「六ヶ所再処理工場」に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク
講演と意見交換会(院内集会第3回)の記録
【開催日時】2008年6月12日(木) 15: 00~16 : 30
【開催場所】参議院議員会館 特別会議室
【主催】「六ヶ所再処理工場」の本格稼動に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク (呼びかけ団体:生活協同組合あいコープみやぎ、生活協同組合連合会きらり、 生活協同組合連合会グリーンコープ連合、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会、 大地を守る会、NPO 法人日本消費者連盟、パルシステム生活協同組合連合会、 賛同団体:622団体・個人)
【開催趣旨】
前2回の院内集会では署名提出とともに行政の方を招いて質疑応答を中心に行いました。 今回は、六ヶ所再処理工場推進の立場の方を講師に招き、その意見をしっかりと聞いたうえ で意見交換をすることが必要ではないか、という問題意識から企画しました。
講師:読売新聞東京本社 論説委員 井川 陽次郎さん
<講師略歴>
読売新聞東京本社 論説委員(科学技術、医学、防災、原子力、知的財産などを担当) 1959年生まれ。1982年、東京大学教養学部基礎科学科卒。同年、読売新聞社入社。
北海道支社、科学部などを経て、2003年より現職。著書は「ドキュメント 『もんじ ゅ』事故」「ノーベル賞10人の日本人」(いずれも共著)など。
総合資源エネルギー調査会 原子力安全・保安部会 核燃料サイクル安全小委員会 委員
【参加人数】約80人
【参加国会議員敬称略】 ○衆議院・・・秘書出席
池田 元久(民主党)、金田 誠一(民主党)、河野 太郎(自民党)、小宮山 洋子(民主 党)、
保坂 展人(社会民主党) ○参議院
大河原 雅子(民主党)、大島 九州男(民主党)、川田 龍平(無所属)、下田 敦子(民 主党)、
福島 瑞穂(社会民主党)、 以下、秘書出席
小林 正夫(民主党)、主濱 了(民主党)、田名部 匡省(民主党)、外山 斎(無所 属)、
広田 一(無所属)、藤原 正司(民主党)、増子 輝彦(民主党)
<司会> 皆さん、こちにちは。
<会場> こんにちは。
<司会> ちょっと天気が悪いんですけれども、今日は来ていただきましてありがとうございま
す。資料を皆さんお持ちですよね。主催の、「六ケ所再処理工場」に反対し放射能汚染を阻止す る全国ネットワークの呼び掛け団体の一つであります大地を守る会の野田といいます。本日の司 会進行をさせていただきますので、ご協力をよろしくお願いいたします。
今日は講師として読売新聞東京本社の井川陽次郎さんをお招きしてお話を伺います。六ケ再処 理工場の問題については、昨年の7 月以降ネットワークを立ち上げてさまざまに各地で反対の運 動を続けてきました。その中で特に署名については、今年に入って2 回、この議員会館で国会議 員の方々にもご協力いただいて、行政当局にお届けをして私たちの声を伝える、そういうことを 繰り返してやってきました。その中で国会議員の方たちとの意見交換などもしてきました。
一方で 13 回目の本格稼働の延長され、今活断層の問題も出され緊迫化しています。。そんな 中で、国会の中でこの問題をどういうふうに取り上げてもらえるのかということが、引き続き非 常に重要なポイントであります。我々はこういう観点でこういう論点で問題はあるということを ずっと言ってきましたけれども、逆に、我々はもちろん反対しているわけですが、これをこのよ うに必要だと、推進をした方がいいと、そういう考えを持って発言をされておられる方々もいら っしゃいます。その方々との意見の相違は何だろう。逆に言えば、その意見の相違を超えて、 我々がその意見に対する自分たちの主張に説得力を持てるのか、きちっと説得力を持って世の中 に対して発言をしていくんだと、そういう広がりと深みがなければこの運動は大きく広がってい かないだろうと。
そういう意味では今日井川さんにお越しいただいて、国会議員の皆さんと一緒に意見交換とい う形でもってもう1回この問題の論点をそういう観点で明確にしていきたい、そういう趣旨であ えて今日お願いをして来ていただきました。来ていただくことについては、お願いに上がったと ころ快諾をしていただきました。ただし、そういう意味でじっくり議論ができるようにと、ある いはじっくりお話が聞けるようにということで、今日はこの会合を外に向かって広報したり宣伝 をしたりということはしておりません。
まず40 分程井川さんにお話をいただきます。その後 20 分程度になりますが質疑応答としま す。国会議員の方々に発言していただいて、我々もその議論を聞かせていただくという方法にし ます。おそらく皆さんの中にもいろいろお聞きになりたい点はあるかと思いますが、時間が限ら れていますし、趣旨としては論点をちゃんと明確にしていきたいということですので、我々の発 言については、今日この間お世話になっております原子力資料情報室の伴さんに来ていただいて おりますので、全体の流れを見ながら、伴さんに絡んでもらって質問をしてもらって論点を明確 にしていくというような形で集約をさせていただきたい。おおぜいの発言の機会を設けるにはち ょっと時間が足りないので、その点あらかじめご容赦いただきたいとそんなふうに思っておりま す。
団体の内部的な報告ということで写真をお撮りになりたいという方は、先ほどお願いしてご了 解をいただきました。それから記録をとるという意味で、テープで録音についてもご了解いただ きました。ただし、ビデオはご勘弁ください。「 YouTube 」ですぐに出るなどは開催趣旨と離 れてしまうので、そういう今日の趣旨に沿わない形で今日のやり取りを外部に出すということは いたしません、というお約束をした上でお話をしていただかないとなかなか信頼関係もつくれな いだろうということでお願いをしましたので、皆さんもぜひご協力をいただきたいと思います。 しかしながら、井川さんは遠慮してしゃべりませんとおっしゃっています。自分は自分として の主張があるので、ひょっとして、ひょっとしてというか確実に皆さんを怒らせるような話にな るだろうとおしゃっていまして、今日は生きて帰れるかどうかとおっしゃっていますが、私が責 任を持って生きてここを連れ出しますとお約束をしております。そういう趣旨ですので、ここで 話されたことが外で「何だあいつは」となるような議論の仕方をするつもりはまったくないとい う前提でお願いしておきました。従ってそういう意味では、我々の質問を伴さんに一元的にお願 いをするということは、この点についてもご了解をいただいております。
そういう趣旨で早速始めたいと思っておりますけど、今日はちょうど国会では衆議院で、例の 問責決議に対する信任案決議の会議があるようで、議員の先生たちはそちらに行かれてなかなか 来ていただけないという、結果的には残念ですけどよろしくお願いいたします。
(ここで出席国会議員紹介)ここからスタートをさせていただきます。よろしくお願いします。
★ 以下、井川さんが用意された資料をデータ化して貼り付けてありあます。不鮮明かつ縮小してあり、読 めない所が多いかと思いますが、話を補助するのに必要と思われる部分を掲載しました。
<井川> 井川です。推進側派だというご紹 介いただきましたが、読売新聞の井川と申し ます。推進と必要派というのはちょっと違う と、私は勝手に思っていますが。先ほど快諾 というお話がありましたけど、最初にご依頼 をいただいたとき、ユダヤ教とイスラム教の お話し合いをしてもどうですかね、というの を申し上げたら、それでもいいということな のでちょっとお話をさせていただきます。 もういきなり結論で、これ、すごく簡単で すけど、もうこういうことで私は再処理工場 は必要じゃないかと思っています。
ただ、推進派じゃないということを申し上 げると、逆は必ずしも真ではなくて、何も再 処理工場が必要だから原子力が必要だなんて 言っているわけでもないし、原子力がなきゃ 電気ができないという、原子力が大好きなの で電気はつくらなきゃいけないとか、そうい うことを言っているわけじゃなくて、現在の状 況から見るとこういうことになっているんじゃ ないかということで、私は必要だと思っている ということなわけです。結論なのでこれで本当 は終わりですけど、これでは何しに来たんだと いう話なので説明をしようかと。
これ、よく出てくる写真ですけど、エネルギ ーがないと困るというのはこれをご覧になって 分かる通り、よく環境問題か何かで地球ではこ れだけエネルギーを使っていますということで す。明かりがついているところは、要するにエ ネルギーがいっぱいあって一応文明も発達して いるところでしょうねと、こういう地域です。 エネルギーがなくなるとどうなるかということ で、これ、出してみたんですけれども、近隣国、 だいたいアフリカとかそういうところは非常に、 ここにちょうど手があるので、真っ暗ですね。 ここら辺も暗いですね。近隣国、ここら辺で 見てもこの国は、あえて国名は申し上げないで すけれども非常に暗い、エネルギーはないとこ ろですね。それで、テレビなんかで見ていても、 病院に行っても点滴のバッグもないので、一升 瓶か何かを洗って食塩水を作って入れて患者に 打っているというので、向こうで病気になると 大変だなという感じですけれども。エネルギー
がないと困るでしょうというのは、ここだけはたぶん皆さんとも意見は一緒じゃないかと思うん ですけど。
次に電気がないと困るという話です。当たり前 ですけど、今や家庭のエネルギーの主役だし産業 でも重要な役割を担っていると。それからご承知 通りで需要もどんどん増えているというのが現状 です。これはグラフですけれども、ここにある通 り家庭では電気の使用量というのはこれだけ増え ました。もう半分ぐらいエネルギーが電気になっ ちゃっています。それから産業界でも電気という のは、これですね、増えているというか横ばいと いうか、電力多消費型の産業の一部は日本では電 気代が高いというので逃げていったところもある のであれですけど、いずれにしても主役であると。 それを支えるのは原子力がなきゃ困るだろうとい うのが趣旨です。
ここに書いてある通りで安定、これ、短期、長 期、この長期というのは何十年もということです けれども、電力供給に貢献するだろうと。そのバ ーゲニングパワーというのは、日本は原子力でこ れだけ発電能力を持っているということで足元を 見られないですね、石油を買うのでも石炭を買う のでも足元を見られないだろうということがある と思います。それから、これから後でお話ししま すけど地球温暖化対策にも貢献するだろうという、 この3つが大きな理由です。
特にこのエネルギーの状況を見てみますと、こ れはもうテレビでよく言われていることですけれ ども、第3次石油ショックということを言う人も いますけれども、原油価格はすさまじく上がって いる。こちらの写真の通りで、その割に生産能力 はそんなに増えないというのか増やしてこられな いというのか、供給はなかなか追いついていかな いというのが現状です。これ、エネルギー白書に 書いてありますけれども、この上の方ですけれど も、原子力は政府としても方策として原油の高騰 に対して原子力をしっかりやりましょうというこ とを言っています。それは国内のみならず国際的 にも原子力協力をやりましょうということを言っ ているのが現状です。余談というか、経済産業省 がこの間アメリカに行って、アメリカの原子力建 設に日本が融資までするというぐらいですから、 すさまじくアメリカの原子力建設というか外国の 原子力建設、しかも先進国の原子力建設に日本が 融資するとまでいっているのが現状です。
地球環境問題ということになると、ご承知の通 りで二酸化炭素を減らさなきゃいけないというこ とですけれども、原子力はご承知の通りですさま
じく二酸化炭素の排出量は少ないということ があるわけです。何も私は太陽光とか風力に も反対しているわけじゃなくて、やればいい んですけれども、現在のところ主役となるに はあまりにも太陽光、風力、将来的にもどの くらい主役になるのかよく分からないんです けれども、現状では間違いなく主役になるの にはほど遠いだろうということがあるわけで す。
こちらに書いてある、この原子力委員会で 作った資料ですけれども、1基造るのにもそ の広さとして風力発電で原子力の1基分をや ろうとすると、山手線の3.5 倍の面積ですか ら、東京都内全部風力にしなきゃだめだみた いなそういう世界になっちゃうわけです。値 段もこの通りですさまじく高いということに なるわけです。それで安定的にこれを運転す るというような前提ですから、風力とか太陽 になると天気が悪ければこの計算さえうまく いかないというのが現状です。
これはよく皆さんが結構引用される著名な 音楽家の方がよくおっしゃっていることらし いんですけれども、六ケ所村も森を切り倒し て造ったので反対なんだと。それから、これ はよく分からないけど、自宅は100%風力発
電なのでじゃぶじゃぶ電気を使っているとおっしゃっているらしいんですけど。先ほどの図を見 ていただければ分かる通り、風力の方がはっきり言って森を切り開くんでしょうと。それから建 設費も高いので、これ、電力代も高いので、
当たり前ですけど。要するにこの人の言って いることは貧乏人は電気を使うなと、しかも 森は切るなと。僕にはさっぱり理解できない んですけど、今度もし反対派の方で会われた らぜひ真意を聞いていただけるとありがたい なという感じです。
コストですけれども、これ、さっきもコス トがでましたけれども、もうちょっと詳細に 見てみたデータですけれども、これも現状で はもうほとんどあんまり意味がないので。何 で意味がないかというと、この下に書いてお きましたけれども、先ほど見た通り原油価格 もそれから石炭も全部上がっています。5倍 以上になっていますので、火力発電なんかは 燃料価格が半分程度占めます。ここに書いて ある通りで。原子力はその燃料代というのは 1割ぐらいですので。原子力、ウラン価格は 相当上がっていますけれども、メリットは際 立っているというのが現状です。
これもよく出てくる図ですけれども、これ、ウラン が 85 年になっていますけれども、ここにちょろっと 書いているある通りで、これはいろいろ議論があると ころですけれども、高速増殖炉を使うと何千年も原子 力だと持ちますねと。天然ガスで 63 年になっていま すけど、今僕は本当に 63 年持つのかよく分からない んですけれども。これ、笑い話で、1回東京ガスが今 幹線のパイプを全部造り替えているんですけれども、 それを面白いから見に来いというので、東京ガスに言 われてその埋め立てるところを見に行ったら、ビニー ルパイプみたいなものを埋めているので、これが100 年もつんですかと聞いたら、いや、大丈夫です、井川 さん、心配する必要はないと。100年後にガスはあり ませんと言われましたけれども。そのぐらいガスは限 りがあるということですね。
それで、ちょっと寄り道ですけど、温暖化対策でよ くいろいろなことをおっしゃるんですけど、よく見て みれば分かる通りで、ちょっとだけお話ししたいんで
すけれども。これは石油です。この左上が、そちらから見ると右上ね、左上ですね。左上が掘っ ている石油ですね。それで右下が使っている石油です。
これ、見ての通りですけれども。これは石炭です。左 上が掘っているやつ、右下が使っているやつ。これ、 天然ガスです。左上が掘っているやつ、右下が使って いるやつ。これ、見てもらえれば分かる通り掘れば全 部使うということですね。生産量と需要と消費量がと にかく同じで、全部の化石燃料の生産量が増加してい て、化石燃料依存は高まる一方で、その一方で、これ で CO2 削減は本当にできるんですかという
のがあります。
日本もこの、何を言っているかというと、 地球温暖化対策とか言っていて、さっきの白 書の下の方に今度見ると一生懸命オイルサン ドとかメタンハイドレートとか、二酸化炭素 がいっぱい出るものをどんどん探しましょう と書いてあるんです。
それでもう1 つ、その一方で 2050 年には 二酸化炭素を半減しましょうと言っているん ですけど、これ、今世界の排出量ですけど、 こっちの半分が先進国、半分が途上国ですけ ど、これを半分にするということは、これ、 現状で見ましても一番簡単なのは先進国は今 まで悪いことをしたのでと集団自殺するか、 それか途上国にお引き取り願うかというぐら い厳しい現状です。これをどうやって達成す るのかです。
イギリスのジャーナリストが言っているん ですけれども、このすべての気候変動政策は 失敗する仕組みになるとこういうことを言っ ています。ここに、ちょっと日本語訳はない んですけど、要するに何かというと、上に書 いてあるのは、みんな減らせと言っているけ れども一方で一生懸命掘っていると。掘って いるやつは趣味で掘っているわけじゃないの で、当たり前ですけど掘れば使うということ で、これでどうやって、つまり元を断たない とこれ、本当に減らせるんですかと。
それからよくこちら におられる方はドイツ は頑張っているとよく おっしゃいます、反対 の方はよくドイツはす ごいすごいとドイツの
ことを。この間 NHK でも地球環境の日にドイツ の特集ばっかりやっていたのですけど、ドイツの CO2 排出量というのは最新のデータで見ても日 本より多いということです。ドイツがすごいとい うよりは、フランスとかイギリスの方がまだまだ
成績がいいのに何でドイツがすごいのか、 僕にはよく分からないんですけど。それと これを見ても分かる通り、これはドイツが 本当にすごいのかというと、ドイツは石炭 を相当使っています。何でこんなに石炭を 使っているのにドイツはすごいのかいうの もさっぱり分からないです。
それから、ドイツはすごいということで 、 何でも個人用の風力とかいろいろなあれを 使っているので、個人用の電気代は高いん ですけど、見ると産業用はすごく安くして いるんですよね。これ、意図的か何なのか 知らない。これを見ると、産業用でばかば
か使う方は安くしてどんどん使ってくださいと、そういうことをやっていて、これがドイツはす ごい国ですかね。それから、これを見て分かる通りでフランスから原子力の電気を買っています。 本人たちは脱原発と言っているんですけれど、自分のところは脱原発とか言っているんですけど
隣の国から買っていると。日本も脱原発をすると、おそらく買うところがないのでどうしましょ うかねと、そういうことです。
そういう結果から見て私は原子力は必要だろ うと。再処理を含めて必要だろうと。それに省 エネルギーそれから新エネルギー、これも新エ ネルギーも原子力と競合するものではないけど 必要でしょうと。だから原子力を含めた技術力 によって低炭素をやって産業力、国力につなげ るのが重要だろうと私は思っています。そのた めの再処理が必要だということですけれども、 これは先ほどもちらっと出ましたけれども、こ の核燃料サイクルをやることによって1 ~ 2 割 ですけれどもウランの資源節約効果が得られる と。さらに高速増殖炉が実現すれば、数百年に わたって原子力エネルギーを利用することが可 能になると、現在閣議決定もされた原子力政策 大綱でも言っています。
これ、最後に見たのは、これ、みんな反対運 動もされているからご承知だと思いますけれど も、あえて言うとこの通り、この図の通りです けど、いったん原子力発電所で使用した使用済 みの核燃料の中に入っているウランとプルトニ ウムを回収しまして、もう1回燃料に加工して
燃やしましょうと。将来的には高速増殖炉というのを活用してぐ るぐる回しましょうということです。それでごみも出ますけれど も、これは後で言いますけどごみも出ます。これがウランの節約 効果というやつですけれども、ここに使用済み燃料からこのくら いの燃料として使える物質が採れますと。
それから、その高速増殖炉が実現すると、理想的にいけばです けれども、横ばいになりますけど、ウラン使用量が横ばいになり ますのでもうウランを買わなくてもいいかもしれないということ になるかもしれないと。それで、ある著名な政治家がよくこうい うことをおっしゃるようで、高速増殖炉の商業化のめどが立たな いのに再処理工場なんかを稼動させても意味がないと。プルサー マルなんていう、その先ほど申し上げた現在の普通の発電所を使 ったプルサーマルなんていうのは敗戦処理だと、こういうことを おっしゃるようですけれども。これはまったくのデマでして、原 子力開発の政策を最初につくったときからプルサーマルは書いて あります。当時からプルサーマルをやりましょうと言っています 。 それからもんじゅという、高速増殖炉はめどが立たないんじゃな くて今やっている最中であって、もんじゅというのが早ければ今 年中に、今年秋にも運転再開をしましょうということで準備中で す。それから高速増殖炉は商業化に向けて、企業それから経済産 業省が音頭を取って開発体制も今つくっている最中というとこと です。
もうひとつ、この核燃料サイクルというのはその意味では廃棄 物を最小化にしようという、リサイクルにもなりますということ です。当たり前ですけど、使用済み燃料からウランやプルトニウ
ムを採り出すわけですから、捨てる部分は当然減るわけです。使え るウラン、プルトニウムというのは9割ぐらい残っていますので、 つまり9割捨てるものを減らすということですか、当然捨てる放射 性物質というのは減るわけです。将来高速増殖炉サイクルというの ができますと、ある意味でウランやプルトニウムというのは完全燃 焼させるというか、それも言い方もちょっと正確じゃないですが、 きちんと使うということになりますのでごみはさらに減るわけです。 もうひとつは、じゃあ、これをやめたらどうなるんだと言う人が いるもんですから申し上げておくと、直接使用済み核燃料を捨てた いといっても、今まで技術的にも何もやったことがないのに捨てさ せてくれるんですかと。今でもガラスのごみを捨てるのが大変なの に、そんなのできるわけがないでしょうというわけです。それから 今まで国がちゃんとやると言っているのにやらないじゃないかと、 信頼関係も崩れるでしょうと。それで先ほどのサイクルで使用済み 核燃料を回していたのに、排出というのは各原子力発電所に使用済 み核燃料がたまっちゃって原子力発電所が困るでしょうと。むしろ 反対されている方は、再処理工場とかガラス固化体の処分場を止め ることによって原子力も発電所を止めたいというのが、この逆を狙 っておられるんでしょうけれども、そこはちょっと私のエネルギー 供給の観点から言うとまるで逆の考え方なので、そこは意見がだい ぶ違うなということになるわけです。
これは、たぶん後でお配りするようにということでコピーをして いただいていて、一部の方には行ったかもしれません。それで、後 で見ていただければいいんですが、先ほどの原子力委員会ではこの 4つのシナリオ、これ、ちょっと字が小さくてこれでは見えないか もしれないんですが、今使っている原子力発電所の使用済み核燃料 は全部再処理にする、それから一部分を再処理にする、それから全 部そのままごみとして捨てちゃいます、それからよく分からないの で取りあえずどこかに保管しておきますというこの4つのシナリオ で、そのほかに 10 項目、これ、伴さんも一緒におられてやられま したけれども、先ほど僕が申し上げたようなエネルギーの観点だと か環境の観点だとかいろいろな観点で検討しました。そのときに一 応、伴さんはずっと反対でしたけれども、私は再処理
の方でいいじゃないかと、比較したところいいじゃな いかという声が私は多かったような気がしますが、そ れもメンバーの構成が悪いんだと言われるかもしれま せんが、一応それをやった上で決めたんです。
もうひとつ、核燃料サイクルをやるとコス トが非常に高いということを言う人がいます。 ここにその先ほどのシナリオの中でコストも 計算しまして、だいたいここの赤丸で囲った ところですけれども、年間600円から840円 ということになっています。これが高いか安 いかということなわけですけれども、法外に 高いと言う人が著名な政治家の方にもおられ るんですけれども、ほかの車のリサイクル、 著名な政治家と言うとほかの政治家の方があ いつが著名かとか言う方もおられるので、政 治家の1人がそうおっしゃるので、そうおっ
しゃる方がいますが。いずれにせよ、リサイクルの単価で見ると ほかのものも相当高いんですね。だからこれが本当に高いのかど うかというのは、僕は議論があるところだと思います。
それで問題の六ケ所再処理工場ですが、これはこういう場所に あります。先ほどの図の中ではこういうここの場所、この位置付 けられる施設です。それで六ケ所村、これ、非常にいいところで すけれども、写真があります。こういうところに立地しておりま す。これ、一応この「Google マップ」ではこんなに細かく見え て、もっと精細に中の敷地の工場の配置まで見えるんですけど、 これ、そういうのは安全なのかなというのはちょっと心配になる んですけどよく見えます。
この施設は何かというと、これがこうですけれども、年間800 トン。年間1,000トンぐらいの使用済み燃料が出るので、200ト ンぐらい足りません。この施設でも日本の原子力発電
所から出る使用済み核燃料を何とかするには足りない という現状です。その分は一部貯蔵して、3,000トン くらい貯蔵して、プールがあってそこに貯蔵すること になっていますが、実はこれでも足りなくて、原子力 を持たせるために足りないので、今青森県のやっぱり 六ケ所村のそばにむつ市というところがありますけど、 そこに使用済み燃料だけを貯蔵する施設を造りましょ うというのを今やっている最中です。
この再処理工場の工程図というのがこれです。基本 的にはこのプールにちょっと温度を下げて、使用済み 核燃料というのはちょっとやっかいな放射線を出すよ うな物質もあるので、それについては数年保管しまし て、ちょっと落ち着いたところでこれを切って、化学 薬品で溶かしてウランとプルトニウムを採り出して、 そっちは乾燥させて燃料とすると。廃棄物としてこっ ちにガラスにしたり、残るいろいろな廃棄物を捨てる と、こういうことになっています。
この再処理工場のこれはホームページに出ていたや つですけれども、なかなか大規模な施設でして、主要
な機器としては1万基、それで配管だけで化学工場ですので1,300キロぐらいあるそうです。継 ぎ目だけで2 万6,000カ所もあります。これを安全かつ安定に運転すると言っているわけです。
2 万6,000カ所もあって大丈夫なのというのが反対する人はおそらく考えられているんだろうと。
それで、実際にその使用済み核燃料を 使ったアクティブ試験というものが最 終段階に今入っているという工程なわ けです。
今一番トラブっているのがそのガラ ス固化体。その使用済み核燃料からウ ランやプルトニウムを採り出した後に、 放射性廃液という液体が出ます。これは相当の 濃度、放射線の濃度の高い廃液物で、これはガ ラスと混ぜ合わせて固めて、地層にだいたい地 下600メートルより深いところに地下にトンネ ルを掘って、粘土で固めてさらにコンクリで固 めてと何重にも固めて捨てましょうと、こうい うことになっているわけです。それで問題なの は、その前にガラスを造るという工程があって、 このガラスの工程がどうもうまくできないとい うのが現状なわけです。
これがガラスの工程ですが、この廃液をこう 持ってきましてここに入れると。それでガラス も入れると。正確にはガラスが1 センチくらい のビーズになっていまして、それに廃液を染み 込ませてここにぼろぼろっと入れると、ここに ヒーターが2つ、3つあるんですね。こことこ こと上にヒーターがあって、これがお釜ですけ ど、上の方と下の方に、ここにも正確には、3 つか。全部で4つですかね、4カ所ぐらいにヒ ーターがありまして、ガラスと廃液をうまくき れいに混ぜて、本当はきれいに混ぜてここに下 にぼとっと落として、このステンレス製の容器 に入れまして、これを別の施設に持っていって しばらく温度が冷めてくるまで、しばらくと言 っても 30 年から 50 年保管しておいてそれか ら埋めると、こういう流れになっているわけで す。
ところが、今最終段階の試験でこれをやってみたら、安定とはとても言えない状態でして、こ れがその流速と流下の所要時間ですけど、だいたい 60 本ぐらい作ったんですけど、ご覧の通り で、これ、同じ製品を作ったデータかよというぐらいぐじゃぐじゃでして。これは。それでどう いうことなんだというのが今の現状です。これ、私の発言ですけど、実はこれの安全規制の審議 会みたいな委員会みたいなところに私がおりまして、これの説明を受けたときには、彼らは十分 な結果が得られていないというふうな言い方をするんですけど、十分な結果どころじゃなくて、 これで何か結果が得られたかというとほとんどまともじゃないので落第寸前でしょうと。廃液ま で作っておいてこれをちゃんとガラスにできないということになると、これはもう原燃の人みん な腹を切ってねと、こういうことになるわけですね。それで、こんなごてごてできているのでガ ラスの品質も大丈夫ですかと、あんまり説明できませんよねと、こういうことを申し上げました。 それから、何とかなりますみたいなことをおっしゃるので、これでは何ともならんでしょうと。 しっかりやってくれなきゃだめだと。原因分析もよくできていないでしょうと。ただ、こう言っ たら、僕は読売新聞、私は読売新聞ですけど、読売新聞以外の朝日新聞から毎日新聞から商売が たきの新聞社みんなが、青森地域版には私の名前付きで落第寸前と書いてくれたんですけど。た
だ、落第寸前なので僕はそれで、井川さん、つ いに反対派になったんですかという知り合いの 人も言ってきたりしたんですけど、趣旨がちょ っと皆さんとたぶん違うと思うんですね。申し 上げている、ここに議事録を見ていただけると 分かるんですけど、しっかりやってくれと。こ れ、将来、今回これをちゃんと動かすにしても、 今後またこれを5 年ぐらいでだいたい寿命が来 ますので、これを置き換えるときもまたこんな よねよねしていたんじゃ全然話にならないし、 それから原子力と付き合うんであればこれはし っかりと安定性ができなければもう今後サイク ルなんて回せなくなるので、こんなことでいい のかと、しっかりやってくださいよと、こうい う趣旨を申し上げた次第でして。むしろもうち ょっと頑張ってねという趣旨のつもりです。だ からそこは皆さんとだいぶ違う。
それで、放射能問題です。こちらの今いただ いた紙にも書いてあって、ちょっとこれもだい ぶ違うんだろうなという感じが僕はしています。 それでよく反対運動をされている方が、1日で 再処理工場について通常の原発の1年分の放射 能を放出するとこういうふうに言っています。 これは本当です。これは本当でしょうと。ただ し、その出している主なものは、ここに書いて あるこのクリプトン、炭素、トリチウムという やつですけど、これはもともと自然界にも存在 しているものです。出したとしても、これの濃 度が自然界より高くなるわけじゃないというこ とです。これ、皆さんと解釈が違う、おそらく 解釈が違って、残念ながら解釈が違うんですけ ど、これはここに書いてある通り希釈したり拡 散していきますので、自然界にあるものですか らそれがそんなに増えるということはないと現 状は安全規制でやられています。
これ、特に放射能放出と皆さんはおっしゃる んですけど、このいただいた紙の2 ページ目に も放射能放出と書いてあるので、さっきうん? とか思ったんですけれども。放射能というのは これ、放射能の専門家も、放射線とかこういう ことの専門家の方もおっしゃるんですけど、放 射能が危険なんじゃないんですね、放射能を持 つ物資、その放射性物質から出る放射線という ものの種類や量あるいは距離、そういったもの に危険性があるので、それをきっちり評価しな きゃいけないということがあるわけです。 放射線と放射能の混同というのはずっと続い ていまして、これも放射性物質の量が多いから
とそれだけでどうのこうのなるというわけじゃ ないわけです。こんなことを言っても何ですけ れど、体の中だってカリウム 40 とかいう放射 性物質もありますし、それから出ている放射線 だってあるけれども、我々はその被曝を大騒ぎ しているわけではありませんし、宇宙線という 宇宙から降りそそいでいる放射線だってあるし、 航空機に乗ればすさまじい量の放射線を浴びま すけれども、それで海外旅行を止めるかという とそういうことにもならない。
六ケ所村については、これ、もう0.022ミリ シーベルトって、これは確か伴さんのところ で本を出して、0.022 ミリシーベルトのうそ とかいう本を出されているようで、私もちら ちらしか読んでいないのでごめんなさい、中 身について細かく批判はできないんですけれ ども、少なくともこの評価というのをされて いて、自然界から受けるものに比べてはるか に少ないということになります。ほとんど無 視できるほどです。
この放射能がどのくらい怖いのかというリ スクの考え方、これもご承知の方も多いと思 いますけれども、そのリスクというのはハザ ードとチャンスの掛け算、つまりどのくらいそ れ単体として危険性があってそれに出会う確率 がどのくらいあるかという話です。これ、当然 のことですけれども、例えば自動車の排ガスも これは有害物質が大量に入っていますけど、そ れは拡散されます。だからただちにみんながば たばた死ぬということはないわけですけど、ご 承知の通りご自宅で閉鎖の車庫が、密封された 車庫の中でエンジンをかけておくと死にます。 よくそれで死なれる方も、事故で亡くなる方も いるということです。それで六ケ所村について も、十分に拡散、希釈されていますので、基本 的には普通の人には関係ないというのが現状で す。
たまたまこの2 ページに皆さんのところに行っている、生体濃縮されと書いてあるんですけど、 これもどうかと思うんですね。生体濃縮されというのは生体がそれをえり分けて好んで、好むと いうかそれが生体に蓄積するような物質だったらそれはあり得ます。例えば、ここに書いてある 通りでプランクトンというのがもし取り込まれるとして、そのプランクトンを食べるやつはだい たい魚に取り込まれるわけですけど、そのプランクトンを食べない、あるいはプランクトンの中 に取り込まれないということであればそれは関係ないわけです。先ほど申し上げた通り自然界に ある物質ですので、これがなぜ特殊に自然界と濃度が変わらないのにプランクトンに濃縮される かというのはこれはおかしな話でして、これもよくこれを言われる方で放射能で世界で1 万 5,000人ががんで死ぬというんですけど、いったん放水管や排気塔から出た放射性物質が再びど こかで自然に濃度が高まって、世界のどこかの1 万5,000人を選んで被曝させるということはま
ずない。まずというかこれはあり得ない、これは意味不明だという感じがします。
それで、時々これもこういうことを言う方がいまして、ここの工場というのは排気口での濃度 規制というのをやっていません。むしろ1年間総放出量を規制しているというのが現状です。こ れ、濃度規制をしていないのでけしからんというんですけど、濃度規制したらこれ、いくらでも 出せるということになりますよね。むしろ総放出量を制限して、環境中に影響を与えない方が僕 は厳しい規制だと解釈しています。むしろ濃度規制というのは、これはここに書いてある通り排 出者が多いとかいろいろな団体に規制するのが難しいねというときにいろいろ規制をかけてみる という手段なので、これはもう根本的に考え方が違うし、それ から目指しているものは厳しい。何を言いたいかというと、こ れ、皆さんも風評被害のことを途中で心配されている、最初の ころはそうでもないと私は思っていますけれども、根拠なしに 風評被害を招くようなことを言っていいのかと、あえて大書き させていただきましたけど。放射能を心配されるのは結構です けど、放射線とか放射能の問題を心配されるのは結構ですけれ ど、根拠がないのはちょっとこれは勘弁してほしいなという気 がします。
それで最近話題の巨大活断層というやつですけど、これはうちの記事です。この記事の通りで すけど、何でも100キロメートルの長さで動く巨大活断層、動く可能性もあるということですね。 そういうことをその大学の教授がある学会でおっしゃったと。この未発見の活断層、上の赤字の ところですね、 15 キロメートルあると。これ、図で紹介しますと、この未発見というやつがこ れ、ここですね。これは上の方がその周辺の活断層と彼が言っているやつです。これは別に未発 見でも何でもなくて、これは原燃の資料ですから、もともと日本原燃もこれは評価しているもの です。問題はここが未発見かと、こういうことを学者さんはおっしゃっているということです。 これ、すみません、著作権の問題があるの
でこんなところで本当は使っちゃいけないん ですけど、ちょっと渡辺さんが、後で申し上 げますけど学術論文も何も出していないので 、 うちの新聞には出ていなかったのでほかの新 聞から図を使わせてもらいますが、そうした らこっちの資料にも付いていましたけど。要 するにこの渡辺さんの主張によると、昔この 再処理工場があった地域はこういう地形だっ たと。ここで断層がぐぐっと動いてここが盛 り上がった。そこを見逃した上でここに工場 を造りやがったと、こういうことをおっしゃ っている。こっちが日本原原燃の考えている、 ここの地形は日本原原燃も把握しています。何 かというと、日本原燃はこういう斜面があって ここに堆積物が積もりましたと。だからここは こういうふうに盛り上がっています。こういう 見落としとか見逃しとかと言うんですけど、デ ータの解釈の違いというのがここにあるわけで す。
地震というのはこれ、どういうことでこうや ったかというと、こういうふうに道路が通って いるもんですから、ここにこれ、地面をぼんぼ んとたたく車ですけど、そうすると地面の中に
音波が伝わっていって、反射波が返ってきて断層が見分けられると言うんですけど、これがその
図です。この渡辺さんという教授ですけど、この 方いわくここに断層の切れ端があるということで すね。これはもう見解の差ですよねという感じ。 皆さんもこれを見てどこに断層があるって分かり ますかみたいなそういう世界ですけど、専門家に よると分かるし、ここにもあるというんです。こ れは原燃が自分であると言っている。
これは本当にこれだけでは分からないというの が現状だと私は思っています。それでこれ、やっ ぱり多くの専門家の方でやらなきゃいけない。そ ういう問題ですけれども、この渡辺さんはこの学 会でこのもともとには確かここは入っていなかっ たんですね、もともとのその発表予定では。それ で急遽入れられて、伴さんのところ経由でなぜか 新聞に先に発表されて出てきて、論文になってい ない。やっぱり新聞に書くのは大変ありがたいん ですけど、発表されるのも大変ありがたいんだけ ど、専門家だったらやっぱりきちんと評価できる データを示してこないと、これは何が何だか分か らないという不安だけを広げることになりません かということがあると思います。それで見落とし とかいろいろ言っているわけ。
これで地元の反応というのを見てみると、なか なかこれは冷静に書いているところもありまして、 ここの分について、先ほど巨大な断層が動くとい う部分については過去にもう2度も検討されてい ます。知事自身も特段新たなデータは見当たらな いので、これはもう見解の相違なのでよく議論し てくださいと。国の評価の行方を冷静に見守ると いう姿勢です。これ、何で今評価ということにな る、今はもう運転しようといっているのにまた評 価かということになるわけですけれども、これは ご承知の通りで阪神大震災以降、 12 年前か、あ の後以降やっぱり今までの地震等はしっかり書か なきゃいけないということで、原子力施設も地震 の評価の仕方が変わりました。
それで旧指針、新指針というのができまして、 より小さなリスクまで見込もうということになっ ています。それで、これは例えば古い断層まで見 ようとか地層もよく見ましょうということになっ ていて、今評価をし直している最中です。ですか ら、渡辺さんのおっしゃるような見解の差みたい なものも、どこまで小さなリスクとして見込むか どうかというのは今後の議論があるところで、私 としては冷静に見守りたいなと思っています。こ れ、『 nature 』という雑誌にも、世界的に有名 な科学誌にも出ていました。
それで渡辺さんに共感する学者さんはもう 少しちゃんと調べてデータもよく集めなさい よという人もいるけれど、最後の結論だけは 何ぼ何でもという感じですけれども、ここに 書いてある。要するにこういう新しい断層が 見つかったので、その再処理施設というやや こしい施設の議論はもっと難しくなるねとい うんですけど、これはご承知の通りで、とい うか皆さんもここは完全に一致すると思うん だけど、必要だろうが必要でなかろうが安全 性というのはすべての前提ですから、これは 動かそうが動かさまいがきっちりやってほし いですね。別に話はややこしくはならない、 安全は安全でしっかりやれという話だと私は 思っています。
これ、安全はどうすればいいんだという話 ですけれど、これ柏崎刈羽でもそうですけれ ど、あれは設計上はある意味うまくいったと ころもあるわけです。それで完全に人知の及 ぶところじゃないということは、自然現象で すから何だって起こるわけで、原子力施設と いうのは多重防護という仕組みを造っていま す。これは異常が発生してどこか壊れたとし ても、外部に影響が及ばないようにどこかで 止めましょうねということで何重にもやって
いると、余裕を持たせているという感じです。それがうまく働いた。六ケ所工場もそういう基本 的な設計にはなっていて、予想外のことが絶対ないとは言い切れないわけです。どこかの配管が 壊れたりすることも僕はゼロじゃないとは思いますが、よっぽどのことがないと周囲にまで出て いかないように設計されているんだという評価に国はしているし、私もそれは信じていいんじゃ ないかと思っていて、そこは皆さんと大きな差だろうと。
ただちょっと奇怪な新聞がありまして、朝日 新聞さんがこの間、僕にはちょっと理解できな いんですけどゆとりはだめだ。やっぱり余裕が ないと工業製品というのは僕は信用できないな と思っているわけですけれども、これは私の書 いた社説ですけど、これは大間という別の原発 ですけど、これは原子力の施設の基本的な考え 方としてはちゃんと検討して強度には余裕を持 たせてねということを言っていますので、私は もう安全についてはむしろ皆さんと同じ路線だ と思っています。朝日さんはゆとりはだめだと 言っている、僕はちょっとこれは理解に苦しむというところです。
最後にひとつだけですけれども、東洋町の問題がありまして、このガラス固化体の問題があり まして、皆さん、反対運動をされていてこれについてはもう皆さんと全然見解が違うので。これ、 東洋町の話はご承知だと思いますけど、高知県の東洋町というところで、この小さな3,500人ぐ らいの町で高レベル放射性廃棄物を文献調査というので名乗りを挙げたら、むちゃくちゃになっ て、橋本知事も、前知事も散々なことを言ってつぶれました。この文献調査というのは今公募で やっていますので、応募して知事の意見も聞きながら着実に進むと。しかも同意を得られなきゃ
先に進まないという方式ですけれども、つぶされてそれでこういう反対運動も起きたわけですね。 要するにガラスの固化体1本に含まれる死の灰は原爆の30 発分もあって、そばに立っている と死ぬという非常に危険なものだというんですけど、
死の灰というこういう言葉を簡単に使う人もどうか と思うし、そばに立つだけでって、立つわけはない んですね。製鉄所の溶鉱所の上や高速道路の真ん中 に立っているだけで危険だというので、製鉄所はや めろ、高速道路を造るな、などと言う人はあまりい ないので。やっぱりこれは適切に危険なものを管理 して扱うというのが現代社会の当然の文明の行為だ と思うわけで、これは何をおっしゃっているのか僕 にはさっぱり分からない。
東洋町の問題で1つ、前に書いた記事だけご紹介 しますけれども、反対運動をされるのも結構です けど、これを見ると東洋町の町長さんはひどいこ とを相当言われたらしくて、町長は死の商人に町 を売った上につかまされた大金で豪邸を建て、町 の中に死の灰はばらまかれるとか何とか訳の分か らないことを言われたらしくて、選挙に負けて終 わりました。やっぱり原子力の将来というのは正 しく議論される必要があるんじゃないかと私は思 っておりますので、それでこれはまた皆さんを怒 らせるかもしれないんですけれども、こういう騒 ぎがあったらしいんですけど、その後もガラス固 化体を受け入れたらどうなるのかなという技術的 なことは勉強しておこうというので、六ケ所再処 理工場を視察に依然行かれる町長さんとかがおら れるようです。
これ、結論はちょっと時間も過ぎているので、 ここはジョークみたいな話なのでやめておきます が、いずれにせよ反対するのも民主主義ですから いろいろご意見があるのは結構ですけれども、あ まり、先ほど申し上げた通り風評被害になるやつ とかあまり根拠のないのはどうですかねと。やは り反対されるのも結構ですけれども、しっかりも う少し長期を見渡した反対をされた方がいいので はないかと思います。少なくとも反対して再処理 工場を止めても、すでに廃液がありますので、そ れを皆さんどうするんですかと。それからガラス 固化体もあるんですけど、それをどうするんです かと。
政治家の方もおられるけど、自分たち政権を取 って、取った後にガラス固化体をこれ、どうする んですかと。これだけ悪印象で危険なものだ、危 険なものだと散々言っていたのに、自分たちが政 権を取られてもこれはにっちもさっちもいきませ んよと、これをどうするんですかと。やっぱりこ れは何とかしなきゃいけないので、そこは冷静に
どうやったら安全に扱えるのかというのは冷静に考えてや らねばいけないなと僕は思っております。そこはだいぶ見 解が違うのかしれないですが、一応私の意見として申し上 げます。だいたい以上です。
(司会) ありがとうございました。当初お願いしました ように、最初の 40 分ぐらい、今日はそれで資料もかなり、 全面的に反対派ばっかりだという前提で70 枚を作ってき てくれましたので、内容についてはまた後でじっくりと見 させてもらうとして、ここから先国会議員の方たち質問等 があると思いますので、すみません、手を挙げていただい てそれで自己紹介という形でよろしいですか。
★ 以下、国会議員の質問・意見は要旨のみとします(井川さんの応答できるだけそのまま)。
<議員A> 原子力発電や再処理が本当に人に影響を及ぼさないことが100%担保できるなら、 それはあった方がいい。しかし、いろいろな事故が過去ある。国がどこまで責任を持てるのか。 民間企業や機構に責任を持たせるというようなことでいいのか。
<井川> それで原子力の基本的な考え方としては、危険なものは危険なものに合わせて処分す るという考え方になっていますので、その中に一部まだ処分法、量とかいろいろな手順とかで決 まっていないものが、何せおっしゃるように危険なものもあるので、それを細分化して処分の仕 方を決めるということになっていますので、その分についてはまだ一部決まっていないものもお っしゃる通りありますけれど、ただし、その分け方がまずひとつと、放射線が出るから危険だと おっしゃったのは、ほかの産業でも危険だし、それで事故があったということで言えば、産業事 故による死者は原子力ではほとんどないんです。ほかの産業の方がはるかに死んでおられるとい うことをまず申し上げて。
それからもうひとつ、事故があったときに責任を取れないじゃないかとおっしゃいますけど、 事業者任せだとおっしゃったけど、原子力損害賠償法というのがありまして、これは別途保険代 理責任を国が持つというこの法律もあります。そういう意味では、十分じゃないかもしれないけ ど考えられていないものではないという注釈だけ、ちょっと付け加えて。
< A > 明日の核燃料サイクル安全小委員会で認められるか議論はあるだろうが、今の状況で は、早急に認めるのはちょっとおかしい。井川さんの見解を聞きたい。
<井川> 先ほども申し上げましたけれども、安全、安定にやると彼らは言っているわけですか ら、安定に造ってくれないことには、これは最終的にこの施設でいいですねということはあり得 ないと。ただし、ただしじゃあ、安定にできそうもないとか安定にできそうなのかというのは、 これ、ある意味ちょっとずつでもやってみないことには、実際のプラントなので、机の前に座っ て安定にできるのかなと考えていてもしょうがないわけで。おそらく私の考えでは、ある程度の 数を徐々にやりつつ、ただしこれはそれでオーケーじゃないよと、基本的な考え方としてですよ。 これは別にこのガラスという施設だけじゃなくて、おそらく溶融炉のような施設もそうですけど、 最初のうちは徐々に様子を見ながらやってみて、いかんということになれば根本的にこれ問題が あるんじゃないかというときは、そこはもうやめてもらうしかないということは当然言わなきゃ いけない。
ただし徐々に、ただし破局的なことになったりしないようにしっかりと様子を見ながらそれは やっていくというのは、普通工業とか商業の人は当然のことだと思うので、僕は全体的に止める 気というのはなくて、当然ちょっとずつ動かしてもらわないと安全に動くかどうか分からないの で、これはそれぞれにみんなが会議をしていても分からないわけですから、そこは。ただし、あ
んまりにも、取りあえずやらせてくださいよ、よく分からないけどと言われたら、お前はばかか という話なので。じゃあ、理屈はどうなっているんだと、僕はこの間の発生があるんだというの をよく伺ってみて、そこまでよく調べて今回はちょっと動かせてみてくれというちゃんとした、 国民とか、私は半ば素人、専門的にやったわけじゃないですから、それにある程度理解できるよ うな話になっていれば、ちょっと試しにやってみるというのはありだと思っています。
< B > この原子力産業とあえて言いますね、それを路線を引かれたのはもう今から何十年か 前です。その話から何からさまざまいっぱい申し上げねばならない、ご理解いただかないとでき ない、失礼ですけれども井川さんはどこのお生まれでいらっしゃいますか。
<井川> 東京生まれですけれども。正確に申し上げると、東京で生まれましたけれどそれは物 心がなくて、その後僕の記憶にないころに九州をぐるぐる回ったらしくて、その後山口の下関に 里子に、親が育てきれないというので2 年ぐらい出されまして、それはたまたま……
< B > そこまではもう結構でございます。それは幸いです。この施設を持ってくるときに、 青森県の受け入れる側は何が何だかよく理解ができていなかった人が大半です。まず貧しい、非 常に経済力が乏しい。特に六ケ所を中心に、昔の満蒙開拓に出た、そして帰ってきた、これとい う産業のないところです。人口密集度が非常に希薄な場所です。当初このことを少しは考えてい た方々がいて、東京にこの原子力の施設を一切合切置いたらいかがですかと、責任ある政府の 方々にそういうことを申し上げた時期がありました。そういう状況の話の中で、ある一部の当時 の政府の執行部の方々、自民党ですよ、当時の、方々がまず持ってきて、預かりましょう、入れ ましょうということでスタートしたわけです。
そのときにこういう質問をした方がいるんです。なぜ六ケ所なんだ、なぜ青森県ですかと、な ぜ東京じゃないんですか。次にこう答えました。人口密度が希薄だからいいんですと。なぜ希薄 な必要があるんですかと。何かあったときに大事じゃなくて小事で終わるからと言いました。私 が今申し上げることは以上です。たくさんありますけれども。お答えは結構です。
<井川> いや、ひとつだけ申し上げますけれど、別に東京に僕はあってもいいと思いますし、 全然問題ないと思います。
< B > だったらそういうふうにどうぞ活動なさってください。
<井川> 石原知事も確か東京でもいいとおっしゃっていると思って。全然。
< B > 知事さんがどう受けるか、東洋町以上の問題がどうなっていくか。どうもありがとう ございました。
< C > 柏崎刈羽原発の地震の次の日に行って、放射能も次の日だって漏れていたんですよね。 六ケ所に関して、例えば新指針に基づく見直し、点検は行われていないわけじゃないですか。少 なくとも六ケ所を今の段階で絶対に本格稼動させるべきではないと思っています。新指針に基づ くきちっとした検討が行われていない段階での本格稼働についてどうお考えですか。
<井川> 先ほどもそれについてちょっとご説明しましたけれど、より小さい確率について今の 新指針の流れというのはより小さな確率のリスクまで見込もうかということですので、旧指針で も大きな事象については対応していますので、それで基本的な安全は守れると理解しています。 さっきもご説明しましたが多重防護という考え方で造っていますので、これは柏崎でもその部分 はうまく機能したと私は理解しています。そこはもう反対派の方と安全の評価ではたぶん天と地 ぐらい見方が違うので、たぶん今歯ぎしりした方もおられたので、この野郎、何言っているんだ と思われたかもしれませんが、たぶん。そこは申し訳ないんだけど、どこまで怖がるかという話 でしょうけれど。
僕は工業製品とか工学製品というのは100%というのはあり得ないので、もし、確かに何かご 不安だとおっしゃるなら、じゃあ、隕石が落っこちたときどうするんだと。北朝鮮が大編隊を組 んでミサイルを撃ち込んできたらどうするんだと、そこまで考えるんですかと。いや、普通そこ まで考えないでしょうと。どこかで見切りをしないといけない。それに対して、それに対してで すよ、バランスを付けてある程度のゆとりを持って強度を造っておいてやるしかありませんねと
いうのが、だいたいどの工業製品もそうだと僕は思っています。
< C > 浜岡原発も活断層の上にあって最も危険だと思いますが、新指針に基づいて増改築を やったわけじゃないですか。柏崎のあの地面が段差が起き、いろいろなものが崩れて落ちている のも見ましたよ。そういう中で、少なくとも新指針を出す必要があった、その新指針に基づく検 討が行われていないということ、そのものにはやっぱり瑕疵があると思うんですよね。
<井川> もう本当に見解の差ですけれども。ちょっとひとつだけ注釈を申し上げれば、浜岡は 新指針に基づいて公共工事をやったんではなく、新指針を作っている最中に中部電力が独自の判 断でおやりになられた。つまり、僕はそういう意味ではある程度、ここは反対派の方と一致して いるのかどう知らないんですけど、僕はゆとりがいっぱいある方がいいというのを先ほどからず っと言ってきましたけど、ゆとりというのは大事だと思っています。僕は、要するに工業製品と かすべてのものはゆとりを付けろと言うわけです。
僕は原子力施設は今のゆとりで本当に大丈夫ですかということは皆さんに言い続けています。 つまり、今おっしゃるように壊れたりすると最終的に多重防護だといって核心部分を守られたり、 最終的に外部に影響を与えないということが幸いあったとしても、ゆとりが足りないといろいろ なものが壊れたりして、やっぱりみんなにご不安を与えたりあるいは動かなくなったりエネルギ ー供給に問題を与えるでしょうと、結局は経営リスクになるでしょうと。ここで100億円けちる んじゃなくてもっと強くしたらどうですかと皆さんに言っているんですけど。
< C > だったら、六ケ所村に関しては新指針に基づくきちっとしたことがない限りは稼働さ せるべきではないんじゃないですか。
<井川> だから何度も申し上げているようにゆとりというのは、そのゆとりでも十分じゃない ということもあり得るわけです。
< C >ただ、新指針が出ているということは、旧指針では不十分だから新が出ているわけじゃ ないですか。
<井川> だからそれを申し上げるならば、六ケ所工場としては新指針に基づいて評価書を出し 直して、彼ら自身の判断としてはですよ、現状の報告書では現状のままでいいですよという報告 書を出しているわけですね、中間報告、暫定版ですけれども、国に認められたわけじゃないです けれども。
< C > ですから、いろいろなレベルの議論があるけれど、少なくとも今の段階で六ケ所は動 かすべきではないんじゃないか。放射能の問題があると思うんですよ。放射能はいったん漏れれ ば DNA などを傷つけるわけじゃないですか、チェルノブイリみたいな例もあるわけだから。活 断層についても両説あるんであれば、疑わしきはやはり安全性の方に明らかに振るべきだと思う んですけど、いかがですか。
<井川> おっしゃる放射能がちょっと漏れればというのは、先ほどもこれ、みんなの前に書き ましたけれど、要するに放射能、漏れたものはどういう物資なのか、それによる放射線の影響は どうなのか、現状では外部に影響を与えるような放射性物質が出て、周囲の方に影響を与えたと いうのは国内では大きなものはないので、原子力発電所ではですよ。JCOというところで放射 線、中性子線が漏れるというとんまなことがあったというのは確かにあったわけですが。
< C > ただ事故が起きると困るからです。
<井川> だから現状では事故が起きていないし、そういう周囲の環境に影響を及ぼすような原 子力発電所で事故は起きていないし、少なくとも。それでなおかつその安全のリスクというのも 一定以下にあるというのが工学的な見方だし、国の保安院、規制当局の見方です。それで、おっ しゃるような安全に対するリスクというのは僕は一定以下に押さえられているんだと思いますよ。 それで、そのリスクとエネルギー供給とか国民生活だとか産業エネルギーの供給をするというセ キュリティーという観点もありますので。
ちょっと伴さんを引用して申し訳ない。伴さんが原子力の長計の議論のとき、再処理工場があ るとミサイルで攻撃されるリスクがあるのでやめた方がいいと言うんですけど、そんなことを言 ったらみんな怖いので、じゃあ、日本人はみんな穴倉を掘って地中に隠れているのかと。そうい