第 1 章 わたしたちが目指すもの
∼長野市の環境ビジョン∼
長野市の将来の姿がどのような姿であればいいのでしょうか?
環境の視点でその姿を考え、 「長野市の環境ビジョン」として以下の
姿を提案しています。
このビジョンは、 長野市に住んでいる人のほか、 長野市で働く人、 長
野市を訪れる人や事業者などに、 環境関連の活動の方向性を示すものと
して、多くの方の参加・協力を得て、実現を目指します。
1 長野市の環境ビジョン
山にみどり・川に清流・谷に風・空に星
自然と和して発展するまち・人のくらし
みんなの知恵と行動でつくる環境・未来・ながの
豊かな山々には人の手が入り、 林は清冽 (せいれつ) な水を生み、
里山、田畑、水辺には多くの生き物が息づいて、豊かな恵みを与え
てくれる。
まちには、木々が茂る安らぎの空間、水が流れる潤いの空間、す
がすがしい風のなかを、人々がゆったりと安心して行き交う空間、
自然に調和した街並みがある。そこに、地球の恵みを大切にしてい
る市民のくらしがある。
長野の環境を保全、復元、創造し、未来に引き継いでいこうと、
ともに知恵を絞り、汗を流す多くの市民がいる。そして、市民の行
動を支える仕組みがある。
こんな ほっとするまち「ながの」をわたしたちは目指します。
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ここでは、自然と人間の共存を軸に本市の理想の環境像が描かれています。
豊かな自然は、われわれの生活にさまざまな恵みをもたらしています。この環
境を将来にわたって引き継いでいくこと、 自然と調和した社会生活やまちづくりを
推進すること、 そして環境への配慮が永続性をもつよう今後も英知を終結すること
が、本市に暮らしているわれわれ一人一人に求められています。
2 環境ビジョンを実現するために
「ながの環境パートナーシップ会議」 では、 環境ビジョンの実現を目
指し、複数のプロジェクトを実行しています。
プロジェクトは、 個々に独立して取り組みを実施しますが、 環境ビジ
ョンの実現を目指す体系の中では、 「自然」 、 「生活」 、 「未来」という3
つのテーマの下にそれぞれが位置付けられています。
現在、 「ながの環境パートナーシップ会議」では、多くのプロジェク
トが実行されていますが、 今後、 市民意識の高まりや科学技術の進化や
時代の変化とともに、 実行すべき新たなプロジェクトも発生してくるも
のと思われます。
そこで、 「ながの環境パートナーシップ会議」では、自由な発想で、
楽しみながら取り組めるプロジェクトの提案を積極的に受け入れてい
くこととします。
また、 一緒にプロジェクトに取り組んでいただける方も幅広く受け入
れるとともに、 同様の活動に取り組んでおられる方々の支援にも積極的
に取り組んでいきます。
このように 「ながの環境パートナーシップ会議」 では、 環境問題に関
動する) する役割を担うことにより、 環境保全に向けたネットワークを
築き、 地球規模の環境問題へと視野を広げながら、 地域から地球規模に
広がる環境保全活動を推進し、 環境ビジョンの実現を目指していきます。
アジェンダ 21 ながの−環境行動計画−2013 概念図
以下、プロジェクト⑤、⑥、⑦・・・・・・
※ 各プロジェクトは、市民・事業者・行政による
協働組織により活動を行う
ながの環境パートナーシップ会議
長野市の環境ビジョンの実現
事業者 行政
市民
環境活動を行う全 ての人 、 団体 NPO・住民自治協議会など 、 事業者
つなぐ
・ 伝える
・ 行動する
プロジェクト ①
プロジェクト ②
市民
プロジェクト③
プロジェクト④
行政
事業者
市民
行政
事業者
市民
行政
事業者
長野市環境基本条例
アジェンダ 21 ながの-環境行動計画-2013
第二次長野市環境基本計画
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ビジョン・プロジェクト体系図
長野市の
環境ビジョン
主に関連する 第二次
長野市環境基本 計画の施策のテーマ
→ 生物多様性の確保
→
森林・農地の保全と 農林業の活性化
→ 良好な水辺の形成
→
廃棄物の発生抑制 再資源化
→ 廃棄物の発生抑制
→ 廃棄物の発生抑制
→ 身近な生活環境の保全
→
再生可能
エネルギーの利活用
→
市場原理を活用した 温室効果ガス削減
→
環境教育及び 環境学習の推進
→
環境教育及び 環境学習の推進
ながの環境パートナーシップ会議では、上記プロジェクトを実施しています。
長野市の環境ビジョンの実現を目指していくためには、新規プロジェクトを立ち上げ、プロジェクト活動の 活性化を図っていく必要があります。
取り組むことが可能な項目を例示しました。
外来植物の駆除、日本固有種の保護 / 里山遊歩道・自転車道路の整備
実施中のプロジェクト
アジェンダ21ながの-環境行動計画-2013
Ⅰ
自
然
山にみどり・川
に清流・谷に
風・空に星
1 スキー場跡地の自然復元プロジェクト
2 市民の森づくりプロジェクト 3 生態系豊かな、水に親しめる
川づくりプロジェクト
みんなの知恵
と行動でつく
る環境・未来・
ながの
Ⅱ
生
活
Ⅲ
未
来
自然と和して
発展するまち・
人のくらし
4 GLOBEプロジェクト
1 生ごみ削減・再生利用プロジェクト
2 食品トレイ使用削減プロジェクト
3 レジ袋使用削減プロジェクト
4 光害対策プロジェクト
1 太陽エネルギー普及促進プロジェクト 2 ながのカーボンオフセット
プロジェクト 3 子どもの環境学習支援プロジェクト
3 ながの環境パートナーシップ会議の10年間の活動と今後の展望
これまでの 10 年間の活動を振り返り、今までの成果と今後の
展望をまとめました。
(1)ながの環境パートナーシップ会議の10年間の活動
① 全体の総括について
「ながの環境パートナーシップ会議」 の発足した当時、 環境保
全活動と経済活動では目的が必ずしも一致しないことなどから、
環境意識の高い人や、 環境問題は重要ではあるが、 経済活動の許
す範囲で、 資金や人材に余裕がある事業者、 団体等により、 環境
保全活動が取り組まれていました。
また、 環境に対する意識も十分に社会全体に浸透しているとは
言えず、 例えばごみ問題では、 分別をきちんとしていれば、 環境
に良いことをしているという意識がありました。
しかし、 その後 「減量(リデュース)、 再使用(リユース)、 再資
源化(リサイクル)」 の考え方が多くの人や事業者、 団体に知られ
るところとなり、 環境に対する意識は、 広く浸透してきたものと
考えられます。
そして現在、個人、事業者、団体における環境を大切にしよ
うという意識の高まりから環境保全活動を経済活動の制約要因
ではなく成長要因の一つと捉え、 地球温暖化対策などの環境保全
活動と経済活動の活性化のバランスを取りながら、 環境問題に取
り組む社会へと変化してきています。
このような社会全体における環境に対する意識の変化は、個
人、事業者、団体による環境問題に関する意識啓発、率先した
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活動の成果であり、 「ながの環境パートナーシップ会議」も、そ
の一翼を担うことができたのではないかと考えています。
「ながの環境パートナーシップ会議」では、これまでレジ袋
削減や食品トレイ使用削減の検討、生ごみ削減、市民の森づく
り、 光害対策など多くのプロジェクトにおいて、 市民・事業者・
行政が協働で問題の解決に向けて取り組みを実行することによ
り、成果を上げてくることができました。
10 年前に私たちが提案した、市民・事業者・行政の協働(パ
ートナーシップ)により環境問題の解決に向けて取り組んでい
くという理念は、社会の変化を捉え問題の解決に向けて取り組
んでいく方法としては、先駆的なものであり、これまでの成果
が有効性を証明しています。
「ながの環境パートナーシップ会議」 では、 今後も引き続き、
市民・事業者・行政のそれぞれが適正に役割を分担しつつ、対
等の立場での協働により、環境問題の解決に向けて取り組んで
いきます。
② 各プロジェクトの活動について
各プロジェクトは、 わたしたちが目指す環境ビジョンの実現に向け
て、 プロジェクトごとに目的とする 「理想の街」 を掲げて環境保全活
動に取り組んできました。
実施されているプロジェクト
Ⅰ−1 スキー場跡地の自然復元プロジェクト
Ⅰ−2 市民の森づくりプロジェクト
Ⅰ−3 生態系豊かな、水に親しめる川づくりプロジェクト
Ⅱ−1 生ごみ削減・再生利用プロジェクト
Ⅱ−2 食品トレイ使用削減プロジェクト
Ⅱ−3 レジ袋使用削減プロジェクト
Ⅱ−4 光害対策プロジェクト
Ⅲ−1 太陽エネルギー普及促進プロジェクト
Ⅲ−2 ながのカーボンオフセットプロジェクト
Ⅲ−3 子どもの環境学習支援プロジェクト
Ⅲ−4 GLOBEプロジェクト
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Ⅰ − 1 ス キ ー 場 跡 地 の 自 然 復 元 プ ロ ジ ェ ク ト
理 想 の 街
平 成 2 1 ( 2 0 0 9 ) 年 度 末 を も っ て 閉 鎖 と な っ た 大 岡 聖 山 パ ノ ラ マ ス キ ー 場 の 跡 地 を 、 地 域 の 環 境 に 適 合 し た 植 生 に 復 元 し 、 伝 統 的 土 地 利 用 を 考 慮 し な が ら C O
2吸 収 源 の
拡 大 と ボ ラ ン テ ィ ア に よ る ネ ッ ト ワ ー ク が 構 築 さ れ て い る ま ち
1 「 理 想 の 街 」 に 向 け て 成 果 の あ っ た も の ( 具 体 的 な 活 動 実 績 な ど )
ス キ ー 客 減 少 に よ り 、 聖 山 パ ノ ラ マ ス キ ー 場 が 閉 鎖 と な り 今 後 の 跡 地 利 用 に つ い て 、 当 プ ロ ジ ェ ク ト が 長 野 市 に 受 け 入 れ ら れ 、 平 成 2 2 ( 2 0 1 0) 年 か ら 「 生 物 多 様 性 の 確 保 」 の 取 り 組 み を 始 め た 。
( 1) 植 物 調 査 の 活 用
ス キ ー 場 跡 地 第 一 ゲ レ ン デ で 植 物 の 調 査 を 行 い 、 ス ズ ラ ン ・ コ ウ リ ン カ ・ ヤ ナ ギ ラ ン ・ ク ガ イ ソ ウ な ど 草 原 に 特 有 な 植 物 種 の 分 布 を 確 認 し た 。
こ の 植 物 種 の 生 育 箇 所 に 関 す る 情 報 は 、 ス キ ー 場 跡 地 を 管 理 す る 長 野 市 観 光 振 興 課 に 提 供 し 、 ス キ ー 場 跡 地 管 理 の 資 料 と し て 活 用 し て い る 。
( 2) 小 学 校 の 活 動 支 援
毎 年 春 と 秋 、 大 岡 小 学 校 「 み ど り の 少 年 団 」 に 参 加 し 、 活 動 を 支 援 す る こ と に よ り 児 童 の 樹 木 や 草 花 へ の 関 心 が 高 ま っ て き た 。
( 3) 苗 木 づ く り と 管 理
平 成 2 3 ( 2 0 1 1) 年 は ブ ナ の 成 り 年 に 当 た り 、 翌 年 春 に 発 芽 し た 実 生 を ビ ニ ー ル ポ ッ ト に 鉢 上 げ す る こ と に 成 功 し 、 ブ ナ の 苗 木 づ く り の 第 一 歩 を 踏 み 出 し た 。
平 成 2 4 ( 2 0 1 2) 年 は 信 州 大 学 工 学 部 の 学 生 が 活 動 に 参 加 し 、 草 原 を 維 持 す る た め の 侵 入 樹 木 の 伐 除 を 一 部 区 画 で 行 う こ と が で き た 。
2 実 現 で き な か っ た こ と
( 1) 草 原 生 態 系 を 維 持 す る た め に 「 火 入 れ 」 を 計 画 し た が 、 実 施 に 当 た り 関 係 者 な ど の 理 解 が 得 ら れ ず 実 施 で き な か っ た 。 現 時 点 で は 「 草 刈 り 」 及 び 侵 入 樹 木 の 伐 除 で 対 応 し て い く が 、「 火 入 れ 」 の 単 位 面 積 を 縮 小 す る な ど 少 人 数 で 管 理 で き る 面 積 で 関 係 者 と の 調 整 を 行 っ て い き た い 。
( 2) 「 植 生 調 査 」 や 「 出 現 種 調 査 」 が で き て い な い 。 今 後 の ス キ ー 場 跡 地 の 具 体 的 活 動 に 当 た り 重 要 な 資 料 と な る の で 、 植 物 相 の み な ら ず 昆 虫 相 や 鳥 類 相 な ど 生 物 相 全 般 に わ た る 調 査 を 早 急 に 実 施 し た い 。
3 課 題
( 1) 平 成 2 4 ( 20 1 2 ) 年 度 は 、 信 州 大 学 の 学 生 が 参 加 す る 関 係 で 活 動 日 を 毎 月 第 2 土 曜 日 と 定 め て 定 例 的 に 行 っ て い る が 、 地 元 メ ン バ ー と の 日 程 調 整 が 図 れ ず 地 域 に 根 ざ し た 活 動 と な っ て い な い 。
( 2) 大 岡 小 学 校 「 み ど り の 少 年 団 」 の 秋 の 活 動 で は 、 樹 木 の 種 子 を 拾 い 集 め て も ら っ て い る が 、 地 元 メ ン バ ー と の 協 議 が で き て い な い の で 種 ま き や 水 や り な ど 事 後 の フ ォ ロ ー が で き て い な い 。
「 自 然 復 元 に つ い て 」 地 元 小 学 校 へ の 支 援
聖 山 パ ノ ラ マ ス キ ー 場 の 概 要
長 野 市 大 岡 に 位 置 し 、 旧 更 級 郡 大 岡 村 が 「 聖 ヶ 岡 ス キ ー 場 」 と し て 昭 和 4 1( 1 96 6) 年 に 開 設 し 1 0 h a に 6 コ ー ス を 備 え る 。 ス キ ー 人 口 の 低 迷 等 に よ り 平 成 21 ( 2 0 0 9) 年 度 末 を も っ て 閉 鎖 し た 。
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Ⅰ − 2 市 民 の 森 づ く り プ ロ ジ ェ ク ト
理 想 の 街
四 方 を 山 に 囲 ま れ た 長 野 市 に は 、 手 入 れ さ れ た 里 山 が あ り そ こ に は 多 様 な 動 植 物 が 暮 ら す 豊 か な 森 が あ る 。 人 々 は こ の 里 山 を 利 用 し 、 楽 し み 、 未 来 に つ な げ る 自 然 の 大 切 さ に つ い て 学 ぶ こ と が で き る ま ち
1 「 理 想 の 街 」 に 向 け て 成 果 の あ っ た も の ( 具 体 的 な 活 動 実 績 な ど ) ( 1) 市 民 の 森 づ く り
ア ボ ブ ス レ ー ・ リ ュ ー ジ ュ パ ー ク の 森 の 整 備 が 進 み 、 明 る さ を 取 り 戻 し た 森 に な っ て き た 。 ま た 、 市 民 が ゆ っ く り 散 策 の で き る 遊 歩 道 の 設 置 が で き た 。 イ 「 市 民 の 森 」 と い う 概 念 を 多 く の 市 民 に 持 っ て も ら う こ と が で き た 。 ウ さ ま ざ ま な イ ベ ン ト を 実 施 し 多 く の 市 民 に 参 加 し て い た だ け た 。
エ 林 業 講 座 な ど は 20 0 名 近 い 受 講 生 を 輩 出 で き 、 よ り 安 全 な 整 備 活 動 が 広 ま っ た 。
2 実 現 で き な か っ た こ と
( 1) 第 2 、 第 3 の 「 市 民 の 森 」 構 想 が 進 ん で い な い 。
( 2) 「 市 民 の 森 」 の 維 持 管 理 に 地 元 と の 協 力 体 制 が で き て い な い 。 ボ ブ ス レ ー ・ リ ュ ー ジ ュ パ ー ク の 森 林 部 分 の 整 備 活 動 に 地 元 と の 関 わ り 合 い が 希 薄 で あ る 。 ( 3) 「 市 民 の 森 」 に ま つ わ る 多 く の 可 能 性 を 引 き 出 し た り 、 活 用 し た り で き て い な
い ( カ ル チ ャ ー 教 室 や サ ー ク ル 活 動 等 )。
3 課 題
(1 ) 「 ボ ブ ス レ ー ・ リ ュ ー ジ ュ パ ー ク の 森 の 整 備 」 に 力 を 注 い だ た め 、 森 の 整 備 が 進 み 、 整 備 事 業 に あ る 程 度 の 結 果 が 見 え て き た た め 、 会 員 の モ チ ベ ー シ ョ ン の 維 持 が 難 し く な っ て き て い る 。
( 2) 他 団 体 と の 交 流 や 、 も っ と 多 く の 人 材 と の 接 点 が 少 な い 。 ( 3) 地 元 の 人 材 育 成 に つ な が っ て い な い 。
( 4) 多 く の 市 民 が 参 加 す る 「 市 民 の 森 」 の P R が 必 要 で あ る 。
4 今 後 の 課 題 と 展 望
( 1) 第 2 、 第 3 の 「 市 民 の 森 」 構 想 の 展 開 の た め の 情 報 収 集 と 構 想 実 現 に 向 か っ て の 方 法 の 検 討
( 2) 多 く の 人 材 や 、 他 団 体 と の 交 流 の 中 か ら よ り 広 い ニ ー ズ と 可 能 性 の 抽 出 を 図 る 必 要 性
( 3) 森 林 整 備 に と ら わ れ ず に 、 広 い 視 野 で プ ロ ジ ェ ク ト の 運 営 を 考 え る 。
( 4) 森 林 の 利 活 用 に つ い て の 可 能 性 を 探 る と と も に 、 社 会 の ニ ー ズ に あ っ た 活 動 の 検 討 を し て い く 。
ボ ブ ス レ ー ・ リ ュ ー ジ ュ パ ー ク 「 市 民 の 森 」 の 紹 介
平 成 1 0 ( 1 9 9 8 ) 年 に 開 催 さ れ た 長 野 冬 季 オ リ ン ピ ッ ク で は 「 自 然 と の 共 存 」 を テ ー マ の 一 つ に 、 ボ ブ ス レ ー ・ リ ュ ー ジ ュ が 開 催 さ れ た 。「 市 民 の 森 」 は 競 技 施 設 の 周 辺 の ス ギ や カ ラ マ ツ の 人 工 林 と 広 葉 樹 の 山 を 市 民 有 志 で 整 備 し 、 遊 歩 道 を 設 置 し た 森 で あ る 。
ス パ イ ラ ル の 森 の 面 積 約 1 8h a 、 そ の う ち の 約 4 . 5 h a を 整 備 遊 歩 道 整 備 総 延 長 約 1 20 0 メ ー ト ル
「 市 民 の 森 」 づ く り の 活 動
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Ⅰ − 3 生 態 系 豊 か な 、 水 に 親 し め る 川 づ く り プ ロ ジ ェ ク ト
理 想 の 街
市 街 地 を 流 れ る 川 に は 清 ら か な 水 が 流 れ 、 多 く の 生 物 が 息 づ い て い る 。 周 辺 を 散 策 す る 人 々 が 憩 え る 水 辺 を 備 え た ま ち
1 「 理 想 の 街 」 に 向 け て 成 果 の あ っ た も の ( 具 体 的 な 活 動 実 績 な ど ) ( 1) 「 せ せ ら ぎ 水 路 」 の 取 り 組 み
川 中 島 町 今 井 ニ ュ ー タ ウ ン は 、 平 成 1 0 ( 1 9 9 8 )年 に 開 催 さ れ た 長 野 冬 季 オ リ ン ピ ッ ク の 選 手 村 と し て 利 用 さ れ 、 現 在 は 多 く の 市 民 の 生 活 の 場 と な っ て い る 。 こ の 団 地 を 流 れ る 「 せ せ ら ぎ 水 路 」 を 、 親 水 型 モ デ ル と し て 取 り 組 み を 続 け 6 年 目 を 迎 え た 。 今 後 市 河 川 課 と 打 合 せ を 行 い 具 体 的 に 改 修 工 事 を 行 う 計 画 中 。 ア 「 せ せ ら ぎ 水 路 」 の 水 辺 の 手 入 れ が 進 み 水 質 が 改 善 し 、 四 季 を 通 じ て 多 く の
水 生 生 物 が す む よ う に な り 、 そ し て 多 く の 子 ど も た ち が こ の 水 辺 で 遊 ぶ よ う に な っ た 。
イ 今 井 ニ ュ ー タ ウ ン 自 治 会 の 皆 さ ん が 、 自 主 的 に 水 路 清 掃 や 草 刈 り な ど 積 極 的 に 維 持 管 理 を す る よ う に な っ た 。
ウ 将 来 は 「 蛍 の 飛 ぶ せ せ ら ぎ 水 路 」 を 目 指 す 住 民 意 識 が 育 っ て き た 。
( 2) 「 水 プ ロ ジ ェ ク ト 河 川 環 境 評 価 表 」
生 態 系 を 含 め た 水 環 境 に つ い て 「 水 プ ロ ジ ェ ク ト 河 川 環 境 評 価 表 」 を 作 成 し 、 自 然 観 察 会 な ど で 利 用 す る こ と で 、 独 自 評 価 を す る こ と が 可 能 と な っ た 。 ( 3) 水 環 境 学 習 会 の 開 催
市 と の 協 働 に よ り 、「 浅 川 」、「 北 ・ 南 八 幡 川 」、「 松 代 泉 水 路 」、「 戸 隠 ・ 信 濃 町 の 小 さ な 池 め ぐ り 」 な ど で 市 民 を 対 象 と し た 学 習 会 を 開 催 し 、 水 質 分 析 を 体 験 し た 参 加 者 か ら 好 評 を 得 た 。
( 4) 他 団 体 と の 協 働
信 州 大 学 工 学 部 の 地 域 環 境 演 習 や 環 境 I S O 学 生 委 員 会 の 学 生 が 活 動 に 積 極 的 に 参 加 し 、 専 門 的 な 水 質 分 析 を 実 施 し た り 水 質 浄 化 へ の 成 果 を 上 げ た り し た 。
今 井 ニ ュ ー タ ウ ン を 流 れ る 「 せ せ ら ぎ 水 路 」
( 5) 先 進 地 視 察
今 後 の 活 動 の 参 考 と す る た め 、 先 進 地 ( 岐 阜 県 郡 上 八 幡 川 、 大 町 市 農 具 川 、 安 曇 野 市 拾 ヶ 堰 、 松 本 市 女 鳥 羽 川 、 駒 ヶ 根 市 上 穂 川 ) の 視 察 研 修 を 行 い 、 見 識 を 深 め た 。
2 実 現 で き な か っ た こ と
(1 ) 「 水 プ ロ ジ ェ ク ト 河 川 環 境 評 価 表 」 を 活 用 し た 中 小 河 川 の 現 地 調 査 (2 ) 「 河 川 の 水 生 生 物 調 査 」 を テ ー マ と し た 現 地 学 習 会 開 催
3 課 題
(1 ) 第 2 、 第 3 の 「 水 に 親 し め る 川 づ く り 」 を 目 指 し て 情 報 収 集 を し 、 実 現 に 向 け た 検 討 を す る 。
(2 ) 「 水 、 河 川 の 大 切 さ 」 に つ い て 、 引 き 続 き 啓 発 活 動 を 積 極 的 に 行 う 。
独 自 に 作 成 し た 「 水 プ ロ ジ ェ ク ト 河 川 環 境 評 価 表 」 一 部 抜 粋
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Ⅱ − 1 生 ご み 削 減 ・ 再 生 利 用 プ ロ ジ ェ ク ト
理 想 の 街
市 民 一 人 一 人 が 地 球 環 境 を よ り 良 い 形 で 後 生 に 伝 え て い く た め 、 家 庭 及 び 事 業 者 が ご み の 削 減 ・ 再 生 利 用 に 努 め 、 C O
2の 排 出 量 が 以 前 と 比 べ 大 幅 に 減 っ て い る ま ち 地 域 ご と で 多 く の 市 民 が 生 ご み の 減 量 化 ・ 再 資 源 化 に つ い て 取 り 組 み 、 有 効 活 用 し て い る ま ち
生 ご み の 大 半 が リ サ イ ク ル さ れ 、 可 燃 ご み が 減 少 し 、 限 り あ る 資 源 を 大 切 に し て い る ま ち
1 「 理 想 の 街 」 に 向 け て 成 果 の あ っ た も の ( 具 体 的 な 活 動 実 績 な ど )
( 1) 「 長 野 市 一 般 廃 棄 物 処 理 基 本 計 画 」 に あ る 、 生 ご み の 自 家 処 理 を 市 民 に 広 く 普 及 す る た め 、 生 ご み の 削 減 ・ 再 生 利 用 キ ャ ン ペ ー ン に よ る 啓 発 活 動 や 各 種 講 座 を 開 催 し た 。 こ れ ら は 市 民 ・ 事 業 者 ・ 行 政 の 協 力 に よ っ て 、 次 の 大 き な 成 果 が 得 ら れ た 。
ア 平 成 1 6 ( 2 00 4 ) 年 度 か ら 「 生 ご み フ ォ ー ラ ム 」 を 3 回 行 い 、 次 の 講 座 を 開 催 し 、 延 べ 30 0 人 を 超 え る 参 加 者 が あ り 、 生 ご み の 有 効 利 用 の 具 体 性 を 示 せ た 。 ( ア ) 生 ご み の 少 な い 調 理 を 提 案 し た 「 エ コ ク ッ キ ン グ 」
( イ ) 生 ご み を 堆 肥 化 し 、 そ れ を 利 用 し た 「 エ コ ガ ー デ ン 」
( 後 に 市 の 事 業 の 「 生 ご み 堆 肥 を 利 用 し た ガ ー デ ニ ン グ 講 座 」 に 発 展 ) イ 平 成 2 0 ( 2 00 8 ) 年 度 に 、 小 ・ 中 学 生 に よ る 「 生 ご み 削 減 ポ ス タ ー 」 を 募 集 し た
と こ ろ 2 39 点 の 作 品 が 集 ま り 、 優 秀 作 品 を 表 彰 し た 。 原 画 を 市 役 所 ・ 公 民 館 ・ デ パ ー ト ・ 駅 な ど 多 く の 市 民 の 目 に 付 く 場 所 に 展 示 し 、 絶 賛 を 得 た 。 さ ら に 、 優 秀 2 作 品 は 4, 0 00 枚 印 刷 し 、 要 望 の あ っ た 住 民 自 治 協 議 会 の 環 境 部 会 に 配 り 、 ご み ス テ ー シ ョ ン 等 住 宅 地 に 近 い 場 所 に 貼 る こ と が で き た 。 ま た 、 ご み 収 集 車
( パ ッ カ ー 車 ) の ボ デ ィ に も ペ イ ン ト さ れ 街 中 を 走 っ て い る 。
こ れ ら の 事 業 に 係 る 経 費 2 8 万 円 は 、 全 て 協 賛 事 業 者 ( 株 式 会 社 本 久 ・ 宝 資 源 開 発 株 式 会 社 ・ 信 濃 理 化 学 工 業 株 式 会 社 ・ 信 濃 楽 農 会 ) の 協 賛 金 で 賄 う こ と が で き た 。
( 2) 家 庭 で で き る 生 ご み 処 理 を 多 く の 市 民 に 理 解 し 実 践 し て も ら う た め 、 次 の よ う な 取 り 組 み を し て い る 。
「 生 ご み 削 減 ポ ス タ ー 」 小 学 生 優 秀 作 品 中 学 生 優 秀 作 品
ご み 収 集 車 ( パ ッ カ ー 車 ) に ポ ス タ ー を 掲 示
ア 「 生 ご み 堆 肥 化 キ ャ ラ バ ン 隊 」 を 組 織 し て 地 域 に 出 向 き 、 住 民 自 治 協 議 会 と 連 携 し 、 各 地 域 で の 定 着 を 目 指 し て い る 。 そ の た め 、 生 ご み の 削 減 ・ 再 生 利 用 の 方 法 ( 水 切 り ・ コ ン ポ ス ト ・ 段 ボ ー ル 堆 肥 化 等 ) を 通 じ て 、 啓 発 活 動 や 各 種 講 座 の 開 催 を し て い る 。
( ア ) 芹 田 地 区
「 ボ カ シ 作 り と 生 ご み 堆 肥 化 講 座 」 を 開 催 し 、「 花 い っ ぱ い 運 動 」 に つ な げ る 活 動 の 支 援 を し 、 地 域 で の 広 が り を 促 し た 。
( イ ) 安 茂 里 地 区
「 生 ご み 堆 肥 化 講 座 」 を 延 べ 8 回 開 催 し 、 2 2 0 人 を 超 え る 参 加 者 が あ り 、 以 後 さ ら に 発 展 し た 。 ま た 、 一 次 生 成 物 の 地 域 内 移 譲 の シ ス テ ム 構 築 を 実 験 中 で あ る 。
イ 新 た な 生 ご み 堆 肥 化 基 材 の 開 発 を し 、 実 証 実 験 を 継 続 中 で あ り 、 次 の 課 題 が ク リ ア さ れ る 方 向 性 が 見 え て き た 。
( ア ) 使 い や す く す る ( 発 酵 菌 を 入 れ る 、 匂 い を 減 ら す な ど )。 ( イ ) 市 中 の お 店 で 買 え る よ う に す る ( 継 続 性 の 視 点 か ら )。
( ウ ) コ ス ト を 下 げ る ( 継 続 性 の 視 点 か ら 。 で き れ ば 市 と の 連 携 に よ り 、 さ ら に 下 げ る 。)。
ウ 信 州 環 境 フ ェ ア 等 の 催 事 に 積 極 的 に 参 加 し て 、「 生 ご み 堆 肥 で お 花 を 咲 か そ う 。 野 菜 を 育 て よ う 」 を テ ー マ に 次 の 広 報 活 動 を し た 。
( ア ) 生 ご み 堆 肥 化 講 座 の チ ラ シ 配 布
生 ご み 堆 肥 化 講 座 の チ ラ シ
Ⅰ 水 切 り Ⅱ 家 庭 で の 堆 肥 化 Ⅲ 堆 肥 作 り ( 2 次 発 酵 ) Ⅳ 生 ご み 堆 肥 に よ る 土 作 り
生 ご み か ら 堆 肥 を つ く り = = = 作 業 の 流 れ = = =
き れ い な 花 を 咲 か そ う
第 1 ス テ ー ジ 水 を 切 ろ う第 2 ス テ ー ジ 生 ご み 堆 肥 を 作 ろ う
第 3 ス テ ー ジ 土 づ く り を し よ う
第 4 ス テ ー ジ 花 を 咲 か そ う野 菜 も 作 ろ う
な が の 環 境 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 会 議
生 ご み 削 減 ・ 再 生 利 用 プ ロ ジ ェ ク ト チ ー ム
( イ ) ク イ ズ ( 子 ど も ) お よ び ア ン ケ ー ト ( 大 人 ) に よ る 認 知 活 動 を し た ( 景 品 と し て 協 賛 事 業 者 か ら の 協 賛 品 を 配 る )。
こ れ ら は 市 民 ・ 事 業 者 ・ 行 政 の 協 力 に よ っ て 、 大 き な 成 果 が 得 ら れ た 。 ( 3) 先 進 地 視 察 、 メ ン バ ー 勉 強 会 、 市 へ の 提 案
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ア 県 内 視 察
地 域 活 動 組 織 と 生 ご み チ ー ム が 共 催 で 生 ご み 活 用 施 設 等 見 学
( 平 成 1 9 (2 0 07 ) 年 直 富 商 事 株 式 会 社 、 平 成 2 1 ( 2 00 9 ) 年 伊 那 市 ・ 駒 ヶ 根 市 、 平 成 2 2( 20 1 0) 年 上 田 市 ・ 小 諸 市 、 平 成 2 3( 2 0 1 1 ) 年 小 布 施 町 ・ 信 濃 町 ) イ 県 外 視 察
生 ご み チ ー ム の み で 生 ご み 活 用 施 設 と 直 販 施 設 等 見 学
( 平 成 1 8 (2 0 06 ) 年 仙 台 市 ・ 株 式 会 社 大 地 酵 素 他 、 平 成 2 1 年 ( 20 09 ) 年 鈴 鹿 市 ・ 津 市 ・ 名 古 屋 市 )
ウ 視 察 報 告 会 お よ び 市 へ の 提 案
環 境 部 長 お よ び 生 活 環 境 課 長 に 出 席 し て い た だ き 上 記 活 動 報 告 を す る と と も に 、 当 チ ー ム と し て 生 ご み 行 政 に 対 す る 提 案 を し た 。 後 日 、 環 境 部 内 で 再 度 職 員 に も 見 て い た だ い た 。
2 課 題
( 1) 行 政 と の 連 携 を さ ら に 十 分 に 取 る 必 要 が あ る 。
ア 当 初 の 数 値 目 標 と し て 可 燃 ご み 総 量 の 1 0 % を 2 年 ご と に 削 減 さ せ る 計 画 で あ っ た が 、 生 ご み 総 量 の 調 査 デ ー タ は な く 、 は っ き り し た 傾 向 が 分 か ら な い 。 生 ご み 含 有 率 の 推 移 か ら は や や 減 少 傾 向 に あ る ( 下 図 )。
生ご み含有率の推移
41 . 8 34 .9
3 6 . 5 55 . 8 4 4 . 4 3 8 . 9 4 0 .5
49 .9 4 3 . 2 4 2. 5 47 .7
0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0 7 0
平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年 度 平成18年度 平成19年度 平成20年 度 平 成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
年度( 年)
含有率(%)
イ 「 段 ボ ー ル に よ る 生 ご み 堆 肥 化 講 座 」 等 の 活 動 に よ る 生 ご み の 削 減 数 値 が 見 え な い た め 、 今 後 は 検 証 す る こ と で 効 果 的 な 対 策 を 取 る 必 要 が あ る 。
ウ 平 成 2 1 ( 2 00 9 ) 年 度 お よ び 平 成 2 2 (2 0 10 ) 年 度 の 大 型 電 動 生 ご み 処 理 機 を 使 っ た 三 重 県 津 市 ( 有 ) 酵 素 の 里 堆 肥 工 場
市 の モ デ ル 地 区 ( 若 里 ) の デ ー タ を 市 と 共 有 し て の 活 用 が で き て い な い 。 ( 2) 家 庭 系 と 事 業 系 の 生 ご み 対 策 を 分 け て 考 え る べ き か 検 討 す る 必 要 が あ る 。 次 の
2 点 は 今 後 の 課 題 と 言 え る 。
ア 家 庭 系 生 ご み の 自 家 処 理 以 外 の 構 想 が 進 ん で い な い 。
イ 事 業 系 生 ご み ( 給 食 セ ン タ ー ・ ス ー パ ー 等 ) の 削 減 や 処 理 方 法 の 検 討 が 進 ん で い な い 。
(3 ) 平 成 1 9 ( 2 0 07 ) 年 ( 電 動 生 ご み 処 理 機 使 用 者 対 象 )、 平 成 2 1( 2 00 9) 年 ( 市 議 会 議 員 対 象 )、 平 成 2 4 ( 2 01 2 ) 年 ( ア モ ー レ フ ェ ス タ に て )、 こ れ ら 3 回 の 生 ご み 処 理 の 意 識 ア ン ケ ー ト に よ っ て 得 ら れ た デ ー タ を 基 に 自 家 処 理 を 促 す に は ど の よ う な 方 策 が 必 要 か 検 討 す べ き で あ る 。
自 家 処 理 は あ る 意 味 で 自 己 責 任 と も 取 れ る が 、 行 政 は 補 助 金 を 出 し 推 奨 し て い る の だ か ら 個 人 の 限 界 を 超 え て 、 地 域 で 協 力 し て 自 家 処 理 の 方 法 を 模 索 す る 必 要 が あ る 。
3 こ れ か ら の 展 望
( 1) 住 民 自 治 協 議 会 と の 協 働 に よ り 、 さ ら に 多 く の 市 民 が 自 家 処 理 に 行 動 で き る よ う に 展 開 し た い と 考 え て い る 。
( 2) 家 庭 系 生 ご み を 堆 肥 化 す る こ と で 貴 重 な 資 源 と し て 活 用 し 、 ご み の 減 量 の み な ら ず 、 花 や 野 菜 作 り に 親 し み な が ら 地 域 内 循 環 を 目 指 す 。
( 3) 当 チ ー ム は 、 さ ら に 自 主 財 源 を 確 保 し 、 よ り 自 主 的 な 活 動 を し て い く こ と を 目 指 す ( な が の 環 境 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 会 議 の 予 算 に 束 縛 さ れ ず 、 予 算 外 活 動 も 進 め て い く 必 要 を 感 じ る た め )。
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Ⅱ − 2 食 品 ト レ イ 使 用 削 減 プ ロ ジ ェ ク ト
理 想 の 街
食 品 ト レ イ の 使 用 を 減 ら す こ と に よ り 、 限 り あ る 地 球 の 資 源 を 大 切 に し 、 有 効 利 用 す る 、 市 民 の 暮 ら し と 事 業 活 動 が 営 ま れ て い る ま ち
1 「 理 想 の 街 」 に 向 け て 成 果 の あ っ た も の ( 具 体 的 な 活 動 実 績 な ど )
な が の 環 境 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 会 議 の リ ー デ ィ ン グ プ ロ ジ ェ ク ト と し て 発 足 当 初 か ら 取 り 組 み 、 食 品 小 売 事 業 者 の 協 力 を 得 て 「 食 品 ト レ イ 使 用 品 目 削 減 」 に 向 け て 活 動 を 開 始 し た 。 日 常 生 活 で 、 で き る こ と か ら 始 め る き っ か け と し て 、「 ご み は 元 か ら 断 つ 、 ご み を 発 生 さ せ な い 」 と の 考 え 方 を 、 さ ま ざ ま な 人 た ち に 先 駆 的 具 体 例 と し て 周 知 で き た 。
( 1) 食 品 小 売 事 業 者 と の 協 働
ア 平 成 1 4( 2 00 2) 年 2 月 か ら 市 内 の 主 要 な 食 品 小 売 事 業 者 ( ス ー パ ー な ど ) と
「 ご み 減 量 に 関 す る 懇 談 会 」 を 開 催 し 意 見 交 換 、 検 討 し た 。
イ 平 成 1 4 ( 2 00 2 ) 年 7 月 か ら 食 品 ト レ イ の 使 用 削 減 目 標 を ※ 対 象 1 0 0 品 目 と し て 、 市 内 1 3 事 業 者 と 「 食 品 ト レ イ 使 用 品 目 削 減 に 関 す る 申 し 合 わ せ 書 」 を 締 結 し 、 本 格 的 に 活 動 が ス タ ー ト し た 。 そ の 後 、 対 象 品 目 が 9 8 品 目 と な り 当 初 の 目 標 が ほ ぼ 達 成 さ れ 、 以 降 、 申 し 合 わ せ 書 の 検 証 や 見 直 し を し た 。
ウ 平 成 1 9 ( 20 0 7 ) 年 9 月 か ら プ ラ ス チ ッ ク 製 容 器 包 装 材 削 減 を 目 的 と し て 、 従 来 の 申 し 合 わ せ 書 を 廃 止 し 、 新 た に 「 プ ラ ス チ ッ ク 製 容 器 包 装 材 の 使 用 削 減 に 関 す る 申 し 合 わ せ 書 」 を 同 食 品 小 売 事 業 者 と 締 結 し た 。
※ 対 象 1 00 品 目 と は 、 ダ イ コ ン 、 ニ ン ジ ン 、 ネ ギ 、 バ ナ ナ 、 ミ カ ン な ど の 野 菜 や 果 物 等 に つ い て 、 食 品 ト レ イ を 使 用 し な い こ と と す る 品 物
食 品 ト レ イ ( 生 鮮 野 菜 な ど 商 品 を の せ る 皿 )
食 品 ト レ イ は 、 白 色 ・ 色 物 ・ 柄 物 の 発 泡 ス チ ロ ー ル 製 食 品 ト レ イ 及 び PE .P P. PE T. 非 発 泡P S等 の プ ラ ス チ ッ ク 製 ト レ イ ( パ ッ ク ) を 対 象 と し た 。
2 実 現 で き な か っ た こ と ・ 課 題
( 1) 「 プ ラ ス チ ッ ク 製 容 器 包 装 材 の 使 用 削 減 に 関 す る 申 し 合 わ せ 書 」 の 締 結 を し た が 、 ラ イ フ タ イ ル の 変 化 か ら 核 家 族 化 ・ 個 食 の 増 加 や 総 菜 の ア イ テ ム 数 の 増 加 、 ま た プ ラ ス チ ッ ク 製 容 器 包 装 材 の 用 途 ・ 種 類 の 多 様 化 、 そ し て 梱 包 ( こ ん ぽ う ) や 包 装 の ほ と ん ど が 生 産 ・ 流 通 段 階 で 行 わ れ て い る 現 状 で は 、 生 産 ・ 流 通 段 階 を 含 め た 活 動 の 見 直 し 、 検 討 が 必 要 で あ る 。
( 2) 市 内 の 主 要 小 売 事 業 者 で は 、 現 在 の 「 容 器 包 装 リ サ イ ク ル 法 」 改 正 な ど に 伴 い 、 独 自 に 取 り 組 み を 行 っ て い る た め 、 目 的 で あ る 「 食 品 ト レ イ 使 用 品 目 削 減 」 の 活 動 が 頭 打 ち の 現 状 か ら 、 今 後 は 当 チ ー ム の 在 り 方 に つ い て 検 討 す る 必 要 が あ る 。
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Ⅱ − 3 レ ジ 袋 使 用 削 減 プ ロ ジ ェ ク ト
理 想 の 街
レ ジ 袋 の 使 用 を 減 ら し 、 買 い 物 袋 ( マ イ バ ッ グ ) を 持 参 す る 意 識 を 定 着 さ せ る こ と に よ り 、 ご み 減 量 に 対 し て 市 民 が 主 体 的 に 行 動 し 、 資 源 を 大 切 に し て い る ま ち
1 「 理 想 の 街 」 に 向 け て 成 果 の あ っ た も の ( 具 体 的 な 活 動 実 績 な ど )
レ ジ 袋 の 使 用 削 減 の 取 り 組 み は 平 成 1 5( 2 00 3 ) 年 6 月 か ら 始 め ら れ 、 市 民 ・ 消 費 者 団 体 、 小 売 事 業 者 ( ス ー パ ー マ ー ケ ッ ト な ど )、 長 野 市 の 3 者 の 協 働 に よ り 、 店 頭 キ ャ ン ペ ー ン を 中 心 に さ ま ざ ま な 活 動 を 実 施 し た 。 そ の 結 果 、 現 在 で は 日 常 生 活 に 受 け 入 れ ら れ 、 食 品 小 売 店 に お い て は 、 マ イ バ ッ グ の 持 参 率 が 5 0 % に 近 づ い た 。
( 1) 多 く の 団 体 と の 協 働
市 民 ( 消 費 者 団 体 等 )・ 事 業 者 ( 食 品 ス ー パ ー )・ 行 政 ( 長 野 市 ) の 協 働 は も と よ り 、 千 曲 川 流 域 の 市 町 村 が 集 ま っ た 広 域 組 織 へ の 参 画 、 県 の レ ジ 袋 削 減 活 動 へ の 参 加 ・ 協 力 な ど 、 さ ま ざ ま な 組 織 と 連 携 し て 広 域 的 な 活 動 を す る こ と が で き た 。
ま た 、 地 元 の 高 校 生 や 信 州 大 学 工 学 部 地 域 環 境 演 習 の 学 生 を 受 け 入 れ 、 環 境 学 習 の 実 践 の 場 を 提 供 す る こ と が で き た 。
レ ジ 袋 の 削 減 は 「 一 人 の 10 0 歩 よ り 1 0 0 人 の 一 歩 」 が な け れ ば 進 ま な い 取 り 組 み で 、 さ ま ざ ま な 人 た ち が 参 加 し 、 協 力 を 得 ら れ た こ と は 大 き な 成 果 で あ る 。 ( 2) ノ ー ・ レ ジ 袋 デ ー
ア 市 内 の 主 要 な 小 売 事 業 者 と 「 ご み 減 量 に 関 す る 懇 談 会 」 を 開 催 し 、 レ ジ 袋 使 用 削 減 の た め の 統 一 行 動日 「 ノ ー ・ レ ジ 袋 デー 」の 実 施 に つ い て 合 意を 得ら れ た 。 イ 平 成 1 6 ( 2 00 4 ) 年 9 月 か ら 「 ノ ー ・ レ ジ 袋 デ ー 」 の 店 頭 キ ャ ン ペ ー ン を 開 始 。
以 降 も 毎 月 5 日 に 市 内 の 協 力 店 舗 に て 、 市 民 ・ 消 費 者 団 体 と 事 業 者 の 協 力 の も と 継 続 し て 実 施 し て い る 。
ウ 平 成 1 9 ( 2 00 7 ) 年 1 0 月 以 降 は 、 毎 年 1 0 月 を 「 ノ ー ・ レ ジ 袋 デ ー 強 化 キ ャ ン ペ ー ン 」 と し て 、 実 施 店 舗 や 実 施 期 間 の 拡 大 の ほ か 、 幅 広 い 層 に 協 力 を 呼 び 掛 け 、 市 長 、 市 議 会 議 員 、 各 住 民 自 治 協 議 会 や 老 人 ク ラ ブ な ど 大 勢 の 参 加 を 得 る な ど 、 通 常 の 月 よ り も 強 化 し て 店 頭 キ ャ ン ペ ー ン を 実 施 し た 。
エ 現 在 「 ノ ー ・ レ ジ 袋 デ ー 」 店 頭 キ ャ ン ペ ー ン 等 の 協 力 団 体 ・ 事 業 者 数 は 、 1 4 市 民 ・ 消 費 者 団 体 、 1 4 事 業 者 ( 4 9 店 舗 ) で あ る 。
「 ノ ー ・ レ ジ 袋 デ ー 」 で 定 め た 3 者 の 役 割
Ⅰ 市 民 ・ 消 費 者
買 い 物 袋 持 参 な ど レ ジ 袋 削 減 の た め の 行 動 を す る 、 又 来 店 者 へ の 店 頭 啓 発 の 実 施 ( た す き の 着 用 、 チ ラ シ 等 の 配 布 )
Ⅱ 事 業 者 ・ 店 舗
店 内 放 送 、 声 掛 け の 実 施 、 ま た 、 レ ジ 袋 不 要 カ ー ド 、 の ぼ り 旗 、 啓 発 ポ ス タ ー 等 の 設 置 ( 掲 示 )、 そ の 他 レ ジ 袋 削 減 に 関 す る 独 自 の 取 り 組 み
Ⅲ 行 政 ( 市 )
市 報 や ホ ー ム ペ ー ジ へ の 掲 載 、 メ デ ィ ア で の 広 報 、 啓 発 グ ッ ズ の 提 供 な ど
( 3) マ イ バ ッ グ 持 参 率 ( レ ジ 袋 辞 退 率 ) 調 査
レ ジ 袋 使 用 削 減 状 況 の 指 標 と し て 「 マ イ バ ッ グ 持 参 率 」 の 調 査 を 実 施 し て い る 。 当 初 、 持 参 率 の 目 標 値 を 3 0 % と し て お り 、 平 成 1 8( 20 0 6) 年 3 月 調 査 で は 1 3. 5 % 、 平 成 2 0 ( 2 00 8 ) 年 3 月 調 査 で は 2 7 . 5 % に 向 上 し た こ と か ら 、 平 成 2 1 ( 2 0 09 ) 年 に は 目 標 値 を 6 0 % に 見 直 し た 。 以 降 、 平 成 2 4 ( 2 01 2 ) 年 3 月 の 最 新 調 査 で は 49 . 3 % と な り 、 目 標 達 成 に 向 け 着 実 な 進 捗 ( し ん ち ょ く ) が 図 ら れ た 。
ま た 、 マ イ バ ッ グ 持 参 率 調 査 に よ る 結 果 数 値 は 、 活 動 の 進 捗 状 況 を 一 目 で 確 認 す る こ と が で き 、 さ ら に は 今 後 の 取 り 組 み を 進 め て い く 上 で 重 要 な 資 料 と な っ た 。
※ こ の マ イ バ ッ グ 持 参 率 ( レ ジ 袋 辞 退 率 ) の 数 値 は 、 市 内 の 主 な 食 品 ス ー パ ー の 定 点 調 査 の 結 果 で す 。
( 4) 地 域 活 動 へ の 取 り 組 み
市 内 の 地 域 や そ の 地 域 の 小 規 模 小 売 店 に 目 を 向 け 、 商 工 会 や 商 店 会 な ど に 協 力 を 要 請 し 、 順 次 、 協 力 店 ス テ ッ カ ー の 配 布 や の ぼ り 旗 の 設 置 ( 実 施 地 区 : 三 輪 地 区 、 信 州 新 町 地 区 ) を 依 頼 し た 。 地 域 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン か ら の 広 報 が 期 待 で き る 。
レ ジ 袋 削 減 の た め の ス テ ッ カ ー 店 頭 キ ャ ン ペ ー ン 風 景
マイバッ グ持参率の推移
0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0
平成1 8 年 平成2 0 年 平成2 4 年
持参率(%)
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( 5) そ の 他 の 最 近 の 取 り 組 み
従 来 の 店 頭 キ ャ ン ペ ー ン の 活 動 経 験 や マ イ バ ッ グ 持 参 率 の 調 査 結 果 な ど か ら 、 市 民 ・ 消 費 者 へ の 新 た な 周 知 対 策 と し て 、 マ イ バ ッ グ 持 参 率 の 目 標 値 や 現 状 値 を 示 し た 「 取 り 組 み の 見 え る 化 ス テ ッ カ ー 」 を 協 力 店 に 配 布 し た 。 こ れ を 来 店 客 の 見 え る 場 所 へ 掲 示 す る こ と で 、 一 層 こ の 取 り 組 み が 分 か る 周 知 活 動 が 行 え た 。
2 実 現 で き な か っ た こ と ・ 課 題
( 1) ド ラ ッ グ ス ト ア 、 コ ン ビ ニ エ ン ス ス ト ア な ど 多 く の 地 域 で 事 業 展 開 し て い る 店 舗 に つ い て は 、 折 衝 を 行 っ た が 了 解 が 得 ら れ ず 、 周 知 活 動 が で き な か っ た 。 ま た 、 地 域 の 小 規 模 小 売 店 や ホ ー ム セ ン タ ー な ど は 業 態 特 性 が あ り 、 定 着 さ せ る に 至 ら な か っ た 。 そ れ ら は 、 そ れ ぞ れ の 小 売 形 態 や 状 況 に 応 じ た 取 り 組 み を 行 う 必 要 が あ り 、 今 後 ど の よ う な 方 法 で 活 動 を 推 進 し て い く か が 課 題 で あ る 。 ( 2 ) 「 レ ジ 袋 無 料 配 布 中 止 ( レ ジ 袋 の 有 料 化 )」 に つ い て は 、 県 内 で も 一 部 の 自 治
体 で は 取 り 組 み が 進 ん で い る 。 ま た 、 長 野 県 で は 平 成 2 4 ( 2 0 12 ) 年 1 0 月 に 「 レ ジ 袋 無 料 配 布 中 止 」 に つ い て 、 県 知 事 に よ る 提 唱 が な さ れ 、 県 民 ・ 事 業 者 ・ 市 町 村 に 対 し 参 加 と 協 力 が 呼 び 掛 け ら れ た 。 こ れ を 受 け て 長 野 市 と 協 力 し 、 今 後 の 周 知 方 法 等 の 検 討 が 必 要 で あ る 。
( 3) レ ジ 袋 の 使 用 削 減 活 動 は 、 学 校 、 各 組 織 、 地 域 な ど さ ま ざ ま な 場 で の 環 境 意 識 の 啓 発 を 高 め る た め に 、 さ ら に 積 極 的 に 推 進 す る 必 要 が あ る 。
Ⅱ − 4 光 害 対 策 プ ロ ジ ェ ク ト
理 想 の 街
川 辺 に は 蛍 が 舞 い 、 夜 空 を 見 上 げ れ ば 天 の 川 、 適 度 に 足 元 が 明 る い 照 明 が 生 み 出 す 安 全 で 、 自 然 が 身 近 に 感 じ ら れ る ま ち
1 「 理 想 の 街 」 に 向 け て 成 果 の あ っ た も の ( 具 体 的 な 活 動 実 績 な ど ) ( 1) 夜 空 の 明 る さ 調 査
光 害 の 現 状 を 把 握 す る た め 、 市 内 1 5 0 カ 所 の 「 夜 空 の 明 る さ 調 査 」 を 天 文 サ ー ク ル 「 き ら き ら 」 と 協 力 し 毎 年 行 っ て き た 。 平 成 2 2 ( 2 01 0 ) 年 か ら は 、 手 間 の か か る フ ィ ル ム カ メ ラ 方 式 か ら ス カ イ ク オ リ テ ィ ー メ ー タ ー に よ る 計 測 に 切 り 替 え 、 効 率 化 を 図 っ た 。 そ の 結 果 、 光 害 に よ っ て 年 々 夜 空 が 明 る く な っ て い く 傾 向 が 浮 き 彫 り に な っ た 。
( 2) 屋 外 照 明 の 実 態 調 査
「 屋 外 照 明 の 実 態 調 査 」 を 行 い 、 屋 外 照 明 の 現 状 と 問 題 点 を 把 握 し て き た 。 傘 の な い 街 灯 な ど に よ る 光 害 や 無 駄 の 多 い 照 明 が ま だ ま だ 多 い 反 面 、 光 害 を 考 慮 し た フ ル カ ッ ト オ フ の 照 明 も 着 実 に 増 え て き た 。
「 夜 空 の 明 る さ 調 査 」 や 「 屋 外 照 明 の 実 態 調 査 」 で 得 た デ ー タ を 基 に パ ン フ レ ッ ト や パ ネ ル を 作 成 し 、 光 害 啓 発 活 動 の 資 料 と し て イ ベ ン ト な ど で 市 民 に 働 き 掛 け を し て き た 。
光 害 対 策 パ ン フ レ ッ ト ス カ イ ク オ リ テ ィ ー メ ー タ ー
グ ラ フ / 夜 空 の 明 る さ 調 査
水 平 よ り 上 に 光 が 漏 れ な い
「 フ ル カ ッ ト オ フ 照 明 器 」
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( 3) 光 害 の 啓 発 活 動
光 害 を 多 く の 市 民 に 知 っ て も ら う た め 、 全 国 的 な イ ベ ン ト で あ る 「 1 0 0 万 人 の キ ャ ン ド ル ナ イ ト 」 に 合 わ せ て 「 環 境 に や さ し い 光 」 を テ ー マ に 、 生 の 音 楽 と プ ラ ネ タ リ ウ ム を 活 用 し た イ ベ ン ト を 平 成 1 9 ( 20 0 7 ) 年 か ら 毎 年 開 催 し て い る 。 毎 回 80 人 ほ ど の 参 加 者 を 集 め 、 ア ン ケ ー ト を 実 施 し た と こ ろ 約 半 数 の 方 が 「 イ ベ ン ト 前 か ら 光 害 を 知 っ て い た 」 な ど 光 害 に 対 す る 認 識 度 が 着 実 に 上 が っ て き た 。
( 4) 光 害 対 策 照 明 の 設 置
新 た な 道 路 建 設 や 公 園 造 成 の 際 に は 市 担 当 課 ( 公 園 緑 地 課 、 体 育 課 等 ) と の プ ロ ジ ェ ク ト 実 施 会 議 を 開 催 し 、 要 望 を 行 っ て き た 。 そ の 結 果 、 若 穂 中 央 公 園 な ど に 光 害 対 策 を 考 慮 し た 照 明 を 設 置 す る こ と が で き た 。
2 実 現 で き な か っ た こ と
( 1) 光 害 の 生 態 系 へ 及 ぼ す 悪 影 響 に つ い て の 調 査 、 研 究 が 足 り ず 啓 発 活 動 に 生 か す こ と が で き な か っ た 。
( 2) 水 環 境 保 全 チ ー ム が 取 り 組 ん で い る 蛍 の 再 生 活 動 に 光 害 の 観 点 か ら 協 力 し 、 サ ポ ー ト す る 計 画 で あ っ た が 、 実 際 の 活 動 と し て は 、 ほ と ん ど で き な か っ た 。
3 課 題
( 1) 光 害 の 生 態 系 へ 及 ぼ す 悪 影 響 に つ い て 調 査 、 研 究 を 行 い 光 害 啓 発 活 動 に 生 か し た り 、 水 環 境 保 全 チ ー ム の 活 動 な ど に 協 力 、 サ ポ ー ト し た り す る 。
( 2) 光 害 啓 発 活 動 を 通 し て 、 市 民 が 実 際 に 光 害 に 対 し て 意 見 し た り 、 活 動 へ 参 加 し た り で き る 環 境 を つ く り 、 光 害 防 止 へ の 理 解 を よ り 一 層 深 め る 。
( 3 ) 「 1 0 0 万 人 の キ ャ ン ド ル ナ イ ト 」 イ ベ ン ト 以 外 に も 光 害 防 止 を 市 民 に P R す る 場 を 設 け 、 認 知 度 を 高 め る 。
( 4) 市 担 当 課 と 考 え 方 が 相 反 す る 課 題 に つ い て 、 今 後 の ミ ー テ ィ ン グ の 議 題 と し て 対 策 を 考 え て い く 。
光 害 調 査 の 様 子
光 害 ( ひ か り が い ) に つ い て
屋 外 照 明 器 具 か ら 出 て い る 光 の う ち 、 目 的 の 外 に 漏 れ る 光 に よ っ て 起 こ る さ ま
Ⅲ − 1 太 陽 エ ネ ル ギ ー 普 及 促 進 プ ロ ジ ェ ク ト
理 想 の 街
資 源 を 大 切 に し 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー で あ る 太 陽 光 を 活 用 し た 、 地 球 環 境 保 全 に 配 慮 し た 持 続 可 能 で 活 力 あ る ま ち
1 「 理 想 の 街 」 に 向 け て 成 果 の あ っ た も の ( 具 体 的 な 活 動 実 績 な ど )
太 陽 エ ネ ル ギ ー 促 進 チ ー ム で は 、 各 地 で 太 陽 エ ネ ル ギ ー 利 用 グ ッ ズ を 用 意 し 、 イ ベ ン ト や 小 学 校 で の 出 前 講 座 等 を 数 多 く 企 画 し 開 催 し た 。
( 1) 小 学 生 か ら 次 の よ う な 感 想 を い た だ き 、 出 前 講 座 な ど が 役 に 立 っ て い る こ と が 実 感 し た 。
ア 「 温 暖 化 す れ ば 地 球 が ダ メ に な り 、 自 分 た ち や 全 生 命 の 危 機 と か ・ ・ 。」 イ 「 温 暖 化 の 原 因 は 二 酸 化 炭 素 ( 温 室 効 果 ガ ス ) の 急 激 な 増 加 で あ る 。」 ウ 「 太 陽 エ ネ ル ギ ー を も っ と 利 用 す れ ば C O
2削 減 と な り 低 炭 素 社 会 が 実 現 で き る 。」
( 2) 今 ま で の 出 前 講 座 等 へ の 参 加 人 数 は 1 , 50 0 人 を 超 え た 。 ( 3) 長 野 市 に お け る 太 陽 光 発 電 設 備 に 対 す る 補 助 実 績 の 増 加
平 成 2 1( 2 00 9 ) 年 の 補 助 件 数 と 総 出 力 エ コ 市 民 シ ー ル 57 8 件 / 2 ,3 2 3. 03 k W ( エ コ 市 民 シ ー ル な し )
平 成 2 2( 2 01 0 ) 年 の 補 助 件 数 と 総 出 力
1, 0 42 件 / 4 , 30 1. 8 9k W ( エ コ 市 民 シ ー ル 1 , 04 2 枚 ) 平 成 2 3( 2 01 1 ) 年 の 補 助 件 数 と 総 出 力
1, 2 04 件 / 5 , 49 2. 4 1k W ( エ コ 市 民 シ ー ル 1 , 20 4 件 )
太 陽 光 発 電 設 備 を 設 置 し た 2 ,2 4 6 名 に 「 エ コ 市 民 賞 シ ー ル 」 を 配 布 し 、「 エ コ 市 民 」 の 知 名 度 が 上 が っ て き た 。
ア 平 成 2 0 ( 2 00 8 ) 年 か ら 国 の 個 人 住 宅 の 太 陽 光 発 電 補 助 金 も 再 開 さ れ 設 置 者 が 急 激 に 増 え 、 発 電 機 能 が 有 利 に 働 い て い る 。
イ 平 成 2 3 (2 0 1 1 ) 年 3 月 1 1 日 の 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 事 故 以 来 、 太 陽 光 発 電 設 備 の 設 置 希 望 者 が 増 え て き て い る 。
ウ 国 の 法 律 で 太 陽 光 発 電 の 固 定 価 格 買 い 取 り 額 が 1 k W 当 た り 平 成 2 4 年 度 設 置 分 は 4 2 円 と な り 、 関 心 が 高 く な り 設 置 者 も 増 え て き た 。
2 実 現 で き な か っ た こ と
( 1) 他 の チ ー ム や 環 境 団 体 と の 連 携 ( 2) 商 工 会 や 事 業 所 と の 連 携
( 3) 運 営 費 の 自 主 確 保 ( 企 業 か ら の 賛 助 金 )
3 課 題
( 1) 太 陽 エ ネ ル ギ ー 促 進 プ ロ ジ ェ ク ト の 1 0 年 後 の 目 標 が は っ き り し て な い 。 ( 2) 参 加 メ ン バ ー の 高 齢 化 の た め 、 若 返 り を 図 る 。
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( 3) メ ン バ ー の 拡 大 の た め 、 高 校 生 、 大 学 生 や 社 会 人 の メ ン バ ー 募 集 ( 4) チ ー ム の 資 金 を 多 く し 大 き な イ ベ ン ト を す る 。
( 5) イ ベ ン ト ツ ー ル の 拡 充
太 陽 エ ネ ル ギ ー 出 前 講 座 の 車 ( 軽 ト ラ 完 成 平 成 2 4( 2 01 2 ) 8 月 )
ソ ー ラ ー パ ネ ル が 開 き 、 1 .8 k W の 発 電 所 動 く と き は 、 コ ン パ ク ト に な り ま す ! と な り ま す 。
平 成 2 4( 2 01 2 ) 年 9 月 「 軽 ト ラ 市 」 へ の 出 展
Ⅲ − 2 な が の カ ー ボ ン オ フ セ ッ ト プ ロ ジ ェ ク ト
理 想 の 街
市 民 ・ 団 体 ・ 事 業 者 一 人 一 人 が 、 自 身 の 生 活 ・ 活 動 に 伴 う 環 境 負 荷 を 自 覚 し て 、 環 境 に 優 し い 地 域 社 会 構 築 へ の 協 働 に 努 め て い る ま ち
1 「 理 想 の 街 」 に 向 け て 成 果 の あ っ た も の ( 具 体 的 な 活 動 実 績 な ど )
( 1) 信 州 大 学 工 学 部 地 域 環 境 演 習 の 学 生 受 入 れ ( 学 生 向 け カ ー ボ ン オ フ セ ッ ト 制 度 の 検 討 )
ア 平 成 2 4 ( 2 01 2 ) 年 4 月 か ら 8 月 末 ま で 、 3 名 の 信 大 生 を 受 け 入 れ 、 学 生 が 取 り 組 め る 制 度 の 検 討 を 行 っ た 。 初 心 者 で も 容 易 に 検 討 開 始 で き る こ と は 、 平 成 22 ( 20 10 ) 年 度 の ワ ー ク シ ョ ッ プ で 確 認 済 み で あ り 、 2 時 間 の 基 礎 知 識 及 び 進 行 ル ー ル 説 明 で 、 学 生 を 中 心 に し て 約 半 年 間 の 活 動 を 開 始 し た 。
イ 三 者 三 様 の ス キ ー ム の 提 案 が あ っ た が 、 最 終 的 に 、 エ コ 活 動 と 学 生 生 協 製 品 の 交 換 を 基 本 と し た ス キ ー ム で 一 本 化 ・ 演 習 報 告 を 行 っ た 。 内 容 的 に は 未 完 成 な 部 分 が 多 々 存 在 し た が 、 基 本 的 な 構 想 は 十 分 に 活 用 可 能 な も の で あ り 、 今 後 の さ ら な る 改 善 が 期 待 さ れ 、 平 成 2 5 ( 2 01 3 ) 年 度 も 演 習 受 け 入 れ が 可 能 で あ れ ば 、 継 続 的 な 検 討 を し た い 。
ウ 検 討 会 の 一 環 と し て 、 地 域 カ ー ボ ン オ フ セ ッ ト 制 度 に 造 詣 が 深 い 市 内 の 個 人 ・ 団 体 と の 交 流 を 実 施 し た 。 ク ル ベ ジ ( 竹 墨 を 用 い た 健 康 野 菜 M CG R EE VY 氏 )、 省 エ ネ 活 動 と 植 林 の 交 換 企 画 ( N P O 法 人 み ど り の 市 民 )
2 実 現 で き な か っ た こ と
( 1) 信 州 大 学 工 学 部 地 域 環 境 演 習 は 、 制 度 確 立 未 完 の ま ま で 終 了 し た 。
( 2) 信 州 大 学 工 学 部 地 域 環 境 演 習 向 け に 、 短 期 的 に な が の 環 境 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 会 議 会 員 の 協 力 を 得 て プ ロ ジ ェ ク ト を 運 営 し た が 、 固 定 メ ン バ ー の 獲 得 ま で は 至 ら な か っ た 。
3 課 題
( 1) 信 州 大 学 の 学 生 向 け 制 度 の 骨 格 は 見 え て き た の で 、 平 成 2 5 ( 20 13 ) 年 度 は そ の ブ ラ シ ュ ア ッ プ を 図 り た い 。
( 2) 少 な い メ ン バ ー 数 で も 制 度 設 計 ・ 運 用 開 始 で き る が 、 新 し い 制 度 設 計 を 自 ら 行 う こ と に 本 プ ロ ジ ェ ク ト の 最 大 の 醍 醐 味 ( だ い ご み ) が あ る 。 ま た 、 そ れ ら 活 動 を 通 じ て 、 な が の 環 境 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 会 議 活 性 化 を 図 る こ と を 本 プ ロ ジ ェ ク ト の 目 的 の 一 つ と し て い る 。 可 能 な 限 り メ ン バ ー の 充 足 を 図 り た い 。
4 今 後 の 展 望
メ ン バ ー 充 足 を 図 る 手 段 と し て 、 次 の 活 動 を 展 開 す る 。
( 1) カ ー ボ ン オ フ セ ッ ト 制 度 設 計 の 楽 し さ を 感 じ て い た だ く た め の セ ミ ナ ー 等 を 開 催 す る 。
( 2) 具 体 的 な 制 度 案 を 提 示 し て 、 見 る 形 で の 公 募 活 動 を 行 う 。
( 3) 信 州 大 学 工 学 部 地 域 環 境 演 習 で 検 討 し た 学 生 向 け 制 度 は 、 独 立 し た 一 つ の 制 度
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と し て 確 立 を 目 指 す 。
カ ー ボ ン オ フ セ ッ ト
自 身 で 削 減 で き な い 温 室 効 果 ガ ス 排 出 量 を 、 他 の 場 所 で 削 減 ・ 吸 収 し た 量 で オ フ セ ッ ト ( 埋 め 合 わ せ ) す る こ と 。 そ の 埋 め 合 わ せ 方 法 を 排 出 量 取 引 と い う 。
た だ し 、 本 プ ロ ジ ェ ク ト は 、 こ こ で 定 義 す る カ ー ボ ン オ フ セ ッ ト の 実 現 を 全 く 目 的 と し て い な い 。 市 民 等 が 創 出 し た 環 境 価 値 の 、 地 域 に お け る 利 用 ( 分 配 ・ 交 換 ) 方 法 の 検 討 を 通 じ 、 新 し い 環 境 コ ラ ボ レ ー シ ョ ン の 可 能 性 を 探 る こ と を 目 的 と し て い る 。
Ⅲ − 3 子 ど も の 環 境 学 習 支 援 プ ロ ジ ェ ク ト
理 想 の 街
こ ど も エ コ ク ラ ブ で は 主 に 小 学 生 が 親 と 一 緒 に 活 動 し 、 中 高 生 に な っ た ら 「 ユ ー ス ク ラ ブ 」 で 自 主 的 に 環 境 活 動 を 行 い 、 市 民 環 境 団 体 と の 連 携 も 図 れ て い る ま ち
1 「 理 想 の 街 」 に 向 け て 成 果 の あ っ た も の ( 具 体 的 な 活 動 実 績 な ど ) ( 1) 国 際 ユ ー ス 環 境 会 議 の 開 催
ア 平 成 2 4 ( 20 1 2 ) 年 6 月 に 2 泊 3 日 の 日 程 で 、 国 際 ユ ー ス 環 境 会 議 を 鬼 無 里 に て 開 催 し た 。 3 4 名 の ユ ー ス と 約 6 0 名 の 参 加 者 を 得 て 、「 環 境 を 生 か し た 伝 統 的 生 活 」 を テ ー マ に 鬼 無 里 地 域 の 自 然 や 生 活 に つ い て 学 び 、 考 え た 。 ま た 、 国 内 外 6 人 の 外 国 籍 ユ ー ス と イ ン タ ー ネ ッ ト 接 続 し 、 英 語 で コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 実 施 す る こ と に よ り 、 ユ ー ス の 視 野 の 拡 大 を 図 っ た 。
イ 「 ま め っ て い 鬼 無 里 」、「 B S C N 長 野 」 な ど い く つ か の 環 境 団 体 と の 連 携 お よ び 協 力 関 係 を 構 築 す る こ と が で き た 。 ま た 参 加 者 か ら 次 年 度 の 実 行 委 員 を 募 り 、 約 1 5 名 の 参 加 希 望 を 得 た 。 下 見 お よ び メ ー リ ン グ を 用 い た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に よ り 、 次 回 国 際 ユ ー ス 環 境 会 議 を 大 岡 村 で 平 成 2 5 ( 2 01 3 ) 年 8 月 に 開 催 す る 下 地 が で き た 。
ウ 不 定 期 な が ら 環 境 に 関 す る 勉 強 会 を 実 施 し 、 参 加 者 へ の 次 回 に 向 け た 意 識 付 け を 企 画 し た 。 初 回 は 1 2 月 中 旬 に 実 施 、 メ ー リ ン グ 上 に も 「 英 語 D E エ コ 」 を 随 時 掲 載 し 、 今 後 も 継 続 開 催 の 予 定 で あ る 。
エ 海 外 へ の 活 動 成 果 と し て 、 米 国 か ら 実 行 委 員 へ の 新 規 参 加 者 ( 1 名 ) を 得 た 。 オ 実 施 成 果 を 、 平 成 2 4 ( 20 1 2 ) 年 度 の な が の 環 境 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 会 議 「 環 境
団 体 大 集 合 ( 2 月 1 7 日 ) 」 お よ び 「 長 野 市 環 境 こ ど も サ ミ ッ ト ( 2 月 2 4 日 ) 」 で 発 表 し た 。
2 実 現 で き な か っ た こ と
( 1) 準 備 期 間 が 短 く 、 海 外 か ら の ユ ー ス 招 致 に は 至 ら な か っ た が 、 県 国 際 交 流 員 お よ び 留 学 生 等 の 協 力 を 得 て 、 あ る 程 度 の 国 際 性 は 確 保 で き た 。
( 2) 開 催 初 年 度 と い う こ と も あ り 広 報 な ど 準 備 不 足 の 点 も あ っ た 。 3 課 題
( 1 ) 国 際 ユ ー ス 環 境 会 議 ( 年 次 イ ベ ン ト )、 勉 強 会 、 メ ー リ ン グ リ ス ト 等 、 ユ ー ス ク ラ ブ 設 立 に 向 け た 構 想 お よ び 枠 組 み は 設 定 で き た が 、 ユ ー ス の 自 主 的 な 活 動 の 喚 起 に は 至 っ て い な い 。 軌 道 に 乗 る ま で は 、 引 き 続 き 支 援 が 必 要 と 思 わ れ る 。 ( 2) 支 援 す る 大 人 の メ ン バ ー が 不 足 で あ る 。 自 律 的 に 動 け る 人 材 が 必 要 で あ り 、 長
期 的 な 視 点 で 人 材 を 探 し た い 。 4 今 後 の 展 望
( 1) 現 在 の 枠 組 み の 運 用 を 通 じ て 、 ユ ー ス の 自 主 的 な 活 動 の 場 「 ユ ー ス ク ラ ブ 」 の 確 立 を 目 指 す (「 ユ ー ス ク ラ ブ 」 の 形 態 は 現 状 で は 規 定 し て い な い の で 現 在 の 活 動 が 、 そ の ま ま 継 続 す る こ と も あ る )。
( 2) ユ ー ス の 自 主 的 な 活 動 が 鍵 で あ り 、 今 後 も 活 性 化 を 促 す 多 様 な 仕 掛 け を 、 模 索 し た い 。
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「 第 1 回 国 際 ユ ー ス 環 境 会 議 i n 鬼 無 里 」 開 催 風 景 ( 平 成 24 ( 20 1 2) 年 6 月 1 5 日 ∼ 1 7 日 )
国 際 ユ ー ス 会 議
中 学 生 ・ 高 校 生 ( ユ ー ス ) に な る と 、 環 境 活 動 に つ い て 遠 ざ か る 傾 向 に あ り ま す 。 ユ ー ス を 対 象 と し て 環 境 活 動 を サ ポ ー ト し て い ま す 。
Ⅲ − 4 G L O B E プ ロ ジ ェ ク ト
理 想 の 街
子 ど も た ち と 長 野 の 環 境 指 標 を 観 測 し 、 身 の 回 り の 環 境 の 変 化 を 知 り 、 G L O B E ( 注 1 ) を 通 じ て 、 長 野 か ら 世 界 へ の 環 境 意 識 を 広 げ て い る ま ち
1 「 理 想 の 街 」 に 向 け て 成 果 の あ っ た も の ( 具 体 的 な 活 動 実 績 な ど )
長 野 の 気 温 を 測 定 し 、 等 温 地 図 に 表 現 す る と い う 方 向 に 向 け て 、 以 下 の 成 果 が あ っ た 。
( 1) 気 温 観 測
市 内 小 ・ 中 学 校 等 に 測 定 器 を 置 き 、 平 成 2 3 ( 2 01 1 ) 年 と 平 成 2 4 ( 2 0 1 2 ) 年 の 同 じ 日 に 測 定 し た 気 温 デ ー タ な ど を 使 っ て そ れ ぞ れ の 等 温 地 図 な ど ( 最 高 ・ 最 低 気 温 地 図 や 一 日 の 変 動 動 画 ) を 作 成 し 、 ヒ ー ト ア イ ラ ン ド 現 象 に つ い て 検 証 し た 。 測 定 や 等 温 地 図 の 作 成 に 当 た っ て は 、 信 州 大 学 工 学 部 や 長 野 県 環 境 保 全 研 究 所 な ど の 方 々 に ご 協 力 を い た だ い た 。 こ の デ ー タ を 信 州 大 学 工 学 部 教 授 、 長 野 県 環 境 保 全 研 究 所 職 員 、 気 象 庁 O B な ど の 専 門 家 か ら コ メ ン ト を い た だ い た 。 ( 2) 気 象 観 測 器
環 境 学 習 の 拠 点 と し て 長 野 市 が 整 備 し て い る 環 境 学 習 コ ー ナ ー の あ る 長 野 市 生 涯 学 習 セ ン タ ー ( T O i G O ) 屋 上 に 気 象 観 測 器 を 設 置 し た 。 こ こ で 常 時 観 測 を す る こ と で 、 子 ど も た ち に 長 野 市 の 気 温 の 状 況 を 理 解 し て も ら う た め の 基 本 的 な 施 設 の 整 備 が で き た 。
2 実 現 で き な か っ た こ と
長 野 市 生 涯 学 習 セ ン タ ー ( T O i G O ) 屋 上 に 置 い た 気 象 観 測 装 置 の デ ー タ を 長 野 市 生 涯 学 習 セ ン タ ー 内 の パ ソ コ ン に 転 送 し て 、 こ こ で G L O B E に 接 続 し て 、 情 報 を 世 界 的 に 発 信 す る 予 定 で あ る が 、 無 線 通 信 の ト ラ ブ ル で 転 送 が う ま く 行 か ず に G L O B E へ の 接 続 が で き て い な い 。 ま た 、 安 定 し た デ ー タ 転 送 が で き て い な い た め に 、 計 測 し た デ ー タ を 広 く 公 開 す る こ と が で き ず に 、 情 報 発 信 が 市 内 向 け に も で き て い な い 。
設 置 し た 気 象 観 測 器
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3 課 題
( 1) 理 想 の 街 に 向 け て 基 礎 的 な 整 備 は で き た が 、 情 報 発 信 が で き て い な い 。 デ ー タ 転 送 シ ス テ ム の 整 備 を 行 い 、 情 報 発 信 を 行 う た め に 、 技 術 的 な サ ポ ー ト が 必 要 で あ る 。
( 2) 等 温 地 図 の 利 用 方 法 の 再 検 討 を す る 。 か な り よ い 地 図 が で き 、 更 に 専 門 家 か ら の 考 察 も い た だ い た の で 、 も っ と 有 効 な 活 用 を 考 え て い き た い 。
( 3) 子 ど も 支 援 チ ー ム と の 協 力 を し 、 ユ ー ス 会 議 で 何 ら か の ア ピ ー ル を 考 え て い く 。 ( 4) 作 成 し た 等 温 地 図 を 、 広 く 環 境 教 育 等 に 役 立 て て も ら う た め の 広 報 の 仕 方 を 考
え た い 。
( 5) 温 度 以 外 の 環 境 観 測 も 実 施 し 、 多 様 な 環 境 デ ー タ の 収 集 ・ 発 信 に つ な げ た い 。
G L O B E ( 注 1 )
子 ど も た ち に 地 球 環 境 に つ い て の 学 習 の 促 進 や 地 球 環 境 の 保 全 に 参 画 す る 機 会 を 提 供 す る こ と を 目 的 と し て 、 1 99 4 ( 平 成 6) 年 の ア ー ス デ ー に ア メ リ カ が 提 案 し た 環 境 学 習 プ ロ グ ラ ム 。 具 体 的 に は 、 世 界 各 国 の 子 ど も た ち が 観 測 し た 環 境 ( 気 象 ・ 水 質 ・ 大 気 ・ 土 壌 ・ 生 態 系 等 ) デ ー タ を 、 ア メ リ カ の グ ロ ー ブ デ ー タ 処 理 セ ン タ ー で 共 有 ・ 公 開 す る 世 界 規 模 の シ ス テ ム で あ る 。 画 像 処 理 さ れ た 「 地 球 環 境 イ メ ー ジ 」 の 入 手 や 、 参 加 し た 子 ど も た ち 相 互 の メ ー ル 交 換 が 可 能 で あ る 。