備状況及びその運用

・適用された設計基準等は、前述のとおり、適正に運用されていた。

(2)設計書(設計図書、仕様書、明細書)

・本計画は、地域の実情に則した適正なものを判断されていた。

・設計業務は、事業目的、法令や現場等に適合し、経済的かつ効率的に 設計がなされていた。

・複合施設に対しての安全性、バリアフリー等の使用性や将来の維持管 理は、十分考慮されていた。

・使用機器や材料の選定が適切であった。

(3)設計見積もり

・積算は事業目的に則り、経済的に設計がなされていた。

(4)工事施工計画及び各工種の工程表

・工事施工計画について適正に作成され、また、工種ごとの工程計画も 適切に設定されていた。

・工程、品質、安全等の監理が適切に実施されていた。

(5)設計書と施工状況との対比

・工事監理書類は、前述のとおり整備されており、設計書と施工状況と の対比が適正になされていた。

(19)

(6)各種検査、材料試験等の実施状況

・各種検査、材料試験等が適正に実施されていることを確認した。

(7)契約関係手続

契約に関する必要書類は、適正に完備していることを確認した。

(8)その他

施工中の周辺環境への配慮、廃棄物処理や環境基準関係書類の整備状 況などは良好であった。

2.提言事項

(1)基礎杭の支持層の貫入深さ

基礎杭の支持層の貫入深さは杭径の2倍以上としていたが、それ以上 に貫入しているものが見受けられた。これについて、調査時の説明によ ると、敷地北側は支持層の洪積砂質土が急激に傾斜しているため、安全 側に考慮したとのことであった。

支持層の貫入深さについては、試験杭や地質調査を適正に活かし、洪 積砂質土の境界面を詳細に把握することが望まれる。

(2)特記仕様書の記載事項

建築工事の特記仕様書の技術者の欄において、建築工事と直接、関係 がない電気、空調、衛生、土木の技術者に○ 印があったが、記載の上か ら問題があると思われる。○ 印があることは、建築施工管理士の監理技 術者のように、現場に常駐することが求められているとも考えられる。 記載の仕方としては、「必要により、電気、空調・・・技術者を云々」 など、特記仕様書の記載事項を検討することが望まれる。

3.推奨事項

(1)計画時の配慮

計画段階で、公民館の利用状況の整理や公民館職員からの聞き取り、 地域住民に対するアンケート調査や住民説明会、グループインタビュー などを実施し、高洲地区で必要とされている機能や地域の課題について 幅広い検討や協議がなされていた。この結果、公民館のみでなく、図書 館や児童館等にもいろいろな住民が集まれるよう工夫している。

(20)

近年、災害に際して“ 自助、共助、公助” のうち、“ 共助” が重視され るようになった。「地域コミュニティづくり」からも本施設のような複合 施設を設置することは“ 共助” の一つのアプローチといえる。

(2)新基準等への対応

平成 21 年6月には労働安全衛生規則改正により「足場の構造」が、また、 9月には建築基準法改正により「エレベーターの仕様」が変更、施行さ れた。本工事は、その最中で施工されているが、両方とも新方式に対応

(予定も含む)されている。

概して、このような変更時期においては、従来どおりの方式が用いら れることも見られるが、発注、施工側もそれらの経緯に留意して、対応 実施したものといえる。

(3)書類・写真の整備

工事現場における施工や監理の各書類がよく整備されており、第三者 が見ても整然と理解がいくものであった。 概して、工事遂行に重点が おかれ、書類が後回しになることも見られるが、本工事の書類整備は、 発注者、施工者及び工事監理者の連携、協力の結果といえる。

また、機械設備工事を除いた工事記録写真において、撮影板に“ 年月 日” の日付が挿入されていた。日付の挿入は、工事の透明性を明示する とともに、「隠蔽工程」においては証拠写真と成りうるものである。

他市の建築関連工事において、概して、撮影板に“ 年月日” の日付が ないものが多く、第三者が見た場合、いつ、その工程が実施されたのか 理解できない。

この点から、日付の挿入は、推奨事項といえる。

(4)環境の取組み方

工事中の環境保全(騒音、振動、塵埃等)について、着工前に地域住民 に対する工事内容の説明を実施していることは、周辺住民対応として積 極的な取組みと評価ができる。現段階での工事騒音等の苦情がない状況 は、円滑な施工が実施されているものと考えられる。

建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法) 関連では、特に法第 12 条及び 13 条に関して副産物承認願として提出さ れた書類等が整っている状況から、建設リサイクルに関する運用が適切 に行われていると判断される。

(21)

今後、周辺が住宅地域での工事現場である状況から「環境・安全・衛 生」面での取組みの継続が期待される。

おわりに

本事業は、地域の生涯学習の拠点であり、地域づくりの施設であり、地域 住民より望まれたものである。周辺環境を考慮し、公民館のみでなく、図書 館や児童館等にもいろいろな住民が集まれるよう「地域コミュニティづくり」 を目指したものといえ、早い完成が期待されている。

最 後 に 、現在まで工事の無事故を保持し、順調に推進しているが、今後も 施工業者はもちろんのこと、工事監理者や発注者の市も一致協力して安全施 工を完遂し、平成 22 年3月には無事に竣工することを切に期待するものであ る。

(以上)

参照

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