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結び目のエネルギー Publications Jun O'Hara 365

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(1)

結 び 目の エ ネ ル ギ ー

今 井 淳

1. 序

結 び 目Kと は, S1か ら 、R3も し くはS3へ の 埋 め 込 み 写 像( の 像) の こ とで あ る. 結 び 目全 体 の 空 間 のKを 含 む ア ン ビエ ントア イ ソ トピ ー類( こ れは 、R3もし くはS3の 向 き を保つ 同 相 写 像 で 移り合う同 値 類と等 し い. ) の こ と を こ こで は結 び 目型と言 う こ とに し, [ K] と 表 す こ とに す る. 与

え られ た 結 び 目 が ど の結 び 目型 に属 す るか を判 定 す る分 類 問 題 を考 え て み よ う. 結 び 目 を完 全に分 類 出 来 る よ うな不 変 量 は, Vas s i 1i ev不 変 量 が そ う で あ る かも しれ な いとい う期 待 が 一 部 で は あ る もの の, ま だ 見 付 か っ て い な い. 従 って, 結 び 目の 射 影 図( 平 面 へ の射 影 図 に, 交 点 で の上 下 の 区 別 を付けたもの) が 与 え られ た 時 に, そ れ がどの 結 び 目型に属 す る か を判 定 す るア ル ゴ リズ ム は な い の が 現 状で あ る. こ の論 説 で は, 結 び 目 の分 類 問 題 へ の, 不 変 量 等 代 数 的 な道 具 を使 わ な い, 解 析 的 な ア プ ロ ー チ の 可 能 性 の 一 つ に つ い て 述 べ て み た い.

次 の よ う な仮 想 的 な実 験を考 え て み よ う. 柔 らか い非 伝 導 体 の紐 の よ う な もの で 結 び 目 を 作り荷 電 させ て, 粘 性 の 強 い ゲ ル 状 のもの の 中 に 入 れる. ( こ れ は, こ こで は結 び 目 の 静 電 エ ネ ル ギ ー だ け を 考 慮し た い の で, 結 び 目 の動き を 吸 収 さ せ て運 動 エ ネ ル ギ ー を無 視 出 来る よ う に する為 で あ る. ) す る と結 び 目 は そ の 静 電 エ ネ ル ギ ー を減らす よ うに 変 形して い っ て最 後に は「綺 麗 な形 」 に落 ち着 くの で は な い かと考え られる. ( こ こで紐を非 伝 導 体 と した の は, も し も電 荷 が 結 び 目 の 上 を 自 由 に動 く こ とが 出 来 る とす る と, 正 円 の ご く小さ な部 分を結 ん で 出 来 た 非自明 な結 び 目の エ ネル ギ ー は, 結 ん で あ る部 分 が 荷 電して い な け れ ぼ, 正 円 の そ れと殆ど変 わらなくな っ て し まい, 安 定 した 「綺 麗 な 形 」が 得られ な い か らで あ る. ) も し も そ うだとす る と, 結 び 目が 与 え られ た ら, そ れ に対 応 す る 「綺 麗 な形 」( も し くは, そ の 時 の 静 電 エ ネ ル ギ ー の 値) ( 図7. 2及 び 表7. 1参 照) を 調 べ る こ とに よ り上 手く行け ば そ の 結 び 目 を特 定 出 来 る か も しれ な い, と 期 待 出 来 る( [ F] , [ Sa 2] ) .

そ の為に は, 結 び 目が そ の 静 電 エ ネ ル ギ ー を減らすよ う に変 形して いく過 程 で, そ の結 び 目型 が 不 変 に保 た れ ね ば ならず, 従 っ て結 び 目 の 自己 交 差 が あ っ て は な らな いこ とに な る。

そ こで, 題 名 の 「結 び 目 の エ ネ ル ギ ー 」を, 結 び 目 の空 間, す な わ ち, S1か ら 、R3もし くはS3へ の埋 め 込 み写 像 全 体 の 空 間 の上に定 義 さ れ た( 下 に有 界な) 実 数 値 汎 関 数 で, 次 の 「埋 め 込 み写 像 保 証 性 」 で特 徴 付 け られ る もの と定 め よ う:

( EP) 結 び 目が 二 重 点 を持と う とす る と+・ ・に発 散し よ う とす る.

( 予想3. 10の 所 で み る よ うに, こ の埋 め込 み 写 像 保 証 性 の条 件 だ け で は, 結 び 目 を 変 形 し て いく と最 後 に 「プル タイ ト」が 起こ り得 る為, 結 び 目 の収 束 列 の極 限 で 結 び 目型 が 変 わ る可 能 性 が あ る. ) この よ う な設 定 の下 で 次 のよ うな 問 題 を考え よ う.

問 題 。 各 結 び 目型 の 内 に, エ ネ ル ギ ー の 最 小を与 え る よ う な埋 め 込 み 写 像( 以下, 最 小 元と言 う こ と にす る) は 存 在 す るか? 又, 最 小 元 以 外に, エ ネ ル ギ ー汎 関 数 の臨 界 点 は存 在 す るか? 臨 界 点 は どの 位 沢 山 存 在 す るか? 臨 界 値は ど うな っ て い るか?

これらの 問 題 を 中 心 に幾 つ か の 結 果を報 告 し た い. よ り新しい 結 果 や, 自 己 絡 み 数( [ Po] 参 照) 29

(2)

やr andom結 び 目 等( [ DT] 参 照) の 関 連する 話 題 に触れるこ と が 出 来な かっ たこ と を 最 初に お 詫 びし たいと 思う. 又, こ の 論説 を 加 筆 し て 適宜アッ プ デ ー ト し たも のを イ ン タ ーネット を 通 じ て

" ht t p: / / www

. mat h. met r o- u. ac . j p/ ∼oh3r a/ t ex丘1es / j s ur vey. dvi , , で 公開 し て いる の で, 証 明 等' 詳し いこ と はこ ちら を 参照し て 頂 き た い と思 う 。

2。 結 び 目の エ ネ ル ギ ー の 定 義

結び 目 の エ ネ ル ギ ー に関 す る最 初 の文 献[ F] で, 福 原 は折 れ線 結 び 目で 各 頂 点 上に電 荷 が あり, 二 つ の 点 電 荷 間 のCou10mbの 反 発 力 が 二 点 間 の 距 離 の初 乗( 甥=2, 3, … ) に 反 比 例 す る と仮 定し た場 合 の折 れ 線 結 び 目 の 挙 動を考 察し た. ( こ の よ う に物 理 的 な 意 味を持 た な いm≠2の 場 合 も考 察 す る理 由 は い ず れ 明 らか に な る。) こ の よ う な有 限 次 元 の場 合 に つ い て は, 7章 で 紹 介 する こ とに する.

この 章 で は簡 単 の た め 結 び 目h: ∫ 1=j R/ Z→ 、R3は滑らか な埋 め 込 み 写 像 で, 弧 長 で パラ メトラ イ ズ さ れ て い る ものとす る. す な わ ち, i hノ( 釧=1( ∀! ∈ ∫ 1) . ( 今 後 はhと いう記 号を用 い た 場 合 は常に弧 長 で パ ラ メトラ イ ズ され て い る とす る. )

さ て, 結 び 目h( S1) が 一様に荷 電 して い る と し よ う。 す る とそ の 静 電 土 ネ ル ギ ー は

で与え られ るが, こ の 積 分は任 意 の結 び 目hに 対し て対 角線 付 近 で 発 散して し ま う.

こ こから, 後 述 す る よ うな 繰り込 み処 方 の よ う な あ る種 の 正 規 化, す な わ ち, 発 散を打ち消 す よ う な 引き算 項を付け 加え る こ と に よ り, 有 限 な 汎 関 数E( 1) を 得る こ とが 出 来 る。 し かし, こ の E( 1) は埋 め 込 み写 像 保 証 性を満 た さな い 。 す な わ ち二 重 点 を持 つ よ うな特 異 結 び 目 に対し て もE( 1)

は有 限 の 値を取 っ て し ま う. そ こで 今 度は, 物 理 的 な意 味 付け は失 わ れ て し ま うの だ が, 非 積 分 関 数 の 指 数を増 やし て みよ う. す な わ ち, 二 つ の 点 電 荷 間 のCoul ombの 反 発 力 が 二 点 間 の 距 離の α+1乗( α ≧1) に 反 比 例 す る と し よ う。

定 義2. 1. 点h( ∬) か ら弧 長 でε以 上 離 れ た 部 分 が 荷 電して い る と したと きの 点h( の で の 「電 位 」 をy鯉( h; の と し, 対 角 成 分 の ε 管 状 近 傍 の外 で の 「静 電 エ ネ ル ギ ー 」( の2倍) を 屡 ・) ( h)

とす る. す な わ ち,

定 義2. 2. 結 び 目h( S1) 上 に弧 長 で計っ て 等 間 隔 にη点 取 り, 各 点 の上に電 荷を だ け載 せ た 時 の 「静 電エネ ル ギ ー 」( の2倍) を 泓α) ( h) と する. す な わち,

屡 α) ( h) 及 び 踊α) ( h) の ε →+0及 び η →+○ ○ で の 発 散の 様子を 調べ てみよ う. 0<' 《1に 対し て 1h( x+t ) 一h( x) │2を' でTayl or 展 開し て( h' , h1) =1, ( h' , h" ) =0, ( h' , h( 3) ) +l h" 12=0等 を 用いる

30

(3)

と

( 2. 1)

を 得る. そ こ で δ( x, 〃) をh( x) とh( y) の 間 の 短い 方の 弧 長, す な わちmi n{ 1灘} 訓, 1一 ゆ一 〃1} と すると.

の 内, 最 初 の項 から各α に応じて 適 当 な項 迄 取る とS1×81上 積 分 可 能 に な る.

定 理2. 3. ( [ O1, 7] ) 以 下 の 等 式 で, 両 辺 が 存 在して 有 界 な値を取り, 等 号 が成 立 す る. ( 1) α=1の 場 合,

こ こ でCはEu1er の 定 数

( 2) 1〈 α<3の 場 合 は,

こ こ で ζ ( α) はRi emannの ゼ ータ 関 数であ る.

こ のよう にα〈3の 場 合 は, ε →+0の 時 のEε α) ( h) の 発 散の オ ーダ 「 は 結 び目hに 依ら な い. 注 意2. 4. α ≧3の 場 合 は( 2. 1) 式 から 決ま る 高階 の 勢 分の 入っ た 引き 算 項を 伴い, α が 整 数か 否 か に応じて( 1) か, あ る い は( 2) の 形 の 公 式 が 成 立 する. 例 え ばα=3の 場 合 は

のよ う に なる.

定 義2. 5. 1≦ α 〈3に 対し てE( α) を 定 理2. 3の( 1) , ( 2) の 左 辺, す な わ ち,

で 定 義し, α を そ の 指 数とい う こ とに し よ う。 被 積 分 関 数 が 非 負 で恒 等 的 に は零 で な い の で, E( α)

31

(4)

は 正 である 。

定理2. 6. ( [ 01, 7] ) E( α) ( 1≦: α<3) は α ≧2の と き に 限り埋め 込み 写 像 保証 性を 満た す. す な わ ち, ( *) 任 意の 実数bとS1上 の 相異 なる 勝手 な 二点x, yに 対 し て 正数dが 存在 し てl h( の 一 h( y) 1<dな ら ばE( α) ( h) : ≧b

.

そこ で2≦ α〈3の 場 合E( α) を α ・エ ネ ル ギ ーと いう こと にし よ う. ま ず, 唯 一の 整 数指 数で ある α=2の 場合を 次 の 章で 考察し よう 。 そこ で,

定 義2. 7. F( 2) を 単 にEと 書く. す な わち

EはC2級 の 結び目 に 対 し て 定 義出 来る.

こ れ が[ 01, 2] で 定 義 し た エネ ルギ ー であ る. ( 実 際に は2E[ 。11+4. ) ( 後 述する よ う にFはR3 U{ ・ ・} のMobi us 変 換で 不 変な の で[ FHW] , [ KS 1

, 2] , [ L] 等 ではMobi us エ ネ ル ギ ー と呼ん でい る. ) 指 数 α=2が 特 殊 な 場 合であ るこ と が3, 4章 で 分 かる

。

例2. 8. 正 円 の エ ネ ル ギー を 計算 し よ う.

指 数 が3以 上の場 合に つ い て は, 注 意2. 4の 左 辺 の よ う な 形 でE( α) を 定 義し て も い い の だ が, 下 に有 界 かど うか や, 埋 め 込 み写 像 保 証 性 を満 た す かど うか が 明らか で は な い の で, そ の代 わりに 4章 の よ うな 形 を考 察 す る こ と にす る

.

最 後にDoyl eとSc hr ammに よ るEの 別の 公 式を 紹介し よう( [ AS] ) 。 Sx( y) を 結び 目h( S1) に 点h( ∬) で 接し, 点h( y) を 通る 円と し, S3( x) を 逆に 点h( y) で 接し

, 点h( の を 通 る 円と し, θ=θ( h; x, y) をSx( y) とSy( x) がh( の ま たはh( y) で 成す 角 と する

. こ の 時,

( 2. 2)

と お くとE. 。s ( h) =E( h) 一4と な る.

3. エネ ル ギ ーEの 性 質

こ の 章では, 「 開 い た 結 び目 」, す な わち, Rも しく は 区 間 から の 埋め 込み 写像も 考えること に する. そ し て, 必 ずし も 弧 長で パ ラ メ トラ イ ズさ れて いると は 限ら な い 場合は, f と 書く こ と に す る. XをS1, R, も しく は 区 間と する 。 C2一級 埋め 込み 写 像f : X→R3に 対 し てE( f ) を

( 3. 1)

で 定め る( ' [ FHW] ) . こ こ で δ( f ( x) , f ( y) / はf ( x) とf ( y) の 間の 短い 方の 弧 長であ る

. こ のよ う に 定式 化 し ておけ ばFはR3の 相 似変 換及び パラメ ー タ ー の 取 り替 え で 不変で, 特 にf が 弧 長

32

(5)

で パラ メ ト ラ イ ズさ れ ている場合は, 前 章の 定 義 と 一 致する. ( 1) 以 下, エ ネ ルギ ーEの 満た す 性 質を 挙げよう.

主 張3. 1. ( [ 01] ) エ ネ ル ギーEはC2一 位 相 に 関 し て 連続で ある.

主 張3。2. ( 「 角 」で の 挙 動) ( [ 01] , [ FHW] ) エ ネ ルギ ーEは 区 分 的にC1級 の 埋め 込み 写 像 に 対 し ても, 同 じ 式( 3. 1) で 定 義出 来る が, 実 際にC1で な け れば, す な わ ち, 「 角 」( 一 階 微 分の 不 連 続 点) が あ れば, Eは 発 散する.

1一タ ン グ ル と は, 3次 元 球の 中 の 開い た 結 び目( つ まり連 続曲 線) で, そ の 両 端 が 球 面上に あ るよ う なも のを いう.

主張3. 3。( プ ルタ イ トで の 挙 動) ( [ 01, 3] , [ FHW] ) 直 線 分の 真中 に1一 タン グ ルを 入れ て, 全 体が C2級 の 開い た 結び目 にな るよ う に する. そ し て, タ ン グ ルの 両隣の 直 線分の 部分の 長さを 保ち, タン グ ルの 部 分を, そ の 形 を 相 似 に 保っ たま ま 一点に 潰 し ていく こと を 考 え る. こ の と きEの 値 は 発散 せずに, ( 下 か ら正の 値に) 収 束 する. 直 線分のEの 値 は0な の で, EはCo一 位 相では 不 連 続と いうこ と に な る.

Fr eedman, HeとWangは 以下のこ と を 示し た.

定 理3. 4. ( M6bi us 不 変 性) ( [ FHW] ) 結 び目f : S1→R3と しTをj R3 U{ ∞} のM6bi us 変 換( 球 面に 関する 反 転の 合成) と する.

( 1) T・f ( S1) ⊂ 、R3なら ばE( T。f ) =E( f ) .

( 2) T・f ( S1) が ○ ○を 通 る なら ばE( ( T。f ) ∩ ・R3) =F( f ) 一4. M6bi us 不 変 性から次の 二 っ が 従う 。

系3. 5. ( 正 円 の 最小 性) ( [ FHW] ) 全 て の 結 び目 の 中 で 正円 の み がEの 最 小 値4を 与え る. 定 理3. 6. ( 最 小 元の 存 在) ( [ FHW] ) 素 な 結び 目( 二 つ の 非自 明な 結 び目 の 連結 和 と は なら ない よ う な 結び目) の 結 び目 型 に は, Eの 最 小 元が 存在 する 。

定義3. 7. 結 び 目 型[ K] の 最 小エ ネ ルギ ーE( [ κ] ) を 次で 定める 。

定理3。6の 証明. [ κ] を 素な 結び目 型 とす る. [ K] に 属 する 結び目 の 列{ f 1, f 2, … } で

とな る もの を取 る. 部 分 列 を と っ て極 限 為 を考 え る の だ が, こ の ま まで は, プ ル タ イト( 1汐 ング ル が 潰れ る こ と) し て, ん が 自 明 な 結 び 目 と な っ てし ま う可 能 性 が あ る. そ こで 各ルに 適当 な Mobi us 変 換 を施 して, 結 び 目が 適 当 に膨ら ん だ 状 態に して お い て か ら, 部 分 列を とっ て 極 限ん を とれ ば, 為 は同じ結 び 目型[ K] に 属し, E( 為) =E( [ K] ) と な る, す な わ ち為 は最 小 元と な る.

注 意3. 8. f [ K] が 素 な 結 び 目型[ K] に 属 す るEの 最 小 元 だとす る と, そ のMobi us 変 換に よ る 像も また( 必 要 なら鏡 像を とれ ば) [ K] に 属 す るEの 最 小 元とな るの で, 任 意 の 非 自 明 な 素 な 結 び 目型 に はEに 関 す る最 小 元 が 無 限 に沢 山存 在 す る こ とに な る.

注 意3。9. 自明 な結 び 目型 のEに 関 す る最 小 元 又 は 極 小 点 は正 円 だ けかど うかは分 か っ て い な い. Hat c her [ H] に よ り, S3の 中 の 自明 な結 び 目の 空 間 は, 本 質 的 に可 縮 で あ る( 正 確 に は, S3 の大 円 の 集 合に変 形 レトラ クトす る) こ とは分 か っ て い る. 数 値 実 験では, 正 円以 外 の 極 小 点 の候

33

(6)

補( 例 え ば, 三 葉 結 び 目 を一 箇 所 で 切 っ て 二 重に し, そ の 一 端 の 二 本を 他 端の近 くに 引 っ掛け て くっ つ けた1汐 ング ル を作り, そ れとそ の 鏡 像 を貼 り合 わ せ て 出 来 た もの) も ほ どけ て正 円 に な っ てし まっ た 例 が報 告 さ れ て い る[ KS 1] , [ Li Se] .

定 理3. 6の 証 明 法 は, 素 で な い結 び 目型 の 場 合に は適 用 で き な い. [ κ ] , [ 髭] を 非 自明 な結び 目 型, [ K] =[ K1#K2] を そ の連 結 和 の結 び 目型と し, 上 と同 じ よ う に結 び 目 の列を と る

。 例 え ば[ 瓦] の成 分 が プ ル タ イトし な い よ う にMobi us 変 換 で 膨ら ま せ る と, [ 瓦] の 成 分 が プ ル タ イトする可 能 性 が あ る の で, [ K1] , [ K2] 両 方 の 成 分 が プ ル タ イトす る こ と を同 時 に 防ぐこ とが 出来る とは 限 ら な い. 実 際 にKus ner とJ . Sul l i vanに よる 数 値 実 験[ KS 1] で は, 両 方 の成 分 が プ ル タ イトす る現 象 が 観 察 さ れ て い る. こ れ は, 結 び 目 の上 に 中 心 を持 つ球 面 に関 す る反 転 で 開 いた 結 び 目 に し て考 えれ ば, [ K1] , [ K2] 両 方 の 成 分 がどん ど ん離 れ て いく こ と に対 応 す る

. 両 方 の 成 分 が 十 分 に 離 れ れ ば, 積 分 で の相 互 の 影 響 は0に 収 束し, エ ネ ル ギ ー は そ れ ぞ れ の 開 い た 結 び 目 の エ ネ ル ギ ー の和に な る と考え られ る の で, 再 びMobi us 変 換 で普 通 の 閉じた 結 び 目 に す れ ば, 以 下 の二 つ の 予 想を得 る.

予想3. 10。 素 でな い 結 び 目 型 に はFに 関 する 最小 元は 存 在 し な い 。 予想3. 11. ( [ KS 1] ) [ K1] , [ K2] を 結び目型 と す ると

定 義3. 12. ( [ FH] ) 埋 め 込み 写像f : S1→1∼3に 対 し て

をf の 平 均 交 点 数と呼 ぶ. こ れ はRか ら ・R3への 埋 め込み写 像 に対し て も 同様に定 義 出 来る . ( 対 角線 付 近 で, 被 積 分 関 数 の分 子はぼ 一〃1の4乗 の オ ー ダ ー に な る の て, 積 分 はwel 1- def i ned

. ) この 被 積 分 関 数 は

とおくとφ f の ヤ コ ビア ンdet ( dφ f ) の 絶 対 値に な る. 従 っ てαc ( f ) は φ f の 像 の( 符 号 な しの) 面 積に な るが, こ れ はS2上 で の φ f の 逆 像 の 濃 度( 個 数) を 積 分した も の に 等 し い. 一 方S2上 の 点p

に対し φ 71( p) の 個 数 は結 び 目f ( S1) をp方 向 に射 影したと きの 交 点 の数に等しい

. 従 って αo( f ) は射 影 図 の 交 点 数を射 影 の 向 き を全 て に動 か し て平 均し た もの に な る

。 定 理3. 13. ( 平 均交 点 数と の 関 係) ( [ FHW] ) 勝 手なf : R→R3に 対し て

従っ て, 結 び目 型[ K] の 最 小 交 点数をc ( [ κ] ) と すると, 定 理3. 4( 2 より

非 自 明 な結 び 目の 最 小 交 点 数 は3以 上 な の で,

系3. 14. ( 自 明 な 結 び 目 の 判 定) ( [ FHW] ) E( f ) <6π+4彩22. 8な らばf ( S1) は 自 明 な 結 び 目. F( 正 円) =4な の で, 非 自 明 な結び 目 のEの 値との 間 に ギ ャ ップ が 存 在 す る こ と に な る. 但 し, 非自明 な結 び 目 のEの 値 の 最 小 値は, 数 値 実 験に よれ ば約74と な る( 三葉 結 び 目 の と き) の で, 上 の 系3ユ4の 値 は シ ャー プ で は な い と思 わ れ る.

系3. 15. ( 結 び 目型 の 有 限 性) ( [ FHW] ) E( f ) ≦: bと な る代 表 元f を 持 つ よ う な結 び 目型 の 数 は有 34

(7)

限 個 で, そ の 数 は で 抑えら れる 。

( 2) エ ネ ルギ ー の 臨 界点と なる トーラ ス 結び目 に つい て.

三次元球面S3のCl i f f or dト ーラ ス 上の トーラス 結び目の エ ネ ルギー に 関 するKi mとKus ne「 [ KK] の 考 察を 紹 介しよ う 。

ま ず, S3⊂ 、R4から、R3∪{ ∞} へ の 立 体射 影 を σ と する とσ は・R4 U{ ∞} 上 のM6bi us 変 換に 拡張 する. 、R4の 結 び目 に 対 し て. R4の 距 離 を 用 い れば, ( 3. 1) 式 よりE鳶 を 同 様 に 定 義出 来る. こ れ が

。R4 u{ ・ ・} のM6bi us 変 換で 不変であること か ら, S3の 結び目f に 対 し て, σ 。f ( S1) ⊂ 、R3なら ば . E( σ 。f ) =ER・( f ) で ある 。 S3⊂C2のCl i f f or dト ーラ ス

上の( p, の トーラ ス 結 び目

( 3. 2)

のER、 を 計 算すると, Kus ner とSt engl eに よ る 留 数 を 用い た 次の 公 式 を 得る.

( 3. 3)

Eの 値 の 計 算 と して は, 正 円 の場 合と数 値 実 験 に よ る も の以 外 では, 今 の 所この 例 が 唯 一と思 わ

一 方S1はS3に 作 用 し, Eは そ の 作 用で 不変 で, f 。, ρ, , はそ の 軌道に なっ て いること からPa1ai s のs ymmet r i c c r i t i c al i t yの 原理[ P] を 用 い る と,

( 3. 4)

と なる なら ば, 五0, ρ, qはEの 臨 界 点と なる ことが 分かる. ( p, の トー ラ ス 結び目 は 素な 結び目 であ る こと から 定 理3. 6に より最小 元 が 存 在する. ( 3. 4) に より得 ら れ た 左の 臨 界点f γ ・, ρ, qが, この 最 小 元と 一 致す る かど う かに つい て, Ki mとKus ner は 数値 実験の 結果から 次のよ う に 予 想 し てい

予想3. 16. ( [ KK] ) p=2又 は σ=2の 時, か つ そ の 時に 限 り( 3. 4) で 得ら れ た( p, の トー ラ ス 結び目 型のEの 臨 界 点f γ0, ρ, qはEの 安 定な 極小 点に なる.

実 際p, σ のどちらか が 極 端 に 大 き い場 合, ト ー ラ ス の 上 の 綺 麗 に の っ て い る もの より も, あ る 部 分 が 外れて いる 方 が, エ ネ ルギ ー が 小さく なり そう で はあ る. 一 ・方( 3. 3) 式 で( p, の=( 2, 3) す

な わち 三葉 結び目 の 場 合 を 考え れば, FR・( f 。; 霧3) ・は 箔。彩1. 857で 最 小 値約74. 41204で 取る. こ の 値は 数 値 実 験で 得 ら れる 三 葉 結び目 でのEの 最小 値 と よく合う.

( 3) Gr adi ent に つい て.

Eは 局所的 な量の積分 で はな く, ( 埋 め込 み写像保 証性 を持 たす 為) 大 域 的 な量 の積 分 なので第

一 変 分とか グ ラ デ ィエン トやEの 臨 界 点 にな る為 の 条 件 等は簡 単( 局 所 的) に は な ら な い. f をC4級 の 結 び目と する 。 Pレ@) : R3→ ・R3をf ( の と直 交する 平 面 への 直 交 射 影 と する.

主張3. 17. ( [ FHW] ) Gf : S1→R3を

35

(8)

と おく と, C2級 のp: S1→R3に 対し て

が 成 立する. こ こ で( , / はR3の 標 準的 な 内 積を 表す

. す な わち, Gf はEの 五2. gr adi ent で ある . 注 意3. 18. ( 1) Cγ( γ ≧4) 級 の 結 び目 で のEのgr adi ent はCγ 一2級 と な っ て 微 分可 能 性が2 つ 落ちる.

( 2) 弧 長 で パラ メトラ イ ズされ た 埋め込 み 写 像 の 空 間! にFを 制 限し た場 合 の, 」 の 接 空 間に 入る よう なgr adi ent の 公式と, hがEの 臨 界点に な る 為の 必 要 条 件が[ 06] で 与えら れ てい る 。

4. 指 数を変 え た 場 合 ∼ 新 しい結 び 目の エ ネ ル ギ ー の 族

予 想3・11に も述 べ たよ う に, 結 び 目の エ ネル ギ ーと してEを と った 場 合, 素 で な い 結 び 目型 に は最 小 元 が 存 在し な い と思 わ れ る. そ れ で は, 全 て の結 び 目型 に最 小 元 が 存 在 す る よ うに す る に は ど う したら い い だ ろ うか. エ ネ ル ギ ー の指 数α を2よ り大き くす る か

, 結 び 目が 入って い る全 空 間 を変 え るか の二 通 りの ア プ ロ ー チ が 考 え られ る

。 こ の章 で は まず 指 数を変 え る場 合 を扱 い, 次 章 で 全 空 間 を 変 え る場 合を扱う こ とに す る. 定 義2

. 6の 後 に も書 い た よ う に, 定 理2. 3の( 3) の 左 辺 の 第 一 項 でE( α) を定 義 す る と扱 い難 い の で, 次 の 汎 関 数 の 族を考 え よ う

。この 章 でも簡 単 の為 結 び 目h: S1→R3は 弧 長 でパラ メトラ イ ズ され て い る もの とす る

. 定 義4. 1. ( [ 03] ) 0〈 ノ, p〈+○ ・ に 対し て6ノ を

で 定義す る. R又 は 区 間から・R3へ の 埋 め 込み 写像に 対 し ても 同 様に 定義 出 来 る

. 積 勿 を♂ の 指 数と いう. 被 積分 関 数が 非 負な の で, 8ノ は 正で ある

. 注 意4. 2. E( α) =α θ 。1( 1≦: α〈3) , 特 にF=2821。 定 理4。3. ( [ 05] ) 8ノ はj , pが

を 満 た す と き にwe11- de丘nedで, 更 に 指 数j pが2以 上の と き 埋め 込み 写 像 保証 性を 満た す . こ の 二つ の 条件を 満た す と き6ノ を( 」, 、ρ) 一エネ ル ギ ー と いう こと にし よ う.

2ノの 性質は, 指 数j pと2の 大 小関 係に 応じ て 本質的に 異な り, 指 数j p>2の 場合はより強い こ とが 結 論出 来る 。 例 え ば6ゴ ρ( h) ( j p>2) が 有界なら ば, 微 分h' は

次 のHol der の 条件を み た す( [ 05] ) , す な わち, hは 「あ まり激 しく 曲 が れな い 」

. 定理4・4. ( [ 03] ) 主 張3。3と 同 じ プ ル タ イ トによ っ て, ♂ の 値は,

( 11指 数j p>2な ら ば 発散する.

( 2/ 指 数j p=2な ら ば( 下 か ら) 正 の 値に 収束 する 。

( 3) 指 数j p<2な ら ば( 6ノ が 結 び目 の エ ネ ルギ ー では な い 場 合) は0に 収束 する.

36

(9)

( こ こ で, 直 線 分 の6ノ の 値 は0で あ る こ とに 注 意 。)

注 意4. 5. このこ とか ら, 指 数 か>2な らばε ノはM6bi us 不 変 で は な い こ とが 分 か る.

以 下, ブ, カが 定 理4. 3の 二 条 件 を満 た す 場 合 の み を考 え る こ とに す る. 指 数j p>2の 場 合 は, ε ノ が 有 限 ならば, 許 され る 結 び 目 の 「大 雑 把 な形 」 は有 限個 で あ る こ と を示 そ う。

定 理4. 6. ( [ 05] ) 指 数か>2な ら ば任 意 の ろ>0に 対 して, 有 限 個 のソ リ ッ ド トー ラ スZ⊂R3 が 存 在し て,

( 1) 6久h) ≦bな らばh( S1) を. R3の 中 で合 同 に動 か すと どれ か のZの 中 に入る。

( 2) hが8久h) ≦bか つh( S1) ⊂Zを 満 た す な ら ば, h( S1) はZの 各 メリデ ィア ン デ ィス ク と1点 で 交 わ る。

系4. 7。( 最 小 元 の 存 在) ( [ 05] ) 指 数勿>2な らば 勝 手 な 結 び 目型[ κ ] に 対して, ε ノ の 最 小 元f j , p, [ k] ∈[ K] が 存 在 す る.

素 で な い 結 び 目型 の 場 合, 連 結 和 の順 序 を変 え た埋 め 込 み写 像 から始 め た ら異 な る形 に落 ち着 く 可 能 性 が あ る の で, 最 小 元 は 唯 一 で は な い かも しれ な い.

系4. 8. ( 結 び 目型 の 有 限 性) ( [ 05] ) 指 数j p>2な ら ば, A>0が 存 在して, ♂( h) <b( b>0) と な る代 表 元hを 持 つ 結 び 目型 の 数 は有 限 で, で 抑え ら れる.

注4. 9。 ( 1) 指 数j p=2の 場合の 最小 元の 存在 と 結び目 型の 有限 性 は0〈 ノ〈2の 場合成 立す る かど う かは 不明.

( 2) j, pに つ い て 連 続的に 拡 張す れ ば, ε0。。( h) はGr omovのdi s t or t i 0n

を 用い て ε0∞( f ) =109( Di s t or ( f ) ) で 与 えら れる. こ れ も結び目 の エネ ルギ ーに な る が, こ れに つ い ては 結び目 型 の 有限 性は 成 立 し ない( Gr om0v[ G] ) .

5. 三 次元 球面 及び 三 次 元 双曲 空 間の 結び目 の エネ ル ギ ー

一 般に( 3次 元) リ ー マン 多 様 体Mの 中 の 結び目 に 対 し, Mで 計っ た 距 離 と 弧 長の 差を 用 い て, ( j , p) 一 エ ネル ギ ーを 拡張すること が 出 来る. 結 び目 を その 長さ で 正規 化す ること が 出 来ない 関 係 上, 拡 張 の 仕方 が 幾つか 考えら れる. こ こ ではMと し て 特に 三次 元球 面S3ま たは 三次 元 双 曲 空 間H3, す な わ ち 定 曲 率±1の 場合にEを 拡 張 し よ う. こ の 場合は 拡 張の 仕方は 次の 二 通 りが 考 え ら れ る. 一 つは 「電 荷 密度 」( dens i t y) が1で 「総 電荷 」 が 結び目 の 長 さ1と 等し い とい う仮 定の 下 での 定 義で, こ の 場合の エ ネ ルギ ーをEM. dと 書こ う. も う 一 つは 「総 電 荷」( quant i t y) が1で 「電 荷 密 度」 は 定数1/ 1と いう 仮 定の 下 での 定 義で, こ の 場 合の エネ ル ギ ーをEM, qと 書 く こ と に す る.

ま たこ の 章 では, 混 乱を避 け る 為2章 のEをFR・ と 書く こ と に する.

定義5。1. ( [ 08] ) MをS3ま たはH3と し, C2級 の 埋め 込み 写 像f : S1→Mに 対 し て,

( 5. 1)

こ こでdM( f ( x) , f ( y) ) はMで 計 っ た 二 点 間 の 距 離 す な わ ち, 二 点 間 を通る最 短 の 測 地 線の長

37

(10)

さ, δ( f ( x) , f ( y) ) は 二点 間の 短い 方 の 弧 長, そ し て み は 結 び目f ( S1) の 長さ を 表す

. EM, d, EM, q は い ずれも 非負 であ る.

( 1) 三 次 元 球面 の 結び目 のエ ネ ル ギー

大 円 のみ がE53, d及 びE53, qの 最小 値0を 与える 。ま たF33, d, Es 3, qは い ずれもM6bi us 不 変では な い 。

3章( 2) の( 3. 2) 式 で 扱っ た, S3⊂C2の 太さ γ / 》T7のCl i f f 0r dト ーラ ス 上の( 2, 3) ト ー ラ ス 結 び 目 す な わち 三葉 結び目 の 族f γ; 島3( γ >0) に 対し でE5・, d( f 。; 島3) を 計 算すると, γ に 関 し下 に 凸で, γM. 69582で 最小 値 約54. 3263を 得る. ( 数 値はLi goc ki に よ る. ) 一 方, S3の 大円に 非常 に 小さ な1一タン グ ル を 付け て 三葉 結び目f Tを 作 ると, Fs ・

, d( f T) ; ≧70( =74- 4) と なると考 えら れ る. こ れは 先 程の 値で ある 約54よ り も大幅に 大 き い. 従 っ て, E3・, dに 関し ては, プ ルタ イ トす る と エネ ル ギ ーは 大きく なると考えら れる 。

こ のこ と は 次のよ う に 解釈 出 来る. S3の 結び目 の 上の 二点に 対 し て, 三 通 り の 距離, 弧 長 δ, S3 で の 距離d3・, ・R4で の 距離d丑4が 定 義出 来 る が, 常 に δ≧d5・>dκ 4な ので, δ とd5、と の 差か ら 定 ま るE53, dは δ とdR・ と の 差 か ら定 ま るER4よ り も小さ い. し かし, プ ル タイ トすると, 主 要な 部 分である タン グ ル でd53とdR4の 差が0に 収束するの で, E53, dはER4に そ の 分だけ 近 付 く, す な わち 大きく なるこ と に なる.

勝 手な 結び目 型[ κ] に 対 し[ K] に 属するS3の 結び 目 の 列{ f i , f 2, … } ( f i : S1→S3) で

と な るも のを 取 る. 部 分列をと っ て 極限為 を 考 えると, 上 に 述 べたこ と よ り, プ ルタ イ ト は 起こ ら ず, 従 っ て為∈[ K] , す な わちん はEs ・, dに 関する 最小 元 と なると予想さ れる

. Es 3, qの 場合は 結び 目 の 長さ で 割 っ て いる の で, 結 び目 の 長さ が 短く なる プ ルタ イ ト に よ っ て エ ネ ルギ ー が 増え る 傾向はより強 く なると考えら れる.

予 想5. 2. Es ・, dに 関し て, ど の 結び 目 型にも 最 小 元が 存 在する.

E53, dはM6bi us 不 変では な い の で, 最 小 元が 非 可 算 無限 個出 て く るこ と は な い かも し れな い 。 ( 2) 三 次元 双曲 空 間 の 結び目 のエ ネ ル ギ ー

三次 元 双曲 空 間内 の 円 の 族の エ ネ ルギ ーを 計 算すると, 次 の 予 想 が 導か れる 。 予想5. 3. ( 1

.

( 2) FH3, qに 関し て, ど の 結び目 型にも最小 元 は 存 在 し な い. ど の 結び目もEH3, qを 減 ら そ う とすると, 無 限 遠に 発 散する.

( 3) EH3, dもEH3, qも 臨 界点自 体 存 在し な い.

6。 そ の 他の 「エ ネ ルギ ー 」の 例 ( 1) Fの 本 質的な 部 分であ る 積 分

を収 束 させ る 方 法と して, 定 理2. 3の よ うに発 散 を打 ち 消 す 引き算 項 を定 め て 差 を取る方 法 以 外に も, 2章 の( 2. 2) と 同様, 対 角 成 分 付 近 で分 母 と少 なく と も同 じオ ー ダ ー で0に 収 束 す る関 数 を分

38

EH3, dに 関し て, ど の 結び目 型 にも最小 元は 存 在し な い

。ど の 結び目もEH3, d を 減ら そ うと すると, 一 点に 収 束する.

(11)

子に掛 け る 方 法 が 考 えられる. こ の 方 法を 用 いて 別 種の 結び目 の エネ ル ギ ーを 作 ることが出 来る. h( y) 一h( の とh1( x) の な す 角 度 を θx( y) と お く.

宗 義6- . ( 1) Buc kとOr l of f [ BO 2] に よる 射 影エ ネ ル ギ ーは 次 で 定 義 さ れる.

ここ で, × は ベ クトル 積を 表 す.

( 2) 上 の 第一 式で 分 子のs i n2θ. ( y) をl s i nθ κω l l s i nθ" ( x) │と し たも の がBuc kに よる 対 称 的 射 影 エ ネ ル ギ ー で あ る.

定 理3. 14と 同様な平 均 交 点 数との 関 係 式 が 報 告 され て い る.

( 2) 今 迄 の エ ネ ル ギ ー は 全 てS1上 の2点 から な る一 対 の 集 合の 上 の 積 分 で 定 義さ れ て い た が, Sl ・ 上 の 互 い 違 い に並 ぶ4点 からな る二 対 の 集 合 の上の積 分 で 定 義 さ れ た エ ネ ル ギ ーと平 均 交 点 数 の 間 の 関 係 式 が[ L] に あ る.

( 3) 結 び 目が そ の長さ に比 べ てどの位 太くな れ るか を計る量 も結 び 目の エ ネル ギー で あ る. Si - m0nに よ るt hi c knes s ( 法 円 板 東 をど の 位 太 く埋め 込める か) ( [ S 1] , [ S 2] ) , Mof f at t 達 に よ る 結び

目 の 管 状 近傍のmagnet i duxか ら得 ら れる も の( [ CM] , [ M] ) 等 である.

( 4) 結 び 目 を綺 麗 な形に導く よ うな 「エ ネ ル ギ ー 」を求 め る, と い う当 初 の 目的 に対して は, 弾 性 体 で 作 っ た結 び 目 の弾 性 エ ネ ル ギ ーも考 え られ る. 弾 性 体 の 「た わ み の エ ネ ル ギ ー 」 は全 二 乗 曲 率 に比 例 する。 全 二 乗 曲 率 に 関 す る臨 界 点( el as t i c aと い う) はLanger とSi nger [ LS 1- 3] に よ り 調 べ られ て い る. 臨 界 点とな り得 る非 自 明 な 結 び 目型 は あ る種 の トー ラ ス 結 び 目 に限 られ る が, こ

れ 等 は不 安 定 な臨 界 点 で, 安 定 な臨 界 点 は正 円 しか 存 在しな い. 更 に 「捻 れ の エ ネ ル ギ ー」も考 慮 に入 れ た 汎 関 数を考 え て も, 臨 界 点 となり得 る非自明 な 結 び 目型 は, ト ー ラ ス 結 び 目 に 限 られ る こ

とが 報 告 さ れ て い る( [ Ka] ) . こ れ 等 の 汎 関 数 は 結 び 目が 自己 交 差しても発 散し な い の で, こ こで い う結 び 目の エ ネ ル ギ ー に は な ら な い.

( 5) 絡 み目( 幾 つ かの 結 び目 の 非交 和) の エネ ルギ ーも 定 義さ れ て いる( [ KS 1] ) . Hopf フ ァ イブレ ー シ ョ ンをπ: S3→S2と し, S2上 の 何点かのπ による 逆 像 と な る よう な 絡み目 のエネ ル

ギ ー の 計算が 報告さ れ て いる( [ KS 2] ) 。

( 6) エ ネ ル ギ ーEの 高 次 元 へ の 拡 張 と して, M6bi us 不 変 性を保つ よ う に, 曲 面 へ の 拡 張 が [ AS] で, 超 曲 画 の 場 含 が[ KS 1] が な され て い る.

7。 数 値 実 験 に つ い て∼ 有 限 次 元 の 場 合

こ こで は再 び、R3の結 び 目 に話を戻 す 。 有 限 次 元 か らの 近 似, す な わ ち折 れ 線 結 び 目 に より各 結 び目 型の 最 小元を 求める 為の 考察 が[ BO 1] , [ BS] , [ F] , [ KS 1] , [ Li Se] , [ S 1, 2] で 為さ れ て いる ・ 各 結び 目 型のEの 最 小 元の 絵は[ A] ( こ れは[ 04] の 中 で 報 告さ れ た) 及 び[ KS 1] に あ る. ま たそ の 為 の プログラ ム 及びコンピ ュ ータ ー による 数 値実験の 結果が[ F] , [ Gu] , [ KS 1] , [ Li Se] ,

[ S2] , [ Su] に あ る. 最 小 元の 画像 や, 結 び目 がエ ネル ギ ーを 減 ら すよ う にほど け る 様子を 描いた 動画, 及 びプロ グラムに ついての情報 がインタ ー ネット上公開さ れている( [ Hu] , [ Sc ] , [ W] ,

39

(12)

[ GA] ) . 数 値実 験により 導 かれる 考察に つ いては, 3章 の 注 意3

. 9か ら 予 想3. 11迄 及 び 予 想3. 16 を 参 照. 又, 曲 面の エネ ル ギ ーに 関 する 数 値 実 験 も行わ れ て いる

.

折 れ 線 結 び 目 の 「エ ネ ル ギ ー 」 に も色 々 な取り方 が あ る。 最 も実 験 が 多く為 さ れ て い る の は 指 数 α=2の 場 合 で あ る. こ の と き, 各 頂 点, あ る い は 各 辺 の 中点に そ の辺 の 長 さ に比 例 す る よ うな「電 荷 」が 集 中 し て い る とする もの, [ KS 1] の よ う に2章 の公 式( 2

. 2) のEc os を 用 い る もの( こ れ が 今 の 所 一 番 よ い近 似を与 え る よ うで あ る) , [ A] の よ う に各 辺 の長さが 等しいもの だ け で 考 え る も の 等 有 限 個 の 点 電 荷 が 定 義 す る もの や, Si m0n[ S 1] のUMDの よ うに

, 各 辺 に電 荷 が 分 布して い る と して, 各 々 の 二 辺 の対の間 の 最 短 距 離( の近 似) を元に定 義した もの

, 等 色 々 な定 式 化 が あ る. 一 方, 指 数 が より大き い 方 が, 結 び 目型 が 途 中 で 変 わ る 心 配も少 なく

, 更 に, Mobi us 不 変 性 が 成 立 し な いこ と もあり, タ ン グ ル がよ り速 く膨ら むという点 で 都 合 が 良い よ うで あ る

。 指 数αが2≦ α<3の 場 合 は, 変 形 の途 中 で 頂 点 の 数 を変 え て も

, 定 理2. 3( 2) の 意 味 で 滑らか な結 び 目の エ ネ ル ギ 』 の近 似 とな っ て い て, 更 に, 定 理4

. 6の意 味 で 最 小 元 の形も限られ て い る[ F] , [ Gu] , [ Sc ] 等 の プ ロ グ ラ ム で は指 数を変 え る こ とが 出来る よ うに な っ て い る

. 一 般 的 に, 折 れ 線 結 び 目 を動 か す 各 ス テ ッ プ を大き く取り過 ぎ る と, 途 中 で結 び 目型 が変 わ っ て し ま う の で

, 結 び 目型を不 変 に保 っ 安 全 性と速さ の両 立 が プ ロ グ ラ ム を作る上 で の 問題 とな る

. ( 1) 数 値 実 験 結 果 。

[ KS 1] に よ る 各 結 び 目型 の 最 小 エ ネ ル ギ ーEの 数 値 実 験 結 果を幾つ か 紹 介し よ う。 小 さ い 順 に, 次 の 表 の よ う に な る

。

表7. 1結 び 目型 の最小 エ ネル ギ ーEの 近 似値

こ こ で61等 は 結び目 型を 表 す

. ( R01f s enの 本[ R] の 結び目 テ ー ブ ル 参 照. 例 え ば61は 最 小 交点 数 6を 持つ 結び目型の内 の1番 目 のも の

. ) Si monのUMDで は71〈81g<72〈73〈8、 。<74と なっ て い て ( [ S2] ) , 順 序が 少 し 異な っ ている. ま た, 相 異なる 素な 結び目 型が 同 じ 臨 界 値 を 取る 例はま だ 見 付か っ て いな い.

( 2) 最 後 に, エ ネ ル ギ ーEの 最 小 元 の 阿 原 氏 に よ る絵 を二 つ 紹 介 し よ う.

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