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概要版 熊本市立高校入試事務改善に関する報告書 熊本市ホームページ

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Academic year: 2018

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はじめに

1 市立高校入試における採点ミスの概要

○ 市立必由館高校の平成24年度入学者選抜の後期(一般)選抜で、受検者の正解の答案 を不正解とするというミスが判明した。

○ 当該受検者は不合格とされており、改めて合否判定を行った結果、合格となったが、こ のミスを受け、市立高校2校の解答用紙の再点検を行ったところ、合否に影響はなかった ものの、合計45件の採点ミスが確認された。

【学校・教科ごとの内訳】

必由館高校 千原台高校 合計 国語 3件 4件 7件

社会 11件 8件 19件 数学 2件 1件 3件 理科 3件 8件 11件 英語 5件 0件 5件 合計 24件 21件 45件 【内容ごとの分析】

必由館高校 千原台高校 合計 正解を「不正解」としたもの 13件 6件 19件 不正解を「正解」としたもの 10件 8件 18件 各問の得点記入を間違ったもの 1件 7件 8件 合計 24件 21件 45件 【原因ごとの分析】

必由館高校 千原台高校 合計 単純ミス 21件 17件 38件 採点基準の未確認 3件 0件 3件 どちらともとれるもの 0件 4件 4件 合計 24件 21件 45件

2 検討委員会の設置

○ 教育委員会では、早急にその原因を究明するとともに、再発防止に向けた改善策を検討 し、適切な入試事務の遂行により市民の信頼を回復するため、「熊本市立高校入試事務改善 検討委員会」を設置し、検証を行った。

○ 具体的な検証作業としては、両校の職員からの聴き取り及びアンケート調査を実施し、 入試事務の現状の把握と分析を行いながら、特に採点事務における課題と改善の方向性な どを整理した(9回開催)。

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第1章

入試事務全体の流れ

○ 現在の両校の入学者選抜試験は「前期(特色)」及び「後期(一般)」に分かれており、 その事務は、いずれも、以下の流れで実施している。

○ 両校では、県・市の要項を参考に、入試事務全体のマニュアルにあたるものとして「実 施要項」(必由館:「学力検査・実技検査実施要項」、千原台:「選抜実施細案」)を前・後期 の各々に定めている。

第2章

採点事務の現状と課題

1 採点事務の現状

○ 両校の採点事務は、これまでの実務の中で培われた経験則に基づき、学校(教科)ごと に若干の相違はあるものの、概ね以下のような流れで行われていた。

○ 本年度の採点スケジュールとしては、水、木曜日(試験実施日)の試験終了後及び金曜 に採点・集計・コンピュータ入力を終了。翌週の月曜に合否判定資料の作成、火曜に合否 判定を行い、水曜日の合格発表に間に合わせていた。

2 採点事務の課題

○ 両校の「実施要項」(マニュアル)では、採点事務について、必由館高校は具体的な手順 が記されていたが、実質的には各教科に任され、記述通りの手順を踏まない教科もあるな ど内容が徹底されていなかった。また、千原台高校は「ミスのないように気をつける」等 の一般的な記述があるのみで、詳細な実施手順や方法などは各教科に任されていた。 ○ その結果、教科・従事者によっては、以下のような課題が生じる例があった。

・教科主任に対し、当該教科の採点事務の実務責任者であるという明確な任命がされてお らず、その責任体制が明確でなかった

・教科主任の責任が不明確なまま、担当箇所の割当もはっきりとした形で行われていなか った

・採点に関する具体的手順や方法、スケジュール等を確認しないまま採点をした ・担当する問題について十分な理解をせずに採点を行った

・具体的な採点基準が示されず、採点委員間の共通理解が不十分であった

①採点準備(採点委員の任命、担当箇所の割当、採点基準の作成・共有化等) ②採点業務(小問採点2回、大問集計2回、総合集計2回)

③採点後の業務(得点のコンピュータ入力、合否判定資料の作成等) ①要項・願書の配布

②願書の受付・志願者数の確定 ③試験実施

④採点事務 ⑤合否決定

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○ また、採点環境についてみると、

・採点場所について、教科ごとの仕切りがなく、全体的に雑然とした雰囲気の中で作業が なされていた

・職員の中には、余裕がなく「早く終わらねばならない」という焦りが生じていたなどの 意見があった

第3章

今後の改善策

○ 今後の改善策については、両校の教職員の構成等が異なることから、検討委員会では、 入試事務(特に採点事務)における改善の方向性と、必ず行わなければならない両校共通 の事項等を示すこととし、具体的なマニュアルなど実務の詳細については、それぞれの実 情に応じ、学校が教育委員会指導課と協議のうえ作成することとする。

(1)「採点準備」の改善策

○ 校長が、教科ごとの採点事務の実務責任者として教科主任を任命し、その責務を明確 化させる。

○ 教科主任を中心に、事前に採点委員全員が問題を解答し、県の作成した標準解答を踏 まえ、学校としての採点基準及び採点上の留意事項を明確化(用紙に記載)する。 ○ 教科内の担当箇所の割当は、教科主任が校長、教頭、教務主任と協議のうえ行う。 ○ 誰もが割当がわかるように、事務分担表を作成する。

○ 採点委員の任命及び担当箇所の割当にあたっては、単に命じるのみならず、その業務

【課題のまとめ】

総じて、両校ともに、

●事務の体制について、校長から採点委員に至るまで、組織としての指揮命令系統 や責任の所在が不明確で、適切な時期に適切な指示・説明がされていない ●事務の処理について、採点基準や採点手順が不明確で、組織としての統一された

方法での処理がされていない

など、事務を行う組織としての体制が十分ではなかった。

特に、組織としての統一された処理がされていないことに関して、両校に入試事務 のマニュアルにあたる「実施要項」はあるものの、その根幹となる採点事務について の詳細な手順は、

●必由館高校・・・記載されていたものの職員への周知徹底が不十分であった ●千原台高校・・・記載がなかった

ため、職員の事務処理の共通の基盤となるものが明確に存在せず、結果的に、経験則 に基づく教科ごとの独自の方法により採点が行われていたことが今回のミスの根源 であったと考えられる。

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内容・スケジュール等とともに責任の所在を明確化したうえで具体的な指示を行うなど、 採点事務の重責を担うことへの自覚を促す。

○ 用紙に記載された採点基準及び留意事項は採点委員全員に周知し共有化を図る。 ○ 採点委員は、改めて割り当てられた箇所の問題を解き、採点基準及び留意事項と照合

する。

(2)「採点業務」の改善策

○ 採点回数を現在の2回から3回に増やす。

○ 採点者は、事前の割り振りで決められた箇所のみを採点する。 ○ 以下のような採点業務の具体的なルールを策定し、徹底させる。

・受検生の書いた文字の上には○、×を書かない。

・訂正する場合は、訂正箇所に二重線を引き、その採点を行った者全員の訂正印を押し た上で横に訂正を記入する。

・採点基準の追加・修正は教科主任が行い、用紙に記録して誰もが共有化できるように する

(3)「採点後の業務」の改善策

○ 合否判定資料に記された得点の入力ミスを防ぐため、全部の答案とのチェックを行う。 ○ また、合格ライン前後の答案の再採点を教頭、教務主任立会いのもと教科主任が行う。

(4)採点環境における改善策

○ 静謐な環境を確保することはもちろんのこと、他教科との採点時間の差による心理的 あせりを感じないように、教科ごとに場所を分けるなどの工夫をする。

○ スケジュールについては、職員に「余裕がなかった」「焦りが生じていた」などの意見 があったことも踏まえ、更なる創意工夫を行い、合否判定までに要する期間を最大限有 効に活用するようなスケジュールを設定するとともに、作業の進行管理を徹底する。 ○ 個々人の集中力が欠けないよう、休憩の時間や場所などを明確に設定する。

第4章

まとめ

○ 来年度からの入試事務の遂行にあたり、「マニュアル」を整備することは極めて重要であ るが、それ以上に、総じて、両校の事務を行う組織としての体制が十分ではなかったこと が、今回のミスの根本とも言える大きな要因と思われる。

○ そこで、まず、両校においては、校長をはじめ職員一人ひとりが、入学試験という子ど もたちの重大な進路決定に関わることの責任の重さを改めて自覚しながら、強い意識と高 い集中力をもって業務に取り組んでいくことが、何よりも重要と考えられる。

○ また、職員相互の「報告・連絡・相談」をきめ細かく行うなど、一定の統一された意思 を有する組織としての体制をさらに強化することが必要である。

○ さらに、教育委員会においても、指導課を中心に、学校における円滑な入試事務の遂行 に向けて必要な支援を行うことが求められる。

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